JP7378225B2 - 自己乳化型ポリイソシアネート組成物製造用親水化剤、自己乳化型ポリイソシアネート組成物及び塗料組成物 - Google Patents

自己乳化型ポリイソシアネート組成物製造用親水化剤、自己乳化型ポリイソシアネート組成物及び塗料組成物 Download PDF

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Description

本発明は、アミノホスホン酸モノエステル化合物、その製造方法、自己乳化型ポリイソシアネート組成物製造用親水化剤、自己乳化型ポリイソシアネート組成物、それから得られる塗料組成物及びその塗膜に関する。
従来、接着剤や塗料等として使用される硬化性組成物としてポリイソシアネートが知られており、イソシアヌレート構造を有する疎水性ポリイソシアネートをノニオン性親水基含有一官能アルコール化合物により変性させ、水に乳化、分散して使用されている。(例えば特許文献1参照)。しかし、このような組成物の場合、アルミニウム等の金属基材上に塗布した際に、付着性が発揮できないといった問題点があった。
特開昭61-291613号公報
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、アルミニウム等の金属基材への付着性に優れる自己乳化型ポリイソシアネート組成物を提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定のアニオン性化合物(a)、有機ポリイソシアネート(b)、及びアミン化合物(c)から得られる自己乳化型ポリイソシアネート組成物により、前記課題を解決することを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は以下の[1]~[13]に示す実施形態を含むものである。
[1]下記式1aで表されるアミノホスホン酸モノエステル。
(式中、R1aは炭素数4から10のアルキル基を表す。R2aは炭素数3から10のアルキレン基を表す。R3aは炭素数1から6のアルキル基を表す。R1a及びR2aの基中の1つ以上の炭素原子は、酸素原子が隣接しないように酸素原子で置換されていてもよい。)。
[2]R1aが炭素数4から6のアルキル基又は3-メトキシプロピル基であり、R2aがトリメチレン基又はテトラメチレン基である、上記[1]に記載のアミノホスホン酸モノエステル。
[3]下記式2で表されるアミノホスホン酸ジエステルを脱アルキル化することを特徴とする、下記式1で表されるアニオン性化合物(a)の製造方法。
(式中、Rは炭素数1から10のアルキル基を表す。Rは炭素数1から10のアルキレン基を表す。R及びRは、各々独立に炭素数1から6のアルキル基を表す。R及びRの基中の1つ以上の炭素原子は、酸素原子が隣接しないように酸素原子で置換されていてもよい。)。
[4]下記式1で表されるアニオン性化合物(a)を含むことを特徴とする、自己乳化型ポリイソシアネート組成物製造用親水化剤。
(式中、Rは炭素数1から10のアルキル基を表す。Rは炭素数1から10のアルキレン基を表す。Rは炭素数1から6のアルキル基を表す。R及びRの基中の1つ以上の炭素原子は、酸素原子が隣接しないように酸素原子で置換されていてもよい。)。
[5]Rが炭素数4から10のアルキル基であり、Rが炭素数3から10のアルキレン基であり、Rが炭素数1から6のアルキル基であり、R及びRの基中の1つ以上の炭素原子が、酸素原子が隣接しないように酸素原子で置換されていてもよい、アニオン性化合物(a)を含むことを特徴とする上記[4]に記載の自己乳化型ポリイソシアネート組成物製造用親水化剤。
[6]Rが炭素数4から6のアルキル基又は3-メトキシプロピル基であり、Rがトリメチレン基又はテトラメチレン基である、アニオン性化合物(a)を含むことを特徴とする、上記[4]に記載の自己乳化型ポリイソシアネート組成物製造用親水化剤。
[7]下記式1で表されるアニオン性化合物(a)、有機ポリイソシアネート(b)及びアミン化合物(c)から得られる自己乳化型ポリイソシアネート組成物。
(式中、Rは炭素数1から10のアルキル基を表す。Rは炭素数1から10のアルキレン基を表す。Rは炭素数1から6のアルキル基を表す。R及びRの基中の1つ以上の炭素原子は、酸素原子が隣接しないように酸素原子で置換されていてもよい。)。
[8]Rが炭素数4から10のアルキル基であり、Rが炭素数3から10のアルキレン基であり、Rが炭素数1から6のアルキル基であり、R及びRの基中の1つ以上の炭素原子が、酸素原子が隣接しないように酸素原子で置換されていてもよい、アニオン性化合物(a)から得られることを特徴とする上記[7]に記載の自己乳化型ポリイソシアネート組成物。
[9]Rが炭素数4から6のアルキル基又は3-メトキシプロピル基であり、Rがトリメチレン基又はテトラメチレン基である、アニオン性化合物(a)から得られることを特徴とする上記[7]に記載の自己乳化型ポリイソシアネート組成物。
[10]有機ポリイソシアネート(b)中のイソシアナト基の質量分率が、自己乳化型ポリイソシアネート組成物の全質量を基準として、10~35質量%であることを特徴とする上記[7]から[9]のいずれかに記載の自己乳化型ポリイソシアネート組成物。
[11]有機ポリイソシアネート(b)が、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性ポリイソシアネートを含有することを特徴とする上記[7]から[10]のいずれかに記載の自己乳化型ポリイソシアネート組成物。
[12]上記[7]から[11]のいずれかに記載の自己乳化型ポリイソシアネート組成物と主剤とから得られる塗料組成物。
[13]上記[12]に記載の塗料組成物から得られる塗膜。
本発明によれば、アルミニウム等の金属基材への付着性に優れた自己乳化型ポリイソシアネート組成物を得ることができる。
以下、本発明について詳しく説明する。
<アミノホスホン酸モノエステル>
本発明のアミノホスホン酸モノエステルは、下記式(1a)で表される化合物である。
(式中、R1aは炭素数4から10のアルキル基を表す。R2aは炭素数3から10のアルキレン基を表す。R3aは炭素数1から6のアルキル基を表す。R1a及びR2aの基中の1つ以上の炭素原子は、酸素原子が隣接しないように酸素原子で置換されていてもよい。)。
1aで表される炭素数4から10のアルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよく、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を例示することができる。この中でも、水への相溶性が高い点で、炭素数4から6のアルキル基が好ましい。
1aで表されるアルキル基中の1つ以上の炭素原子が酸素原子で置換されていてもよい。アルキル基中の2つ以上の炭素原子が酸素原子で置換されている場合、酸素原子同士が隣接しないように置換されていなくてはならない。該アルキル基としては、2-メトキシエチル基、2-エトキシエチル基、2-プロポキシエチル基、3-メトキシプロピル基、3-エトキシプロピル基、3-プロポキシプロピル基、4-メトキシブチル基、4-エトキシブチル基、4-プロポキシブチル基、2-(2-メトキシエトキシ)エチル基、2-(2-エトキシエトキシ)エチル基等を例示することができる。この中でも反応収率が良い点で3-メトキシプロピル基が好ましい。
2aで表される炭素数3から10のアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよく、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、へプタメチレン基、オクタメチレン基、2,2-ジメチルテトラメチレン基等を例示することができる。この中でも、水への相溶性が高い点で、トリメチレン基又はテトラメチレン基が好ましい。
2aで表されるアルキレン基中の1つ以上の炭素原子が酸素原子で置換されていてもよい。アルキル基中の2つ以上の炭素原子が酸素原子で置換されている場合、酸素原子同士が隣接しないように置換されていなくてはならない。該アルキレン基としては、2-オキサトリメチレン基、2-オキサテトラメチレン基、2-オキサペンタメチレン基、3-オキサトリメチレン基、3-オキサテトラメチレン基、3-オキサペンタメチレン基、3,6-ジオキサオクタメチレン基等を例示することができる。この中でも、水への相溶性が高い点で、2-オキサトリメチレン基又は3-オキサペンタメチレン基が好ましい。
3aで表される炭素数1から6のアルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、へキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を例示することができる。この中でも反応収率が良い点でメチル基又はエチル基が好ましい。
本発明のアミノホスホン酸モノエステル化合物としては、3-(ブチルアミノ)プロピルホスホン酸モノメチル、3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]プロピルホスホン酸モノメチル、3-[(3-エトキシプロピル)アミノ]プロピルホスホン酸モノメチル、3-(ペンチルアミノ)プロピルホスホン酸モノメチル、3-(へキシルアミノ)プロピルホスホン酸モノメチル、3-(へプチルアミノ)プロピルホスホン酸モノメチル、3-(オクチルアミノ)プロピルホスホン酸モノメチル、3-(tert-ブチルアミノ)プロピルホスホン酸モノメチル、4-(ブチルアミノ)ブチルホスホン酸モノメチル、4-[(3-メトキシプロピル)アミノ]ブチルホスホン酸モノメチル、4-[(3-エトキシプロピル)アミノ]ブチルホスホン酸モノメチル、4-(ペンチルアミノ)ブチルホスホン酸モノメチル、4-(へキシルアミノ)ブチルホスホン酸モノメチル、4-(へプチルアミノ)ブチルホスホン酸モノメチル、4-(オクチルアミノ)ブチルホスホン酸モノメチル、4-(tert-ブチルアミノ)ブチルホスホン酸モノメチル、5-(ブチルアミノ)ペンチルホスホン酸モノメチル、5-[(3-メトキシプロピル)アミノ]ペンチルホスホン酸モノメチル、5-[(3-エトキシプロピル)アミノ]ペンチルホスホン酸モノメチル、5-(ペンチルアミノ)ペンチルホスホン酸モノメチル、5-(へキシルアミノ)ペンチルホスホン酸モノメチル、5-(へプチルアミノ)ペンチルホスホン酸モノメチル、5-(オクチルアミノ)ペンチルホスホン酸モノメチル、5-(tert-ブチルアミノ)ペンチルホスホン酸モノメチル、6-(ブチルアミノ)へキシルホスホン酸モノメチル、6-[(3-メトキシプロピル)アミノ]へキシルホスホン酸モノメチル、6-[(3-エトキシプロピル)アミノ]へキシルホスホン酸モノメチル、6-(ペンチルアミノ)へキシルホスホン酸モノメチル、6-(へキシルアミノ)へキシルホスホン酸モノメチル、8-[(3-メトキシプロピル)アミノ]オクチルホスホン酸モノメチル、2-[2-(tert-ブチルアミノ)エトキシ]エチルホスホン酸モノメチル、2-[2-(ブチルアミノ)エトキシ]エチルホスホン酸モノメチル、2-[2-[(3-メトキシプロピル)アミノ]エトキシ]エチルホスホン酸モノメチル、2-[2-[(3-エトキシプロピル)アミノ]エトキシ]エチルホスホン酸モノメチル、2-[2-(へキシルアミノ)エトキシ]エチルホスホン酸モノメチル、2-[2-(オクチルアミノ)エトキシ]エチルホスホン酸モノメチル、3-(シクロヘキシルアミノ)プロピルホスホン酸モノメチル、4-(シクロヘキシルアミノ)ブチルホスホン酸モノメチル、3-(ブチルアミノ)プロピルホスホン酸モノエチル、3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]プロピルホスホン酸モノエチル、3-[(3-エトキシプロピル)アミノ]プロピルホスホン酸モノエチル、3-(ペンチルアミノ)プロピルホスホン酸モノエチル、3-(へキシルアミノ)プロピルホスホン酸モノエチル、3-(へプチルアミノ)プロピルホスホン酸モノエチル、3-(オクチルアミノ)プロピルホスホン酸モノエチル、3-(tert-ブチルアミノ)プロピルホスホン酸モノエチル、4-(プロピルアミノ)ブチルホスホン酸モノエチル、4-(ブチルアミノ)ブチルホスホン酸モノエチル、4-[(3-メトキシプロピル)アミノ]ブチルホスホン酸モノエチル、4-[(3-エトキシプロピル)アミノ]ブチルホスホン酸モノエチル、4-(ペンチルアミノ)ブチルホスホン酸モノエチル、4-(へキシルアミノ)ブチルホスホン酸モノエチル、4-(へプチルアミノ)ブチルホスホン酸モノエチル、4-(オクチルアミノ)ブチルホスホン酸モノエチル、4-(tert-ブチルアミノ)ブチルホスホン酸モノエチル、5-(ブチルアミノ)ペンチルホスホン酸モノエチル、5-[(3-メトキシプロピル)アミノ]ペンチルホスホン酸モノエチル、5-[(3-エトキシプロピル)アミノ]ペンチルホスホン酸モノエチル、5-(ペンチルアミノ)ペンチルホスホン酸モノエチル、5-(へキシルアミノ)ペンチルホスホン酸モノエチル、5-(へプチルアミノ)ペンチルホスホン酸モノエチル、5-(オクチルアミノ)ペンチルホスホン酸モノエチル、5-(tert-ブチルアミノ)ペンチルホスホン酸モノエチル、6-(ブチルアミノ)へキシルホスホン酸モノエチル、6-[(3-メトキシプロピル)アミノ]へキシルホスホン酸モノエチル、6-[(3-エトキシプロピル)アミノ]へキシルホスホン酸モノエチル、6-(ペンチルアミノ)へキシルホスホン酸モノエチル、6-(へキシルアミノ)へキシルホスホン酸モノエチル、6-(へプチルアミノ)へキシルホスホン酸モノエチル、8-[(3-メトキシプロピル)アミノ]オクチルホスホン酸モノエチル、2-[2-(tert-ブチルアミノ)エトキシ]エチルホスホン酸モノエチル、2-[2-(ブチルアミノ)エトキシ]エチルホスホン酸モノエチル、2-[2-[(3-メトキシプロピル)アミノ]エトキシ]エチルホスホン酸モノエチル、2-[2-[(3-エトキシプロピル)アミノ]エトキシ]エチルホスホン酸モノエチル、2-[2-(へキシルアミノ)エトキシ]エチルホスホン酸モノエチル、2-[2-(オクチルアミノ)エトキシ]エチルホスホン酸モノエチル、3-(シクロヘキシルアミノ)プロピルホスホン酸モノエチル、4-(シクロヘキシルアミノ)ブチルホスホン酸モノエチル等を例示することができる。この中でも、水への相溶性が高い点で、3-(ブチルアミノ)プロピルホスホン酸モノメチル、3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]プロピルホスホン酸モノメチル、4-(ブチルアミノ)ブチルホスホン酸モノメチル、4-[(3-メトキシプロピル)アミノ]ブチルホスホン酸モノメチル、3-(シクロヘキシルアミノ)プロピルホスホン酸モノメチル、4-(シクロヘキシルアミノ)ブチルホスホン酸モノメチル、3-(ブチルアミノ)プロピルホスホン酸モノエチル、3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]プロピルホスホン酸モノエチル、4-(ブチルアミノ)ブチルホスホン酸モノエチル、4-[(3-メトキシプロピル)アミノ]ブチルホスホン酸モノエチル、3-(シクロヘキシルアミノ)プロピルホスホン酸モノエチル、4-(シクロヘキシルアミノ)ブチルホスホン酸モノエチルが好ましい。
本発明のアミノホスホン酸モノエステルは、アニオン性化合物(a)として本発明の自己乳化型ポリイソシアネート組成物製造用親水化剤として用いることができる。
本発明の自己乳化型ポリイソシアネート組成物は、アニオン性化合物(a)、有機ポリイソシアネート(b)及びアミン化合物(c)から得られる。
<アニオン性化合物(a)>
本発明において、アニオン性化合物(a)とは、下記式1で表され、有機ポリイソシアネート(b)に親水性を付与することができる自己乳化型ポリイソシアネート組成物製造用親水化剤である。
(式中、Rは炭素数1から10のアルキル基を表す。Rは炭素数1から10のアルキレン基を表す。Rは炭素数1から6のアルキル基を表す。R及びRの基中の1つ以上の炭素原子は、酸素原子が隣接しないように酸素原子で置換されていてもよい。)。
で表される炭素数1から10のアルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を例示することができる。この中でも、水への相溶性が高い点で、炭素数4から10のアルキル基が好ましく、炭素数4から6のアルキル基がさらに好ましい。
で表されるアルキル基中の1つ以上の炭素原子が酸素原子で置換されていてもよい。アルキル基中の2つ以上の炭素原子が酸素原子で置換されている場合、酸素原子同士が隣接しないように置換されていなくてはならない。該アルキル基としては、2-メトキシエチル基、2-エトキシエチル基、2-プロポキシエチル基、3-メトキシプロピル基、3-エトキシプロピル基、3-プロポキシプロピル基、4-メトキシブチル基、4-エトキシブチル基、4-プロポキシブチル基、2-(2-メトキシエトキシ)エチル基、2-(2-エトキシエトキシ)エチル基等を例示することができる。この中でも反応収率が良い点で3-メトキシプロピル基が好ましい。
で表される炭素数1から10のアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよく、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、へプタメチレン基、オクタメチレン基、2,2-ジメチルテトラメチレン基等を例示することができる。この中でも、水への相溶性が高い点で、炭素数3から10のアルキレン基が好ましく、トリメチレン基又はテトラメチレン基がさらに好ましい。
で表されるアルキレン基中の1つ以上の炭素原子が酸素原子で置換されていてもよい。アルキル基中の2つ以上の炭素原子が酸素原子で置換されている場合、酸素原子同士が隣接しないように置換されていなくてはならない。該アルキレン基としては、2-オキサトリメチレン基、2-オキサテトラメチレン基、2-オキサペンタメチレン基、3-オキサトリメチレン基、3-オキサテトラメチレン基、3-オキサペンタメチレン基、3,6-ジオキサオクタメチレン基等を例示することができる。この中でも、水への相溶性が高い点で、2-オキサトリメチレン基又は3-オキサペンタメチレン基が好ましい。
で表される炭素数1から6のアルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、へキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を例示することができる。この中でも反応収率が良い点でメチル基又はエチル基が好ましい。
アニオン性化合物(a)としては、3-(プロピルアミノ)プロピルホスホン酸モノメチル、3-(ブチルアミノ)プロピルホスホン酸モノメチル、3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]プロピルホスホン酸モノメチル、3-[(3-エトキシプロピル)アミノ]プロピルホスホン酸モノメチル、3-(ペンチルアミノ)プロピルホスホン酸モノメチル、3-(へキシルアミノ)プロピルホスホン酸モノメチル、3-(へプチルアミノ)プロピルホスホン酸モノメチル、3-(オクチルアミノ)プロピルホスホン酸モノメチル、3-(tert-ブチルアミノ)プロピルホスホン酸モノメチル、4-(プロピルアミノ)ブチルホスホン酸モノメチル、4-(ブチルアミノ)ブチルホスホン酸モノメチル、4-[(3-メトキシプロピル)アミノ]ブチルホスホン酸モノメチル、4-[(3-エトキシプロピル)アミノ]ブチルホスホン酸モノメチル、4-(ペンチルアミノ)ブチルホスホン酸モノメチル、4-(へキシルアミノ)ブチルホスホン酸モノメチル、4-(へプチルアミノ)ブチルホスホン酸モノメチル、4-(オクチルアミノ)ブチルホスホン酸モノメチル、4-(tert-ブチルアミノ)ブチルホスホン酸モノメチル、5-(プロピルアミノ)ペンチルホスホン酸モノメチル、5-(ブチルアミノ)ペンチルホスホン酸モノメチル、5-[(3-メトキシプロピル)アミノ]ペンチルホスホン酸モノメチル、5-[(3-エトキシプロピル)アミノ]ペンチルホスホン酸モノメチル、5-(ペンチルアミノ)ペンチルホスホン酸モノメチル、5-(へキシルアミノ)ペンチルホスホン酸モノメチル、5-(へプチルアミノ)ペンチルホスホン酸モノメチル、5-(オクチルアミノ)ペンチルホスホン酸モノメチル、5-(tert-ブチルアミノ)ペンチルホスホン酸モノメチル、6-(プロピルアミノ)へキシルホスホン酸モノメチル、6-(ブチルアミノ)へキシルホスホン酸モノメチル、6-[(3-メトキシプロピル)アミノ]へキシルホスホン酸モノメチル、6-[(3-エトキシプロピル)アミノ]へキシルホスホン酸モノメチル、6-(ペンチルアミノ)へキシルホスホン酸モノメチル、6-(へキシルアミノ)へキシルホスホン酸モノメチル、8-[(3-メトキシプロピル)アミノ]オクチルホスホン酸モノメチル、2-[2-(tert-ブチルアミノ)エトキシ]エチルホスホン酸モノメチル、2-[2-(プロピルアミノ)エトキシ]エチルホスホン酸モノメチル、2-[2-(ブチルアミノ)エトキシ]エチルホスホン酸モノメチル、2-[2-[(3-メトキシプロピル)アミノ]エトキシ]エチルホスホン酸モノメチル、2-[2-[(3-エトキシプロピル)アミノ]エトキシ]エチルホスホン酸モノメチル、2-[2-(へキシルアミノ)エトキシ]エチルホスホン酸モノメチル、2-[2-(オクチルアミノ)エトキシ]エチルホスホン酸モノメチル、3-(シクロヘキシルアミノ)プロピルホスホン酸モノメチル、4-(シクロヘキシルアミノ)ブチルホスホン酸モノメチル、3-(プロピルアミノ)プロピルホスホン酸モノエチル、3-(ブチルアミノ)プロピルホスホン酸モノエチル、3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]プロピルホスホン酸モノエチル、3-[(3-エトキシプロピル)アミノ]プロピルホスホン酸モノエチル、3-(ペンチルアミノ)プロピルホスホン酸モノエチル、3-(へキシルアミノ)プロピルホスホン酸モノエチル、3-(へプチルアミノ)プロピルホスホン酸モノエチル、3-(オクチルアミノ)プロピルホスホン酸モノエチル、3-(tert-ブチルアミノ)プロピルホスホン酸モノエチル、4-(プロピルアミノ)ブチルホスホン酸モノエチル、4-(ブチルアミノ)ブチルホスホン酸モノエチル、4-[(3-メトキシプロピル)アミノ]ブチルホスホン酸モノエチル、4-[(3-エトキシプロピル)アミノ]ブチルホスホン酸モノエチル、4-(ペンチルアミノ)ブチルホスホン酸モノエチル、4-(へキシルアミノ)ブチルホスホン酸モノエチル、4-(へプチルアミノ)ブチルホスホン酸モノエチル、4-(オクチルアミノ)ブチルホスホン酸モノエチル、4-(tert-ブチルアミノ)ブチルホスホン酸モノエチル、5-(プロピルアミノ)ペンチルホスホン酸モノエチル、5-(ブチルアミノ)ペンチルホスホン酸モノエチル、5-[(3-メトキシプロピル)アミノ]ペンチルホスホン酸モノエチル、5-[(3-エトキシプロピル)アミノ]ペンチルホスホン酸モノエチル、5-(ペンチルアミノ)ペンチルホスホン酸モノエチル、5-(へキシルアミノ)ペンチルホスホン酸モノエチル、5-(へプチルアミノ)ペンチルホスホン酸モノエチル、5-(オクチルアミノ)ペンチルホスホン酸モノエチル、5-(tert-ブチルアミノ)ペンチルホスホン酸モノエチル、6-(プロピルアミノ)へキシルホスホン酸モノエチル、6-(ブチルアミノ)へキシルホスホン酸モノエチル、6-[(3-メトキシプロピル)アミノ]へキシルホスホン酸モノエチル、6-[(3-エトキシプロピル)アミノ]へキシルホスホン酸モノエチル、6-(ペンチルアミノ)へキシルホスホン酸モノエチル、6-(へキシルアミノ)へキシルホスホン酸モノエチル、6-(へプチルアミノ)へキシルホスホン酸モノエチル、8-[(3-メトキシプロピル)アミノ]オクチルホスホン酸モノエチル、2-[2-(tert-ブチルアミノ)エトキシ]エチルホスホン酸モノエチル、2-[2-(プロピルアミノ)エトキシ]エチルホスホン酸モノエチル、2-[2-(ブチルアミノ)エトキシ]エチルホスホン酸モノエチル、2-[2-[(3-メトキシプロピル)アミノ]エトキシ]エチルホスホン酸モノエチル、2-[2-[(3-エトキシプロピル)アミノ]エトキシ]エチルホスホン酸モノエチル、2-[2-(へキシルアミノ)エトキシ]エチルホスホン酸モノエチル、2-[2-(オクチルアミノ)エトキシ]エチルホスホン酸モノエチル、3-(シクロヘキシルアミノ)プロピルホスホン酸モノエチル、4-(シクロヘキシルアミノ)ブチルホスホン酸モノエチル等を例示することができる。この中でも、水への相溶性が高い点で、3-(ブチルアミノ)プロピルホスホン酸モノメチル、3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]プロピルホスホン酸モノメチル、4-(ブチルアミノ)ブチルホスホン酸モノメチル、4-[(3-メトキシプロピル)アミノ]ブチルホスホン酸モノメチル、3-(シクロヘキシルアミノ)プロピルホスホン酸モノメチル、4-(シクロヘキシルアミノ)ブチルホスホン酸モノメチル、3-(ブチルアミノ)プロピルホスホン酸モノエチル、3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]プロピルホスホン酸モノエチル、4-(ブチルアミノ)ブチルホスホン酸モノエチル、4-[(3-メトキシプロピル)アミノ]ブチルホスホン酸モノエチル、3-(シクロヘキシルアミノ)プロピルホスホン酸モノエチル、4-(シクロヘキシルアミノ)ブチルホスホン酸モノエチルが好ましい。
本発明で用いるアニオン性化合物(a)及び本発明のアミノホスホン酸モノエステル(1a)においては、ホスホン酸基の活性水素が分子内のアミノ基で中和され、式1b及び式1cで表される内部塩を形成しうるが、本発明で用いるアニオン性化合物(a)及び本発明のアミノホスホン酸モノエステル(1a)は、式1b及び式1cで表される内部塩をそれぞれ含むものである。本明細書においては、便宜上、本発明で用いるアニオン性化合物(a)を式1、本発明のアミノホスホン酸モノエステルを式1aとして表記する。
(式中、R、R、R、R1a、R2a及びR3aは前記と同じ意味を表す。)。
式1で表されるアニオン性化合物(a)は、文献記載の方法(例えば、Phosphorus, Sulfur and Silicon and the Related Elements,19巻,1570-1571ページ,2016年;Russian Journal of Organic Chemistry,50巻,478-480ページ,2014年;Russian Chemical Bulletin,54巻,2642-2647ページ,2005年)を参考に調製することができる。
また、式1で表されるアニオン性化合物(a)は、下記反応式で示す本発明の製造方法により得ることができる。
本発明の製造方法は、アミノホスホン酸ジエステル(2)を脱アルキル化試薬を用いて脱アルキル化することで、式1で表されるアニオン性化合物(a)を製造する方法である。
(式中、R、R及びRは前記と同じ意味を表す。Rは、炭素数1から6のアルキル基を表す。)。
で表される炭素数1から6のアルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、へキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を例示することができる。この中でも反応収率が良い点でメチル基又はエチル基好ましい。
本発明の製造方法の原料であるアミノホスホン酸ジエステル(2)は、文献記載(Journal of Polymer Science, Part A: Polymer Chemistry,56巻,2739-2751ページ,2018年)の方法を参考に調製することができる。
本発明の製造方法に用いる脱アルキル化試薬としては、酸触媒、塩基、ハロゲン化物、ヒドリド化剤等を例示することができる。
本発明の製造方法に用いる酸触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等のスルホン酸、スルホ基を有するイオン交換樹脂、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、塩化亜鉛等のルイス酸等を挙げることができ、適宜これらを組み合わせて用いてもよい。この中でも反応収率が良い点で塩酸又は硫酸が好ましい。酸触媒の使用量に特に制限はないが、アミノホスホン酸ジエステル(2)に対して0.1~30モル%を用いればよい。また、溶媒としては、メタノール、エタノール、t-ブチルアルコール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、アセトン、ジメチルホルムアミド等の極性溶媒、水を用いることができる。適宜これらの溶媒を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の製造方法に用いる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、アジ化ナトリウム、アンモニア等の無機塩基、トリエチルアミン、ピリジン、ピロリジン等の有機塩基を挙げることができ、適宜これらを組み合わせて用いてもよい。この中でも反応収率が良い点で水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は炭酸カリウムが好ましい。硫酸塩基の使用量に特に制限はないが、アミノホスホン酸ジエステル(2)に対して等モル以上用いればよい。また、溶媒としては、メタノール、エタノール、t-ブチルアルコール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、アセトン、ジメチルホルムアミド等の極性溶媒、水を用いることができる。適宜これらの溶媒を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の製造方法に用いるハロゲン化物としては、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム等の無機ハロゲン化物、臭化トリメチルシリル、ヨウ化トリメチルシリル等のハロゲン化シリル化合物を挙げることができ、適宜これらを組み合わせて用いてもよい。ハロゲン化物の使用量に特に制限はないが、アミノホスホン酸ジエステル(2)に対して等モル以上用いればよい。ハロゲン化物として無機ハロゲン化物を用いる場合、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、アセトン、3-ペンタノン、ジメチルホルムアミド等の極性溶媒を用いることができる。ハロゲン化物としてハロゲン化シリル化合物を用いる場合、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒を用いることができる。適宜これらの溶媒を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の製造方法に用いるヒドリド化剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化トリエチルホウ素リチウム等を用いることができる。この中でも反応収率が良い点で水素化トリエチルホウ素リチウムが好ましい。その使用量に特に制限はないが、アミノホスホン酸ジエステル(2)に対して等モル以上用いればよい。また、溶媒としては、ヘキサン、へプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒を用いることができる。この中でも反応収率が良い点でテトラヒドロフランが好ましい。適宜これらの溶媒を組み合わせて用いてもよい。
反応温度は、-50℃から180℃までの範囲で適宜選ばれた温度で行うことができる。収率が良い点で0℃から75℃の範囲から選ばれた温度が好ましい。反応時間に特に制限はない。
反応後の溶液から式1で表されるアニオン性化合物(a)を単離する方法に特に限定はないが、濾過、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー、再結晶又は昇華等の汎用的な方法で目的物を得ることができる。
<有機ポリイソシアネート(b)>
本発明に用いられる有機ポリイソシアネート(b)としては、例えば芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、及び脂環族ポリイソシアネートから選択される有機ポリイソシアネートを挙げることができる。また、これらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネート、アロファネート変性ポリイソシアネート、ウレトジオン変性ポリイソシアネート、ウレタン変性ポリイソシアネート、ビウレット変性ポリイソシアネート、ウレトイミン変性ポリイソシアネート、アシルウレア変性ポリイソシアネート等を単独、又は二種以上で適宜併用することができる。また、耐候性を考慮した場合、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、及びこれらの変性ポリイソシアネートが好ましく、被覆膜の耐久性や基材に対する付着性の観点から脂肪族ポリイソシアネート、又は脂環族ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性ポリイソシアネート、及びアロファネート変性ポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。光沢性を考慮すると、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性ポリイソシアネート、及びアロファネート変性ポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。
<芳香族ポリイソシアネート>
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート/2,6-トリレンジイソシアネート混合物、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート/4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート混合物、m-キシリレンジイソシアネート、p-キシリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、2-ニトロジフェニル-4,4’-ジイソシアネート、2,2’-ジフェニルプロパン-4,4’-ジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、ナフチレン-1,4-ジイソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、3,3’-ジメトキシジフェニル-4,4’-ジイソシアネート等が挙げられる。
<芳香脂肪族ポリイソシアネート>
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、又はそれらの混合物;1,3-ビス(1-イソシアナト-1-メチルエチル)ベンゼン、1,4-ビス(1-イソシアナト-1-メチルエチル)ベンゼン、又はそれらの混合物;ω,ω’-ジイソシアナト-1,4-ジエチルベンゼン等が挙げられる。
<脂肪族ポリイソシアネート>
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、2-メチル-ペンタン-1,5-ジイソシアネート、3-メチル-ペンタン-1,5-ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシエチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、2,2’-ジメチルペンタンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ブテンジイソシアネート、1,3-ブタジエン-1,4-ジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8-ジイソシアネート-4-イソシアネートメチルオクタン、2,5,7-トリメチル-1,8-ジイソシアネート-5-イソシアネートメチルオクタン、ビス(イソシアネートエチル)カーボネート、ビス(イソシアネートエチル)エーテル、1,4-ブチレングリコールジプロピルエーテル-α,α’-ジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル、2-イソシアネートエチル-2,6-ジイソシアネートヘキサノエート、2-イソシアネートプロピル-2,6-ジイソシアネートヘキサノエート等が挙げられる。
<脂環族ポリイソシアネート>
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えばイソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジメチルメタンジイソシアネート、2,2’-ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ビス(4-イソシアネート-n-ブチリデン)ペンタエリスリトール、水素化された水添ダイマー酸ジイソシアネート、2-イソシアネートメチル-3-(3-イソシアネートプロピル)-5-イソシアネートメチル-ビシクロ〔2.2.1〕-ヘプタン、2-イソシアネートメチル-3-(3-イソシアネートプロピル)-6-イソシアネートメチル-ビシクロ〔2.2.1〕-ヘプタン、2-イソシアネートメチル-2-(3-イソシアネートプロピル)-5-イソシアネートメチル-ビシクロ〔2.2.1〕-ヘプタン、2-イソシアネートメチル-2-(3-イソシアネートプロピル)-6-イソシアネートメチル-ビシクロ〔2.2.1〕-ヘプタン、2-イソシアネートメチル-3-(3-イソシアネートプロピル)-5-(2-イソシアネートエチル)-ビシクロ-〔2.2.1〕-ヘプタン、2-イソシアネートメチル-3-(3-イソシアネートプロピル)-6-(2-イソシアネートエチル)-ビシクロ-〔2.2.1〕-ヘプタン、2-イソシアネートメチル-2-(3-イソシアネートプロピル)-5-(2-イソシアネートエチル)-ビシクロ-〔2.2.1〕-ヘプタン、2-イソシアネートメチル-2-(3-イソシアネートプロピル)-6-(2-イソシアネートエチル)-ビシクロ-〔2.2.1〕-ヘプタン、2,5-ビス(イソシアネートメチル)-ビシクロ〔2.2.1〕-ヘプタン、水素化された水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素化された水添トリレンジイソシアネート、水素化された水添キシレンジイソシアネート、水素化された水添テトラメチルキシレンジイソシアネート等が挙げられる。
また、有機ポリイソシアネート(b)中のイソシアナト基の質量分率が、自己乳化型ポリイソシアネート組成物の全質量を基準として、10~35%であることが好ましく、15~24%であることが更に好ましい。
<アミン化合物(c)>
本発明のアミン化合物(c)としては、第三級アミンを用いることが好ましい。
第三級アミンとしては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N-メチルピペリジン、N-エチルピペリジン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の第三級モノアミン、1,3-ビス(ジメチルアミノ)プロパン、1,4-ビス(ジメチルアミノ)ブタンまたはN,N’-ジメチルピペラジン等の第三級ジアミンを挙げることができる。特にイソシアネートに対する反応性が低い点で、第三級モノアミンが好ましく、トリブチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N-メチルモルホリンが更に好ましい。
また、本発明におけるアミン化合物(c)は、アミン化合物(c)に含まれるアミノ基とアニオン性化合物(a)とのモル当量比が0.2~2.0となるように用いることが好ましく、0.5~1.5であることが更に好ましい。
<自己乳化型ポリイソシアネート組成物の製造>
自己乳化型ポリイソシアネート組成物を製造するにあたり、前記アニオン性化合物(a)、有機ポリイソシアネート(b)、アミン化合物(c)の配合順序に特に制限はなく、通常のウレタン化反応の条件を適用することができる。
<塗料組成物>
次に、本発明における塗料組成物について説明する。
本発明の塗料組成物は、本発明の自己乳化型ポリイソシアネート組成物と主剤とから得られる。
本発明の塗料組成物の製造における主剤としては、常温液状で水に不溶、或いは親和性を有しない高分子化合物を好ましく使用できる。なお、水に対して溶解性或いはある程度の親和性を有する水溶性樹脂、又は水系エマルジョンを使用することも可能である。これらの高分子化合物は分子内にイソシアナト基と反応する水酸基、カルボキシル基又はアミノ基(以下、「求核基」という。)を含有するものが好ましく、特に一分子あたり2個以上の求核基を含有するものが好ましい。また、これらの高分子化合物が、イソシアナト基と反応しうる求核基を含有していない場合、又はわずかしか含有していない場合でも、最終的には自己乳化型ポリイソシアネート組成物が水と反応してポリウレア化合物となり、硬くて強靭な塗膜を得ることができる。また、イソシアナト基が被着材表面に存在する求核基と反応するため、被着剤との付着性も向上する。なお、常温にてイソシアナト基と反応しうる求核基を含有する高分子化合物を使用した場合は、高分子化合物中の求核基と自己乳化型ポリイソシアネート組成物中のイソシアナト基が反応し架橋構造を形成するため、耐候性、耐溶剤性等が更に向上する。なお、本発明における常温とは5℃~40℃である。
このような主剤としては、例えば飽和或いは不飽和ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、飽和或いは不飽和の脂肪酸変性アルキッドポリオール、アミノアルキッドポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、エポキシポリオール、含フッ素ポリオール、更には飽和或いは不飽和ポリエステル樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、脂肪酸変性アルキッド樹脂、アミノアルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースアセテートブチラート樹脂、含フッ素樹脂等が挙げられる。
また、水溶性樹脂、水系エマルジョンも主剤として好適に使用することができ、水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、水溶性エチレン-酢酸ビニル共重合体、水溶性アクリル樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性セルロース誘導体、水溶性ポリエステル、水溶性リグニン誘導体、水溶性フッ素樹脂、水溶性シリコーン樹脂等が挙げられる。
水系エマルジョンとしては、いわゆるラテックス、エマルジョンと表現されるもの全てを包含し、例えば、スチレンブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリルブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタアクリレートブタジエン共重合体ラテックス、クロロプレンラテックス、ポリブタジエンラテックス等のゴム系ラテックス、ポリアクリル酸エステルラテックス、ポリ塩化ビニリデンラテックス、ポリブタジエンラテックス、或いはこれらのラテックスをカルボキシル変性したもの、また、ポリ塩化ビニルエマルジョン、ウレタンアクリルエマルジョン、シリコーンアクリルエマルジョン、酢酸ビニルアクリルエマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、アクリルエマルジョン等が挙げられる。
これらのうち、光沢、耐候性等の塗膜性能や接着強度の点で、アクリルポリオール、アクリル樹脂、水溶性アクリル樹脂、アクリルエマルジョン、ウレタンアクリルエマルジョン、ポリウレタンエマルジョンを用いることが好ましい。
これら主剤としての高分子化合物の数平均分子量は、好ましくは1000~100万であり、更に好ましくは1万~10万である。
<配合比>
本発明の塗料組成物の製造における自己乳化型ポリイソシアネート組成物と主剤との配合比は、本発明の主剤として分子中に求核基を含有するものを使用する場合、自己乳化型ポリイソシアネート組成物中のイソシアナト基と、主剤中の活性水素基とのモル比は、9:1~1:9が好ましく、6:4~4:6が更に好ましい。この範囲内とすることで、より優れた性能を持つ塗膜を得ることができる。
また、主剤として分子中に求核基を含まない、もしくは、わずかしか含まないものを使用する場合、自己乳化型ポリイソシアネート組成物と主剤の質量比は、1:9~5:5が好ましく、1:9~3:7が更に好ましい。この範囲内とすることで、より優れた性能を持つ塗膜を得ることができる。
<配合方法>
主剤と自己乳化型ポリイソシアネート組成物の配合方法は、主剤にそのまま添加する、一旦自己乳化型ポリイソシアネート組成物を水分散させてから添加する、又はウレタン分野で常用の溶剤に溶解させてから添加する等の方法が挙げられる。本発明においては、自己乳化型ポリイソシアネート組成物を水に分散させてから、主剤と配合する方法が好ましい。
<その他添加剤>
本発明における自己乳化型ポリイソシアネート組成物、または塗料組成物には、必要に応じて、例えば、酸化防止剤や、紫外線吸収剤、顔料、染料、難燃剤、加水分解防止剤、潤滑剤、可塑剤、充填剤、貯蔵安定剤、造膜助剤といった添加剤を適宜配合することができる。
<塗装方法>
本発明の塗料組成物は、従来行なわれている通常の塗装方法によって塗装することで塗膜を得ることができる。塗装にはエアレススプレー機、エアスプレー機、静電塗装機、浸漬、ロールコーター、ナイフコーター、ハケ等を用いることができる。
以下、実施例により本発明について更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定して解釈されるものではない。
[アニオン性化合物の製造]
<実施例1>
ディーンスターク装置を取り付けた200mLフラスコに1,3-ジブロモプロパン(30.1g,150mmol)と亜リン酸トリエチル(24.8g,150mmol)を量り取り、アルゴン雰囲気下、140℃で6時間加熱した。反応終了後、減圧下で蒸留精製を行うことで、3-ブロモプロピルホスホン酸ジエチルを得た(11.9g,45.7mmol,30%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ:4.15-4.06(m,4H),3.48(td,J=7.4,1.0Hz,2H),2.19-2.11(m,2H),1.95-1.86(m,2H),1.33(t,J=7.0Hz,6H);31P{H} NMR(162MHz,CDCl)δ:30.5。
還流管を取り付けた100mLフラスコに3-ブロモプロピルホスホン酸ジエチル(5.18g,20mmol)を量り取り、アセトニトリル(20mL)及び3-メトキシプロピルアミン(3.1mL,30mmol)を加えた。この反応溶液をアルゴン雰囲気下、2時間加熱還流した後、減圧下で揮発性成分を除去した。残渣に1N塩酸(30mL)、クロロホルム(50mL)を加え、水相を回収した。回収した水相を1N水酸化ナトリウム水溶液で中和し、飽和食塩水(50mL)とクロロホルム(100mL)を加え、有機相を回収した。得られた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥後、揮発性成分を除去することで無色透明油状物の3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]プロピルホスホン酸ジエチル(5.15g)を得た。このものは精製することなく、次工程に用いた。
アルゴン雰囲気下、200mLフラスコに3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]プロピルホスホン酸ジエチル(4.03g,15.1mmol)及びテトラヒドロフラン(13mL)を加え、-78℃に冷却した。反応混合物に水素化トリエチルホウ素リチウムのテトラヒドロフラン溶液(1.0M,38mL,38mmol)を加えた後、反応溶液を徐々に室温まで昇温し、18時間撹拌した。反応溶液を-78℃に冷却し、メタノール(16mL)を加えた後、室温に昇温し、揮発性成分を除去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=5/3)、次いでアセトニトリル洗浄にて精製することで、目的の3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]プロピルホスホン酸モノエチル(A-1)を得た(2.63g,11.0mmol,73%)。H NMR(400MHz,D2O)δ:3.94-3.87(m,2H),3.57(t,J=6.0Hz,2H),3.35(s,3H),3.15-3.09(m,2H),2.84(t,J=7.3Hz,2H),1.99-1.93(m,2H),1.92-1.84(m,2H),1.70-1.62(m,2H),1.25(t,J=7.0Hz,3H);31P{H} NMR(161MHz,D2O)δ:25.8;H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ:10.33(brs,2H),3.73-3.66(m,2H),3.39(t,J=6.2Hz,2H),3.23(s,3H),2.89-2.86(m,2H),2.80(t,J=7.7Hz,2H),1.81-1.68(m,4H),1.52-1.45(m,2H),1.12(t,J=7.0Hz,3H);31P{H} NMR(161MHz,DMSO-d6)δ:20.4。
<実施例2>
ディーンスターク装置を取り付けた200mLフラスコに1,4-ジブロモブタン(21.4g,99mmol)と亜リン酸トリエチル(16.5g,99mmol)を量り取り、アルゴン雰囲気下、140℃で2時間加熱した。反応終了後、減圧下で蒸留精製を行うことで、4-ブロモブチルホスホン酸ジエチルを得た(13.3g,48.7mmol,49%)。H NMR(400MHz,CDCl3)δ:4.15-4.06(m,4H), 3.41(t,J=6.6Hz,2H),1.99-1.93(m,2H),1.82-1.70(m,4H),1.33(t,J=7.0Hz,6H);31P{H} NMR(162MHz, CDCl3)δ:31.3。
還流管を取り付けた100mLフラスコに4-ブロモブチルホスホン酸ジエチル(6.55g,24mmol)を量り取り、3-メトキシプロピルアミン(24.5mL,240mmol)を加えた。この反応溶液をアルゴン雰囲気下、4時間加熱還流した後、減圧下で揮発性成分を除去した。残渣に反応溶液に1N塩酸(50mL)、クロロホルム(50mL)を加え、水相を回収した。回収した水相を1N水酸化ナトリウム水溶液で中和し、飽和食塩水(50mL)とクロロホルム(100mL)を加え、有機相を回収した。得られた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥後、揮発性成分を除去することで無色透明油状物の4-[(3-メトキシプロピル)アミノ]ブチルホスホン酸ジエチル(4.62g)を得た。このものは精製することなく、次工程に用いた。
アルゴン雰囲気下、200mLフラスコに4-[(3-メトキシプロピル)アミノ]ブチルホスホン酸ジエチル(5.03g,18mmol)及びテトラヒドロフラン(15mL)を加え、-78℃に冷却した。反応混合物に水素化トリエチルホウ素リチウムのテトラヒドロフラン溶液(1.0M,45mL,45mmol)を加えた後、反応溶液を徐々に室温まで昇温し、16時間撹拌した。反応溶液を-78℃に冷却し、メタノール(10mL)を加えた後、室温に昇温し、揮発性成分を除去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=5/2)次いで、アセトニトリル洗浄によって洗浄することで、目的の4-[(3-メトキシプロピル)アミノ]ブチルホスホン酸モノエチル(A-2)を得た(3.40g,11mmol,75%)。H NMR(400MHz,D2O)δ:3.90(dq,J=7.1,7.1Hz,2H),3.56(t,J=6.0Hz,2H),3.36(s,3H),3.07(t,J=7.3Hz,2H),3.02-2.99(m,2H),1.97-1.90(m,2H),1.78-1.70(m,2H),1.67-1.54(m,4H),1.24(t,J=7.1Hz,3H);31P{H} NMR(161MHz,D2O)δ:27.5。
<実施例3>
還流管を取り付けた200mLフラスコに3-ブロモプロピルホスホン酸ジエチル(17.3g,67mmol)を量り取り、シクロヘキシルアミン(80.5g,810mmol)を氷冷しながら混合し、30分撹拌した。この反応溶液を徐々に室温まで昇温させた後、アルゴン雰囲気下で15時間加熱した。揮発性成分を除去し、残渣に1N塩酸(30mL)及びクロロホルム(50mL)を加え、水相を回収した。回収した水相を1N水酸化ナトリウム水溶液で中和し、飽和食塩水(50mL)とクロロホルム(100mL)を加え、有機相を回収した。得られた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で揮発性成分を除去することで3-(シクロヘキシルアミノ)プロピルホスホン酸ジエチルを無色粘性固体として得た(13.2g,48mmol,71%)。H NMR(400MHz,CDCl3)δ:4.14-4.04(m,4H),2.69(m,2H),2.41(tt,J=10.4,3.7Hz,1H),1.88-1.84(m,2H),1.81-1.70(m,6H),1.63-1.58(m,1H),1.32(t,J=7.1Hz,6H),1.27-1.13(m,3H),1.09-0.99(m,2H);31P{H} NMR(400MHz,CDCl3)δ:32.3。
アルゴン雰囲気下、200mLフラスコに3-(シクロヘキシルアミノ)プロピルホスホン酸ジエチル(5.18g,19mmol)及びテトラヒドロフラン(12mL)を加え、-78℃に冷却した。水素化トリエチルホウ素リチウムのテトラヒドロフラン溶液(1.0M,47mL,47mmol)を加え、反応溶液を徐々に室温まで昇温し、18時間撹拌した。反応溶液を-78℃に冷却し、メタノール(19mL)を加えた後、室温に昇温し、揮発性成分を除去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=5/2)次いで、アセトニトリル洗浄により精製することで、目的の3-(シクロヘキシルアミノ)プロピルホスホン酸モノエチル(A-3)を得た(1.91g,7.7mmol,41%)。
[自己乳化型ポリイソシアネートの製造]
<実施例4>
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管の付いた容量:0.1Lの反応器に、有機ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体含有ポリイソシアネート、商品名:コロネートHXLV、イソシアネート含量23.2質量%、東ソー社製)を18.90g、実施例1で得られたA-1を0.72g、ジメチルシクロヘキシルアミンを0.38g仕込み、80℃で5時間撹拌し、自己乳化型ポリイソシアネートP-1を得た。イソシアネート含量は21.3質量%であった。
実施例4と同様の方法で自己乳化型ポリイソシアネートP-2~3を合成した。結果を表1に示す。
・コロネートHXR(商品名):ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体含有ポリイソシアネート、イソシアネート含量21.8質量%、東ソー社製
・ジメチルシクロヘキシルアミン:試薬特級、東京化成工業社製
・メトキシPEG:メトキシポリエチレングリコール(分子量400)、東邦化学社製。
<塗料組成物の調製>
主剤(アクリルエマルジョン、DIC社製、WE-303、固形分45質量%、水酸基価は固形分換算で84(mg-KOH/g))と、得られた自己乳化型ポリイソシアネート組成物(P-1~4)とを、イソシアネート基/水酸基=1.5(モル比)になるように配合した。この配合液を全体の固形分が40質量%になるように水を加え、ホモミキサーを用いて2000rpmで30秒間高速撹拌することにより、塗料組成物を得た。
<付着性評価用塗膜の作製>
各塗料組成物をアプリケーターにてアルミ板に塗布し、温度25℃雰囲気下で1週間養生を行い、乾燥膜厚40μmの塗膜を形成させた。
<付着性評価>
JIS K5621 7.11の付着安定性の試験法に準拠して、上記で作製した試験板上の各水性樹脂組成物によって得られた塗膜にカッターで内角30℃、50mmとなるようにX字に切り傷を入れ、カット面にセロハン粘着テープを貼り付け、消しゴムで均等に擦って塗膜にテープを完全に密着させた。その後、テープの一端をもって、塗面に垂直に瞬間的に引きはがし、その後のカット面を目視で判定した。結果を表2に示す。
(判定基準)
○:剥がれが全く見られない。
△:カット部の交点でやや剥がれが見受けられる。
×:セロハン粘着テープ接着部の全面剥離が見られる。

Claims (13)

  1. 下記式1aで表されるアミノホスホン酸モノエステル。
    (式中、R1aは炭素数4から10のアルキル基を表す。R2aは直鎖状の炭素数3から10のアルキレン基を表す。R3aは炭素数1から6のアルキル基を表す。R1a中の1つ以上の炭素原子は、酸素原子が隣接しないように酸素原子で置換されていてもよい。
    ただし、
    1a が炭素数4のアルキル基であり、R 2a が-CH(C )-であり、かつ、R 3a が炭素数1から4のアルキル基である場合、および、
    1a が炭素数4のアルキル基であり、R 2a が-CH(C 13 )-であり、かつ、R 3a が炭素数2から4のアルキル基である場合を除く。
  2. 1aが炭素数4から6のアルキル基又は3-メトキシプロピル基であり、R2aがトリメチレン基又はテトラメチレン基である、請求項1に記載のアミノホスホン酸モノエステル。
  3. 下記式2で表されるアミノホスホン酸ジエステルを脱アルキル化することを特徴とする、下記式1で表されるアニオン性化合物(a)の製造方法。
    (式中、Rは炭素数1から10のアルキル基を表す。Rは直鎖状の炭素数1から10のアルキレン基を表す。R及びRは、各々独立に炭素数1から6のアルキル基を表す。R中の1つ以上の炭素原子は、酸素原子が隣接しないように酸素原子で置換されていてもよい。
    ただし、
    1a が炭素数4のアルキル基であり、R 2a が-CH(C )-であり、かつ、R 3a が炭素数1から4のアルキル基である場合、および、
    1a が炭素数4のアルキル基であり、R 2a が-CH(C 13 )-であり、かつ、R 3a が炭素数2から4のアルキル基である場合を除く。
  4. 下記式1で表されるアニオン性化合物(a)を含むことを特徴とする、自己乳化型ポリイソシアネート組成物製造用親水化剤。
    (式中、Rは炭素数1から10のアルキル基を表す。Rは炭素数1から10のアルキレン基を表す。Rは炭素数1から6のアルキル基を表す。R及びRの基中の1つ以上の炭素原子は、酸素原子が隣接しないように酸素原子で置換されていてもよい。)
  5. が炭素数4から10のアルキル基であり、Rが炭素数3から10のアルキレン基であり、Rが炭素数1から6のアルキル基であり、R及びRの基中の1つ以上の炭素原子が、酸素原子が隣接しないように酸素原子で置換されていてもよい、アニオン性化合物(a)を含むことを特徴とする請求項4に記載の自己乳化型ポリイソシアネート組成物製造用親水化剤。
  6. が炭素数4から6のアルキル基又は3-メトキシプロピル基であり、Rがトリメチレン基又はテトラメチレン基である、アニオン性化合物(a)を含むことを特徴とする請求項4に記載の自己乳化型ポリイソシアネート組成物製造用親水化剤。
  7. 下記式1で表されるアニオン性化合物(a)、有機ポリイソシアネート(b)、及びアミン化合物(c)から得られる自己乳化型ポリイソシアネート組成物。
    (式中、Rは炭素数1から10のアルキル基を表す。Rは炭素数1から10のアルキレン基を表す。Rは炭素数1から6のアルキル基を表す。R及びRの基中の1つ以上の炭素原子は、酸素原子が隣接しないように酸素原子で置換されていてもよい。)
  8. が炭素数4から10のアルキル基であり、Rが炭素数3から10のアルキレン基であり、Rが炭素数1から6のアルキル基であり、R及びRの基中の1つ以上の炭素原子が、酸素原子が隣接しないように酸素原子で置換されていてもよい、アニオン性化合物(a)から得られることを特徴とする請求項7に記載の自己乳化型ポリイソシアネート組成物。
  9. が炭素数4から6のアルキル基又は3-メトキシプロピル基であり、Rがトリメチレン基又はテトラメチレン基である、アニオン性化合物(a)から得られることを特徴とする請求項7に記載の自己乳化型ポリイソシアネート組成物。
  10. 有機ポリイソシアネート(b)中のイソシアナト基の質量分率が、自己乳化型ポリイソシアネート組成物の全質量を基準として、10~35質量%であることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれかに記載の自己乳化型ポリイソシアネート組成物。
  11. 有機ポリイソシアネート(b)が、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性ポリイソシアネートを含有することを特徴とする請求項7から請求項10のいずれかに記載の自己乳化型ポリイソシアネート組成物。
  12. 請求項7から請求項11のいずれかに記載の自己乳化型ポリイソシアネート組成物と主剤とから得られる塗料組成物。
  13. 請求項12に記載の塗料組成物から得られる塗膜。
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