JP7376452B2 - 両軸受けリール、及びその制動ユニット - Google Patents
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Description
図1から図6は、本発明に係る両軸受けリール、及び、それに組み込まれるスプール制動装置の実施形態を示す図であり、図1は後方から見た図、図2はハンドル装着側から見た側面図、図3は図1のA-A線に沿った拡大断面図、図4はスプール制動装置を示す図であり、(a)は一部断面斜視図、(b)は連結部材の斜視図、図5は図3のB-B線に沿った要部拡大断面図、そして、図6はスプール制動装置の分解図である。
なお、ドライブギア12には、公知のドラグ機構14が配設されており、ハンドル軸8aに設けられるドラグノブ14Aを回転操作することで、ハンドル軸8aとドライブギア12との間の摩擦係合力を調整し、スプール7の回転に対して所望のドラグ力を付与できるように構成されている。
以下、本実施形態におけるスプール制動装置30の構成について説明する。
この場合、第1の弾性材40及び第2の弾性材41は、第1の操作部材35が回転操作された際、摩擦作用(一体回転する連結部材33と第2の操作部材37との間で生じる摩擦力)によって第2の操作部材37が一体回転するように設定され、かつ、第2の操作部材37が回転操作された際、第1の操作部材35、すなわち、連結部材33を連れ回さないように設定されている。
まず、右側板4Bの右カバー3bに突出形成された支持部31の外周に形成された雄螺子部31aに対して連結部材33の雌螺子部33aを適宜量螺合させる。次に、この状態で、第1の操作部材35を軸方向から挿入し、基部35Bの内周に形成された内周凹凸部35bを、連結部材33の基端側の外周に形成された外周凹凸部33bに回り止め係合させ、その後、軸方向外側から締結部材(ナット)45Aで抜け止め固定する。
このように、スプール制動装置30の第1の操作部材35及び第2の操作部材37は、並設されると共に、連結部材の径方向外側に配設される構造であることから、側板(カバー部材)に突出形成された支持部31に対して容易に組み付けることが可能である。この場合、第1の操作部材35と第2の操作部材37は、連結部材33と共に制動ユニット50として、予めユニット化しておいても良い。すなわち、このような制動ユニット50にすることで、着脱操作が容易に行えると共に、既存の両軸受けリールにおけるスプール制動装置の調整部材(回転摘み)を取り外して交換することも可能となり、後付けユニット(交換パーツ)として、各種の両軸受けリールに上記したスプール制動装置30を組み込むことも可能となる。
本実施形態では、円筒状の連結部材33に対して、第1の操作部材35及び第2の操作部材37を径方向外側に並設するように設けているため、相互の回転操作が容易に行えるようになる。
この場合、第1の操作部材35を回転操作すると、連結部材33は一体的に回転駆動されながら軸方向に移動するので、連結部材33に取着された第2の操作部材37の押圧部37Cを介してスプール軸5に所望の制動力を付与することができる。また、第2の操作部材37を回転操作すると、連結部材33を回転させることなく(連結部材33を軸方向に移動させることなく)、第2の操作部材37が軸方向に移動してスプール軸5に所望の制動力を付与することができる。このように、本実施形態では、前記連結部材33を、支持部31との間で、内周螺合部33aによる螺合結合によって軸方向に移動する構成としたので、スプール軸5に対して安定した制動力を作用させることができる。
以上のように、本発明によれば、スプール軸5に対する制動力の調整及び初期設定が迅速かつ容易に行えるようになる。
この変形例では、連結部材33に第2の操作部材37を螺合一体化した状態(制動部をユニット化した状態)で、これを側板の支持部31に取着し、スプール軸5に対する制動力の初期設定を行なった後、第1の操作部材35を軸方向から挿入し、基部35Bの内周凹凸部35bを連結部材33の外周凹凸部33bに対して回り止め嵌合し、第1の操作部材35を締結部材45Aで抜け止め固定するようにしている。
このような構成は、第2の操作部材37の外径よりも、第1の操作部材35の基部35Bの内径(開口径)を大きく形成することで可能となる。
上記した実施形態では、連結部材33に設けられる連結手段を、第1の弾性材(弾性Oリング)40、及び、第2の弾性材(弾性Oリング)41で構成したが、これ以外にも種々変形することが可能である。例えば、カム作用を利用した双方向クラッチによって構成することが可能である。
具体的には、連結部材33の第2の操作部材37の内周面と対向する外周面に、カム作用を奏する湾曲底面を備えた凹部33eを形成しておき、この凹部33eにボール60を収容することで構成することが可能である。この場合、ボール60と第2の操作部材37の内周面との間には、前記ボール60が微動可能な僅かな隙間が形成されている。
本発明に係る両軸受けリールに組み込まれるスプール制動装置では、スプール軸5に対して制動力を作用させる方法については適宜、変形することが可能であり、上記した実施形態のように、スプール軸5の端面にスラスト方向の押圧力を作用させる以外にも、スプール軸5の表面部分に制動力を作用させる構成であっても良い。
例えば、図9に示す制動方法は、スプール軸5の端部を、支持部31に当て付けた軸受5dで回転可能に支持すると共に、ストッパ71を介在してワンウェイクラッチ70を配設して制動力を発生するようにしている。
このような構成では、第2の操作部材37の軸方向位置に応じて、ワンウェイクラッチの外輪に制動力が作用し、その制動力に応じて、スプール軸5の回転(釣糸繰り出し方向の回転)に対して制動力を発生させることができる。また、このようなワンウェイクラッチによる制動方法では、釣糸繰り出しに伴うスプール軸5の回転に制動力を付与し、ハンドルを回転操作してスプール軸5を巻き取り方向に回転駆動した際、スプール軸5に不要な制動力を作用させないことも可能となる。
上記した実施形態では、連結部材33に内周螺合部33aを形成して、第1の操作部材35の回転操作によって連結部材を軸方向へ移動させていたが、回転力を軸方向移動に変換させる構成であれば良く、例えば、カム構造によって、同様な機能を発揮させる構造であっても良い。
本発明に係る両軸受けリールは、スプール軸5に当接して制動力を付与するスプール制動装置30に特徴があり、両軸受けリールの構成については適宜変形することが可能である。また、スプール制動装置30の構成要素である連結部材33は、第1の操作部材35を回転操作した際、第2の操作部材37を一体回転させてスプール軸5に対して押圧力を付与すると共に、第2の操作部材37を回転操作した際、第1の操作部材35を回転させることなく、第2の操作部材37の軸方向移動でスプール軸5に対して押圧力を付与するように構成されていれば、上記した連結手段の構成についても適宜変形することが可能である。また、第1の操作部材35及び第2の操作部材37の構成、配置態様についても適宜変形することが可能である。例えば、第1の操作部材35は、第2の操作部材よりも大径のダイヤル形状にしても良い。さらに、スプール制動装置30は、反ハンドル側の側板に配設されていても良い。
1A リール本体
4A,4B 側板
5 スプール軸
7 スプール
30 スプール制動装置
31 支持部
33 連結部材
35 第1の操作部材
37 第2の操作部材
50 制動ユニット
Claims (7)
- リール本体の側板間に回転可能に設けられたスプールと、
前記スプールと一体回転するスプール軸と、
前記リール本体の一方の側板に設けられ、前記スプール軸の回転を制動するスプール制動装置と、
を備えた両軸受けリールにおいて、
前記スプール制動装置は、
前記一方の側板の支持部に、回転操作で軸方向に移動可能に取着される連結部材と、
前記連結部材の外周部に、連結部材と一体回転且つ着脱可能に取着される第1の操作部材と、
前記連結部材に設けられ、回転操作で軸方向に移動して前記スプール軸の回転に制動力を付与する第2の操作部材と、
を備えており、
前記連結部材に取着される前記第1の操作部材と前記第2の操作部材の夫々の回転操作で、前記スプール軸に対する制動力を調整可能とし、
前記連結部材は、前記一方の側板の支持部の外周に螺合する内周螺合部と、前記第2の操作部材の内周に螺合する外周螺合部を備えていることを特徴とする両軸受けリール。 - 前記内周螺合部と前記外周螺合部の各螺合ピッチは、異なるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の両軸受けリール。
- リール本体の側板間に回転可能に設けられたスプールと、
前記スプールと一体回転するスプール軸と、
前記リール本体の一方の側板に設けられ、前記スプール軸の回転を制動するスプール制動装置と、
を備えた両軸受けリールにおいて、
前記スプール制動装置は、
前記一方の側板の支持部に、回転操作で軸方向に移動可能に取着される連結部材と、
前記連結部材の外周部に、連結部材と一体回転且つ着脱可能に取着される第1の操作部材と、
前記連結部材に設けられ、回転操作で軸方向に移動して前記スプール軸の回転に制動力を付与する第2の操作部材と、
を備えており、
前記連結部材に取着される前記第1の操作部材と前記第2の操作部材の夫々の回転操作で、前記スプール軸に対する制動力を調整可能とし、
前記連結部材と第1の操作部材は、軸方向に沿って着脱可能となるように、回り止め嵌合されており、
前記連結部材の外周面には、周方向沿って連続的に外周凹凸部が形成されており、前記第1の操作部材の内周面には、前記連結部材の外周面に形成された前記外周凹凸部と係合する内周凹凸部が形成されていることを特徴とする両軸受けリール。 - リール本体の側板間に回転可能に設けられたスプールと、
前記スプールと一体回転するスプール軸と、
前記リール本体の一方の側板に設けられ、前記スプール軸の回転を制動するスプール制動装置と、
を備えた両軸受けリールにおいて、
前記スプール制動装置は、
前記一方の側板の支持部に、回転操作で軸方向に移動可能に取着される連結部材と、
前記連結部材の外周部に、連結部材と一体回転且つ着脱可能に取着される第1の操作部材と、
前記連結部材に設けられ、回転操作で軸方向に移動して前記スプール軸の回転に制動力を付与する第2の操作部材と、
を備えており、
前記連結部材に取着される前記第1の操作部材と前記第2の操作部材の夫々の回転操作で、前記スプール軸に対する制動力を調整可能とし、
前記第1の操作部材と前記第2の操作部材は、前記連結部材と共にユニット化されていることを特徴とする両軸受けリール。 - 前記第1の操作部材、及び、前記第2の操作部材は、前記連結部材の径方向外側に配設されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の両軸受けリール。
- 前記第1の操作部材はレバー形状に形成され、前記第2の操作部材はダイヤル形状に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の両軸受けリール。
- 両軸受けリールのリール本体の側板間に回転可能に設けられたスプールと一体回転するスプール軸の回転に制動力を付与するプール制動装置を構成する制動ユニットであって、
前記リール本体の一方の側板に設けられた支持部に、回転操作で軸方向に移動可能に取着される連結部材と、
前記連結部材の外周部に、連結部材と一体回転且つ着脱可能に取着される第1の操作部材と、
前記連結部材に設けられ、回転操作で軸方向に移動して前記スプール軸の回転に制動力を付与する第2の操作部材と、
を備えており、
前記連結部材には、前記第1の操作部材を回転操作した際、前記第2の操作部材を一体回転させて前記スプール軸に対して制動力を付与すると共に、前記第2の操作部材を回転操作した際、前記第1の操作部材を回転させることなく前記スプール軸に対して制動力を付与する連結手段が設けられており、
前記連結部材は、前記一方の側板の支持部の外周に螺合する内周螺合部と、前記第2の操作部材の内周に螺合する外周螺合部を備えていることを特徴とする制動ユニット。
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