JP7376022B2 - 蛍光体粒子分散ガラスおよび発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、蛍光体粒子分散ガラスに関する。また、前記蛍光体粒子分散ガラスを備えてなる発光装置に関する。
発光ダイオード(LED:Light Emission Diode)、レーザーダイオード(LD:Laser Diode)等の半導体発光素子を搭載した発光装置は、低消費電力化および高寿命化の点で優れており、照明装置、液晶表示装置用バックライト、レーザー装置の光源などに利用されている。中でも、白色LEDは蛍光灯の代替照明として広く普及されつつある。
白色LEDは、一次光源である発光ダイオードと蛍光部材とを組み合わせて白色発光させる方式が知られている。この蛍光部材として、樹脂中に蛍光体粒子を分散させてなる成形物が開発されている。蛍光部材のマトリックスとして樹脂を用いることで成形加工性が優れたものとなる。しかし、一次光源である発光ダイオードから発生する熱、および蛍光部材における励起-発光プロセスの際のエネルギー変換ロスにより発生する熱などによって高温になりやすいので、熱伝導率が低く、且つ耐熱性の低い樹脂(マトリックス)が劣化してしまうという問題がある。この問題は、特に、高出力のLEDやレーザーを用いる場合に深刻である。
そこで、樹脂に代わるマトリックスとして、サイアロン系化合物からなるマトリックスに蛍光体粒子を分散しセラミックス(特許文献1)が提案されている。また、高熱伝導性物質粒子の50%粒子径D50がプレート厚さ以上である蛍光体分散無機ガラスプレートが提案されている(特許文献2)。
前述のサイアロンをマトリックスとする場合、マトリックスの緻密化のために例えば1000~1500℃の高温焼成プロセスが必要となるため、分散した蛍光体粒子が劣化しやすい。また、高温時にマトリックスと蛍光体粒子が反応する組み合わせを除外する必要があり、適用可能な蛍光体粒子が限定されてしまう。一方、ガラスをマトリックスとした蛍光部材は、比較的低温でプレート化することが可能である。
国際公開2018/38259号 特開2014-22412号公報
ガラスは前述したように比較的低温でプレート化できる利点の他、機械的強度が強く、透明性に優れるという優位点もある。その一方で、ガラスは熱伝導性が低いという欠点がある。上記特許文献2では窒化アルミニウムを用いた蛍光体分散無機ガラスプレートが開示されているが、高熱伝導性物質粒子のサイズとプレートの厚さを特定の範囲とする必要があり設計自由度が高いとはいえず、熱伝導性についても改善が望まれる。
特に、高出力化用途の発光装置については、前述したように、発光ダイオードやレーザーダイオード自身の温度上昇、励起-発光プロセスの際のエネルギー変換ロスにより発生する熱などを効率的に放熱可能な、熱伝導性に優れた蛍光体粒子分散ガラスの開発が切望されている。
なお、上記においては白色LED等に用いる場合の課題について述べたが、蛍光体粒子分散ガラス全般に対して同様の課題が生じ得る。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、熱伝導性に優れた蛍光体粒子分散ガラスおよび発光装置を提供することを目的とする。
[1]: ガラスをマトリックスとし、
少なくとも蛍光体粒子および熱伝導性フィラーが前記マトリックスに分散されてなり、
前記熱伝導性フィラーが窒化ホウ素を含む蛍光体粒子分散ガラス。
[2]: 熱伝導率が少なくとも2W/mK以上であることを特徴とする[1]に記載の蛍光体粒子分散ガラス。
[3]: 前記マトリックス中の前記窒化ホウ素のISO13383-1:2012画像解析法における最大フェレ径から求めた平均粒子径が0.5~200μmであることを特徴とする[1]又は[2]に記載の蛍光体粒子分散ガラス。
[4]: 前記窒化ホウ素の含有量が5質量%以上であることを特徴とする[1]~[3]のいずれかに記載の蛍光体粒子分散ガラス。
[5]: 前記蛍光体粒子が窒化物蛍光体粒子であることを特徴とする[1]~[4]のいずれかに記載の蛍光体粒子分散ガラス。
[6]: 前記ガラスがリン酸塩系ガラスであることを特徴とする[1]~[5]のいずれかに記載の蛍光体粒子分散ガラス。
[7]: 第一光を発光する半導体発光素子と、
前記半導体発光素子の出射光側に設置され、前記第一光が励起光となり第二光を発光する、[1]~[6]のいずれかの蛍光体粒子分散ガラスとを備える発光装置。
本発明によれば、熱伝導性に優れた蛍光体粒子分散ガラスおよび発光装置を提供できるという優れた効果を奏する。
本実施形態に係る発光装置の一例を示す模式的断面図。 変形例に係る発光装置の一例を示す模式的断面図。 実施例1の蛍光体粒子分散ガラスのSEM像。 実施例1および比較例2,3の蛍光体粒子分散ガラスのXRDプロファイル。 実施例1の蛍光体粒子分散ガラスの発光・励起スペクトル。
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。なお、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の範疇に含まれる。また、本明細書において特定する数値は、実施形態または実施例に開示した方法により求められる値である。説明を明確にするため、以下の記載および図面は、適宜、簡略化されている。また、本明細書において特に言及していない本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。
[蛍光体粒子分散ガラス]
本実施形態に係る蛍光体粒子分散ガラスは、ガラスをマトリックスとし、少なくとも蛍光体粒子および窒化ホウ素がマトリックスに分散されてなる、ガラス焼結体からなる。蛍光体粒子分散ガラスの形状は、例えば、円盤状、平板状、凸レンズ状、凹レンズ状、球状、半球状、立方体状、直方体状、角柱や円柱などの柱状、角筒や円筒などの筒状が挙げられる。白色LEDに適用する場合、例えば、励起光源となる青色LEDの出射光側に配置して用いられる。
蛍光体粒子分散ガラスにおいて、半導体発光素子等から発光される第一光の少なくとも一部を励起光として蛍光体粒子が吸収し、第二光を発光する。なお、本明細書における蛍光体粒子には所謂蛍光を発光する粒子の他、燐光を発光する粒子も含む。なお、第一光とは、特定の波長の光または特定の帯域の光をいい、第一光は一種類でも複数種あってもよい。複数種ある場合の一例として、青色光の第一光を発光する半導体発光素子と、紫外光の第一光を発光する半導体発光素子を有する場合が挙げられる。第二光は、第一光の少なくとも一部が蛍光体粒子の励起光となり、蛍光体粒子から発光される光をいう。第二光も一種類でも複数種あってもよい。複数種ある場合の一例として、同一の蛍光体粒子分散ガラスに複数種の発光帯域の異なる蛍光体粒子が分散されている場合がある。また、異なる蛍光体粒子分散ガラスに、それぞれ発光帯域の異なる蛍光体粒子が分散されている態様も例示できる。
白色光を得るために蛍光体粒子分散ガラスを用いる場合、例えば励起光である青色光によって赤色光を発光する蛍光体粒子と、励起光である青色光によって緑色光を発光する蛍光体粒子とを蛍光体粒子分散ガラスに含有させる。さらに、蛍光体粒子分散ガラスは、励起光である青色光のうち励起に寄与しなかった光を透過する透過性を有するものとする。これにより、蛍光体粒子分散ガラスを透過した青色光と、蛍光体粒子分散ガラスから発光した赤色光および緑色光とが混ざり合い、白色光が得られる。
また、別の例では、紫外光または紫色光を励起光とし、蛍光体粒子分散ガラスに青色光を発光する蛍光体粒子と、紫外光または紫色光の励起光によって赤色光を発光する蛍光体粒子と、紫外光または紫色光の励起光によって緑色光を発光する蛍光体粒子とを含有させる。これにより、蛍光体粒子分散ガラスから発光した青色光、赤色光および緑色光が混ざり合う。その結果、本実施形態の蛍光体粒子分散ガラスにより白色光を得ることができる。この場合、励起光の一部が蛍光体粒子分散ガラスを透過する設計とする態様の他、励起光の全部が蛍光体粒子分散ガラスに吸収される設計としてもよい。
本実施形態の蛍光体粒子分散ガラスは、蛍光の発光が偏りなく均一であるとともに、励起光の全透過率を偏りなく均一とする観点から、全体にわたって蛍光体粒子が均一に存在する態様が好ましい。このようにすることにより蛍光体粒子分散ガラスを透過した励起光と、蛍光体粒子分散ガラスから発光した蛍光とが混ざり合って、蛍光体粒子分散ガラスの出射光の色味を調整することが容易となる。前記態様に代えて、蛍光体粒子の分布に濃度勾配を設けたり、領域により異なる蛍光体粒子を含む蛍光体粒子分散ガラスを用いたりしてもよい。このような蛍光体粒子分散ガラスは、製造工程時のプロセス変更により容易に得られる。種類の異なる蛍光体粒子分散ガラスを接合することも可能である。
蛍光体粒子分散ガラスの厚みの好適な例は用途により変動し得るが、例えば、0.01~10mmである。蛍光体粒子分散ガラスの屈折率(nd)は媒質により適宜設計できる。蛍光体粒子分散ガラスの屈折率は、例えば1.40~1.90の範囲である。蛍光体粒子分散ガラスの入射面側および出射面側の少なくとも一方に光学フィルムを設けてもよい。例えば、反射防止フィルムを設けることができる。
(マトリックス)
マトリックスとするガラスは、蛍光体粒子および窒化ホウ素を分散できるものであればよく特に限定されない。一例として、リン酸塩系ガラス、テルライト系ガラス、ホウ珪酸塩系ガラス、ビスマス酸塩系ガラスが挙げられる。リン酸塩系ガラスとして、スズリン酸塩系ガラスが例示できる。ホウ珪酸塩系ガラスとしては、質量%で、SiOを30~85%、Alを0~30%、B0~50%、LiO+NaO+KOを0~10%、及び、MgO+CaO+SrO+BaOを0~50%を含有するものが挙げられる。スズリン酸塩系ガラスとしては、モル%で、SnOを30~90%、Pを1~70%を含有するものが挙げられる。テルライト系ガラスとしては、モル%で、TeOを50%以上、ZnOを0~45%、RO(RはCa、Sr及びBaから選択される少なくとも1種)0~50%、及び、La+Gd+Yを0~50%を含有するものが挙げられる。
蛍光体粒子の劣化およびマトリックス成分と蛍光体粒子および/または窒化ホウ素との反応を防止する観点からは、ガラスマトリックスの転移点ができるだけ低いことが好ましく、1000℃以下であることが好ましく、750℃以下であることがより好ましく、600℃以下であることが更に好ましく、550℃以下であることが特に好ましい。ガラスの転移点の下限値は特に限定されないが、蛍光体粒子分散ガラスの機械的強度、耐熱性を考慮すると250℃以上であることが好ましく、300℃以上であることがより好ましく、400℃以上であることが更に好ましい。低温での焼成(例えば400~600℃)が可能であるという観点からは、マトリックスとするガラスは、リン酸塩系ガラス、ビスマス酸塩系ガラス、テルライト系ガラスが特に好ましい。
(蛍光体粒子)
本実施形態によれば、例えば、リン酸塩系のガラスを用いることにより、比較的低温で焼結することも可能であることから、多種多様な蛍光体粒子を用いることが可能である。例えば、βサイアロン蛍光体、KSF系蛍光体(KSiF:Mn)、CASN、S-CASN、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系蛍光体、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット(LAG系蛍光体、ユウロピウムおよび/またはクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CaO-Al-SiO)系蛍光体、ユウロピウムで賦活されたシリケート((Sr,Ba)SiO)系蛍光体が挙げられる。レーザー励起等による温度上昇に伴う発光強度の低下を抑制させる観点から、窒化物蛍光体粒子が好ましい。窒化物蛍光体粒子としては、αサイアロン蛍光体、βサイアロン蛍光体、CASN、S-CASN等が例示できる。
蛍光体粒子は、窒素を蛍光体組成に含む窒化物蛍光体粒子が好適である。具体例として、ストロンチウムおよびケイ素を結晶相に含む窒化物蛍光体(例えば、SCASN、SrSi)、カルシウムおよびケイ素を結晶相に含む窒化物蛍光体(例えばSCASN、CASN、CASON)、ストロンチウム、ケイ素およびアルミニウムを結晶相に含む窒化物蛍光体(例えばSCASN、SrSi)、バリウム、ケイ素を結晶相に含む窒化物蛍光体(例えばBSON)、カルシウム、ケイ素およびアルミニウムを結晶相に含む窒化物蛍光体(例えば、SCASN、CASN、CASON)が挙げられる。
窒化物蛍光体の別の側面からの分類としては、ランタンニトリドシリケート(例えばLSN)、アルカリ土類金属ニトリドシリケート(例えばSrSi)、アルカリ土類金属ニトリドシリケート(CASN、SCASN、αサイアロン、(Ca,Sr)AlSi)などが挙げられる。
さらに、具体的には、
次の一般式で表すことができるβサイアロン;
Si6-zAl8-z:Eu(式中0<z<4.2)、αサイアロン、
次の一般式で表されるLSN;LnSi [1]
(式[1]中、Lnは付活元素として用いる元素を除いた希土類元素から選ばれる1種以上の元素を表し、Mは付活元素から選ばれる1種以上の元素を表し、x、y、zは、各々独立に下記式を満たす値である。
2.7≦x≦3.3、10≦y≦12、0<z≦1.0)
次の一般式で表されるCASN;CaAlSiN:Eu、
次の一般式で表すことができるSCASN;(Ca,Sr,Ba,Mg)AlSiN:Euおよび/又は(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O):Eu、
次の一般式で表すことができるCASON;(CaAlSiN1-x(SiO):Eu(式中0<x<0.5)、
次の一般式で表すことができるCaAlSi;Euy(Sr,Ca,Ba)1-y:Al1+xSi4-x7-x(式中、0≦x<4、0≦y<0.2)、
次の一般式で表すことができるSrSi;(Sr,Ca,Ba)AlSi5-x8-x:Eu(式中0≦x≦2)、
次の一般式で表すことができるBSON;MBa(Sr,Ca,Mg,Zn)12(式中、MはCr、Mn、Fe、ランタノイド(La、Pm、Gd、Luは除く)から選ばれる付活元素を表し、LはSiを含有する周期律表第4族又は第14族に属する金属元素を表し、x、y、zは、各々独立に下記式を満たす値である。
0.03≦x≦0.9、0.9≦y≦2.95、x+y+z=3)等の蛍光体が挙げられる。
これらの蛍光体の中でも、焼結したときの輝度が低下しないという観点からは、構成元素として酸素を含まない窒化物蛍光体(不可避的に混入する酸素は含む)、即ち、LSN、CaAlSiN、SCASN、SrSi、βサイアロン、BSON等の窒化物蛍光体を用いることが好ましい。
添加する蛍光体粒子の種類は、特に限定されず、目的に応じて複数種類を添加してもよい。
蛍光体粒子分散ガラス中の蛍光体粒子の含有量は、蛍光体粒子分散ガラスの形状(厚み等)、求められる透明性(励起光の全透過率)、蛍光性(蛍光強度、発光波長)、量子効率に応じて適宜調整できる。蛍光体粒子の含有量が少なすぎると、所望の発光色を得るために蛍光体粒子分散ガラスの厚みを厚くする必要があり、蛍光体粒子分散ガラスの内部散乱が増加して光取り出し効率の低下を招来する場合がある。一方、蛍光体粒子の含有量が多すぎると、所望の発光色を得るために蛍光体粒子分散ガラスの厚みを薄くする必要があり、蛍光体粒子分散ガラスの機械的強度が低下する場合がある。
マトリックス中の蛍光体粒子の平均粒子径は特に限定されないが、励起光の透過性、良好な蛍光特性および分散性をバランスよく得る観点からは500nm~30μmであることが好ましく、1μm~10μmであることがより好ましい。マトリックス中の蛍光体粒子の平均粒子径は、ISO13383-1:2012に準拠した画像解析法における最大フェレ径により求められる。励起光の蛍光体粒子分散ガラスの全透過率は、光路方向において例えば10%以上とすることが好ましい。
(熱伝導性フィラー)
本実施形態の蛍光体粒子分散ガラスは、熱伝導性フィラーとして窒化ホウ素を含む。熱伝導性フィラーとして窒化ホウ素を用いることにより、優れた熱伝導性を示す蛍光体粒子分散ガラスが得られる。これは、窒化ホウ素の耐食性の高さによるものと考えられる。窒化ホウ素は、立方晶窒化ホウ素、六方晶窒化ホウ素(h-BN)が例示できる。窒化ホウ素を蛍光体粒子分散ガラスに無配向に分散させる態様の他、配向性を持たせて分散させることができる。h-BNは板状の粒子形状であり、その板面方向(ab面内又は(002)面内)に高い熱伝導性を示すことが知られている(通常、熱伝導率として400W/mK程度)。このため、熱伝導性を効率的に高める観点から、熱伝導率を高めたい方向にh-BNを配向させて用いる態様が好適である。後述するように、製造工程において一軸プレスすることによりh-BNの配向性を付与することができる。なお、ここで「配向している」とは、蛍光体粒子分散ガラスの熱伝導性に異方性を付与できる程度に配向している態様を含むものとする。
h-BNは、一次粒子として用いる他、h-BNが凝集したh-BN二次粒子を用いてもよい。また、加熱により焼結した窒化ホウ素二次粒子を用いてもよい。h-BN二次粒子を用いることにより等方的に熱伝導性を高めることも可能である。
窒化ホウ素の蛍光体粒子分散ガラス中の含有量は、熱伝導性を効果的に付与する観点から5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、30質量%以上が特に好ましい。また、蛍光体粒子分散ガラスの緻密性を高める観点からは80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。
蛍光体粒子分散ガラス中の窒化ホウ素のISO13383-1:2012画像解析法における最大フェレ径から求めた平均粒子径は、高熱伝導率化の観点からは0.5~200μmであることが好ましい。より好ましくは1~150μmであり、更に好ましくは3~100μmである。光体ガラス中の蛍光体粒子の平均粒子径は、ISO13383-1:2012に準拠した画像解析法における最大フェレ径として求められる。具体的な測定方法は蛍光体粒子と同様である。
なお、熱伝導性フィラーとして、窒化ホウ素以外にも酸化アルミニウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化ニッケル、酸化バナジウム、酸化銅、酸化鉄、酸化銀等の金属酸化物;石英粉、炭化シリコン、炭化ケイ素、雲母等のケイ素化合物が挙げられ、これらを窒化ホウ素と併用することも可能である。
蛍光部材のマトリックスとして樹脂を用いた場合の熱伝導率は0.1W/mK程度であり、ガラスを用いた場合の熱伝導率は概ね1W/mK以下となる。本実施形態においては、窒化ホウ素を添加することにより熱伝導率を高めることができる。本実施形態の蛍光体粒子分散ガラスの熱伝導率は、熱伝導性をより優れたものとする観点から、少なくとも熱伝導率が1.2W/mK以上であることが好ましく、より好ましくは2W/mK以上であり、更に好ましくは2.3W/mK以上である。蛍光体粒子分散ガラスの熱伝導性に異方性が有る場合の、熱伝導性が最も高い方向での熱伝導率は10W/mK以上であることが好ましく、より好ましくは20W/mK以上であり、更に好ましくは30W/mK以上である。
熱伝導率は高いほど好ましいが、蛍光体粒子分散ガラスの透明性および緻密性を考慮すると、その上限は通常100W/mK以下である。なお、本明細書でいう熱伝導率とは、キセノンフラッシュ法で測定される蛍光体粒子分散ガラスの熱伝導率をいい、具体的には、実施例に記載した方法により測定される値をいう。
[蛍光体粒子分散ガラスの製造方法]
次に、本実施形態に係る蛍光耐ガラスの製造方法の一例を説明するが、本発明の蛍光体粒子分散ガラスの製造方法は以下に限定されない。
本実施形態の蛍光体粒子分散ガラスの製造方法は、少なくとも蛍光体粒子、窒化ホウ素およびマトリックスの原料粉体を混合して混合物を得、この混合物を焼結する工程を有する。製造時の焼結温度は、ガラス焼結体が得られればよく、ガラス粉末の軟化点未満の温度で焼結してもよいが、マトリックスの原料粉体の軟化点以上の温度で焼結することが好ましい。本実施形態の製造方法によれば、ガラスの機械的強度、透明性等の優れた特性と熱伝導性を両立できる蛍光体粒子分散ガラスを製造することができる。以下、詳細に説明する。
各原料は、混合前に必要に応じて解砕/粉砕工程を行ってもよい。混合物を得る方法は特に限定されず、例えば乾式または/および湿式工程を経て得られる。乾式の場合、例えば、少なくとも蛍光体粒子、窒化ホウ素およびマトリックスの原料粉体を乳鉢に入れ混合する方法がある。このとき分散剤を添加してもよい。混合物の粉体のサイズを均質化する観点から、目開きの大きさが異なる2つ以上のふるいを段階的に用い、所定の粒径を有する混合物としてもよい。湿式により混合する場合には、ボールミル等により溶剤(エタノール等)を用いて混合してスラリーを調製し、その後、溶剤を留去して一次成形体を得、この一次成形体を焼成することにより焼結体を得る方法が例示できる。また、一次成形体を形成せずに、焼結プロセスと溶剤留去プロセスを同時に行ってもよい。必要に応じて、圧力を更に加えてもよい。加圧は、等方的であっても異方的(例えば一軸方向)であってもよい。異方性を付与する場合には一軸プレスする方法が簡便である。
焼成温度は、蛍光体とガラスの反応を抑制しつつ緻密化させるという観点から任意に設定できる。例えば、リン酸塩系ガラスの場合には、400℃~550℃の範囲とすることが好ましい。緻密化を充分に行う観点から、例えば0.5~100MPa程度の圧力を加えることができる。圧力を加える場合、1~50MPaとすることがより好ましく、5~30MPaとすることが更に好ましい。0.5~100MPaとすることにより、ガラスの粘性流動に起因する高密度化を促進できる。圧力を加える手段としては、公知の方法を適用できる。等方的加圧でも、異方的加圧でもよいが、装置の簡便性および窒化ホウ素に配向性を付与する観点からは、一軸方向の加圧が好適である。一方向的に加圧する場合には、例えばホットプレス法により行うことができる。窒化ホウ素の配向性付与により、熱伝導性に異方性を付与することができる。このため、異方的熱伝導性が求められる用途に特に好適である。等方的に加圧する場合には静水圧による加圧が好適である。加圧時間は、緻密化に寄与する化学反応のメカニズムや圧力によって異なるが、1~60minが好ましい。加圧と加熱を併用する場合、同時でも別々でもよく、工程手順は任意に組み合わせられる。
蛍光体粒子分散ガラスの透明性を高めるためには、光の散乱源となる気孔をできるだけ除去することが好ましい。透明性を高め、且つ発光効率を効果的に高める観点からは蛍光体粒子分散ガラスの密度は2.3g/cm以上とすることが好ましい。ここで、密度は、JIS Z 2501:2000に準拠のアルキメデス法により求められるかさ密度を、平均の真密度(原料粉体の総質量/原料粉体の総体積(理論値))で除して算出した。なお、ここでいう原料粉体とは、マトリックス、蛍光体粒子、熱伝導性フィラー等の原料全体をいう。密度は、原料粉体の粒径、混合処理工程、焼結工程等を調整することにより高められる。
蛍光体粒子分散ガラス中の蛍光体粒子および窒化ホウ素を測定する場合には、ISO13383-1:2012に準拠した画像解析法等を用いて、例えば、次のように測定することができる。即ち、試験片を破断し、その面を走査型電子顕微鏡で観察して組織写真を得る。得られた組織写真の窒化ホウ素に相当する箇所を明瞭化して、形状を読み取る。この時の最も長い距離(最大フェレ径)を測定することで粒子径とする。この粒子径の測定を繰り返し、得られた値を平均して、平均粒子径とする。
本実施形態の製造方法によれば、ガラスをマトリックスにすることにより、サイアロンをマトリックスとする場合などに比べて低温で焼成することが可能となる。より低温で焼成できる点において、リン酸塩系ガラスが好適である。リン酸塩系ガラスを用いた場合、600℃以下で焼成することが可能であり、500℃以下とすることも可能である。
本実施形態の蛍光体粒子分散ガラスによれば、耐食性に優れる窒化ホウ素を熱伝導性フィラーとして用いることにより、蛍光性および熱伝導性を兼備した蛍光体粒子分散ガラスを提供できる。また、耐熱性に優れ、加工性、機械的強度にも優れる蛍光体粒子分散ガラスを提供できる。また、蛍光体粒子分散ガラスの緻密化により気孔を低減させ、透光性に優れた蛍光体粒子分散ガラスを提供できる。しかも、窒化ホウ素を含有することにより高熱伝導性を実現できる。更に、ガラスの種類により例えば400~550℃程度の焼結プロセスにより蛍光体粒子分散ガラスが得られるので、多様な蛍光体粒子を用いることが可能となる。その結果、高温焼成による蛍光体粒子の劣化や変質、マトリックス部との不本意な反応といった従来の課題を根本的に解決し、より自由度の高い材料設計が可能となる。その結果、高品質な蛍光体粒子分散ガラスを提供することができる。そして、高熱伝導性と蛍光性を兼備した蛍光体粒子分散ガラスを提供できる。本実施形態の蛍光体粒子分散ガラスは、高出力LED等のみならず、放熱性が必要とされる様々な部材への応用展開が期待できる。
[発光装置]
本実施形態の発光装置は、第一光を発光する半導体発光素子と、この半導体発光素子の出射光側に設置され、第一光が励起光となり第二光を発光する本実施形態の蛍光体粒子分散ガラスを具備する。発光装置において、半導体発光素子および蛍光体粒子分散ガラスは、それぞれ独立に少なくとも一つ又は複数含まれている。
図1に、本実施形態に係る発光装置の一例である白色LEDの模式図を示す。白色LED10は、基板1上に一次光源として青色LED2が設けられ、この青色LED2の出射光路の少なくとも一部に蛍光体粒子分散ガラス6が設置されている。青色LED2の形状に応じて蛍光体粒子分散ガラス6を任意の形状に形成すればよい。青色LED2の出射光の一部は、蛍光体粒子分散ガラス6のマトリックス3に分散せしめられた蛍光体粒子4、例えば黄色蛍光体粒子を励起し、黄色の光を発光する。また、青色LED2のうち、蛍光体粒子分散ガラス中の蛍光体粒子の励起に寄与しなかった光は蛍光体粒子分散ガラス6を透過して、青色光として白色LED10から出射される。複数の出射光が混ざり合って、白色LED10から白色光が作り出される。
また、蛍光体粒子分散ガラス6には、熱伝導性フィラー5が分散されているので熱伝導率が高い。このため、青色LED2からの発熱や蛍光体粒子4による発熱を効果的に放熱させることができる。
なお、図1の例は一例であり、青色LEDに代えて、又は併用して赤色LEDまたは/および緑色LEDを用い、白色光の色味の品質を高めるために蛍光体粒子分散ガラスを用いてもよい。また、黄色蛍光体粒子は一例であり、黄色蛍光体粒子に代えて、又は併用して赤色蛍光体粒子または/および緑色蛍光体粒子を用いることができる。無論、その他の色の蛍光体粒子を用いてもよい。更に、LEDに代えてレーザーダイオード等の半導体発光素子を用いてもよいことは言うまでも無い。
白色LED10の場合には、青色LED2の青色光が蛍光体粒子分散ガラス6を透過する光量、蛍光体粒子分散ガラス6の蛍光体粒子が青色光を吸収して別の波長の光(緑色光、赤色光等)を発光する光量を最適化するために、蛍光体粒子分散ガラス6の厚みおよび蛍光体粒子分散ガラス6中の蛍光体粒子の濃度を適宜設計する。青色LEDからの励起光は、例えば、波長300nm~500nmの光(紫外領域の光から青色領域の光)である。
図1の白色LED10の蛍光体粒子分散ガラス6に代えて、図2に示すように、第一蛍光体粒子分散ガラス21と第二蛍光体粒子分散ガラス22からなる蛍光体粒子分散ガラス20を用いてなる白色LED10aを用いてもよい。第一蛍光体粒子分散ガラス21は、第一マトリックス11中に、青色LED2からの第一光を吸収して発光する第一蛍光体粒子12および熱伝導性フィラー15が含有されている。一方、第二蛍光体粒子分散ガラス22は、第二マトリックス13中に第一蛍光体粒子分散ガラス21から発光された光を吸収して、更に長波長光を発光する第二蛍光体粒子14および熱伝導性フィラー16が含有されている。第一蛍光体粒子分散ガラス21と第二蛍光体粒子分散ガラス22が接合された蛍光体粒子分散ガラス20を用いることにより、蛍光体粒子分散ガラス20の発光光の一部を第二の励起光として、更に長波長の光を出射させることができる。このような構成により、白色の色味を調整することも可能である。
[その他]
本実施形態に係る蛍光体粒子分散ガラスは、白色LED、高出力LED等の発光装置の部材としての利用の他、高熱伝導性および蛍光性を兼ね備えることから、蛍光表示管(VFD)、PDP等のディスプレイをはじめとする部材と組み合わせて種々の用途に応用展開することができる。また、波長変換用の蛍光体粒子分散ガラス以外の用途、例えば、応力発光素子、電子線照射発光素子、熱ルミネッセンスに適用することも可能である。紫外線を可視光に変換する放熱性が必要とされるガラスに適用することも可能である。また、少なくとも第1波長スペクトルを有する第一光を放出することができる光源と、前記第一光を少なくとも部分的に吸収して第2波長スペクトルを有する第二光を放出する蛍光体粒子分散ガラスとを含む発光システム全般に利用できる。
≪実施例≫
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ガラスの原料粉末としてリン酸塩系低融点ガラスフリット(日本琺瑯釉薬(株),FRA-119,軟化点>380℃,平均粒径:40μm)を用いた。また、蛍光体粒子として5wt%Eu賦活Ca-αサイアロン((株)サイアロン製)(以下、粒子1ともいう)を、熱伝導性フィラーとして窒化ホウ素であるh-BN(HGP、(株)デンカ社製、平均粒径:5μm)用いた。
まず、ガラスの原料粉末とh-BNの合計を100質量%としたときのh-BNの含有量が10質量%となるように、h-BNをガラスの原料粉末に添加した。次いで、ガラスの原料粉末とh-BNの合計を100質量%に対して外掛けで蛍光体を5質量%添加した。
これらの混合物を棒びんに入れ、シェーカー・ミキサー((株)シンマルエンタープライゼス製,T2F)で10分間混合した。その後、カーボンモールドに入れて多目的高温焼結炉(富士電波工業(株)製,ハイマルチ5000)を用いて500℃で真空焼成するとともに10分間、10MPaの圧力でホットプレスすることにより、蛍光体粒子分散ガラスを得た。なお、真空焼成時の500℃までの昇温は、真空下(6.6×10-2Pa以下)、5℃/minの条件で行った。また、前記加圧は、500℃に保持しているタイミングに行った。
(実施例2)
ガラスの原料粉末とh-BNの合計を100質量%としたときのh-BNの含有量を20質量%に変更した以外は、実施例1と同様の原料・製造方法により蛍光体粒子分散ガラスを得た。
(実施例3)
ガラスの原料粉末とh-BNの合計を100質量%としたときのh-BNの含有量を30質量%に変更した以外は、実施例1と同様の原料・製造方法により蛍光体粒子分散ガラスを得た。
(実施例4)
蛍光体粒子として、実施例1の蛍光体粒子に代えて5wt%Eu賦活βサイアロン((株)サイアロン社製)(以下、粒子2ともいう)を用いた以外は、実施例1と同様の原料・製造方法により蛍光体粒子分散ガラスを得た。
(実施例5)
蛍光体粒子として、実施例1の蛍光体粒子に代えて5wt%Eu賦活CaAlSiN((株)サイアロン社製)(以下、粒子3ともいう)を用いた以外は、実施例1と同様の原料・製造方法により蛍光体粒子分散ガラスを得た。
(実施例6)
熱伝導性フィラーとして、実施例1の熱伝導性フィラーに代えて粒子径の異なるh-BN粒子(SGP、(株)デンカ社製、18μm)を10質量%添加することに変更した以外は、実施例1と同様の製造方法により蛍光体粒子分散ガラスを得た。
(比較例1)
熱伝導性フィラーを添加しない以外は、実施例1と同様の原料・製造方法により蛍光体粒子分散ガラスを得た。
(比較例2)
熱伝導性フィラーとして、実施例1の熱伝導性フィラーに代えてAlN(グレードF、(株)トクヤマ製、0.6μm)を10質量%添加した以外は、実施例1と同様の原料・製造方法により蛍光体粒子分散ガラスを得た。
(比較例3)
熱伝導性フィラーとして実施例1の熱伝導性フィラーに代えてSi(SN-E10、宇部興産(株)製、0.2μm)を10質量%添加した以外は、実施例1と同様の原料・製造方法により蛍光体粒子分散ガラスを得た。
(密度測定)
密度は、JIS Z 2501:2000に準拠のアルキメデス法により求められるかさ密度を、平均の真密度(原料粉体の総質量/原料粉体の総体積(理論値))で除して算出した。なお、ここでいう原料粉体とは、前述したようにマトリックス、蛍光体粒子、熱伝導性フィラー等の原料全体をいう。
(発光励起スペクトル測定)
各実施例、比較例の蛍光体粒子分散ガラスを約7mm×7mm×1mmに加工した。そして、蛍光分光光度計(Jasco,FP8500)を用いて発光・励起スペクトルの測定を行った。発光スペクトルは450nmの励起波長を用いて500~750nmの範囲を測定した。励起スペクトルは粒子1のCa-α-サイアロン(黄)では582nm,粒子2のEu賦活βサイアロン(緑)では534nm,粒子3のEu賦活CaAlSiN(赤)では650nmの発光波長を用いて250~500nmの範囲で測定した。
(熱伝導率測定)
各実施例、比較例1の蛍光体粒子分散ガラスを20×20×1mmに加工した。その後、ネッチェ社製LFA467を用い、キセノンフラッシュ法のIn-plane_Slit法(Slit幅2.5mm)で蛍光体粒子分散ガラスの測定を行った。そして、馬場モデル解析により熱拡散率の値を求めた。この値に各実施例、比較例の蛍光体粒子分散ガラスの上述の測定方法により求めた密度と熱容量(0.8J/gK)を掛けて熱伝導率を算出した。
図3に、実施例1の蛍光体粒子分散ガラスのSEM像を示す。同図に示すように、ガラス中に蛍光体粒子および熱伝導性フィラーが分散していることを確認した。
図4に、実施例1、比較例2および3の蛍光体粒子分散ガラスのXRDプロファイルを示す。熱伝導性フィラーとして窒化ホウ素を用いた場合には焼成後にも窒化ホウ素は残存していたが、窒化ケイ素および窒化アルミニウムを添加した場合にはこれらのピークはあらわれず、ほぼ消失していた。また、反応時に窒素が放出されたことにより密度も低い値にとどまった。これらの結果に示すように、窒化ホウ素を熱伝導性フィラーとして用いることにより、熱伝導性に優れる蛍光体粒子分散ガラスが得られることを確認した。
図5に、実施例1の蛍光体粒子分散ガラスの発光・励起スペクトルを示す。図中の実線は、原料の蛍光体粒子のスペクトルであり、点線は実施例1の蛍光体粒子分散ガラスのスペクトルを示す。同図に示すように、蛍光体粒子を熱伝導性フィラー含有のガラス複合体である蛍光体粒子分散ガラス中に分散させても原料と同様の発光・励起スペクトルが得られることを確認した。
表1に、実施例1~5および比較例1の蛍光体粒子分散ガラスの密度および熱伝導率を示す。
Figure 0007376022000001
表1に示すように、熱伝導性フィラーを含有しない比較例1の熱伝導率は0.5W/mKであるのに対し、窒化ホウ素を含有する実施例1~6の蛍光体粒子分散ガラスにおいては、熱伝導率を顕著に高められることを確認した。
1 基板
2 青色LED
3 マトリックス
4 蛍光体粒子
5 熱伝導性フィラー
6 蛍光体粒子分散ガラス
10 白色LED
11 第一マトリックス
12 第一蛍光体粒子
13 第二マトリックス
14 第二蛍光体粒子
21 第一蛍光体粒子分散ガラス
22 第二蛍光体粒子分散ガラス

Claims (6)

  1. ガラスをマトリックスとし、
    少なくとも蛍光体粒子および熱伝導性フィラーが前記マトリックスに分散されてなり、
    前記熱伝導性フィラーが六方晶窒化ホウ素を含み、
    前記ガラスがリン酸塩系ガラスである蛍光体粒子分散ガラス。
  2. 熱伝導率が少なくとも2W/mK以上であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体粒子分散ガラス。
  3. 前記マトリックス中の前記六方晶窒化ホウ素のISO13383-1:2012画像解析法における最大フェレ径から求めた平均粒子径が0.5~200μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の蛍光体粒子分散ガラス。
  4. 前記六方晶窒化ホウ素の含有量が5質量%以上であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の蛍光体粒子分散ガラス。
  5. 前記蛍光体粒子が窒化物蛍光体粒子であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の蛍光体粒子分散ガラス。
  6. 第一光を発光する半導体発光素子と、
    前記半導体発光素子の出射光側に設置され、前記第一光が励起光となり第二光を発光する、請求項1~のいずれかの蛍光体粒子分散ガラスとを備える発光装置。
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