JP7375615B2 - ヘッドマウントディスプレイ - Google Patents

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本発明は、ヘッドマウントディスプレイに関する。
特許文献1には、凹面スクリーンとハーフミラーとを備えたヘッドマウントディスプレイが開示されている。ハーフミラーは、凹面スクリーンとユーザとの間に配置されている。左右の液晶表示器からの光はハーフミラーで前方に反射される。ハーフミラーで反射された光は、凹面スクリーンで後方に反射される。そして、凹面スクリーンで反射された光は、ハーフミラー及び接眼レンズを通過してユーザの左右の眼に入射する。一体的に設けられたハーフミラーが左右の液晶表示器に対して共通に用いられている。
特開2000-249975号公報
上記のように、ヘッドマウントディスプレイでは、表示素子からの表示光を左右それぞれの眼に導くための光学系が設けられている。しかしながら、ヘッドマウントディスプレイでは、例えば右眼用表示素子からの表示光が左眼に入射するクロストーク光と呼ばれるノイズ成分が発生し、表示品質が低下するという問題点がある。特に、左右方向に視野角を広げるために光学系を大型化する場合、クロストークの影響が大きくなってしまう。クロストークとは、左右の表示素子からの表示光がそれぞれ意図した眼とは反対側の眼に入射することである。この点について、図25を用いて説明する。図25は、表示素子、及び光学系の構成を模式的に示す上面図である。
左眼ELの前には、ビームスプリッタ122L、及びコンバイナ121Lが配置されている。同様に、右眼ERの前には、ビームスプリッタ122R、及びコンバイナ121Rが配置されている。ビームスプリッタ122Lの上方に配置された左眼用表示素子101Lからの表示光PL11は、ビームスプリッタ122Lで反射されて、コンバイナ121Lに入射する。コンバイナ121Lで反射された表示光PL11は、ビームスプリッタ122Lを介して、左眼ELに入射する。
しかしながら、コンバイナ121Lで反射された表示光PL11の一部が、クロストーク光PCTとして右眼ERに入射してしまう。図25では図示を省略しているが、同様に、右眼用表示素子101Rからの表示光PR11の一部が、クロストーク光として左眼ELに入射してしまう。左右の表示素子からの表示光PL11、PR11の一部が反対側の眼にクロストーク光PCTとして入射すると、表示画像のノイズ成分となってしまう。よって、コントラストの低下や二重像などが発生し、表示品質が低下してしまうおそれがある。特許文献1では、クロストークを十分に抑制することができないため、高い表示品位を得ることができないという問題点がある。
本開示は上記の点に鑑みなされたものであり、表示品質の高いヘッドマウントディスプレイを提供することを目的とする。
本実施形態にかかるヘッドマウントディスプレイは、ユーザの前方に配置され、表示画像を形成する表示光をユーザの方向に反射する反射部材と、前記反射部材とユーザとの間において、前記ユーザの左眼の前方の空間から右眼の前方の空間に渡って配置され、前記表示光を前記反射部材に反射するとともに、前記反射部材で反射した表示光を透過するビームスプリッタと、前記ビームスプリッタよりも前方において、前記左眼の前方の空間と前記右眼の前方の空間との間に配置された第1の仕切り板と、前記ビームスプリッタよりも後方において、前記左眼の前方の空間と前記右眼の前方の空間との間に配置された第2の仕切り板と、を備え、前記第1の仕切り板の前記ビームスプリッタ側の端部がユーザから隠れている。
本開示によれば、表示品質の高いヘッドマウントディスプレイを提供することができる。
本実施の形態にかかるヘッドマウントディスプレイの一部の構成を示す図である。 本実施の形態にかかるヘッドマウントディスプレイの機能ブロックを示す図である。 ヘッドマウントディスプレイの光学系における表示光、及び外光を説明するための図である。 左右の光学系に対してビームスプリッタをそれぞれ設けた構成を説明するための側面図である。 実施の形態1にかかるヘッドマウントディスプレイの光学系の構成を模式的に示す上面図である。 実施の形態1にかかるヘッドマウントディスプレイの光学系の構成を模式的に示す側面図である。 仕切り板141,142の一例を示す図である。 仕切り板141,142の厚さが等しい場合の構成を示す図である。 図8の構成で視認される像を模式的に示す図である。 図7の構成で視認される像を模式的に示す図である。 仕切り板142の変形例1を示す図である。 仕切り板142の変形例2を示す図である。 仕切り板142の変形例3を示す図である。 目に入射する外光を説明するための図である。 仕切り板の拡散反射率の空間分布を示す図である。 仕切り板142の変形例4を示す図である。 仕切り板142の変形例5を示す図である。 実施の形態2の構成を模式的に示す上面図である。 実施の形態2の構成を後方から見た模式図である。 実施の形態2の構成を右眼側から見た模式図である。 実施の形態3の構成を模式的に示す上面図である 実施の形態3の構成を模式的に示す側面図である 変形例6の構成を模式的に示す上面図である。 視線検出用の光源と光センサの配置例を模式的に示す上面図である。 表示光のクロストークを説明するための図である。
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本開示が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載および図面は、適宜、簡略化されている。
実施の形態1.
本実施の形態にかかるヘッドマウントディスプレイ、及びその表示方法について、図を参照して説明する。図1はヘッドマウントディスプレイ100の一部の構成を模式的に示す斜視図である。図2はヘッドマウントディスプレイ100の一部の機能ブロックを示す図である。図1、図2では、主として、ヘッドマウントディスプレイ100の画像表示に関する構成が示されている。図1では、ヘッドマウントディスプレイ100の内部構成が示されており、実際には、図1に示す各構成要素がカバーなどで覆われていてもよい。
ヘッドマウントディスプレイ100は、ゲーム用、エンターテインメント用、産業用、医療用、フライトシミュレータ用などの様々な用途に適用可能である。ヘッドマウントディスプレイ100は、例えば、VR(Virtual Reality)ヘッドマウントディスプレイやAR(Augmented Reality)ヘッドマウントディスプレイやMR(Mixed Reality)ヘッドマウントディスプレイである。なお、本実施の形態では、ヘッドマウントディスプレイ100が、ARやMRに用いられるオプティカルシースルータイプのヘッドマウントディスプレイとなっているが、非透過型のヘッドマウントディスプレイであってもよい。
以下、説明の明確化のため、XYZ3次元直交座標系を用いて説明を行う。ユーザを基準として、前後方向(奥行方向)をZ方向、左右方向(水平方向)をX方向、上下方向(鉛直方向)をY方向とする。前方向が+Z方向、後ろ方向が-Z方向、右方向を+X方向、左方向を-X方向、上方向を+Y方向、下方向を-Y方向とする。
図示しないユーザが、ヘッドマウントディスプレイ100を装着している。ヘッドマウントディスプレイ100は、表示素子部101と、フレーム102と、左眼用光学系103Lと、右眼用光学系103Rと、制御部105を備えている。制御部105は、制御部105Lと制御部105Rとを備えている。
フレーム102はゴーグル形状や眼鏡形状を有しており、図示しないヘッドバンドなどによりユーザの頭部に装着される。フレーム102には、表示素子部101、左眼用光学系103L、右眼用光学系103R、制御部105L、制御部105Rが取り付けられている。なお、図1では、両眼式のヘッドマウントディスプレイ100が図示されているが、眼鏡形状を有する非没入型ヘッドマウントディスプレイであってもよい。
表示素子部101は、左眼用表示素子101Lと右眼用表示素子101Rを備えている。左眼用表示素子101Lは、左眼用の表示画像を生成する。右眼用表示素子101Rは、右眼用の表示画像を生成する。左眼用表示素子101L、及び右眼用表示素子101Rはそれぞれ液晶モニタや有機EL(Electro-Luminescence)モニタなどのフラットパネルディスプレイを備えている。左眼用表示素子101L、及び右眼用表示素子101Rは曲面形状を有するディスプレイでもよい。左眼用表示素子101Lと右眼用表示素子101Rは、それぞれアレイ状に配置された複数の画素を備えている。ここでアレイ状の配置とは、2次元状の配置だけでなく、ペンタイル配列などでもよい。左眼用表示素子101Lは右眼用表示素子101Rの左側(-X側)に配置されている。
表示素子部101の上方(+Y側)には、制御部105が設けられている。制御部105には、外部からの映像信号、制御信号、電源が供給されている。例えば、HDMI(登録商標)などの有線接続、又はWiFi(登録商標)やBlueTooth(登録商標)等の無線接続によって、映像信号等が制御部105に入力される。ヘッドマウントディスプレイ100は、映像信号を生成する映像生成部(図示せず)を備えていてもよく、制御部105には、映像生成部が生成した映像信号等が入力されてもよい。
制御部105L、制御部105RはCPU(Central Processing Unit)、及びメモリなどのハードウェア資源を備えており、メモリに格納されたコンピュータプログラムにしたがって動作する。さらに、制御部105L、制御部105Rはそれぞれ、ディスプレイの駆動回路等を備えている。制御部105Lは、映像信号、制御信号等に基づいて、左眼用画像の表示信号を生成して、左眼用表示素子101Lに出力する。これにより、左眼用表示素子101Lは、左眼用画像を表示するための表示光を出力する。制御部105Rは、映像信号、制御信号等に基づいて、右眼用画像の表示信号を生成して、右眼用表示素子101Rに出力する。これにより、右眼用表示素子101Rは、右眼用の表示画像を表示するための表示光を出力する。つまり、制御部105は表示信号を表示素子部101に出力する。
なお、表示素子部101は、左眼用表示素子101Lと右眼用表示素子101Rを別々の表示素子とする構成に限らず、単一の表示素子とする構成としてもよい。単一の表示素子が、左眼用の表示画像と右眼用の表示画像とを生成してもよい。この場合、表示素子部101は、ディスプレイの表示領域の片側の一部を用いて、左眼用画像を生成し、反対側の一部を用いて、右眼用画像を生成する。
表示素子部101、制御部105等の一部又は全部は、フレーム102に固定されている構成に限らず、フレーム102に対して脱着可能に設けられていてもよい。例えば、スマートフォン又はタブレットコンピュータ等をフレーム102に対して取り付けることで、表示素子部101、制御部105等を実現してもよい。この場合、スマートフォン等にヘッドマウントディスプレイ用の表示画像を生成するアプリケーションプログラム(アプリ)を予めインストールしておけばよい。
左眼用光学系103Lは、左眼用表示素子101Lが出力した表示光を、左眼用画像としてユーザの左眼ELに導く。右眼用光学系103Rは、右眼用表示素子101Rが出力した表示光を、右眼用画像としてユーザの右眼ERに導く。左眼用光学系103Lは右眼用光学系103Rの左側(-X側)に配置されている。左眼用光学系103Lは、ユーザの左眼ELの前方(+Z方向)に配置されている。右眼用光学系103Rは、ユーザの右眼ERの前方(+Z方向)に配置されている。ユーザは、表示素子部101が生成した表示画像の虚像を正面前方(+Z方向)に視認することができる。
上記の通り、本実施の形態にかかるヘッドマウントディスプレイ100は、半透過型又は非透過型のヘッドマウントディスプレイのいずれにも可能である。なお、ここではヘッドマウントディスプレイ100が、半透過型のヘッドマウントディスプレイであるとして説明を行う。従って、左眼用光学系103L、及び右眼用光学系103Rは、後述するコンバイナを備えている。半透過型のヘッドマウントディスプレイ100では、表示素子部101からの表示光と、外光とが、左眼EL及び右眼ERに入射する。よって、ユーザは、前方(+Z方向)の景色に表示画像が重畳した重畳画像を視認することができる。
以下、左眼用光学系103Lと右眼用光学系103R(以下、まとめて単に光学系と称する)の例について説明する。図3は、光学系を模式的に示す側面図である。なお、左眼用光学系103Lと右眼用光学系103Rとは同様の構成となっているため、主として左眼用光学系103Lに対して説明を行う。
左眼用光学系103Lは、コンバイナ121Lと、ビームスプリッタ122と、遮光部150Lと、を備えている。右眼用光学系103Rは、コンバイナ121Rと、ビームスプリッタ122と、遮光部150Rと、を備えている。コンバイナ121L、121R、ビームスプリッタ122、及び遮光部150L、150Rは、図1で示したフレーム102に固定されている。
ビームスプリッタ122は、左眼用光学系103Lと右眼用光学系103Rとで共通となっている。つまり、左眼用光学系103Lと右眼用光学系103Rとで、単一のビームスプリッタ122が共用されている。
コンバイナ121Lは凹面鏡となっており、ビームスプリッタ122は平面鏡となっている。コンバイナ121L、及びビームスプリッタ122はハーフミラー等のビームスプリッタであり、入射光の一部を反射して、一部を透過する。コンバイナ121Lの反射の比率と透過の比率とが等しいとすると、コンバイナ121Lは、入射光のほぼ半分の光量を透過し、残りの半分を反射する。同様に、ビームスプリッタ122の反射の比率と透過の比率とが等しいとすると、ビームスプリッタ122は、入射光のほぼ半分の光量を透過し、残りの半分を反射する。コンバイナ121L及びビームスプリッタ122は、反射の比率を増やし透過の比率を減らしてもよいし、反射の比率を減らし透過の比率を増やしてもよい。
コンバイナ121L、及びビームスプリッタ122はユーザの左眼ELの正面前方(+Z方向)に配置されている。また、コンバイナ121Lは、ビームスプリッタ122の前方(+Z方向)に配置されている。
ビームスプリッタ122の上方(+Y方向)には、左眼用表示素子101Lが配置されている。左眼用表示素子101Lは表示画像を形成するための表示光PL11を出射する。つまり、左眼用表示素子101Lは、左眼ELの前方斜め上に配置されている。
遮光部150Lは、ビームスプリッタ122の下方(-Y方向)に配置されている。つまり、遮光部150Lは、左眼ELの前方斜め下に配置されている。遮光部150Lは、前方斜め下の視界を遮るために設けられている。遮光部150Lは光を吸収する黒色材料などで形成されている。遮光部150Lの代わりに、前方斜め下を視認するための下部窓を設けてもよい。
左眼用表示素子101Lからの表示光PL11について説明する。左眼用表示素子101Lの表示面は、下方(-Y方向)に面している。したがって、左眼用表示素子101Lからの表示光PL11は、下方(-Y方向)に出射される。左眼用表示素子101Lの下方(-Y方向)には、ビームスプリッタ122が傾斜して配置されている。左眼用表示素子101Lからの表示光PL11は、ビームスプリッタ122に入射する。ビームスプリッタ122は、表示光PL11の一部を反射する。また、ビームスプリッタ122を透過した残りの表示光PL11は、遮光部150Lで吸収される。
ビームスプリッタ122で反射した表示光PL11は、前方(+Z方向)に反射される。そして、表示光PL11は、コンバイナ121Lに入射する。コンバイナ121Lは、後方(-Z方向)に表示光PL11の一部を反射する。コンバイナ121Lで反射された表示光PL11を表示光PL12とする。さらに、コンバイナ121Lは凹面鏡であり、表示光PL12を左眼ELに向けて集光するように、表示光PL11を反射する。コンバイナ121Lで反射された表示光PL12は、ビームスプリッタ122に入射する。ビームスプリッタ122は、表示光PL12の一部を透過する。
ビームスプリッタ122を透過した表示光PL12は、左眼ELに入射する。このように、左眼用光学系103Lが、左眼用表示素子101Lからの表示光PL11を、ユーザの左眼ELに導く。光学系により、ユーザの前方(+Z方向)に虚像を表示させることができる。また、コンバイナ121Lとして凹面鏡を用いているため、表示画像が拡大して表示される。
次に、ユーザの前方(+Z方向)からの外光PL21について説明する。外光PL21の一部は、コンバイナ121Lを透過する。コンバイナ121Lを透過した外光PL21は、ビームスプリッタ122に入射する。ビームスプリッタ122は、外光PL21の一部を透過する。ビームスプリッタ122を透過した外光PL21は、左眼ELに入射する。
ヘッドマウントディスプレイ100が半透過型であるため、コンバイナ121Lは、前方(+Z方向)からの外光PL21と左眼用表示素子101Lからの表示光PL11を合成する。ユーザの前方(+Z方向)にコンバイナ121Lを設けることで、ヘッドマウントディスプレイ100を光学シースルー方式とすることができる。ユーザの前方(+Z方向)の景色に、表示画像が重畳される。つまり、ユーザは、表示画像が重畳された景色を視認することができる。
右眼用光学系103Rについては、左眼用光学系103Lと同様になっている。さらに、左眼用光学系103Lと右眼用光学系103Rとでビームスプリッタ122が共通となっている。つまり、一体的に形成された一枚のビームスプリッタ122が、左眼用光学系103Lの表示光PL11、PL12と右眼用光学系103Rの表示光PR11、PR12との光路に配置されている。
左眼用光学系103Lと右眼用光学系103Rとがビームスプリッタ122を共用することで、アライメント調整を容易に行うことができる。換言すると、左眼用光学系103Lと右眼用光学系103Rとが別々のビームスプリッタを用いている場合、高精度のアライメント調整が要求される。以下、左眼用光学系103Lと右眼用光学系103Rとでビームスプリッタ122が別々に設けられている構成について、図4を用いて説明する。
図4では、左眼用光学系103Lと右眼用光学系103Rとでビームスプリッタ122が別々に設けられている。左眼用光学系103Lのビームスプリッタ122をビームスプリッタ122Lとし、左眼用光学系103Lのビームスプリッタ122をビームスプリッタ122Rとして示す。ビームスプリッタ122Lとビームスプリッタ122Rとは別個の光学部品となっている。ビームスプリッタ122Lとビームスプリッタ122Rとをそれぞれフレーム102などに取り付ける場合、取付誤差が生じることがある。
図4は、取付誤差等によって、ビームスプリッタ122Lとビームスプリッタ122Rの設置角度がずれた状態を示している。ビームスプリッタ122Lとビームスプリッタ122Rの設置角度が異なる場合、表示光PL11、表示光PR11の反射方向にずれが生じる。ここで、ビームスプリッタ122Lでコンバイナ121Lの方向に反射した表示光PL11を表示光PL13とし、ビームスプリッタ122Rでコンバイナ121Rの方向に反射した表示光PR11を表示光PR13とする。取付誤差等によって、表示光PL13の伝播方向が表示光PR13の伝播方向と平行にならなくなってしまう。
この場合、ユーザが視認する左眼用表示画像と右眼用表示画像の間で位置ずれが生じてしまう。図4では、ビームスプリッタ122Lとビームスプリッタ122Rとで、X軸周りの角度が異なっている。図4では、左眼ELから見た左眼用表示画像の中心の方向を中心軸OXLとし、右眼ERから見た右眼用表示画像の中心の方向を中心軸OXRとして示している。取付誤差によって、中心軸OXLと中心軸OXRとが平行とならないと、左眼用表示画像と右眼用表示画像が上下方向(Z方向)にずれて視認されてしまうという。ユーザが右眼用表示画像を左眼用表示画像よりも上方(+Z方向)に視認してしまう。
特に、オプティカルシースルーとするために、コンバイナ121L、121Rを用いた構成では、コンバイナ121L、121Rを通じて、ユーザが外界の景色や物体を見ることができる。この場合、ユーザが外界に焦点を合わせると左右の表示画像がずれた状態となり、ユーザが2重像のように視認してしまう。ヘッドマウントディスプレイ100の軽量化や低コスト化のため、樹脂でフレーム102やビームスプリッタ122を作製する場合、2つのビームスプリッタ122L,122Rを高精度にアライメント調整することが困難である。
これに対して、図3では、左眼用光学系103Lと右眼用光学系103Rとで共通のビームスプリッタ122が用いられている。よって、ビームスプリッタ122の取付誤差が生じない。ユーザに視認される表示画像の位置ずれを抑制することができ、高い表示品質を得ることができる。ビームスプリッタ122を樹脂製としても高精度にアライメント調整することができるため、ヘッドマウントディスプレイ100の軽量化を図ることが可能となる。
次に、クロストークを抑制するための構成について、図5、及び図6を用いて説明する。図5は、光学系を模式的に示す上面図であり、図6は側面断面図である。図5、及び図6に示すように、左眼用光学系103Lと右眼用光学系103Rとの間には、仕切り部140が設けられている。またビームスプリッタ122は、左前方空間160Lから右前方空間160Rに渡って配置されている。
仕切り部140は、左眼ELの前方(+Z方向)の空間(以下、左前方空間160Lとする)と右眼ERの前方(+Z方向)の空間(以下、右前方空間160Rとする)との間に配置されている。左前方空間160Lと右前方空間160Rは、仕切り部140によって仕切られている。仕切り部140は、X方向における左前方空間160Lと右前方空間160Rとの境界を規定する。
なお、左前方空間160Lは、コンバイナ121L、左眼用表示素子101L、遮光部150L、仕切り部140、フレーム102(図1を合わせて参照)、及びユーザの顔によって規定される空間となる。つまり、左前方空間160Lの前方(+Z方向)は、コンバイナ121Lに面しており、後方(-Z方向)は、ユーザの顔に面している。左前方空間160Lの上方(+Y方向)は、左眼用表示素子101Lに面しており、下方(-Y方向)は遮光部150Lに面している。左前方空間160Lの右側(+X方向)は、仕切り部140に面しており、左側(-X方向)はフレーム102に面している。
同様に、右前方空間160Rは、コンバイナ121R、右眼用表示素子101R、遮光部150R、仕切り部140、フレーム102(図1を合わせて参照)、及びユーザの顔によって規定される空間となる。つまり、右前方空間160Rの前方(+Z方向)は、コンバイナ121Rに面しており、後方(-Z方向)は、ユーザの顔に面している。右前方空間160Rの上方(+Y方向)は、右眼用表示素子101Rに面しており、下方(-Y方向)は遮光部150Rに面している。右前方空間160Rの右側(+X方向)は、フレーム102に面しており、左側(-X方向)は仕切り部140に面している。
図6に示すように、仕切り部140が仕切り板141、及び仕切り板142を備えている。仕切り部140が2枚の仕切り板141,142で構成されている。仕切り板141は、ビームスプリッタ122よりも前方(+Z方向)に配置されている。仕切り板142は、ビームスプリッタ122よりも後方(-Z方向)に配置されている。仕切り板141は、ビームスプリッタ122と接触していてもよく、ビームスプリッタ122と接触しなくてもよい。仕切り板142は、ビームスプリッタ122と接触していてもよく、ビームスプリッタ122と接触しなくてもよい。仕切り板141と仕切り板142は、少なくともビームスプリッタ122の厚さ分だけ離れて配置されている。
仕切り板141、及び仕切り板142はそれぞれ可視光を拡散反射する拡散反射板である。拡散反射とは、光の反射のうち鏡面反射を除いた拡散的な反射成分を意味する。仕切り板141、及び仕切り板142は入射した外光、及び表示光を様々な方向に拡散して反射する。なお、仕切り部140は、左前方空間160Lと右前方空間160Rとを完全に仕切っていなくてもよい。つまり、左前方空間160Lと右前方空間160Rとは一部が繋がっていてもよい。
仕切り部140は、左眼用表示素子101Lからの表示光PL11、PL12が右眼ERに入射するのを遮る。また、仕切り部140は、右眼用表示素子101Rからの表示光PR11、及びコンバイナ121Rで反射された表示光PR11である表示光PR12が左眼ELに入射するのを遮る。つまり、仕切り部140は、図25に示したクロストーク光PCTを遮光する。これにより、クロストークを抑制することができ、表示品質を向上することができる。
また、仕切り部140の仕切り板141、及び仕切り板142は拡散反射板であるため、仕切り部140に入射した光の一部が左眼EL又は右眼ERに到達する。例えば、コンバイナ121Lを通過した外光PL21の一部は、仕切り部140で拡散反射して、左眼ELに入射する。また、左眼用表示素子101Lからの表示光PL11、PL12の一部は、仕切り部140で拡散反射して、左眼ELに入射する。コンバイナ121Rを通過した外光PR21の一部は、仕切り部140で拡散反射して、右眼ERに入射する。また、右眼用表示素子101Rからの表示光PR11、PR12の一部は、仕切り部140で拡散反射して、右眼ERに入射する。
よって、本実施の形態では仕切り部140が、非拡散反射板であった場合と比較して、ユーザにより仕切り部140が黒い影のように視認されることを防ぐことができる。換言すると、仕切り部140が目立たなくなるように、仕切り部140が光の一部を拡散反射する。なお、非拡散反射板とは、例えば黒色に着色された樹脂板のことである。
仕切り部140が明るくなりすぎたり、暗くなりすぎたりして目立たないように、仕切り部140の拡散反射率を調整すればよい。拡散反射率とは、入射光量に対する拡散反射の光量の比率のことであり、色の明るさを表す。拡散反射率は、仕切り部140を着色する色、及び仕切り部140の表面の加工により調整することができる。仕切り部140の拡散反射率は、明るくなりすぎる0%近傍でなく、かつ、暗くなりすぎる100%近傍でない範囲であるとよい。これにより、ユーザが自然に表示画像を視認することができるため、表示品質を向上することができる。
仕切り部140を適切な拡散反射率にして目立たなくするために例えば、仕切り部140はグレーなどに着色された樹脂板を用いることができる。グレーとは白と黒との混合色である無彩色のうち、混合比が白100パーセントである白色と混合比が黒100パーセントである黒色を除いた色のことである。グレーとは混合比が白1パーセントかつ黒99パーセントの色も含み、また白99パーセントかつ黒1パーセントの色も含む。つまり仕切り部140は、白色でも、黒色でもない色に着色されている。
また、仕切り部140の表面に拡散反射加工を施して形成することにより、仕切り部140を適切な拡散反射率にして目立たなくすることができる。拡散反射加工とは、例えば樹脂表面をサンドペーパーなどで擦って微細な凸凹に荒らすことである。ここで仕切り部140の表面とは、左前方空間160Lに臨む面、及び、右前方空間160Rに臨む面のことである。つまり、仕切り板141及び仕切り板142の表面とは、左前方空間160Lに臨む面と、右前方空間160Rに臨む面のことである。仕切り板141、及び仕切り板142の表面に拡散反射加工を施すことができる。
仕切り部140の明るさ暗さに関わらず、仕切り部140を肌色などのユーザの皮膚の色とほぼ同色にして目立たなくしてもよい。ユーザの皮膚の色とは一般に肌色と認識され得る色全般を指し、人種の肌の色により適宜変更することができる。ユーザの皮膚の色は例えば、CIE色度図上で0.375≦x≦0.400かつ0.340≦y≦0.360の範囲にある色としてもよい。ユーザがコーカソイド系の人種である場合の皮膚の色は、CIE色度図上で0.375≦x≦0.385かつ0.340≦y≦0.345の範囲にある色としてもよい。ユーザがモンゴロイド系又はネグロイド系の人種である場合の皮膚の色は、CIE色度図上で0.390≦x≦0.400かつ0.350≦y≦0.360の範囲にある色としてもよい。仕切り部140を皮膚の色と同系色にすることで、仕切り部140が鼻と融合され、鼻の一部のように視認されるため、表示品質を向上することができる。
仕切り部140が拡散反射板であることにより、仕切り部140が強調されることなく、ユーザが表示画像を視認することができる。これにより、表示品質を高くすることができる。また、仕切り部140に入射した表示光も拡散反射されるため、仕切り部140で反射した表示光により表示画像の一部が形成されることを防ぐことができる。これにより、表示品質を高くすることができる。
なお、左右方向(X方向)を厚さ方向とする薄板により仕切り板141、及び仕切り板142を形成すればよい。YZ平面における仕切り板141、及び仕切り板142の形状は、左前方空間160Lと右前方空間160Rの形状に応じて決めればよい。なお、仕切り板141となる拡散反射板の端辺は、表示素子部101と、コンバイナ121L、121Rと、ビームスプリッタ122に沿った形状とすればよい。仕切り板142となる拡散反射板の短辺は、ビームスプリッタ122と、遮光部150L、150Rとに沿った形状とすればよい。図6に示すように、仕切り板141の前方(+Z方向)側の端辺は、コンバイナ121L、121Rの湾曲に沿って形成されている。つまり、YZ平面において、仕切り板141の前方(+Z方向)側の端辺は、円弧状に形成されている。このようにすることで、左前方空間160Lと右前方空間160Rとを適切に仕切ることができるため、クロストークを効果的に抑制することが可能となる。
次に、仕切り板141と仕切り板142の形状について詳細に説明する。図7は、図6のVII―VII断面での構成を模式的に示す図である。以下、X方向における仕切り板141、142の大きさを仕切り板141、142の厚さとして説明する。
仕切り板141は、一定の厚さとなっている。つまり、X方向における仕切り板141の大きさはZ方向の位置に関わらず一定になっている。なお、仕切り板141のビームスプリッタ122側の端部を端部141aとする。
仕切り板142は、テーパ形状となっており、-Z側の端部から+Z方向に向かうにつれて厚くなっていく。つまり、X方向における仕切り板142の大きさが、Z方向の位置に応じて変化している。仕切り板142のビームスプリッタ122側の端部を端部142aとすると、端部142aの厚さは、端部141aの厚さよりも大きくなっている。このような構成することで、仕切り板141の端部141aが明るく見えることを防止することができる。これにより、より高い表示品質を得ることができる。
この点について、図8~図10を用いて説明する。図8は、仕切り板141、及び仕切り板142の厚さが同じである比較例の構成を示している。図9は、図8の構成において、ユーザが視認する像を模式的に示す図である。図10は、図7の構成において、ユーザが視認する像を模式的に示す図である。図9、図10では、左眼で視認される像を左眼像IL,右眼で視認される像を右眼像IRとし、両眼で視認される像を両眼像ICとしている。
図8では、仕切り板141、及び仕切り板142の厚さが一定である。よって、仕切り板142は、仕切り板141の端部141aの厚さよりも厚く形成されていない。仕切り板141と仕切り板142は、少なくともビームスプリッタ122の厚さ分だけ離れて配置されている。
仕切り板142の厚さが、仕切り板141の端部141aの厚さと同じ場合、仕切り板141の端部141aが左眼EL及び右眼ERによって視認されてしまう。また、端部141aのみではなく、左眼ELから右斜め前に向かう光線の延びた先にあるコンバイナ121Rや、外光、フレーム102の内側等が視認されてしまう可能性もある。また、右眼ERから左斜め前に向かう光線の延びた先にあるコンバイナ121Lや、外光、フレーム102の内側等が視認されてしまう可能性もある。仕切り板141の端部141a、コンバイナ121L、121Rや、外光、及びフレーム102の内側等に表示光PL11等が入射すると、光が左眼EL又は右眼ERの方向に反射してしまい、ビームスプリッタ122を透過して左眼EL又は右眼ERに入射してしまう。よって、図9に示すように、ユーザが視認する左眼像IL、右眼像IR、及び両眼像ICに明るい斜め線170が入ってしまう。端部141a等での反射により、視認される像に、斜め線170が形成されてしまう。仕切り板141と仕切り板142の境界部分が明るく光ってしまうため、ユーザが斜め線170を視認してしまう。
これに対して、本実施の形態では、図7に示すように端部142aが、端部141aよりも厚くなっている。端部141a、コンバイナ121L、121Rや、外光、及びフレーム102の内側等で反射して左眼EL又は右眼ERの方向に向かう光が端部142aで遮光される。よって、図10に示すように、ユーザが斜め線のない左眼像IL、右眼像IR、及び両眼像ICを視認することができる。つまり、端部141a等で反射した光が左眼EL又は右眼ERに到達するのを防ぐことができる。換言すると、端部142aの厚さは、端部141aが視認されないような厚さとすることが好ましい。また端部142aの厚さは、端部141aのみではなく、左眼ELから右斜め前に向かう光線の延びた先にあるコンバイナ121Rや、外光、フレーム102の内側等が視認されないような厚さとすることが好ましい。また端部142aの厚さは、右眼ERから左斜め前に向かう光線の延びた先にあるコンバイナ121Lや、外光、フレーム102の内側等が視認されないような厚さとすることが好ましい。これにより、端部141aでの反射光で形成される斜め線170が視認されるのを防ぐことができるため、より高い表示品質を実現することが可能となる。
例えば、仕切り板141の端部141aの厚さを1mmとし、仕切り板142の端部142aの厚さを2mmとすることができる。もちろん、端部141a、端部142aの厚さが特に限定されるものではない。例えば、端部142aの厚さは、端部141aの厚さの2倍以上となっていても良い。仕切り板141、及び仕切り板142は左右対称な形状として、左右方向(X方向)の中心に配置することが好ましい。
さらに、仕切り板142がテーパ状に形成されていて側面の角度が一定であるため、表示光PL12及び外光PL21などによって仕切り板142に影が生じるのを防ぐことができる。よって、仕切り板142において、局所的に暗く視認される部分が生じることを防ぐことができ、より高い表示品質を得ることができる。
なお、仕切り板142は、のビームスプリッタ122側の端部142aが仕切り板141の端部141aよりも厚く形成されているが、端部142aの近傍が仕切り板141の端部141aよりも厚く形成されていてもよい。端部142aの近傍とは、仕切り板142において端部142aから-Z方向の位置の厚さを仕切り板141の端部141aよりも厚く形成した場合に、端部141a等が視認されない位置のことである。つまり、仕切り板142のビームスプリッタ122側の端部142a又は端部142aの近傍の厚さが、仕切り板141のビームスプリッタ122側の端部141aの厚さよりも厚くなっていればよい。
仕切り板142の端部142aの近傍が仕切り板141の端部141aよりも厚く形成されている場合、仕切り板142は-Z側の端部から+Z方向に向かうにつれて端部142aの近傍まで厚くなっていけばよく、端部142aの近傍から端部142aまでの形状は問わない。仕切り板142の形状は、端部142aの近傍から端部142aまで一様な厚さでもよいし、端部142aの近傍から端部142aに向かうにつれて薄くなっていってもよい。
変形例
図7では、仕切り板142の厚さがテーパ状に変化していたが、仕切り板142はテーパ形状に限られるものでない。以下、変形例にかかる仕切り板142の形状について説明する。
図11は、仕切り板142の変形例1の形状を示す図である。図11では、仕切り板142の厚さが段階的に変化している。よって、仕切り板142のXZ断面がT字状となっている。具体的には、仕切り板142のビームスプリッタ122側の端部142aのみが厚くなっている。よって、仕切り板142は、ビームスプリッタ122側の端部142aに肉厚部142bを有している。
図12は、仕切り板142の変形例2の形状を示す図である。図12では、仕切り板142の厚さが段階的に変化している。具体的には、仕切り板142のビームスプリッタ122側の端部142aから離れた箇所が厚くなっている。図12のように、仕切り板142のXZ断面が十字状となっている。よって、仕切り板142は、ビームスプリッタ122側の端部142aの近傍に肉厚部142bを有している。つまり仕切り板142は、端部142aから-Z方向の位置に、端部141a等が視認されないように肉厚部142bを配置すればよい。
図13は、仕切り板142の変形例3の形状を示す図である。図13では、仕切り板142の厚さが一定となっている。よって、仕切り板142のZ方向の位置に関わらず全体が端部141aの厚さよりも厚くなっている。変形例1~3の構成であっても、端部141a等で反射した反射光が仕切り板142で遮光される。よって、左眼EL又は右眼ERから端部141a等が視認されるのを防ぐことができる。
仕切り板142の形状は、図示する形状に限られるものではない。仕切り板142が、仕切り板141の端部141aの厚さよりも厚ければよい。図7、図11、図12のように仕切り板142の一部が端部141aの厚さよりも厚くてもよく、図13のように仕切り板142の全部が端部141aの厚さよりも厚くてもよい。つまり、仕切り板142の一部又は全部が端部141aの厚さよりも厚ければよい。少なくとも仕切り板142のビームスプリッタ122側の端部142a、又は端部142aの近傍が、端部141aよりも厚くなっていることが好ましい。これにより、仕切り板141の端部141a等での反射光による斜め線170が視認されるのを防ぐことができる。よって、高い表示品質を得ることができる。
また、図7、図11、図12、図13では、仕切り板141が一定の厚さの平行平板となっているが、仕切り板141の形状は特に限定される物ではない。例えば、図7の仕切り板142と同様に、仕切り板141がテーパ形状となっていてもよい。つまり、端部141aから+Z方向に向かうにつれて、仕切り板141の厚さが厚くなっていてもよい。
さらに、本実施の形態では仕切り板141と仕切り板142の拡散反射率を異なる値としてもよい。この点について、図14を用いて説明する。図14は、仕切り板141,142で拡散反射する外光の光量を説明するための図である。なお、左眼用光学系103Lと右眼用光学系103Rでは同じ構成となっているため、左眼用光学系103Lのみを説明する。
図14では、仕切り板141、142で拡散反射した外光のうち、10%程度が左眼ELに向かうものとして説明する。つまり、仕切り板141の箇所C、及び仕切り板142の箇所Dのいずれにおいても、仕切り板141,142に入射した外光の1/10程度が、左眼ELの方向に反射されるものと仮定する。また、コンバイナ121L及びビームスプリッタ122の透過率が50%、反射率が50%であると仮定する。
まず、ビームスプリッタ122に入射する前に仕切り板141で拡散反射する外光PL211について説明する。コンバイナ121Lを透過した外光PL211は、箇所Cにおいて、仕切り板141に入射する。ここで、コンバイナ121Lに入射する前の外光PL211の光量を100とすると、コンバイナ121Lを透過した外光PL211の光量は50(=100×0.5)となる。
そして、箇所Cで拡散した外光PL211の一部は、ビームスプリッタ122を透過して、左眼ELに入射する。箇所Cで拡散して左眼ELに向かう外光PL211の光量は5(=50×0.1)となる。さらに、ビームスプリッタ122を透過して左眼ELに到達する外光PL211の光量は、2.5(=5×0.5)となる。
次に、ビームスプリッタ122に入射した後に拡散反射する外光PL212について説明する。外光PL212は、コンバイナ121Lを透過した後、ビームスプリッタ122に入射する。従って、コンバイナ121Lを透過した外光PL212の半分がビームスプリッタ122を透過して、残りの半分がビームスプリッタ122で反射される。外光PL212のうち、ビームスプリッタ122で反射した光を外光PL213とする。外光PL212のうち、ビームスプリッタ122を透過した光を外光PL214とする。
コンバイナ121Lに入射する前の外光PL212の光量を100とすると、コンバイナ121Lを透過した直後の外光PL212の光量は50(=100×0.5)となる。さらに、ビームスプリッタ122で反射した直後の外光PL213の光量は25(=50×0.5)となる。ビームスプリッタ122を透過した直後の外光PL214の光量は25(=50×0.5)となる。
そして、外光PL213は、箇所Cにおいて仕切り板141で拡散反射される。仕切り板141で拡散反射した外光PL213の一部は、左眼ELに向かう。仕切り板141で拡散反射されて左眼ELに向かう外光PL213の光量は2.5(=25×0.1)となる。さらに、外光PL213は、ビームスプリッタ122を透過した後に、左眼ELに入射する。よって、左眼ELに到達する外光PL213の光量は1.25(=2.5×0.5)となる。
外光PL214は、箇所Dにおいて、仕切り板142で拡散反射される。仕切り板142で拡散反射した外光PL214の一部は、左眼ELに向かう。仕切り板142で拡散反射されて左眼ELに向かう外光PL214の光量は2.5(=25×0.1)となる。よって、左眼ELに到達する外光PL214の光量は2.5となる。
したがって、箇所Cで拡散反射した外光PL211、外光PL213の合計光量は、3.75(=2.5+1.25)となる。一方、箇所Dで拡散反射した外光PL214の光量は、2.5となる。箇所Cと箇所Dとでユーザに視認される明るさに違いが生じてしまう。ユーザにとって、箇所Cのほうが、箇所Dよりも明るく視認されることになる。換言すると、ユーザには、仕切り板141のほうが仕切り板142よりも明るく視認される。
そこで、本実施の形態では、仕切り板141と仕切り板142との拡散反射率を異なる値としている。具体的には、仕切り板142の拡散反射率を仕切り板141の拡散反射率よりも高くしている。これにより、仕切り板141と仕切り板142との間の明るさの違いを低減することができるため、より高い表示品質を得ることができる。つまり、仕切り板141と仕切り板142の拡散反射率を調整することで仕切り部140の明るさの不均一性を補正することができる。よって、より高い表示品質を得ることが可能になる。
なお、仕切り板141を仕切り板142よりもより濃い色で着色すればよい。このようにすると仕切り板142の光の拡散反射率が、仕切り板141の光の拡散反射率よりも高くなる。仕切り板142の拡散反射率を仕切り板141の拡散反射率の1.5倍程度とすることで、ユーザが仕切り板141を仕切り板142とを同程度の明るさで視認することができる。もちろん、仕切り板142の拡散反射率は仕切り板141の拡散反射率の1.5倍以上であってもよく、1.5倍以下であってもよい。
仕切り板141と仕切り板142とは同系色で色の濃淡のみを変えることによって、拡散反射率を異ならせるようにすればよい。仕切り板141と仕切り板142をグレーとした場合は、白と黒との混合比を変えることで色の濃淡を変え、拡散反射率を異ならせればよい。拡散反射率の低い濃いグレーとしたい場合は黒の比率を増やした色とし、拡散反射率の高い淡いグレーとしたい場合は白の比率を増やした色とすればよい。
ビームスプリッタ122よりも前方(+Z方向)と後方(-Z方向)とで、仕切り板141と仕切り板142との表面の拡散反射加工を変えることによって、拡散反射率を異ならせてもよい。仕切り板141と仕切り板142との一方を拡散反射率の高い拡散反射加工として、他方を拡散反射率の低い拡散反射加工とすればよい。拡散反射率を高くしたい場合は凸凹のピッチを狭くすればよく、拡散反射率を低くしたい場合は凸凹のピッチを広くすればよい。
仕切り板141と仕切り板142を肌色とした場合は、人間が視覚で感じる反射率を数値化したものである視感反射率を変えることで肌色の濃淡を変え、拡散反射率を異ならせればよい。視感反射率はCIE色度図で表されない明るさ(明度)を表すため、仕切り板141と仕切り板142の色のCIE色度座標は変えずに、視感反射率のみを変えればよい。拡散反射率の低い濃い肌色としたい場合は視感反射率の低い肌色とし、拡散反射率の高い淡い肌色としたい場合は視感反射率の高い肌色とすればよい。
仕切り板141、142の色の濃淡、又は視感反射率を変えること、及び仕切り板141、142の表面の凸凹のピッチを変えることで、ビームスプリッタ122よりも前方(+Z方向)と後方(-Z方向)とで、仕切り部140の拡散反射率を異ならせることができる。これにより、仕切り板141と仕切り板142を自然に視認することができるため、表示品質を向上することができる。
さらには、仕切り板141において拡散反射率の空間分布を設けてもよい。例えば、図15のように、前方(+Z方向)ほど、仕切り板141の拡散反射率を低くしてもよい。図15は、色の濃い部分ほど拡散反射率が低いことを示し、色の薄い部分ほど拡散反射率が高いことを示している。あるいは、前方(+Z方向)ほど、仕切り板141の拡散反射率を高くしてもよい。また、上下方向(Y方向)に、仕切り板141において拡散反射率の空間分布を設けてもよい。同様に、仕切り板142において拡散反射率の空間分布を設けてもよい。つまり、仕切り部140が強調して表示されることがないように、仕切り板141、142の拡散反射率に空間分布を設ければよい。
変形例4.
図16は、仕切り板142の変形例4の形状を示す図である。図16では、仕切り板142の厚さがテーパ状に変化している。具体的には、図7と同様に、-Z側の端部から+Z方向に向かうにつれて、仕切り板142の厚さが厚くなっていく。さらに、図7に比べて、仕切り板142のビームスプリッタ122側の端部142aの厚さが厚くなっている。具体的には、仕切り板142の端部142aが、ユーザから第1の仕切り板を視認できなくなるような厚さで形成されている。仕切り板142は、仕切り板141の端部141aを隠すだけでなく、仕切り板141の全体を隠すことができる。
このようにすることで、仕切り板141の全体が視認されるのを防ぐことができる。つまり、仕切り板141の前方側(+Z側)の端部が、仕切り板142で隠れるため、ユーザが仕切り板141を視認することができなくなる。仕切り板141で反射して左眼EL又は右眼ERに向かう光が仕切り板142で遮光される。上記のように、仕切り板141と仕切り板142とは異なる光学条件でユーザに視認されてしまう。本変形例では、ユーザに対して仕切り板141を隠すように、仕切り板142の端部142aが厚くなっている。これにより、表示品質を向上することができる。よって、明るさの違いによる違和感を軽減することができるため、没入感を向上することができる。
なお、図16では、仕切り板142の端部142aが、仕切り板141を全体に隠す厚さとなっているが、一部のみを隠す厚さとなっていてもよい。つまり、仕切り板142の端部142aが、ユーザから前記第1の仕切り板の少なくとも一部を視認できなくなるような厚さで形成されていればよい。換言すると、仕切り板141の前方側(+Z側)の端部をユーザが視認できるような厚さで、仕切り板142を形成してもよい。この場合であっても、仕切り板141と仕切り板142の明るさの違いによる違和感を低減することが可能となる。
このように、ユーザから見ると、仕切り板141が仕切り板142で隠れる。すなわち、仕切り板141が仕切り板142でマスクされるため、ユーザから仕切り板141が視認されなくなる。これにより、表示品質を向上することができる。
なお、図16では、仕切り板142がテーパ形状、つまり、逆三角形状に形成されているが、図11~図13に示した変形例1~3の構成を採用してもよい。例えば、図11で示したような肉厚部142bを端部142aに設けてもよい。この場合、不透明な肉厚部142bが、左眼EL又は右眼ERから仕切り板141までの間に介在する。これにより、ユーザから仕切り板141を隠すことができる。変形例4では、例えば、左眼ELと仕切り板141の任意の点を結ぶ直線上に不透明な仕切り板142が介在していればよい。同様に、右眼ERと仕切り板141の任意の点を結ぶ直線上に不透明な仕切り板142が介在していればよい。
変形例5.
図17は、仕切り板142の変形例5の形状を示す図である。図17では、図7又は図16と反対のテーパ形状となっている。具体的には、+Z側の端部から-Z方向に向かうにつれて、仕切り板142の厚さが徐々に厚くなっていく。なお、仕切り板142の-Z側(後方側)の面を底面142cとし、+X側(右側)及び-X側(左側)の面を側面142dとする。底面142cはユーザの顔に対向する面である。側面142dは左前方空間160L又は右前方空間160Rに対向する面である。
仕切り板142は、前方に向かうにつれて徐々に薄くなっていくテーパ状になっている。よって、仕切り板142において、底面142cが最も厚くなり、端部142aが最も薄くなる。この構成とすれば、変形例4と同様に、仕切り板142によって、端部141aや、仕切り板141を隠すことができる。つまり、端部141a、及び仕切り板141が、底面142cで隠れて、ユーザから視認されなくなる。これにより、表示品質を向上することができる。さらに、仕切り板142の側面142dが底面142cに隠れて、ユーザから視認されなくなる。よって、側面142dに生じる影が視認されなくなり、表示品質を向上することができる。
なお、図17では、端部142aの厚さが端部141aの厚さよりも厚くなっているが、端部142aの厚さが端部141aの厚さ以下であってもよい。つまり、端部141aが底面142cで隠れていれば、仕切り板142の形状は特に限定されるものではない。仕切り板142は、コンバイナ121L、又は121Rで左眼EL又は右眼ERの方向に反射される表示光を遮らないような形状、サイズとすることが好ましい。具体的には、左眼ELからコンバイナ121Lまでの視線と右眼ERからコンバイナ121Rまでの視線を遮らないように仕切り板142を配置する。
また、仕切り板142がビームスプリッタ122の固定をサポートするようにしてもよい。例えば、端部142aがビームスプリッタ122と当接することで、ビームスプリッタ122の位置を規制することができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、仕切り板142以外の部材を用いて、ユーザから仕切り板141を隠している。図18は,実施の形態2の構成を示す上面図である。図19は、実施の形態2の構成を後方から見た模式図である。図20は、実施の形態2の構成を右眼側から見た模式図である。具体的には、図18~図20に示すように、マスク部材143が設けられている。なお、マスク部材143以外の構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。また、図19、図20において、コンバイナ121L、121R等の構成要素は適宜省略されている。
マスク部材143は、例えば、ビームスプリッタ122に取り付けられている。ここでは、ビームスプリッタ122の後方側(-Z側)の面に取り付けられている。あるいは、仕切り板142又はフレーム102等にマスク部材143が取り付けられていてもよい。マスク部材143は、三角形状のシートとなっている。もちろん、マスク部材143は、仕切り板141を隠すことができる形状であれば、三角形状に限られるものではない。マスク部材143を粘着シートとして、ビームスプリッタ122に貼り付けてもよい。マスク部材143は、薄いシートのようなフレキシブルな部材であってもよく、ある程度の厚みを有する板状部材であってもよい。仕切り板141で反射して左眼EL又は右眼ERに向かう光がマスク部材143で遮光される。よって、変形例4と同様に、表示品質を向上することができる。
マスク部材143は、仕切り板142と同等の光学特性を有することが好ましい。例えば、仕切り板142と同じ色、かつ、同じ拡散反射率を有する部材とすることが好ましい。このようにすることで、明るさの違いによる違和感を抑制することができ、没入感を向上することができる。
マスク部材143は、仕切り板142の左右両側に対称に配置されている。また、マスク部材143は、仕切り板142よりも左側(-X側)の領域と右側(+X側)の領域とで別々の部材であってもよく、共通の部材であってもよい。
なお、マスク部材143は、仕切り板141の全体を隠すようなサイズとなっているが、仕切り板141の端部141aを隠すサイズであってもよい。例えば、マスク部材143は、図11の肉厚部142b程度のサイズであってもよい。この場合であっても、仕切り板141の端部141aで反射して左眼EL又は右眼ERに向かう光がマスク部材143で遮光される。よって、実施の形態1と同様に、表示品質を向上することができる。
このように、本実施の形態1,2、及びその変形例では、ユーザから第1の仕切り板141のビームスプリッタ122側の端部141aを隠している。ユーザから端部141aを隠すとは、ユーザから端部141aが視認できなくなる状態を示す。例えば、ユーザの左眼EL又は右眼ERから端部141aまでの間に、不透明な部材(仕切り板142、又はマスク部材143)が介在することで、ユーザから端部141aを隠すことができる。このような不透明な部材は、仕切り板142自体でもよく、仕切り板142に取り付けられた部材でもよく、仕切り板142とは別個の部材でもよい。
例えば、図7,図11~図13等に示すように、仕切り板142を厚くすることで、ユーザから仕切り板141の端部141aを隠すことができる。仕切り板141の端部141aが視認されないため、明るい斜め線170(図9参照)が視認されるのを防ぐことができる。よって,ユーザが違和感なく画像を視認することができる。
また、実施の形態2のように、仕切り板141とは別のマスク部材143を設けることで、仕切り板141の端部141aをマスクするようにしてもよい。マスク部材143を左眼EL又は右眼ERから仕切り板141までの間に配置すればよい。
仕切り板142又はマスク部材143のような不透明な部材を用いて、端部141aをマスクするようにしてもよい。仕切り板141の端部141aが視認されないため、明るい斜め線170(図9参照)が視認されるのを防ぐことができる。よって,ユーザが違和感なく画像を視認することができる。また、仕切り板142、又はマスク部材143は、図16等のように仕切り板141の全体を隠すようにしてもよく、図7、図11等のように端部141a側の一部のみを隠すようにしてもよい。
実施の形態3.
実施の形態3では、仕切り板142に、視線を検出するための光源及び光センサが設けられている。実施の形態3にかかるヘッドマウントディスプレイ100について、図21、図22を用いて説明する。図21,図22は、それぞれヘッドマウントディスプレイ100の構成を模式的に示す上面図及び側面図であり、適宜簡略がなされている。例えば、図22では、仕切り板141仕切り板142及びが省略されている。
実施の形態3では、図17の構成に対して、視線検出のための視線検出部190が追加されている。具体的には、視線検出部190は、光源191L、191Rと光センサ192L、192Rを備えている。視線検出部190は、仕切り板142内に配置されている。さらに、図3で示した遮光部150L、150Rの代わりに、下部窓180L、180Rが設けられている。なお、ヘッドマウントディスプレイ100の基本的な構成は、上述した実施の形態1、2と同様であるため、適宜説明を省略する。
X方向において、光源191L、191Rと光センサ192L、192Rとは、左眼ELと右眼ERとの間に配置されている。Y方向において、光源191L、191Rと光センサ192L、192Rは、左眼EL、右眼ERとほぼ同じ位置に配置されている。具体的には、光源191L、191Rと光センサ192L、192Rは、仕切り板142に取り付けられている。光源191L、光センサ192Lがコンバイナ121Lを向くように配置されている。光源191R、光センサ192Rがコンバイナ121Rを向くように配置されている。
光源191L、191Rは赤外LED(Light Emitting diode)であり、それぞれ赤外光PL91、PR91を出射する。光源191Lからの赤外光PL91はビームスプリッタ122を介して、コンバイナ121Lに入射する。コンバイナ121Lで反射した赤外光PL91は、左眼ELに入射する。つまり、光源191Lからの赤外光PL91は、左眼ELを照明する照明光となる。
同様に、光源191Rからの赤外光PR91はビームスプリッタ122を介して、コンバイナ121Rに入射する。コンバイナ121Rで反射した赤外光PR91は、右眼ERに入射する。つまり、光源191Rからの赤外光PR91は、右眼ERを照明する照明光となる。赤外光を照明光として用いることで、表示画像に対する影響を抑制することができる。
光センサ192L、192Rはそれぞれ赤外カメラであり、赤外光を検出する。具体的には、光センサ192Lは左眼EL及びその周辺を撮像し、光センサ192Rは右眼ER及びその周辺を撮像する。
上記のように、左眼ELは、赤外光PL91で照明されている。左眼ELの瞳孔で反射した反射光を反射光PL92とする。左眼ELの瞳孔からの反射光PL92は、ビームスプリッタ122を介して、コンバイナ121Lに入射する。コンバイナ121Lで反射した反射光PL92は、光センサ192Lに入射する。したがって、光センサ192Lは、左眼ELを撮像することができる。これにより、左眼ELの視線の挙動を検出することができる。
同様に、右眼ERは、赤外光PR91で照明されている。右眼ERの瞳孔で反射した反射光を反射光PR92とする。右眼ERの瞳孔からの反射光PL92は、ビームスプリッタ122を介して、コンバイナ121Rに入射する。コンバイナ121Rで反射した反射光PR92は、光センサ192Rに入射する。したがって、光センサ192Rは、右眼ERを撮像することができる。これにより、左眼ELの視線の挙動を検出することができる。
光センサ192L、192Rの検出結果に応じて、左眼EL、右眼ERの視線の方向を推定することができる。例えば、基準点に対する瞳孔の位置変化を検出することで、視線を検出することができる。なお、視線検出のためのアルゴリズムは既存の処理を用いることができるため、説明を省略する。また、検出された視線に応じて、制御部105が表示画像を生成してもよい。つまり、視線の方向に応じて、制御部105が表示画像を変更してもよい。
本実施の形態では、仕切り板142の内部に、視線検出部190が配置されている。具体的には、仕切り板142の底面142cに光源191L、191Rと光センサ192L、192Rが固定されている。光源191L、191Rと、光センサ192L、192Rは前方(+Z方向)を向いて配置されている。この場合、仕切り板142の側面142dが赤外光を透過する材料により構成されていてもよい。あるいは、仕切り板142の側面142dの一部が赤外光を透過する窓となっていてもよい。
従って、光源191L、191Rの赤外光PL91、PR91が前方に出射する。赤外光PL91、PR91はコンバイナ121L、121Rに入射する。そして、コンバイナ121L、121Rは、赤外光PL91、PR91を反射する。したがって、赤外光PL91、PR91が、ビームスプリッタ122を介して、左眼EL、右眼ERに入射する。さらに、左眼EL、右眼ERで反射した反射光PL92、PR92がコンバイナ121L、121Rに入射する。コンバイナ121L、121Rは、反射光PL92、PR92を後方に反射する。そして、光センサ192L、192Rは、反射光PL92、PR92を、ビームスプリッタ122を介して検出する。
このようにすることで、視線検出部190が視界の妨げとなることを防ぐことができる。つまり、視線検出部190が仕切り板142内に配置されているため、ユーザから視認されなくなる。視線検出部190がユーザの視界の妨げとならないため、ユーザが前方(+Z方向)の景色及び表示画像を適切に視認することができる。例えば、仕切り板142の側面142dは、可視光を吸収し、赤外光を透過する光学特性を有していればよい。これにより、ユーザが、光源191L、191Rと光センサ192L、192Rを視認することを防ぐことができる。
なお、視線検出のための光は、可視光以外であればよく、例えば、紫外光を用いることも可能である。なお、瞳に対する影響を軽減するために、紫外光よりも、赤外光を用いることが好ましい。
なお、図21、図22では、光源191Lと光センサ192Lとが別々の要素として図示されているが、光源191Lと光センサ192Lとが一体的なチップに搭載されていてもよい。光源191Rと光センサ192Rとが一体的なチップに搭載されていてもよい。光源191Lと光源191Rは一体であってもよい。光センサ192Lと光センサ192Rは一体であってもよい。また、光源は1つでもよいし、光センサは1つでもよい。
なお、図22に示すように、下部窓180L,180Rは、例えば、ルーバ構造を有している。具体的には、下部窓180L,180Rは、斜めに傾斜した複数の遮光板を有している。これにより、ユーザが前方斜め下の視界を確保することができる。なお、下部窓180L,180Rの代わりに、図3の遮光部150L、150Rを用いてもよい。
変形例6.
なお、図21では、仕切り板141の内部に視線検出部190が配置されていたが、視線検出部190の位置は、仕切り板142の内部に限定されるものではない。視線検出部190の配置の変形例6について、図23を用いて説明する。図23は、光源191L、191Rと光センサ192L、192Rの配置を模式的に示す上面図である。
図23に示すように、XY平面視において、仕切り板142がT字状になっている。つまり、仕切り板142は、底部142eを有している。仕切り板142において、底部142eは-Z側の端部に配置されている。底部142eは、XY平面と平行な平板となっている。そして、底部142eは、ユーザから端部141aを隠すように配置されている。
仕切り板142の底部142eに、光源191L、191Rと光センサ192L、192Rが取り付けられている。具体的には、底部142eの+Z側の面に光源191L、191Rと光センサ192L、192Rが固定されている。光源191L、光センサ192Lがコンバイナ121Lを向くように配置される。光源191R、光センサ192Rがコンバイナ121Rを向くように配置される。よって、図21の構成と同様に、視線を検出することができる。
もちろん、光源191L、191Rと光センサ192L、192Rは、図21~図23の配置に限られるものではない。光源191L、光センサ192Lがコンバイナ121Lを向くように配置されていればよい。また、光源191R、光センサ192Rがコンバイナ121Rを向くように配置されていればよい。
例えば、図21~図23では、視線検出部190が両眼の内側に配置されていたが、図24に示すように、視線検出部190が両眼の外側に配置されていてもよい。つまり、図21~図23では、光源191L及び光センサ192Lが左眼ELの+X側に配置されているのに対し、図24では、光源191L及び光センサ192Lが左眼ELの-X側に配置されている。図21~図23では、光源191R及び光センサ192Rが右眼ERの-X側に配置されているのに対して、図24では、光源191R及び光センサ192Rが右眼ERの+X側に配置されている。
図24の構成では、仕切り板142以外の部分に視線検出部190が取り付けられていてもよい。図24では、フレーム102(図24では省略)などに光源191L、191Rと光センサ192L、192Rが固定されていてもよい。また、ビームスプリッタ122に光源191L、191Rと光センサ192L、192Rが取り付けられていてもよい。この場合、マスク部材143等により、光源191L、191Rと光センサ192L、192Rがユーザから隠されていればよい。なお、図24では、図7で示した形状の仕切り板142が設けられているが、仕切り板142の形状は特に限定されるものではない。
実施の形態3にかかるヘッドマウントディスプレイ100は、コンバイナ121L、121Rと、光源191L、191Rと光センサ192L、192Rとを備えている。光源191Lと光センサ192Lは、コンバイナ121Lを向いて配置されている。光源191Rと光センサ192Rは、コンバイナ121Rを向いて配置されている。
また、図21~図23では、光センサ192L、192Rが仕切り板142に設けられていたが、仕切り板142以外に取り付けられていてもよい。光センサ192L、192Rは、左眼EL、右眼ERからの反射光PL92、PR92をそれぞれ検出可能な位置に設けられていればよい。例えば、光センサ192L、192Rをフレーム102(図16参照)などに取り付けることも可能である。
なお、本実施の形態3とその変形例においても、仕切り板141、142が設けられていることが好ましい。仕切り板141、142によって、光源191L、191Rからの赤外光PL91、PR91が他方の眼に映りこむことを防ぐことができる。例えば、仕切り板141、142がない場合、光源191Lの赤外光PL91が右眼ERで反射してしまう。右眼ERで反射した赤外光PL91が、光センサ192Rで検出されてしまう。同様に、仕切り板141、142がない場合、光源191Rからの赤外光PR91が左眼ELで反射して、光センサ192Lで検出されてしまう。このような場合、視線検出の検出精度が低下したり、視線検出を行うことができなくなってしまう。したがって、仕切り板141、及び仕切り板142を設けることで、視線検出を適切に行うことができる。
なお、ヘッドマウントディスプレイ100がオプティカルシースルー方式のヘッドマウントディスプレイとして説明したが、ヘッドマウントディスプレイ100は非透過型のヘッドマウントディスプレイであってもよい。非透過型のヘッドマウントディスプレイの場合、コンバイナ121L、121Rの代わりに、反射ミラーが設けられていればよい。つまり、ビームスプリッタ122の前方に配置される反射部材は、ハーフミラーなどのビームスプリッタであってもよく、反射ミラーであってもよい。反射部材が表示光をユーザの方向に反射する。また、実施の形態1~3の構成を適宜組み合わせて用いてもよい。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
EL 左眼
ER 右眼
100 ヘッドマウントディスプレイ
101 表示素子部
101L 左眼用表示素子
101R 右眼用表示素子
102 フレーム
103L 左眼用光学系
103R 右眼用光学系
121L、121R コンバイナ
122 ビームスプリッタ
140 仕切り部
141 仕切り板
141a 端部
142 仕切り板
142a 端部
142b 肉厚部
143 マスク部材
150L、150R 遮光部
160L 左前方空間
160R 右前方空間
190 視線検出部
191L 光源
191R 光源
192L 光センサ
192R 光センサ
PL11、PL12、PR11、PR12 表示光
PL21、PR21 外光

Claims (13)

  1. ユーザの前方に配置され、表示画像を形成する表示光を前記ユーザの方向に反射する反射部材と、
    前記反射部材とユーザとの間において、前記ユーザの左眼の前方の空間から右眼の前方の空間に渡って配置され、前記表示光を前記反射部材に反射するとともに、前記反射部材で反射した表示光を透過するビームスプリッタと、
    前記ビームスプリッタよりも前方において、前記左眼の前方の空間と前記右眼の前方の空間との間に配置された第1の仕切り板と、
    前記ビームスプリッタよりも後方において、前記左眼の前方の空間と前記右眼の前方の空間との間に配置された第2の仕切り板と、を備え、
    前記第1の仕切り板の前記ビームスプリッタ側の端部が、前記ユーザから隠れているヘッドマウントディスプレイ。
  2. 前記第1の仕切り板の全体が前記ユーザから隠れている請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  3. 前記第2の仕切り板は、前記第2の仕切り板の前記ビームスプリッタ側の端部の左右方向における厚さを、前記第1の仕切り板の前記ビームスプリッタ側の端部の厚さよりも厚くする請求項1、又は2に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  4. 前記第2の仕切り板が、前方に向かうにつれて徐々に厚くなっていくテーパ状になっている請求項3に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  5. 前記第2の仕切り板が、前方に向かうにつれて徐々に薄くなっていくテーパ状になっている請求項1~3のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  6. 前記第2の仕切り板が、一定の厚さとなっている請求項3に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  7. 前記左眼又は前記右眼から前記第1の仕切り板までの間に配置されたマスク部材をさらに備える請求項1、又は2に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  8. 前記マスク部材が、前記ビームスプリッタの前記第2の仕切り板側の面に設けられている請求項7に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  9. 前記反射部材が、前記表示光と、前記ユーザの前方からの外光とを合成するコンバイナである請求項1~8のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  10. 前記第1及び第2の仕切り板が、拡散反射板となっている請求項1~9のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  11. 前記第2の仕切り板の拡散反射率が、前記第1の仕切り板の拡散反射率より高くなっている請求項10に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  12. 視線を検出するための光源及び光センサが設けられている請求項1~11のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  13. 前記第2の仕切り板に前記光源が設けられている、請求項12に記載のヘッドマウントディスプレイ。
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