JP5170041B2 - 頭部装着型表示装置 - Google Patents
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また、消防士やレスキュー隊員が救援活動を行う目的をもつ用途では、ヘルメットに赤外線カメラを取り付けた表示装置付ヘルメット(頭部装着型表示装置)が提案されている(例えば、特許文献3参照)。このような表示装置付ヘルメットによれば、赤外線カメラで得られた視覚情報を、ヘルメットのバイザ(接眼光学系)に映写することができる。これにより、表示装置付ヘルメットの装着者(観察者)は、災害現場等の環境下でも人体を明確に視認できるようになる。
表示装置付ヘルメット100は、装着者Pの頭部に装着されるヘルメット1と、装着者Pの前方に配置されるバイザ(接眼光学系)13と、ヘルメット1の左側に配置され、かつ、左眼用画像を撮影する左眼用暗視カメラ2Lと、ヘルメット1の右側に配置され、かつ、右眼用画像を撮影する右眼用暗視カメラ2Rと、装着者Pの左上方に配置される左眼用表示ユニット(出射機構)110Lと、装着者Pの右上方に配置される右眼用表示ユニット(出射機構)110Rと、左眼用暗視カメラ2Lと右眼用暗視カメラ2Rと左眼用表示ユニット110Lと右眼用表示ユニット110Rとを制御する映像信号処理部3とを備える。
バイザ13は、所定の曲面形状であり、ハーフミラーやホログラム素子等により構成される。そして、バイザ13は、上下方向にスライド可能な状態でヘルメット1に支持されており、バイザ13を下げると装着者Pの左眼EL及び右眼ERの前方に配置されるようになっている。
上記バイザの曲面形状は、例えば、X軸方向に曲率1/Rxの絶対値が大きくY軸方向に曲率1/Ryの絶対値が小さくなる軸ずらしトーリック形状の凹面である。軸ずらしトーリック形状は、XYZ座標空間において下記の数式(1)で示す形状関数により特定される面において、その面の対称軸から偏心した中心を有する面で表される。
そして、左眼用暗視カメラ2L及び右眼用暗視カメラ2Rは、観察対象物の立体視を可能とするため、一定のカメラ間距離を隔てるようにヘルメット1の左側と右側とにそれぞれ配置されるとともに、各撮影方向(光軸)はカメラ間距離方向と垂直方向となるようにされている。
映像信号処理部3は、左眼用暗視カメラ2L及び右眼用暗視カメラ2Rから映像信号(視覚情報)が入力され、かつ、左眼用表示ユニット10L及び右眼用表示ユニット10Rに画像信号を出力する制御を行う。
左眼用表示ユニット110Lは、光源114Lと、透過型フラットパネル液晶ディスプレイ11Lと、観察対象の虚像におけるぼけや歪みを小さくする光学素子群12Lと、光源114Lと透過型フラットパネル液晶ディスプレイ11Lと光学素子群12Lとを固定するためのハウジング15Lとを有する。
透過型フラットパネル液晶ディスプレイ11Lは、映像信号処理部3からの画像信号に基づいて、フラットパネル(例えば、1インチ)に画像を生成するものである。ところで、表示装置付ヘルメット100では、上述したような理由によって光学素子群12L等で非同軸光学系を構成しているため、フラットパネルの法線方向BLが視野中心方向ALに対して角度αで傾斜するように、ハウジング15Lに固定されている。
そして、光源114Lは、Z方向が視野中心方向ALと一致するように、ハウジング15Lに固定される。これにより、フラットパネルに表示された画像を照明する。このとき、Z方向が視野中心方向ALと一致しているので、高輝度な左眼用画像表示光が装着者Pの左眼ELに導かれることになる。
なお、右眼用表示ユニット110Rも、左眼用表示ユニット110Lと同様な構造をしている。
そこで、本出願人は、輝度むらがない左眼用画像表示光が装着者の左眼に導かれる左眼用表示ユニットを検討した。その結果、各発光ダイオード22がフラットパネルからそれぞれ等しい距離となるように、複数個の発光ダイオード22をハウジング15Lに固定することにより、輝度むらを防止することができることを見出した。
左眼用表示ユニット120Lでは、光源114Lは、Z方向がフラットパネルの法線方向BLと一致するように、ハウジング15Lに固定されている。これにより、フラットパネルに表示された画像を照明する。このとき、Z方向がフラットパネルの法線方向BLと一致しているので、輝度むらがない左眼用画像表示光が装着者Pの左眼ELに導かれることになる。
そこで、本発明は、観察対象の虚像の輝度を向上させるともに、輝度むらを抑制した虚像を形成することができる頭部装着型表示装置を提供することを目的とする。
また、「視野中心方向」とは、左眼若しくは右眼の中心とフラットパネルディスプレイとを、光学素子等を介しながら通る光線のことをいい、瞳中心方向ともいう。よって、視野中心方向は光学素子等で反射されたり光学素子等を通過したりすることにより、折れ線となる。
本発明の頭部装着型表示装置によれば、各発光素子から出射される光の出射方向は、視野中心方向と一致する。つまり、高輝度な画像表示光が観察者の眼に導かれる。さらに、複数個の発光素子は、各発光素子がフラットパネルからそれぞれ等しい距離となるように配置されている。つまり、輝度むらがない画像表示光が観察者の眼に導かれる。
また、本発明の頭部装着型表示装置は、前記複数個の発光素子は、前記視野中心方向から見ると、千鳥格子状に配置されているようにしてもよい。
ここで、「千鳥格子状に配置されている」とは、行方向にも列方向にも発光素子が存在するか存在しないかが交互となるように配置されることをいい、市松模様ともいう。
そして、本発明の頭部装着型表示装置は、前記出射機構及び接眼光学系は、観察者の頭部に装着されるヘルメットに取り付けられ、前記接眼光学系は、曲面形状のバイザであるようにしてもよい。
さらに、本発明の頭部装着型表示装置は、前記発光素子は、発光ダイオードであるようにしてもよい。
表示装置付ヘルメット100は、装着者Pの頭部に装着されるヘルメット1と、装着者Pの前方に配置されるバイザ(接眼光学系)13と、ヘルメット1の左側に配置され、かつ、左眼用画像を撮影する左眼用暗視カメラ2Lと、ヘルメット1の右側に配置され、かつ、右眼用画像を撮影する右眼用暗視カメラ2Rと、装着者Pの左上方に配置される左眼用表示ユニット(出射機構)10Lと、装着者Pの右上方に配置される右眼用表示ユニット(出射機構)10Rと、左眼用暗視カメラ2Lと右眼用暗視カメラ2Rと左眼用表示ユニット10Lと右眼用表示ユニット10Rとを制御する映像信号処理部3とを備える。
左眼用表示ユニット10Lは、光源14Lと、透過型フラットパネル液晶ディスプレイ11Lと、観察対象の虚像におけるぼけや歪みを小さくする光学素子群12Lと、光源14Lと透過型フラットパネル液晶ディスプレイ11Lと光学素子群12Lとを固定するためのハウジング15Lとを有する。
そして、光源14Lは、Z方向が視野中心方向ALと一致するとともに、各発光ダイオード22がフラットパネルからそれぞれ等しい距離となるように、ハウジング15Lに固定される。これにより、フラットパネルに表示された画像を照明する。このとき、Z方向が視野中心方向ALと一致しているので、高輝度な左眼用画像表示光が装着者Pの左眼ELに導かれることになる。さらに、複数個(例えば、65個)の発光ダイオード22は、各発光ダイオード22がフラットパネルからそれぞれ等しい距離となるように配置されているので、輝度むらがない左眼用画像表示光が装着者Pの左眼ELに導かれることになる。
なお、右眼用表示ユニット10Rも、左眼用表示ユニット10Lと同様な構造をしている。
なお、上記画像表示光を観察者の片方の眼に導くようにしてもよく、上記バイザの反射面は、全反射ミラーにより構成されてもよい。
11L、11R 透過型フラットパネル液晶ディスプレイ
13 バイザ(接眼光学系)
14L、14R、114L、114R 光源
22 発光ダイオード(発光素子)
100 表示装置付ヘルメット(頭部装着型表示装置)
AL 視野中心方向
BL 法線方向
EL、ER 眼
P 装着者(観察者)
Claims (4)
- 複数個の発光素子からなる光源と、フラットパネルに画像を生成するフラットパネルディスプレイとを有し、当該フラットパネルに表示された画像が光源から出射される光で照明されることにより、当該画像を示す画像表示光を出射する出射機構と、
観察者の眼の前方に配置される接眼光学系と、
前記出射機構から出射された画像表示光が、前記接眼光学系を介して観察者の眼に導かれることにより、前記観察者の前方に観察対象の虚像を形成する頭部装着型表示装置であって、
前記フラットパネルディスプレイは、前記フラットパネルの法線方向が視野中心方向と一致せずに傾斜するように配置されており、
各発光素子から出射される光の出射方向は、前記視野中心方向と一致し、
複数個の発光素子は、各発光素子がフラットパネルからそれぞれ等しい距離となるように配置されていることを特徴とする頭部装着型表示装置。 - 前記複数個の発光素子は、前記視野中心方向から見ると、千鳥格子状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の頭部装着型表示装置。
- 前記出射機構及び接眼光学系は、観察者の頭部に装着されるヘルメットに取り付けられ、
前記接眼光学系は、曲面形状のバイザであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の頭部装着型表示装置。 - 前記発光素子は、発光ダイオードであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の頭部装着型表示装置。
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