JP7375341B2 - 抵抗測定装置、異常検知装置、抵抗測定方法及び異常検知方法 - Google Patents

抵抗測定装置、異常検知装置、抵抗測定方法及び異常検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、高抵抗機器に接続される低抵抗配線の電気抵抗を測定する抵抗測定装置、異常検知装置、抵抗測定方法及び異常検知方法に関する。
電気機器における劣化が、この電気機器で測定される抵抗値に現れることがある。例えば、電気機器の劣化により、その抵抗値が上昇することがある。また、このような抵抗値の上昇が、電気機器と接続される他の装置に性能に影響を与えることもある。
例えば、スリップリングにヒータが接続される熱加工システムがある。スリップリング等の電気機器は、機械摺動部や接点等の摩耗等の経年劣化により、抵抗値が上昇する。熱加工システムにおいて、スリップリングの摺動部の抵抗値が増加すると、ヒータに流れる電流量が低下するため、ヒータの温度も低下し、熱加工で得られる製品の品質が低下する。したがって、熱加工システムにおける製品の品質を保つため、スリップリングの抵抗値を正確に測定し、熱加工システムを動作させる必要がある。
例えば、スリップリングにおける抵抗配線の抵抗値を測定する際、ロータ側の2極に数Ω~数kΩの負荷が直列に接続された状態で、ステータ側に接続される電圧計又は電流計を用いて、スリップリングの摺動部の抵抗値を計測する方法がある。しかし、負荷であるヒータの抵抗値が数Ω~数kΩと高抵抗であるのに対し、計測対象であるスリップリングの摺動部の抵抗値は、数十mΩ程度と低抵抗である。したがって、低抵抗である計測対象の抵抗値は、高抵抗である負荷の抵抗値の経時変化や温度特性等の影響を受けて特定しにくい。このため、摺動部の抵抗値の変化や異常を正確に検知することができず、これにより、熱加工システムで加工される製品の品質の管理が困難であった。
特許文献1には、リングとブラシからなる摺動接点を含む回路において抵抗値を計測し、これにより求められる抵抗値が閾値以下となった場合に摺動接点の劣化とする技術について記載される。
特許第6116159号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、複数の摺動部があるとき、抵抗値の合計値を求めることはできるが、摺動部毎に抵抗値を求めることはできない。したがって、複数の摺動部のうちいずれかが劣化していても、特定が難しく、これを用いて精度良く異常検知することは困難であった。
本発明は、高抵抗機器に接続される低抵抗配線の電気抵抗を測定することができる抵抗測定装置、異常検知装置、抵抗測定方法及び異常検知方法を提供することを目的とする。
本開示の抵抗測定装置は、負荷と接続される機器の内部で生じ、負荷の内部で生じる負荷抵抗値よりも低い複数の機器抵抗値を測定する抵抗測定装置であって、負荷と複数の端子との接続を切り替える切替部と、切替部による切り替えにより得られた、複数の機器抵抗値の少なくともいずれかを含む異なる複数の配線パターンの抵抗値を計測する計測部と、計測部で計測された複数の抵抗値を既知の値とし、複数の機器抵抗値を未知の値として含む方程式を生成し、当該方程式を用いて、複数の機器抵抗値を求める演算部とを備える。
本発明に係る抵抗測定装置及び抵抗測定方法は、高抵抗機器に接続される低抵抗配線の複数の電気抵抗を正確に測定することができる。
実施の形態1に係る異常検知装置について説明する概略図である。 図1の異常検知装置における異常検知の際の接続の切り替えによる配線パターンの変更について説明する一例である。 スリップリング及び異常検知装置における処理を説明するフローチャートである。 異常検出モードの処理を説明するフローチャートである。 スリップリング及びヒータにおける時間変化の一例を示す。 図5と対応する異常検知装置の構成の一例である。 スリップリングの性能の時間変化の一例を示す。 実施の形態1に係る異常検知装置について説明する概略図である。 図8の異常検知装置におけるパターン1の配線の一例である。 図8の異常検知装置におけるパターン2の配線の一例である。 図8の異常検知装置におけるパターン3の配線の一例である。 図8の異常検知装置におけるパターン4の配線の一例である。
図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。本発明に係る抵抗測定装置は、負荷と接続される機器の内部で生じ、負荷で計測される抵抗値である負荷抵抗値よりも低い抵抗値である複数の機器抵抗値を測定する。この抵抗測定装置は、本来の測定対象よりも抵抗値の高い高抵抗機器に接続される低抵抗配線の電気抵抗値を正確に測定するものである。例えば、測定対象の低抵抗配線の抵抗値に対し、この低抵抗配線に接続される高抵抗機器の抵抗値は、例えば、100倍以上の値である。
以下の説明において、本発明の実施形態に係る抵抗測定装置は、測定した機器の抵抗値を用いて機器の異常を検知する異常検知装置に含まれるものとして説明する。なお、以下の説明において、同一の構成については同一の符号を用いて説明を省略する。
以下では、「低抵抗配線」は、スリップリング内の摺動部を含む配線であるものとして説明する。また、摺動部の抵抗値を「機器抵抗値」として説明する。
「高抵抗機器」は、スリップリングと接続される負荷であるヒータであるものとして説明する。また、ヒータの抵抗値を「負荷抵抗値」として説明する。
「摺動部」は、スリップリングに含まれるリングとブラシの接触する箇所である。この摺動部は、接点ともいわれる部分である。
「極数」は、リングとブラシの組み合わせの数である。例えば、1極、2極、3極、4極・・・等により表わすことができる。
[実施の形態1]
図1に示すように、実施の形態1に係る異常検知装置1Aは、異常検知の対象となるスリップリング2のステータ側に接続される。また、異常検知装置1Aは、ユーザへの異常通知に利用する警報装置4と接続される。
スリップリング2は、ロータ側にヒータ3が接続される。また、図示を用いた説明は省略するが、スリップリング2は、回転体に電力又は電気信号を伝達するため、複数のリングと複数のブラシを備え、リングに対してブラシが接触した状態で回転するものである。図1に示すように、異常検知装置1Aがスリップリング2のステータ側に接続される理由は、計測対象の配線の切り替えを可能とするためである。
ここで、スリップリング2は、複数の極を備えており、2極がロータ側で短絡される。このように、複数備える極のうち、少なくとも一部を短絡させることで、複数の回路パターンの計測が可能となり、後述するように各回路パターンの抵抗値を計測することにより複数の機器抵抗値を求めることができる。また、スリップリング2においても、短絡により回路が並列化されることで、1極に流れる電流を小さくすることができるため、寿命の長期化を図ることができる。なお、図1に示す例では、2極をロータ側で短絡させる例であるが、スリップリング2が備える端子の数により、短絡させる極の数を決定することができる。すなわち、スリップリング2において、使用する必要のない極があるとき、これを短絡させることができる。一般的に、スリップリングを使用する際、利用しない極があるため、これを短絡させることで機器抵抗値の確認が可能となる。
ヒータ3は、スリップリング2とともに使用され、例えば、スリップリング2により回転される材料を加工するものである。例えば、このようなスリップリング2とヒータ3は、熱加工システムを形成し、熱加工により製品を製造することができる。
警報装置4は、異常信号を出力する装置であって、例えば、テキストやイメージで異常信号を表示するディスプレイ、ビープ音により異常信号を出力するスピーカ、光の点灯や点滅等によって異常信号を通知するランプ等である。
〈異常検知装置〉
図1に示すように、実施の形態1に係る異常検知装置1Aは、制御部10、記憶部11、通信インタフェース(I/F)12、切替器13、外部電源14、SSR15、定電圧電源16及び電流計17を備える。
制御部10は、CPU等のコントローラである。
記憶部11は、必要なデータやプログラムを記憶するRAMやROM等の記憶手段である。また、記憶部11は、データを一時的に記憶するフラッシュメモリ等であってもよい。
通信I/F12は、外部の装置との間でのデータの送受信を実現する手段である。ここで、通信I/F12が利用する通信方式は限定されない。
切替器13は、計測対象の配線パターンの変更のためにスリップリング2における複数の端子の接続の切り替えを実現する。例えば、切替器13には、マルチプレクサやリレー回路を利用することができる。
外部電源14は、ヒータ3を駆動するための電力を供給する。なお、この外部電源14は、移動検知装置1Aに含まれず、外部に存在するものであってもよい。
SSR15は、接続又は非接続を切り替えることによって、外部電源14による電力の供給を実現する。なお、SSR15における切替により、ヒータへの電力供給を制御し、ヒータ温度を制御することができる。また、SSR15も、移動検知装置1Aに含まれず、外部に存在するものであってもよい。
定電圧電源16は、検査対象の配線に電流値の計測に利用する電圧を印加する。すなわち、定電圧電源16は、異常検知のため、複数の配線パターンの提供値の計測に利用する電力を供給する。
電流計17は、定電圧電源16による電圧の印加により、検査対象の配線で生じた電流値を計測する。
制御部10は、図1に示すように、カウント部101、切替部102、計測部103、判定部104、演算部105及び検知部106を含む。
カウント部101は、計測対象の配線パターンの全てについて計測を実行するため、切替器13よる切り替えの回数をカウントする。
切替部102は、複数の端子の接続を切り替える。ここで、各端子は、スリップリング2のスリップリング端子である。これにより、計測対象の配線パターンが切り替えられる。計測対象となる配線パターンには、スリップリング2の複数の摺動部を含む。また、計測対象となる配線パターンには、負荷であるヒータ3を含む場合もあれば、含まない場合もある。このようにして複数の配線パターンの抵抗値を計測することで、後述する演算により、各摺動部の抵抗値(機器抵抗値)と、負荷の抵抗値(負荷抵抗値)とを計測することができる。なお、切替器13は、計測対象の配線パターンの切り替えが可能であれば、スリップリング2の内部又は外部のいずれに設けられていてもよい。
図2は、切替器13における端子T11~T14,T21,T22の接続の切り替えによる配線パターンの変更について説明する一例である。図2に示すように、切替器13は、ヒータ3側に、端子T11~T14を備え、電流計17側に端子T21,T22を備える。第1の端子T11は第1の摺動部21、第2の端子T12は第2の摺動部22、第3の端子T13は第3の摺動部23、第4の端子T14は第4の摺動部24とそれぞれ接続される。また、各摺動部21~24は、ヒータ3と接続される。第5の端子T21及び第6の端子T22の間には、定電圧電源16及び電流計17が直列に配置される。ここで、図2に示すように、各摺動部21~24の機器抵抗値を、それぞれR1~R4とする。また、ヒータの負荷抵抗値をRHとする。なお、上述したように、T11~T22の端子は、スリップリング端子である。
切替器13は、切替部102から入力する切替信号に基づく切り替えにより、第5の端子T21に、第1~第4の端子T11~T14のいずれかを接続する。また、切替器13は、切り替えにより、第6の端子T22を、第1~第4の端子T11~T14の端子のうち、第5の端子T21と接続されないいずれかの端子と接続する。
具体的には、切替部102は、カウント部101のカウントに応じて定められる切替信号を切替器13に出力する。例えば、カウント部101でカウントされる値と、切替器13に出力する切替信号とを関連付ける切替信号データ(図示せず)を予め定め、記憶部11に記憶し、切替部102は、カウント部101のカウントに関連付けらえる切替信号を切替器13に送信することができる。切替器13による端子の切り替えを制御することにより、必要な全ての配線パターンの計測を可能とする。
計測部103は、機器抵抗値を含む複数の配線パターンの接続の抵抗値を計測する。計測部103は、切替部102による切り替えにより、複数の配線パターンの抵抗値を計測する。
ここで、抵抗値Rは、定電圧電源の電圧値をVとし、電流計17の電流値をIとした場合、一般的な、以下の式(1)により表わされる。
R = V/I ・・・(1)
したがって、計測部103は、定電圧電源16で印加する電圧の電圧値と、電流計17で得られる電流値とを用いて各パターンの抵抗値を計測する。
例えば、切替器13により第1の端子T11と第5の端子T21とを接続し、第2の端子T12と第6の端子T22を接続することにより、定電圧電源16及び電流計17と、第1の摺動部21及び第2の摺動部22とが直列に接続される。これにより、第1の端子T11-第2の端子T12間の抵抗値を計測することができる。また、切替器13により第1の端子T11と第5の端子T21とを接続し、第3の端子T13と第6の端子T22を接続することにより、定電圧電源16及び電流計17と、第1の摺動部21、ヒータ3及び第3の摺動部23とが直列に接続される。これにより、第1の端子T11-第3の端子T13間の抵抗値を計測することができる。なお、ここでは、各端子間(ロータ側)の抵抗値を以下のように表すものとする。
R12 : 第1の端子T11-第2の端子T12
R13 : 第1の端子T11-第3の端子T13
R14 : 第1の端子T11-第4の端子T14
R23 : 第2の端子T12-第3の端子T13
R24 : 第2の端子T12-第4の端子T14
R34 : 第3の端子T13-第4の端子T14
したがって、計測部103は、切替器13の切り替えにより各配線パターンの電流値を計測し、得られた電流値を利用した演算により、各抵抗値R12~R34を計測することができる。
なお、仮に異常検知装置1Aが、機器抵抗の周囲の温度を計測するセンサを有するとき、計測部103は、センサで計測される温度が所定の状態に達したタイミングで、機器抵抗値の計測を開始するようにしてもよい。所定の状態とは、センサで計測される温度が所定温度に達し、温度の変動が少なく、安定した状態をいう。これにより、温度特性により機器抵抗値が変動の影響を受けることを防止し、異常の誤検知を減少することができる。
判定部104は、カウント部101でのカウントの値が、所定値に達したか否かを判定する。具体的には、計測部103が6の配線パターンの抵抗値を計測することが定められる場合、判定部104は、カウント部101で6がカウントされたか否かを判定する。仮に、カウントの値が1のときに「R12」、2のときに「R13」、3のときに「R14」、4のときに「R23」、5のときに「R24」、6のときに「R34」の抵抗値が計測されるように規定されるとき、カウントの値が6に達したか否かを判定する。
演算部105は、切替部102により全ての配線パターンの抵抗値が計測部103で計測されると、計測部103で計測された複数の抵抗値から、複数の機器抵抗値をそれぞれ求める。
図2で上述した例では、各抵抗値R12~R34は、直列に接続される摺動部やヒータの抵抗値の和により表わされる。したがって、各抵抗値は、以下の式(2.1)~(2.6)のように表すことができる。
R12 = R1+R2 ・・・(2.1)
R13 = R1+RH+R3 ・・・(2.2)
R14 = R1+RH+R4 ・・・(2.3)
R23 = R2+RH+R3 ・・・(2.4)
R24 = R2+RH+R4 ・・・(2.5)
R34 = R3+R4 ・・・(2.6)
また、式(2.1)~(2.6)を方程式として解くことで、各抵抗値について、式(3.1)~(3.5)を得ることができる。
R1 = (R13-R23+R12)/2 ・・・(3.1)
R2 = (R12-R13+R23)/2 ・・・(3.2)
R3 = (R13-R14+R34)/2 ・・・(3.3)
R4 = (R34-R13+R14)/2 ・・・(3.4)
RH = (R14+R23-R12-R34)/2 ・・・(3.5)
したがって、演算部105は、複数のパターンの抵抗値からこのように得られた方程式を用いて、各機器抵抗値R1~R4、負荷抵抗値RHを求めることができる。なお、負荷抵抗値RHについては、閾値の判定に利用しないため求めることは必須でない。
検知部106は、演算部105で得られた複数の機器抵抗値を所定の閾値と比較して、装置の異常を検知する。具体的には、検知部106は、各機器抵抗値R1~R4をそれぞれ予め定められる閾値と比較し、異常の発生を検知する。ここで、各機器抵抗値R1~R4について定められる閾値は、それぞれ異なる値であるか同一の値であるかは、スリップリング2の構成に応じて定められる。検知部106が利用する閾値は、予め定められ、例えば閾値データ(図示せず)として記憶部11に記憶される。また、検知部106は、異常検知の結果を、警報装置4に送信することができる。
このように、異常検知装置1Aは、複数の機器抵抗値をそれぞれ求めることができる。また、異常検知装置1Aは、求めた複数の機器抵抗値を所定の閾値と比較し、スリップリング2における異常の発生を検知することができる。これにより、異常検知装置1Aは、ユーザにスリップリング2における異常の発生を通知したり、スリップリング2の劣化を通知することができる。
〈抵抗測定処理及び異常検出処理〉
図3及び図4に示すフローチャートを用いて、異常検知装置1Aと、この異常検知装置1Aの異常検知対象であるスリップリング2と、スリップリング2が接続されるヒータ3における処理の一例について説明する。ここで、スリップリング2及びヒータ3を含む熱加工システムにおいて通常実行される熱加工処理とは別に、異常検出モードが設定された場合に異常検知装置1Aを用いて異常検出処理を実行可能であり、異常検出処理の中に抵抗測定処理が含まれるものとする。
図3は、熱加工システムで実行される熱加工処理と、熱加工処理において異常検出モードがリクエストされた場合の処理を説明するフローチャートである。図3に示すように、熱加工処理では、スリップリング2及びヒータ3の運転が開始する際、まず、ヒータ3の条件が設定される(S1)。ヒータ3の条件は、例えば、ヒータ3の「目標温度」や「電力」である。また、スリップリング2に条件があるとき、スリップリング2の条件を設定してもよい。スリップリング2の条件は、例えば、「回転速度」や「回転数」である。この条件は、例えば、ヒータ3やスリップリング2の操作部(図示せず)を介して設定される。
続いて、ステップS1で設定された条件でヒータ3が駆動され、加温が開始する。また、スリップリング2も駆動され、回転が開始する(S2)。これにより、スリップリング2及びヒータ3を利用して、製品の加工が開始される。
ここで、異常検知の開始の操作が入力され、異常検出処理のリクエストがされると(S3でYES)、異常検知装置1は、「異常検出モード」を実行する(S4)。この異常検知の開始の操作は、例えば、異常検知装置1Aの操作部(図示せず)を介して入力される。または、異常検出処理は、熱加工処理が実行される間に定期的なタイミングで実行されてもよい。例えば、異常検知装置1Aにおいて、熱加工システムの実行を検知すると、定期的なタイミングで、異常検知の操作信号を出力してもよい。なお、ここでは、「異常検出モード」に対し、製品の加工を実行する処理を「加工モード」とする。
仮に、異常検知の開始の操作が入力されない場合(S3NO)、スリップリング2及びヒータ3の駆動が継続されることで(S2)、製品の加工が継続される。すなわち、加工モードが継続する。
図4に示すように、異常検出モードが開始すると、異常検知装置1Aは、抵抗測定処理(図4の破線部)を実行する。まず、カウント部101は、全てのパターンで電流値を計測するためのカウントを実行するため、カウントを開始する。具体的には、カウント部101は、N=1とする(S11)。
続いて、切替部102は、電力供給の対象を負荷であるヒータ3を含む負荷回路から、スリップリング2の各機器抵抗値を含む各配線パターンの計測回路への切り替えを実行するため、切替信号を出力する(S12)。例えば、異常検知装置1Aでは、Nの値に応じて計測対象のパターンが予め定められており、切替部102は、Nの値に応じたパターンの回路で端子が接続されるように切替信号を出力する。
切替器13は、ステップS12で切替部102から出力された切替信号にしたがって、接続する端子を切り替える(S13)。
計測部103は、ステップS13で端子の接続が切り替えられると、電流計17で計測される電流値に応じて対象の配線パターンの抵抗値を計測する(S14)。なお、機器抵抗の周囲の温度を計測可能であるとき、計測部103は、計測される温度が所定の状態に達したタイミングで、機器抵抗値の計測を開始する。
判定部104は、ステップS14で抵抗値が計測されると、N=Mであるか否かを判定する(S15)。具体的には、Mは、計測対象の配線パターンの数である。したがって、判定部104は、全てのパターンの抵抗値が計測されたか否かを判定する。
判定部104でN=Mでないと判定されたとき(S14でNO)、カウント部101は、Nをインクリメントする(S16)。
また、切替部102は、ステップS16で設定された値で切替信号を出力する(S17)。
その後、異常検知装置1は、ステップS13~S15の処理を繰り返す。具体的には、異常検知装置1は、全てのパターンの抵抗値が計測されるまで、ステップS13~S15の処理を繰り返す。
判定部104でN=Mであると判定されたとき(S14でYES)、すなわち、全てのパターンの電流値が計測されたとき、演算部105は、計測された複数の抵抗値を用いて対象の機器抵抗値を算出する(S18)。
検知部106は、ステップS18で得られた機器抵抗値を、所定の閾値と比較する(S19)。
ステップS19で得られた機器抵抗値が閾値以上でないとき(S19でNO)、検知部106は、異常検知の対象のスリップリング2を正常と判定し(S20)、正常信号を出力する(S21)。
一方、ステップS19で得られた機器抵抗値が閾値以上であるとき(S19でYES)、検知部106は、スリップリング2の異常を検知し(S22)、異常信号を出力する(S23)。例えば、検知部106は、警報装置4は、異常信号をディスプレイにおけるテキストやイメージの表示、スピーカにおけるビープ音の出力、ランプにおける点灯や点滅等によって通知することができる。
なお、検知部106は、異常を出力する際、スリップリング2の異常の発生箇所が特定できる場合、異常の発生箇所を出力してもよい。例えば、いずれかの機器抵抗値のみが閾値以上である場合、その機器抵抗値で特定される箇所を異常の発生箇所と検知することができる。
また、検知部106は、異常のみを外部に出力してもよい。すなわち、正常である場合の方が多いため、検知部106は、正常信号については出力せずに、異常信号のみを通知してもよい。
異常検知装置1Aは、これにより、図4を用いて説明した異常検出モードで実行される異常検出処理(図3のステップS5)を終了し、S5の処理に進む。具体的には、スリップリング2及びヒータ3の運転が終了されるまで、ステップS2に戻りスリップリング2及びヒータ3を駆動し、加工モードを実行する(S5)。
このように、異常検知装置1Aは、抵抗測定処理において、複数の機器抵抗値をそれぞれ求めることができる。具体的には、スリップリング2において2極が短絡されているため、複数の配線パターンの抵抗値を計測することが可能となり、各機器抵抗値を得ることができる。したがって、異常検知装置1Aは、異常検出処理において、求めた複数の機器抵抗値を所定の閾値と比較し、スリップリング2における異常の発生を検知することができる。これにより、異常検知装置1Aは、ユーザにスリップリング2における異常の発生を通知したり、スリップリング2の劣化を通知することができる。
図5に、スリップリング2及びヒータ3における時間変化の一例を示す。具体的には、図6に示すような場合において、ヒータ3の電力(W)、ヒータ3の温度(B)、ヒータ3の抵抗値(C)、スリップリング2の周囲温度(D)及びセンサで計測した温度の(E)の時間変化の一例である。図5において、横軸はすべて時間軸とする。
具体的には、図6に示すように、ヒータ3の過熱対象Wを計測するセンサ19が存在する例で説明する。ヒータ3は、例えば、制御部10とSSR15等の電力調節器によって電力量が制御される。制御部10は、センサ19の計測するセンサ温度と、ユーザが設定した目標値である目標温度(図5及び図6の例では290℃)から、センサ温度を目標温度にするために必要な操作量をSSR15に出力する。この操作量に応じてSSR15が開閉することで、ヒータ3への電力量が調節される。
外部電源14を用いて、ヒータ3に、図5(A)に示すような値の電力を供給する。したがって、図5(A)に示す電力は、ヒータ3の操作量に相当する。ここで、操作の開始時の立ち上げ時には、ヒータ3を加熱するために高い電力が供給される。
また、図5(E)に示すように、センサ温度(制御量)が目標の値に達した時点で、操作量は低くされる。すなわち、立ち上げ完了し、定常状態となったため、操作量を立ち上げ時よりも低く一定にし、スリップリング2及びヒータ3を利用する製品の製造期間が開始される。
ここで、図5(C)に示すように、ヒータの抵抗値は、図5(B)に示す温度と比例して変化する。
ヒータ3の周囲の温度(または、ヒータ3やスリップリング2を含む周辺温度)は、周囲の環境に依存して変動する。したがって、仮に、図5(D)に示すように、ある時点(図5(D)の「周囲温度変動時」)で、ヒータ3の周囲の温度が急に低下する場合もある。
このようにヒータ3の周囲の温度が変化した場合、図5(E)に示すように、「周囲温度変動時」において、センサで計測されるセンサ温度も低下する。このセンサ温度は、操作量に応じた制御量とされる。センサ温度が低下するため、目標温度(290℃)まで温めようとヒータ3の操作量が上がる。ヒータ3の操作量が上がると、ヒータ3へ供給される電力があがるため、図5(B)のように、ヒータ温度(発熱体の温度)が上がる。ヒータ3の抵抗値はヒータ3の発熱体の温度が高くなると大きくなるため、図5(C)の例のように、1Ω高くなる
このように、ヒータ抵抗値は、周囲の環境やヒータ3の劣化によって、大きく(Ω単位)変動する。一方、スリップリングの摺動抵抗値は、数十mΩ程度と低抵抗である。したがって、従来の方法では、異常により摺動抵抗値が変化しても、ヒータによる変動がある場合、ヒータの抵抗値の変化により摺動抵抗値が消されて検出できないことがあった。
図7に示す異常検知装置1Aで得られた抵抗値及び検知結果の信号の一例を用いて、スリップリング2の性能の変化を説明する。具体的には、図7(A)は、スリップリング2の計測対象の配線の抵抗値(機器抵抗値)の一例である。また、図7(B)は、図7(A)の抵抗値を閾値(例えば、200Ω)と比較して得られる異常の有無の検知結果の信号である。図7(A)及び図7(B)で、横軸は、時間又は回転数であって、スリップリング2の使用の経過を特定する値である。
図7(A)に示すように、抵抗値はスリップリング2の使用開始から時間が経過するにつれて値が大きくなる。また、抵抗値は、ある時期を過ぎると、異常の検知のために設定された閾値より大きくなる。抵抗値は、その後、閾値より小さくなることがあったとしても、再度、閾値より大きくなり、異常となる。異常検知装置1Aは、このような異常発生を正確に検知し、ユーザに通知するものである。例えば、十万時間、数十億回転等のオーダーで異常が発生する。
したがって、図7(B)に示すように、異常検知装置1Aは、得られた抵抗値(機器抵抗値)が閾値より低い状態では正常と判定するため、正常の信号(図7(B)の例では「0」)を出力する。一方、異常検知装置1Aは、得られた抵抗値が閾値より高くなった状態では、異常の信号(図7(B)の例では「1」)を出力する。
上述したように、実施の形態1に係る異常検知装置1Aによれば、複数の機器抵抗値をそれぞれ求めることができる。これにより、異常検知装置1Aでは、求めた複数の機器抵抗値を所定の閾値と比較し、スリップリング2における異常の発生を検知し、ユーザに通知することができる。したがって、ユーザは、スリップリングの劣化等の異常を把握し、製品の生産性を向上させることができる。
[実施の形態2]
図8を用いて、実施の形態2に係る異常検知装置1Bについて説明する。異常検知装置1Bは、電圧計18を備える点で、図1を用いて上述した異常検知装置1Aと異なる。電圧計18を設けることで、4端子法による計測が可能となり、抵抗値の計測対象の配線パターンを減少させることができる。すなわち、切替回数を低減し、異常検知に要する時間を短縮させることができる。
異常検知装置1Bにおいても、カウント部101は、切替器13による切り替えの回数をカウントする。また、切替部102は、カウント部101におけるカウントの値に応じて、切替器13に切替信号を出力する。
計測部103は、電流計17から電流値が入力されるとともに、電圧計18から電圧値が入力される。また、入力された電流値及び電圧値を用いて、各配線パターンにおいて抵抗値を計測する。ここでも、機器抵抗の周囲の温度を計測可能であるとき、計測部103は、センサで計測される温度が所定の状態に達したタイミングで、機器抵抗値の計測を開始するようにしてもよい。
判定部104は、カウント部101での値が所定値に達したか否かの判定により、全てのパターンで計測がされたか否かを判定する。また、演算部105は、各パターンの計測結果を用いて、機器抵抗値を求める。さらに、検知部106は、得られた機器抵抗値を閾値と比較して、スリップリング2の異常を検知する。
《切替及び計測の具体例》
図9A乃至図9Dを用いて、各端子T11~T14,T31~T34の接続の切り替えと、切り替え後の抵抗値の計測について説明する。図9A乃至図9Dは、端子の接続の切り替えによる異なる配線パターンを示す一例である。
図9Aに示すように、切替器13は、ヒータ側に端子T11~T14を備え、電流計17側に端子T31~T34を備える。第1乃至第4の端子T11~T14は、図2を用いて上述した配置と同一である。第7の端子T31及び第8の端子T32の間には、定電圧電源16及び電流計17が直列に配置される。また、第9の端子T33及び第10の端子T34の間には、電圧計18が配置される。
切替器13は、切替部102から入力する切替信号に基づき、第1~第4の端子T11~T14と、第7~第10の端子T31~T34との間で接続を切り替える。
(パターン1)
例えば、図9Aに示すように、切替器13は、切替信号にしたがって配線のパターン1として、第1の端子T11と第7の端子T31、第2の端子T12と第9の端子T33、第3の端子T13と第10の端子T34、第4の端子T14と第8の端子T32とを接続する。
計測部103は、このパターン1の状態で、抵抗値を計測する。具体的には、定電圧電源16により、電圧(Vo)が印加されると、第7の端子T31-第1の端子T11-第1の摺動部21-ヒータ3-第4の摺動部24-第4の端子T14-第8の端子T32を含む回路において、式(4.1)が成立する。また、4端子法の原理により、電圧計18の入力インピーダンスが十分大きい場合、第2の摺動部22及び第3の摺動部23に電流は流れず、第2の摺動部22の抵抗値R2及び第3の摺動部23の抵抗値R3の影響をキャンセルできるため、第9の端子T33-第2の端子T12-第2の摺動部22-ヒータ3-第3の摺動部23-第3の端子T13-第10の端子T34を含む回路において、式(4.2)が成立する。
(R1+RH+R4)I1=Vo ・・・(4.1)
VH/I1=RH ・・・(4.2)
これにより、まず、計測部103は、電流計17により電流値I1を計測し、電圧計18により、電圧値RHを計測する。式(4.1)及び(4.2)において、Voの値は既知であり、I1の値は電流計17によって計測され、VHの値も電圧計18によって計測される。したがって、式(4.1)及び(4.2)と、これらの値を用いて、抵抗値Raを、式(4.3)に示すように表すことができる。これにより、計測部103は、既知の値から、この抵抗値Raを求める。
R1+R4=Ra ・・・(4.3)
(パターン2)
また、切替器13は、切替信号にしたがって配線のパターン2として、例えば、図9Bに示すように、第1の端子T11と第9の端子T33、第2の端子T12と第7の端子T31、第3の端子T13と第8の端子T32、第4の端子T14と第10の端子T34とを接続する。
計測部103は、このパターン2の状態で、抵抗値を計測する。具体的には、定電圧電源16により、電圧(Vo)が印加されると、第7の端子T31-第2の端子T12-第2の摺動部22-ヒータ3-第3の摺動部23-第3の端子T13-第8の端子T32を含む回路において、式(5.1)が成立する。また、パターン1で上述したように、4端子法の原理により、第9の端子T33-第1の端子T11-第1の摺動部21-ヒータ3-第4の摺動部24-第4の端子T14-第10の端子T34を含む回路において、式(5.2)が成立する。
(R2+RH+R3)I2=Vo ・・・(5.1)
VH/I2=RH ・・・(5.2)
これにより、まず、計測部103は、電流計17により電流値I2を計測し、電圧計18により、電圧値RHを計測する。パターン1と同様に、式(5.1)及び(5.2)において、Voの値は既知であり、I2の値は電流計17によって計測され、VHの値も電圧計18によって計測される。したがって、式(5.1)及び(5.2)と、これらの値を用いて、抵抗値Rbを、式(5.3)に示すように表すことができる。したがって、計測部103は、既知の値から、この抵抗値Rbを求める。
R2+R3=Rb ・・・(5.3)
(パターン3)
次に、切替器13は、切替信号にしたがって配線のパターン3として、例えば、図9Cに示すように、第1の端子T11と第9の端子T33、第2の端子T12と第7の端子T31、第3の端子T13と第10の端子T34、第4の端子T14と第8の端子T32とを接続する。
計測部103は、このパターン3の状態で、抵抗値を計測する。具体的には、定電圧電源16により、電圧(Vo)が印加されると、第7の端子T31-第2の端子T12-第2の摺動部22-ヒータ3-第3の摺動部23-第4の端子T14-第8の端子T32を含む回路において、式(6.1)が得られる。また、パターン1で上述したように、4端子法の原理により、第9の端子T33-第1の端子T11-第1の摺動部21-ヒータ3-第3の摺動部23-第3の端子T13-第10の端子T34を含む回路において、式(6.2)が得られる。
(R2+RH+R4)I3=Vo ・・・(6.1)
VH/I3=RH ・・・(6.2)
これにより、まず、計測部103は、電流計17により電流値I3を計測し、電圧計18により、電圧値VHを計測する。上述した場合と同様に、式(6.1)及び(6.2)と、既知のVo及び計測されるVH及びI3の値を用いて、抵抗値Rcを、式(6.3)に示すように表すことができる。したがって、計測部103は、既知の値から、この抵抗値Rcを求める。
R2+R4=Rc ・・・(6.3)
(パターン4)
続いて、切替器13は、切替信号にしたがって配線のパターン4として、例えば、図9Dに示すように、第1の端子T11と第9の端子T33、第2の端子T12と第10の端子T34、第3の端子T13と第7の端子T31、第4の端子T14と第8の端子T32とを接続する。
計測部103は、このパターン4の状態で、抵抗値を計測する。具体的には、定電圧電源16により、電圧(Vo)が印加されると、第7の端子T31-第3の端子T13-第3の摺動部23-第4の摺動部24-第4の端子T14-第8の端子T32を含む回路において、式(7.1)が得られる。
(R3+R4)I4=Vo ・・・(7.1)
これにより、まず、計測部103は、電流計17により電流値I4を計測し、式(7.1)と、既知のVo及び計測されるVH及びI4の値を用いて、抵抗値Rdを、式(7.3)に示すように表すことができる。したがって、計測部103は、既知の値から、この抵抗値Rdを求める。
R3+R4=Rd ・・・(7.3)
判定部104で、カウント部101での値が所定値に達したと判定されると、予め定められる全てのパターンで抵抗値が計測されている。したがって、演算部105により、これらの値を用いて各機器抵抗値R1~R4を演算することができる。具体的には、計測部103により、Ra,Rb,Rc及びRdの値は計測されている。したがって、式(4.3)、(5.3)、(6.3)及び(7.3)の方程式を解くことにより、各機器抵抗値R1~R4を得ることができる。
R1+R4=Ra ・・・(4.3)
R2+R3=Rb ・・・(5.3)
R2+R4=Rc ・・・(6.3)
R3+R4=Rd ・・・(7.3)
上述したように、実施の形態2に係る異常検知装置1Bによれば、複数の機器抵抗値をそれぞれ求めることができる。これにより、異常検知装置1Bでは、求めた複数の機器抵抗値を所定の閾値と比較し、スリップリング2における異常の発生を検知し、ユーザに通知することができる。したがって、ユーザは、スリップリングの劣化等の異常を把握し、製品の生産性を向上させることができる。また、異常検知装置1Bは、異常検知装置1Aと比較し、電圧計18を追加することにより、計測のパターンを低減し、計測回数を減少させることができる。
上述の説明において、低抵抗配線は、スリップリングの接点とし、高抵抗機器は、スリップリングと接続されるヒータであるものとして説明したが、抵抗値の計測対象の機器や機器に接続される装置は、これに限定されない。例えば、スリップリングの他、配線のねじ端子のねじ締めトルク不足やコネクタの接続部の劣化による接触抵抗異常の検知、ロボットケーブルや包装機用配線等、繰り返し屈曲される配線の抵抗異常の検知に利用することができる。また例えば、負荷としては、ヒータの他、モータ、蓄電池などの数Ω以上の電気抵抗値を持つものが他の例としてあげられる。
本開示の抵抗測定装置は、スリップリング等の、高抵抗機器に接続される低抵抗配線の電気抵抗を測定することができる。また、本開示の異常検知装置は、高抵抗機器に接続される低抵抗配線の測定値を利用して、低抵抗配線を有する機器の異常を検知することができる。
1A,1B 異常検知装置
10 制御部
101 カウント部
102 切替部
103 計測部
104 判定部
105 演算部
106 検知部
11 記憶部
13 切替器
2 スリップリング
3 ヒータ

Claims (6)

  1. 負荷となるヒータと接続される機器の内部で生じ、前記負荷の内部で生じる負荷抵抗値よりも低い複数の機器抵抗値を測定する抵抗測定装置であって、
    前記負荷と複数の端子との接続を切り替える切替部と、
    センサで計測される前記ヒータの周囲温度が所定の目標温度に達したタイミングで、前記切替部による切り替えにより得られた、前記複数の機器抵抗値の少なくともいずれかを含む異なる複数の配線パターンの抵抗値を計測する計測部と、
    前記計測部で計測された複数の抵抗値を既知の値とし、前記複数の機器抵抗値を未知の値として含む方程式を生成し、当該方程式を用いて、前記複数の機器抵抗値を求める演算部と、
    を備える抵抗測定装置。
  2. 複数の配線パターンの抵抗値の計測に利用する電力を供給する電源装置をさらに備える
    請求項1に記載の抵抗測定装置。
  3. 負荷と接続される機器の内部で生じ、前記負荷の内部で生じる負荷抵抗値よりも低い複数の機器抵抗値を測定し、機器の異常を検知する異常検知装置であって、
    請求項1又は2に記載の抵抗測定装置と、
    前記抵抗測定装置で測定された機器抵抗値を所定の閾値と比較して、前記機器の異常を検知する検知部と、
    を備える異常検知装置。
  4. 前記機器は、スリップリングであって、
    前記端子は、スリップリングに含まれる摺動部の抵抗をそれぞれ計測可能な位置に設けられ、
    前記検知部は、スリップリングの摺動部の異常を検知する
    請求項3に記載の異常検知装置。
  5. 負荷となるヒータと接続される機器の内部で生じ、前記負荷の内部で生じる負荷抵抗値よりも低い複数の機器抵抗値を測定する抵抗測定方法であって、
    前記負荷と複数の端子との接続を切り替えるステップと、
    センサで計測される前記ヒータの周囲温度が所定の目標温度に達したタイミングで、切り替えにより得られた、前記複数の機器抵抗値の少なくともいずれかを含む異なる複数の配線パターンの抵抗値を計測するステップと、
    計測された前記複数の抵抗値を既知の値とし、前記複数の機器抵抗値を未知の値として含む方程式を生成するステップと、
    当該方程式を用いて、前記複数の機器抵抗値を求めるステップと、
    を有する抵抗測定方法。
  6. 負荷となるヒータと接続される機器の内部で生じ、前記負荷の内部で生じる負荷抵抗値よりも低い複数の機器抵抗値を測定し、機器の異常を検知する異常検知方法であって、
    前記負荷と複数の端子との接続を切り替えるステップと、
    センサで計測される前記ヒータの周囲温度が所定の目標温度に達したタイミングで、切り替えにより得られた、前記複数の機器抵抗値の少なくともいずれかを含む異なる複数の配線パターンの抵抗値を計測するステップと、
    計測された前記複数の抵抗値を既知の値とし、前記複数の機器抵抗値を未知の値として含む方程式を生成するステップと、
    当該方程式を用いて、前記複数の機器抵抗値を求めるステップと、
    求められた前記複数の機器抵抗値を所定の閾値と比較して、前記機器の異常を検知するステップと、
    を有する異常検知方法。
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