JP7375267B2 - 自動車ドア要素の為の開放装置 - Google Patents

Description

本発明は、電気駆動装置、作動手段およびドアの動きを検出するセンサとを有し、作動手段は、駆動装置と、作動手段および駆動部の間に配置された歯車機構とによって変位できる、自動車のドア要素の開放装置に関する。

今日の自動車には、ますます便利な機能が備えられている。たとえば、自動車への乗り込みを容易にし、美観および空力形状に影響を与えることができるように、自動車は、たとえば、外部ドアハンドルを備えていない。しかしながら、外側ドアハンドルが設けられることも考えられるが、これは、ドアを開放する為にスイッチ信号を自動車ドア用ロックに転送するだけである。乗り込みを容易にし、自動化するために、たとえば、ドアの外側にハンドルがない車両に乗り込めるようにするために、いわゆる開放装置またはドア開放装置が使用され、その一部はドアポジショナとも呼ばれる。

ドア、フラップまたはフードを閉位置から開位置に移動させることができる自動車ドアまたはフラップ用ポジショナは、DE10 2011 015 669A1から知られている。位置決め装置が、たとえば自動車の側部ドアに関連する場合、ドアは電気パルスによって開けることができる。このためには、ドアを開けることができるように、まず、好ましくは電気的に、ドアロックのロック機構をロック解除しなければならない。たとえば、ドアの密封圧力が、ドアを閉位置から開位置に移動させるのに十分でない場合、位置決め装置によってドアを開位置に移動させることができる。ここでは、自動車の操作者がドアを完全に開けることができるように、ドアを掴むことができるように開放位置を定義する。位置決めデバイスとして電気駆動装置が使用され、この電気駆動装置は、駆動用爪部および内部及び外部レバーを介して、レバーの旋回運動の形態で自動車ドアに機械的に作用する。

DE10 2016 105 760A1は、ベースプレートを備え、更に、ベースプレート上に装着された駆動要素及び駆動装置を備えた自動車ドアの開放装置を開示しており、駆動要素に割り当てられた第１センサが、少なくとも開放処理と手動開放処理とを区別する。開放装置は、センサ及び制御ユニットを介して駆動可能な駆動装置を備える。次に、可撓性の連結手段により、伝達レバーを旋回させることができ、これにより、駆動レバーおよび駆動用スライドを介した開放運動が可能になる。ドアを移動できるようにするために、駆動用スライドは直線的に移動し、たとえば、ラッチがアンラッチされてロックが解除されたドアを少なくとも一部の領域で開けることができるように、本体の開口から出る。駆動用スライドの終了位置は、第２固定センサによって検出することができ、駆動装置を再びオフにすることができる。

出願人の未公開特許出願DE10 2017 124 282.1から、自動車ドア要素の開放装置が知られているが、この開放装置は、電気駆動装置と作動手段とを備え、作動手段は、駆動装置と、作動手段および駆動装置の間に配置された歯車とによって変位させることができる。ドアは、開閉装置によって移動可能であり、スライド要素は、作動手段上に配置され、スイッチ手段と相互作用してドアの移動を検出することができる。作動手段は、本質的に、一体化された摺動要素、スイッチ手段、電源ラインを備えた駆動用ラックから形成される。スライド要素と本体との間のスイッチ手段によって、被駆動ラックの移動を制御することができる。

自動車用ロックが解除された後に自動車のドアを開けるための従来技術から知られている装置は、少なくとも一部の領域においてドアを開けることを可能にし、自動車の操作者が間隙を通してドアを掴み、完全に開けることができる。既知の開放装置は、基本的にそれ自体は判明しているが、電気的に作動されるドアが電気的に開放されるとき（たとえば、傾斜した路上では）限界に達する。ここから本発明が始まる。

本発明の目的は、自動車のドア要素の改良された開放装置を提供することである。また、本発明の目的は、ドア要素の移動を確実かつ迅速に検出することができる開口装置を提供することにある。最後に、本発明の目的は、構造的に単純で安価な解決策を提供することである。

この目的は、独立クレーム１の特徴によって達成される。本発明の有利な実施形態は、従属クレームにおいて特定される。以下に説明する例示的な実施形態は、限定的ではなく、むしろ、説明および従属クレームに記載される特徴の任意の変形可能性が可能であることに留意されたい。

請求項１に記載の発明は、電気駆動部と作動手段とを有する自動車のドア要素の開放装置において、作動手段は、駆動装置と、ドアの移動が可能となるように作動手段および駆動装置の間に配置された歯車機構と、ドアの移動を検出するためのセンサとを備え、少なくとも１つの歯車機構構成要素は、開放装置内に旋回可能に収容され、歯車機構構成要素の旋回は、センサによって検出されることを特徴とする。本発明による開放装置の構成により、ドア要素の動きを駆動チェーン内で直接検出することができる。センサは、歯車機構の構成要素の移動、好ましくは旋回角度を検出し、その結果、電気駆動装置の駆動装置の移動とドア要素の移動との間の相対的な移動について結論を引き出すことができる。電気駆動装置は、出力シャフトによって歯車機構に直接作用し、従来のようにドア要素が干渉することなく駆動されるとき、歯車は初期位置に残る。たとえば、ドア要素を手で把持することによってドアの動きが妨げられると、旋回可能に装着された歯車機構の構成要素が旋回する。この旋回は、センサによって検出することができ、それによって、ドア要素の動きに関する結論を得ることができる。検出はドア要素の駆動チェーン内で直接行われるので、作動手段の信頼性が高く、迅速な検出、ひいては制御が可能である。

過負荷保護は、少なくとも１つの歯車機構の構成要素の旋回可能な装着によって実施することができる。特に、ドア要素が過大な荷重を受けた場合には、旋回可能な歯車機構の構成要素によって過負荷保護を実施することができる。たとえば、天候等によりドア要素を開けることができない場合、すなわち、ドア密封部が着氷した場合には、過大な荷重が発生する可能性がある。一方、たとえば、ドア要素の外部閉塞により、またはドア要素の終了位置に達する前に、開放装置によるドア要素の手動作動が行われることもあり得る。この過大な荷重が作用した場合には、旋回可能な歯車機構の構成要素は、開放装置の損傷を防止することができ、移動を補償することができる。

一実施形態では、力測定デバイス、好ましくはセンサ、さらに好ましくはホール効果センサが、歯車機構キャリアの動きを検出できるように開放装置内に収容される。歯車機構は、電気駆動装置と直接相互作用する。たとえば、ウォームを電気駆動装置の出力シャフト上に配置することができ、この場合、ウォームはウォーム歯車と係合する。ウォーム歯車は、一方では開放装置内に静止状態で収容されるが、他方では、歯車機構の少なくとも１つの構成要素の旋回運動も可能にする歯車機構キャリア内に収容される。ドア要素が駆動されている間にドア要素が制動されると、力がドア要素から駆動チェーンに導入される。ドア要素から発生する力は、電気駆動装置の駆動力に反作用する。対向する力は、歯車機構キャリアを旋回させ、この旋回は、センサによって検出可能である。ホール効果センサは、非常に高い分解能を達成することができ、歯車機構キャリアの小さな旋回角度しか検出することができないので、特に有利であることが証明されている。好ましい態様では、歯車機構キャリアは、固定センサに対して移動するが、逆の構成も当然考えられる。ホール効果センサは、好ましくは磁石と相互作用する。

歯車機構キャリアの移動を歯車機構キャリアの力測定デバイスで検出することができ、その結果、開放装置に過大な荷重が加わったことを検出することができる。ホール効果センサは、移動の非接触検出、特に歯車機構キャリアの小さな径路の検出を可能にするため有用である。この力測定デバイスは、開放装置の駆動装置および自動車内の制御装置に接続されており、開放装置に過大な荷重が加えられたことが検出されると、歯車機構キャリアの力測定デバイスによる動きの検出により、開放装置の駆動モータの逆転又は停止を開始することができる。同時に、例えば、ロックを停止、防止、またはキャンセルするために、制御信号をロック手段に送ることもできる。したがって、力測定デバイスは、制御要素として機能し、開放装置の損傷を防止する。

センサ、好ましくはホール効果センサを磁石と組み合わせて使用することにより、５°未満、好ましくは、３°未満、さらに好ましくは、１°以下の角度を力測定デバイスによって検出することができる。これらの小さい角度の検出は、歯車機構キャリアの移動が行われるので有利である。歯車機構キャリアは、少なくともドア要素の従来の作動中に、歯車機構の構成要素を所定の位置に保持するので、極端な状況においてもドア要素を移動させるのに十分な力を利用することができる。極端な状況は、たとえば、車両が傾斜面に駐車され、ドア要素を持ち上げるために大きな力が必要とされる場合に生じる。いずれの場合も、少なくともドア要素の通常の作動のために、ギア機構キャリアは歯車機構の構成要素を確実にかつ静止状態で保存しなければならない。ドア要素が制動された場合、駆動チェーン内の力閾値を超えたときに、作動要素と電気駆動装置との間の上述の相対運動が生じる。この場合、歯車機構キャリアはわずかに旋回する。センサは、非常に小さな旋回角度の場合でもこの旋回を検出する。

歯車機構が少なくとも２つの歯車段を有する場合、本発明の有利な実施形態を達成することができる。第１歯車段は、たとえば、出力シャフトに配置されたウォームとウォーム歯車とから構成することができる。第１歯車段が歯車機構キャリア内に静止した状態で収容され、第１歯車段が電気駆動装置と協働する場合も有利である。ウォーム歯車は、固定装着部に収容され、この装着部は、歯車機構キャリアの固定装着部および旋回軸として同時に機能することができる。したがって、第１歯車段は、作動手段のための駆動装置および歯車機構キャリアのための装着点を形成する。

第２歯車段が、第１歯車段の軸を中心として旋回可能に歯車機構キャリアに収容されている場合には、本発明の実施形態の更に他の変形例となる。第２歯車段は、たとえば、一方では第１歯車段と係合し、他方では作動手段を駆動する平歯車段とすることができる。この目的のために、作動手段は、たとえば、歯付きラックを有することができ、第２歯車段は、歯付きラックに係合し、作動手段を作動させる。第１及び第２歯車段は、作動手段を駆動する歯車機構を形成する。

一実施形態の一変形例では、歯車機構キャリアはバネ要素と相互作用し、歯車機構キャリアの旋回運動はバネ要素によって緩衝される。歯車機構キャリアをバネ要素に接続することにより、歯車機構キャリアの中心位置を確保することができる。一方では、作動手段に引張荷重および圧力荷重が発生する可能性があるので、歯車機構キャリアの中心位置決めは重要である。たとえば、操作者は、ロック手段が解除される前にドア要素を引いて開けることができ、あるいは、たとえば、開放装置がドア要素を開放する間にドア要素を押して閉じることができる。いずれの場合も、歯車機構キャリアは、バネ要素によって弾性的に偏向可能である。この場合、歯車機構キャリアは、開放装置内に旋回可能に収容され、中心初期位置から旋回軸を中心として２つの移動方向に旋回可能である。力測定デバイスは、力測定デバイスによって歯車機構キャリアの両方向の動きを検出することができるように、歯車機構キャリアに有利に配置される。

バネ要素は有利には、板ばねである。一方では、板バネを使用して、歯車機構キャリアの中心位置を固定するのに十分な高い力を与え、他方では、歯車機構キャリアに十分な隙間を与えることができる。本発明に係る開放装置の構成によれば、ドア要素の確実な保持と、ドア要素の制動の即時検出とを両立させることができ、高い操作上の安全性を同時に確保することができる。

一実施形態の別の変形例では、バネ要素は、第１端部で歯車機構キャリアに収容されて固定され、第２端部で開放装置内に収容されて固定される。バネ要素、特に板バネは、歯車機構キャリヤの初期位置を安定させ、駆動チェーン、すなわちモータ、歯車及びラックを介して作動手段を確実かつ永久的に駆動することを可能にする。板バネは、一方の側で歯車機構キャリアにしっかりと接続され、たとえば、圧入、形状嵌合、および／または結合（ボンド）接続によって歯車機構キャリアに接続することができる。板バネの歯車機構キャリアと反対側の端部において、板バネは、開放装置内に収容され、好ましくは、開放装置のハウジング内に固定される。板バネは、静止しているが旋回可能な状態でハウジング内に収容され、その結果、板バネは、ねじれ又は反れたときに歯車機構キャリアの動きに追従することができる。

一実施形態の更なる変形例では、ドア要素は、作動手段によって保持することができる。本発明による開放装置の構成、特に、ドアの動きを検出するためのセンサと、ドア要素を保持することができる作動手段との組合せにより、ドアを開放し、保持し、これにより、操作者が利用できるようにすることができる。本発明に係る構成により、ドア要素を操作者に呈することができ、同時に、ドア要素の開放に対する保護を独立して提供することができる。車両はまた、傾斜した道路上に配置することができ、ドア要素は作動手段によって保持することができる。ドア要素が自動車用ロックによって電気的に解除され、開放装置が作動すると、ドア要素は自動的に開くが、それは操作者がドア要素を把持して手動で開けることができる範囲に限られる。開放装置は、操作者がドア要素を把持することができる程度にしかドア要素を開放しないが、同時に、開放装置によって開放位置を越えた意図しない開放が生じない。したがって、人を危険にさらすこともなく、ドア要素自体を危険な領域に開放することもない高レベルの安全性がある。

この開放装置は自動車のドア要素に使用される。自動車のドア要素は、たとえば、フラップ、フード又はカバー、例えば、コンバーチブルルーフであってもよい。また、意図しない開放を防止するために、たとえば、風のような環境の影響によって自車上に移動可能に配置された構成要素を保持する必要がある場合もある。したがって、自動車に移動可能に配置された構成要素を位置決めして更に開ける場合に、開放装置を使用することができる。有利な態様では、開放装置は、電気的に作動可能なロックシステムと協働し、その結果、ドア要素の設計において高度の構造的自由度が可能になる。たとえば、ドア要素は、ドアハンドルを省略することができ、その結果、ドア要素のほぼあらゆる形態の外形が得られる。

開放装置は、通常、開放装置を作動させることによってドア要素を位置決めできるように、ドア要素の領域に配置される。開口装置は、本体とドア要素との間に相対運動を発生させ、好ましくは、開口装置は、ドア要素自体に配置される。もちろん、ドア要素を移動させるための本体内の構成も考えられる。また、開放装置は、たとえば側部ドアのような自動車用ロックに一体化されていることも考えられる。このことは、駆動のために電圧が利用可能であること、および／または駆動によって自動車用ロックの更なる機能を作動させることができるという利点を提供する。

電気駆動装置は、好ましくは、出力シャフトと、たとえば、ウォーム歯車を介して作動手段と相互作用する直流モータからなる。１段、２段、または多段の歯車が考えられ、歯車の選択は、作動手段に利用可能な力に影響を及ぼし得る。たとえば、開放装置が、たとえば、自動車のＡピラーおよびフロントドアと相互作用するようにドア要素内に配置される場合、開放装置が再び自動車のフロントドア内に配置され、自動車のＢピラーに作用する場合よりも、ドア要素を開放するために大きな力が必要である。ドアが開かれ、開放装置が自動車用ロックの領域に配置される場合、より高い比率が使用できるので、より低い力が必要とされる。

電気駆動装置は作動手段を動かすことができる。電気モータによって、駆動される作動手段によってドアが開かれるように作動手段を動かすことができる。作動手段は、本外に対して移動し、車両のドア要素に圧縮力を作用させて、アンラッチされてロックが解除されたドアを移動できるようにする。

開放装置は、好ましくは、回転ラッチと少なくとも１つの爪部とを有する自動車用ロックと相互作用し、回転ラッチと少なくとも１つの爪部とを含むロック機構は、電気的にロック解除することができる。特に、電気的にロック解除可能なロックシステムの場合、自動車の操作者は、ロックシステムをロック解除された、すなわち開位置に移動させるために電気パルスを必要とするだけである。次に、ドアまたはフラップを移動できるようにロックシステムを開く。自動車用ロックのための電気的な開放パルスは、センサ、キー、または、たとえば、タッチセンサまたは一体型センサを備えた外部ドアハンドルなどの感知手段によって発生させることができる。

車両のドア要素がロック解除されると、ドア要素はヒンジ内で自由に旋回することができる。ドアはまた、幾つかの開放位置でドアを保持することができるドアストラップを有してもよい。ロックが解除されると、ドアは開放装置によって移動することができ、車両ドア要素の移動はセンサによって検出可能である。開放処理全体が検出される。連続的な検出が行われ、ドアの動きは、開放装置による車両ドア要素の動きの任意の時点で検出することができる。開放装置の動きを超えて一度手動で移動されたドアは、センサ検出を切断し、その結果、電気駆動をオフにするか、または電気駆動装置の極性を反転させて、作動手段をその初期位置に戻すことができる。以下、車両のドア要素の手動の動きの検出について詳細に説明する。

以下、添付の図面を参照して、好適な例示的実施形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。しかしながら、例示的な実施形態は本発明を限定するものではなく、単に実施形態を表すものであるという原理が適用される。示された特徴は、個別にまたは組み合わせて、明細書およびクレームの更なる特徴と組み合わせて実施することができる。

図１は、拡張作動手段を備えた本発明による開放装置の３次元図である。 図２は、後退作動手段を有する開放装置の側面図である。 図３は、図２の矢印ＩＩＩによる視野から見た開放装置の図であり、作動手段は伸びた状態で、ロック手段と係合している。 図４は、図２の矢印ＩＩＩによる開放装置の図であり、ロックレバーは解除されている。 図５は、図２の矢印ＩＩＩによる開放装置の図であり、作動手段は本体から延びている。 図６は、図１の矢印ＩＩ方向から見た開放装置の図であり、引張荷重が作用する開放装置の位置を示す。 図７は、圧力荷重、すなわち開放装置に作用する本体方向の荷重の場合における図１の矢印ＩＩに示す開放装置の図である。

詳細な説明

図１は、本発明を説明するために重要な構成要素を有する開放装置１の３次元図を示す。開放装置１は自動車のドア要素２内に配置され、作動手段３は本体４に係合する。示されているのは作動手段３の伸びた位置であり、この状態では開放装置１がドア要素２を制御経路Ｓ上方に移動させて位置決めしている。したがって、示された位置では、操作者が車両ドア要素２を把持し、手動で更に開けることができる。

開放装置は、電気駆動装置５、歯車機構６、力測定デバイス７、ハウジング８、作動手段３を有する。駆動装置５は、好ましくは、出力シャフト９と、出力シャフト９上に置かれた歯車１０とを有する電気直流モータによって形成される。この例示的な実施形態では、歯車機構６は、第１歯車段１１が電気駆動装置５の出力に直接係合する多段設計を有する。第２歯車段１２は、第１歯車段１１によって駆動され、第２歯車段１２は、作動手段３上のラック１３と係合する。その結果、駆動手段３は、駆動装置５および２つの歯車段１１，１２を介して矢印Ｐ_１の方向に変位することができる。作動手段３は、矢印Ｐ_１の方向に、ハウジング８からハウジング内に移動することができる。

歯車機構キャリア１４は、第１歯車段１１のための第１固定装着部を形成し、第２歯車段１２は、歯車機構キャリア１４によって旋回できるように開放装置１内に収容される。この例示的な実施形態では、板バネ１５が歯車機構キャリア１４に固定され、板バネ１５は、一方の側で歯車機構キャリア１４にしっかりと接続され、歯車機構キャリア１４とは反対側の固定装着部１６に配置される。歯車機構キャリア１４の旋回運動を検出するために、センサ１７、特にホール効果センサが、開放装置１内に静止状態で配置され、電気接点１８によって制御デバイス（図示せず）に接続される。

開放装置１において、作動手段３の歯付きラック１３の反対側には、作動手段３を円滑に作動させると同時に作動手段３を安定して案内するためのガイド手段１９が配置されている。ガイド手段１９は、たとえば、装着具、ローラ、または装着具、ローラおよび／または減衰手段の組合せとすることができる。

作動手段３は、電気駆動装置２０を有し、この電気駆動装置の出力シャフト２１は、この例示的な実施形態ではスピンドル２２を駆動し、スピンドル２２は、ロック用スライド２３内に延び、ロック用スライド２３と相互作用する。ロック用スライド２３は、作動手段３内に摺動可能に収容されている。ロック用スライド２３は、ロックレバー２４と協働し、その効果は、以下でより詳細に説明される。

緊急アクチュエータ２５は、図１にも見られ、この実施形態では、シャフト外形部として設計されており、ロック用スライド２３は、緊急アクチュエータ２５によって手動で作動させることができ、その結果、ロック用レバー２４は、手動で本体４から、特にロック用外形部２６から係合解除することができる。

駆動装置５，２０とセンサ１７との電気的接触は明示されておらず、電気構成要素５，１７，２０は、開放装置１内の制御ユニット（図示せず）および／または自動車自体に電気的に接続されている。

図２は、図１の矢印ＩＩによる開放装置１の側面図であり、作動手段３は後退位置にある。同一の構成要素には同一の参照符号が付されている。第１歯車段１１の軸２７は明瞭に見ることができ、軸２７は開放装置１に配置されて固定され、同時に歯車機構キャリア１４の旋回軸２７を形成する。歯車機構キャリア１４は、第２歯車段１２、特に装着点２８が初期位置Ａに示される第２歯車段１２のための装着点２８を含み、歯車機構キャリア１４は、初期位置Ａを中心に軸２７を介して矢印Ｐ_２の方向に両方向に旋回可能である。歯車機構キャリア１４は初期位置Ａに保持され、板バネ１５によってバネ懸架方式で固定される。

図２に示す作動手段３の後退位置は、閉鎖ドア要素２に対応し、作動手段は、矢印Ｐ_３の方向で開放装置１内に移動するように示されている。ドア要素２は、たとえば自動車のロックによって閉位置に保持される。

図３には、図２における矢印ＩＩＩの方向から見た開放装置１が示されている。図３において、作動手段３は、開放装置１が移動経路または制御経路Ｓ上でドア要素２を移動させた最大伸長位置に示される。この場合、ロック手段２９は、ドア要素２を保持位置に固定する。本実施形態では、ロック手段２９は、駆動装置２０、スピンドル用駆動装置２２、ロック用スライド２３、ロックレバー２４によって形成される。ロックレバー２４は、軸３０を中心に旋回できるように作動手段３に収容されている。ロックレバー２４は、ロック外形部２６のアンダーカット３２内の延長部３１と係合する。ロックレバー２４は、ロック用スライド２３によってロック外形部２６内に旋回され、ロッキングレバー24は、軸３０を中心とする旋回運動を実行する。最後に、作動手段３は、開口装置１と本体４との間の低騒音相互作用を可能にするために、減衰手段３３を有することができる。

図４では、ロック用スライド２３の位置が示されており、たとえば、操作者が手動でドア要素２を把持し、矢印Ｐ_４の方向に開口装置またはドア要素２に力Fを加える。この開放装置１又はドア要素２の作動は、以下により詳細に説明するように、センサ１７によって検出することができる。開放装置１が矢印Ｐ_４の方向に移動すると、電気駆動装置２０が作動し、ロック用スライド２３が作動要素３内で矢印Ｐ_５の方向に後退する。ロック用スライド２３が引き戻されると、ロックレバー２４は解除され、軸３０を中心に旋回することができる。

ここで、図５は、ドア要素２が更に作動または移動されたときにロックレバー２４が到着するロックレバー２４の位置を示す。ロックレバー２４は、作動手段３の軸３０を中心に矢印Ｐ_６の方向に旋回し、ロック外形部２６から係合解除される。これにより、ドア要素２を自由に移動させることができ、作動手段３を開放装置１内に移動させることができる。

図６は、図１の矢印ＩＩの方向から開口装置１に向かっての側面図である。作動手段３に張力Ｆ_Ｚが作用したときに歯車機構キャリア１４がとる歯車機構キャリア１４の位置を示す。この引張力Ｆ_Ｚは、ロック手段２９がロック外形部２６に係合したときに作用し、たとえば、ドア要素２を手動で把持して開くことによって、矢印Ｐ_７の方向への移動が開放装置１内でも開始される。歯車機構キャリア１４の、この旋回は、固定センサ１７によって検出することができる。歯車機構キャリア１４を角度α１で旋回させることにより、歯車機構キャリア１４が角度α１だけ変位し、初期位置Ａを中心に時計廻りに変位角度α１が設けられる。この場合、旋回角度α１は、数度、好ましくは２度未満、さらに好ましくは１度以下に設定することができる好ましくはホール効果センサである高分解能センサは、この旋回角度α１を検出し、それを制御ユニット（図示せず）に対する制御信号として提供することができる。

また、静止位置Ｒを中心とする板バネ１５の曲率３４も明確に見える。板バネ１６は、固定装着部１６に固定された状態で旋回可能に収容されている。このように、図６は、開放装置１がドア要素２を移動させ、たとえば、操作者がドア要素２を把持して開放したときに、開放装置１が到着する様子を示している。センサ１７は、操作者の、この引張力Ｆ_Ｚを検出し、上述の形態でロック手段２９のロック解除を開始する。

ここで、図７は、開放装置１に圧縮力Ｆ_Ｄが導入された状態を示している。この圧縮力Ｆ_Ｄにより、歯車機構キャリア１４は、軸２７を中心として角度α２の方向に反時計廻りに旋回され、この角度α１は、センサ１７と、センサ１７および歯車機構キャリア１４の相対移動とによって検出される。板バネ１５は次に湾曲３５を受ける。この場合、作動手段３の駆動装置５は制御装置によって作動され、作動手段３は開放装置１内に移動される。このケースは、例えば、操作者が、開放して位置決めした直後に自動車を手動で再び閉鎖したい場合に発生する。この場合、開放装置１により手動閉鎖を支持したり、自動閉鎖を開始したりすることができる。そして、開放装置１は、ドア要素２の閉鎖装置として機能し、ドア要素２は、電気駆動装置５、歯車機構１０，１２、作動手段３およびロック手段２９によって閉鎖位置に引き出される。閉鎖のために、ロック手段２９の延長部３１は、本体４のロック外形部２６の後方に係合する。

符合の説明

1…開放装置、2…自動車のドア要素、3…作動手段、4…本体、5, 20…駆動装置、6…歯車機構、7…力測定デバイス、8…ハウジング、9, 21…出力シャフト、10…歯車、11…第１歯車段、12…第２歯車段、13…ラック、14…歯車キャリア、15…板バネ、16…固定装着部、17…センサ、18…電気接触部、19…ガイド手段、22…スピンドル用駆動装置、23…ロック用スライド、24…ロックレバー、25…緊急アクチュエータ、26…ロック外形部、27, 30…軸、28…装着点、29…ロック手段、31…延長部、32…アンダーカット、33…減衰手段、34, 35…曲率、S…制御経路、Ｐ_１，Ｐ_２，Ｐ_３，Ｐ_４，Ｐ_５，Ｐ_６，Ｐ_７…矢印、A…初期位置、F…力、Ｆ_Ｚ…張力、Ｆ_Ｄ…圧縮力、R…静止位置、α1、α2…角度。

Claims (10)

1. 電気駆動装置（５）と、作動手段（３）と、前記作動手段（３）および前記電気駆動装置（５）の間に配置された歯車機構（６）と、開放装置（１）またはドア要素（２）の作動を検出するセンサ（１７）とを有する自動車のドア要素（２）の為の開放装置（１）であって、
   前記作動手段（３）は、前記ドア要素（２）に対応した位置を示すことができ、前記ドア要素（２）が開かれるように前記電気駆動装置（５）と前記歯車機構（６）とによって駆動可能であり、
   前記開放装置（１）には、前記作動手段（３）の位置に応じて、前記歯車機構（６）の少なくとも１つの構成要素が、前記構成要素のための装着点（２８）とは異なる旋回軸（２７）を中心として旋回可能に収容され、
   前記構成要素の旋回運動が前記センサ（１７）によって検出可能であることを特徴とする、開放装置（１）。
2. 前記装着点（２８）を含み、前記旋回軸（２７）を中心として前記構成要素の旋回運動を可能にする歯車機構キャリア（１４）の移動を検出できるように、力測定デバイス（７）が前記開放装置（１）内に収容されることを特徴とする、請求項１に記載の開放装置（１）。
3. ５°未満の角度（α１，α２）を前記力測定デバイス（７）によって検出することができることを特徴とする、請求項２に記載の開放装置（１）。
4. 前記歯車機構（６）は、少なくとも一つの歯車から構成される第１歯車段（１１）および第２歯車段（１２）を含み、前記構成要素は、前記第２歯車段（１２）として前記第１歯車段（１１）によって駆動されることを特徴とする、請求項２に記載の開放装置（１）。
5. 前記第１歯車段（１１）が前記歯車機構キャリア（１４）に収容されて固定され、前記第１歯車段（１１）が前記電気駆動装置（５）と係合することを特徴とする、請求項４に記載の開放装置（１）。
6. 前記第１歯車段（１１）が前記旋回軸（２７）を中心に旋回できるように前記第２歯車段（１２）が前記歯車機構キャリア（１４）に収容されることを特徴とする、請求項５に記載の開放装置（１）。
7. 前記歯車機構キャリア（１４）には、バネ要素（１５）がバネ懸架方式で固定され、前記歯車機構キャリア（１４）の旋回運動（α１，α２）を緩衝することができることを特徴とする、請求項６に記載の開放装置（１）。
8. 前記バネ要素（１５）は、板バネ（１５）であることを特徴とする、請求項７に記載の開放装置（１）。
9. 前記バネ要素（１５）は、前記バネ要素（１５）の第１端部において前記歯車機構キャリア（１４）に収容されて固定され、前記バネ要素（１５）の第２端部（１６）において前記開放装置（１）に静止されることを特徴とする、請求項８に記載の開放装置（１）。
10. 駆動装置（２０）、スピンドル用駆動装置（２２）、ロック用スライド（２３）、ロックレバー（２４）によって形成されるロック手段（２９）によって前記ドア要素（２）を保持することができることを特徴とする、請求項１～９のいずれか一項に記載の開放装置（１）。

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