JP7374824B2 - 超音波プローブ、音響レンズ、超音波診断装置、及び超音波プローブ用カプラ - Google Patents

超音波プローブ、音響レンズ、超音波診断装置、及び超音波プローブ用カプラ Download PDF

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Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、超音波プローブ、音響レンズ、超音波診断装置、及び超音波プローブ用カプラに関する。
従来、超音波診断装置において、被検体の体表面に当接して超音波の送受信を行うために超音波プローブが用いられる。超音波プローブの先端部分、つまり被検体の体表面に当接する部分には、超音波を効率良く透過・集束させるための音響レンズが備えられる。超音波撮像が行われる場合、音響レンズは消毒薬等で消毒され、ゲルが塗布された上で被検体の体表面に当接される。
音響レンズには、その役割から、超音波の減衰係数が小さいこと、ゲルとの親和性(親水性)が高いこと、消毒薬等に対する耐久性が高いことなどが求められる。しかしながら、これらの特性を全て兼ね備えることは容易ではなく、これらの特性を兼ね備えるために様々な技術が提案されている。
特開2008-209257号公報
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、音響レンズにおける減衰係数の低減と、親水性及び耐久性の向上とを実現することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
実施形態に係る超音波プローブは、基材と、第1有機層と、第2有機層とを有する。基材は、ポリオレフィンを含む。第1有機層は、前記基材の表面に形成され、エポキシ樹脂及びシリケートオリゴマーを含む。第2有機層は、前記第1有機層の表面に形成され、親水性を有する。
図1は、実施形態に係る超音波プローブの構成例を示す図である。 図2は、実施形態に係る超音波プローブによる超音波スキャンについて説明するための図である。 図3は、実施形態に係る音響レンズの構成例を示す図である。 図4は、実施形態に係る音響レンズの特性について説明するための図である。 図5は、実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示す図である。 図6は、実施形態に係る音響カプラの構成例を示す図である。
以下、図面を参照して、実施形態に係る超音波プローブ、音響レンズ、超音波診断装置、及び超音波プローブ用カプラを説明する。なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用可能である。
(実施形態)
図1を用いて、実施形態に係る超音波プローブ100の構成例を説明する。図1は、実施形態に係る超音波プローブ100の構成例を示す図である。図1に示すように、例えば、実施形態に係る超音波プローブ100は、被検体に対して超音波を送信するとともに、被検体内で反射された超音波(反射波)を受信し、受信信号に変換して超音波診断装置(装置本体)に送信する装置である。例えば、超音波プローブ100は、振動子アレイ110、整合層120、バッキング層130、及び音響レンズ140を有する。
振動子アレイ110は、複数の振動子(圧電振動子)を含み、超音波診断装置から供給される駆動信号に基づいて、超音波を発生する。また、振動子アレイ110は、被検体内で反射した超音波(反射波)を受信し、受信信号に変換する。
なお、振動子アレイ110の配列方式としては、公知の配列方式が任意に適用可能である。例えば、振動子アレイ110は、複数の振動子が1次元的(一列)に配列された1Dアレイプローブであっても良いし、複数の振動子が2次元的に配列された2Dアレイプローブであっても良い。1Dアレイプローブとしては、例えば、セクタ型プローブ、リニア型プローブ、コンベックス型プローブ等が適用可能である。また、振動子アレイ110は、一列に配列された複数の振動子を所定の角度(揺動角度)で揺動させながら超音波スキャンを行うメカニカル4Dプローブであっても良い。
整合層120は、超音波を効率よく被検体内に伝播させるための中間的物質であり、振動子と被検体の音響インピーダンスを整合させる。
バッキング層130は、振動子アレイ110から後方(超音波の送信方向とは反対の方向)へ伝播する超音波を減衰させる部材である。
音響レンズ140は、超音波を集束させるレンズである。例えば、音響レンズ140は、任意の接着剤を介して整合層120と接着される。また、音響レンズ140は、超音波を集束可能な形状を有する。例えば、音響レンズ140の表面は、中央部が盛り上がった凸面を有する。
なお、音響レンズ140は、超音波を集束可能であれば、凸面に限らず、平面であっても凹面であっても良く、また、2層以上の層からなってもよい。また、表面には凹凸があっても平坦であってもよいが、好ましくは算術平均粗さRaが5μm以下であることが好ましい。
次に、図2を用いて、超音波プローブ100による超音波スキャンについて説明する。図2は、実施形態に係る超音波プローブ100による超音波スキャンについて説明するための図である。
図2に示すように、超音波プローブ100は、音響レンズ140の表面にゲル10が塗布された状態で、被検体Pの体表面に当接される。
そして、超音波プローブ100は、振動子アレイ110から超音波20を被検体Pの体内へ送信する。被検体Pの体内へ送信された超音波20は、音響インピーダンスの不連続面で反射され、反射波30として振動子アレイ110にて受信される。受信された反射波30の信号は、受信信号として超音波診断装置に送信される。超音波診断装置は、受信信号に基づいて、Bモード画像やドプラ画像等の超音波画像を生成する。
ところで、近年、高精細な超音波画像を生成するために、超音波プローブの高機能化が検討されている。高精細な超音波画像を生成するためには、送信される超音波の周波数を上げることが考えられるが、周波数を上げると物質による減衰係数の影響が大きくなる。このため、振動子アレイから発生した超音波の減衰を抑制するためには、音響レンズの基材としては減衰係数が小さい材料が選択されるのが好ましい。また、音響レンズの表面は、付着したゲルや汚れを除去したり消毒したりするために、消毒薬等で湿らせた紙や布で磨かれることが多い。このため、音響レンズの表面は、高い耐久性(耐水性)が要求される。
ここで、上記の減衰係数と耐久性を満たす材料として、ポリオレフィンが挙げられる。しかしながら、ポリオレフィンは疎水性であるため、ゲルとの親和性(親水性)が低い。ゲルとの親和性が低い場合には、超音波スキャンの最中に音響レンズの表面に気泡が発生してしまい、超音波画像の画質に影響を及ぼす可能性がある。
そこで、実施形態に係る超音波プローブ100は、以下の構成を備えることにより、音響レンズにおける減衰係数の低減と、親水性及び耐久性(耐摩耗性)の向上とを実現する。すなわち、超音波プローブ100において、音響レンズ140は、ポリオレフィンを含む基材と、基材の表面に形成され、エポキシ樹脂及びシリケートオリゴマーを含む第1有機層と、前記第1有機層の表面に形成され、親水性を有する第2有機層とを有する。
図3を用いて、実施形態に係る音響レンズ140の構成例を説明する。図3は、実施形態に係る音響レンズ140の構成例を示す図である。図3には、音響レンズ140の断面図を例示する。
図3に示すように、例えば、音響レンズ140は、基材150、有機層151、及び有機層152を有する。なお、図3において、基材150は、整合層120に接着される部分であり、有機層152は、被検体Pの体表面に当接される部分である。また、有機層151は、第1有機層の一例である。また、有機層152は、第2有機層の一例である。
(基材150の構成)
基材150は、ポリオレフィンを含む。基材150の材質としては、減衰係数が低く、音響インピーダンスがゲル10に含まれる水に近い方が良好な超音波画像が得られるため好ましい。ポリオレフィンの種類としては、公知の材料を任意に選択することができる。一例としては、ポリオレフィンとして、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテンが挙げられ、音響特性の観点からポリメチルペンテンがより好ましい。ポリオレフィンには、酸化チタンやカーボンブラックなどの着色材、その他の微量成分が含まれていてもよい。
(基材150の製造方法)
基材150は、任意の製造方法で製造可能である。一例を挙げると、基材150は、射出成形、トランスファー成形、キャスティング、圧縮成形、切削加工、3Dプリンタ等により製造可能である。
(有機層151の構成)
有機層151は、基材150の表面に形成され、エポキシ樹脂及びシリケートオリゴマーを含む。
有機層151に含まれるエポキシ樹脂としては、任意の種類のエポキシ樹脂を適用可能である。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、多官能型エポキシ樹脂などが挙げられる。なお、有機層151に含まれるエポキシ樹脂の種類は、1種類であっても良いし、複数種類が混合して用いられても良い。
また、有機層151に含まれるシリケートオリゴマーとしては、任意の種類のシリケートオリゴマーを適用可能である。シリケートオリゴマーとしては、例えば、メチルシリケートオリゴマー、エチルシリケートオリゴマーが挙げられる。なお、有機層151に含まれるシリケートオリゴマーの種類は、1種類であっても良いし、複数種類が混合して用いられても良い。すなわち、有機層151は、シリケートオリゴマーとして、メチルシリケートオリゴマー及びエチルシリケートオリゴマーのうち少なくとも一方を含む。
また、有機層151には、その他の成分として塗料中に硬化剤、UV開始剤、溶剤、希釈剤、可塑剤、カップリング剤、抗菌剤、防腐剤、無機物、染料等が含有されていてもよい。硬化剤としてはエポキシ樹脂を硬化させることができれば、任意のものを用いることができる。一例としては、アミン系、メルカプタン系、ケティミン系、イミダゾール系、酸無水物系、フェノール系、ジシアンジアミド系、UV開始剤などが挙げられる。これらの硬化剤は1種類を用いてもよいし、複数の種類を混合して用いても構わない。また溶剤としては、エポキシ樹脂とシリケートオリゴマーを溶解することができれば、任意のものを用いることができる。一例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、トルエン、ベンジルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、エタノールを用いることができる。これらの有機溶媒は、1種類を用いても複数の種類を混合して用いても良い。
(有機層151の製造方法)
次に、有機層151の製造方法について説明する。まず、有機層151を形成するためには、少なくともエポキシ樹脂とシリケートオリゴマーを含む塗料を調合し、調合した塗料を基材150の表面に成膜後、硬化して膜を形成する。以下に、有機層151の塗料の調合方法、成膜方法、硬化方法について述べる。
まず、有機層151の塗料の調合方法について説明する。有機層151の塗料は少なくともエポキシ樹脂とシリケートオリゴマーを用いる。また、その他の成分として、硬化剤や溶剤が含まれていてもよく、全ての材料を混合して用いる。エポキシ樹脂の含有量としては30重量%以上99重量%以下が好ましい。エポキシ樹脂の含有量が30重量未満になると膜の密着性が低下することがある。また、エポキシ樹脂の含有量が99重量%を超えると塗布性が悪化することがある。シリケートオリゴマーの含有量としては0.1重量%以上35重量%以下が好ましい。シリケートオリゴマーの含有量が0.1重量%未満になると塗布性が悪化することがある。また、シリケートオリゴマーの含有量が35重量%を超えると、密着性が悪化することがある。
次に、有機層151の塗料の成膜方法について説明する。有機層151の塗料は所望の膜厚を形成することが出来れば任意の方法で成膜可能である。成膜方法の一例としては、スピンコート、ディップコート、バーコート、転写、スプレー塗布、静電塗装などが挙げられる。塗布範囲は、全面に成膜されていても超音波が通過する部分のみに成膜されていてもよい。
有機層151の膜厚は、3μm以上20μm以下であることが好ましく、5μm以上15μm以下であるとより好ましい。有機層151の膜厚が3μm未満になると耐摩耗性が悪化することがある。有機層151の膜厚が20μmを超えると音響特性が悪化することがある。
次に、有機層151の塗料の硬化方法について説明する。有機層151の塗料は、任意の方法で硬化することができる。硬化方法の一例としては、熱硬化、UV硬化、常温乾燥が挙げられる。
また、有機層151は、基剤150への密着性を向上させるために表面処理が施されていてもよい。表面処理の一例としては、UVオゾン処理、プラズマ処理、コロナ放電、イトロ処理が挙げられる。表面処理は、1種類を用いてもよいし複数の表面処理を行ってもよい。
なお、有機層151の製造後、有機層151に水が侵入することで、有機層151に含まれるシリケートオリゴマーが水と反応(加水分解)してケイ素酸化物(二酸化ケイ素)の膜となる。すなわち、有機層151は、シリケートオリゴマーが加水分解したケイ素酸化物を有する。
(有機層151における材料の混合比率)
有機層151の塗膜中に含まれる材料の比率としては、エポキシ樹脂とシリケートオリゴマーの含有比率が10:0.1~10:5体積%であることが好ましい。また、エポキシ樹脂とシリケートオリゴマーの含有比率が10:1~10:2体積%であることがより好ましい。エポキシ樹脂とメチルシリケートオリゴマーの含有比率が10:0.1体積%未満になると基材150への塗布性が悪化することがある。エポキシ樹脂とシリケートオリゴマーの含有比率が10:5体積%を超えると耐水性が悪化することがある。
(有機層152の構成)
有機層152は、有機層151の表面に形成され、親水性を有する。有機層152は、親水性であれば任意のものを用いることができる。親水性の材料の一例としては、アクリレート、ウレタン、ウレタンアクリレート、シリコーン、シルセスキオキサン、フェノール、有機向きハイブリッド系などが挙げられる。これらは、1種類を用いてもよいし複数種類を混合して用いてもよい。
また、有機層152は、水に対する接触角が70°以下であることが好ましく、60°以下であることがより好ましい。水に対する接触角が70°を超えると、ゲル10内に気泡が発生しやすくなり、超音波画像の画質が悪化することがある。また、有機層152の膜硬度は、鉛筆硬度で2H以上であることが好ましく、3H以上であることがより好ましい。鉛筆硬度が2H未満になるとゲル接触評価時の耐摩耗性が悪化し膜が削れて親水膜が剥がれることがある。
次に、その他の成分として、塗料中に硬化剤、UV開始剤、溶剤、希釈剤、可塑剤、カップリング剤、抗菌剤、防腐剤、無機物、染料等が含有されていてもよい。硬化剤としては、有機層152を硬化することができれば任意のものを用いることができる。硬化剤の一例としては、熱硬化剤、UV開始剤などが挙げられる。これらの硬化剤は、1種類を用いてもよいし、複数種類を混合して用いても良い。また、溶剤としては、有機層152を溶解することができれば任意のものを用いることができる。溶剤(有機溶媒)の一例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、トルエン、ベンジルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、エタノールを用いることができる。これらの有機溶媒は、1種類を用いても複数の種類を混合して用いても良い。
(有機層152の製造方法)
有機層152の製造方法について説明する。まず、有機層152を形成するためには、塗料を調合し、調合した塗料を有機層151の表面に成膜後、硬化して膜を形成する。以下に、有機層152の塗料の調合方法、成膜方法、硬化方法について述べる。
まず、有機層152の塗料の調合方法について説明する。本発明の有機層152の塗料は少なくとも親水性の材料を用いる。またその他の成分として、硬化剤や溶剤が含まれていてもよく、全ての材料を混合して用いる。
次に、有機層152の塗料の成膜方法について説明する。有機層152の塗料は、所望の膜厚を形成することができれば任意の方法で成膜可能である。成膜方法の一例としては、スピンコート、ディップコート、バーコート、転写、スプレー塗布、静電塗装などが挙げられる。塗布範囲は、有機層151の上面全面に成膜されていることが好ましい。ただし、塗布範囲は、必ずしも有機層151の上面全面に成膜されなくても良く、例えば、被検体Pの体表面に当接される面に成膜されれば十分である。
本発明の有機層152の膜厚は、3μm以上20μm以下であることが好ましく、4μm以上15μm以下であるとより好ましい。有機層152の膜厚が3μm未満になると評価時の耐摩耗で膜が削れて消失することがある。有機層152の膜厚が20μmを超えると音響特性が悪化することがある。
次に、有機層152の塗料の硬化方法について説明する。有機層152の塗料は任意の方法で硬化させることができる。硬化方法の一例としては、熱硬化、UV硬化、常温乾燥等が挙げられる。
また、有機層152は、有機層151への密着性を向上させるために表面処理が施されていてもよい。表面処理の一例としては、UVオゾン処理、プラズマ処理、コロナ放電、イトロ処理が挙げられる。表面処理は、1種類を用いてもよいし複数の表面処理を行ってもよい。
(ゲル)
超音波プローブ100に用いられるゲル10としては、公知のゲルを任意に適用可能である。例えば、一般的に超音波診断装置用に用いられるものであれば任意のゲルを用いることができる。
なお、図1~図3にて説明した内容はあくまで一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、振動子アレイ110、整合層120、バッキング層130、及びゲル10としては、公知の如何なる技術が適用されても良い。
(音響レンズ140の特性)
図4を用いて、実施形態に係る音響レンズ140の特性について説明する。図4は、実施形態に係る音響レンズ140の特性について説明するための図である。図4において、界面Aは、基材150と有機層151との間の面であり、界面Bは、有機層151と有機層152との間の面である。
図4に示すように、超音波プローブ100において、音響レンズ140は、ポリオレフィンを含む基材150を有する。これにより、音響レンズ140は、減衰係数の低減と、耐水性の向上を実現する。
また、実施形態に係る超音波プローブ100において、音響レンズ140は、最外層(被検体Pの体表面に当接される面)に、親水性を有する有機層152を有する。有機層152は、その親水性により、音響レンズ140の表面とゲル10との間における気泡発生を抑制する。
ただし、有機層152は、水の浸透性が高いため、基材150(ポリオレフィン)に対する密着性の悪化が懸念される。そこで、本実施形態において、基材150の表面には、有機層151がプライマーとして塗布される。有機層151は、シリケートオリゴマーを含む。有機層151のシリケートオリゴマーは、界面Bにおいて、水の侵入により水と反応して強固なケイ素酸化物(二酸化ケイ素)の膜となるため、密着性が悪化しない。また、シリケートオリゴマーは、反応後に水酸基(OH基)が発現するため、有機層152の親水基と水素結合し、密着性がより向上すると推測される。
また、ポリオレフィンは、密着性が低いため、プライマーとして一般的な樹脂を成膜しても塗布性が悪く、更に侵入した水によって密着性が悪化する。そこで、本実施形態に係る有機層151は、エポキシ樹脂及びシリケートオリゴマーを含む。このため、有機層151は、ポリオレフィンとの親和性が非常に高く、良好な密着性及び耐水性が得られる。
以上の特性により、超音波プローブ100は、音響レンズ140における減衰係数の低減と、親水性及び耐久性(耐摩耗性)の向上とを実現する。
なお、上記の説明により実施形態が限定されるものではない。上記の各構成素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、更なる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、実施形態のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
(超音波診断装置への適用)
なお、本実施形態は、超音波診断装置として提供されても良い。
図5を用いて、実施形態に係る超音波診断装置200の構成例を説明する。図5は、実施形態に係る超音波診断装置200の構成例を示す図である。図5に示すように、超音波診断装置200は、本実施形態に係る超音波プローブ100、及び装置本体210を備える。図5に示す超音波プローブ100の構成は、上述した実施形態に係る超音波プローブ100の構成と同様であるので説明を省略する。
また、装置本体210は、例えば、超音波プローブ100によって収集された受信信号に基づいて超音波画像を生成し、生成した超音波画像を表示する装置である。なお、装置本体210の構成としては、公知の技術を任意に適用可能であるので、説明を省略する。
(高機能型超音波プローブへの適用)
近年、超音波の送受信に関する主要な機能を超音波プローブの筐体内に組み込み、この超音波プローブ(以下、「高機能型超音波プローブ」と称する)をパーソナルコンピュータやタブレット端末等の汎用的な情報処理装置に接続することで、超音波診断装置を実現する技術が知られている。上述した実施形態に係る超音波プローブ100は、高機能型超音波プローブにも適用することができる。
(音響カプラへの適用)
また、本実施形態は、音響カプラとして提供されても良い。音響カプラとは、超音波プローブの音響放射面に取り付けられる器具である。例えば、音響カプラは、音響焦点位置を変更したり、被検体との接触面積を拡大させたりすることを目的として、超音波プローブの音響放射面に取り付けられる。なお、音響カプラは、超音波プローブ用カプラの一例である。
図6を用いて、実施形態に係る音響カプラの構成例を説明する。図6は、実施形態に係る音響カプラの構成例を示す図である。図6には、超音波プローブ400の音響放射面に音響カプラ300を嵌合させる前の状態から、嵌合させた後の状態への遷移を例示する。
図6に示すように、音響カプラ300は、超音波プローブ400の音響放射面に着脱自在に取り付けられる。このとき、音響カプラ300及び超音波プローブ400は、図6の破線に沿って組み合わされ、互いに嵌合可能に構成される。なお、超音波プローブ400は、公知の音響レンズが任意に適用されても良いし、上述した音響レンズ140が適用されても良い。
音響カプラ300は、基材310、有機層311、及び有機層312を有する。ここで、基材310は、図3に示した基材150と同様の構成を備え、基材150と同様の製造方法により製造される。また、有機層311は、図3に示した有機層151と同様の構成を備え、有機層151と同様の製造方法により製造される。また、有機層312は、図3に示した有機層152と同様の構成を備え、有機層152と同様の製造方法により製造される。
すなわち、音響カプラ300は、オレフィンを含む基材310と、基材310の表面に形成され、エポキシ樹脂及びシリケートオリゴマーを含む有機層311と、有機層311の表面に形成され、親水性を有する有機層312とを有する。これによれば、音響カプラ300は、減衰係数の低減と、親水性及び耐久性の向上とを実現することができる。
[実施例]
以下に、好適な実施例について説明する。実施例1から実施例12における塗料の調整、膜の成膜・硬化、耐水性の評価、親水性の評価は、下記の方法で行った。
[耐水性]
耐水性の評価方法について説明する。まず、ゲル中に本発明の膜が形成された測定用のサンプルが浸漬されたガラス容器を恒温炉で60℃に加温し、1300時間後に、本実施形態に係る膜(有機層151及び有機層152に対応)が形成された測定用サンプルを取り出した。次に、取り出した測定用サンプルに対してクロスカット試験(JIS5600-5-6準拠)を行い密着性の評価を行った。また、外観を目視で確認し、膜の剥がれや浮きなどの変化の有無を確認した。
ゲルにはSONO JELLY-M(キヤノンメディカルシテムズ)を用いた。恒温槽にはSOFW-300S(アズワン)を用いた。測定用のサンプルには30mm角で厚みが5mmのポリメチルペンテンの板に有機層151及び有機層152を成膜して用いた。
耐水試験後に膜表面のクロスカット試験での剥がれが無く、外観変化無い場合、非常に良好な膜と言える。耐水試験後に膜表面のクロスカット試験での剥がれが有り、外観変化無い場合、良好な膜と言える。耐水試験後に膜表面のクロスカット試験での剥がれが無く、外観変化ある場合、やや良好な膜と言える。耐水試験後に膜表面のクロスカット試験での剥がれが有り、外観変化ある場合、良好な膜とは言えない。
(耐水性評の4段階評価)
A:クロスカット試験での剥がれ無し、外観変化無
B:クロスカット試験での剥がれ有、外観変化無
C:クロスカット試験での剥がれ無し、外観変化有
D:クロスカット試験での剥がれ有、外観変化有
[親水性]
親水性の評価方法について説明する。親水性は、測定用のサンプルに接触角計(VCA-2500:テックサイエンス)を用いて水(純水)の接触角を測定し、評価した。測定用のサンプルには30mm角で厚みが5mmのポリメチルペンテンの板に有機層151及び有機層152を成膜して用いた。
親水性は、接触角が60°未満であれば非常に良好な膜と言える。また、接触角が60°以上70°未満であれば良好な膜と言える。接触角が70°以上の場合、良好な膜とは言えない。
(親水性の3段階評価)
A:接触角が60°未満
B:接触角が60°以上70°未満
C:接触角が70°以上
[鉛筆硬度]
鉛筆硬度の評価方法について説明する。鉛筆硬度は、JIS5600-5-4に準拠して測定した。測定用のサンプルには30mm角で厚みが5mmのポリメチルペンテンの板に有機層151及び有機層152を成膜して用いた。
鉛筆硬度が、3H以上の硬さの場合非常に良好な膜と言える。鉛筆硬度が2H以上3H未満の場合、良好な膜と言える。
[ゲル内の気泡発生の有無による超音波画像の評価]
ゲル内の気泡発生の有無による超音波画像の評価について説明する。本実施形態に係る膜を形成した音響レンズを超音波プローブに組み込み、超音波診断装置に接続して超音波画像を撮影し、気泡発生による超音波画像の悪化有無を評価した。
生体(被検体)に対して、超音波プローブを1秒間当たり5cmの速度で5cmを5往復させ移動直後の画像を撮影し、泡のある表面が高輝度になり、超音波が届かなかった部分が黒く抜けた量(以下、黒抜け量と表記)を超音波画像より評価した。評価は5回行い平均値をとった。
超音波画像の黒抜け量が1%未満の場合、非常に良好な膜と言える。超音波画像の黒抜け量が1%以上10%未満の場合良好な膜と言える。超音波画像の黒抜けが10%以上15%未満の場合やや良好な膜と言える。超音波画像の黒抜け量が15%以上の場合、良好な膜とは言えない。
(超音波画像の黒抜け4段階評価)
A:超音波画像の黒抜け量が1%未満
B:超音波画像の黒抜け量が1%以上10%未満
C:超音波画像の黒抜け量が10%以上15%未満
D:超音波画像の黒抜け量が15%以上
[超音波プローブ静止時の超音波画像の評価]
超音波プローブ静止時の超音波画像の評価について説明する。本実施形態に係る膜を形成した音響レンズを超音波プローブに組み込み、超音波診断装置に接続して超音波画像を評価した。まず、本実施形態に係る膜を形成していない超音波プローブの超音波画像を撮影し、その後、本実施形態に係る膜を形成した超音波プローブの超音波画像を撮影した。撮影した各々の超音波画像に対する輝度を測定し、本実施形態に係る膜を形成していない超音波プローブの輝度を100%とした場合の本実施形態に係る膜を形成した超音波プローブの輝度比を算出して超音波画像の鮮明さを判別した。
超音波画像の輝度比が95%以上の場合、非常に良好な膜と言える。超音波画像の輝度比が90%以上95%未満の場合、良好な膜と言える。超音波画像の輝度比が90%未満の場合良好な膜とは言えない。
(超音波プローブ静止時の超音波画像の3段階評価)
A:超音波画像の輝度比が95%以上
B:超音波画像の輝度比が90%以上95%未満
C:超音波画像の輝度比が90%未満
[実施例1]
<塗料の調整>
実施例1は以下の方法で塗料を作製した。有機層151は、エポキシ樹脂100g(塗膜換算71.4体積%)、メチルシリケートオリゴマー10g(塗膜換算7.1体積%)、溶剤40g、アミン系硬化剤30g(塗膜換算21%)を秤量し、遊星回転装置(AR-100;シンキー)にて2分間撹拌して、実施例1の有機層151の塗料を得た。エポキシ樹脂にはjER806(三菱化学)を用いた。エポキシ樹脂とシリケートオリゴマーの体積比率は10:1になるように混合した。メチルシリケートオリゴマーにはMS51(三菱化学)を用いた。また、溶剤には1-メトキシ-2-プロパノール(キシダ化学)を用いた。また、硬化剤には、アデカハードナーEH-6019(ADEKA)を用いた。
有機層152は、ウレタンアクリレート100gと光開始剤3g、溶剤40gを秤量し、遊星回転装置(AR-100;シンキー)にて2分間撹拌して、実施例1の有機層152の塗料を得た。ウレタンアクリレートには、ノストラDBH(三井化学)を用いた。光開始剤には、Omnirad1173(IGM Resins B.V.)を用いた。溶剤には、1-メトキシ-2-プロパノール(キシダ化学)を用いた。
<膜の作製>
実施例1では以下の方法で膜を作製した。上記の塗料について膜硬度評価用、親水性評価用、耐水性評価用、ゲル内への気泡発生の有無による超音波画像の評価用、超音波プローブ静止時の超音波画像評価用の試験片を以下の方法で作製した。
まず、有機層151が5μmの膜厚になるように基材150にスピンコートし、120℃で60分間加熱して硬化させた。次に有機層152が4μmの膜厚になるように有機層151上に成膜し、UV硬化装置で50mW/cm2で20秒間照射し、実施例1の膜を得た。基材150としてはポリメチルペンテン(三井化学)を用いた。
[実施例2~12]
実施例2~12では、下記の表1及び表2の材料及び条件に変更した点を除き、実施例1と同様にして、塗料及び膜を作製した。
実施例2のエチルシリケートオリゴマーにはエチルシリケート48(コルコート)を用いた。実施例3のメチルシリケートオリゴマーとエチルシリケートオリゴマーの混合物にはEMS-485(コルコート)を用いた。実施例5のウレタンアクリレートには8UX-047A(大成ファインケミカル)を用いた。実施例6のウレタンアクリレートには8UX-047A(大成ファインケミカル)と8DK-3000(大成ファインケミカル)を1対1重量%で混合した使用した。実施例12のウレタンアクリレートにはEPS-571(DIC)とノストラDBH(三井化学)を1対1重量%で混合して用いた。
(評価結果)
上記の方法により、親水性、耐水性、超音波画像の黒抜け量、超音波プローブ静止時の超音波画像評価について実施例1から実施例12の結果を、下記の表3及び表4に表した。
評価結果としては、以下に述べる範囲であればよい。親水性は水に対する接触角が70°未満であればよく、より好ましくは60°未満である。耐水性試験は外観変化がなければよく、耐水試験後のクロスカット試験で剥がれが発生しなければより好ましい。鉛筆硬度は2H以上であればよく、3H以上であればより好ましい。超音波画像の黒抜け量は15%未満であればよく、10%未満であればよりよく、1%未満であれば更により好ましい。超音波プローブ静止時の超音波画像は、超音波画像の輝度比が90%以上であればよく、95%以上であればより好ましい。
表3に示すように、基材150にポリメチルペンテン、有機層151にエポキシ樹脂71.4体積%、シリケートオリゴマー7.1体積%、アミン系硬化剤21%を含み、有機層152にウレタンアクリレート97体積%、光開始剤3体積%を含み、膜硬度が3H以上の実施例1の膜について評価を行った。親水性は、60°未満であり、非常に良好であった。また、耐水性はクロスカット試験での剥がれや外観の変化がなく非常に良好であった。また超音波画像の黒抜け量は1%未満であり、非常に良好であった。また、超音波プローブ静止時の超音波画像の輝度比は95%以上であり、非常に良好であった。
表3に、実施例1と比較してエチルシリケートオリゴマーの含有量が13.3体積%と多く、エポキシ樹脂とシリケートオリゴマーの体積比率は10:2になるように調整した実施例2の膜について評価を行った。その結果、親水性は、60°未満であり、非常に良好であった。また、耐水性はクロスカット試験での剥がれや外観の変化がなく非常に良好であった。また超音波画像の黒抜け量は1%未満であり、非常に良好であった。また、超音波プローブ静止時の超音波画像の輝度比は95%以上であり、非常に良好であった。
表3に実施例1と比較してエチルシリケートオリゴマーの含有量が5.8体積%と少なく、エポキシ樹脂とシリケートオリゴマーの体積比率は10:0.8になるように調整した実施例3の膜について評価を行った。その結果、親水性は、60°未満であり、非常に良好であった。また、耐水性はクロスカット試験での剥がれが一部発生したものの外観の変化がなく良好であった。また超音波画像の黒抜け量は1%未満であり、非常に良好であった。また、超音波プローブ静止時の超音波画像の輝度比は超音波画像の輝度比が90%以上95%未満であり、良好であった。
表3に実施例1と比較してエチルシリケートオリゴマーの含有量が16.1体積%と多く、エポキシ樹脂とシリケートオリゴマーの体積比率は10:2.5になるように調整した実施例4の膜について評価を行った。その結果、親水性は、60°未満であり、非常に良好であった。また、耐水性はクロスカット試験での剥がれが一部発生したものの外観の変化がなく良好であった。また超音波画像の黒抜け量は1%未満であり、非常に良好であった。また、超音波プローブ静止時の超音波画像の輝度比は超音波画像の輝度比が95%以上であり、非常に良好であった。
表3に実施例1と比較して膜硬度が2Hと低く調整した実施例5の膜を評価した。親水性は、60°未満であり、非常に良好であった。また、耐水性はクロスカット試験での剥がれや外観の変化がなく非常に良好であった。また超音波画像の黒抜け量は1%未満であり、非常に良好であった。また、超音波プローブ静止時の超音波画像の輝度比は95%以上であり、非常に良好であった。ただし、膜硬度が低いため耐摩耗性が若干低いが問題のない範囲であった。
表3に実施例1と比較して膜硬度が1Hと低く調整した実施例6の膜を評価した。親水性は、60°未満であり、非常に良好であった。また、耐水性はクロスカット試験での剥がれや外観の変化がなく非常に良好であった。また超音波画像の黒抜け量は1%未満であり、非常に良好であった。また、超音波プローブ静止時の超音波画像の輝度比は95%以上であり、非常に良好であった。ただし、膜硬度が低いため耐摩耗性が低いが問題のない範囲であった。
表4に実施例1と比較して有機層151の膜厚を15μmと厚く調整した実施例7の膜を評価した。親水性は、60°未満であり、非常に良好であった。また、耐水性はクロスカット試験での剥がれや外観の変化がなく非常に良好であった。また超音波画像の黒抜け量は1%未満であり、非常に良好であった。また、超音波プローブ静止時の超音波画像の輝度比は90%以上95%未満であり、良好であった。
表4に実施例1と比較して有機層151の膜厚を3μmと薄く調整した実施例8の膜を評価した。親水性は、60°未満であり、非常に良好であった。また、耐水性はクロスカット試験での剥がれが一部発生したものの外観の変化がなく良好であった。また超音波画像の黒抜け量は1%未満であり、非常に良好であった。また、超音波プローブ静止時の超音波画像の輝度比は95%以上であり、非常に良好であった。
表4に実施例1と比較して有機層151の膜厚を17μmと厚く調整した実施例9の膜を評価した。親水性は、60°未満であり、非常に良好であった。また、耐水性はクロスカット試験での剥がれや外観の変化がなく非常に良好であった。また超音波画像の黒抜け量は1%未満であり、非常に良好であった。また、超音波プローブ静止時の超音波画像の輝度比は90%以上95%未満であり、使用できる範囲であった。
表4に実施例1と比較して有機層152の膜厚を3μmと薄く調整した実施例10の膜を評価した。親水性は、60°未満であり、非常に良好であった。また、耐水性はクロスカット試験での剥がれや外観の変化がなく非常に良好であった。また超音波画像の黒抜け量は1%未満であり、非常に良好であった。また、超音波プローブ静止時の超音波画像の輝度比は95%以上であり、非常に良好であった。ただし、膜厚が薄いため耐摩耗性が若干低いが問題のない範囲であった。
表4に実施例1と比較して有機層152の膜厚を15μmと薄く調整した実施例11の膜を評価した。親水性は、60°未満であり、非常に良好であった。また、耐水性はクロスカット試験での剥がれや外観の変化がなく非常に良好であった。また超音波画像の黒抜け量は1%未満であり、非常に良好であった。また、超音波プローブ静止時の超音波画像の輝度比は90%以上95%未満であり、問題がない範囲であった。
表4に実施例1と比較して有機層152のウレタンアクリレートをEPS-571(DIC)とノストラDBH(三井化学)を1対1重量%で混合したものに変更して調整した実施例12の膜を評価した。親水性は、70°未満であり、問題のない範囲であった。また、耐水性はクロスカット試験での剥がれや外観の変化がなく非常に良好であった。また超音波画像の黒抜け量は10%以上15%未満であり、問題のない範囲であった。また、超音波プローブ静止時の超音波画像の輝度比は95%以上であり、問題のない範囲であった。
[比較例1~比較例3]
比較のための塗料の調整、膜の調整、膜硬度評価用、親水性評価用、耐水性評価用、ゲルの泡巻き込み有無による超音波画像の評価用、超音波プローブ静止時の超音波画像評価用の試験片を前述の実施例1から実施例12と同様に行った。実施例1から実施例12と異なる点について以下に示す。
表5に比較例1~比較例3の膜を構成する有機層A、有機層Bの材料構成および含有量、膜の特性を示す。表6に比較例1~比較例3の膜を用いて評価した結果をそれぞれ示す。なお、有機層Aは、本実施形態に係る有機層151に相当する位置に形成される有機層であり、有機層151とは材料構成が異なる。また、有機層Bは、本実施形態に係る有機層152に相当する位置に形成される有機層であり、有機層152とは材料構成が異なる。
表6に実施例1に対して有機層Aがシリケートオリゴマーを含有しない膜を調整した比較例1の膜を評価した。シリケートオリゴマーを含有しないため、成膜時に均一に膜を形成することが出来なかった。親水性は、60°未満であり、非常に良好であった。また、耐水性はクロスカット試験での剥がれが発生し、外観の変化も発生し不良であった。また超音波画像の黒抜け量は1%未満であり、非常に良好であった。また、超音波プローブ静止時の超音波画像の輝度比は90%未満であり、不良であった。
表6に実施例1に対して有機層Aの主剤にオレフィン樹脂を用いて調整した比較例2の膜を評価した。親水性は、60°未満であり、非常に良好であった。また、耐水性はクロスカット試験での剥がれ及び外観の変化が発生し不良であった。超音波画像の黒抜け量は1%未満であり、非常に良好であった。また、超音波プローブ静止時の超音波画像の輝度比は95%以上であり、非常に良好であった。
表6に実施例1に対して有機層Bの主剤にエポキシ樹脂を用いて調整した比較例3の膜を評価した。親水性は、70°以上であり、不良であった。また、耐水性はクロスカット試験での剥がれや外観の変化がなく非常に良好であった。また超音波画像の黒抜け量は15%以上であり、不良であった。また、超音波プローブ静止時の超音波画像の輝度比は95%以上であり、非常に良好であった。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、音響レンズにおける減衰係数の低減と、親水性及び耐久性の向上とを実現することができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100 超音波プローブ
140 音響レンズ
150 基材
151 有機層
152 有機層
200 超音波診断装置

Claims (9)

  1. ポリオレフィンを含む基材と、
    前記基材の表面に形成され、エポキシ樹脂及びシリケートオリゴマーを含む第1有機層と、
    前記第1有機層の表面に形成され、親水性を有する第2有機層と
    を有する超音波プローブ。
  2. 前記第1有機層は、前記シリケートオリゴマーとして、メチルシリケートオリゴマー及びエチルシリケートオリゴマーのうち少なくとも一方を含む、
    請求項1に記載の超音波プローブ。
  3. 前記第2有機層は、鉛筆硬度で3H以上の膜硬度を有する、
    請求項1又は2に記載の超音波プローブ。
  4. 前記第1有機層は、前記エポキシ樹脂と前記シリケートオリゴマーの含有比率が10:0.1~10:5体積%である、
    請求項1~3のいずれか一つに記載の超音波プローブ。
  5. 前記第1有機層は、前記エポキシ樹脂と前記シリケートオリゴマーの含有比率が10:1~10:2体積%である、
    請求項1~3のいずれか一つに記載の超音波プローブ。
  6. 前記第1有機層は、前記シリケートオリゴマーが加水分解したケイ素酸化物を有する、
    請求項1~4のいずれか一つに記載の超音波プローブ。
  7. オレフィンを含む基材と、
    前記基材の表面に形成され、エポキシ樹脂及びシリケートオリゴマーを含む第1有機層と、
    前記第1有機層の表面に形成され、親水性を有する第2有機層と
    を有する音響レンズ。
  8. オレフィンを含む基材と、
    前記基材の表面に形成され、エポキシ樹脂及びシリケートオリゴマーを含む第1有機層と、
    前記第1有機層の表面に形成され、親水性を有する第2有機層と
    を有する超音波プローブ、
    を備える超音波診断装置。
  9. オレフィンを含む基材と、
    前記基材の表面に形成され、エポキシ樹脂及びシリケートオリゴマーを含む第1有機層と、
    前記第1有機層の表面に形成され、親水性を有する第2有機層と
    を有する超音波プローブ用カプラ。
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