JP2023037906A - 超音波トランスデューサ、超音波探触子、超音波診断装置および超音波トランスデューサの製造方法 - Google Patents

超音波トランスデューサ、超音波探触子、超音波診断装置および超音波トランスデューサの製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023037906000001
【課題】音響部材どうしの接着強度を向上させ、ダイシングを行う際の音響部材の剥離、および、消毒、洗浄時における音響部材の剥離を、それぞれ抑制することができる、超音波トランスデューサ、上記超音波トランスデューサを有する超音波探触子、上記超音波探触子を有する超音波診断装置、ならびに超音波トランスデューサの製造方法を提供すること。
【解決手段】複数の音響部材が積層された積層体と、多官能のシランカップリング剤と、接着剤と、を含み、前記複数の音響部材のうち、任意の2つの前記音響部材を接合させる接着層と、を有する、超音波トランスデューサ。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波トランスデューサ、超音波探触子、超音波診断装置および超音波トランスデューサの製造方法に関する。
超音波探触子は、超音波診断装置に接続され、または超音波診断装置と通信可能に構成されたものを、体表に当てるか、または、体内へ挿入するという簡単な操作で、生体組織の形状および動きなどを診断画像として得るために用いられる。
超音波探触子は、超音波を送受信するための超音波トランスデューサ等を内蔵する。超音波トランスデューサは、圧電材や音響整合層などの複数の音響部材が積層された積層体を有し、これら複数の音響部材の多くは接着剤などで接着されている。このような超音波トランスデューサは、接着剤などが剥離した場合、超音波の送受信が正常に行われず、診断画像の精度の低下が生じてしまうため、使用に適さなくなってしまう。そのため、圧電材や整合層などの音響部材どうしの接着強度の向上が求められている。
音響部材間の接着強度を高める方法として、シランカップリング剤を用いることが知られている。
例えば、特許文献1には、圧電材の金電極と、樹脂層(音響整合層)との接着面に、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシランを主成分とするシランカップリング剤と、接着剤とを用いて接着させた超音波探触子が開示されている。特許文献1によれば、樹脂層が金電極から剥離する等の不具合を抑制することができ、安定した超音波特性を得ることができた、とされている。
また、特許文献2には、圧電材に被膜された金表面に、含硫アルコキシシランを含む溶液で表面処理し、含硫アルコキシシランを含む接着剤を、上記金表面および音響インピーダンス層に塗布して接着された超音波トランスデューサが開示されている。特許文献2によれば、金表面を、含硫アルコキシシランを含む容液で処理した後に、含硫アルコキシシランを含んだ接着剤を用いることで、金表面と音響インピーダンス層との接着強度を高めることができた、とされている。
特開2003-284192号公報 特開2005-139458号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたシランカップリング剤や、特許文献2に記載されたシランカップリング剤を接着剤と共に用いて超音波トランスデューサを製造しようしても、積層させた音響部材どうしの接着強度を十分に確保することができないことがあった。
そのため、超音波トランスデューサの製造時にダイシングを行う際、複数の音響部材の積層体にかかる応力により、接着させた一方の音響部材が、他方の音響部材から剥離してしまうことがあった。
また、超音波トランスデューサを内蔵する超音波探触子は、上述のように、人体に接触させて使用するため、使用後に消毒液に浸漬するなどして、消毒、洗浄をすることが必要となる。超音波探触子の消毒、洗浄を行う際、薬液が超音波探触子の内部に染みこみ、接着強度が低下してしまうことがあった。そのため、接着させた一方の音響部材が、他方の音響部材から剥離してしまうことがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、音響部材どうしの接着強度を向上させ、ダイシングを行う際の音響部材の剥離、および、消毒時、洗浄時における音響部材の剥離を、それぞれ抑制することができる、超音波トランスデューサ、上記超音波トランスデューサを有する超音波探触子、上記超音波探触子を有する超音波診断装置、ならびに超音波トランスデューサの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための、本発明の一実施の形態に係る超音波トランスデューサは、複数の音響部材が積層された積層体と、多官能のシランカップリング剤と、接着剤とを含み、前記複数の音響部材のうち、任意の2つの前記音響部材を接合する接着層と、を有する。
また、上記課題を解決するための、本発明の一実施の形態に係る超音波探触子は、上記超音波トランスデューサを有する。
また、上記課題を解決するための、本発明の一実施の形態に係る超音波診断装置は、上記超音波探触子を有する。
また、上記課題を解決するための、本発明の一実施形態に係る超音波トランスデューサの製造方法は、複数の音響部材のうち少なくとも一つの音響部材の表面に、多官能のシランカップリング剤と接着剤とを含む接着層を配置する工程と、前記接着層が配置された前記表面に、他の音響部材を積層する工程と、を有する。
本発明によれば、音響部材どうしの接着強度を向上させ、ダイシングを行う際の音響部材の剥離、および、消毒時、洗浄時における音響部材の剥離を、それぞれ抑制することができる、超音波トランスデューサ、上記超音波トランスデューサを有する超音波探触子、上記超音波探触子を有する超音波診断装置、ならびに超音波トランスデューサの製造方法が提供される。
図1は、本発明の一実施形態に係る超音波トランスデューサの全体構造の一例を示す断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る超音波探触子を有する超音波診断装置の構成を示す模式図である。 図3A、Bは、ダイシング後の音響整合層の状態を顕微鏡で撮影した画像である。 図4A、Bは、超音波探触子をエタノールに浸漬させた後の音響整合層と圧電材との状態を顕微鏡で撮影した画像である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
1.超音波トランスデューサ
1-1.超音波トランスデューサの構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る超音波トランスデューサ100の全体構造の一例を示す断面図である。
図1に示されるように、超音波トランスデューサ100は、バッキング材110と、フレキシブルプリント基板120と、圧電材130と、接着層140と、整合層150と、音響レンズ160と、を有する。以下、各構成について図面を参照しながら説明する。
本実施の形態において、「音響部材」とは、超音波トランスデューサ100に用いられる部材の総称であり、バッキング材110、フレキシブルプリント基板120、圧電材130、音響整合層150、および音響レンズ160を含む。
また、本明細書中において、圧電材130から音響レンズ160に向かう方向(図1におけるZ方向)を、超音波を送信する方向とし、超音波を送信する方向、および、これと逆向きの方向を合わせた総称を、超音波の伝搬方向という。また、本実施の形態では、「超音波トランスデューサ」は、超音波探触子に含まれる、音響部材の積層体を指す。
(バッキング材)
バッキング材110は、後述するフレキシブルプリント基板120や、圧電材130などを支持するための部材である。後述する圧電材130は、体積振動することにより、超音波を送信する方向に超音波を発振するほか、超音波を送信する方向とは、逆向きの方向に対しても、わずかに超音波を発振する。バッキング材110は、圧電材130から発せられた、上記逆向きの方向の超音波を減衰させるための部材として機能する。
本実施の形態では、バッキング材110が一層で構成されているが、バッキング材110は、複数の層の積層体であってもよい。
バッキング材110に含まれる材料は、特に限定されない。上記材料の例には、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などが含まれる。バッキング材110は、超音波を減衰させる機能を調整するために、シリコーンゴム粒子などの有機粒子を含んでもよい。
バッキング材110の、超音波の伝搬方向の厚みは、その材料や、超音波トランスデューサ100の発振波長等に応じて適宜選択されるが、0.5mm以上10.0mm以下であることが好ましく、2.0mm以上5.0mm以下がより好ましい。バッキング材110の厚みが上記範囲であると、上記逆向きの方向の超音波を十分に減衰させることができる。また、上記厚みが0.5mm以上であると、圧電材130からの超音波を反射させにくくすることができ、10mm以下であると、バッキング材110を小型化させることができ、より加工性に優れる。
(フレキシブルプリント基板)
フレキシブルプリント基板(以下、FPCと称する。)120は、後述する圧電材130に信号電極170a、170bを介して信号を伝えたり、圧電材130から信号電極170a、170bを介して信号を受信したりするための部材として機能する。本実施の形態では、FPC120は、バッキング材110と、圧電材130との間に配置され、外部の電源や診断装置等と電気的に接続される。なお、FPC120は、バッキング材110と、圧電材130との間に加え、圧電材130と音響整合層150(接着層140)との間に配置されていてもよい。
(圧電材)
圧電材130は、バッキング材110上に配置されたFPC120上に配置され、超音波を送受信する部材として機能する。
圧電材130の、超音波の伝搬方向の厚みは、超音波トランスデューサの種類や、超音波トランスデューサが発振する周波数に応じて適宜選択されるが、例えば50μm以上400μm以下である。
上記圧電材料130aの例には、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系等の圧電セラミック;マグネシウム酸ニオブ酸鉛・チタン酸鉛固溶体(PMN-PT)、亜鉛酸ニオブ酸鉛・チタン酸鉛固溶体(PZN-PT)等の圧電単結晶;およびこれらの材料と高分子材料を複合した複合圧電材;などが含まれる。
また、圧電材130の両面に配置される複数の信号電極170aおよび170bは、圧電材130に電圧を印加するための電極である。信号電極170aおよび170bは、上述のFPC120と電気的に接続され、かつ十分に圧電材130との間で信号を授受可能であれば特に限定されず、例えば、金や銀、銅等からなる層とすることができる。
(接着層)
接着層140は、多官能のシランカップリング剤と、接着剤と、を含み、複数の音響部材の間の少なくとも一つに配置され、複数の音響部材のうち任意の2つの音響部材を接合する。
上述のように、音響部材間の接着強度をより向上させるための方法として、シランカップリング剤を用いる方法が知られている。シランカップリング剤は、樹脂などの有機材料との反応性が良好なメルカプト基などの反応性官能基と、金属などの無機材料の表面に存在する水酸基との反応性が良好なアルコキシ基とを、分子鎖の両端に有する。これにより、シランカップリング剤を用いることで、有機材料および無機材料の表面に、上記官能基および上記アルコキシ基がそれぞれ結合して、これらの密着性を高めることができる。そのため、シランカップリング剤を用いることは、無機材料と、有機材料との接着強度を向上させるのに、特に有用であるとされている。
しかしながら、上述のように、特許文献1に記載されている、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシランを含むカップリング剤と、接着剤とを用いて音響部材どうしを接着させたり、特許文献2に記載されている、含硫アルコキシシランを含む接着剤を用いて、音響部材どうしを接着させたりしても、十分な接着強度を得ることができないことがあった。
本発明者らは、接着させる音響部材表面に存在する微少な汚れを除去することで、接着強度を高めることができると考え、上記表面に酸素プラズマ処理等の表面処理を行ってから、音響部材を接着させることを試みた。しかしながら、この場合においても、特許文献1および特許文献2に記載されたシランカップリング剤では、十分な接着強度を得ることができなかった。
そのため、超音波トランスデューサの製造時にダイシングを行う際、複数の音響部材の積層体にかかる応力により、接着させようとする一方の音響部材が、他方の音響部材から剥離してしまうことがあった。
また、超音波トランスデューサを内蔵する超音波探触子は、上述のように、人体に接触させて使用するため、使用後に消毒液に浸漬するなどして、消毒および洗浄をすることが必要となる。超音波探触子の消毒および洗浄を行う際、薬液が超音波探触子の内部に染みこんでしまうことがある。この染みこんだ薬液が、超音波トランスデューサにおける、接着させた音響部材間に入り込むことで、接着剤が膨潤してしまうため、接着強度が低下してしまうことがあった。そのため、接着させようとする一方の音響部材が、他方の音響部材から剥離してしまうことがあった。
そこで、本発明者らは、用いるシランカップリング剤の種類を変えて、音響部材どうしの接着強度を高めようと考えた。
本発明者らが鋭意研究したところ、1分子中に反応性官能基を複数有する、多官能のシランカップリング剤と、接着剤とを含む接着層を音響部材の表面に塗布し、音響部材を接着させることで、音響部材の接着強度が向上することを見出した。
これらの結果について、本発明者らの検討によると、特許文献1に記載されている、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、および、特許文献2に記載されている含硫アルコキシシランは、シランカップリング剤のSi原子と反応性官能基との間に結合している有機鎖の原子数(炭素数)が、いずれも3以下であるため、疎水性の有機鎖どうしの相互作用が十分に生じにくいと考えられる。そのため、音響部材間の接着面に分子を十分な密度で配向させることができないため、十分な接着強度を得られなかったと考えられる。また、特許文献1および特許文献2では、1分子中の反応性官能基の数が1つであるため、音響整合層などの音響部材に含まれる樹脂に対して、十分にシランカップリング剤を結合させることができず、十分な接着強度を得られなかったと考えられる。
これに対して本願発明で用いるシランカップリング剤は、1分子中に複数の反応性官能基を有するため、これらと結合する有機鎖の炭素数が、より多くなる。そのため、有機鎖どうしの相互作用を高めて、音響部材間の接着面にシランカップリング剤を、十分に密度を高めて配向させることができるため、接着強度を向上させることができると考えられる。また、1分子中に複数の反応性官能基を有することで、樹脂などの有機材料を含む音響部材に対して、上記1分子中の複数箇所で結合することができるため、接着強度が高まると考えられる。
そして、本発明者らは、多官能のシランカップリング剤を用いることで、ダイシングや、消毒を行う際に起こる、音響部材の剥離をも抑制するのに、十分な接着強度が得られることを見出した。
本明細書において、上記「有機鎖」は、シランカップリング剤において、シランアルコキサイド基および反応性官能基以外の部分であり、炭素原子を含む、鎖状構造を有するものをいう。
上記有機鎖に含まれる炭素数は、4以上であることが好ましく、4以上12以下であることが好ましく、4以上6以下であることがより好ましい。有機鎖に含まれる炭素数が上記範囲にあることで、有機鎖どうしの相互作用を高めて、分子を十分な密度で配向させて、音響部材どうしの接着強度をより高めることができる。
シランカップリング剤は、Si原子に複数のアルコキシ基が結合した構造を有する、シランアルコキサイド基を有する。上記アルコキシ基は、特に限定されず、例えば、メトキシ基やエトキシ基である。無機材料を含む音響部材に対して、シランカップリング剤を十分に結合させて、接着強度をより高める観点から、1つのSi原子に結合するアルコキシ基の数は、3つであることが好ましい。
シランカップリング剤において、1分子中に含まれるシランアルコキサイド基の数は、特に限定されないが、2個以上であることが好ましく、2個以上6個以下であることが好ましく、2個以上4個以下であることがより好ましい。1分子中に含まれるシランアルコキサイド基の数が2個以上であることで、無機材料を含む音響部材に対して、シランカップリング剤を十分に結合させて、接着強度をより高めることができる。1分子中に含まれるシランアルコキサイド基の数が6個以下であることで、分子内の立体障害を生じにくくして、無機材料を含む音響部材に対してシランカップリング剤を十分に結合させ、接着強度をより高めることができる。
シランカップリング剤に含まれる反応性官能基の種類は、特に限定されず、例えば、アクリロイル基、エポキシ基、メルカプト基、アミノ基、イソシアネート基などである。これらのうち、音響部材どうしの接着強度をより高める観点から、上記官能基は、メルカプト基、アミノ基であることがより好ましい。また、上記官能基は、樹脂を含む音響部材を他の音響部材と接着させる際は、アミノ基であることが好ましい。また、例えば、金を材料とする電極を含む圧電材と、音響整合層とを接着させる際は、上記官能基はメルカプト基であることが好ましい。
シランカップリング剤において、1分子中に含まれる反応性官能基の数は、2個以上であれば特に限定されないが、2個以上6個以下であることが好ましく、2個以上4個以下であることがより好ましい。1分子中に含まれる反応性官能基の数が、2個以上であることで、上述のように、有機材料を含む音響部材に対して、シランカップリング剤を十分に結合させて、接着強度をより高めることができる。1分子中に含まれる反応性官能基の数が6個以下であることで、分子内の立体障害を生じにくくして、有機材料を含む接着剤に対してシランカップリング剤を十分に結合させ、接着強度をより高めることができる。
シランカップリング剤の動粘度は、特に限定されないが、8.0mm/s以上6000mm/s以下であることが好ましく、8.0mm/s以上4000mm/s以下であることがより好ましく、8.5mm/s以上2000mm/s以下であることがさらに好ましい。上記動粘度が8.0mm/s以上であることで、シランカップリング剤を増粘させて、接着層140に含ませやすくすることができる。また、一般的に、分子の分子量と粘度(動粘度)とは正の相関があるため、カップリング剤の粘度が高いとき、カップリング剤の分子量が大きくなる傾向がある。カップリング剤の分子量が増加すると、有機鎖の原子数(炭素数)が増加し、有機鎖どうしの相互作用を高めて、シランカップリング剤を十分な密度で配向させることができるため、接着強度を向上させることができる。このような観点からも、上記動粘度は、8.0mm/s以上であることが好ましい。また、上記動粘度が、6000mm/s以下であることで、流動性を確保して、接着層140にシランカップリング剤を含ませやすくすることができる。
シランカップリング剤の、反応性官能基の当量は、特に限定されないが、150g/mol以上600g/mol以下であることが好ましく、200g/mol以上600g/mol以下であることがより好ましい。本明細書において、「反応性官能基の当量」は、シランカップリング剤1molに対する、反応性官能基の質量を反応性官能基の数で割った値のことをいう。そのため、上記当量が150g/mol以上であることで、シランカップリング剤の分子量が過剰に大きくなりすぎず、粘度が過剰に増加することを抑制して、シランカップリング剤を接着層140に含ませやすくすることができる。また、上記当量が、600g/mol以下であることで、1分子中の官能基の数を増加させて、有機材料を含む音響部材との接着性を十分に高めることができる。さらに、上記当量が、600g/mol以下であるとき、シランカップリング剤の分子量が増加することで、有機鎖の原子数を増やして、有機鎖どうしの相互作用を高めることができる。そのため、音響部材間の接着面にシランカップリング剤を十分な密度で配向させて、接着強度を向上させることができる。
多官能のシランカップリング剤は市販品を用いてもよい。上記市販品の例には、X-12-1048、X-12-1050、X-12-981S、X-12-984S、X-12-1154、X-12-1156、X-12-972F、X-12-1159L(いずれも信越化学工業株式会社製)などが含まれる。
接着層140が配置される位置は、複数の音響部材の間の少なくとも一つに配置されれば、特に限定されない。本実施の形態では、接着層140は、圧電材130と音響整合層150との間に配置され、これらを接合する。本実施の形態では、接着層140において、圧電材130側におけるシランカップリング剤の濃度が、音響整合層150側よりも高い。
接着層140は、炭素数が2以上6以下である有機酸、または、その塩を含むことが好ましい。
シランカップリング剤のシランアルコキサイド基に含まれるアルコキシ基は、シランカップリング剤を含む溶液中で起こる加水分解により、水酸基を生成する。この水酸基と、無機材料の表面に存在する水酸基とが反応することで、シランカップリング剤と無機材料の表面とが結合される。このとき、接着層140が有機酸を含むことで、酸性条件下で加水分解を促進させることができるため、アルコキシ基から水酸基が生成されやすくなる。そのため、シランカップリング剤と無機材料の表面に存在する水酸基との反応性を高めて十分に結合させ、音響部材の接着強度をより高めることができる。このような理由から、有機酸は、シランカップリング剤を含む溶液に含まれることが好ましく、上記溶液が音響部材の表面に塗布されることにより、接着層140に有機酸が含まれるようにすることが好ましい。
上記有機酸の例として、酢酸、プロピオン酸、ペンタン酸、酪酸、ヘキサン酸、クエン酸、乳酸などが含まれる。
上記有機酸の炭素数が2以上であることで、シランカップリング剤と無機材料の表面に存在する水酸基との反応性を高めて十分に結合させ、音響部材の接着強度をより高めることができ、6以下であることで、上記有機酸が、シランカップリング剤を含む溶液に対して溶解しやすくなる。上記観点から、上記有機酸の炭素数は、2以上4以下であることが好ましい。
音響部材の接着時に、接着層に含ませる接着剤を加熱して粘度を適度に低下させることがある。このとき、炭素数が2以上6以下である上記有機酸は、沸点が60℃以上であるため、接着層140から上記有機酸が揮発してしまうことを抑制することができる。上記観点から、上記有機酸の沸点は、60℃以上210℃以下であることが好ましく、100℃以上180℃以下であることがより好ましい。
接着層140に含まれる接着剤の種類は、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂を含むエポキシ系接着剤や、シリコーン樹脂を含むシリコーン接着剤などである。
上記接着剤のガラス転移温度(T)は、60℃以上である。これにより、接着させた音響部材をダイシングする際に生じる摩擦熱によって、接着剤が軟化することを抑制することができる。そのため、上記ガラス転移温度(T)が60℃以上であることで、ダイシング時に音響部材が剥離してしまうことを、より抑制することができる。上記観点から、接着剤のガラス転移温度(T)は、60℃以上200℃以下であることが好ましい。200℃以下であると、接着剤を塗布する際に必要な加熱量を、抑制することができる。上記ガラス転移温度(T)は、示差走査熱量計「ダイヤモンドDSC」(パーキンエルマー社製)を用いて、温度の昇降速度を10℃/min、昇温範囲を0℃から150℃までとする昇温・冷却条件によって測定することができる。
接着層140の、超音波の伝搬方向の厚さは、特に限定されないが、1μm以下であることが好ましく、0.1μm以上1μm未満であることが好ましい。接着層140の上記厚さが1μm以下であることで、接着させる音響部材間の音響インピーダンスの差による超音波の反射を、より十分に抑制することができる。また、接着層140の上記厚さが0.1μm以上であることで、接着強度をより十分に高めることができる。
接着層140が配置される音響部材の表面は、例えば、アルカリ酸洗浄、UV処理、酸素プラズマ処理などの表面処理がなされていることが好ましい。これにより、音響部材表面に存在する、微少な汚れを除去することができるため、上記汚れによる接着強度の低下を抑制することができる。
なお、接着層140は、各音響部材(本実施の形態では、バッキング材110、FPC120、圧電材130、整合層150、音響レンズ160)の間いずれかに1つ配置されていてもよいし、各音響部材の間のうちの2つに配置されていてもよいし、各音響部材のそれぞれの間に配置されていてもよい。
(音響整合層)
音響整合層150は、圧電材130上に配置されたFPC120上に配置される層であり、圧電材130と音響レンズ160との間の音響インピーダンスを調整するための部材として機能する。音響整合層150は、一層で構成されていてもよいが、音響インピーダンスが異なる複数層から構成されていてもよい。音響整合層150の層数は特に制限されず、通常2層以上が一般的である。図1に示すように、本実施の形態では、音響整合層150が、第1整合層150a、第2整合層150b、第3整合層150cおよび第4整合層150dを含む積層体である。
音響整合層150は、樹脂を含むことが好ましい。すなわち、音響整合層150の音響インピーダンスを調整しやすくする観点から、各音響整合層150a、150b、150c、150dのうち少なくとも1層は、樹脂を含むことが好ましい。整合層150に含まれる樹脂の例には、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂などが含まれる。また、音響整合層150は、これらの樹脂を硬化させる硬化剤を含んでもよい。
音響整合層150は、無機粒子を含んでいてもよい。音響整合層150に含まれる無機粒子の材料は、特に限定されず、例えば、フェライト、シリコーンゴム、酸化タングステン、タングステンなどである。
上述のように、音響整合層150に樹脂が含まれると、音響整合層150の音響インピーダンスを調整しやすくなる。その一方で、音響整合層の上に、整合層を構成する樹脂組成物を塗布してから硬化させて、音響整合層を形成する方法を用いる際、樹脂が硬化時に収縮することにより、音響整合層150が湾曲してしまい、接着させた圧電材や他の音響整合層から剥離してしまうことがある。この現象は、音響整合層150における無機粒子の含有量が少ないとき、特に生じやすい。
また、超音波探触子を薬液で消毒および洗浄する際、薬液が探触子内に入り込み、音響整合層150を膨潤させてしまうことがある。これにより、膨潤した音響整合層150が、湾曲してしまい、接着された圧電材や他の音響整合層から剥離してしまうことがある。この現象は、音響整合層150における、樹脂の架橋密度が小さいとき、特に生じやすい。
これに対して、本実施の形態では、接着層140を介して圧電材130(本実施の形態では圧電材130上の電極170b)と音響整合層150とが接着されているため、圧電材130と音響整合層150との接着強度を高めて、音響整合層150が湾曲することによる剥離を抑制することができる。
上述した、硬化時の収縮や、消毒時および洗浄時における膨潤により、音響整合層150が湾曲することによる、各音響整合層150a~150d間で起こる剥離を抑制する観点から、接着層140は、後述する、第1整合層150a、第2整合層150b、第3整合層150cおよび第4整合層150d、の間のいずれか1つに配置されていることが好ましく、これらの間のうち2つに配置されていることがより好ましく、これらの間のそれぞれに配置されていることがさらに好ましい。
接着層140を、各音響整合層150a~150dの間に配置することで、予め硬化させた各音響整合層を、積層させて接着する場合においても、各音響整合層間の接着強度を十分に高めることができる。接着させる音響整合層150の少なくとも一方が、無機粒子を含むとき、シランカップリング剤のシランアルコキサイド基が無機粒子と反応し、反応性官能基が他方の音響整合層に含まれる樹脂と結合を形成するためである。
音響整合層150の音響インピーダンスを調整しやすくする観点から、音響整合層150は、樹脂および比重が4.5以上6.0以下である粒子を含む層を、含むことが好ましい。このような粒子を含む層を含むことで、音響整合層150の密度を高めつつ、音響整合層150における音速が低下することを抑制し、音響インピーダンスが過度に低下することを抑制することができる。そのため、密度と音速の積で表される音響インピーダンスを所望の範囲に調整しやすくすることができる。比重が上記範囲である粒子の例には、フェライト、酸化亜鉛などが含まれる。これらの粒子は1種類のみ用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
音響整合層150の音響インピーダンスをより調整しやすくする観点から、音響整合層に含まれる粒子の比重は、4.5以上5.6以下であることがより好ましい。
また、超音波は、異なる媒体間を伝播する時に、媒体間の音響インピーダンスの差の大きさに比例して反射される。そのため、圧電材130の音響インピーダンス(約29~35MRayls)と、後述する超音波探触子を接触させる生体の音響インピーダンス(約1.53MRayls)との差を、圧電材130から音響レンズ160に向けて、徐々に小さくするように、音響整合層150の音響インピーダンスを調整することが好ましい。上述のように、比重が上記範囲である粒子は、音響整合層150の音響インピーダンスが過度に低下することを抑制することができるため、音響整合層150の最も圧電材側に位置する音響整合層(本実施の形態では整合層150a)に含まれることが好ましい。これにより、音響整合層150の音響インピーダンスと、生体の音響インピーダンスとの差を、圧電材130側から音響レンズ160側に向けて、徐々に小さくすることができる。
上記観点から、音響整合層150のうち、最も圧電材側に配置された音響整合層150aの音響インピーダンスは、比重が上記範囲にある粒子を含ませることによって、10MRayls以上25MRayls以下であることが好ましく、11MRayls以上15MRayls以下に調整されることがより好ましい。
上記比重が4.5以上6.0以下である粒子の含有量は、上記樹脂、および上記粒子を含む層において、上記樹脂の全質量に対して150質量%以上1200質量%以下であることが好ましい。本実施の形態では、各音響整合層150a、150b、150c、150dのうち少なくとも1層が、層に含まれる樹脂の質量に対して、150質量%以上1200質量%以下の上記粒子を含むことが好ましい。上記含有量が150質量%以上であることで、各音響整合層150a~150dの密度を高めて音響インピーダンスを増加させることができる。また、1200質量%以下であることで、各音響整合層150a~dにおける音速が低下することを抑制することができ、音響インピーダンスが過剰に低下することを抑制することができる。上記粒子のうち、例えば、比重が4.5である粒子の上記含有量は、160質量%以上880質量%以下であることが好ましく、比重が6.0である粒子の上記含有量は、215質量%以上1165質量%以下であることが好ましい。なお、本実施の形態において、上記「樹脂の質量」は、樹脂と硬化剤との合計質量を表す。
音響整合層150は、エラストマー粒子を含む層を、含むことが好ましい。エラストマー粒子は無機粒子に比べて比重が小さい傾向があるため、エラストマー粒子を含むことで、音響整合層150における音速および密度を下げて、音響インピーダンスが過剰に増大することを抑制することができる。このような観点から、各音響整合層150a、150b、150c、150dのうち、超音波の送信方向において、圧電材130から最も離れた位置に配置された整合層(本実施の形態では、第4整合層150d)が、エラストマー粒子を含むことが好ましい。これにより、超音波探触子が接触させる生体の音響インピーダンスに近づくように調整しやすくすることができる。
音響整合層150は、エラストマー粒子の含有量が、エラストマー粒子を含む層における樹脂100質量部に対して、4質量部以上122質量部以下である層を含むことが好ましく、9質量部以上100質量部下であることがより好ましい。また、圧電材130から最も離れた位置に配置された整合層(本実施の形態では、第4整合層150d)に含まれるエラストマー粒子の含有量は、圧電材130から最も離れた位置に配置された整合層の樹脂100質量部に対して、27質量部以上100質量部以下であることが好ましく、54質量部以上81質量部以下であることがより好ましい。
音響整合層150を構成する各層の音響インピーダンスは、各層を構成する成分の種類や量を変更することで、適宜調整できる。例えば、各音響整合層150a、150b、150c、150dが、それぞれ樹脂および粒子を含む場合、各整合層における粒子の種類および量を変化させることで、音響インピーダンスを調整できる。なお、各整合層150a、150b、150c、150dは、同一の樹脂および粒子を含む層であってもよく、異なる樹脂および粒子を含む層であってもよい。さらに、各層の厚みは同一であってもよく、異なっていてもよい。
各音響整合層150a、150b、150c、150dの、超音波の伝搬方向の厚みは、特に限定されないが、音響レンズとの音響インピーダンスの差による超音波の反射を抑制する観点から使用する超音波の波長に応じて適宜調整することが好ましい。例えば、中心周波数が10MHzの超音波を用いる場合は、上記厚みは、20μm以上80μm以下であることが好ましい。また、上記観点から、上記厚みは、超音波の波長の1/4の大きさと略同等の厚みであることがより好ましい。上記「略同等の厚み」とは、超音波の波長の1/4の厚みに対して、95%以上105%以下の厚みであることを指す。
(音響レンズ)
音響レンズ160は、圧電材130から送波された超音波を集束させるための部材である。図1に示すように、本実施の形態では、音響レンズ160は、図1のY方向に延材し、かつZ方向に突出するシリンドリカル型の音響レンズである。X方向に垂直な断面の形状は全て同一である。また、当該音響レンズ160では、圧電材130が発振する超音波をZ方向に集束させて超音波トランスデューサ100の外部に出射させる。
音響レンズ160は、被検査対象、例えば生体に適した音響特性を有する材料で構成されている。例えば、音響レンズ160は、シリコーンゴム等、被検査対象に比較的近い音響インピーダンスを有する材料で構成されることが好ましい。
1-2.超音波トランスデューサの製造方法
以下、上述した超音波トランスデューサ100を製造することができる、超音波トランスデューサの製造方法について説明する。
本実施の形態における、超音波トランスデューサの製造方法は、複数の音響部材のうち少なくとも一つの音響部材の表面に、多官能のシランカップリング剤と、接着剤と、を含む接着層を配置する工程と、前記接着層が配置された前記表面に、他の音響部材を積層する工程と、を有する。
(接着層を配置する工程)
本工程では、多官能のシランカップリング剤と、接着剤と、を含む接着層140を、複数の音響部材のうち少なくとも一つの音響部材の表面に配置する。
接着層140を音響部材の表面に配置する方法は、特に限定されない。例えば、多官能のシランカップリング剤を含む溶液に音響部材を浸漬させた後、音響部材に、接着剤を塗布することで、接着層140を配置することができる。
上記シランカップリング剤を含む溶液における、シランカップリング剤の含有量は、上記溶液の全質量に対して、1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
接着層140を配置させる音響部材は、上記音響部材に他の音響部材が積層されるものであれば、特に限定されない。
(音響部材を積層する工程)
本工程では、接着層140が配置された音響部材の表面に、他の音響部材を積層する。
接着層140が配置された音響部材の表面に、他の音響部材を積層することで、これらを接着させることができる。音響部材を積層する際、必要に応じて、音響部材に圧力をかけて、圧着させてもよい。
(酸素プラズマ処理する工程)
本実施の形態において、超音波トランスデューサの製造方法は、音響部材の表面を酸素プラズマ処理する工程を有していてもよい。
本工程では、音響部材の表面を酸素プラズマ処理することで、音響部材表面に存在する微少な汚れを除去することができる。これにより、上記汚れにより、音響部材どうしの接着強度が低下することを抑制することができる。そのため、本工程は、接着層140を音響部材の表面に配置する工程の前に行われる。
酸素プラズマ処理を行う際、酸素ガスの流量は特に限定されないが、例えば、1sccm以上100sccm以下である。また、酸素プラズマ処理を行う時間は、特に限定されないが、例えば、30秒以上300秒以下である。
(ダイシングする工程)
本実施の形態における、超音波トランスデューサの製造方法は、複数の音響部材を積層させた積層体をダイシングする工程を有していてもよい。
本工程では、複数の音響部材を積層させた積層体をダイシングする。これにより、超音波トランスデューサを使用用途に応じた大きさに切断することができる。
2.超音波探触子および超音波診断装置
上述の超音波トランスデューサは、例えば図2に示すような、超音波探触子10や、超音波診断装置1に使用できる。超音波診断装置1は、上述の超音波トランスデューサ100を備えた超音波探触子10、本体部11、コネクタ部12およびディスプレイ13を備える。
超音波探触子10は、上記超音波トランスデューサ(不図示)を含んでいればよく、コネクタ部12に接続されたケーブル14を介して本体部11と接続される。
本体部11からの電気信号(送信信号)は、ケーブル14を通じて超音波探触子10の圧電材に送信される。この送信信号は、圧電材によって超音波に変換され、被検査対象内に送波される。送波された超音波は被検査対象内で反射される。そして、当該反射波の一部が圧電材によって受波され、電気信号(受信信号)に変換され、本体部11に送信される。受信信号は、超音波診断装置1の本体部11において画像データに変換されディスプレイ13に表示される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.接着強度測定試験
(表面処理液の作製)
2質量部のシランカップリング剤1(X-12-1154、信越化学工業株式会社製)を、66質量部のメタノールと、32質量部の水と、で希釈し、表面処理液1aを作製した。用いるシランカップリング剤、希釈する溶液を表1に示したように変更した以外は、同様にして、表面処理液1b~4bを作製した。なお、表1に示したシランカップリング剤1~4は、以下のものを用いた。
シランカップリング剤1(X-12-1154(多官能のシランカップリング剤、官能基:メルカプト基)、信越化学工業株式会社製)
シランカップリング剤2(M0928、信越化学工業株式会社製)
シランカップリング剤3(X-12-972F(多官能のシランカップリング剤、メj官能基:アミノ基)、信越化学工業株式会社製)
シランカップリング剤4(KBM-903、信越化学工業株式会社製)
Figure 2023037906000002
(音響整合層基板の作成)
90質量部のエポキシ樹脂(jER-630、三菱ケミカル株式会社製)、5質量部のエポキシ樹脂硬化剤(jERキュアWA、三菱ケミカル株式会社製)、5質量部のエポキシ樹脂硬化剤(キュアゾール1B2MZ、四国化成工業株式会社製)、373質量部のフェライト粉(LD-M、JFEケミカル株式会社製)、322質量部のタングステン粉(W-2KD、(日本新金属株式会社製)を、真空混合機(ARV-310P、株式会社シンキー製)を用いて、回転数2000rpm、真空圧0.5kPaで5分間、十分に混合して、コンパウンド-1を作成した。
中性洗剤で洗浄後、純水で十分に洗浄し乾燥したガラス基板を、表面処理液4aに5分間浸漬した後、60℃の恒温槽で、20分乾燥を行った。その後、純水で3分間水洗を行い、再度60℃の恒温槽で、5分間乾燥をして表面処理済みのガラス基板を作成した。
このガラス基板およびブレードを75℃まで加温してから、ガラス基板上に75℃コンパウンド-1を100μmになるように塗布を行い、80℃の恒温槽で1時間乾燥させた後、さらに150℃の恒温槽で、3時間加熱を行い、音響整合層基板を作成した。
(接着試験用サンプルの作成)
接着フィルム(ユピセルN SE1420、ポリイミドフィルム、宇部興産株式会社製)に、無電解ニッケルメッキを行った。次いで、電解メッキにより、接着フィルム表面を金メッキさせた。このようにして圧電材の電極を模した電極フィルムを作製した。作製した電極フィルムを中性洗剤で洗浄した後、純水で十分に洗浄し室温(25℃)で乾燥させた。次いで、上記電極フィルムを、表面処理液1aに5分間浸漬した後、60℃の恒温槽で、20分間乾燥を行い、金メッキフィルム表面にカップリング剤を付与した。さらに、上記電極フィルムを純水で3分間水洗を行い、再度60℃の恒温槽で、5分間乾燥させた。
接着剤(C1163、株式会社テスク製、ガラス転移温度:53℃)の主剤と硬化剤とを2:1で混合し、真空脱気を行い、接着剤液を作製した。作製した接着剤液を、上記音響整合層基板の整合層が形成された面、および上記カップリング剤が付与された電極フィルムの金面に塗布し、接着層を形成した。その後、音響整合層基板の接着剤が塗布された面と、電極フィルムの接着剤が塗布された面とを貼り合わせ、スプリングを用いた加圧治具で60℃の温度で、30kgf/cmの圧力を3時間加えることで接着し、接着試験用サンプル1を作製した。このとき、接着層の厚みは0.8μmであった。接着剤の厚みは、接着試験用サンプルの断面を、電子顕微鏡(S-800、株式会社日立ハイテク製)を用いて、加速電圧200kV、倍率200倍の条件で観察して測定した。
表面処理液1aの代わりに、表面処理液1bを用いた以外は、接着試験用サンプル1と同様にして、接着試験用サンプル2を作製した。また、上記電極フィルムの表面を酸素プラズマ処理した後に、表面処理液1bに浸漬させた以外は、接着用サンプル2と同様にして、接着用サンプル3を作製した。酸素プラズマ処理は、プラズマクリーナー(PC-1100、サムコ株式会社製)を用いて、酸素ガス流量5sccm、電力50Wの条件で45秒間行った。
上記電極フィルムの表面に対する、酸素プラズマ処理の有無と、表2に示した表面処理液に浸漬させた以外は、接着試験用サンプル1と同様にして、接着試験用サンプル4、5を作製した。
電極フィルムの代わりに、ポリスチレンフィルムを用い、ポリスチレンフィルムの表面に対する酸素プラズマ処理の有無と、用いる表面処理液を表2のように変更した以外は、接着試験用サンプル1と同様にして、接着試験用サンプル6~10を作製した。なお、ポリスチレンフィルムと、音響整合層基板の整合層が形成された面との接着は、ポリスチレンを含む音響整合層と、エポキシ樹脂を含む音響整合層との接着を模している。
(接着強度の測定)
JIS K6854-1:1999に記載の方法に準拠し、デジタルフォースゲージ(ZP-20N、株式会社イマダ製)及び計測スタンド(MX-500N、株式会社イマダ製)を用いて90度剥離テストを、50℃の温度条件で行った。このとき、接着試験用サンプルの引っ張り方向に直交する方向の幅を1cmとして、音響整合層から剥がした際の剥離強度を接着強度として測定した。測定結果に基づき、以下の基準に沿って、接着性を評価した。
○ 接着強度が1.2kgf/cm以上である
△ 接着強度が1.0kgf/cm以上1.2kgf/cm以下である
× 接着強度が1.0kgf/cm以下である
Figure 2023037906000003
多官能のシランカップリング剤1および3を含む、表面処理液1a、1b、3a、3bを用いて接着させた、サンプル1~3、6、7は良好な接着性を示した。これは、多官能のシランカップリング剤1および3の、有機鎖における炭素数が、シランカップリング剤2および4よりも多く、有機鎖どうしの相互作用を高めて、音響部材間の接着面にシランカップリング剤を、十分に密度を高めて配向させることができるため、接着強度を向上させることができたと考えられる。また、シランカップリング剤が複数の反応性官能基を有するため、音響整合層との結合を強めて、接着強度が向上したと考えられる。
2.超音波トランスデューサの製造および耐久試験
本実施の形態に係る超音波トランスデューサ100と同様の構成である超音波探触子トランスデューサを、以下の手順で製造した。そして、超音波トランスデューサの製造時に行うダイシングにおける、音響整合層の剥離の有無(歩留まり)を確認するための試験を行った。また、超音波探触子の使用後に行う消毒時に起こる、音響整合層の剥離の有無(耐久性)を確認するための試験を行った。
(4層整合層の作製)
90質量部のエポキシ樹脂1(jER-630、三菱ケミカル株式会社製)、5質量部のエポキシ樹脂硬化剤1(jERキュアWA、三菱ケミカル株式会社製)、5質量部のエポキシ樹脂硬化剤2(キュアゾール1B2MZ、四国化成工業株式会社製)、373質量部のフェライト粉(LD-M、比重5.6、JFEケミカル株式会社製)、322質量部のタングステン粉(W-2KD、比重19.3、日本新金属株式会社製)を、真空混合機(ARV-310P、株式会社シンキー製)を用いて、回転数2000rpm、真空圧0.5kPaで5分間、十分に混合して、コンパウンド1を作成した。
用いるエポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、フェライト粉、およびタングステン粉の種類および質量を表3のように変更した以外は、コンパウンド1と同様にしてコンパウンド2を作製した。
タングステン粉の代わりに、5質量部のシリコーンゴムパウダー(KMP-605、比重0.98、信越化学工業株式会社製)を用い、フェライト粉の質量を56質量部に変更した以外はコンパウンド2と同様にしてコンパウンド3を作製した。
エポキシ樹脂の種類と質量、エポキシ樹脂硬化剤の質量を表3のように変更し、フェライトを添加しなかったこと以外は、コンパウンド3と同様にしてコンパウンド4を作製した。なお、表3における、エポキシ樹脂1~3およびエポキシ樹脂硬化剤1~3は以下のものを用いた。
エポキシ樹脂1(jER-630、三菱ケミカル株式会社製)
エポキシ樹脂2(jER-828、三菱ケミカル株式会社製)
エポキシ樹脂3(jER-807、三菱ケミカル株式会社製)
エポキシ樹脂硬化剤1(jERキュアWA、三菱ケミカル株式会社製)
エポキシ樹脂硬化剤2(キュアゾール1B2MZ、四国化成工業株式会社製)
エポキシ樹脂硬化剤3(jERキュア113、三菱ケミカル株式会社製)
Figure 2023037906000004
コンパウンド1を、ブレードコーター(型番、メーカー)を用いて80℃の温度条件で、厚さが60μmになるように、テフロン基板上(「テフロン」はケマーズ社の登録商標)に塗布を行った。その後、100℃の恒温槽で1時間加熱乾燥を行い、音響整合層1を作製した。電子顕微鏡(S-800、株式会社日立ハイテク製)で測定した音響整合層1の膜厚は59μmであった。
音響整合層1の上にコンパウンド2を、ブレードコーターを用いて、40℃の温度条件で、厚さが50μmになるように塗布し、音響整合層2を作製した。次いで、コンパウンド3をコンパウンド2の上に、30℃の温度条件で、厚さが50μmになるように塗布し、音響整合層3を作製した。さらに、コンパウンド4をコンパウンド3の上に、43℃の温度条件で、厚さが40μmになるように塗布し、音響整合層4を作製した。
その後、音響整合層1~4の積層体を150℃の恒温槽の中で3時間静置し、十分に硬化させた後、テフロン基板(「テフロン」はケマーズ社の登録商標)から取り外し、4層整合層を作成した。
(音響整合層の密度測定)
音響整合層1~4の密度をJIS K7112 02に記載の水中置換法の密度測定方法に準じて、電子比重計(SD-200L、アルファミラージュ株式会社製)を用いて測定した。
(音響整合層の音速測定)
音響整合層1~4における超音波音速は、JIS Z2353-2003に従い、超音波工業(株)製シングアラウンド式音速測定装置を用いて25℃において測定した。
得られた上記密度と音速とを乗じて、音響整合層1~4の音響インピーダンスを算出した。
(バッキング層の作製)
91質量部の液状シリコーンゴム(TSE3032(A)、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製)、750質量部の3酸化タングステン粉(A2-WO3、アライドマテリアル社製)を、真空混合機(ARV-310、株式会社シンキー製)で十分に混合した。その後、9質量部の液状シリコーンゴム(TSE3032(B)、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製)を入れ、上記混合機で混合を行った。
得られた混合物を100mm×100mm×30mmの金型に入れ、真空電熱プレス機(IMC-19AE、井本製作所)にて4.9MPaの圧力で、真空下室温(25℃)で3時間静置した後、50℃で3時間加熱し、複合粒子のブロックを作製した。このとき、音響整合層の密度測定と同様の方法で測定した、上記ブロックの密度は、7.3g/cmであった。
上記ブロックを1cm角に切り、カッターミル(VM-20、槇野産業株式会社製)により粗粉砕した後、ピンミル粉砕機(M-4型、株式会社奈良機械製作所製)にてスクリーン0.5mm、回転数2800rpmにて本粉砕を行った。そして、円形振動篩機(KG-400、株式会社西村機械製作所製)にて目空き212μmにてふるい、フィラー複合粒子を作製した。このとき、上記粒子の、レーザー式粒度分布測定機(LMS-30、株式会社セイシン企業製)で測定した平均粒径は、123μmであった。
91質量部のエポキシ樹脂(Albidur EP2240、NANORESIN社製)、380質量部の上記フィラー複合粒子を、真空混合機(ARV-310、株式会社シンキー製)で十分に混合した。得られた混合物に、9質量部の架橋剤(jERキュアST-12、三菱ケミカル株式会社製)を入れ、上記真空混合機で混合し、樹脂混合物を作製した。
上記樹脂混合物を100mm×100mm×30mmの金型に入れ、真空電熱プレス機にて9.9MPaの圧力にて常温(25℃)で4時間静置した後、60℃で3時間加熱してバッキングブロックを形成した。このとき、音響整合層の密度測定と同様の方法で測定したブロックの密度は、2.65g/cmであった。また、音響整合層の音速測定で測定した音速と、上記ブロックの密度とを乗じて得られた音響インピーダンスは2.9MRaylsであった。
さらに、超音波減衰率をJIS Z2354-1992に従い算出した。具体的には、水槽中に25℃の水を満たし、超音波パルサー・レシーバー(JPR-10C、ジャパンプローブ株式会社製)によって水中で1MHzの超音波を発生させ、超音波が樹脂混合物を透過する前と後の振幅の大きさから算出した。上記方法で測定された減衰率は30dB/cm・MHzであった。上記ブロックをワイヤーソー(CS-203、ムサシノ電子株式会社製)を用いて、6mmの厚さに切断後、精密研磨装置(MA-200、ムサシノ電子株式会社製)で、5mmの厚みに研磨してバッキング層を作製した。
(音響レンズの作製)
酸化チタン(Zincox Super F-2、ハクスイテック株式会社製)をステンレスパッド上に薄く入れた後、250℃の乾燥機に入れて4時間の乾燥を行い、表面吸着水を除去した。次いで、100質量部のシリコンゴムコンパウンド(KE742U、信越化学工業株式会社製)と、40質量部の上記微粒子酸化亜鉛とを、ロール混錬機(No.191-TM/WMテストミキシングロール、株式会社安田精機製作所製)を用いて混錬し、ゴム組成物を調整した。
次いで上記ゴム組成物100質量部に、加硫剤として、0.5質量部の2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサンをロール混練機に入れ、成形用コンパウンドを調製した。得られた成形用コンパウンドを、手動式成型機(P500F-4141、株式会社ショージ製)を用いて165℃で10分間プレス成形した後、さらに200℃で2時間、2次加硫を行い、音響レンズを作製した。なお、音響レンズの音響インピーダンスは1.3MRayls、音響減衰率は-0.7dB/mm・MHzであった。
(超音波トランスデューサの作製)
上記バッキング層、FPC、圧電材(PZT 3203HD、厚さ0.13mm、CTS Electro Component社製)および上記4層整合層をこの順に積層し接着剤(C1163、株式会社テスク製、ガラス転移温度:53℃)で接着した。
次いで、ダイサー(DAD323、厚さ0.02mm、株式会社DISCO製)を用いて0.20mmピッチで、各素子の電極を切らないように、ダイシングした、さらに、ダイシングされた上記積層体をさらに3等分するようにダイシングを行った。
その後、ダイマー(dix-C、kisco株式会社製)を、パリレン成膜装置(LABCOTER PDS2010、SCS社製)に入れ、積層体に膜厚が3μmになるようにポリクロロパラキシリレン膜のコーティングを行った。そして、RTVシリコーン接着剤(KE-1604、信越化学工業株式会社製)を上述したダイシングにより形成されたダイス溝に真空中にて充填を行った後、上記音響レンズと、上記積層体とを加圧接着し、超音波トランスデューサを作製した。
上記方法で得られる超音波トランスデューサのうち、圧電材を表面処理液1bで5分間浸漬させた後、圧電材と4層整合層とを接着させたものを超音波トランスデューサ1とした。また、圧電材の表面をプラズマクリーナー(PC-1100、サムコ株式会社製)で酸素プラズマ処理し、表面処理液2に浸漬させた後、圧電材と4層整合層とを接着させたものを、超音波トランスデューサ2とした。
(歩留まり)
超音波トランスデューサ1~2において、積層体をダイシングした後における、4層整合層の剥離の有無について、顕微鏡(SZX7、オリンパス株式会社)を用いて観察した。観察結果について、以下の基準に沿って評価した。
○ 4層整合層の剥離が確認されなかった
× 4層整合層の剥離が確認された
(耐久性試験)
超音波トランスデューサ1~2を、エタノール中に一週間浸漬した後、4層整合層の剥離の有無について、顕微鏡を用いて観察した。観察結果について、以下の基準に沿って評価した。
○ 4層整合層の剥離が確認されなかった。
× 4層整合層の剥離が確認された。
評価結果を表3に示した。また、超音波トランスデューサ1および超音波トランスデューサ2において、積層体をダイシングした後における様子を撮影した画像を、それぞれ図3A、Bに示した。また、耐久試験後の、超音波トランスデューサ1および超音波トランスデューサ2の4層整合層の様子を撮影した画像を、それぞれ図4A、Bに示した。なお、図3A、Bおよび図4A、Bにおいて、Aは音響整合層(4層整合層)、Bは圧電材を指す。また、図3A、Bでは、音響整合層に対して、図の奥行き方向に圧電材が配置されている。
Figure 2023037906000005
超音波トランスデューサ1は、歩留まりおよび耐久性の評価が良好であった。これは、多官能の化合物を有するシランカップリング剤1を用いて接着したため、単官能のシランカップリング剤2よりも、圧電材と音響整合層との間における配向性を高めることができ、十分な接着強度を得られたためであると考えられる。
本発明に係る超音波トランスデューサは、音響部材どうしの接着強度を向上させ、ダイシングを行う際の音響部材の剥離、および、消毒時における音響部材の剥離を、それぞれ抑制することができる。そのため、本発明は、例えば、超音波診断の分野などにおいて有用である。
1 超音波診断装置
10 超音波探触子
11 本体部
12 コネクタ部
13 ディスプレイ
14 ケーブル
100 超音波トランスデューサ
100a 超音波プローブ
110 バッキング材
120 フレキシブルプリント基板
130 圧電材
140 接着層
150 音響整合層
150a 第1整合層
150b 第2整合層
150c 第3整合層
150d 第4整合層
160 音響レンズ
170a、170b 信号電極

Claims (16)

  1. 複数の音響部材が積層された積層体と、
    多官能のシランカップリング剤と、接着剤と、を含み、前記複数の音響部材のうち、任意の2つの前記音響部材を接合させる接着層と、
    を有する、
    超音波トランスデューサ。
  2. 前記接着層は、炭素数が2以上6以下である有機酸、または、その塩を含む、請求項1に記載の超音波トランスデューサ。
  3. 前記音響部材は、音響整合層を含み、
    前記接着層は、前記音響部材と他の音響部材とを接合する、請求項1または2に記載の超音波トランスデューサ。
  4. 前記複数の音響部材は、超音波を送受信する圧電材を含み、
    前記接着層は、前記圧電材と前記音響整合層とを接合する、請求項3に記載の超音波トランスデューサ。
  5. 前記音響整合層は、エラストマー粒子を含む、請求項3または4に記載の超音波トランスデューサ。
  6. 前記音響整合層は、複数の音響整合層が積層されてなる、請求項3~5のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
  7. 前記複数の音響整合層は、4層以上の音響整合層が積層されてなる、請求項6に記載の超音波トランスデューサ。
  8. 前記複数の音響整合層のうち、超音波の伝搬方向において、最も圧電材から離れた層は、エラストマー粒子を含む、請求項6または7に記載の超音波トランスデューサ。
  9. 前記音響整合層は、樹脂および比重が4.5以上6.0以下である粒子を含む層を含み、前記粒子の含有量は、前記樹脂および前記粒子を含む層における、前記樹脂の全質量に対して150質量%以上1200質量%以下である、請求項3~8のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
  10. 前記接着剤は、エポキシ樹脂を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
  11. 前記接着剤は、ガラス転移温度が60℃以上である、請求項1~10のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
  12. 前記接着層の、超音波の伝搬方向の厚みは1μm以下である、請求項1~11のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサ。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサを有する、超音波探触子。
  14. 請求項13に記載の超音波探触子を含む、超音波診断装置。
  15. 複数の音響部材のうち少なくとも一つの音響部材の表面に、多官能のシランカップリング剤と接着剤とを含む接着層を配置する工程と、
    前記接着層が配置された前記表面に、他の音響部材を積層する工程と、
    を有する、
    超音波トランスデューサの製造方法。
  16. 前記音響部材の表面を酸素プラズマ処理する工程をさらに有する、請求項15に記載の超音波トランスデューサの製造方法。
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