JP7373086B1 - 処理液 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体の浸透性を問わずに高い印刷品質を得ることができる、処理液、インクジェット記録用インクセット、及びインクジェット記録方法を提供する。【解決手段】〔1〕1,4-シクロヘキサンジメタノール、多価金属塩、及び水を含有する、処理液、〔2〕前記〔1〕の処理液と、着色材及び水を含有するインクとを含む、インクジェット記録用インクセット、及び、〔3〕前記〔1〕の処理液を用い、工程1:前記処理液を記録媒体に付与し、表面処理記録媒体を得る工程、及び、工程2:工程1で得られた表面処理記録媒体の処理面に、着色材及び水を含有するインクを用いてインクジェット記録方式により画像を形成する工程を含む、インクジェット記録方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、処理液、インクジェット記録用インクセット、及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方式は、製版が不要であり、バリアブル(可変)印刷に対応しやすく、また、被印刷物に対して非接触という多くの利点があるため、オフィス用途、家庭用途等の広い分野で普及が進んでいる。近年では、印刷ボリュームが格段に大きい商業印刷用途、産業印刷用途への展開も試みられ、インクジェット記録方式は多様な材質の記録媒体への印刷が求められている。
このような要求に対して、記録媒体にインクを付着させる前に、色材、樹脂等のインク中に含まれる固体成分を意図的に凝集させる処理液を予め記録媒体に付与し、インク凝集層を記録媒体上に形成する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、水と、グリセリンと、硝酸カルシウム及び硝酸マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1つの多価金属塩とを含有する処理液が記載され、形成される画像に関し、濃度低下、滲み、裏抜けを抑制する効果があると記載されている。
特開2011-56884号公報
一般に、処理液を用いずにコート紙等の低浸透性の記録媒体にインクジェット記録方式により画像を形成する場合には、記録媒体上でインクドットが真円状に拡張せずにインクドットの形状に歪みが発生し、また、記録媒体上でインクドット同士が混ざりあい混色が発生して印刷物の画像均質性の低下を引き起こす傾向にある。一方、処理液を用いずに普通紙等の高浸透性の記録媒体にインクジェット記録方式により画像を形成する場合、インクが記録媒体内に浸透してしまうため、高い画像濃度が得られ難い傾向にある。
これに対して、処理液を用いて記録媒体上にインク凝集層を形成すると、インク凝集層の表面にインクを固定化させることができるため、印刷物の画像濃度及び発色性を向上させることができる。しかしながら、特許文献1の技術は、低浸透性の記録媒体に印刷する際に、ドット拡張性及び画像均質性が十分でないことが判明した。
本発明は、記録媒体の浸透性を問わずに高い印刷品質を得ることができる、処理液、インクジェット記録用インクセット、及びインクジェット記録方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、1,4-シクロヘキサンジメタノール、多価金属塩、及び水を含有する処理液により、1,4-シクロヘキサンジメタノールが記録媒体に多価金属塩を微小かつ均一に析出させることができることに着目し、上記課題を解決し得ることを見出した。
本発明は、次の[1]~[3]を提供する。
[1]1,4-シクロヘキサンジメタノール、多価金属塩、及び水を含有する、処理液。
[2]前記[1]に記載の処理液と、着色材及び水を含有するインクとを含む、インクジェット記録用インクセット。
[3]前記[1]に記載の処理液を用い、下記の工程1及び工程2を含む、インクジェット記録方法。
工程1:前記処理液を記録媒体に付与し、表面処理記録媒体を得る工程
工程2:工程1で得られた表面処理記録媒体の処理面に、着色材及び水を含有するインクを用いてインクジェット記録方式により画像を形成する工程
本発明によれば、記録媒体の浸透性を問わずに高い印刷品質を得ることができる。具体的には低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質な印刷物を得ることができ、高浸透性の記録媒体を用いる際に高い画像濃度を有する印刷物を得ることができる、処理液、インクジェット記録用インクセット、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
[処理液]
本発明の処理液は、1,4-シクロヘキサンジメタノール、多価金属塩、及び水を含有する。
なお、本発明において、「1,4-シクロヘキサンジメタノール、多価金属塩、及び水を含有する」とは、「1,4-シクロヘキサンジメタノール、多価金属塩、及び水を配合してなる」ことをも意味する。
本発明の処理液は、インクジェット記録方式による画像形成において、記録媒体の浸透性を問わずに高い印刷品質の印刷物を得ることができる観点から、インクジェット記録に用いられる記録媒体の処理に用いられることが好ましい。すなわち、本発明の処理液は、インクジェット記録用前処液として用いることが好ましい。
本発明によれば、記録媒体の浸透性を問わずに高い印刷品質を得ることができる。その理由は、必ずしも明確ではないが、以下のように考えられる。
本発明の処理液に含まれる1,4-シクロヘキサンジメタノールは、炭素原子6個からなる環構造を分子中央部に有し、該環構造の両端部に水酸基を有する。この炭素原子6個からなる環構造は剛直性が高く、両末端の水酸基の運動を制限する。そのため、炭素原子6個からなる環構造に起因する疎水性と両末端の水酸基に起因する親水性による界面活性効果が、同程度の炭素数の鎖状構造を有する水溶性有機溶剤を含有する処理液と比べて強く発現すると考えられる。すなわち、本発明の処理液を用いて記録媒体を処理すると、1,4-シクロヘキサンジメタノールの高い界面活性効果により多価金属塩の析出物が記録媒体に微小かつ均一に存在する状態になると考えられる。そのため、本発明の処理液で処理された記録媒体にインクジェット記録用インクが接した際には該インクの粘度上昇が一律にかつ迅速に進行するため、インクドットを設定どおりの位置に保持し、かつインクドット径を制御できるため、印刷品質が向上すると考えられる。
具体的には、本発明の処理液を低浸透性の記録媒体に付与すると、1,4-シクロヘキサンジメタノールによる強い界面活性効果によって低浸透性の記録媒体に対するインクの濡れ性が大きくなるため、ドット拡張性が向上し、記録媒体の表面状態のミクロな不均一性に起因するドット拡張挙動の振れも抑制することができるため、画像均質性が向上すると考えられる。
また、本発明の処理液を高浸透性の記録媒体に付与すると、高浸透性の記録媒体では浸透性が大きく異なる部位が存在するが、そのような部位でも上記のインクの粘度上昇の一律性及び迅速性によって記録媒体の内奥部にまでインクが浸透することを防ぐことができ、画像濃度の低下を抑制することができると考えられる。
なお、本発明において、記録媒体が低浸透性であるか高浸透性であるかは、記録媒体と純水との接触時間100m秒における該記録媒体の吸水量により判定される。該吸水量は、自動走査吸液計(例えば、熊谷理機工業(株)製 KM500win)を用いて、23℃、相対湿度50%の条件下で、純水の接触時間100m秒における転移量として測定できる。
「低浸透性」とは、低浸透性及び非浸透性を含む概念であり、前記吸水量が0g/m2以上7g/m2以下であることを意味する。「高浸透性」とは、前記吸水量が7g/m2超であることを意味する。
<1,4-シクロヘキサンジメタノール>
本発明の処理液は、1,4-シクロヘキサンジメタノールを含有する。
本発明の処理液は、1,4-シクロヘキサンジメタノールを含有することにより、低浸透性の記録媒体に対するインクの濡れ性を制御することができ、また、多価金属塩との特異的な相互作用を発現させることにより、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質な印刷物を得ることができ、高浸透性の記録媒体を用いる際に高い画像濃度を有する印刷物を得ることができる。
1,4-シクロヘキサンジメタノールにはcis-体,trans-体の構造異性体が存在するが、本発明に用いる1,4-シクロヘキサンジメタノールの構造は特に制限はなくcis-体単独,trans-体単独、cis-体/trans-体の混合物のいずれを用いてもよい。
1,4-シクロヘキサンジメタノールは、合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、Eastman Chemical社製、SK Chemicals社製のものが挙げられる。
<多価金属塩>
本発明の処理液は、多価金属塩を含有する。
本発明の処理液は、多価金属塩を含有することにより、インクジェット記録用インク中に存在する分散質の分散性を低下させ、該分散質の凝集と、それによる増粘や析出を引き起こすことにより、低浸透性の記録媒体を用いる際には、インクドット同士の合一による混色を抑制し、画像均質性を高めて高画質な印刷物を得ることでき、さらに高浸透性の記録媒体を用いる際には印刷物の画像濃度を向上させることができる。
本発明において、インクジェット記録用インク中に存在する分散質とは、該インク中で現に固体状態で分散している顔料等のインク成分に加え、該インク中では溶解状態であるが、本発明の処理液で処理されてなる記録媒体に接触した際にその溶解性が損なわれて増粘や析出を引き起こすインク成分も含まれる。インクジェット記録用インク中では溶解状態であるが、本発明の処理液で処理されてなる記録媒体に接触した際にその溶解性が損なわれて増粘や析出を引き起こすインク成分の具体例としては、染料、水溶性樹脂等が挙げられる。
本発明の処理液で処理されてなる記録媒体に接触した際にインクジェット記録用インク中に存在する分散質の分散性又は溶解性が低下する理由としては、該インクが本発明の処理液で処理されてなる記録媒体に接触した際に、該記録媒体に存在する多価金属塩の析出物が該インク中に再溶解し、該多価金属塩が該インク中に存在する分散質を安定化させている電気二重層の厚みを薄くするように作用し、分散質同士の接近の抑制ができなくなることが考えられる。
多価金属塩は、2価以上の多価金属イオンとアニオン(多価金属イオンの対イオン)から構成されてなるものであれば、任意のものを用いることができる。2価以上の多価金属イオンとしては、カルシウム、マグネシウム、銅、ニッケル、亜鉛、バリウム、アルミニウム、チタン、ストロンチウム、クロム、コバルト、鉄等のイオンが挙げられる。これらの中でも、多価金属塩を構成する多価金属イオンは、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点、及び高浸透性の記録媒体を用いる際に印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは2価又は3価の金属イオンであり、より好ましくは2価の金属イオンである。2価の金属イオンとしては、元素の周期表における第2族に属する元素のイオンが挙げられ、具体的には、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、鉄(II)イオン等が挙げられる。3価の金属イオンとしては、アルミニウムイオン、鉄(III)イオン等が挙げられる。これらの中でも、多価金属塩を構成する多価金属イオンは、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点、及び高浸透性の記録媒体を用いる際に印刷物の画像濃度を向上させる観点から、更に好ましくはマグネシウムイオン、カルシウムイオン、及びアルミニウムイオンからなる群から選ばれる1種以上であり、より更に好ましくはマグネシウムイオン及びカルシウムイオンからなる群から選ばれる1種以上、より更に好ましくはマグネシウムイオンである。
多価金属塩を構成するアニオンとしては、無機イオン又は有機イオンが挙げられる。
無機イオンとしては、硝酸イオン、ハロゲン化物イオン等の1価のアニオン;硫酸イオン等の2価のアニオンなどが挙げられる。
有機イオンとしては、カルボン酸イオン等の有機酸イオンが挙げられる。
これらの中でも、多価金属塩を構成するアニオンは、好ましくは無機イオンであり、より好ましくは硝酸イオン及び硫酸イオンからなる群から選ばれる1種以上であり、更に好ましくは硝酸イオンである。
多価金属塩は、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点、及び高浸透性の記録媒体を用いる際に印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸カルシウム、及び硝酸アルミニウムからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくは硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、及び硝酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上であり、更に好ましくは硝酸マグネシウム及び硝酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上であり、より更に好ましくは硝酸マグネシウムである。
多価金属塩は、原料形態において水和水を有していてもよい。
多価金属塩は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<水>
本発明の処理液は、水を含有する。
本発明の処理液に用いる水としては、意図しない物質の混入を防ぐ観点から、純水又はイオン交換水が好ましい。
本発明の処理液は、必要に応じて、1,4-シクロヘキサンジメタノール以外の水溶性有機溶剤、pH調整剤、界面活性剤、着色材、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤等の他の成分を更に含有してもよい。
(1,4-シクロヘキサンジメタノール以外の水溶性有機溶剤)
本発明の処理液は、1,4-シクロヘキサンジメタノール以外の他の水溶性有機溶剤を含有してもよい。他の水溶性有機溶剤は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。他の水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類;多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類等のエーテル類;含窒素複素環化合物;アミド類;アミン類;含硫黄化合物類などが挙げられる。
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,7-へプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,2-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,2-デカンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,4-ブタントリオール、2-エチル-1,2,3-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペトリオールが挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールモノアルキルエーテル類が挙げられる
多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルが挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えば、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタムが挙げられる。
アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミドが挙げられる。
アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミンが挙げられる。
含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノールが挙げられる。
また、上記以外の他の水溶性有機溶剤としては、例えば、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンも挙げられる。
1,4-シクロヘキサンジメタノール以外の他の水溶性有機溶剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(pH調整剤)
本発明の処理液は、pH調整剤を含有してもよい。
pH調整剤とは、pH変動を抑制し、処理液のpHを一定に保つpH調整能を有する剤を意味する。
pH調整剤は、本発明の処理液のpHに応じて任意に選択することができる。
本発明の処理液の塩基性化に用いるpH調整剤としては、ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン;1級アミン、2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩;アンモニア水;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属の炭酸塩などが挙げられる。
本発明の処理液の酸性化に用いるpH調整剤としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸;酢酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、マロン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸等の有機酸;酢酸リチウム、酢酸ナトリウム等のアルカリ金属の酢酸塩などが挙げられる。
pH調整剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(界面活性剤)
本発明の処理液は、界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤は、好ましくはノニオン性界面活性剤である。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤等のアセチレンアルコール系界面活性剤、多価アルコール型界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミド、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤が挙げられる。これらの中でも、界面活性剤は、好ましくはアセチレンアルコール系界面活性剤であり、より好ましくはアセチレングリコール系界面活性剤である。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、及びこれらのジオールのエチレンオキシド付加物が挙げられる。
アセチレングリコール系界面活性剤以外のアセチレンアルコール系界面活性剤としては、例えば、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、2,4-ジメチル-5-ヘキシン-3-オール、及びこれらのモノオールのエチレンオキシド付加物が挙げられる。
前記エチレンオキシド付加物のエチレンオキシ基(EO)の平均付加モル数の和(n)は、好ましくは0以上であり、そして、好ましくは20以下、より好ましくは10以下である。
ノニオン性界面活性剤の市販品例としては、日信化学工業株式会社及びAir Products & Chemicals社製の「サーフィノール」シリーズ、川研ファインケミカル株式会社製の「アセチレノール」シリーズ等が挙げられる。
界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の処理液は、本発明の効果を損なわない範囲で、後述する着色材を含有してもよい。本発明の処理液が着色材を含有する場合には、該着色材としては、耐水性の観点から、顔料及び疎水性染料が好ましく、高耐候性を発現させる観点からは、顔料が好ましい。
(処理液の組成)
本発明の処理液中の1,4-シクロヘキサンジメタノールの含有量は、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは15質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上、より更に好ましくは25質量%以上、より更に好ましくは30質量%以上であり、そして、高浸透性の記録媒体を用いる際に印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは55質量%以下、より更に好ましくは50質量%以下、より更に好ましくは45質量%以下、より更に好ましくは40質量%以下である。
本発明の処理液中の多価金属塩の含有量は、低浸透性の記録媒体を用いる際に画像均質性に優れる高画質の印刷物を得る観点、及び高浸透性の記録媒体を用いる際に印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは13質量%以上、より更に好ましくは15質量%以上であり、そして、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
なお、多価金属塩の原料形態として水和水を有する水和物の形態で用いる場合、本発明の処理液中の多価金属塩の含有量は、該多価金属塩の無水物の含有量を意味する。
本発明の処理液中の水の含有量は、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点から、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは75質量%以下、より更に好ましくは70質量%以下、より更に好ましくは65質量%以下、より更に好ましくは60質量%以下、より更に好ましくは55質量%以下であり、そして、高浸透性の記録媒体を用いる際に印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上、より更に好ましくは30質量%以上、より更に好ましくは35質量%以上、より更に好ましくは40質量%以上、より更に好ましくは45質量%以上である。
なお、多価金属塩の原料形態として水和水を有する水和物の形態で用いる場合、本発明の処理液中の水の含有量は、該多価金属塩の水和物からの水の含有量を含めた量を意味する。
本発明の処理液中の1,4-シクロヘキサンジメタノールの含有量に対する多価金属塩の含有量の質量比[多価金属塩/1,4-シクロヘキサンジメタノール](以下、単に「質量比[多価金属塩/1,4-シクロヘキサンジメタノール]」ともいう)は、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点、及び高浸透性の記録媒体を用いる際に印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.20以上、更に好ましくは0.30以上、より更に好ましくは0.35以上、より更に好ましくは0.40以上であり、そして、前記と同様の観点から、好ましくは4.00以下、より好ましくは3.20以下、更に好ましくは3.00以下、より更に好ましくは2.20以下、より更に好ましくは1.50以下、より更に好ましくは1.00以下、より更に好ましくは0.80以下、より更に好ましくは0.50以下である。
本発明の処理液中の水の含有量に対する1,4-シクロヘキサンジメタノールの含有量の質量比[1,4-シクロヘキサンジメタノール/水]は、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点から、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.10以上、更に好ましくは0.30以上、より更に好ましくは0.50以上であり、そして、高浸透性の記録媒体を用いる際に印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは2.00以下、より好ましくは1.50以下、更に好ましくは1.00以下、より更に好ましくは0.90以下、より更に好ましくは0.80以下である。
本発明の処理液中の1,4-シクロヘキサンジメタノール以外の水溶性有機溶剤の含有量は、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点、及び高浸透性の記録媒体を用いる際に印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは3質量%以下、より更に好ましくは1質量%以下である。なお、本発明の処理液中の1,4-シクロヘキサンジメタノール以外の水溶性有機溶剤の含有量は、1,4-シクロヘキサンジメタノール以外の水溶性有機溶剤を2種以上用いる場合にはそれらの合計含有量である。
本発明の処理液中の1,4-シクロヘキサンジメタノール及び1,4-シクロヘキサンジメタノール以外の水溶性有機溶剤の合計含有量に対する1,4-シクロヘキサンジメタノールの含有量の割合、すなわち、本発明の処理液に含まれる全ての水溶性有機溶剤の合計含有量に対する1,4-シクロヘキサンジメタノールの含有量の割合は、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点、及び高浸透性の記録媒体を用いる際に印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、より更に好ましくは99質量%以上であり、より更に好ましくは100質量%である。
本発明の処理液中の着色材の含有量は、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以下であり、より更に好ましくは0質量%、すなわち、本発明の処理液は着色材を含まないことがより更に好ましい。
本発明の処理液中の着色材の含有量が上記の範囲であれば、インクジェット記録用インクと共に用いてインクジェット記録を行った際に該インクの色相に影響を与えないで画像を形成することができる。
本発明の処理液の粘度は特に制限はないが、該処理液の25℃における粘度は、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点、及び高浸透性の記録媒体を用いる際に印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは1mPa・s以上、より好ましくは3mPa・s以上、更に好ましくは6mPa・s以上であり、そして、好ましくは100mPa・s以下、より好ましくは80mPa・s以下、更に好ましくは55mPa・s以下である。なお、本発明の処理液の粘度は実施例に記載の方法で測定される。
本発明の処理液の20℃におけるpHは、好ましくは3.0以上、より好ましくは3.5以上、更に好ましくは4.0以上であり、そして、好ましくは10.5以下、より好ましくは10.0以下、更に好ましくは9.5以下である。なお、本発明の処理液のpHは実施例に記載の方法で測定される。
(処理液の調製)
本発明の処理液は、1,4-シクロヘキサンジメタノール、多価金属塩、水、及び必要に応じて前述の他の成分を適宜混合して用いる。該処理液のpHは、前述のpH調整剤で適宜調整することができる。
[インクジェット記録用インクセット]
<インクジェット記録用インク>
以下、本発明の処理液で処理してなる記録媒体(以下、「表面処理記録媒体」ともいう)に適用されるインクジェット記録用インクについて説明する。
前記インクジェット記録用インクは、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点、及び高浸透性の記録媒体を用いる際に印刷物の画像濃度を向上させる観点から、着色材及び水を含有することが好ましい。すなわち、本発明において、前記処理液は、着色材及び水を含有するインクと共にインクジェット記録用インクセットとして用いることができる。
〔着色材〕
前記インクジェット記録用インクに用いられる着色材としては、染料及び顔料のいずれも用いることができる。これらの中でも、該着色材としては、耐水性、耐光性、耐候性、耐ガス性等を有する観点から、顔料を用いることが好ましい。
顔料は、公知の有機顔料及び無機顔料のいずれも用いることができる。顔料は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、混晶を用いてもよい。
無機顔料としては、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー等が挙げられる。また、無機顔料として、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラックを用いることができる。
有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料等)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。
顔料としては、樹脂中空粒子、無機中空粒子等の中空粒子を用いることもできる。また金色、銀色等の光沢色顔料又はメタリック顔料も用いることができる。
黒色インク用の顔料の具体例としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類;銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類;アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
有彩色インク用の顔料の具体例としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー、C.I.ピグメントオレンジ、C.I.ピグメントレッド、C.I.ピグメントバイオレット、C.I.ピグメントブルー、及びC.I.ピグメントグリーンからなる群から選ばれる1種以上の各品番製品が挙げられる。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、塩基性染料、直接染料、反応性染料等が挙げられる。染料は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー、C.I.アシッドレッド、C.I.アシッドブルー、C.I.アシッドブラック、C.I.フードブラック、C.I.ダイレクトイエロー、C.I.ダイレクトレッド、C.I.ダイレクトブルー、C.I.ダイレクトブラック、C.I.リアクティブレッド、及びC.I.リアクティブブラックからなる群から選ばれる各品番製品が挙げられる。
前記インクジェット記録用インクが顔料を含有する場合、該インク中で顔料は媒体に分散されてなる。前記インクジェット記録用インク中の顔料の形態としては、分散剤として樹脂(以下、「顔料分散樹脂」ともいう)若しくは界面活性剤で分散されてなる形態、又は分散剤を用いずに分散されてなる自己分散顔料の形態が挙げられる。これらの中でも、前記インクジェット記録用インク中の顔料の形態としては、顔料分散樹脂で分散されてなる形態が好ましい。
顔料分散樹脂としては、水溶性樹脂及び水不溶性樹脂のいずれであってもよい。
ここで、樹脂の「水溶性」及び「水不溶性」については、105℃で2時間乾燥させ、恒量に達した樹脂を、飽和に達するまで25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が10gを超える時は「水溶性」、10g以下である時は「水不溶性」と判断する。また、後述するように、樹脂がアニオン性基を有する場合、その溶解量は、樹脂のアニオン性基を水酸化ナトリウムで100%中和した時の溶解量である。
前記インクジェット記録用インク中の顔料の形態としては、具体的には、顔料の分散安定性を向上させる観点から、(A)顔料表面に水溶性樹脂を吸着させた形態、(B)顔料表面に水溶性の界面活性剤又は水分散性の界面活性剤を吸着させた形態、(C)顔料表面に親水性官能基を化学的又は物理的に導入し、顔料分散樹脂及び界面活性剤を用いずに分散させた自己分散顔料の形態、(D)顔料を水不溶性樹脂で被覆した形態等が好ましく挙げられる。
前述の(A)~(D)の形態を有する顔料は、アニオン性を有することが好ましい。これにより、前記処理液に含まれる多価金属塩に由来する多価金属イオンが顔料表面のアニオン性と静電的に相互作用し、インク中に存在する顔料の分散性を低下させて凝集させることができ、その結果、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得ることができ、高浸透性の記録媒体を用いる際に印刷物の画像濃度を向上させると考えられる。当該観点から、(A)の形態では前記水溶性樹脂が好ましくはアニオン性基を有し、(B)の形態では水溶性の界面活性剤又は水分散性の界面活性剤が好ましくはアニオン性基を有し、(C)の形態では顔料表面に導入された親水性官能基が好ましくはアニオン性基を有し、(D)の形態では水不溶性樹脂が好ましくはアニオン性基を有する。
アニオン性基としては、カルボキシ基(-COOM)、スルホン酸基(-SO3M)、リン酸基(-OPO32)等の解離して水素イオンが放出される基、又はそれらの解離したイオン形(-COO-、-SO3 -、-OPO3 2-、-OPO3 -M)等が挙げられる。前記化学式中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す。
これらの中でも、前記インクジェット記録用インク中の顔料の形態は、多価金属イオンによるインク中に存在する分散質の分散性を低下させて凝集効果を良好に発現させる観点、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点、及び高浸透性の記録媒体を用いる際に印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは(C)の形態及び(D)の形態からなる群から選ばれる1種以上の形態であり、より好ましくは(D)の形態である。
前記インクジェット記録用インク中の顔料の形態が(D)の形態である場合、顔料を水不溶性樹脂で被覆した形態としては、水不溶性樹脂が顔料を内包(カプセル化)した形態、水不溶性樹脂中に顔料が均一に分散された形態、水不溶性樹脂の粒子の表面から顔料が露出した形態、水不溶性樹脂が顔料に吸着している形態等が含まれる。
前記インクジェット記録用インク中の顔料の形態が(D)の形態である場合においては、架橋構造を有する水不溶性樹脂で顔料を被覆した形態であることが好ましい。架橋構造を有する水不溶性樹脂で顔料を被覆した形態としては、水不溶性樹脂が、分岐鎖を有していてもよい直鎖の二次元構造を有するポリマーの構成成分と、架橋剤由来の構成成分を含む構造を有することが好ましい。このような架橋構造は、分岐鎖を有していてもよい直鎖の二次元構造を有するポリマーが、架橋剤由来の構成成分によって三次元構造となっていると考えられる。
前記インクジェット記録用インクが(D)の形態である場合、顔料分散樹脂として顔料の分散に用いられる水不溶性樹脂の種類は特に限定されない。
水不溶性樹脂の具体例としては、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン/(メタ)アクリル系樹脂、マレイン酸樹脂、スチレン/マレイン酸樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。これらの中でも、水不溶性樹脂は、多価金属塩に由来する多価金属イオンによるインク中に存在する分散質の分散性を低下させて凝集効果を容易に制御する観点、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点、及び高浸透性の記録媒体を用いる際に印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは(メタ)アクリル系樹脂、スチレン/(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン樹脂、及びポリエステル樹脂からなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくは(メタ)アクリル系樹脂及びスチレン/(メタ)アクリル系樹脂からなる群から選ばれる1種以上である。
本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味する。
水不溶性樹脂は、公知の方法により合成したものを用いてもよく、市販品を用いることができる。水不溶性樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
顔料分散樹脂の数平均分子量は、好ましくは5,000以上、より好ましくは7,000以上、更に好ましくは10,000以上であり、そして、好ましくは100,000以下、より好ましくは50,000以下、更に好ましくは30,000以下である。前記数平均分子量は、実施例に記載の方法により測定される。
顔料分散樹脂の酸価は、好ましくは5mgKOH/g以上、より好ましくは50mgKOH/g以上、更に好ましくは100mgKOH/g以上、より更に好ましくは150mgKOH/g以上、より更に好ましくは200mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは800mgKOH/g以下、より好ましくは500mgKOH/g以下、更に好ましくは300mgKOH/g以下である。
顔料分散樹脂の酸価は、実施例に記載の方法により求めることができるが、構成するモノマーの質量比から算出することもできる。
〔定着樹脂〕
前記インクジェット記録用インク中は、定着助剤として機能する樹脂(以下、「定着樹脂」ともいう)を含有してもよい。前記インクジェット記録用インク中の定着樹脂の存在形態は、顔料を被覆しない樹脂の形態であることが好ましく、顔料を含有しない樹脂粒子の形態であることがより好ましい。
定着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。定着樹脂の具体例としては、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン/ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン/(メタ)アクリル系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂が挙げられる。
定着樹脂として粒子の形態である樹脂を、着色材、水、有機溶剤等と混合してインクを得ることができる。定着樹脂は、合成したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。定着樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
〔ワックス〕
前記インクジェット記録用インクは、ワックスを含有してもよく、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点、及び高浸透性の記録媒体を用いる際に印刷物の画像濃度を向上させる観点からは、ワックスを含有することが好ましい。
本明細書において「ワックス」とは、常温(25℃)で固体又は半固体であって加熱により液体となる有機物を意味する。ここで、「ワックスが半固体である」とは、ワックスに力がかかると変形して流動するが、ワックスに力がかからない状態では一定の形状を保持できることを意味する。また、ワックスが加熱により液体となる温度、いわゆるワックスの融点は、45℃以上の温度領域に存在する。
ワックスは、天然ワックス及び合成ワックスのいずれであってもよい。
天然ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス等の植物系ワックス;ラノリン、みつろう等の動物系ワックス等が挙げられる。
合成ワックスとしては、ポリオレフィンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス等の合成炭化水素系ワックス;シリコーン系ワックス;パラフィンワックス誘導体、モンタンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等の変性ワックス等が挙げられる。これらの中でも、オレフィン系モノマーを主成分とするポリオレフィンワックスが好ましい。
ワックスは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記インクジェット記録用インクは、ワックスを分散体(以下、「ワックス分散体」ともいう)として含有することが好ましい。
ワックス分散体としては、特に制限はなく、例えば、ワックスを公知の界面活性剤で乳化してなるものが挙げられる。界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等を用いることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、高級アルコールのエチレンオキシド付加物、アルキル化したフェノールのエチレンオキシド付加物等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、高級アルコールのエチレンオキシド付加物をベースとした硫酸エステル塩やリン酸エステル塩;アルキル化したベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
これらの中でも、ワックス分散体は、インクの吐出安定性及び印刷物の画像堅牢性等を向上させる観点から、ワックスをノニオン性界面活性剤で乳化してなるノニオン性のワックス分散体が好ましく、ノニオン性のポリオレフィンワックス分散体がより好ましい。
ワックス分散体の市販品の好適例としては、東邦化学工業株式会社製のハイテックEシリーズ、BYK社製のAQUACERシリーズ、中京油脂株式会社製のセロゾールシリーズ、三井化学株式会社製のケミパールシリーズ等が挙げられる。
〔水〕
前記インクジェット記録用インクの媒体は、好ましくは水系媒体である。すなわち、前記インクジェット記録用インクは、水を含有する水系インクであることが好ましい。
ここで、「水系」とは、前記インクジェット記録用インクの媒体中で、水が質量基準で最大割合を占めていることを意味する。
前記インクジェット記録用インクの媒体が水系媒体であることにより、該インク中に含まれる水系媒体が前記処理液で処理されてなる記録媒体に供給され、該記録媒体に析出していた多価金属塩が再溶解し、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得ることができ、高浸透性の記録媒体を用いる際に印刷物の画像濃度を向上させることができると考えられる。
前記インクジェット記録用インクに含まれる水としては、イオン交換水、脱イオン水、又は蒸留水が好ましく用いられる。
〔水溶性有機溶剤〕
前記インクジェット記録用インクは、水系媒体として更に水溶性有機溶剤を含有してもよい。該水溶性有機溶剤としては、前述の処理液で例示した多価アルコール類;多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類等のエーテル類;含窒素複素環化合物;アミド類;アミン類;含硫黄化合物類等が挙げられる。
なお、水系媒体中の水の含有量は、環境性の観点から、好ましくは51質量%以上、より好ましくは55質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、より更に好ましくは65質量%以上であり、そして、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下、より更に好ましくは80質量%以下である。
前記インクジェット記録用インクは、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を含有していてもよい。
前記インクジェット記録用インク中の着色材の含有量は、印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上である。また、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
前記インクジェット記録用インクが着色材として顔料を含有する場合、該インク中の顔料の含有量は、印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上である。また、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
前記インクジェット記録用インクが顔料分散樹脂を含有する場合、該インク中の顔料分散樹脂の含有量は、顔料の分散安定性の観点、及び低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは6質量%以上であり、そして、印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
前記インクジェット記録用インクが顔料分散樹脂を含有する場合、該インク中の顔料分散樹脂の含有量に対する顔料の含有量の質量比[顔料/顔料分散樹脂]は、印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは0.30以上、より好ましくは0.50以上、更に好ましくは0.70以上であり、そして、顔料の分散安定性の観点、及び低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点から、好ましくは1.00以下、より好ましくは0.90以下、更に好ましくは0.80以下である。
前記インクジェット記録用インクが定着樹脂を含有する場合、該インク中の定着樹脂の含有量は、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上であり、そして、印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
前記インクジェット記録用インクがワックスを含有する場合、該インク中のワックスの含有量は、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点、及び高浸透性の記録媒体を用いる際に印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.8質量%以上であり、そして、好ましくは7質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である。
前記インクジェット記録用インクが水溶性有機溶剤を含有する場合、該インク中の水溶性有機溶剤の含有量は、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点、及び高浸透性の記録媒体を用いる際に印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上であり、そして、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。
前記インクジェット記録用インク中の水の含有量は、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点、及び高浸透性の記録媒体を用いる際に印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、より更に好ましくは55質量%以上であり、そして、好ましくは75質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは65質量%以下である。
[インクジェット記録方法]
本発明のインクジェット記録方法は、前記処理液を用いて処理されてなる表面処理記録媒体の処理面にインクジェット記録用インクを用いてインクジェット記録方式により画像を形成する方法である。
本発明のインクジェット記録方法は、好ましくは下記の工程1及び工程2を含む。
工程1:前記処理液を記録媒体に付与し、表面処理記録媒体を得る工程
工程2:工程1で得られた表面処理記録媒体の処理面に、インクジェット記録用インクを用いてインクジェット記録方式により画像を形成する工程
(工程1)
工程1は、前記処理液を記録媒体に付与し、表面処理記録媒体を得る工程である。
本発明において、工程1で用いる記録媒体としては、低浸透性記録媒体及び高浸透性記録媒体のいずれも用いることができる。
低浸透性記録媒体としては、低吸水性のコート紙、非吸水性の樹脂フィルムが挙げられる。コート紙としては、汎用光沢紙、多色フォームグロス紙等が挙げられる。樹脂フィルムとしては、好ましくはポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、及びポリエチレンフィルムからなる群から選ばれる少なくとも1種である。これらの樹脂フィルムは、コロナ処理等の表面処理がされたものを用いてもよい。
高浸透性記録媒体としては、高吸水性の普通紙が挙げられる。
本発明の記録方法において、工程1で前記処理液を付与する記録媒体として低浸透性記録媒体を用いる場合には、良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点から、前記処理液は、多価金属塩として硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、及び硝酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上を含有するものが好ましく、硝酸マグネシウム及び硝酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上を含有するものがより好ましく、硝酸マグネシウムを含有するものが更に好ましい。
本発明の記録方法において、工程1で前記処理液を付与する記録媒体として高浸透性記録媒体を用いる場合には、印刷物の画像濃度を向上させる観点から、前記処理液は、多価金属塩として硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、及び硝酸アルミニウムからなる群から選ばれる1種以上を含有するものが好ましい。
前記処理液を記録媒体に付与する方法については、特に制限はない。前記処理液を記録媒体に付与する方法としては、例えば、浸漬、ローラーによる塗布、スプレーによる塗布、ブラシによる塗布、インクジェット記録方式による塗布等が挙げられる。
これらの中でも、簡便かつ均一に処理液を付与することができる観点からは、ローラーによる塗布が好ましい。
ローラーによる塗布方法としては、(i)記録媒体と記録媒体に接触する部材との間隙に前記処理液を保持し、記録媒体及び記録媒体に接触する部材の一方を移動させ、記録媒体の一部分に付与された前記処理液を記録媒体全体に行き渡らせることで、前記処理液で処理されてなる表面処理記録媒体を得る方法、又は、(ii)記録媒体と記録媒体に接触又は微小な間隙を保持して近接する部材とを回転させて前記処理液を記録媒体に印捺又は微小な間隙に保持した前記処理液を記録媒体に吸収させる方法を意味する。
ローラーによる塗布に用いるローラーの具体例としては、オフセットグラビアコーター、グラビアコーター、ドクターコーター、バーコーター、ブレードコーター、フレキソコーター、ロールコーターが挙げられる。これらの中でも、ドクターコーター、バーコーター、及びロールコーターからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
また、工程1及び工程2を連続的に行える観点からは、前記処理液の記録媒体への付与に用いる装置としては、工程1で用いる前記処理液の付与手段と工程2で用いるインクジェット記録用インクの付与手段とが一体になっているものが好ましい。この場合、例えば、後述するインクジェット記録装置内にローラー塗布機等の前記処理液の付与手段が組み込まれているものであってもよい。
前記処理液の記録媒体への付与量は、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点、及び高浸透性の記録媒体を用いる際に印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは0.2g/m2以上、より好ましくは0.5g/m2以上、更に好ましくは1g/m2以上であり、そして、前記と同様の観点から、好ましくは5g/m2以下、より好ましくは2g/m2以下、更に好ましくは1.8g/m2以下である。
工程1において、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質の印刷物を得る観点、及び高浸透性の記録媒体を用いる際に印刷物の画像濃度を向上させる観点から、前記処理液を記録媒体に付与した後、該記録媒体上の処理液を乾燥させることが好ましい。
工程1における乾燥方法としては、静置乾燥、送風乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥等が挙げられる。本発明の記録方法において、紫外線や放射線等の活性エネルギー線の付与は、本発明における乾燥には含まれない。
工程1における乾燥時の温度は、記録媒体の変形を抑制する観点から、好ましくは120℃以下、より好ましくは100℃以下、更に好ましくは90℃以下、より更に好ましくは80℃以下であり、そして、短時間で乾燥させる観点から、好ましくは20℃以上、より好ましくは25℃以上である。
工程1における乾燥時間は、好ましくは0.5分間以上、より好ましくは1分間以上であり、そして、好ましくは30分間以下、より好ましくは20分間以下、更に好ましくは10分間以下である。
(工程2)
工程2は、工程1で得られた表面処理記録媒体の処理面に、インクジェット記録用インクを用いてインクジェット記録方式により画像を形成する工程である。
前記インクジェット記録用インクは公知のインクジェット記録装置に装填され、工程1で得られた表面処理記録媒体の処理面にインクドットとして付着し、画像を形成することができる。インクジェット記録装置としては、サーマル式、ピエゾ式等のいずれの方式でも用いることができる。
上述の実施形態に関し、本発明は更に以下の実施態様を開示する。
<1>
1,4-シクロヘキサンジメタノール、多価金属塩、及び水を含有する、処理液。
<2>
前記多価金属塩を構成する多価金属イオンが、好ましくは2価又は3価の金属イオンであり、より好ましくは2価の金属イオンであり、更に好ましくはマグネシウムイオン、カルシウムイオン、及びアルミニウムイオンからなる群から選ばれる1種以上であり、より更に好ましくはマグネシウムイオン及びカルシウムイオンからなる群から選ばれる1種以上、より更に好ましくはマグネシウムイオンである、<1>に記載の処理液。
<3>
前記多価金属塩を構成するアニオンが、好ましくは無機イオンであり、より好ましくは硝酸イオン及び硫酸イオンからなる群から選ばれる1種以上であり、更に好ましくは硝酸イオンである、<1>又は<2>に記載の処理液。
<4>
前記多価金属塩が、好ましくは硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸カルシウム、及び硝酸アルミニウムからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくは硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、及び硝酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上であり、更に好ましくは硝酸マグネシウム及び硝酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上であり、より更に好ましくは硝酸マグネシウムである、<1>~<3>のいずれかに記載の処理液。
<5>
前記処理液中の1,4-シクロヘキサンジメタノールの含有量が、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは15質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上、より更に好ましくは25質量%以上、より更に好ましくは30質量%以上であり、そして、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは55質量%以下、より更に好ましくは50質量%以下、より更に好ましくは45質量%以下、より更に好ましくは40質量%以下である、<1>~<4>のいずれかに記載の処理液。
<6>
前記処理液中の前記多価金属塩の含有量が、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは13質量%以上、より更に好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である、<1>~<5>のいずれかに記載の処理液。
<7>
前記処理液中の水の含有量が、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは75質量%以下、より更に好ましくは70質量%以下、より更に好ましくは65質量%以下、より更に好ましくは60質量%以下、より更に好ましくは55質量%以下であり、そして、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上、より更に好ましくは30質量%以上、より更に好ましくは35質量%以上、より更に好ましくは40質量%以上、より更に好ましくは45質量%以上である、<1>~<6>のいずれかに記載の処理液。
<8>
前記処理液中の1,4-シクロヘキサンジメタノールの含有量に対する前記多価金属塩の含有量の質量比[多価金属塩/1,4-シクロヘキサンジメタノール]が、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.20以上、更に好ましくは0.30以上、より更に好ましくは0.35以上、より更に好ましくは0.40以上であり、そして、好ましくは4.00以下、より好ましくは3.20以下、更に好ましくは3.00以下、より更に好ましくは2.20以下、より更に好ましくは1.50以下、より更に好ましくは1.00以下、より更に好ましくは0.80以下、より更に好ましくは0.50以下である、<1>~<7>のいずれかに記載の処理液。
<9>
前記処理液中の水の含有量に対する1,4-シクロヘキサンジメタノールの含有量の質量比[1,4-シクロヘキサンジメタノール/水]が、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.10以上、更に好ましくは0.30以上、より更に好ましくは0.50以上であり、そして、好ましくは2.00以下、より好ましくは1.50以下、更に好ましくは1.00以下、より更に好ましくは0.90以下、より更に好ましくは0.80以下である、<1>~<8>のいずれかに記載の処理液。
<10>
前記処理液中の着色材の含有量が、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以下であり、より更に好ましくは0質量%である、<1>~<9>のいずれかに記載の処理液。
<11>
インクジェット記録に用いられる記録媒体の処理用である、<1>~<10>のいずれかに記載の処理液。
<12>
<1>~<11>のいずれかに記載の処理液と、着色材及び水を含有するインクとを含む、インクジェット記録用インクセット。
<13>
前記着色材が顔料であり、該顔料の形態が、好ましくは(C)顔料表面に親水性官能基を化学的又は物理的に導入し、顔料分散樹脂及び界面活性剤を用いずに分散させた自己分散顔料の形態、及び(D)顔料を水不溶性樹脂で被覆した形態からなる群から選ばれる1種以上の形態であり、より好ましくは(D)顔料を水不溶性樹脂で被覆した形態である、<12>に記載のインクジェット記録用インクセット。
<14>
前記水不溶性樹脂が、好ましくは(メタ)アクリル系樹脂、スチレン/(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン樹脂、及びポリエステル樹脂からなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくは(メタ)アクリル系樹脂及びスチレン/(メタ)アクリル系樹脂からなる群から選ばれる1種以上である、<13>に記載のインクジェット記録用インクセット。
<15>
前記着色材が顔料であり、該顔料の形態が顔料分散樹脂で分散されてなる形態である、<12>に記載のインクジェット記録用インクセット。
<16>
前記顔料分散樹脂の酸価が、好ましくは5mgKOH/g以上、より好ましくは50mgKOH/g以上、更に好ましくは100mgKOH/g以上、より更に好ましくは150mgKOH/g以上、より更に好ましくは200mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは800mgKOH/g以下、より好ましくは500mgKOH/g以下、更に好ましくは300mgKOH/g以下である、<15>に記載のインクジェット記録用インクセット。
<17>
前記インクが、更にワックスを分散体として含有する、<12>~<16>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセット。
<18>
前記インク中の前記顔料の含有量が、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上であり、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。<13>~<17>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセット。
<19>
前記インク中の前記顔料分散樹脂の含有量に対する前記顔料の含有量の質量比[顔料/顔料分散樹脂]が、好ましくは0.30以上、より好ましくは0.50以上、更に好ましくは0.70以上であり、そして、好ましくは1.00以下、より好ましくは0.90以下、更に好ましくは0.80以下である、<13>~<18>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセット。
<20>
前記インク中の前記ワックスの含有量が、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.8質量%以上であり、そして、好ましくは7質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である、<17>~<19>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセット。
<21>
<1>~<11>のいずれかに記載の処理液を用い、下記の工程1及び工程2を含む、インクジェット記録方法。
工程1:前記処理液を記録媒体に付与し、表面処理記録媒体を得る工程
工程2:工程1で得られた表面処理記録媒体の処理面に、着色材及び水を含有するインクを用いてインクジェット記録方式により画像を形成する工程
<22>
工程1で前記処理液を付与する記録媒体が低浸透性記録媒体である場合、前記処理液は、多価金属塩として、好ましくは硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、及び硝酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上を含有し、より好ましくは硝酸マグネシウム及び硝酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上を含有し、更に好ましくは硝酸マグネシウムを含有する、<21>に記載のインクジェット記録方法。
<23>
工程1で前記処理液を付与する記録媒体が高浸透性記録媒体である場合、前記処理液は、多価金属塩として硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、及び硝酸アルミニウムからなる群から選ばれる1種以上を含有する、<21>又は<22>に記載のインクジェット記録方法。
<24>
<1>~<11>のいずれかに記載の処理液の、インクジェット記録に用いられる記録媒体の処理への使用。
以下の製造例、実施例及び比較例において、「部」は特記しない限り「質量部」である。各種物性は、以下の方法により測定又は算出した。
(1)顔料分散樹脂の数平均分子量
ゲル浸透クロマトグラフィー法により求めた。測定試料は、ガラスバイアル中に樹脂0.1gを下記溶離液10mLと混合し、25℃で10時間、マグネチックスターラーで撹拌し、シリンジフィルター「DISMIC―13HP」(PTFE製、0.2μm、アドバンテック株式会社製)で濾過したものを用いた。測定条件を下記に示す。
GPC装置:東ソー株式会社製「HLC-8320GPC」
カラム:東ソー株式会社製「TSKgel SuperAWM―H」、「TSKgel SuperAW3000」、「TSKgel guardcolum Super AW―H」
溶離液:N,N-ジメチルホルムアミドに、リン酸及びリチウムブロマイドをそれぞれ60mmol/Lと50mmol/Lの濃度となるように溶解した液
流速:0.5mL/min
標準物質:分子量既知の単分散ポリスチレンキット 東ソー株式会社製「PStQuick b(F-550,F-80,F-10,F-1,a-1000)」、「PStQuick c(F-288、F-40、F-4、A-5000、A-500)」
(2)顔料分散樹脂の酸価
顔料分散樹脂の酸価は、電位差自動滴定装置(京都電子工業株式会社製、電動ビューレット、型番:APB-610)に樹脂をトルエンとアセトン(2:1)を混合した滴定溶剤に溶かし、電位差滴定法により0.1N水酸化カリウム/エタノール溶液で滴定し、滴定曲線上の変曲点を終点とした。水酸化カリウム溶液の終点までの滴定量から酸価(mgKOH/g)を算出した。
(3)顔料分散体及びワックス分散体の固形分濃度
30mLのポリプロピレン製容器(φ:40mm、高さ:30mm)を精秤し、該容器中にデシケーターで恒量化した硫酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬株式会社製 試薬)約10.0gを量り取って硫酸ナトリウムの質量を精秤した。そこへ、顔料分散体又はワックス分散体約1gを添加して混合させた後、顔料分散体又はワックス分散体の質量を精秤した。次いで、105℃で2時間維持して揮発分を除去し、デシケーター内で更に15分間放置した後、該容器全体の質量を精秤した。該容器全体の質量の精秤値から容器の質量の精秤値と硫酸ナトリウムの質量の精秤値を差し引いて揮発分除去後の顔料分散体又はワックス分散体の残渣の質量を算出した。揮発分除去後の顔料分散体又はワックス分散体の残渣の質量を、揮発分除去前の顔料分散体又はワックス分散体の質量の精秤値で除して固形分濃度とした。
(4)ワックスの融点
ワックスの融点は、JIS K 0064に準拠した装置により測定した。具体的には、ワックス分散体を乾固したものを試料とし、該試料を示差走査熱量計「DSC Q20」(ティー・エイ・インスルメント社製)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却した。次いで、試料を昇温速度10℃/minで昇温し、200℃まで熱量を測定した。観測された融解熱ピークのうち、ピーク面積が最大のピークの温度を融解の最大ピーク温度とし、該ピーク温度をワックスの融点とした。
(5)顔料分散体の平均粒径
レーザー粒子解析システム「ELS―8000」(大塚電子株式会社製)を用いて、動的光散乱法により粒径を測定し、キュムラント法解析により算出した。
測定条件は、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333)を入力した。測定試料には、顔料分散体をスクリュー管(マルエム株式会社製、No.5)に計量し、固形分濃度が2×10-4質量%になるように水を加えてマグネチックスターラーを用いて25℃で1時間撹拌したものを用いた。
(6)ワックス分散体の平均粒径
ワックス分散体の平均粒径(平均分散粒径)は、マイクロトラック粒度分析計「UPA」(日機装株式会社製)を用いて測定した。
(7)処理液の粘度
E型粘度計(東機産業株式会社製、型番:TV-25、標準コーンロータ1°34’×R24使用、回転数50rpm)にて25℃における処理液の粘度を測定した。
(8)処理液のpH
pH電極「6337-10D」(株式会社堀場製作所製)を使用した卓上型pH計「F-71」(株式会社堀場製作所製)を用いて、20℃におけるpHを測定した。
製造例1-1(顔料分散樹脂(1)の製造)
アクリル酸(富士フイルム和光純薬株式会社製 試薬)31部、スチレン(富士フイルム和光純薬株式会社製 試薬)69部を混合してモノマー混合液を調製した。
反応容器内に、メチルエチルケトン(以下、「MEK」ともいう)(富士フイルム和光純薬株式会社製 試薬)10部、重合連鎖移動剤(2-メルカプトエタノール)(富士フイルム和光純薬株式会社製 試薬)0.2部、及び前記モノマー混合液の10質量%を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行った。
別途、滴下ロートに前記モノマー混合液の残りの90質量%、前記重合連鎖移動剤0.13部、MEK30部及びラジカル重合開始剤(2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、富士フイルム和光純薬株式会社製、商品名「V-65」)1.1部の混合液を入れ、窒素雰囲気下、反応容器内の前記モノマー混合液を撹拌しながら65℃まで昇温し、滴下ロート中の混合液を3時間かけて滴下した。滴下終了から65℃で2時間経過後、前記重合開始剤0.1部をMEK2部に溶解した溶液を加え、更に65℃で2時間、70℃で2時間熟成させた後に減圧乾燥して顔料分散樹脂(1)としてアクリル酸/スチレン共重合体(数平均分子量:19,000、酸価:240mgKOH/g)(以下、「顔料分散樹脂(1)」ともいう)を得た。
製造例2-1(インクジェット記録用シアンインク1の製造)
製造例1-1で得られた顔料分散樹脂(1)100部及びMEK78.6部を混合し、更に中和剤として5N水酸化ナトリウム水溶液(富士フイルム和光純薬株式会社製 容量分析用、水酸化ナトリウムの含有量:16.9質量%)41.2部を加えて中和した(中和度:40モル%)。次いで、イオン交換水800部を加え、更にシアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、DIC株式会社製、商品名「TGR-SD」)100部を加え、ディスパー(淺田鉄工株式会社製、商品名「ウルトラディスパー」)を用いて、20℃でディスパー翼を7,000rpmの回転条件で60分間撹拌し、顔料混合物を得た。
得られた顔料混合物をマイクロフルイダイザー(Microfluidics社製、商品名)で200MPaの圧力で10パス分散処理し、シアン顔料分散液を得た。
得られたシアン顔料分散液にイオン交換水250部を加えて撹拌した後、減圧下60℃でMEKを完全に除去し、更に一部の水を除去した後に、架橋剤としてトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製、商品名「デナコールEX-321」、エポキシ当量:140)35.7部を加えて密栓し、スターラーで撹拌しながら70℃で5時間加熱した後、室温まで降温し、固形分濃度が24質量%になるようにイオン交換水を加え、孔径5μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士フイルム和光純薬株式会社製)で濾過してシアン顔料分散体(架橋率60モル%、平均粒径:102nm)を得た。
得られたシアン顔料分散体50部、ポリエチレンワックス分散体(東邦化学工業株式会社製、商品名「ハイテックE-6500」、イオン種別:ノニオン性、ワックスの融点:140℃、固形分濃度:35質量%)2.9部、1,2-プロパンジオール(富士フイルム和光純薬株式会社製 試薬)19部、エチレングリコールモノブチルエーテル(富士フイルム和光純薬株式会社製 試薬)8部、アセチレングリコール系界面活性剤として2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール(Air Products and Chemicals社製、商品名「サーフィノール104」)0.5部を混合し、合計量が100部となるようイオン交換水を添加し、孔径5μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士フイルム和光純薬株式会社製)で濾過してインクジェット記録用シアンインク1(固形分濃度:13質量%、顔料の含有量:5質量%、顔料分散樹脂の含有量:7質量%、ワックスの含有量:1質量%)を得た。
製造例2-2(インクジェット記録用マゼンタインク2の製造)
製造例2-1において、顔料をシアン顔料に代えてマゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド122、DIC株式会社製、商品名「FASTOGEN Super Magenta RGT」)を用いた以外は同様の手順にてインクジェット記録用マゼンタインク2を得た。
調製例1(処理液1の調製)
撹拌機を備えた容器に下記の配合組成にて処理液の各成分を添加し、25℃にて1時間混合した後、孔径5μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士フイルム和光純薬株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ(テルモ株式会社製)で濾過し、処理液1を得た。処理液1の20℃におけるpHは、4.7であった。
〔処理液1の配合組成〕
1,4-シクロヘキサンジメタノール(Eastman chemical社製) 35.0部
硝酸マグネシウム6水和物(東京化成工業株式会社製 試薬) 25.9部
イオン交換水 39.1部
調製例2~9及び比較調製例1(処理液2~9及びC1の調製)
調製例1において、処理液の配合組成を表1に従って変更した以外は同様にして、各処理液を調製した。
調製例1以外で用いた有機溶剤及び多価金属塩を以下に示す。
[有機溶剤]
・グリセリン(花王株式会社製 化粧品用濃グリセリン)
[多価金属塩]
・硫酸マグネシウム7水和物(東京化成工業株式会社製 試薬)
・硝酸カルシウム4水和物(東京化成工業株式会社製 試薬)
・硝酸アルミニウム9水和物(東京化成工業株式会社製 試薬)
実施例1
ワイヤーレスバーコーター「A-Bar」(三井電機精機株式会社製、型式:OSP―1.5、ピッチ:0.08mm、深さ:4μm、膜厚:1.5μm/wet)を用い、低浸透性記録媒体としてコート紙「OKトップコート+」(王子製紙株式会社製、坪量:127.9g/m2、接触時間100m秒における純水の吸水量:4.9g/m2)に処理液1を均一に塗布した後、25℃、50%RH環境下で10分間静置することで乾燥を行い、表面処理された低浸透性記録媒体を得た。処理液1の付与量は1.6±0.3g/m2となるようにした。
別途、上記の表面処理された低浸透性記録媒体の作製において、コート紙に代えて高浸透性記録媒体として上質普通紙「NPiフォームNext-IJ」(日本製紙株式会社製、坪量:81.4g/m2、接触時間100m秒における純水の吸水量:9.9g/m2)を用いた以外は同様の方法で塗布した後、25℃、50%RH環境下で10分間静置することで乾燥を行い、表面処理された高浸透性記録媒体を得た。
得られた表面処理された低浸透性記録媒体及び表面処理された高浸透性記録媒体を用いて、下記(1)~(3)に示す方法により前記シアンインク又は前記マゼンタインクを用いてインクジェット記録方式により画像を形成し、得られた印刷物を評価した。結果を表1に示す。
実施例2~9及び比較例1
実施例1において、処理液1に代えて表1に示す各処理液を用いた以外は同様の方法で、表面処理された低浸透性記録媒体及び表面処理された高浸透性記録媒体をそれぞれ得た。
得られた表面処理された低浸透性記録媒体及び表面処理された高浸透性記録媒体を用いて、下記(1)~(3)に示す方法により前記シアンインク又は前記マゼンタインクを用いてインクジェット記録方式により画像を形成し、得られた印刷物を評価した。結果を表1に示す。
<評価>
(1)ドット拡張性の評価
表面処理された低浸透性記録媒体に、インクジェット記録用シアンインク1を用いて、以下のインクジェット記録方式により画像を作成した。
(インクジェット記録方式による印刷)
温度25±1℃、相対湿度30±5%の環境で、インクジェットヘッド「KJ4B-HD06MHG-STDV」(京セラ株式会社製、ピエゾ式)を装備した印刷評価装置(株式会社トライテック製)にインクジェット記録用シアンインク1を充填した。
ヘッド電圧26V、周波数20kHz、吐出液適量12pL、ヘッド温度32℃、解像度600dpi、負圧-4.0kPaを設定し、表面処理された低浸透性記録媒体の長手方向と搬送方向が同じになる向きに、表面処理された低浸透性記録媒体を搬送台に減圧で固定した。前記印刷評価装置に印刷命令を転送し、シアンインクDuty2%の画像を印刷し、ドット径をハンディ型画像評価システム「PIAS(登録商標)-II」(クオリティ・エンジニアリング・アソシエイツ(QEA)社製)を用いて閾値50%、最小ドット径10μm、最大ドット径100μmの条件にてインクのドット径を測定し、下記評価基準に従って評価した。ドット径が大きいほど、ドット拡張性に優れ、画質が良好であることを示す。評価がCであれば実用上支障がない。
(評価基準)
A:ドット径が60μm以上
B:ドット径が57.5μm以上60μm未満
C:ドット径が55μm以上57.5μm未満
D:ドット径が55μm未満
(2)画像均質性の評価
表面処理された低浸透性記録媒体に、インクジェット記録用シアンインク1、インクジェット記録用マゼンタインク2を用いて、以下のインクジェット記録方式により画像を作成した。
(インクジェット記録方式による印刷)
温度25±1℃、相対湿度30±5%の環境で、インクジェットヘッド「KJ4B-HD06MHG-STDV」(京セラ株式会社製、ピエゾ式)を装備した印刷評価装置(株式会社トライテック製)にインクジェット記録用シアンインク1とインクジェット記録用マゼンタインク2を充填した。
ヘッド電圧26V、周波数20kHz、吐出液適量12pL、ヘッド温度32℃、解像度600dpi、負圧-4.0kPaを設定し、表面処理された低浸透性記録媒体の長手方向と搬送方向が同じになる向きに、表面処理された低浸透性記録媒体を搬送台に減圧で固定した。前記印刷評価装置に印刷命令を転送し、シアンインク及びマゼンタインクを各Duty60%ずつ、合計Duty120%の画像を印刷し、画像を印刷した部分の画像均質性をハンディ型画像評価システム「PIAS(登録商標)-II」(クオリティ・エンジニアリング・アソシエイツ(QEA)社製)を用いてL*Graininess値を測定し、下記評価基準に従って評価した。L*Graininess値が小さいほど、ドット同士の混色が抑制されて画質に優れる。評価がCであれば実用上支障がない。
(評価基準)
A:L*Graininess値が1.5未満
B:L*Graininess値が1.5以上2.1未満
C:L*Graininess値が2.1以上2.5未満
D:L*Graininess値が2.5以上
(3)画像濃度の評価
表面処理された高浸透性記録媒体に、インクジェット記録用シアンインク1を用いて、以下のインクジェット記録方式により画像を作成した。
(インクジェット記録方式による印刷)
温度25±1℃、相対湿度30±5%の環境で、インクジェットヘッド「KJ4B-HD06MHG-STDV」(京セラ株式会社製、ピエゾ式)を装備した印刷評価装置(株式会社トライテック製)にインクジェット記録用シアンインク1を充填した。
ヘッド電圧26V、周波数20kHz、吐出液適量12pL、ヘッド温度32℃、解像度600dpi、負圧-4.0kPaを設定し、表面処理された高浸透性記録媒体の長手方向と搬送方向が同じになる向きに、表面処理された高浸透性記録媒体を搬送台に減圧で固定した。前記印刷評価装置に印刷命令を転送し、Duty100%の画像を印刷し、1日放置後、分光濃度・測色計「X-Rite eXact」(X―rite社製)を用いて任意の5箇所の画像濃度を、光源D50、視野角2°、CIE表色系、フィルターTの条件で測定した。得られた画像濃度の平均値を印刷物の画像濃度として算出し、下記評価基準に従って評価した。画像濃度の値が高いほど、画像濃度に優れる。評価がCであれば実用上支障がない。
(評価基準)
A:画像濃度が1.18以上
B:画像濃度が1.13以上1.18未満
C:画像濃度が1.08以上1.13未満
D:画像濃度が1.08未満
表1から、実施例1~9は、比較例1と比べて、低浸透性の記録媒体を用いた印刷では良好なドット拡張性と画像均質性を両立した高画質な印刷物を得ることができ、高浸透性の記録媒体を用いた印刷では高い画像濃度の印刷物を得ることができることが分かる。

Claims (13)

  1. インクジェット記録に用いられる記録媒体の処理液であって、
    1,4-シクロヘキサンジメタノール、多価金属塩、及び水を含有する、処理液。
  2. 前記多価金属塩を構成する多価金属イオンが、2価の金属イオンである、請求項1に記載の処理液。
  3. 前記多価金属塩が、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸カルシウム、及び硝酸アルミニウムからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の処理液。
  4. 1,4-シクロヘキサンジメタノールの含有量が、3質量%以上65質量%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の処理液。
  5. 前記多価金属塩の含有量が、3質量%以上30質量%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の処理液。
  6. 水の含有量が15質量%以上85質量%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の処理液。
  7. 1,4-シクロヘキサンジメタノールの含有量に対する前記多価金属塩の含有量の質量比[多価金属塩/1,4-シクロヘキサンジメタノール]が0.10以上4.00以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の処理液。
  8. 水の含有量に対する1,4-シクロヘキサンジメタノールの含有量の質量比[1,4-シクロヘキサンジメタノール/水]が0.03以上2.00以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の処理液。
  9. 着色材の含有量が1質量%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の処理液
  10. 請求項1~3のいずれか1項に記載の処理液と、着色材及び水を含有するインクとを含む、インクジェット記録用インクセット。
  11. 前記着色材が顔料であり、該顔料の形態が顔料分散樹脂で分散されてなる形態である、請求項10に記載のインクジェット記録用インクセット。
  12. 前記顔料分散樹脂の酸価が100mgKOH/g以上800mgKOH/g以下である、請求項11に記載のインクジェット記録用インクセット。
  13. 請求項1~3のいずれか1項に記載の処理液を用い、下記の工程1及び工程2を含む、インクジェット記録方法。
    工程1:前記処理液を記録媒体に付与し、表面処理記録媒体を得る工程
    工程2:工程1で得られた表面処理記録媒体の処理面に、着色材及び水を含有するインクを用いてインクジェット記録方式により画像を形成する工
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