JP7373059B2 - 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、マスクブランクス、パターン形成方法及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents

感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、マスクブランクス、パターン形成方法及び電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、マスクブランクス、パターン形成方法及び電子デバイスの製造方法に関する。
IC(Integrated Circuit、集積回路)及びLSI(Large Scale Integrated circuit、大規模集積回路)等の半導体デバイスの製造プロセスにおいては、感光性組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。
リソグラフィーの方法として、感光性組成物によりレジスト膜を形成した後、得られた膜を露光して、その後、現像する方法が挙げられる。特に、近年、露光の際にEB(Electron Beam)、EUV(Extreme ultraviolet)を用いる検討がなされている。
特許文献1には、特定の基を有する繰り返し単位を含む樹脂と、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物とを含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が記載されている。
特許文献2には、特定の構造単位と環状エーテル構造又は環状カーボネート構造を含む構造単位とを有する重合体、及び酸発生体を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物が記載されている。
国際公開第2017/169626号 日本国特開2014-137454号公報
近年、EB、EUVを用いて形成されるパターンの超微細化が求められており、例えば、ピッチ50nm以下の超微細パターンの形成において、得られるパターンのラフネス性能を確保しつつ、パターン倒れを抑制できる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が求められている。
上記特許文献1には、ピッチ90nmのパターン形成において、パターン倒れを抑制できる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が記載されているが、より微細なピッチ50nm以下の超微細パターンの形成において、パターン倒れを抑制できる具体的な組成物は開示されていなかった。また、ラフネス性能についての記載はなく、検討の余地が残されていた。
上記特許文献2にはポジ型感放射線性樹脂組成物が記載されているが、EB、EUVを用いて形成されるパターンの超微細化については具体的に記載されておらず、パターン倒れ、ラフネス性能についての記載もない。
本発明は、超微細パターン(例えば、ピッチ50nm以下のパターン)において、パターン倒れが抑制でき、かつラフネス性能に優れるパターンを形成できる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により形成された感活性光線性又は感放射線性樹脂膜、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂膜を備えたマスクブランクス、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いるパターン形成方法及び電子デバイスの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討し、下記手段により上記課題が解決できることを見出した。
<1>
下記一般式(1)で表される繰り返し単位(1a)及び酸分解性基を有する繰り返し単位(1b)を含む樹脂(A)と、
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)と、
を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007373059000001

一般式(1)中、
は炭酸エステル基を含む環状構造を有する基、又はSO 基を含む環状構造を有する基を表す。ただし、上記SO 基中の硫黄原子の2つの結合手はいずれも炭素原子と結合している。
は水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は有機基を表す。
は水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
は単結合又は2価の連結基を表す。
は単結合又は2価の連結基を表す。
Xは-COO-、-O-、-CONR -、-SO -又は-SO NR -を表し、R は水素原子又はアルキル基を表す。
及びn は各々1~4の整数を表す。ただし、m +n =5を満たす。
、R 、X及びL が複数存在する場合、複数のR 、R 、X及びL は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
<2>
上記一般式(1)中のL が単結合を表す、<1>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<3>
上記繰り返し単位(1a)が下記一般式(2)で表される、<1>又は<2>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007373059000002

一般式(2)中、R 、R 、R 、L 、m 及びn は、それぞれ上記一般式(1)におけるものと同じ意味を表す。
X’は-COO-、-CONR -、-SO -又は-SO NR -を表し、R は水素原子又はアルキル基を表す。
、R 、X’及びL が複数存在する場合、複数のR 、R 、X’及びL は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
<4>
上記樹脂(A)が、更に、ラクトン構造、カルボキシル基、水酸基及びスルホンアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1つを有する繰り返し単位(1c)を含む、<3>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<5>
上記一般式(2)中のX’が-COO-を表す、<3>又は<4>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<6>
上記一般式(2)中のR が下記一般式(4-1)又は(4-2)で表される、<3>~<5>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007373059000003

一般式(4-1)中、
411 、R 412 、R 413 、R 414 及びR 415 は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。
41 及びp 42 は、それぞれ独立に0~2の整数を表す。ただし、p 41 +p 42 ≦2を満たす。R 411 、R 412 、R 414 及びR 415 が複数存在する場合、複数のR 411 、R 412 、R 414 及びR 415 は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
一般式(4-2)中、
421 、R 422 、R 423 、R 424 及びR 425 は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。
43 及びp 44 は、それぞれ独立に0~2の整数を表す。ただし、p 43 +p 44 ≦2を満たす。R 421 、R 422 、R 424 及びR 425 が複数存在する場合、複数のR 421 、R 422 、R 424 及びR 425 は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
一般式(4-1)及び(4-2)中、*は結合位置を表す。
<7>
上記一般式(2)中のR が上記一般式(4-1)で表される、<6>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<8>
上記繰り返し単位(1a)が下記一般式(5)で表され、かつ上記樹脂(A)が、更に、ラクトン構造、カルボキシル基、水酸基及びスルホンアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1つを有する繰り返し単位(1c)を含む、<1>又は<2>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007373059000004

一般式(5)中、R 、R 、R 、L 、m 及びn は、それぞれ上記一般式(1)におけるものと同じ意味を表す。
、R 及びL が複数存在する場合、複数のR 、R 及びL は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
<9>
上記一般式(5)中のR が下記一般式(6-1)又は(6-2)で表される、<8>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007373059000005

一般式(6-1)中、
611 、R 612 、R 613 、R 614 及びR 615 は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。
61 及びp 62 は、それぞれ独立に0~2の整数を表す。ただし、p 61 +p 62 ≦2を満たす。R 611 、R 612 、R 614 及びR 615 が複数存在する場合、複数のR 611 、R 612 、R 614 及びR 615 は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
一般式(6-2)中、
621 、R 622 、R 623 、R 624 及びR 625 は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。
63 及びp 64 は、それぞれ独立に0~2の整数を表す。ただし、p 63 +p 64 ≦2を満たす。R 621 、R 622 、R 624 及びR 625 が複数存在する場合、複数のR 621 、R 622 、R 624 及びR 625 は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
一般式(6-1)及び(6-2)中、*は結合位置を表す。
<10>
上記一般式(5)中のR が上記一般式(6-1)で表される、<9>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<11>
上記繰り返し単位(1a)の含有量が上記樹脂(A)の全繰り返し単位に対して10~60質量%である、<1>~<10>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<12>
上記化合物(B)がアニオンとカチオンとを含むイオン性化合物である、<1>~<11>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<13>
上記化合物(B)が1つ以上のアニオン性分子と1つ以上のカチオン性分子とで構成され、上記カチオン性分子のうち少なくとも1つがフッ素原子を含む、<1>~<12>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<14>
上記化合物(B)が下記一般式(a)~(c)のいずれかで表される、<1>~<12>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
a1 -L -B a2 (a)
(M b1 nb -L -B b2 (b)
(M nc -L (c)
一般式(a)中、M a1 及びM a2 は、それぞれ独立に有機カチオンを表し、L は2価の有機基を表し、A 及びB は、それぞれ独立にアニオン性官能基を表す。
ただし、一般式(a)で表される化合物のM a1 及びM a2 がそれぞれ水素原子で置換されたHA -L -B Hで表される化合物において、HA で表される基のpKaはB Hで表される基のpKaよりも小さい。
一般式(b)中、M b1 及びM b2 は、それぞれ独立に有機カチオンを表し、L は(nb+1)価の有機基を表し、A 及びB は、それぞれ独立にアニオン性官能基を表し、nbは2以上の整数を表す。複数のM b1 及びA は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
ただし、一般式(b)で表される化合物のM b1 及びM b2 がそれぞれ水素原子で置換された(HA nb -L -B Hで表される化合物において、HA で表される基のpKaはB Hで表される基のpKaよりも小さい。
一般式(c)中、M は有機カチオンを表し、A はアニオン性官能基を表し、L は酸を中和可能な非イオン性の有機部位を表し、ncは2以上の整数を表す。複数のM 及びA は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
<15>
<1>~<14>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により形成された感活性光線性又は感放射線性膜。
<16>
<15>に記載の感活性光線性又は感放射線性膜を備えたマスクブランクス。
<17>
<1>~<14>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程と、
上記レジスト膜を露光する工程と、
現像液を用いて上記露光されたレジスト膜を現像し、パターンを形成する工程と、
を含むパターン形成方法。
<18>
<17>に記載のパターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法。
本発明は、上記<1>~<18>に関するものであるが、本明細書には参考のためその他の事項についても記載した。
[1]
下記一般式(1)で表される繰り返し単位(1a)及び酸分解性基を有する繰り返し単位(1b)を含む樹脂(A)と、
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)と、
を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007373059000006
一般式(1)中、
は炭酸エステル基を含む環状構造を有する基、又はSO基を含む環状構造を有する基を表す。ただし、上記SO基中の硫黄原子の2つの結合手はいずれも酸素原子と結合することはない。
は水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は有機基を表す。
は水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
は単結合又は2価の連結基を表す。
は単結合又は2価の連結基を表す。
Xは-COO-、-O-、-CONR-、-SO-、-SONR-又は-C(CFO-を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表す。
及びnは各々1~4の整数を表す。ただし、m+n=5を満たす。
、R、X及びLが複数存在する場合、複数のR、R、X及びLは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
[2]
上記一般式(1)中のLが単結合を表す、[1]に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[3]
上記一般式(1)中のRが、炭酸エステル基を含む環状構造を有する基、又は硫黄原子の2つの結合手がいずれも炭素原子又は窒素原子と結合しているSO基を含む環状構造を有する基を表す、[1]又は[2]に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[4]
上記繰り返し単位(1a)が下記一般式(2)で表される、[1]~[3]のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007373059000007
一般式(2)中、R、R、R、L、m及びnは、それぞれ上記一般式(1)におけるものと同じ意味を表す。
X’は-COO-、-CONR-、-SO-、-SONR-又は-C(CFO-を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表す。
、R、X’及びLが複数存在する場合、複数のR、R、X’及びLは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
[5]
上記樹脂(A)が、更に、ラクトン構造、カルボキシル基、水酸基及びスルホンアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1つを有する繰り返し単位(1c)を含む、[4]に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[6]
上記一般式(2)中のX’が-COO-を表す、[4]又は[5]に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[7]
上記一般式(2)中のRが下記一般式(4-1)又は(4-2)で表される、[4]~[6]のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007373059000008
一般式(4-1)中、
411、R412、R413、R414及びR415は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。
41及びp42は、それぞれ独立に0~2の整数を表す。ただし、p41+p42≦2を満たす。R411、R412、R414及びR415が複数存在する場合、複数のR411、R412、R414及びR415は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
一般式(4-2)中、
421、R422、R423、R424及びR425は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。
43及びp44は、それぞれ独立に0~2の整数を表す。ただし、p43+p44≦2を満たす。R421、R422、R424及びR425が複数存在する場合、複数のR421、R422、R424及びR425は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
一般式(4-1)及び(4-2)中、*は結合位置を表す。
[8]
上記一般式(2)中のRが上記一般式(4-1)で表される、[7]に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[9]
上記繰り返し単位(1a)が下記一般式(5)で表され、かつ上記樹脂(A)が、更に、ラクトン構造、カルボキシル基、水酸基及びスルホンアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1つを有する繰り返し単位(1c)を含む、[1]~[3]のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007373059000009
一般式(5)中、R、R、R、L、m及びnは、それぞれ上記一般式(1)におけるものと同じ意味を表す。
、R及びLが複数存在する場合、複数のR、R及びLは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
[10]
上記一般式(5)中のRが下記一般式(6-1)又は(6-2)で表される、[9]に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007373059000010
一般式(6-1)中、
611、R612、R613、R614及びR615は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。
61及びp62は、それぞれ独立に0~2の整数を表す。ただし、p61+p62≦2を満たす。R611、R612、R614及びR615が複数存在する場合、複数のR611、R612、R614及びR615は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
一般式(6-2)中、
621、R622、R623、R624及びR625は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。
63及びp64は、それぞれ独立に0~2の整数を表す。ただし、p63+p64≦2を満たす。R621、R622、R624及びR625が複数存在する場合、複数のR621、R622、R624及びR625は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
一般式(6-1)及び(6-2)中、*は結合位置を表す。
[11]
上記一般式(5)中のRが上記一般式(6-1)で表される、[10]に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[12]
上記繰り返し単位(1a)の含有量が上記樹脂(A)の全繰り返し単位に対して10~60質量%である、[1]~[11]のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[13]
上記化合物(B)がアニオンとカチオンとを含むイオン性化合物である、[1]~[12]のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[14]
上記化合物(B)が1つ以上のアニオン性分子と1つ以上のカチオン性分子とで構成され、上記カチオン性分子のうち少なくとも1つがフッ素原子を含む、[1]~[13]のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[15]
上記化合物(B)が下記一般式(a)~(c)のいずれかで表される、[1]~[13]のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
a1 -L-B a2 (a)
(Mb1 nb-L-B b2 (b)
(M nc-L (c)
一般式(a)中、Ma1 及びMa2 は、それぞれ独立に有機カチオンを表し、Lは2価の有機基を表し、A 及びB は、それぞれ独立にアニオン性官能基を表す。
ただし、一般式(a)で表される化合物のMa1 及びMa2 がそれぞれ水素原子で置換されたHA-L-BHで表される化合物において、HAで表される基のpKaはBHで表される基のpKaよりも小さい。
一般式(b)中、Mb1 及びMb2 は、それぞれ独立に有機カチオンを表し、Lは(nb+1)価の有機基を表し、A 及びB は、それぞれ独立にアニオン性官能基を表し、nbは2以上の整数を表す。複数のMb1 及びA は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
ただし、一般式(b)で表される化合物のMb1 及びMb2 がそれぞれ水素原子で置換された(HAnb-L-BHで表される化合物において、HAで表される基のpKaはBHで表される基のpKaよりも小さい。
一般式(c)中、M は有機カチオンを表し、A はアニオン性官能基を表し、Lは酸を中和可能な非イオン性の有機部位を表し、ncは2以上の整数を表す。複数のM 及びA は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
[16]
[1]~[15]のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により形成された感活性光線性又は感放射線性膜。
[17]
[16]に記載の感活性光線性又は感放射線性膜を備えたマスクブランクス。
[18]
[1]~[15]のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程と、
上記レジスト膜を露光する工程と、
現像液を用いて上記露光されたレジスト膜を現像し、パターンを形成する工程と、
を含むパターン形成方法。
[19]
[18]に記載のパターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法。
本発明によれば、超微細パターン(例えば、ピッチ50nm以下のパターン)において、パターン倒れが抑制でき、かつラフネス性能に優れるパターンを形成できる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により形成された感活性光線性又は感放射線性樹脂膜、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂膜を備えたマスクブランクス、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いるパターン形成方法及び電子デバイスの製造方法を提供することができる。
以下に、本発明を実施するための形態の一例を説明する。
なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及び、ヨウ素原子が挙げられる。
本明細書において表記される2価の基の結合方向は、特に断らない限り制限されない。例えば、「X-Y-Z」なる一般式で表される化合物中の、Yが-COO-である場合、Yは、-CO-O-であってもよく、-O-CO-であってもよい。また、上記化合物は「X-CO-O-Z」であってもよく「X-O-CO-Z」であってもよい。
本明細書における、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルを含む総称であり、「アクリル及びメタクリルの少なくとも1種」を意味する。同様に「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV:Extreme Ultraviolet)、X線、及び電子線(EB:Electron Beam)等を意味する。本明細書中における「光」とは、活性光線又は放射線を意味する。
本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、及びEUV等による露光のみならず、電子線、及びイオンビーム等の粒子線による描画も含む。
本明細書において、樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び分散度(分子量分布ともいう)(Mw/Mn)は、GPC(Gel Permeation Chromatography)装置(東ソー株式会社製HLC-8120GPC)によるGPC測定(溶媒:テトラヒドロフラン、流量(サンプル注入量):10μL、カラム:東ソー株式会社製TSK gel Multipore HXL-M、カラム温度:40℃、流速:1.0mL/分、検出器:示差屈折率検出器(Refractive Index Detector))によるポリスチレン換算値として定義される。
1Åは1×10-10mである。
本明細書において酸解離定数(pKa)とは、水溶液中でのpKaを表し、具体的には、下記ソフトウェアパッケージ1を用いて、ハメットの置換基定数及び公知文献値のデータベースに基づいた値を、計算により求められる値である。本明細書中に記載したpKaの値は、後述する場合を除き、全てソフトウェアパッケージ1を用いて計算により求めた値を示す。
ソフトウェアパッケージ1:Advanced Chemistry Development (ACD/Labs) Software V8.14 for Solaris(1994-2007 ACD/Labs)。
一方で、pKaは、分子軌道計算法によっても求められる。この具体的な方法としては、熱力学サイクルに基づいて、溶媒中におけるH解離自由エネルギーを計算して算出する手法が挙げられる。なお、本明細書において、上記溶媒としては、通常は水を使用し、水ではpKaを求められない場合にはDMSO(ジメチルスルホキシド)を使用する。
解離自由エネルギーの計算方法については、例えばDFT(密度汎関数法)により計算できるが、他にも様々な手法が文献等で報告されており、これに制限されるものではない。なお、DFTを実施できるソフトウェアは複数存在するが、例えば、Gaussian16が挙げられる。
本明細書中のpKaとは、上述した通り、ソフトウェアパッケージ1を用いて、ハメットの置換基定数及び公知文献値のデータベースに基づいた値を計算により求められる値を指すが、この手法によりpKaが算出できない場合には、DFT(密度汎関数法)に基づいてGaussian16により得られる値を採用するものとする。
本明細書中における基(原子団)の表記について、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さない基と共に置換基を有する基をも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。また、本明細書中における「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。
また、本明細書において、「置換基を有していてもよい」というときの置換基の種類、置換基の位置、及び、置換基の数は特に限定されない。置換基の数は例えば、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上であってもよい。置換基の例としては水素原子を除く1価の非金属原子団を挙げることができ、例えば、以下の置換基Tから選択することができる。
(置換基T)
置換基Tとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基及びtert-ブトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びp-トリルオキシ基等のアリールオキシ基;メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基及びフェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基及びベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基及びメトキサリル基等のアシル基;メチルスルファニル基及びtert-ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基;フェニルスルファニル基及びp-トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基;アルキル基;シクロアルキル基;アリール基;ヘテロアリール基;水酸基;カルボキシ基;ホルミル基;スルホ基;シアノ基;アルキルアミノカルボニル基;アリールアミノカルボニル基;スルホンアミド基;シリル基;アミノ基;モノアルキルアミノ基;ジアルキルアミノ基;アリールアミノ基、ニトロ基;ホルミル基;並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
[感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物]
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」とも言う)について説明する。
本発明の組成物は、典型的にはレジスト組成物であり、ポジ型のレジスト組成物であっても、ネガ型のレジスト組成物であってもよい。また、アルカリ現像用のレジスト組成物であっても、有機溶剤現像用のレジスト組成物であってもよい。
本発明の組成物は化学増幅型のレジスト組成物であることが好ましい。
本発明の組成物は、一般式(1)で表される繰り返し単位(1a)、及び酸分解性基を有する繰り返し単位(1b)を含む樹脂(A)と、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)と含有する。
このような構成によれば、例えばピッチ50nm以下の超微細パターンにおいて、パターン倒れ(倒れ前線幅)を低減でき、更にラフネス性能に優れるパターンを形成できる。
ここで、「倒れ前線幅」とは、ライン部が倒れることなく形成(解像)できる線幅を意味する。
本発明が上記効果を発現できるメカニズムは必ずしも明らかではないが、本発明者らは以下のように考えている。
本発明の組成物は、一般式(1)で表される繰り返し単位(1a)を含む樹脂(A)を含有する。繰り返し単位(1a)はRで表される、極性が適度に高い、炭酸エステル基を含む環状構造を有する基、又はSO基を含む環状構造を有する基を有している。
一般的に、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に含まれる活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(「光酸発生剤」とも言う)は、極性基を有していたり、イオン性化合物であったりするため、光酸発生剤同士で凝集しやすい傾向にある。
しかしながら、本発明では、樹脂(A)が有する高極性のRが化合物(B)と相互作用することにより、化合物(B)の凝集を抑制できる。そのため、本発明の組成物により形成した感活性光線性又は感放射線性膜(典型的にはレジスト膜)では、光酸発生剤を均一に存在させることができ、ラフネス性能が向上したものと考えられる。
ここで、樹脂(A)が有するRは、上述のように光酸発生剤の凝集を抑制できる程度の極性を有するものの、極性が高すぎないため、現像不良になりにくく、また、樹脂(A)中の非極性ユニット(例えば、酸分解性基を有する繰り返し単位(1b)における酸分解性基)との相溶性も維持できる。そのため、更にラフネス性能が向上したものと考えられる。
このように、ラフネス性能に優れることによって、得られるパターンにおける隣接するパターン間の距離がより均一になるため、隣接するパターン間にかかるキャピラリー力が均一化され、パターン倒れが抑制できるものと推察される。
さらに、樹脂(A)に含まれる繰り返し単位(1a)は、その構造中にベンゼン環を1つ有している。
ベンゼン環を有さない樹脂の場合、得られる感活性光線性又は感放射線性膜のガラス転移点(Tg)が低くなり、光酸発生剤から発生する酸が拡散しやすくなるため、ラフネス性能が悪化してしまう。また、得られるパターンの強度不足により、エッチング耐性が悪化する他、パターン倒れが起きやすくなると考えられる。
一方、ナフタレン環のような多環の芳香族環を有する樹脂の場合、疎水性が高いため、Rの極性の効果が得られにくく、光酸発生剤の凝集を引き起こしやすくなり、本発明のようなラフネス性能は得られないと考えられる。
以下、本発明の組成物が含み得る成分について詳述する。
〔樹脂(A)〕
本発明の組成物は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位(1a)及び酸分解性基を有する繰り返し単位(1b)を含む樹脂(A)を含有する。
Figure 0007373059000011
一般式(1)中、
は炭酸エステル基を含む環状構造を有する基、又はSO基を含む環状構造を有する基を表す。ただし、上記SO基中の硫黄原子の2つの結合手はいずれも酸素原子と結合することはない。
は水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は有機基を表す。
は水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
は単結合又は2価の連結基を表す。
は単結合又は2価の連結基を表す。
Xは-COO-、-O-、-CONR-、-SO-、-SONR-又は-C(CFO-を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表す。
及びnは各々1~4の整数を表す。ただし、m+n=5を満たす。
、R、X及びLが複数存在する場合、複数のR、R、X及びLは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
一般式(1)中、Rは炭酸エステル基(下記式(G1)で表される基)を含む環状構造を有する基、又はSO基(下記式(G2)で表される基)を含む環状構造を有する基を表す。
Figure 0007373059000012
式(G1)及び式(G2)中、*1~*4は結合位置を表す。ただし、SO基中の硫黄原子の2つの結合手はいずれも酸素原子と結合することはない。すなわち、式(G2)中の*3及び*4はいずれも酸素原子との結合位置を表す場合はない。
SO基中の硫黄原子の2つの結合手はいずれも炭素原子又は窒素原子と結合していることが好ましい。すなわち、式(G2)中の*3及び*4はそれぞれ独立に炭素原子又は窒素原子との結合位置を表すことが好ましい。
一般式(1)中のRが、炭酸エステル基を含む環状構造を有する基、又は硫黄原子の2つの結合手がいずれも炭素原子又は窒素原子と結合しているSO基を含む環状構造を有する基を表すことが好ましい。
の環状構造において環形成に寄与する原子の原子数(環員の原子数)は4~15が好ましく、4~10がより好ましく、4~8が更に好ましい。炭酸エステル基及びSO基以外の環形成に寄与する原子の種類は特に限定されないが、炭素原子(カルボニル炭素であってもよい)、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられ、炭素原子であることが好ましい。
の環状構造は単環でも多環でもよいが、単環であることが好ましい。
の環状構造は炭酸エステル基又はSO基と、炭化水素基とによって構成されることが好ましい。
の環状構造は単環又は多環のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基における一部の炭化水素基が炭酸エステル基又はSO基で置き換わった構造であることが好ましい。
ここで、シクロアルキル基又はシクロアルケニル基における一部の炭化水素基を炭酸エステル基又はSO基で置き換えるとは、シクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基における-(CH-基を炭酸エステル基で置き換える、又は-(CH)-基をSO基で置き換えることを表す。
の環状構造が、単環のシクロアルキル基における一部の炭化水素基が炭酸エステル基、又はSO基で置き換わった構造である場合、上記シクロアルキル基としては、炭素数4~15のシクロアルキル基が挙げられ、炭素数4~10のシクロアルキル基が好ましく、炭素数4~8のシクロアルキル基がより好ましく、具体的にはシクロブチル基、シクロペンチル基、又はシクロヘキシル基が好ましい。
の環状構造が、多環のシクロアルキル基における一部の炭化水素基が炭酸エステル基、又はSO基で置き換わった構造である場合、上記シクロアルキル基としては、炭素数4~15のシクロアルキル基が挙げられ、炭素数4~10のシクロアルキル基が好ましい。上記シクロアルキル基は5又は6員の環構造を有するものが好ましい。5又は6員環の環構造を有する多環シクロアルキル基としては、トリシクロデカニル基、ビシクロ[4,3,0]ノニル基等が挙げられる。
の環状構造は更に置換基を有していてもよい。更なる置換基は特に限定されないが、例えば上記置換基Tが挙げられる。
一般式(1)中、Rは水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は有機基を表す。
がハロゲン原子を表す場合のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子であることが好ましい。
が有機基を表す場合の有機基としては特に限定されないが、具体的にはアルキル基、シクロアルキル基等が挙げられる。
上記アルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、炭素数1~20であることが好ましく、炭素数1~15であることがより好ましく、炭素数1~10であることが更に好ましく、メチル基が特に好ましい。
上記シクロアルキル基は単環でも多環でもよく、炭素数3~20であることが好ましく、炭素数5~15であることがより好ましい。
上記有機基は更に置換基を有していてもよい。更なる置換基は特に限定されないが、上記置換基Tが好ましく、ハロゲン原子がより好ましく、フッ素原子がさらに好ましい。
が有機基を表す場合の有機基としては、アルキル基であることが好ましく、フッ素置換若しくは無置換の炭素数1~3のアルキル基であることがより好ましく、メチル基又はトリフルオロメチル基がさらに好ましい。
は水素原子、フッ素原子、水酸基、メチル基又はトリフルオロメチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
一般式(1)中、Rは水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
がハロゲン原子を表す場合のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子であることが好ましい。
がアルキル基を表す場合のアルキル基としては、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1~12のアルキル基が挙げられ、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記アルキル基が置換基を有する場合の置換基としては、上記置換基Tが挙げられ、ハロゲン原子であることが好ましく、フッ素原子であることがより好ましい。
は、水素原子、フッ素置換若しくは無置換の炭素数1~12のアルキル基、又はフッ素原子であることが好ましく、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はフッ素原子であることがより好ましく、水素原子又はメチル基であることが更に好ましい。
一般式(1)中、Lは単結合又は2価の連結基を表す。
が2価の連結基を表す場合の2価の連結基としては、アルキレン基、-O-、-C(=O)-、又はこれらを組み合わせてなる2価の基が挙げられる。
がアルキレン基を表す場合のアルキレン基としては、炭素数1~18の鎖状若しくは分岐状のアルキレン基が挙げられ、具体的には、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、i-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ヘキシレン基、n-オクチレン基等が挙げられる。
アルキレン基は、炭素数1~3のアルキレン基であることが好ましく、メチレン基、又はエチレン基であることがより好ましく、メチレン基であることがさらに好ましい。
アルキレン基は、置換基を有していてもよく、アルキレン基が置換基を有する場合の置換基としては、上記置換基Tが挙げられる。
は、単結合、メチレン基、エチレン基、-O-、-C(=O)-、又はこれらを組み合わせてなる2価の基が好ましい。
一般式(1)中、Lは単結合又は2価の連結基を表す。
が2価の連結基を表す場合の2価の連結基としては、アルキレン基、-O-、-C(=O)-、又はこれらを組み合わせてなる2価の基が挙げられる。
がアルキレン基を表す場合のアルキレン基としては、上記Lとして挙げたアルキレン基が挙げられ、好ましい例も同様である。
アルキレン基は、置換基を有していてもよく、アルキレン基が置換基を有する場合の置換基としては、上記置換基Tが挙げられる。
は、単結合又は-C(=O)O-であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。Lが単結合であると、樹脂(A)の主鎖近傍の剛直性を維持することでTgの低下を防ぐことができるため好ましい。
一般式(1)中、Xは-COO-、-O-、-CONR-、-SO-、-SONR-又は-C(CFO-を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表す。
がアルキル基を表す場合のアルキル基としては、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、炭素数1~20であることが好ましく、炭素数1~10であることがより好ましい。
は水素原子であることが好ましい。
Xは-COO-、-O-又は-SO-を表すことがより好ましく、-COO-又は-O-を表すことが特に好ましい。
一般式(1)中、m及びnは各々1~4の整数を表す。ただし、m+n=5を満たす。
は1又は2を表すことが好ましく、1を表すことがより好ましい。すなわち、nは4又は3を表すことが好ましく、4を表すことがより好ましい。
上記一般式(1)で表される繰り返し単位(1a)は、下記一般式(2)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
(一般式(2)で表される繰り返し単位)
Figure 0007373059000013
一般式(2)中、R、R、R、L、m及びnは、それぞれ一般式(1)におけるものと同じ意味を表す。
X’は-COO-、-CONR-、-SO-、-SONR-又は-C(CFO-を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表す。
、R、X’及びLが複数存在する場合、複数のR、R、X’及びLは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
一般式(2)中、R、R、L、m及びnは、それぞれ上記一般式(1)中のR、R、L、m及びnと同義であり、好ましい例も同様である。
一般式(2)中のRは、上記一般式(1)中のRと同義である。
は下記一般式(4-1)又は(4-2)で表されることが好ましい。
Figure 0007373059000014
一般式(4-1)中、
411、R412、R413、R414及びR415は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。
41及びp42は、それぞれ独立に0~2の整数を表す。ただし、p41+p42≦2を満たす。R411、R412、R414及びR415が複数存在する場合、複数のR411、R412、R414及びR415は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
一般式(4-2)中、
421、R422、R423、R424及びR425は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。
43及びp44は、それぞれ独立に0~2の整数を表す。ただし、p43+p44≦2を満たす。R421、R422、R424及びR425が複数存在する場合、複数のR421、R422、R424及びR425は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
一般式(4-1)及び(4-2)中、*は結合位置を表す。
一般式(4-1)中のR411、R412、R413、R414及びR415が、アルキル基を表す場合のアルキル基としては、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1~12のアルキル基が挙げられ、メチル基、又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記アルキル基が置換基を有する場合の置換基としては、上記置換基Tが挙げられ、ハロゲン原子であることが好ましく、フッ素原子であることがより好ましい。
411、R412、R413、R414及びR415は水素原子であることが好ましい。
一般式(4-1)中、p41及びp42は、それぞれ独立に0又は1を表すことが好ましく、一方が0を表し、他方が1を表す、又はいずれもが1を表すことがより好ましく、一方が0を表し、他方が1を表すことが更に好ましい。
一般式(4-2)中のR421、R422、R423、R424及びR425がアルキル基を表す場合のアルキル基としては、上記一般式(4-1)中のR411、R412、R413、R414及びR415がアルキル基を表す場合のアルキル基として記載したものが挙げられ、好ましい例も同様である。
421、R422、R423、R424及びR425は水素原子であることが好ましい。
一般式(4-2)中、p43及びp44は、それぞれ独立に0又は1を表すことが好ましく、一方が0を表し、他方が1を表す、又はいずれもが1を表すことがより好ましく、一方が0を表し、他方が1を表すことが更に好ましい。
は上記一般式(4-1)で表される基であることが特に好ましい。
一般式(2)中、X’は-COO-、-CONR-、-SO-、-SONR-、又は-C(CFO-を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表す。
上記Rは、一般式(1)において説明したRと同義であり、好ましい例も同様である。
X’は-COO-又は-SO-であることが好ましく、-COO-であることがより好ましい。
上記一般式(1)で表される繰り返し単位(1a)は、下記一般式(5)で表される繰り返し単位であることも好ましい。
(一般式(5)で表される繰り返し単位)
Figure 0007373059000015
一般式(5)中、R、R、R、L、m及びnは、それぞれ一般式(1)におけるものと同じ意味を表す。
、R及びLが複数存在する場合、複数のR、R及びLは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
一般式(5)中、R、R、L、m及びnは、それぞれ上記一般式(1)中のR、R、L、m及びnと同義であり、好ましい例も同様である。
一般式(5)中のRは上記一般式(1)中のRと同義である。
は下記一般式(6-1)又は(6-2)で表される基であることが好ましい。
Figure 0007373059000016
一般式(6-1)中、
611、R612、R613、R614及びR615は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。
61及びp62は、それぞれ独立に0~2の整数を表す。ただし、p61+p62≦2を満たす。R611、R612、R614及びR615が複数存在する場合、複数のR611、R612、R614及びR615は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
一般式(6-2)中、
621、R622、R623、R624及びR625は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。
63及びp64は、それぞれ独立に0~2の整数を表す。ただし、p63+p64≦2を満たす。R621、R622、R624及びR625が複数存在する場合、複数のR621、R622、R624及びR625は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
一般式(6-1)及び(6-2)中、*は結合位置を表す。
一般式(6-1)中のR611、R612、R613、R614、R615、p61及びp62は、それぞれ上記一般式(4-1)中のR411、R412、R413、R414、R415、p41及びp42と同義であり、好ましい例も同様である。
一般式(6-2)中のR621、R622、R623、R624、R625、p63及びp64は、それぞれ上記一般式(4-2)中のR421、R422、R423、R424、R425、p43及びp44と同義であり、好ましい例も同様である。
は一般式(6-1)で表される基であることが特に好ましい。
繰り返し単位(1a)が一般式(5)で表される繰り返し単位である場合、樹脂(A)は更に、後述するラクトン構造、カルボキシル基、水酸基及びスルホンアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1つを有する繰り返し単位(1c)を含むことが特に好ましい。
一般式(1)で表される繰り返し単位(1a)の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0007373059000017
Figure 0007373059000018
樹脂(A)において、繰り返し単位(1a)は1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
樹脂(A)における繰り返し単位(1a)の含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、5~75質量%であることが好ましく、5~70質量%であることがより好ましく、10~60質量%であることが更に好ましい。
<酸分解性基を有する繰り返し単位(1b)>
樹脂(A)は、酸分解性基を有する繰り返し単位(1b)を含む。
酸分解性基は、極性基が酸の作用により脱離する基(脱離基)で保護された構造を有することが好ましい。
極性基としては、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、及び、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等の酸性基(典型的には、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液中で解離する基)、並びに、アルコール性水酸基等が挙げられる。
なお、アルコール性水酸基とは、炭化水素基に結合した水酸基であって、芳香環上に直接結合した水酸基(フェノール性水酸基)以外の水酸基をいい、水酸基としてα位がフッ素原子などの電子求引性基で置換された脂肪族アルコール(例えば、ヘキサフルオロイソプロパノール基など)は除く。アルコール性水酸基としては、pKa(酸解離定数)が12以上20以下の水酸基であることが好ましい。
中でも、極性基としては、カルボキシル基、フェノール性水酸基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール基)、又は、スルホン酸基が好ましい。
酸の作用により脱離する基(脱離基)としては、例えば、式(Y1)~(Y4)で表される基が挙げられる。
式(Y1):-C(Rx)(Rx)(Rx
式(Y2):-C(=O)OC(Rx)(Rx)(Rx
式(Y3):-C(R36)(R37)(OR38
式(Y4):-C(Rn)(H)(Ar)
式(Y1)及び式(Y2)中、Rx~Rxは、それぞれ独立に、アルキル基(直鎖状若しくは分岐鎖状)又はシクロアルキル基(単環若しくは多環)、又は、アリール基(単環若しくは多環)を表す。
なかでも、Rx~Rxは、それぞれ独立に、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表すことが好ましく、Rx~Rxは、それぞれ独立に、直鎖状のアルキル基を表すことがより好ましい。
Rx~Rxの2つが結合して、単環又は多環を形成してもよい。
Rx~Rxのアルキル基としては、特に限定されないが、炭素数1~20のアルキル基が挙げられ、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、及び、t-ブチル基等の炭素数1~4のアルキル基が好ましい。
Rx~Rxのシクロアルキル基としては、特に限定されないが、炭素数3~20のシクロアルキル基が挙げられ、シクロペンチル基、及び、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、並びに、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx~Rxのアリール基は、炭素数6~14のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、及びアントリル基等が挙げられる。
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基は、置換基を有していてもよい。
Rx~Rxの2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及び、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、並びに、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましく、炭素数5~6の単環のシクロアルキル基がより好ましい。
Rx~Rxの2つが結合して形成されるシクロアルキル基は、例えば、環を構成するメチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又は、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
Rx~Rxの2つが結合して形成されるシクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。
式(Y3)中、R36~R38は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。R37とR38とは、互いに結合して環を形成してもよい。1価の有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、及び、アルケニル基等が挙げられる。R36は水素原子であることも好ましい。
式(Y3)としては、下記式(Y3-1)で表される基が好ましい。
Figure 0007373059000019
ここで、LY3及びLY4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、これらを組み合わせた基(例えば、アルキル基とアリール基とを組み合わせた基)を表す。
Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいシクロアルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基、アミノ基、アンモニウム基、メルカプト基、シアノ基、アルデヒド基、又は、これらを組み合わせた基(例えば、アルキル基とシクロアルキル基とを組み合わせた基)を表す。
アルキル基及びシクロアルキル基は、例えば、メチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又は、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
なお、LY3及びLY4のうち一方は水素原子であり、他方はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アルキレン基とアリール基とを組み合わせた基であることが好ましい。
Q、M及びLY3の少なくとも2つが結合して環(好ましくは、5員若しくは6員環)を形成してもよい。
パターンの微細化の点では、LY4が2級又は3級アルキル基であることが好ましく、3級アルキル基であることがより好ましい。2級アルキル基としては、イソプロピル基、シクロヘキシル基又はノルボルニル基が挙げられ、3級アルキル基としては、tert-ブチル基又はアダマンタン基を挙げることができる。これらの態様では、Tg(ガラス転移温度)や活性化エネルギーが高くなるため、膜強度の担保に加え、かぶりの抑制ができる。
式(Y4)中、Arは、芳香環基を表す。Rnは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。RnとArとは互いに結合して非芳香族環を形成してもよい。Arはより好ましくはアリール基である。
酸分解性基を有する繰り返し単位(1b)は、下記一般式(A)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
Figure 0007373059000020
一般式(A)中、L1Aは2価の連結基を表し、R1A~R3Aはそれぞれ独立に水素原子又は1価の置換基を表し、R4Aは酸の作用によって分解し脱離する基を表す。
1Aは、2価の連結基を表す。2価の連結基としては、-CO-、-O-、-S―、-SO-、―SO-、炭化水素基(例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基等)、及び、これらの複数が連結した連結基等が挙げられる。中でも、L1Aとしては、-CO-、アリーレン基が好ましい。
アリーレン基としては、フェニレン基が好ましい。
アルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。アルキレン基の炭素数は特に制限されないが、1~10が好ましく、1~3がより好ましい。
1A~R3Aは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。1価の置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、又はハロゲン原子が挙げられる。
アルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。アルキル基の炭素数は特に制限されないが、1~10が好ましく、1~3がより好ましい。
シクロアルキル基は、単環型であってもよく、多環型であってもよい。このシクロアルキル基の炭素数は、好ましくは3~8とする。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
4Aは、酸の作用によって脱離する基(脱離基)を表す。
中でも、脱離基としては、上記式(Y1)~(Y4)で表される基が挙げられ、上記式(Y3)で表される基が好ましい。
上記各基が置換基を有する場合、置換基としては、例えば、アルキル基(炭素数1~4)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1~4)、カルボキシル基、及び、アルコキシカルボニル基(炭素数2~6)等が挙げられる。置換基中の炭素数は、8以下が好ましい。
酸分解性基を有する繰り返し単位(1b)は、下記一般式(3)で表される繰り返し単位であることも好ましい。
Figure 0007373059000021
一般式(3)中、
は水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を表す。
Zは酸の作用により脱離する基を有する基を表す。
一般式(3)中、Xは、水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を表す。
がアルキル基を表す場合のアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1~12のアルキル基が挙げられ、メチル基、エチル基、n-プロピル基、又はi―プロピル基が好ましく、メチル基、又はエチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
上記アルキル基が置換基を有する場合の置換基としては、上記置換基Tに記載の置換基が挙げられ、ハロゲン原子であることが好ましく、フッ素原子であることがより好ましい。
がハロゲン原子を表す場合のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子であることが好ましい。
は、水素原子、フッ素置換若しくは無置換の炭素数1~12のアルキル基、又はフッ素原子であることが好ましく、メチル基、トリフルオロメチル基、又はフッ素原子であることがより好ましい。
一般式(3)中、Zは酸の作用により脱離する基を有する基を表す。
一般式(3)中、酸の作用により脱離する脱離基で極性基が保護された構造(酸分解性基)における極性基はカルボン酸基である。極性基をカルボン酸基とすることにより、脱離基の脱離前後での溶解コントラスト変化を大きくできるためLWR性能を向上させることができる。
一般式(3)において、Zが脱離基そのものであってもよい。つまりこの場合、脱離基(Z)で極性基(カルボン酸基)が保護された構造(酸分解性基)が形成され、一般式(3)における-COO-Zが全体として酸分解性基を構成している。また、一般式(3)におけるZの一部に極性基がカルボン酸基である酸分解性基が含まれていてもよいし、Zが全体として極性基がカルボン酸基である酸分解性基を構成していてもよい。
酸の作用により脱離する脱離基としては、上記式(Y1)~(Y4)で表される基が挙げられる。
繰り返し単位の酸分解性が優れる点から、極性基を保護する脱離基において、極性基(又はその残基)に非芳香族環が直接結合している場合、上記非芳香族環中の、上記極性基(又はその残基)と直接結合している環員原子に隣接する環員原子は、置換基としてフッ素原子等のハロゲン原子を有さないのも好ましい。
酸の作用により脱離する脱離基は、他にも、3-メチル-2-シクロペンテニル基のような置換基(アルキル基等)を有する2-シクロペンテニル基、及び、1,1,4,4-テトラメチルシクロヘキシル基のような置換基(アルキル基等)を有するシクロヘキシル基でもよい。
・繰り返し単位(1b-1)
繰り返し単位(1b)は、上記一般式(3)におけるZが上記式(Y1)で表される繰り返し単位、すなわち、下記一般式(3-1)で表される繰り返し単位(1b-1)であることが好ましい。
Figure 0007373059000022
一般式(3-1)中、
は水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を表す。
Z1~RZ3は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表す。RZ1~RZ3のいずれか2つが結合して環構造を形成していてもよい。
一般式(3-1)中のXは、上記一般式(3)におけるXと同義であり、好ましい例も同様である。
一般式(3-1)中のRZ1~RZ3は、上記式(Y-1)中のRx~Rxと同義であり、好ましい例も同様である。
・繰り返し単位(1b-2)
繰り返し単位(1b)は、下記一般式(3-2)で表される繰り返し単位(1b-2)であることがより好ましい。
Figure 0007373059000023
一般式(3-2)中、
は水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を表す。
3bはアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。
は1以上の整数を表す。
一般式(3-2)中のXは、上記一般式(3)におけるXと同義であり、好ましい例も同様である。
一般式(3-2)中、R3bは、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。アルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基は、置換基を有していてもよい。
3bがアルキル基を表す場合のアルキル基、及びアルキル基が有してもよい置換基としては、上記式(Y-1)中のRx~Rxとしてのアルキル基、及びアルキル基が有してもよい置換基が挙げられ、好ましい例も同様である。
3bがシクロアルキル基を表す場合のシクロアルキル基としては、上記式(Y-1)中のRx~Rxとしてのシクロアルキル基が挙げられ、好ましい例も同様である。
3bがアリール基を表す場合のアリール基としては、上記式(Y-1)中のRx~Rxとしてのアリール基が挙げられ、フェニル基又はナフチル基であることが好ましい。
3bは、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、i-プロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、又はシクロヘキシル基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、i―プロピル基、又はt-ブチル基であることがさらに好ましい。
一般式(3-2)中、mは1以上の整数を表す。mは1~10であることが好ましく、1~6がより好ましく、3又は4がさらに好ましい。
以下に、酸分解性基を有する繰り返し単位(1b)を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0007373059000024


Figure 0007373059000025
樹脂(A)において、繰り返し単位(1b)は1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
繰り返し単位(1b)の含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、20~80質量%であることが好ましく、25~70質量%であることがより好ましく、30~70質量%であることが更に好ましい。
<繰り返し単位(1c)>
樹脂(A)は、更に、ラクトン構造、カルボキシル基、水酸基及びスルホンアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1つを有する繰り返し単位(1c)を含むことが好ましい。繰り返し単位(1c)は、上記繰り返し単位(1a)及び繰り返し単位(1b)とは異なる繰り返し単位である。
前述のように、繰り返し単位(1a)は高極性のRを含むが、繰り返し単位(1b)は典型的には極性が低い。そこで、繰り返し単位(1a)と繰り返し単位(1b)の間の極性を有する繰り返し単位(1c)を含むことにより、本発明の組成物から形成された膜中で樹脂(A)の各繰り返し単位がより均一に存在する状態となり、化合物(B)の分布の均一性が増加し、化合物(B)の凝集抑制の効果がより顕著になると考えられる。
・ラクトン構造を有する繰り返し単位
ラクトン構造としては、ラクトン環を有していればよく、5~7員環のラクトン環を有するラクトン構造が好ましい。
ビシクロ構造又はスピロ構造を形成する形で5~7員環ラクトン環に他の環が縮環しているラクトン構造も好ましい。ビシクロ構造又はスピロ構造を形成する形で5~7員環スルトン環に他の環が縮環しているスルトン構造も好ましい。
なかでも、樹脂(A)は、下記一般式(LC1-1)~(LC1-22)のいずれかで表されるラクトン構造を有する繰り返し単位を含むことが好ましい。また、ラクトン構造が主鎖に直接結合していてもよい。
なかでも、一般式(LC1-1)、一般式(LC1-4)、一般式(LC1-5)、一般式(LC1-8)、一般式(LC1-16)、一般式(LC1-21)又は一般式(LC1-22)で表されるラクトン構造が好ましい。
Figure 0007373059000026
ラクトン構造は置換基(Rb)を有していても、有していなくてもよい。置換基(Rb)としては、炭素数1~8のアルキル基、炭素数4~7のシクロアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、炭素数2~8のアルコキシカルボニル基、カルボキシ基、ハロゲン原子、水酸基、又はシアノ基等が好ましく、炭素数1~4のアルキル基、又はシアノ基がより好ましい。nは、0~4の整数を表す。nが2以上の場合、複数存在する置換基(Rb)は、同一でも異なっていてもよい。また、複数存在する置換基(Rb)同士が結合して環を形成してもよい。
ラクトン構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(LS1)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 0007373059000027
上記一般式(LS1)中、
LSは、エステル結合(-COO-で表される基)又はアミド結合(-CONH-で表される基)を表す。
tは、-RLS2-RLS3-で表される構造の繰り返し数であり、0~5の整数を表し、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。tが0である場合、(-RLS2-RLS3-)tは、単結合となる。
LS2は、アルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組み合わせを表す。RLS2が複数存在する場合、複数存在するRLS2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
LS2のアルキレン基又はシクロアルキレン基は置換基を有してもよい。
LS3は、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、又はウレア結合を表す。RLS3が複数存在する場合、複数存在するRLS3は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
中でもRLS3は、エーテル結合又はエステル結合が好ましく、エステル結合がより好ましい。
LS4は、ラクトン構造を有する1価の有機基を表す。
なかでも、前述の一般式(LC1-1)~(LC1-22)で表される構造で表される構造のいずれかにおいて、ラクトン構造を構成する炭素原子1つから、水素原子を1つ除いてなる基であることが好ましい。なお、上記水素原子を1つ除かれる炭素原子は、置換基(Rb)を構成する炭素原子ではないことが好ましい。
LS1は、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基(好ましくはメチル基)を表す。
ラクトン構造を有する繰り返し単位の具体例として、国際公開第2018/193954号の段落[0088]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。また、本発明の樹脂(A)は上記以外のラクトン構造を有する繰り返し単位を有していてもよい。
・水酸基を有する繰り返し単位
水酸基としては、アルコール性水酸基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール基)、又はフェノール性水酸基が挙げられる。
アルコール性水酸基を有する繰り返し単位としては、一般式(A5)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
Figure 0007373059000028
一般式(A5)中、
Q5は、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基(好ましくはメチル基)を表す。
Q5は、アルキレン基(直鎖状若しくは分岐鎖状。好ましくは炭素数1~5)、又は、非芳香族性環基を表す。
上記非芳香族性環基としては、例えば、単環式炭化水素環基及び多環式炭化水素環基が挙げられる。単環式炭化水素環基としては、例えば、炭素数3~12(好ましくは炭素数3~7)のシクロアルカン環基、及び、炭素数3~12のシクロアルケン環基が挙げられる。
多環式炭化水素環基としては、例えば、環集合炭化水素環基及び架橋環式炭化水素環基が挙げられる。
架橋環式炭化水素環としては、例えば、2環式炭化水素環、3環式炭化水素環、及び、4環式炭化水素環等が挙げられる。また、架橋環式炭化水素環は、5~8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環でもよい。
架橋環式炭化水素環基は、ノルボルナン環基、アダマンタン環基、ビシクロオクタン環基、又は、トリシクロ[5、2、1、02,6]デカン環基が好ましい。
上記アルキレン基及び上記非芳香族性環基は、-(OH)q5以外の置換基を有さないのも好ましい。
一般式(A5)中、q5は、1~5の整数を表す。
フッ素化アルコール基を有する繰り返し単位としては、一般式(A6)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
Figure 0007373059000029
一般式(A6)中、
Q6は、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基(好ましくはメチル基)を表す。
Q6は、アルキレン基(直鎖状若しくは分岐鎖状。好ましくは炭素数1~5)、非芳香族性環基、又は、芳香環基、又はこれらの2つ以上を組み合わせてなる基を表す。
上記非芳香族性環基としては、例えば、単環式炭化水素環基及び多環式炭化水素環基が挙げられる。
単環式炭化水素環基としては、例えば、炭素数3~12(好ましくは炭素数3~7)のシクロアルカン環基、及び、炭素数3~12のシクロアルケン環基が挙げられる。
多環式炭化水素環基としては、例えば、環集合炭化水素環基及び架橋環式炭化水素環基が挙げられる。
架橋環式炭化水素環としては、例えば、2環式炭化水素環、3環式炭化水素環、及び、4環式炭化水素環等が挙げられる。また、架橋環式炭化水素環は、5~8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環でもよい。
架橋環式炭化水素環基は、ノルボルナン環基、アダマンタン環基、ビシクロオクタン環基、又は、トリシクロ[5、2、1、02,6]デカン環基が好ましい。
上記芳香環基は、炭素数6~18の芳香環基が好ましく、ベンゼン環基、ナフタレン環基、アントラセン環基、又は、ビフェニレン環基がより好ましい。
上記アルキレン基、上記非芳香族性環基、及び、上記芳香環基は、-(-C(CFOH)q6以外の置換基を有さないのも好ましい
一般式(A6)中、q6は、1~5の整数を表す。
樹脂(A)が水酸基を有する繰り返し単位を有する場合、その含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、1~60モル%が好ましく、5~50モル%がより好ましく、7~45モル%が更に好ましい。
水酸基を有する繰り返し単位は1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
フェノール性水酸基を有する繰り返し単位としては、下記の一般式(B2)で表されるフェノール性水酸基を有する繰り返し単位であることが好ましい。
一般式(B2)中、Xは、水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を表す。
上記アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。上記アルキル基の炭素数は1~10が好ましい。
上記アルキル基の置換基は水酸基又はハロゲン原子が好ましい。上記アルキル基が置換基を有する場合、置換基として水酸基及び/又はハロゲン原子のみを有することが好ましい。上記アルキル基は-CHが好ましい。
一般式(B2)中、Xは、単結合、-COO-、又は-CONR64-を表し、R64は、水素原子又はアルキル基(直鎖状でも分岐鎖状でもよい。好ましくは炭素数1~5)を表す。-COO-におけるカルボニル炭素は、繰り返し単位の主鎖に直接結合していることが好ましい。
一般式(B2)中、Lは、単結合又はアルキレン基(直鎖状でも分岐鎖状でもよい。好ましくは炭素数1~20)を表す。
一般式(B2)中、Arは、(n+1)価の芳香環基を表す。上記芳香環基は、ベンゼン環基、ナフタレン環基、及び、アントラセン環基等の炭素数6~18のアリーレン基、又は、チオフェン環基、フラン環基、ピロール環基、ベンゾチオフェン環基、ベンゾフラン環基、ベンゾピロール環基、トリアジン環基、イミダゾール環基、ベンゾイミダゾール環基、トリアゾール環基、チアジアゾール環基、及び、チアゾール環基等のヘテロ環を含む芳香環基が好ましく、ベンゼン環基がより好ましい。
一般式(B2)中、nは、1~5の整数を表す。(n+1)価の芳香環基は、更に置換基を有していてもよい。
上述したR64のアルキル基、Lのアルキレン基、及び、Arの(n+1)価の芳香環基が有し得る置換基としては、例えば、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、及び、ブトキシ基等のアルコキシ基;フェニル基等のアリール基;等が挙げられる。また、Arの(n+1)価の芳香環基が有し得る置換基としては、例えば、アルキル基(直鎖状でも分岐鎖状でもよい。好ましくは炭素数1~20)も挙げられる。
水酸基を有する繰り返し単位の具体例として、国際公開第2018/193954号の段落[0068]~[0072]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。また、本発明の樹脂(A)は上記以外の水酸基を有する繰り返し単位を有していてもよい。上記以外の水酸基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。ただし、以下の具体例は、原料モノマーとしての構造を示したものである。
Figure 0007373059000031
Figure 0007373059000032
繰り返し単位(1c)は、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0370]~[0433]に記載の繰り返し単位であることも好ましい。
樹脂(A)が繰り返し単位(1c)を含む場合、樹脂(A)に含まれる繰り返し単位(1c)の種類は1種でも2種以上でもよい。
樹脂(A)が繰り返し単位(1c)を含む場合、樹脂(A)に含まれる繰り返し単位(1c)の含有量(繰り返し単位(1c)が複数存在する場合はその合計の含有量)は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して、5~50質量%であることが好ましく、10~45質量%であることがより好ましく、10~40質量%であることが更に好ましい。
<その他の繰り返し単位>
その他、樹脂(A)は、その他の繰り返し単位を更に含んでいてもよい。
その他の繰り返し単位としては、国際公開第2018/193954号の段落[0122]~[0133]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
樹脂(A)は、本発明の効果を阻害しない範囲において、その他の繰り返し単位として、上記以外の繰り返し単位を含んでいてもよく、例えば、光酸発生基を有する繰り返し単位を有していてもよい。
光酸発生基を有する繰り返し単位としては、特開2014-41327号公報の段落[0090]~[0106]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
樹脂(A)は、スルトン構造を有する繰り返し単位を更に含んでいてもよい。
スルトン構造はスルトン環を有していればよく、5~7員環のスルトン環を有するスルトン構造が好ましい。
ビシクロ構造又はスピロ構造を形成する形で5~7員環スルトン環に他の環が縮環しているスルトン構造も好ましい。
なかでも、下記一般式(SL1-1)~(SL1-3)のいずれかで表されるスルトン構造を有する繰り返し単位を含むことが好ましい。また、スルトン構造が主鎖に直接結合していてもよい。
なかでも、一般式(SL1-1)で表されるスルトン構造が好ましい。
Figure 0007373059000033
スルトン構造は、置換基(Rb)を有していても、有していなくてもよい。置換基(Rb)としては、炭素数1~8のアルキル基、炭素数4~7のシクロアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、炭素数2~8のアルコキシカルボニル基、カルボキシ基、ハロゲン原子、水酸基、又はシアノ基等が好ましく、炭素数1~4のアルキル基、又はシアノ基がより好ましい。nは、0~4の整数を表す。nが2以上の場合、複数存在する置換基(Rb)は、同一でも異なっていてもよい。また、複数存在する置換基(Rb)同士が結合して環を形成してもよい。
樹脂(A)がスルトン構造を有する繰り返し単位を含む場合、その含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、1~50質量%が好ましく、3~40質量%がより好ましく、5~30質量%が更に好ましい。
樹脂(A)は、更に上記以外のその他の繰り返し単位を有していてもよい。
樹脂(A)は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成できる。
GPC法によりポリスチレン換算値として、樹脂(A)の重量平均分子量は、1,000~200,000が好ましく、3,000~20,000がより好ましく、4,500~15,000が更に好ましい。樹脂(A)の重量平均分子量を、1,000~200,000とすれば、耐熱性及びドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、更に、現像性の劣化、及び、粘度が高くなって製膜性が劣化することを防げる。
樹脂(A)の分散度(分子量分布)は、通常1~5であり、1~3が好ましく、1.2~3.0がより好ましく、1.2~2.0が更に好ましい。分散度が小さいものほど、解像度、及び、レジスト形状が優れ、更に、レジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
本発明の組成物における樹脂(A)の含有量は、本発明の組成物中の全固形分に対して、50~99.9質量%であることが好ましく、60~99.0質量%であることがより好ましい。また、樹脂(A)は、1種で使用してもよいし、2種以上使用してもよい。なお、固形分とは、溶剤以外の成分を意味する。
〔活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)〕
本発明の組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)(光酸発生剤ともいう)を含む。光酸発生剤は、露光(好ましくは、電子線(EB)、EUVの露光)により酸を発生する化合物である。
光酸発生剤は、低分子化合物の形態であってもよく、重合体の一部に組み込まれた形態であってもよい。また、低分子化合物の形態と重合体の一部に組み込まれた形態を併用してもよい。
光酸発生剤が、低分子化合物の形態である場合、分子量は3000以下が好ましく、2000以下がより好ましく、1000以下が更に好ましい。
光酸発生剤が、重合体の一部に組み込まれた形態である場合、樹脂(A)の一部に組み込まれてもよく、樹脂(A)とは異なる樹脂に組み込まれてもよい。
本発明において、光酸発生剤が、低分子化合物の形態であることが好ましい。
光酸発生剤は特に限定されず、中でも、電子線(EB)、EUVの照射により、有機酸を発生する化合物が好ましく、分子中にフッ素原子又はヨウ素原子を有する光酸発生剤がより好ましい。
上記有機酸として、例えば、スルホン酸(脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸、及び、カンファースルホン酸等)、カルボン酸(脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、及び、アラルキルカルボン酸等)、カルボニルスルホニルイミド酸、ビス(アルキルスルホニル)イミド酸、及び、トリス(アルキルスルホニル)メチド酸等が挙げられる。
光酸発生剤より発生する酸に関して、国際公開第2018/193954号の段落[0136]~[0141]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明の効果がより優れる点で、光酸発生剤はアニオンとカチオンとを含むイオン性化合物であることが好ましい。
光酸発生剤は、アニオン性分子とカチオン性分子をそれぞれ有するイオン性化合物であってもよく、アニオン部とカチオン部が共有結合で連結した構造のベタイン化合物であってもよい。
光酸発生剤は、アニオン性分子とカチオン性分子をそれぞれ有するイオン性化合物であることがより好ましく、1つ以上のアニオン性分子と1つ以上のカチオン性分子とで構成され、上記カチオン性分子のうち少なくとも1つがフッ素原子を含むことが更に好ましい。
光酸発生剤は、下記一般式(a)~(c)のいずれかで表されることが特に好ましい。一般式(a)~(c)の詳細については後述する。
a1 -L-B a2 (a)
(Mb1 nb-L-B b2 (b)
(M nc-L (c)
一般式(a)中、Ma1 及びMa2 は、それぞれ独立に有機カチオンを表し、Lは2価の有機基を表し、A 及びB は、それぞれ独立にアニオン性官能基を表す。
ただし、一般式(a)で表される化合物のMa1 及びMa2 がそれぞれ水素原子で置換されたHA-L-BHで表される化合物において、HAで表される基のpKaはBHで表される基のpKaよりも小さい。
一般式(b)中、Mb1 及びMb2 は、それぞれ独立に有機カチオンを表し、Lは(nb+1)価の有機基を表し、A 及びB は、それぞれ独立にアニオン性官能基を表し、nbは2以上の整数を表す。複数のMb1 及びA は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
ただし、一般式(b)で表される化合物のMb1 及びMb2 がそれぞれ水素原子で置換された(HAnb-L-BHで表される化合物において、HAで表される基のpKaはBHで表される基のpKaよりも小さい。
一般式(c)中、M は有機カチオンを表し、A はアニオン性官能基を表し、Lは酸を中和可能な非イオン性の有機部位を表し、ncは2以上の整数を表す。複数のM 及びA は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
<一般式(PA-1)で表される化合物>
光酸発生剤は下記一般式(PA-1)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(PA-1)中、A及びAは、それぞれ独立に、-SO-R、又は、-CO-Rを表す。Rは、有機基を表す。
一般式(PA-1)中に2つ存在するRは同一でも異なっていてもよい。
一般式(PA-1)中に2つ存在するRの炭素数は、それぞれ独立に、1~25が好ましく、1~15がより好ましい。
一般式(PA-1)中に2つ存在するRの水素原子を除く原子の数は、それぞれ独立に、2~30が好ましく、4~20がより好ましい。
は、一般式(RF)で表される基が好ましい。
-LRF-RRF (RF)
一般式(RF)中、LRFは、単結合又は2価の連結基を表す。
上記2価の連結基としては、例えば、-COO-、-CONH-、-CO-、-O-、-S-、-SO-、-SO-、アルキレン基(直鎖状でも分岐鎖状でもよい。好ましくは炭素数1~6)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3~15)、アルケニレン基(直鎖状でも分岐鎖状でもよい。好ましくは炭素数2~6)、及び、これらの複数を組み合わせた2価の連結基等が挙げられる。
またこれらの2価の連結基が可能な場合に有し得る置換基は、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。例えば、上記アルキレン基(複数を組み合わせた2価の連結基に含まれ得るアルキレン基も含む)がパーフルオロアルキレン基になっているのも好ましい。
上記2価の連結基は、-アルキレン基-COO-又は-アルキレン基-SO-が好ましい。-アルキレン基-COO-及び-アルキレン基-SO-は、アルキレン基がN-側に存在することが好ましい。
一般式(RF)中、RRFは、シクロアルキル基又はアルキル基を表す。
RFがシクロアルキル基である場合、上記シクロアルキル基は単環でも多環でもよい。
上記シクロアルキル基の炭素数は、3~15が好ましく、5~10がより好ましい。
上記シクロアルキル基としては、例えば、ノルボルニル基、及び、デカリニル基、アダマンチル基が挙げられる。
上記シクロアルキル基が有してもよい置換基は、アルキル基(直鎖状でも分岐鎖状でもよい。好ましくは炭素数1~5)が好ましい。上記シクロアルキル基はこれ以外の置換基を有さないのも好ましい。
上記シクロアルキル基の環員原子である炭素原子のうちの1個以上が、カルボニル炭素原子及び/又はヘテロ原子で置き換わっていてもよい。例えば、シクロアルキル基中の、LRFと結合する炭素原子(-CH<)が窒素原子(-N<)で置き換わってもよい。
RFがアルキル基である場合、上記アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
上記アルキル基の炭素数は1~10が好ましく、1~5がより好ましい。
上記アルキル基が有してもよい置換基は、シクロアルキル基、フッ素原子、又はシアノ基が好ましい。上記アルキル基はこれら以外の置換基を有さないのも好ましい。
上記置換基としてのシクロアルキル基の例としては、例えば、RRFがシクロアルキル基である場合において説明したシクロアルキル基が同様に挙げられる。
上記アルキル基が、上記置換基としてのフッ素原子を有する場合、上記アルキル基は、パーフルオロアルキル基となっていてもよいし、ならなくてもよい。上記アルキル基が、上記置換基としてのフッ素原子を有する場合、上記アルキル基の一部又は全部がパーフルオロメチル基であるのも好ましい。
一般式(PA-1)中、「A-N-A」に含まれる二つのRが互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(PA-1)中、Mは、カチオンを表す。
のカチオンは、有機カチオンが好ましい。
上記有機カチオンは、それぞれ独立に、一般式(ZaI)で表されるカチオン(カチオン(ZaI))又は一般式(ZaII)で表されるカチオン(カチオン(ZaII))が好ましい。
上記一般式(ZaI)において、
201、R202、及びR203は、それぞれ独立に、有機基を表す。
201、R202、及びR203としての有機基の炭素数は、通常1~30であり、1~20が好ましい。また、R201~R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル基、アミド基、又は、カルボニル基を含んでいてもよい。R201~R203の内の2つが結合して形成する基としては、例えば、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)、及び、-CH-CH-O-CH-CH-が挙げられる。
一般式(ZaI)におけるカチオンとしては、例えば、後述する、カチオン(ZaI-1)、カチオン(ZaI-2)、一般式(ZaI-3b)で表されるカチオン(カチオン(ZaI-3b))、及び、一般式(ZaI-4b)で表されるカチオン(カチオン(ZaI-4b))が挙げられる。
まず、カチオン(ZaI-1)について説明する。
カチオン(ZaI-1)は、上記一般式(ZaI)のR201~R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニウムカチオンである。
アリールスルホニウムカチオンは、R201~R203の全てがアリール基でもよいし、R201~R203の一部がアリール基であり、残りがアルキル基又はシクロアルキル基であってもよい。
また、R201~R203のうちの1つがアリール基であり、R201~R203のうちの残りの2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル基、アミド基、又は、カルボニル基を含んでいてもよい。R201~R203のうちの2つが結合して形成する基としては、例えば、1つ以上のメチレン基が酸素原子、硫黄原子、エステル基、アミド基、及び/又はカルボニル基で置換されていてもよいアルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基、又は-CH-CH-O-CH-CH-)が挙げられる。
アリールスルホニウムカチオンとしては、例えば、トリアリールスルホニウムカチオン、ジアリールアルキルスルホニウムカチオン、アリールジアルキルスルホニウムカチオン、ジアリールシクロアルキルスルホニウムカチオン、及び、アリールジシクロアルキルスルホニウムカチオンが挙げられる。
アリールスルホニウムカチオンに含まれるアリール基は、フェニル基又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。アリール基は、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子等を有するヘテロ環構造を有するアリール基であってもよい。ヘテロ環構造としては、例えば、ピロール残基、フラン残基、チオフェン残基、インドール残基、ベンゾフラン残基、及び、ベンゾチオフェン残基等が挙げられる。アリールスルホニウムカチオンが2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウムカチオンが必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1~15の直鎖状アルキル基、炭素数3~15の分岐鎖状アルキル基、又は、炭素数3~15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、及び、シクロヘキシル基等が挙げられる。
201~R203のアリール基、アルキル基、及び、シクロアルキル基が有していてもよい置換基は、それぞれ独立に、アルキル基(例えば炭素数1~15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3~15)、アリール基(例えば炭素数6~14)、アルコキシ基(例えば炭素数1~15)、シクロアルキルアルコキシ基(例えば炭素数1~15)、ハロゲン原子、水酸基、又は、フェニルチオ基が好ましい。
上記置換基は可能な場合は更に置換基を有していてもよく、例えば、上記アルキル基が置換基としてハロゲン原子を有して、トリフルオロメチル基等のハロゲン化アルキル基となっていてもよい。
次に、カチオン(ZaI-2)について説明する。
カチオン(ZaI-2)は、式(ZaI)におけるR201~R203が、それぞれ独立に、芳香環を有さない有機基を表すカチオンである。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含む芳香族環も包含する。
201~R203としての芳香環を有さない有機基は、一般的に炭素数1~30であり、炭素数1~20が好ましい。
201~R203は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又はビニル基が好ましく、直鎖状又は分岐鎖状の2-オキソアルキル基、2-オキソシクロアルキル基、又は、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましく、直鎖状又は分岐鎖状の2-オキソアルキル基が更に好ましい。
201~R203のアルキル基及びシクロアルキル基としては、例えば、炭素数1~10の直鎖状アルキル基又は炭素数3~10の分岐鎖状アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及び、ペンチル基)、並びに、炭素数3~10のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及び、ノルボルニル基)が挙げられる。
201~R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1~5)、水酸基、シアノ基、又は、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
次に、カチオン(ZaI-3b)について説明する。
カチオン(ZaI-3b)は、下記一般式(ZaI-3b)で表されるカチオンである。
Figure 0007373059000036
一般式(ZaI-3b)中、
1c~R5cは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルキルチオ基、又は、アリールチオ基を表す。
6c及びR7cは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基(t-ブチル基等)、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、又は、アリール基を表す。
及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、2-オキソアルキル基、2-オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アリル基、又は、ビニル基を表す。
1c~R5c中のいずれか2つ以上、R5cとR6c、R6cとR7c、R5cとR、及びRとRは、それぞれ結合して環を形成してもよく、この環は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、ケトン基、エステル結合、又は、アミド結合を含んでいてもよい。
上記環としては、例えば、芳香族又は非芳香族の炭化水素環、芳香族又は非芳香族のヘテロ環、及びこれらの環が2つ以上組み合わされてなる多環縮合環が挙げられる。環は、3~10員環が挙げられ、4~8員環が好ましく、5又は6員環がより好ましい。
1c~R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及び、RとRが結合して形成する基としては、例えば、ブチレン基及びペンチレン基等のアルキレン基が挙げられる。このアルキレン基中のメチレン基が酸素原子等のヘテロ原子で置換されていてもよい。
5cとR6c、及び、R5cとRが結合して形成する基は、単結合又はアルキレン基が好ましい。アルキレン基としては、例えば、メチレン基及びエチレン基等が挙げられる。
次に、カチオン(ZaI-4b)について説明する。カチオン(ZaI-4b)は、下記一般式(ZaI-4b)で表されるカチオンである。
一般式(ZaI-4b)中、
lは0~2の整数を表す。
rは0~8の整数を表す。
13は、水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、又は、シクロアルキル基を有する基(シクロアルキル基そのものであってもよく、シクロアルキル基を一部に含む基であってもよい)を表す。これらの基は置換基を有していてもよい。
14は、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、又は、シクロアルキル基を有する基(シクロアルキル基そのものであってもよく、シクロアルキル基を一部に含む基であってもよい)を表す。これらの基は置換基を有していてもよい。R14は、複数存在する場合はそれぞれ独立して、水酸基等の上記基を表す。
15は、それぞれ独立して、アルキル基、シクロアルキル基、又は、ナフチル基を表す。これらの基は置換基を有していてもよい。2つのR15が互いに結合して環を形成してもよい。2つのR15が互いに結合して環を形成するとき、環骨格内に、酸素原子、又は、窒素原子等のヘテロ原子を含んでもよい。一態様において、2つのR15がアルキレン基であり、互いに結合して環構造を形成することが好ましい。
一般式(ZaI-4b)において、R13、R14、及び、R15のアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状である。アルキル基の炭素数は、1~10が好ましい。アルキル基は、メチル基、エチル基、n-ブチル基、又は、t-ブチル基等がより好ましい。
次に、一般式(ZaII)について説明する。一般式(ZaII)中、R204及びR205は、それぞれ独立に、アリール基、アルキル基、又は、シクロアルキル基を表す。
204及びR205のアリール基は、フェニル基、又は、ナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。R204及びR205のアリール基は、酸素原子、窒素原子、又は、硫黄原子等を有するヘテロ環を有するアリール基であってもよい。ヘテロ環を有するアリール基の骨格としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、及び、ベンゾチオフェン等が挙げられる。
204及びR205のアルキル基及びシクロアルキル基は、炭素数1~10の直鎖状アルキル基又は炭素数3~10の分岐鎖状アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、又はペンチル基)、又は、炭素数3~10のシクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、又はノルボルニル基)が好ましい。
204及びR205のアリール基、アルキル基、及び、シクロアルキル基は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい。R204及びR205のアリール基、アルキル基、及び、シクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1~15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3~15)、アリール基(例えば炭素数6~15)、アルコキシ基(例えば炭素数1~15)、ハロゲン原子、水酸基、及び、フェニルチオ基等が挙げられる。
<その他の光酸発生剤>
本発明の組成物は、上述した以外のその他の光酸発生剤を使用してもよい。
その他の光酸発生剤としては、例えば、「M(Mはカチオンを表しZはアニオンを表す)」で表される化合物(オニウム塩)が挙げられる。
「M」で表される化合物において、Mは、カチオンを表し、一般式(PA-1)におけるカチオンと同様のカチオンが挙げられる。
「M」で表される化合物において、Zは、アニオンを表し、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンが好ましい。
上記アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン(フルオロアルキルスルホン酸アニオン等の脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、及び、カンファースルホン酸アニオン等)、カルボン酸アニオン(脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、及び、アラルキルカルボン酸アニオン等)、及び、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが挙げられる。
脂肪族スルホン酸アニオン及び脂肪族カルボン酸アニオンにおける脂肪族部位は、アルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、炭素数1~30の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、及び、炭素数3~30のシクロアルキル基が好ましい。
芳香族スルホン酸アニオン及び芳香族カルボン酸アニオンにおける芳香環基は、炭素数6~14のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、トリル基、及び、ナフチル基が挙げられる。
上記で挙げたアルキル基、シクロアルキル基、及び、アリール基が有し得る置換基としては、例えば、ニトロ基、フッ素原子等のハロゲン原子、カルボン酸基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3~15)、アリール基(好ましくは炭素数6~14)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6~14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2~7)、アシル基(好ましくは炭素数2~12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2~7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1~15)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1~15)、アルキルイミノスルホニル基(好ましくは炭素数1~15)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数6~20)、アルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数7~20)、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10~20)、アルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数5~20)、及び、シクロアルキルアルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数8~20)が挙げられる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基は、炭素数7~12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、及び、ナフチルブチル基が挙げられる。
トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1~5のアルキル基が好ましい。これらのアルキル基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、及び、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基が挙げられ、フッ素原子又はフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
その他の非求核性アニオンとしては、例えば、フッ素化燐(例えば、PF )、フッ素化ホウ素(例えば、BF )、及び、フッ素化アンチモン(例えば、SbF )が挙げられる。
非求核性アニオンは、スルホン酸の少なくともα位がフッ素原子で置換された脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子若しくはフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸アニオン、又は、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。中でも、パーフロロ脂肪族スルホン酸アニオン(好ましくは炭素数4~8)、又は、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオンがより好ましく、ノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、又は、3,5-ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンが更に好ましい。
酸強度の点からは、発生酸のpKaが-1以下であるのが、感度向上のために好ましい。
また、非求核性アニオンは、以下の一般式(AN1)で表されるアニオンも好ましい。
式中、Xfは、それぞれ独立に、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、又は、アルキル基を表し、複数存在する場合のR及びRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
Lは、2価の連結基を表し、複数存在する場合のLは同一でも異なっていてもよい。
Aは、環状の有機基を表す。
xは1~20の整数を表し、yは0~10の整数を表し、zは0~10の整数を表す。
一般式(AN1)について、更に詳細に説明する。
Xfのフッ素原子で置換されたアルキル基におけるアルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、1~4がより好ましい。また、Xfのフッ素原子で置換されたアルキル基は、パーフルオロアルキル基が好ましい。
Xfは、フッ素原子又は炭素数1~4のパーフルオロアルキル基が好ましい。Xfは、例えば、フッ素原子、CF、C、C、C、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH、及び、CHCH等が挙げられ、中でも、フッ素原子、又は、CFが好ましい。特に、双方のXfがフッ素原子であることが好ましい。
及びRのアルキル基は、置換基(好ましくはフッ素原子)を有していてもよく、置換基中の炭素数は1~4が好ましい。置換基は、炭素数1~4のパーフルオロアルキル基が好ましい。R及びRの置換基を有するアルキル基は、例えば、CF、C、C、C、C11、C13、C15、C17、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH、及び、CHCH等が挙げられ、中でも、CFが好ましい。
及びRは、フッ素原子又はCFが好ましい。
xは1~10の整数が好ましく、1~5がより好ましい。
yは0~4の整数が好ましく、0がより好ましい。
zは0~5の整数が好ましく、0~3の整数がより好ましい。
Lの2価の連結基としては、例えば、-COO-、-CO-、-O-、-S-、-SO-、-SO-、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、及び、これらの複数が連結した連結基等が挙げられ、総炭素数12以下の連結基が好ましい。中でも、-COO-、-CO-、又は、-O-が好ましく、-COO-がより好ましい。
Aの環状の有機基は、環状構造を有するものであれば特に限定されず、脂環基、芳香環基、及び、複素環基(芳香族性を有するものだけでなく、芳香族性を有さないものも含む)等が挙げられる。
脂環基は、単環でも多環でもよく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及び、シクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基が好ましく、その他にも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。中でも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の炭素数7以上のかさ高い構造を有する脂環基が、露光後加熱工程での膜中拡散性を抑制でき、MEEF(Mask Error Enhancement Factor)向上の点から好ましい。
芳香環基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナンスレン環、及び、アントラセン環等が挙げられる。
複素環基としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、及び、ピリジン環等由来の基が挙げられる。中でも、フラン環、チオフェン環、又は、ピリジン環由来の基が好ましい。
また、環状の有機基としては、ラクトン構造を有する基も挙げられ、具体例としては、前述の一般式(LC1-1)~(LC1-22)で表されるラクトン構造が挙げられる。
上記環状の有機基は、置換基を有していてもよい。上記置換基は、アルキル基(直鎖状でも、分岐鎖状でもよく、環状構造を含んでいてもよい。好ましくは炭素数1~12)、シクロアルキル基(単環、及び、多環のいずれであってもよく、多環である場合スピロ環であってもよい。好ましくは炭素数は3~20)、アリール基(好ましくは炭素数6~14)、水酸基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレイド基、チオエーテル基、スルホンアミド基、及び、スルホン酸エステル基等が挙げられる。なお、環状の有機基を構成する炭素(環形成に寄与する炭素)はカルボニル炭素であってもよい。
光酸発生剤としては、特開2014-41328号公報の段落[0368]~[0377]、及び、特開2013-228681号公報の段落[0240]~[0262](対応する米国特許出願公開第2015/004533号明細書の[0339])が援用でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、好ましい具体例として以下の化合物が挙げられる。下記化合物において、可能な場合、アニオンとカチオンとは任意に交換できる。

<化合物(P)>
本発明の組成物は、光酸発生剤として、2つ以上(好ましくは2つ又は3つ)のカチオン部位、及び上記カチオン部位と同数のアニオン部位を有する化合物(P)を含むことが好ましい。
以下、カチオン部位及びアニオン部位の具体的な構成についてそれぞれ説明した後に、化合物(P)がとり得る具体的な構成について説明する。
(カチオン部位)
カチオン部位とは、正電荷を帯びた原子又は原子団を含む構造部位であり、例えば、化合物(P)が有機カチオンを有する場合において、上記有機カチオンを、カチオン部位としてもよい。
有機カチオンとしては、上記一般式(PA-1)中のMについての説明の中で挙げた有機カチオンが同様に使用できる。
・一般式(I)
化合物(P)が有する2つ以上のカチオン部位(好ましくは有機カチオン)の少なくとも1つ(好ましくは全部)は、一般式(I)で表される基を有することが好ましい。
*-Ar-(RI)ni (I)
一般式(I)中、*は結合位置を表す。*は、カチオン化した原子(S又はI等)に対する結合位置であることが好ましい。つまり、一般式(I)におけるArは、カチオン化した原子(S又はI等)と直接結合することが好ましい。
一般式(I)中、Arは、芳香族炭化水素環基を表す。
上記芳香族炭化水素環基は、-(RI)ni以外の置換基を有さない。
上記芳香族炭化水素環基は、単環でも多環でもよく、単環が好ましい。
上記芳香族炭化水素環基としては、例えば、ベンゼン環基、ナフタレン環基、及び、アントラセン環基が挙げられる。中でも、上記芳香族炭化水素環基は、ベンゼン環基又はナフタレン環基が好ましく、ベンゼン環基がより好ましい。
一般式(I)中、niは1以上の整数を表す。
niは1~5の整数が好ましい。
一般式(I)中、RIはカチオン性官能基を有さない置換基を表す。
置換基であるRIは、カチオン性官能基(>S-、-I-、>C-、又は、>N<等のカチオン化している原子及び上記原子を含む基)を有さなければ制限はなく、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(直鎖状でも分岐鎖状でもよい。炭素数は例えば1~6)、シクロアルキル基(単環でも多環でもよい。炭素数は例えば5~20)、又は、アルコキシ基(直鎖状でも分岐鎖状でもよい。炭素数は例えば1~6)が好ましい。RIは、可能な場合、更なる置換基を有していてもよく、更なる置換基はハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)が好ましい。これらの置換基は、ハロゲン原子(例えばフッ素原子)以外の更なる置換基を有さないのも好ましい。例えば、RIは、アルキル基に、更にハロゲン原子が置換した、パーハロゲン化アルキル基(好ましくはパーフルオロアルキル基)でもよい。また、RIは、例えば、シクロアルキルアルコキシ基でもよい。1つのRIの全炭素数(置換基を有する場合は置換基に含まれる炭素原子の数も計上した炭素数)は、1~20が好ましい。
niが2以上の場合、複数存在するRIは互いに結合して非芳香環を形成していてもよい。
化合物(P)が有する2つ以上のカチオン部位は、少なくとも1つ(好ましくは全部)が、一般式(I)で表される基を有する有機カチオンであることが好ましい。以下、一般式(I)で表される基を有する有機カチオンを特定有機カチオンともいう。
特定有機カチオンは、一般式(II)で表される有機カチオン、一般式(III)で表される有機カチオン、又は、一般式(IV)で表される有機カチオンであることが好ましい。
つまり、化合物(P)が、一般式(II)で表される有機カチオン、一般式(III)で表される有機カチオン、及び、一般式(IV)で表される有機カチオンからなる群から選択される1種以上の有機カチオンを有することが好ましい。
一般式(II)~(IV)で表される有機カチオンは、特定の置換基及び構造を有することによって、化合物(P)全体を疎水化している。そのため、酸分解性樹脂との相溶性がより改善されており、本発明の組成物を用いて形成される膜中においても化合物(P)が均一に分散されやすく、LWR性能がより優れる。また、化合物(P)と酸分解性樹脂との相溶性が良好なため、本発明の組成物中での化合物(P)の分散性により優れ、化合物(P)の凝集が生じにくく、優れたLWR性能を発揮しやすく、本発明の効果がより優れる。
・一般式(II)
一般式(II)で表される有機カチオンを以下に示す。
Figure 0007373059000044
一般式(II)中、Ar、Ar及びArは、それぞれ独立に芳香族炭化水素環基を表す。
Ar、Ar及びArのうち少なくとも1つは-CFを有する置換基を有する芳香族炭化水素環基を表す。
ただし、Ar、Ar及びArで表される芳香族炭化水素環基は、いずれも、カチオン性官能基を有する置換基を有さない。
上記芳香族炭化水素環基としては、例えば、ベンゼン環基、ナフタレン環基、及び、アントラセン環基が挙げられ、ベンゼン環基が好ましい。
上記芳香族炭化水素環基が有してもよい置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、又は、アルコキシ基が好ましい。置換基は1種単独でもよく、2種以上でもよい。
上記アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。上記アルキル基の炭素数は、例えば、1~6である。
上記シクロアルキル基は単環でも多環でもよい。上記シクロアルキル基の炭素数は、例えば、5~20である。
上記アルコキシ基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。上記アルキル基の炭素数は、例えば、1~6である。
上記アルキル基、上記シクロアルキル基、及び、上記アルコキシ基は、それぞれ独立に、更なる置換基を有していてもよい。更なる置換基はハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)が好ましい。これらの置換基は、ハロゲン原子(例えばフッ素原子)以外の更なる置換基を有さないのも好ましい。上記アルキル基はパーハロゲン化アルキル基(好ましくはパーフルオロアルキル基)となっていてもよい。
上記芳香族炭化水素環基が置換基を有する場合、上記芳香族炭化水素環基が有する置換基の数は、それぞれ独立に、1~5が好ましい。
一般式(II)中のAr、Ar、及び、Arのうち、少なくとも1つは置換基を有する芳香族炭化水素環基であり、少なくとも2つ(2つ又は3つ)が置換基を有する芳香族炭化水素環基であることが好ましい。
一般式(II)中のAr、Ar、及び、Arのうち、少なくとも1つ(1~3つ)は、-CFを有する置換基を有する芳香族炭化水素環基を表す。
上記-CFを有する置換基は、置換基そのものが-CFであってもよいし、置換基全体の中の一部分として-CFを有していてもよい。
-CFを有する置換基を有する芳香族炭化水素環基は、-CFを有する置換基を1~5つ有することが好ましい。
-CFを有する置換基を有する芳香族炭化水素環基は、-CFを有さない置換基を更に有していてもよい。
Ar、Ar、及び、Arのうち、1~2つは-CFを有する置換基を有さない芳香族炭化水素環基であってもよい。
一般式(II)で表される有機カチオンは、上記芳香族炭化水素環基の環員原子に直接結合する形態で存在する-CFを1~8つ有することが好ましい。
一般式(II)中のAr、Ar、及び、Arで表される置換基を有してもよい芳香族炭化水素環基は、いずれも、カチオン性官能基を有する置換基を有さない。言い換えると、一般式(II)で表される有機カチオンは、Ar、Ar、及び、Arと直接結合するS以外のカチオン性官能基を有さない。
なお、カチオン性官能基を有する置換基は、置換基そのものがカチオン性官能基であってもよいし、置換基全体の中の一部分としてカチオン性官能基を有していてもよい。
一般式(II)で表される有機カチオンは、後述する一般式(III)で表される有機カチオンとは異なることが好ましい。例えば、一般式(II)で表される有機カチオンは、Ar、Ar、及び、Arで表される上記芳香族炭化水素環基の環員原子に直接する形態のフッ素原子は有さないのも好ましい。
・一般式(III)
一般式(III)で表される有機カチオンを以下に示す。
Figure 0007373059000045
一般式(II)中、Ar、Ar及びArは、それぞれ独立に芳香族炭化水素環基を表す。
Ar、Ar及びArのうち少なくとも2つは置換基を有する芳香族炭化水素環基を表す。
Ar、Ar及びArのうち少なくとも1つは置換基としてフッ素原子を有する芳香族炭化水素環基を表す。
Ar、Ar及びArのうち少なくとも2つは異なる構造の基を表す。
ただし、Ar、Ar及びArで表される芳香族炭化水素環基は、いずれも、カチオン性官能基を有する置換基を有さない。
上記芳香族炭化水素環基が有してもよい置換基は、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、アルキル基、シクロアルキル基、又は、アルコキシ基が好ましい。置換基は1種単独でもよく、2種以上でもよい。
上記アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。上記アルキル基の炭素数は、例えば、1~6である。
上記シクロアルキル基は単環でも多環でもよい。上記シクロアルキル基の炭素数は、例えば、5~20である。
上記アルコキシ基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。上記アルキル基の炭素数は、例えば、1~6である。
上記アルキル基、上記シクロアルキル基、及び、上記アルコキシ基は、それぞれ独立に、更なる置換基を有していてもよい。
上記芳香族炭化水素環基が置換基を有する場合、上記芳香族炭化水素環基が有する置換基の数は、それぞれ独立に、1~5が好ましい。
一般式(III)中のAr、Ar、及び、Arのうち、少なくとも2つ(2つ又は3つ)は置換基を有する芳香族炭化水素環基である。
また、一般式(III)中のAr、Ar、及び、Arのうち、少なくとも1つ(好ましくは1~3つ)は、置換基としてフッ素原子を有する芳香族炭化水素環基である。
言い換えると、一般式(III)中のAr、Ar、及び、Arにおいて、少なくとも2つ(2つ又は3つ)存在する「置換基を有する芳香族炭化水素環基」のうち、少なくとも1つ(2つのうちの1~2つ、又は、3つのうちの1~3つ)は、「置換基としてフッ素原子を有する芳香族炭化水素環基」である。
上記「置換基としてフッ素原子を有する芳香族炭化水素環基」とは、芳香族炭化水素環基における環員原子と直接結合するフッ素原子(置換基そのものであるフッ素原子)を少なくとも1つ(好ましくは1~5つ)有する芳香族炭化水素環基を意味する。
「置換基としてフッ素原子を有する芳香族炭化水素環基」は、フッ素原子である置換基以外の置換基を有していてもよい。
一般式(III)中のAr、Ar、及び、Arうち、少なくとも2つは異なる構造の基を表す。言い換えると、Ar、Ar、及び、Arの全てが、同じ構造の基であることはない。
なお、Ar、Ar、及び、Arの全てが、同じ構造の基であるとは、例えば、Ar、Ar、及び、Arの芳香族炭化水素環基がいずれもベンゼン環基であり、かつ、Ar、Ar、及び、Arのベンゼン環基が有する基の種類及び配置(結合位置)もそれぞれ一致している状態が挙げられる。言い換えると、Ar、Ar、及び、Arのベンゼン環基が有する基の種類の組み合わせが全て同一であっても、それらの基の配置の全てが同一ではないのであれば、Ar、Ar、及び、Arの全てが、同じ構造の基とは言わない。
一般式(III)中のAr、Ar、及び、Arで表される置換基を有してもよい芳香族炭化水素環基は、いずれも、カチオン性官能基を有する置換基を有さない。言い換えると、一般式(III)で表される有機カチオンは、Ar、Ar、及び、Arと直接結合するS以外のカチオン性官能基を有さない。
一般式(III)で表される有機カチオンは、一般式(II)で表される有機カチオンとは異なることが好ましい。例えば、Ar、Ar、及び、Arで表される置換基を有してもよい芳香族炭化水素環基は、いずれも、-CFを有する置換基を有さないのも好ましい。
・一般式(IV)
一般式(IV)で表される有機カチオンを以下に示す。
Figure 0007373059000046
一般式(IV)中、Ar、Ar及びArは、それぞれ独立に芳香族炭化水素環基を表す。
Ar、Ar及びArのうち少なくとも1つは、置換基としてアルキル基及び多環のシクロアルキル基からなる群から選択される1種以上の特定炭化水素基を有する芳香族炭化水素環基を表す。
ただし、Ar、Ar及びArで表される芳香族炭化水素環基は、いずれも、カチオン性官能基を有する置換基を有さない。
Ar、Ar及びArで表される芳香族炭化水素環基は、いずれも、フッ素原子を有する置換基を有さない。
上記芳香族炭化水素環基が有してもよい置換基は、フッ素原子以外のハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、及び、アルコキシ基が挙げられる。置換基は1種単独でもよく、2種以上でもよい。
上記アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。上記アルキル基の炭素数は、例えば、1~6である。
上記シクロアルキル基は単環でも多環でもよい。上記シクロアルキル基の炭素数は、例えば、5~20である。
上記アルコキシ基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。上記アルキル基の炭素数は、例えば、1~6である。
上記アルキル基、上記シクロアルキル基、及び、上記アルコキシ基は、それぞれ独立に、更なる置換基を有していてもよい。
上記芳香族炭化水素環基が置換基を有する場合、上記芳香族炭化水素環基が有する置換基の数は、それぞれ独立に、1~5が好ましい。
一般式(IV)中のAr、Ar、及び、Arのうち、少なくとも1つ(1~3つ)は、置換基として、アルキル基、及び、多環のシクロアルキル基からなる群から選択される1種以上の特定炭化水素基を有する芳香族炭化水素環基である。
特定炭化水素基におけるアルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。上記アルキル基の炭素数は、例えば、1~6である。
特定炭化水素基における多環のシクロアルキル基は、多環であれば特に制限はなく、架橋環系の多環でもよく、縮合環系の多環でもよく、スピロ環系の多環でもよく、これらの系のうちの複数の様式を併せ持つ多環であってもよい。上記多環のシクロアルキル基の環員原子数は8~20が好ましい。上記多環のシクロアルキル基としては、例えば、ノルボルニル基、アダマンチル基、ビシクロオクタニル基、及び、トリシクロ[5、2、1、02,6]デカニルが挙げられ、中でもアダマンチル基が好ましい。
特定炭化水素基は、更なる置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。ただし、上記更なる置換基は、フッ素原子及びフッ素原子を一部に有する基以外である。
特定炭化水素基は、芳香族炭化水素環基の環員原子に直接結合する。
芳香族炭化水素環基が特定炭化水素基を有する場合、その数は、それぞれ独立に、1~5が好ましい。
また、特定炭化水素基を有する芳香族炭化水素環基は、特定炭化水素基以外の置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。
一般式(IV)中のAr、Ar、及び、Arで表される置換基を有してもよい芳香族炭化水素環基は、いずれも、カチオン性官能基を有する置換基を有さない。言い換えると、一般式(IV)で表される有機カチオンは、Ar、Ar、及び、Arと直接結合するS以外のカチオン性官能基を有さない。
一般式(IV)中のAr、Ar、及び、Arで表される置換基を有してもよい芳香族炭化水素環基は、いずれも、フッ素原子を有する置換基を有さない。言い換えると、一般式(IV)で表される有機カチオンは、フッ素原子を有さない。
つまり、一般式(IV)中、のAr、Ar、及び、Arの芳香族炭化水素環基が有し得る置換基からは、フッ素原子及びフッ素原子を一部に有する基は除外される。
特定有機カチオンは、上述した一般式(II)~(IV)で表される有機カチオン以外の、その他の特定有機カチオンであってもよい。
例えば、以下の特定有機カチオンが挙げられる。
・上記一般式(PA-1)中のMについての説明の中で挙げた一般式(ZaII)で表されるカチオンにおいて、R204及びR205の少なくとも一方は、カチオン性官能基を有する置換基を有さず、かつ、ヘテロ原子を有さないアリール基であるカチオン。
・上記一般式(PA-1)中のMについての説明の中で挙げた一般式(ZaI-3b)で表されるカチオンにおいて、R1c~R5cのうち、少なくとも1つ(1~5つ)は、水素原子以外の基を表し、上記水素原子以外の基はカチオン性官能基を有する置換基でもないカチオン。
・上記一般式(PA-1)中のMについての説明の中で挙げた一般式(ZaI-4b)で表されるカチオンにおいて、「R13が水素原子以外の基であること」及び「rが1~8の整数を表すこと」の少なくとも一方の要件を満たすカチオン。なお、R13及びR14の各基はカチオン性官能基を有する置換基でもない。
化合物(P)が有する2つ以上のカチオン部位(好ましくは有機カチオン、より好ましくは特定有機カチオン)はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
(アニオン部位)
アニオン部位とは、負電荷を帯びた原子又は原子団を含む構造部位であり、例えば、化合物(P)中に存在し得るアニオン性官能基をアニオン部位としてもよい。
化合物(P)は、化合物(P)が有するカチオン部位(好ましくは有機カチオン)と同数のアニオン性官能基を有する有機アニオンを有することが好ましい。
上述の通り、化合物(P)は、2つ以上(好ましくは2つ又は3つ)のカチオン部位、及び、上記カチオン部位と同数のアニオン部位を有する。
つまり、化合物(P)は、2つ以上(好ましくは2つ又は3つ)のアニオン部位(好ましくはアニオン性官能基)を有する。
上記アニオン性官能基としては、例えば、-SO 及び-SO を一部分として有する基、-COO及び-COOを一部分として有する基、-N-を一部分として有する基、並びに、カルボアニオン(-C<)を一部分として有する基が挙げられる。
中でも、アニオン部位としては、一般式(B-1)~(B-13)で表される基が好ましい。
Figure 0007373059000047
一般式(B-1)~(B-13)中、*は結合位置を表す。
なお、一般式(B-12)における*は、-CO-及び-SO-のいずれでもない基に対する結合位置であるのも好ましい。
一般式(B-1)~(B-5)、及び(B-12)中、RX1は、有機基を表す。
X1としては、アルキル基(直鎖状でも分岐鎖状でもよい。炭素数は1~15が好ましい)、シクロアルキル基(単環でも多環でもよい。炭素数は3~20が好ましい)、又は、アリール基(単環でも多環でもよい。炭素数は6~20が好ましい)が好ましい。
なお、一般式(B-5)においてRX1中の、Nと直接結合する原子は、-CO-における炭素原子、及び、-SO-における硫黄原子のいずれでもないのも好ましい。
X1におけるシクロアルキル基は単環でも多環でもよい。
X1におけるシクロアルキル基としては、例えば、ノルボルニル基、及び、アダマンチル基が挙げられる。
X1におけるシクロアルキル基が有してもよい置換基は、アルキル基(直鎖状でも分岐鎖状でもよい。好ましくは炭素数1~5)が好ましい。
X1におけるシクロアルキル基の環員原子である炭素原子のうちの1個以上が、カルボニル炭素原子で置き換わっていてもよい。
X1におけるアルキル基の炭素数は1~10が好ましく、1~5がより好ましい。
X1におけるアルキル基が有してもよい置換基は、シクロアルキル基、フッ素原子、又は、シアノ基が好ましい。
上記置換基としてのシクロアルキル基の例としては、RX1がシクロアルキル基である場合において説明したシクロアルキル基が同様に挙げられる。
X1におけるアルキル基が、上記置換基としてのフッ素原子を有する場合、上記アルキル基は、パーフルオロアルキル基となっていてもよい。
また、RX1におけるアルキル基は、1つ以上の-CH-がカルボニル基で置換されていてもよい。
X1におけるアリール基はベンゼン環基が好ましい。
X1におけるアリール基が有してもよい置換基は、アルキル基、フッ素原子、又は、シアノ基が好ましい。上記置換基としてのアルキル基の例としては、RX1がシクロアルキル基である場合において説明したアルキル基が同様に挙げられ、パーフルオロアルキル基が好ましく、パーフルオロメチル基がより好ましい。
一般式(B-7)及び(B-11)中、RX2は、水素原子、又は、フッ素原子及びパーフルオロアルキル基以外の置換基を表す。
X2で表されるフッ素原子及びパーフルオロアルキル基以外の置換基は、パーフルオロアルキル基以外のアルキル基、又は、シクロアルキル基が好ましい。
上記アルキル基の例としては、RX1におけるアルキル基からパーフルオロアルキル基を除いたアルキル基が挙げられる。また、上記アルキル基はフッ素原子を有さないことが好ましい。
上記シクロアルキル基の例としては、RX1におけるシクロアルキル基が挙げられる。
また、上記シクロアルキル基はフッ素原子を有さないことが好ましい。
一般式(B-8)中、RXF1は、水素原子、フッ素原子、又は、パーフルオロアルキル基を表す。ただし、複数のRXF1のうち、少なくとも1つはフッ素原子又はパーフルオロアルキル基を表す。
XF1で表されるパーフルオロアルキル基の炭素数は1~15が好ましく、1~10がより好ましく、1~6が更に好ましい。
一般式(B-10)中、RXF2は、フッ素原子又はパーフルオロアルキル基を表す。
XF2で表されるパーフルオロアルキル基の炭素数は1~15が好ましく、1~10がより好ましく、1~6が更に好ましい。
一般式(B-9)中、nは、0~4の整数を表す。
化合物(P)は、少なくとも2種(好ましくは一般式(B-1)~(B-13)から選択される2種)のアニオン性官能基を有することが好ましい。この場合、化合物(P)が有するアニオン性官能基の組み合わせとしては特に制限されない。
例えば、化合物(P)が一般式(B-8)又は(B-10)で表される基を有する場合に、更に、一般式(B-1)~(B-7)、(B-9)、又は(B-11)~(B-13)で表される基を有してもよい。また、化合物(P)が一般式(B-7)で表される基である場合に、更に、一般式(B-6)で表される基を有してもよい。これらの化合物(P)が、更に異なるアニオン性官能基を有していてもよい。
中でも、化合物(P)がアニオン部位として、アニオン部位A (アニオン性官能基A )を有することが好ましい。
アニオン部位A (アニオン性官能基A )は、一般式(BX-1)~(BX-4)のいずれかで表される基である。
Figure 0007373059000048
一般式(BX-1)~(BX-4)中、*は、結合位置を表す。
一般式(BX-1)~(BX-4)中、Rは、有機基を表す。
における有機基の例としては、一般式(B-1)~(B-5)、及び(B-12)におけるRX1の有機基の例が同様に挙げられる。
また、化合物(P)は、アニオン部位として、上記アニオン部位A (アニオン性官能基A )に加えて、更に、アニオン部位A (アニオン性官能基A )を有することが好ましい。
アニオン部位A (アニオン性官能基A )は、一般式(AX-1)~(AX-2)のいずれかで表される基である。
Figure 0007373059000049


一般式(AX-1)~(AX-2)中、*は、結合位置を表す。
一般式(AX-2)中、Rは、有機基を表す。
は、アルキル基が好ましい。
上記アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
上記アルキル基の炭素数は1~10が好ましく、1~5がより好ましい。
上記アルキル基が有してもよい置換基は、フッ素原子が好ましい。
置換基としてフッ素原子を有する上記アルキル基は、パーフルオロアルキル基となっていてもよいし、ならなくてもよい。
化合物(P)は、アニオン部位として、上記アニオン部位A (アニオン性官能基A )、及び、上記アニオン部位A (アニオン性官能基A )に加えて、更なるアニオン部位(好ましくは更なるアニオン性官能基)を有していてもよいし、有していなくてもよい。
(化合物(P)の構成)
化合物(P)は、一般式(AD0)で表される化合物が好ましい。
-(A nk (M nk 一般式(AD0)
一般式(AD0)中、nkは、2以上の整数を表す。
nkは、2~10が好ましく、2~3がより好ましい。
一般式(AD0)中に2つ存在するnkは、それぞれ同一の値である。
一般式(AD0)中、Lは、nk価の連結基を表す。
ただし、nkが2の場合、Lは、単結合又は2価の連結基を表す。
上記2価の有機基としては、例えば、-COO-、-CONH-、-CO-、-O-、アルキレン基(好ましくは炭素数1~6。直鎖状でも分岐鎖状でもよい)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3~15)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2~6)、及びこれらの複数を組み合わせた2価の連結基等が挙げられる。
上記シクロアルキレン基のシクロアルカン環を構成するメチレン基の1個以上が、カルボニル炭素及び/又はヘテロ原子(酸素原子等)で置き換わっていてもよい。
これらの2価の連結基は、更に、-S-、-SO-、-SO-、及び、-NR-(Rは水素原子又は置換基)からなる群から選択される基を有するのも好ましい。
nk価の連結基としては、例えば、単結合及び/又は上記2価の連結基がとり得る各基と、-CRnk<、-N<、>C<、3価以上の炭化水素環基、及び/又は、3価以上の複素環基とが組み合わせられた基が挙げられる。Rnkは水素原子又は置換基を表す。
が単結合以外の場合、Lを構成する水素原子以外の原子の合計数は1~100が好ましく、1~50がより好ましい。
一般式(AD0)中、A は、アニオン性官能基を表す。アニオン性官能基については上述の通りである。複数存在するA は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
複数存在するA は、例えば、「一般式(B-8)又は(B-10)で表される基と、一般式(B-1)~(B-7)、(B-9)、又は(B-11)~(B-13)で表される基」を少なくとも有していてもよく、「一般式(B-7)で表される基と、一般式(B-6)で表される基」を少なくとも有していてもよく、「一般式(BX-1)~(BX-4)のいずれかで表される基と、一般式(AX-1)~(AX-2)のいずれかで表される基」を少なくとも有していてもよい。
一般式(AD0)中、M は、有機カチオン(特定有機カチオン、又は、特定有機カチオン以外の有機カチオン)を表す。
nk個のM のうち少なくとも1個(好ましくは全部)は特定有機カチオンを表すことが好ましい。
特定有機カチオンについては上述の通りである。
特定有機カチオン以外の有機カチオンについても上述の通りである。
複数存在するM は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
また、化合物(P)は、化合物(I)、化合物(II)、又は、化合物(III)であることが好ましい。
以下、化合物(I)~(III)について説明する。
・化合物(I)
化合物(I)について説明する。
化合物(I)は下記化合物である。
化合物(I):下記構造部位Xと下記構造部位Yとを各々1つずつ有する化合物であって、活性光線又は放射線の照射によって、下記構造部位Xに由来する下記第1の酸性部位と下記構造部位Yに由来する下記第2の酸性部位とを含む酸を発生する化合物
構造部位X:アニオン部位A とカチオン部位M とからなり、かつ、活性光線又は放射線の照射によってHAで表される第1の酸性部位を形成する構造部位
構造部位Y:アニオン部位A とカチオン部位M とからなり、かつ、活性光線又は放射線の照射によって、上記構造部位Xにて形成される上記第1の酸性部位とは異なる構造のHAで表される第2の酸性部位を形成する構造部位
ただし、化合物(I)は、下記条件Iを満たす。
条件I:上記化合物(I)において上記構造部位X中の上記カチオン部位M 及び上記構造部位Y中の上記カチオン部位M をHに置き換えてなる化合物PIが、上記構造部位X中の上記カチオン部位M をHに置き換えてなるHAで表される酸性部位に由来する酸解離定数a1と、上記構造部位Y中の上記カチオン部位M をHに置き換えてなるHAで表される酸性部位に由来する酸解離定数a2を有し、かつ、上記酸解離定数a1よりも上記酸解離定数a2の方が大きい。
なお、酸解離定数a1及び酸解離定数a2は、上述した方法により求められる。化合物PIの酸解離定数a1及び酸解離定数a2とは、より具体的に説明すると、化合物PIの酸解離定数を求めた場合において、化合物PI(化合物PIは、「HAとHAを有する化合物」に該当する。)が「A とHAを有する化合物」となる際のpKaが酸解離定数a1であり、上記「A とHAを有する化合物」が「A とA を有する化合物」となる際のpKaが酸解離定数a2である。
また、上記化合物PIとは、化合物(I)に活性光線又は放射線を照射することにより発生する酸に該当する。
本発明の効果がより優れる点で、上記化合物PIにおいて、酸解離定数a1と上記酸解離定数a2との差は、0.10~20.00が好ましく、0.50~17.00がより好ましい。
また、本発明の効果がより優れる点で、上記化合物PIにおいて、酸解離定数a2は、-4.00~15.00が好ましく、-2.00~12.00がより好ましい。
また、本発明の効果がより優れる点で、上記化合物PIにおいて、酸解離定数a1は、-12.00~1.00が好ましく、-7.00~0.50がより好ましい。
・一般式(Ia)
化合物(I)としては特に制限されないが、例えば、下記一般式(Ia)で表される化合物が挙げられる。
11 11 -L-A12 12 (Ia)
一般式(Ia)中、「M11 11 」及び「A12 12 」は、各々、構造部位X及び構造部位Yに該当する。化合物(Ia)は、活性光線又は放射線の照射によって、HA11-L-A12Hで表される酸を発生する。つまり、「M11 11 」は、HA11で表される第1の酸性部位を形成し、「A12 12 」は、上記第1の酸性部位とは異なる構造のHA12で表される第2の酸性部位を形成する。
ただし、上記一般式(Ia)において、M11 及びM12 で表される有機カチオンをHに置き換えてなる化合物PIa(HA11-L-A12H)において、A12Hで表される酸性部位に由来する酸解離定数a2は、HA11で表される酸性部位に由来する酸解離定数a1よりも大きい。なお、酸解離定数a1と酸解離定数a2の好適値については、上述した通りである。
一般式(Ia)中、M11 及びM12 は、それぞれ独立に、有機カチオン(特定有機カチオン、又は、特定有機カチオン以外の有機カチオン)を表す。
11 及びM12 は、少なくとも一方(好ましくは両方)が、特定有機カチオンであることが好ましい。
特定有機カチオンについては上述の通りである。
特定有機カチオン以外の有機カチオンについては上述の通りである。
一般式(Ia)中、A11 及びA12 は、それぞれ独立に、アニオン性官能基を表す。ただし、A12 は、A11 で表されるアニオン性官能基とは異なる構造を表す。
アニオン性官能基については上述の通りである。
11 及びA12 のアニオン性官能基は、それぞれ独立に、一般式(B-1)~(B-13)で表される基が好ましい。
11 及びA12 で表されるアニオン性官能基の組み合わせとしては特に制限されないが、例えば、A11 が一般式(B-8)又は(B-10)で表される基である場合、A12 で表されるアニオン性官能基としては、一般式(B-1)~(B-7)、(B-9)、又は(B-11)~(B-13)で表される基が挙げられ、A11 が一般式(B-7)で表される基である場合、A12 で表されるアニオン性官能基としては、一般式(B-6)で表される基が挙げられる。
一般式(Ia)中、Lは、2価の連結基を表す。
一般式(I)中、Lで表される2価の連結基としては特に制限されず、-CO-、-NR-、-CO-、-O-、アルキレン基(好ましくは炭素数1~6。直鎖状でも分岐鎖状でもよい)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3~15)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2~6)、2価の脂肪族複素環基(少なくとも1つのN原子、O原子、S原子、又はSe原子を環構造内に有する5~10員環が好ましく、5~7員環がより好ましく、5~6員環が更に好ましい。)、及びこれらの複数を組み合わせた2価の連結基等が挙げられる。上記Rは、水素原子又は1価の置換基が挙げられる。1価の置換基としては特に制限されないが、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1~6)が好ましい。
これらの2価の連結基は、更に、-S-、-SO-、及び-SO-からなる群から選択される基を含んでいてもよい。
また、上記アルキレン基、上記シクロアルキレン基、上記アルケニレン基、及び上記2価の脂肪族複素環基は、置換基で置換されていてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)が挙げられる。
・一般式(a)
中でも、化合物(I)としては一般式(a)で表される化合物が好ましい。
a1 -L-B a2 (a)
一般式(a)中、Ma1 及びMa2 は、それぞれ独立に、有機カチオン(特定有機カチオン又は特定有機カチオン以外の有機カチオン)を表す。
a1 及びMa2 のうち少なくとも1個(好ましくは全部)は特定有機カチオンを表すことが好ましい。
特定有機カチオンについては上述の通りである。
特定有機カチオン以外の有機カチオンについても上述の通りである。
一般式(a)中、Lは、2価の有機基を表す。
上記2価の有機基としては、-COO-、-CONH-、-CO-、-O-、アルキレン基(好ましくは炭素数1~6。直鎖状でも分岐鎖状でもよい)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3~15)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2~6)、及びこれらの複数を組み合わせた2価の連結基等が挙げられる。
上記シクロアルキレン基のシクロアルカン環を構成するメチレン基の1個以上が、カルボニル炭素及び/又はヘテロ原子(酸素原子等)で置き換わっていてもよい。
これらの2価の連結基は、更に、-S-、-SO-、及び-SO-からなる群から選択される基を有するのも好ましい。
中でも、Lは、下記一般式(L)で表される基であることが好ましい。
*A-LA-LB-LC-LD-LE-*B (L)
一般式(L)中、*Aは、一般式(a)におけるA との結合位置を表す。
一般式(L)中、*Bは、一般式(a)におけるB との結合位置を表す。
一般式(L)中、LAは、-(C(RLA1)(RLA2))XA-を表す。
上記XAは、1以上の整数を表し、1~10が好ましく、1~3がより好ましい。
LA1及びRLA2は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
LA1及びRLA2が置換基を表す場合の置換基としては、フッ素原子又はフルオロアルキル基が好ましく、フッ素原子又はパーフルオロアルキル基がより好ましく、フッ素原子又はパーフルオロメチル基が更に好ましい。
XAが2以上の場合、XA個存在するRLA1は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
XAが2以上の場合、XA個存在するRLA2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
-(C(RLA1)(RLA2))-は、-CH-、-CHF-、-CH(CF)-又は-CF-であることが好ましい。
中でも、一般式(a)中のA と直接結合する-(C(RLA1)(RLA2))-は、-CH-、-CHF-、-CH(CF)-又は-CF-であることが好ましい。
一般式(a)中のA と直接結合する-(C(RLA1)(RLA2))-以外の-(C(RLA1)(RLA2))-は、それぞれ独立に、-CH-、-CHF-又は-CF-であることが好ましい。
一般式(L)中、LBは、単結合、エステル基(-COO-)、又はスルホニル基(-SO-)を表す。
一般式(L)中、LCは、単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基、又はこれらを組み合わせてなる基(「-アルキレン基-シクロアルキレン基-」等)を表す。
上記アルキレン基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
上記アルキレン基の炭素数は、1~5が好ましく、1~2がより好ましく、1が更に好ましい。
上記シクロアルキレン基の炭素数は、3~15が好ましく、5~10がより好ましい。
上記シクロアルキレン基は単環でも多環でもよい。
上記シクロアルキレン基としては、例えば、ノルボルナンジイル基、及びアダマンタンジイル基が挙げられる。
上記シクロアルキレン基が有してもよい置換基としては、アルキル基(直鎖状でも分岐鎖状でもよい。好ましくは炭素数1~5)が好ましい。
上記シクロアルキレン基のシクロアルカン環を構成するメチレン基の1個以上が、カルボニル炭素及び/又はヘテロ原子(酸素原子等)で置き換わっていてもよい。
LCが、「-アルキレン基-シクロアルキレン基-」の場合、アルキレン基部分は、LB側に存在することが好ましい。
LBが単結合の場合、LCは、単結合又はシクロアルキレン基が好ましい。
一般式(L)中、LDは、単結合、エーテル基(-O-)、カルボニル基(-CO-)、又はエステル基(-COO-)を表す。
一般式(L)中、LEは、単結合又は-(C(RLE1)(RLE2))XE-を表す。
上記-(C(RLE1)(RLE2))XE-におけるXEは、1以上の整数を表し、1~10が好ましく、1~3がより好ましい。
LE1及びRLE2は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
XEが2以上の場合、XE個存在するRLE1は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
XEが2以上の場合、XE個存在するRLE2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
中でも、-(C(RLE1)(RLE2))-は、-CH-又は-CF-であることが好ましい。
一般式(L)中、LB、LC、及びLDが単結合の場合、LEも単結合であることが好ましい。
一般式(a)中、A 及びB は、それぞれ独立に、アニオン性官能基を表す。
アニオン性官能基については上述の通りである。
中でも、A は、一般式(AX-1)~(AX-2)のいずれかで表される基であることが好ましい。
は、一般式(BX-1)~(BX-4)のいずれかで表される基を表すことが好ましい。
及びB は、それぞれ異なる構造であることが好ましい。
中でも、A が一般式(AX-1)で表される基であり、かつB が一般式(BX-1)~(BX-4)のいずれかで表される基であるか、又は、A が一般式(AX-2)で表される基であり、かつB が一般式(BX-1)、(BX-3)、(BX-4)のいずれかで表される基であることが好ましい。
ただし、一般式(a)で表される化合物のMa1 及びMa2 がそれぞれ水素原子で置換されたHA-L-BHで表される化合物において、HAで表される基のpKaはBHで表される基のpKaよりも小さい。
より具体的には、HA-L-BHで表される化合物について酸解離定数を求めた場合において、「HA-L-BH」が「A -L-BH」となる際のpKaを「HAで表される基のpKa」とし、更に、「A -L-BH」が「A -L-B 」となる際のpKaを「BHで表される基のpKa」とする。
「HAで表される基のpKa」及び「BHで表される基のpKa」は、それぞれ、「ソフトウェアパッケージ1」又は「Gaussian16」を用いて求める。
例えば、HAで表される基のpKaは、上述の酸解離定数a1に相当し、好ましい範囲も同様である。
Hで表される基のpKaは、上述の酸解離定数a2に相当し、好ましい範囲も同様である。
HBで表される基のpKaとHAで表される基のpKaとの差(「HBで表される基のpKa」-「HAで表される基のpKa」)は、上述の酸解離定数a1と上記酸解離定数a2との差に相当し、好ましい範囲も同様である。
・化合物(II)
次に、化合物(II)について説明する。
化合物(II)は下記化合物である。
化合物(II):上記構造部位Xを2つ以上と上記構造部位Yとを有する化合物であって、活性光線又は放射線の照射によって、上記構造部位Xに由来する上記第1の酸性部位を2つ以上と上記構造部位Yに由来する上記第2の酸性部位とを含む酸を発生する化合物。ただし、化合物(II)は、下記条件IIを満たす。
条件II:上記化合物(II)において上記構造部位X中の上記カチオン部位M 及び上記構造部位Y中のカチオン部位M をHに置き換えてなる化合物PIIが、上記構造部位X中の上記カチオン部位M をHに置き換えてなるHAで表される酸性部位に由来する酸解離定数a1と、上記構造部位Y中の上記カチオン部位M をHに置き換えてなるHAで表される酸性部位に由来する酸解離定数a2を有し、かつ、上記酸解離定数a1よりも上記酸解離定数a2の方が大きい。
酸解離定数a1及び酸解離定数a2は、上述した方法により求められる。
ここで、化合物PIIの酸解離定数a1及び酸解離定数a2について、より具体的に説明する。化合物(II)が、例えば、上記構造部位Xに由来する上記第1の酸性部位を2つと、上記構造部位Yに由来する上記第2の酸性部位を1つ有する酸を発生する化合物である場合、化合物PIIは「2つのHAとHAを有する化合物」に該当する。この化合物PIIの酸解離定数を求めた場合、化合物PIIが「1つのA と1つのHAとHAとを有する化合物」となる際のpKaが酸解離定数a1であり、「2つのA とHAとを有する化合物」が「2つのA とA を有する化合物」となる際のpKaが酸解離定数a2である。つまり、化合物PIIが、上記構造部位X中の上記カチオン部位M をHに置き換えてなるHAで表される酸性部位に由来する酸解離定数を複数有する場合、その最も小さい値を酸解離定数a1とみなす。
また、上記化合物PIIとは、化合物(II)に活性光線又は放射線を照射することにより発生する酸に該当する。
なお、化合物(II)は、上記構造部位Yを複数有していてもよい。
本発明の効果がより優れる点で、上記化合物PIIにおいて、酸解離定数a1と上記酸解離定数a2との差は、2.00以上が好ましく、3.00以上がより好ましい。なお、酸解離定数a1と上記酸解離定数a2との差の上限値は特に制限されないが、例えば、15.00以下である。
また、本発明の効果がより優れる点で、上記化合物PIIにおいて、酸解離定数a2は、2.00以下が好ましく、1.00以下がより好ましい。なお、酸解離定数a2の下限値としては、-2.00以上が好ましい。
また、本発明の効果がより優れる点で、上記化合物PIIにおいて、酸解離定数a1は、2.00以下が好ましく、0.50以下がより好ましく、-0.10以下が更に好ましい。なお、酸解離定数a1の下限値としては、-15.00以上が好ましい。
化合物(II)としては特に制限されず、例えば、下記一般式(IIa)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007373059000050
一般式(IIa)中、「M21 21 」及び「A22 22 」は、各々、構造部位X及び構造部位Yに該当する。化合物(IIa)は、活性光線又は放射線の照射によって、下記一般式(IIa-1)で表される酸を発生する。つまり、「M21 21 」は、HA21で表される第1の酸性部位を形成し、「A22 22 」は、上記第1の酸性部位とは異なる構造のHA22で表される第2の酸性部位を形成する。
Figure 0007373059000051
一般式(IIa)中、M21 及びM22 は、それぞれ独立に、有機カチオンを表す。
21 及びA22 は、それぞれ独立に、アニオン性官能基を表す。ただし、A22 は、A21 で表されるアニオン性官能基とは異なる構造を表す。
は、(n1+n2)価の有機基を表す。
n1は、2以上の整数を表す。
n2は、1以上の整数を表す。
ただし、上記下記一般式(IIa)において、M21 及びM22 で表される有機カチオンをHに置き換えてなる化合物PIIa(上記一般式(IIa-1)で表される化合物に該当する。)において、A22Hで表される酸性部位に由来する酸解離定数a2は、HA21で表される酸性部位に由来する酸解離定数a1よりも大きい。なお、酸解離定数a1と酸解離定数a2の好適値については、上述した通りである。
上記一般式(IIa)中、M21 、M22 、A21 、及び、A22 は、各々上述した一般式(Ia)中のM11 、M12 、A11 、及、びA12 と同義であり、好適態様も同じである。
上記一般式(IIa)中、n1個のM21 同士、n1個のA21 同士は、各々互いに同一の基を表す。
上記一般式(IIa)中、Lで表される(n1+n2)価の有機基としては特に制限されないが、例えば、下記(A1)及び下記(A2)で表される基等が挙げられる。なお、下記(A1)及び(A2)中、*のうち少なくとも2個はA21 との結合位置を表し、*のうち少なくとも1個はA22 との結合位置を表す。
Figure 0007373059000052
上記(A1)及び(A2)中、Tは、3価の炭化水素環基、又は3価の複素環基を表し、Tは、炭素原子、4価の炭化水素環基、又は4価の複素環基を表す。
上記炭化水素環基は、芳香族炭化水素環基であっても、脂肪族炭化水素環基であってもよい。上記炭化水素環基に含まれる炭素数は、6~18が好ましく、6~14がより好ましい。
上記複素環基は、芳香族複素環基であっても、脂肪族複素環基であってもよい。上記複素環は、少なくとも1つのN原子、O原子、S原子、又はSe原子を環構造内に有する5~10員環であることが好ましく、5~7員環がより好ましく、5~6員環が更に好ましい。
また、上記(A1)及び(A2)中、L21及びL22は、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
21及びL22で表される2価の連結基としては、上記一般式(Ia)中のLで表される2価の連結基と同義であり、好適態様も同じである。
n1は、2以上の整数を表す。上限は特に制限されないが、例えば、6以下であり、4以下が好ましく、3以下がより好ましい。
n2は、1以上の整数を表す。上限は特に制限されないが、例えば、3以下であり、2以下が好ましい。
・一般式(b)
中でも、化合物(II)としては一般式(b)で表される化合物が好ましい。
(Mb1 nb-L-B b2 (b)
一般式(b)中、Mb1 及びMb2 は、それぞれ独立に、有機カチオン(特定有機カチオン又は特定有機カチオン以外の有機カチオン)を表す。
一般式(b)中、Mb1 及びMb2 は、各々上述した一般式(a)中のMa1 及びMa2 と同義であり、好ましい態様も同じである。
一般式(b)中、Lは、(nb+1)価の有機基を表す。
上記(nb+1)価の有機基としては、例えば、上記(A1)及び上記(A2)で表される基等が挙げられる。なお、上記(A1)及び(A2)中、*のうち少なくともnb個はA との結合位置を表し、*のうち少なくとも1個はB との結合位置を表す。
また、上記(A1)及び(A2)中、L21及びL22で表される2価の連結基としては、上記一般式(a)中のLで表される2価の連結基と同様の2価の連結基であることが好ましい。
一般式(b)中、A 及びB は、それぞれ独立に、アニオン性官能基を表す。
一般式(b)中、A 及びB は、各々上述した一般式(a)中のA 及びB と同義であり、好ましい態様も同じである。
一般式(b)中、nbは2以上の整数を表す。複数のMb1 及びA は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
nbの上限は特に制限されないが、例えば、6以下であり、4以下が好ましく、3以下がより好ましい。
ただし、一般式(b)で表される化合物のMb1 及びMb2 がそれぞれ水素原子で置換された(HAnb-L-BHで表される化合物において、HAで表される基のpKaはBHで表される基のpKaよりも小さい。
・化合物(III)
次に、化合物(III)について説明する。
化合物(III):上記構造部位Xを2つ以上と、下記構造部位Zとを有する化合物であって、活性光線又は放射線の照射によって、上記構造部位Xに由来する上記第1の酸性部位を2つ以上と上記構造部位Zとを含む酸を発生する化合物
構造部位Z:酸を中和可能な非イオン性の有機部位
構造部位Z中の酸を中和可能な非イオン性の有機部位としては特に制限されず、例えば、プロトンと静電的に相互作用し得る基又は電子を有する官能基を含む有機部位であることが好ましい。
プロトンと静電的に相互作用し得る基又は電子を有する官能基としては、環状ポリエーテル等のマクロサイクリック構造を有する官能基、又はπ共役に寄与しない非共有電子対をもった窒素原子を有する官能基等が挙げられる。π共役に寄与しない非共有電子対を有する窒素原子とは、例えば、下記式に示す部分構造を有する窒素原子である。
Figure 0007373059000053
プロトンと静電的に相互作用し得る基又は電子を有する官能基の部分構造としては、例えば、クラウンエーテル構造、アザクラウンエーテル構造、1~3級アミン構造、ピリジン構造、イミダゾール構造、及びピラジン構造等が挙げられ、なかでも、1~3級アミン構造が好ましい。
上記化合物(III)において上記構造部位X中の上記カチオン部位M をHに置き換えてなる化合物PIIIにおいて、上記構造部位X中の上記カチオン部位M をHに置き換えてなるHAで表される酸性部位に由来する酸解離定数a1は、本発明の効果がより優れる点で、2.0以下が好ましく、0.5以下がより好ましく、-0.1以下が更に好ましい。なお、酸解離定数a1の下限値としては、-15.0以上が好ましい。
なお、化合物PIIIが、上記構造部位X中の上記カチオン部位M をHに置き換えてなるHAで表される酸性部位に由来する酸解離定数を複数有する場合、その最も小さい値を酸解離定数a1とみなす。
つまり、化合物(III)が、例えば、上記構造部位Xに由来する上記第1の酸性部位を2つと上記構造部位Zとを有する酸を発生する化合物である場合、化合物PIIIは「2つのHAを有する化合物」に該当する。この化合物PIIIの酸解離定数を求めた場合、化合物PIIIが「1つのA と1つのHAとを有する化合物」となる際のpKaが酸解離定数a1である。つまり、化合物PIIIが、上記構造部位X中の上記カチオン部位M をHに置き換えてなるHAで表される酸性部位に由来する酸解離定数を複数有する場合、その最も小さい値を酸解離定数a1とみなす。
なお、上記化合物(III)において上記構造部位X中の上記カチオン部位M をHに置き換えてなる化合物PIIIとは、例えば、化合物(III)が後述する化合物(IIIa)で表される化合物である場合、HA31-L-N(R2X)-L-A31Hが該当する。
化合物(III)としては特に制限されないが、例えば、下記一般式(IIIa)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007373059000054
一般式(IIIa)中、「M31 31 」は、構造部位Xに該当する。化合物(IIIa)は、活性光線又は放射線の照射によって、HA31-L-N(R2X)-L-A31Hで表される酸を発生する。つまり、「M31 31 」は、HA31で表される第1の酸性部位を形成する。
一般式(IIIa)中、M31 は、有機カチオンを表す。
31 は、アニオン性官能基を表す。
及びLは、それぞれ独立に、2価の連結基を表す。
2Xは、1価の有機基を表す。
上記一般式(IIIa)中、M31 、及びA31 は、各々上述した一般式(Ia)中のM11 、及びA11 と同義であり、好適態様も同じである。
上記一般式(IIIa)中、L及びLは、各々上述した一般式(Ia)中のLと同義であり、好適態様も同じである。
上記一般式(IIIa)中、2個のM31 同士、及び2個のA31 同士は、各々互いに同一の基を表す。
一般式(IIIa)中、R2Xで表される1価の有機基としては特に制限されず、例えば、-CH-が、-CO-、-NH-、-O-、-S-、-SO-、及び-SO-よりなる群より選ばれる1種又は2種以上の組み合わせで置換されていてもよい、アルキル基(好ましくは炭素数1~10。直鎖状でも分岐鎖状でもよい)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3~15)、又はアルケニル基(好ましくは炭素数2~6)等が挙げられる。
また、上記アルキレン基、上記シクロアルキレン基、及び上記アルケニレン基は、置換基で置換されていてもよい。
化合物(III)としては、下記一般式(c)で表される化合物が好ましい。
(M nc-L (c)
一般式(c)中、M は、有機カチオン(特定有機カチオン又は特定有機カチオン以外の有機カチオン)を表す。
一般式(c)中、M は、上述した一般式(a)中のMa1 と同義であり、好ましい態様も同じである。
一般式(c)中、A はアニオン性官能基を表す。
一般式(c)中、A は、上述した一般式(a)中のA と同義であり、好ましい態様も同じである。
一般式(c)中、ncは2以上の整数を表す。複数のM 及びA は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
ncの上限は特に制限されないが、例えば、6以下であり、4以下が好ましく、3以下がより好ましい。
は、酸を中和可能な非イオン性の有機部位を表す。
の好ましい態様としては、上述の構造部位Zと同様である。
化合物(P)の分子量は300~3000が好ましく、500~2000がより好ましく、700~1500が更に好ましい。
以下に化合物(P)を例示する。
以下の化合物(P)中の有機カチオンと有機アニオンとの組み合わせは適宜入れ替えてもよい。
化合物(P)の有機アニオンに付された数値は、有機アニオンにおける各アニオン性官能基が有機カチオンに代えてHと結合した場合に形成される各酸性部位に由来する酸解離定数を示す。
Figure 0007373059000055
Figure 0007373059000056
Figure 0007373059000057
Figure 0007373059000058
Figure 0007373059000059
Figure 0007373059000060
Figure 0007373059000061
Figure 0007373059000062
Figure 0007373059000063
Figure 0007373059000064
本発明の組成物中の光酸発生剤の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、本発明の組成物の全固形分に対して、5質量%以上が好ましく、9質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましい。また、上記含有量は、45質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下が更に好ましい。
光酸発生剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
〔(D)酸拡散制御剤〕
本発明の組成物は、酸拡散制御剤を更に含んでいてもよい。酸拡散制御剤は、光酸発生剤から生じた酸をトラップするクエンチャーとして作用し、レジスト膜中における酸の拡散現象を制御する役割を果たす。
酸拡散制御剤は、例えば、塩基性化合物であってもよい。
塩基性化合物は、下記一般式(A)~一般式(E)で示される構造を有する化合物が好ましい。
Figure 0007373059000066
一般式(A)及び一般式(E)中、R200、R201及びR202は、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1~20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3~20)又は、アリール基(好ましくは炭素数6~20)を表し、ここで、R201とR202は、互いに結合して環を形成してもよい。
上記アルキル基について、置換基を有するアルキル基は、炭素数1~20のアミノアルキル基、炭素数1~20のヒドロキシアルキル基、又は、炭素数1~20のシアノアルキル基が好ましい。
203、R204、R205及びR206は、同一でも異なってもよく、炭素数1~20のアルキル基を表す。
これら一般式(A)及び一般式(E)中のアルキル基は、無置換であることがより好ましい。
塩基性化合物に関しては、国際公開第2018/193954号の段落[0190]~[0197]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
酸拡散制御剤は、プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する化合物(PA)であってもよい。
上記化合物(PA)に関しては、国際公開第2018/193954号の段落[0198]~[0203]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
化合物(PA)としては、例えば、特開2014-41328号公報の段落[0421]~[0428]、特開2014-134686号公報の段落[0108]~[0116]に記載されたものを援用でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物も酸拡散制御剤として使用できる。上記低分子化合物は、酸の作用により脱離する基を窒素原子上に有するアミン誘導体が好ましい。
酸の作用により脱離する基は、アセタール基、カルボネート基、カルバメート基、3級エステル基、3級水酸基、又は、ヘミアミナールエーテル基が好ましく、カルバメート基、又は、ヘミアミナールエーテル基がより好ましい。
低分子化合物の分子量は、100~1000が好ましく、100~700がより好ましく、100~500が更に好ましい。
低分子化合物は、窒素原子上に保護基を有するカルバメート基を有してもよい。
酸拡散制御剤の具体例として、国際公開第2018/193954号の段落[0204]~[0206]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。また、本発明の組成物は上記以外の酸拡散制御剤を含有していてもよい。
本発明の組成物が酸拡散制御剤を含む場合、酸拡散制御剤の含有量は、本発明の組成物の全固形分に対して、0.001~15質量%が好ましく、0.01~8質量%がより好ましい。
酸拡散制御剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
光酸発生剤と酸拡散制御剤との本発明の組成物中の使用割合は、光酸発生剤/酸拡散制御剤(モル比)=2.5~300であることが好ましい。感度及び解像度の点からモル比は2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのレジストパターンの太りによる解像度の低下抑制の点からモル比は300以下が好ましい。光酸発生剤/酸拡散制御剤(モル比)は、5.0~200がより好ましく、7.0~150が更に好ましい。
酸拡散制御剤としては、例えば、特開2013-11833号公報の段落[0140]~[0144]に記載の化合物(アミン化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、及び、含窒素複素環化合物等)も挙げられる。
〔(E)疎水性樹脂〕
本発明の組成物は、上記樹脂(A)とは別に、樹脂(A)とは異なる疎水性樹脂を含んでいてもよい。
疎水性樹脂は、膜表層への偏在化の点から、“フッ素原子”、“珪素原子”、及び、“樹脂の側鎖部分に含まれたCH部分構造”のいずれか1種以上を有することが好ましく、2種以上を有することがより好ましい。また、上記疎水性樹脂は、炭素数5以上の炭化水素基を有することが好ましい。これらの基は樹脂の主鎖中に有していても、側鎖に置換していてもよい。
疎水性樹脂に関しては、特開2014-010245号公報の段落[0315]~[0415]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
なお、疎水性樹脂はこの他にも特開2011-248019号公報、特開2010-175859号公報、特開2012-032544号公報記載の樹脂も好ましく使用できる。
本発明の組成物が疎水性樹脂を含む場合、疎水性樹脂の含有量は、本発明の組成物の全固形分に対して、0.01~20質量%が好ましく、0.1~15質量%がより好ましい。
〔(F)溶剤〕
本発明の組成物は、溶剤を含んでいてもよい。
溶剤は特に限定されないが、(M1)プロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、並びに、(M2)プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸エステル、酢酸エステル、アルコキシプロピオン酸エステル、鎖状ケトン、環状ケトン、ラクトン、及び、アルキレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも1つの少なくとも一方を含んでいることが好ましい。なお、この溶剤は成分(M1)及び(M2)以外の成分を更に含んでいてもよい。
溶剤に関しては、国際公開第2019/058890号の段落[0187]~[0197]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明の組成物中の溶剤の含有量は、固形分濃度が0.5~30質量%となるように定めることが好ましく、1~20質量%となるように定めることがより好ましい。こうすると、本発明の組成物の塗布性を更に向上させられる。
固形分濃度とは、本発明の組成物の総質量に対する、溶剤を除く他の成分の質量の質量百分率である。
〔(H)界面活性剤〕
本発明の組成物は、界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤を含むと、密着性により優れ、現像欠陥のより少ないパターンを形成できる。
界面活性剤は、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤が好ましい。
界面活性剤に関しては、国際公開第2019/058890号の段落[0183]~[0184]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明の組成物が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、0.0001~2質量%が好ましく、0.0005~1質量%がより好ましい。
〔(G)その他の添加剤〕
本発明の組成物は、溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、及び/又は、現像液に対する溶解性を促進させる化合物(例えば、分子量1000以下のフェノール化合物、又はカルボン酸基を含んだ脂環族若しくは脂肪族化合物)を更に含んでいてもよい。
本発明の組成物は、溶解阻止化合物を更に含んでいてもよい。ここで「溶解阻止化合物」とは、酸の作用により分解して有機系現像液中での溶解度が減少する、分子量3000以下の化合物である。
[用途]
本発明の組成物は、活性光線又は放射線の照射により反応して性質が変化する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、本発明の組成物は、IC(Integrated Circuit)等の半導体製造工程、液晶若しくはサーマルヘッド等の回路基板の製造、インプリント用モールド構造体の作製、その他のフォトファブリケーション工程、又は平版印刷版、若しくは酸硬化性組成物の製造に使用される感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に関する。本発明において形成されるパターンは、エッチング工程、イオンインプランテーション工程、バンプ電極形成工程、再配線形成工程、及びMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等において使用できる。
[感活性光線性又は感放射線性膜]
本発明は、本発明の感活性光線又は感放射線性組成物により形成された感活性光線性又は感放射線性膜にも関する。このような膜は、例えば、本発明の組成物が基板等の支持体上に塗布されることにより形成される。この膜の厚みは、0.02~0.1μmが好ましい。
基板上に塗布する方法としては、スピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の適当な塗布方法により基板上に塗布されるが、スピン塗布が好ましく、その回転数は1000~3000rpm(rotations per minute)が好ましい。塗布膜は60~150℃で1~20分間、好ましくは80~120℃で1~10分間プリベークして薄膜を形成する。
被加工基板及びその最表層を構成する材料は、例えば、半導体用ウエハの場合、シリコンウエハを用いることができ、最表層となる材料の例としては、Si、SiO、SiN、SiON、TiN、WSi、BPSG、SOG、有機反射防止膜等が挙げられる。
[マスクブランクス]
また、本発明は、上記のようにして得られる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を塗布した、感活性光線性又は感放射線性膜を具備したマスクブランクスにも関する。
マスクブランクスに関しては、特開2018-10299号公報の段落[0265]~[0271]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
[パターン形成方法]
本発明の組成物を用いたパターン形成方法の手順は特に制限されないが、以下の工程を有することが好ましい。
工程1:本発明の組成物を用いて、基板上にレジスト膜を形成する工程
工程2:レジスト膜を(好ましくは、電子線(EB)、EUVで)露光する工程
工程3:現像液を用いて、露光されたレジスト膜を現像し、パターンを形成する工程
以下、上記それぞれの工程の手順について詳述する。
<工程1:レジスト膜形成工程>
工程1は、本発明の組成物を用いて、基板上にレジスト膜を形成する工程である。本発明の組成物は上述の通りである。
本発明の組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する方法としては、例えば、本発明の組成物を基板上に塗布する方法が挙げられる。
なお、塗布前に本発明の組成物を必要に応じてフィルター濾過することが好ましい。フィルターのポアサイズは、0.1μm以下が好ましく、0.05μm以下がより好ましく、0.03μm以下が更に好ましい。また、フィルターは、ポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、又は、ナイロン製が好ましい。
レジスト膜の膜厚は特に制限されないが、より高精度な微細パターンを形成できる点から、10~65nmが好ましく、15~50nmがより好ましい。
レジスト膜形成工程に関しては、国際公開第2018/193954号の段落[0227]~[0230]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
<工程2:露光工程>
工程2は、レジスト膜を(好ましくは、電子線(EB)、EUVで)露光する工程である。
露光の方法としては、例えば、形成したレジスト膜に所定のマスクを通して電子線(EB)又はEUVを照射する方法が挙げられる。
露光後、現像を行う前にベーク(加熱)を行うことが好ましい。ベークにより露光部の反応が促進され、感度及びパターン形状がより良好となる。
加熱温度は80~150℃が好ましく、80~140℃がより好ましく、80~130℃が更に好ましい。
加熱時間は10~1000秒が好ましく、10~180秒がより好ましく、30~120秒が更に好ましい。
加熱は通常の露光機及び/又は現像機に備わっている手段で実施でき、ホットプレート等を用いて行ってもよい。
この工程は露光後ベークともいう。
<工程3:現像工程>
工程3は、現像液を用いて、露光されたレジスト膜を現像し、パターンを形成する工程である。
現像液は、アルカリ現像液であっても、有機溶剤を含有する現像液(以下、有機系現像液ともいう)であってもよい。
現像方法としては、例えば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止して現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、及び、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)が挙げられる。
また、現像を行う工程の後に、他の溶剤に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
現像時間は未露光部の樹脂が十分に溶解する時間であれば特に制限はなく、10~300秒が好ましく、20~120秒がより好ましい。
現像液の温度は0~50℃が好ましく、15~35℃がより好ましい。
アルカリ現像液は、アルカリを含むアルカリ水溶液を用いることが好ましい。アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常、0.1~20質量%である。また、アルカリ現像液のpHは、通常、10.0~15.0である。
アルカリ現像液に関しては、特開2019-174549号公報の段落[0304]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
有機系現像液は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤、及び炭化水素系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤を含有する現像液であることが好ましい。
ケトン系溶剤に関しては、特開2019-174549号公報の段落[0306]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
エステル系溶剤に関しては、特開2019-174549号公報の段落[0307]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤、及び、炭化水素系溶剤としては、例えば、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0715]~[0718]に開示された溶剤を使用できる。
上記の溶剤は、複数混合してもよいし、上記以外の溶剤又は水と混合してもよい。現像液全体としての含水率は、50質量%未満が好ましく、20質量%未満がより好ましく、10質量%未満が更に好ましく、実質的に水分を含有しないのが特に好ましい。
有機系現像液に対する有機溶剤の含有量は、現像液の全量に対して、50質量%以上100質量%以下が好ましく、80質量%以上100質量%以下がより好ましく、90質量%以上100質量%以下が更に好ましく、95質量%以上100質量%以下が特に好ましい。
<他の工程>
上記パターン形成方法は、工程3の後に、リンス液を用いて洗浄する工程(リンス工程)を含むことが好ましい。
リンス工程に関しては、特開2019-174549号公報の段落[0316]~[0320]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、本発明のパターン形成方法は、リンス工程の後に加熱工程(Post Bake)を含んでいてもよい。本工程により、ベークによりパターン間及びパターン内部に残留した現像液及びリンス液が除去される。また、本工程により、レジストパターンがなまされ、パターンの表面荒れが改善される効果もある。リンス工程の後の加熱工程は、通常40~250℃(好ましくは90~200℃)で、通常10秒間~3分間(好ましくは30秒間~120秒間)行う。
また、形成されたパターンをマスクとして、基板のエッチング処理を実施してもよい。つまり、工程3にて形成されたパターンをマスクとして、基板(または、下層膜及び基板)を加工して、基板にパターンを形成してもよい。この工程に関しては、国際公開第2018/193954号の段落[0238]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明の組成物、及び、本発明のパターン形成方法において使用される各種材料(例えば、溶剤、現像液、リンス液、反射防止膜形成用組成物、トップコート形成用組成物等)は、金属等の不純物を含まないことが好ましい。これら材料に含まれる不純物の含有量は、1質量ppm以下が好ましく、10質量ppb以下がより好ましく、100質量ppt以下が更に好ましく、10質量ppt以下が特に好ましく、1質量ppt以下が最も好ましい。ここで、金属不純物としては、例えば、Na、K、Ca、Fe、Cu、Mg、Al、Li、Cr、Ni、Sn、Ag、As、Au、Ba、Cd、Co、Pb、Ti、V、W、及び、Zn等が挙げられる。
各種材料から金属等の不純物を除去する方法に関しては、国際公開第2018/193954号の段落[0240]~[0242]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、本発明では、国際公開第2018/193954号の段落[0243]~[0247]に記載された事項を援用することができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、本発明は、上記したパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法、及び、この製造方法により製造された電子デバイスにも関する。
本発明の電子デバイスは、電気電子機器(家電、OA(Office Automation)、メディア関連機器、光学用機器及び通信機器等)に、好適に、搭載されるものである。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準を意図する。「実施例2-26」及び「実施例3-11」は、「実施例」とあるのを「参考例」に読み替えるものとする。
<モノマーa1の合成>
Figure 0007373059000067
グリセロール1,2-カルボナート18gと塩化メチレン108gを混合し、-10℃で撹拌しながらN-メチルモルホリン(NMM)15.9gを加え、さらにトリフルオロメタンスルホン酸無水物(TfO)43.8gと塩化メチレン42gの混合溶液を、過度に発熱しないよう注意深く滴下し、0℃で2時間撹拌した。反応液を20℃に戻した後でアセトン300gを加え、減圧濃縮し、中間体Aのアセトン溶液120gを得た。4-ヒドロキシスチレン15.3gとアセトン126gを混合し、氷冷下、炭酸セシウム99gを加え、さらに上記中間体Aのアセトン溶液120gを滴下した。20℃でさらに2時間撹拌した後、ろ過した。ろ液を減圧濃縮して溶媒を留去した後、2-プロパノールで再結晶を行い、30gのモノマーa1を得た(収率62%)。
H-NMR(Acetone-d6:ppm)δ:7.43(d)、6.98(d)、6.70(dd)、5.68(d)、5.23(m)、5.12(d)、4.73(dd)、4.54(dd)、4.42-4.26(dddd)
<モノマーa14の合成>
Figure 0007373059000068
4-ビニル安息香酸25.2g、グリセロール1,2-カルボナート20g、4-ジメチルアミノピリジン2.1gとテトラヒドロフラン(THF)315gを混合し、氷冷下、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)36gを加え、20℃で6時間撹拌した。ろ過して不溶物を除去した後、ろ液を減圧濃縮した。残留物に酢酸エチル560gと水500gを加えて分液操作を行い、有機層を水500gで3回洗浄した。硫酸ナトリウムで脱水した後ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル75gに溶解し氷冷下撹拌しながら、n-ヘキサン120gを滴下すると白色結晶が析出した。これをろ過して、29gのモノマーa14を得た(収率69%)。
H-NMR(Acetone-d6:ppm)δ:8.00(d)、10.22(s)、7.63(d)、7.86(d)、6.85(dd)、6.01(d)、5.43(d)、5.28(m)、4.77(dd)、4.69-4.54(m)
<合成例1:樹脂A-1の合成>
14gのモノマー(a1)と、42gのモノマー(b1)と、14gのモノマー(c4)と、4.3gの重合開始剤V-601(和光純薬工業(株)製)とを、155gのシクロヘキサノンに溶解させた。反応容器中に41gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を入れ、窒素ガス雰囲気下、85℃の系中に4時間かけて滴下した。反応溶液を2時間に亘って加熱撹拌した後、これを20℃まで放冷した。上記反応溶液に70gのPGMEAを加えた後、2450gの酢酸エチルとn-ヘプタンの混合溶媒(酢酸エチル/n-ヘプタン=10/90(質量比))に滴下しポリマーを沈殿させ、上澄みの溶媒を除去した。残ったポリマーに1050gの酢酸エチルとn-ヘプタンの混合溶媒(上記と同様の質量比)を加え、30分間撹拌した後にろ過した。得られた粉体を減圧乾燥に供して、51gの樹脂(A-1)を得た。GPCによる重量平均分子量は9000、分散度(Mw/Mn)は1.77であった。13C-NMR測定により算出した樹脂A-1の組成比は質量比で20/60/20(a1/b1/c4)であった。
Figure 0007373059000069
H-NMR(DMSO-d6:ppm)δ:9.06、7.07-6.22、5.13、4.63、4.47-3.99、2.15-0.12
<合成例2:樹脂A-21の合成>
14gのモノマー(a14)と、42gのモノマー(b1)と、14gのモノマー(c4)と、5.1gの重合開始剤V-601(和光純薬工業(株)製)とを、155gのシクロヘキサノンに溶解させた。反応容器中に41gのPGMEAを入れ、窒素ガス雰囲気下、85℃の系中に4時間かけて滴下した。反応溶液を2時間に亘って加熱撹拌した後、これを20℃まで放冷した。上記反応溶液に70gのPGMEAを加えた後、2450gの酢酸エチルとn-ヘプタンの混合溶媒(酢酸エチル/n-ヘプタン=10/90(質量比))に滴下しポリマーを沈殿させ、上澄みの溶媒を除去した。残ったポリマーに1050gの酢酸エチルとn-ヘプタンの混合溶媒(上記と同様の質量比)を加え、30分間撹拌した後にろ過した。得られた粉体を減圧乾燥に供して、55gの樹脂(A-21)を得た。GPCによる重量平均分子量は9000、分散度(Mw/Mn)は1.67であった。13C-NMR測定により算出した樹脂A-21の組成比は質量比で20/60/20(a14/b1/c4)であった。
Figure 0007373059000070
H-NMR(DMSO-d6:ppm)δ:9.08、7.80、7.40-6.32、5.18、4.78-4.22、2.12-0.22
用いるモノマーを変更した以外は、上記樹脂A-1の合成例と同様の方法で、表1~3に示す樹脂(A)を合成した。
樹脂の組成比は、H-NMR(nuclear magnetic resonance)又は13C-NMR測定により算出した。樹脂の重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算)、及び分散度(Mw/Mn)はGPC(溶媒:THF)測定により算出した。なお、表1~3には、各樹脂について、各繰り返し単位の含有量(樹脂(A)の全繰り返し単位に対する各繰り返し単位の質量比率(単位:質量%))、Mw(重量平均分子量)、及び分散度を示した。
樹脂(RA-1)~(RA-8)は本発明の樹脂(A)ではないが、便宜上表3に記載した。
表1~3において、各繰り返し単位の含有量は各繰り返し単位の「種類」の欄の右の「含有量(質量%)」の欄に記載した。
Figure 0007373059000071
Figure 0007373059000072
Figure 0007373059000073
以下に各繰り返し単位の構造を示す。
Figure 0007373059000074
Figure 0007373059000075
Figure 0007373059000076
Figure 0007373059000077
Figure 0007373059000078
〔光酸発生剤B〕
使用した光酸発生剤を以下に示す。
Figure 0007373059000079
Figure 0007373059000080
Figure 0007373059000081
Figure 0007373059000082
〔酸拡散制御剤D〕
使用した酸拡散制御剤を以下に示す。
Figure 0007373059000083
〔疎水性樹脂E〕
使用した疎水性樹脂を以下に示す。
Figure 0007373059000084
E-1~E-4の重量平均分子量(Mw)及び分散度(Mw/Mn)はGPC(キャリア:テトラヒドロフラン(THF))により測定した(ポリスチレン換算量である)。また、樹脂の組成比(モル比)は、13C-NMRにより測定した。
〔界面活性剤〕
以下に示す界面活性剤を使用した。
H-1:メガファックF176(DIC(株)製、フッ素系界面活性剤)
H-2:メガファックR08(DIC(株)製、フッ素及びシリコン系界面活性剤)
〔溶剤〕
以下に示す溶剤を使用した。
F1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
F2:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
F3:プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGEE)
F4:シクロヘキサノン
F5:シクロペンタノン
F6:2-ヘプタノン
F7:乳酸エチル
F8:γ-ブチロラクトン
F9:プロピレンカーボネート
〔感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の調製〕
表4~6に示す各成分を固形分濃度が2.0質量%となるように混合した。次いで、得られた混合液を、最初に孔径50nmのポリエチレン製フィルター、次に孔径10nmのナイロン製フィルター、最後に孔径5nmのポリエチレン製フィルターの順番で濾過することにより、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(以下、樹脂組成物ともいう)を調製した。なお、樹脂組成物において、固形分とは溶剤以外の全ての成分を意味する。得られた樹脂組成物を実施例及び比較例で使用した。
以下の「樹脂(A)」欄、「光酸発生剤(B)」欄、「酸拡散制御剤(D)」欄、「疎水性樹脂(E)」欄、及び「界面活性剤」欄に記載の各成分の添加量は全固形分に対する各成分の割合(質量%)を表す。各成分の添加量は各成分の「種類」の欄の右の「添加量(%)」の欄に記載した。
Figure 0007373059000085
Figure 0007373059000086
Figure 0007373059000087
〔パターン形成(1):EUV露光、有機溶剤現像〕
シリコンウエハ上に下層膜形成用組成物AL412(Brewer Science社製)を塗布し、205℃で60秒間ベークして、膜厚20nmの下地膜を形成した。その上に、表7に示す樹脂組成物を塗布し、100℃で60秒間ベークして、膜厚30nmのレジスト膜を形成した。
EUV露光装置(Exitech社製、Micro Exposure Tool、NA0.3、Quadrupol、アウターシグマ0.68、インナーシグマ0.36)を用いて、得られたレジスト膜を有するシリコンウエハに対してパターン照射を行った。なお、レクチルとしては、ラインサイズ=20nmであり、且つ、ライン:スペース=1:1であるマスクを用いた。
露光後のレジスト膜を90℃で60秒間ベークした後、酢酸n-ブチルで30秒間現像し、これをスピン乾燥してネガ型のパターンを得た。
〔評価〕
[ラフネス性能](LWR(line width roughness)性能)
ライン幅が平均20nmのラインパターンを解像する時の最適露光量にて解像した20nm(1:1)のラインアンドスペースのパターンに対して、測長走査型電子顕微鏡(SEM((株)日立製作所S-9380II))を使用してパターン上部から観察する際、線幅を50箇所で観測し、その測定ばらつきを3σで評価し、LWR(nm)とした。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
[倒れ前線幅]
露光量を変化させながら、ラインアンドスペースパターンのライン幅を測定した。この際、10μm四方にわたりパターンが倒れることなく解像している最小のライン幅の平均値を、倒れ前線幅とした。この値が小さいほど、パターン倒れのマージンが広く、性能良好であることを示す。
評価結果を下記表7に示す。
Figure 0007373059000088
〔パターン形成(2):EUV露光、アルカリ水溶液現像〕
シリコンウエハ上に下層膜形成用組成物AL412(Brewer Science社製)を塗布し、205℃で60秒間ベークして、膜厚20nmの下地膜を形成した。その上に、表8に示す樹脂組成物を塗布し、100℃で60秒間ベークして、膜厚30nmのレジスト膜を形成した。
EUV露光装置(Exitech社製、Micro Exposure Tool、NA0.3、Quadrupol、アウターシグマ0.68、インナーシグマ0.36)を用いて、得られたレジスト膜を有するシリコンウエハに対してパターン照射を行った。なお、レクチルとしては、ラインサイズ=20nmであり、且つ、ライン:スペース=1:1であるマスクを用いた。
露光後のレジスト膜を90℃で60秒間ベークした後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、次いで純水で30秒間リンスした。その後、これをスピン乾燥してポジ型のパターンを得た。
前述と同様の方法でLWR性能と倒れ前線幅を評価した。
評価結果を下記表8に示す。
Figure 0007373059000089
〔パターン形成(3):EB(電子線)露光、アルカリ水溶液現像〕
表9に示す樹脂組成物を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布した。次いで、ホットプレート上で120℃、90秒間加熱乾燥を行い、膜厚35nmのレジスト膜を形成した。
電子線照射装置((株)日立製作所製HL750、加速電圧50keV)を用い、得られたレジスト膜に対して線幅24nmの1:1ラインアンドスペースパターンの6%ハーフトーンマスクを通して電子線照射を行った。照射後、直ぐにホットプレート上で110℃、60秒間加熱した。更に、濃度2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、スピン乾燥してポジ型パターンを得た。
〔評価〕
[ラフネス性能](LWR(line width roughness)性能)
ライン幅が平均24nmのラインパターンを解像する時の最適露光量にて解像した20nm(1:1)のラインアンドスペースのパターンに対して、測長走査型電子顕微鏡(SEM((株)日立製作所S-9380II))を使用してパターン上部から観察する際、線幅を50箇所で観測し、その測定ばらつきを3σで評価し、LWR(nm)とした。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
前述と同様の方法で倒れ前線幅の評価を行った。
評価結果を下記表9に示す。
Figure 0007373059000090
本発明によれば、超微細パターン(例えば、ピッチ50nm以下のパターン)において、パターン倒れが抑制でき、かつラフネス性能に優れるパターンを形成できる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により形成された感活性光線性又は感放射線性樹脂膜、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂膜を備えたマスクブランクス、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いるパターン形成方法及び電子デバイスの製造方法を提供することができる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2020年4月28日出願の日本特許出願(特願2020-079747)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

Claims (18)

  1. 下記一般式(1)で表される繰り返し単位(1a)及び酸分解性基を有する繰り返し単位(1b)を含む樹脂(A)と、
    活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)と、
    を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0007373059000091

    一般式(1)中、
    は炭酸エステル基を含む環状構造を有する基、又はSO基を含む環状構造を有する基を表す。ただし、前記SO基中の硫黄原子の2つの結合手はいずれも炭素原子と結合している
    は水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は有機基を表す。
    は水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
    は単結合又は2価の連結基を表す。
    は単結合又は2価の連結基を表す。
    Xは-COO-、-O-、-CONR-、-SO又は-SONR -を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表す。
    及びnは各々1~4の整数を表す。ただし、m+n=5を満たす。
    、R、X及びLが複数存在する場合、複数のR、R、X及びLは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
  2. 前記一般式(1)中のLが単結合を表す、請求項1に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  3. 前記繰り返し単位(1a)が下記一般式(2)で表される、請求項1又は2に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0007373059000092

    一般式(2)中、R、R、R、L、m及びnは、それぞれ前記一般式(1)におけるものと同じ意味を表す。
    X’は-COO-、-CONR-、-SO又は-SONR -を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表す。
    、R、X’及びLが複数存在する場合、複数のR、R、X’及びLは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
  4. 前記樹脂(A)が、更に、ラクトン構造、カルボキシル基、水酸基及びスルホンアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1つを有する繰り返し単位(1c)を含む、請求項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  5. 前記一般式(2)中のX’が-COO-を表す、請求項又はに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  6. 前記一般式(2)中のRが下記一般式(4-1)又は(4-2)で表される、請求項のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0007373059000093

    一般式(4-1)中、
    411、R412、R413、R414及びR415は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。
    41及びp42は、それぞれ独立に0~2の整数を表す。ただし、p41+p42≦2を満たす。R411、R412、R414及びR415が複数存在する場合、複数のR411、R412、R414及びR415は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
    一般式(4-2)中、
    421、R422、R423、R424及びR425は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。
    43及びp44は、それぞれ独立に0~2の整数を表す。ただし、p43+p44≦2を満たす。R421、R422、R424及びR425が複数存在する場合、複数のR421、R422、R424及びR425は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
    一般式(4-1)及び(4-2)中、*は結合位置を表す。
  7. 前記一般式(2)中のRが前記一般式(4-1)で表される、請求項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  8. 前記繰り返し単位(1a)が下記一般式(5)で表され、かつ前記樹脂(A)が、更に、ラクトン構造、カルボキシル基、水酸基及びスルホンアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1つを有する繰り返し単位(1c)を含む、請求項1又は2に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0007373059000094

    一般式(5)中、R、R、R、L、m及びnは、それぞれ前記一般式(1)におけるものと同じ意味を表す。
    、R及びLが複数存在する場合、複数のR、R及びLは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
  9. 前記一般式(5)中のRが下記一般式(6-1)又は(6-2)で表される、請求項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0007373059000095

    一般式(6-1)中、
    611、R612、R613、R614及びR615は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。
    61及びp62は、それぞれ独立に0~2の整数を表す。ただし、p61+p62≦2を満たす。R611、R612、R614及びR615が複数存在する場合、複数のR611、R612、R614及びR615は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
    一般式(6-2)中、
    621、R622、R623、R624及びR625は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。
    63及びp64は、それぞれ独立に0~2の整数を表す。ただし、p63+p64≦2を満たす。R621、R622、R624及びR625が複数存在する場合、複数のR621、R622、R624及びR625は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
    一般式(6-1)及び(6-2)中、*は結合位置を表す。
  10. 前記一般式(5)中のRが前記一般式(6-1)で表される、請求項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  11. 前記繰り返し単位(1a)の含有量が前記樹脂(A)の全繰り返し単位に対して10~60質量%である、請求項1~10のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  12. 前記化合物(B)がアニオンとカチオンとを含むイオン性化合物である、請求項1~11のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  13. 前記化合物(B)が1つ以上のアニオン性分子と1つ以上のカチオン性分子とで構成され、前記カチオン性分子のうち少なくとも1つがフッ素原子を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  14. 前記化合物(B)が下記一般式(a)~(c)のいずれかで表される、請求項1~12のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    a1 -L-B a2 (a)
    (Mb1 nb-L-B b2 (b)
    (M nc-L (c)
    一般式(a)中、Ma1 及びMa2 は、それぞれ独立に有機カチオンを表し、Lは2価の有機基を表し、A 及びB は、それぞれ独立にアニオン性官能基を表す。
    ただし、一般式(a)で表される化合物のMa1 及びMa2 がそれぞれ水素原子で置換されたHA-L-BHで表される化合物において、HAで表される基のpKaはBHで表される基のpKaよりも小さい。
    一般式(b)中、Mb1 及びMb2 は、それぞれ独立に有機カチオンを表し、Lは(nb+1)価の有機基を表し、A 及びB は、それぞれ独立にアニオン性官能基を表し、nbは2以上の整数を表す。複数のMb1 及びA は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
    ただし、一般式(b)で表される化合物のMb1 及びMb2 がそれぞれ水素原子で置換された(HAnb-L-BHで表される化合物において、HAで表される基のpKaはBHで表される基のpKaよりも小さい。
    一般式(c)中、M は有機カチオンを表し、A はアニオン性官能基を表し、Lは酸を中和可能な非イオン性の有機部位を表し、ncは2以上の整数を表す。複数のM 及びA は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
  15. 請求項1~14のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により形成された感活性光線性又は感放射線性膜。
  16. 請求項15に記載の感活性光線性又は感放射線性膜を備えたマスクブランクス。
  17. 請求項1~14のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜を露光する工程と、
    現像液を用いて前記露光されたレジスト膜を現像し、パターンを形成する工程と、
    を含むパターン形成方法。
  18. 請求項17に記載のパターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法。
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