JP7372979B2 - 電子タバコ用水系フレーバーリキッド - Google Patents

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Description

本出願は電子タバコフレーバーリキッドの分野に関し、特に電子タバコ用水系フレーバ
ーリキッドに関する。
現在、市販されている電子タバコは、グリセリンとプロピレングリコールを主成分とし
、グリセリンは主に霧化・発煙の役割を果たす。グリセリンは溶解性が悪く、流動性が低
く、粘度が高いため、霧化剤にプロピレングリコールを添加しなければならない。プロピ
レングリコールはエッセンスや香料を溶解し、霧化剤の流動性を向上させるとともに、霧
化・発煙の役割を果たす。従来、グリセリンは人体にとって安全であると考えられる。『
食品添加剤の使用基準』(GB2760-2014)においてグリセリンが複数の用途に
利用可能であるとの規定があり、1日間あたりの最高使用量が生産のニーズに応じて決定
される。しかし、プロピレングリコールは安全ではなく、GB2760-2014におい
て2つの分野における用途、すなわち、湿式小麦製品(例えば、麺、餃子皮、ワンタンの
皮、焼売の皮)とお菓子しか許可されず、1日間あたりの最高使用量はそれぞれ、1.5
、及び3.0g/Kgである。
従来、グリセリンは変な甘みをしており、吸引すると化学物のような感じが強いもので
あると考えられ、従来のシガレットに比べて喫煙感が使用者により受け取られにくい。
グリセリンとプロピレングリコールを主成分とする電子タバコフレーバーリキッドは、
粘度や沸点が高く、電気がかかるとともに、アトマイザーに炭素がケーキングしやすい。
霧化温度が200℃よりも高い場合、検出したところ、グリセリン及びプロピレングリコ
ールはアルコールケトン系化合物を生成して、使用者の健康に害を与える。
さらに、従来から、水がグリセリンとプロピレングリコールを主要な霧化剤とする従来
の電子タバコリキッドの霧化効果に大きな影響を与えることが認められ、電子タバコリキ
ッド中の含水量が10%よりも大きくなると、電子タバコの霧化量が明らかに低下する。
従って、成分中にプロピレングリコールとグリセリンを少量含有するか、全く含有せず
、一定の発煙量を確保する上に、電子タバコフレーバーリキッドの安全性や喫煙感を向上
させ、喫煙具を保護する点からより低い粘度や沸点を有する新しい電子タバコ用水系フレ
ーバーリキッドの開発が求められる。
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の欠点を克服し、環境にやさしく、
安全性が高く、吸い感が心地良く、発煙効果が高く、且つ粘度が低い電子タバコリキッド
を提供することである。
上記技術的課題を解決するために、本発明は以下の技術案を採用する。
電子タバコ用水系フレーバーリキッドであって、成分として、水5質量部~60質量部
と、常温で固体であり、水に溶解可能な煙供給成分5質量部~50質量部と、グリセリン
0質量部~30質量部とを含む。前記煙供給成分は糖アルコールである。従来、通常、糖
アルコールは結晶性の固体であり、流動性を備えないため、電子タバコの霧化剤として利
用できず、また、水はグリセリンとプロピレングリコールを主要な霧化剤とする電子タバ
コリキッドの霧化効果に大きな影響を与えると考えられ、電子タバコリキッド中の含水量
が10%よりも大きくなると、電子タバコの霧化量が明らかに低下する。本発明では、電
子タバコ用水系フレーバーリキッドを製造する際に、糖アルコールは煙供給成分として水
に溶解し、電子タバコフレーバーリキッドの主要な霧化成分として機能する。
さらに、前記電子タバコ用水系フレーバーリキッドは低粘度を有し、本発明でいう低粘
度とは、常温常圧下の粘度がグリセリン+プロピレングリコールリキッドの粘度よりも低
いことを意味し、具体的には、粘度は200mPa・s以下、150mPa・s以下、1
00mPa・s以下、75mPa・s以下、50mPa・s以下、25mPa・s以下、
20mPa・s以下、15mPa・s以下、12mPa・s以下、又は1.1mPa・s
以上である。本発明は、大量の実験を繰り返した結果、水が電子タバコフレーバーリキッ
ドの粘度を低下でき、それにより、電子タバコ用水系フレーバーリキッドは粘度がグリセ
リンプロピレングリコールリキッドよりも低く、より低いパワーで使用することができ、
それによって、発熱パワーを低下させ、発熱線の温度が高すぎることにより炭化やコーキ
ングが生じやすいことを回避し、電池の使用時間を延ばすことを見出した。
さらに、前記電子タバコ用水系フレーバーリキッドは低沸点を有し、本発明でいう低沸点とは、常温常圧下、グリセリンプロピレングリコール系リキッドよりも低い沸点を有することを意味し、具体的には、沸点は、180℃以下、160℃以下、140℃以下、120℃以下、110℃以下、又は103℃以上である。本発明は、大量の実験を繰り返した結果、糖アルコールを含む水系電子タバコは煙点がグリセリン+プロピレングリコールリキッドよりも低く、より低いパワーで使用することができ、それによって、発熱パワーを低下させ、発熱線の温度が高すぎることにより炭化やコーキングが生じやすいことを回避し、電池の使用時間を延ばすことを見出した。
さらに、前記電子タバコ用水系フレーバーリキッドは高比熱容量を有し、本発明でいう高比熱容量とは、常温常圧下、グリセリンプロピレングリコール系リキッドよりも高い比熱容量を有することを意味し、具体的には、高比熱容量は2.8J/(g・℃)以上、2.8J/(g・℃)以上、2.9J/(g・℃)以上、3.0J/(g・℃)以上、3.1J/(g・℃)以上、3.2J/(g・℃)以上、3.3J/(g・℃)以上、3.4J/(g・℃)以上、又は3.5J/(g・℃)以上である。本発明は、大量の実験を繰り返した結果、糖アルコールを含む水系電子タバコは、比熱容量がグリセリン+プロピレングリコールリキッドよりも大きく、電子タバコの加熱が速すぎることにより、有機成分が分解して大量の有害物質を発生させることを回避できることを見出した。
さらに、前記電子タバコ用水系フレーバーリキッドは、吸引するときに1パフあたりの
平均霧化量が0.80μg/パフ以上であり、前記霧化量は収集したエアロゾルの重量で
ある。本発明では、研究した結果、糖アルコールを水に溶解した混合物を含む電子タバコ
フレーバーリキッドは、良好な発煙効果を有し、その煙量がグリセリンとプロピレングリ
コールの混合物に相当する。
さらに、前記電子タバコ用水系フレーバーリキッドは、吸引するときに1パフあたりの
ホルムアルデヒド平均含有量がそれぞれ1.00μg/パフ以下であり、アセトアルデヒ
ド含有量が0.5μg/パフ以下である。本発明では、大量の実験を繰り返した結果、水
系電子タバコ霧化剤は、カルボニル化合物の生成の点において、従来の電子タバコフレー
バーリキッドよりも安全性が高い。
さらに、前記電子タバコ用水系フレーバーリキッドは、成分として、糖アルコール10
質量部~50質量部と、グリセリン0質量部~30質量部と、水20質量部~50質量部
とからなる。
さらに、前記電子タバコ用水系フレーバーリキッドは、成分として、糖アルコール20
質量部~30質量部と、グリセリン0質量部~10質量部と、水20質量部~40質量部
とからなる。
さらに、前記糖アルコールは、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、及びソ
ルビトールから選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは、エリスリトールとキシリト
ールの混合物であり、前記エリスリトールとキシリトールとの質量比が1:1~1:4で
あり、より好ましくは、エリスリトール、ソルビトール、及びキシリトールの混合物であ
り、前記エリスリトールとキシリトールとの質量比が1:1~1:4であり、前記エリス
リトールとソルビトールとの質量比が1:1~1:4である。本発明では、大量の実験を
繰り返した結果、糖アルコールとして質量比1:1~1:4のエリスリトールとキシリト
ールとの混合物が使用され、場合によって、エリスリトールとの質量比が1:1~1:4
であるソルビトールが別に添加されると、前記水系電子タバコは、発煙効果、物理学的性
能、吸い感が最適なバランスをとる。本発明では、プロピレングリコールの代わりに霧化
剤中の溶媒部分として水が使用され、プロピレングリコールに比べて、水はより優れた安
全性を有する。エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトールは全てよく
使用されている代替糖であり、消費者の中では非常に人気があり、長期間にわたって使用
してもその安全性は十分である。従って、本発明の電子タバコは、誤って食べても深刻な
影響がない。
さらに、前記電子タバコ用水系フレーバーリキッドは、香気成分及び/又はタバコ葉抽
出物を含み、前記香気成分はタバコ用エッセンス及び/又はタバコ用香料を含み、好まし
くは0.01質量部~10質量部であり、前記タバコ葉抽出物は好ましくは0重量部~2
0重量部である。エッセンスは一般に液体であり、香料は一般に固体であり、エッセンス
及び/又は香料の溶媒は水を主とし、溶解を促進してカビ生えを抑制するために、少量の
プロピレングリコールやエタノールが溶解促進剤やカビ抑制剤として添加されてもよい。
ただし、喫煙味に影響を与えず、又は消費者へ酔い効果を与えないことが限界とされる。
電子タバコ用水系フレーバーリキッドは、成分として、水5質量部~60質量部と、常
温で固体であり、水に溶解可能な煙供給成分5質量部~50質量部とを含む。前記煙供給
成分は糖アルコールである。
さらに、前記電子タバコ用水系フレーバーリキッドはプロピレングリコールを含まない
。プロピレングリコール及びそれが加熱された生成物が人体に悪影響を与えるので、本発
明では、大量の実験を繰り返した結果、配合比を調整することによりプロピレングリコー
ルを含まない電子タバコ用水系フレーバーリキッドが得られ、良好な発煙性能を達成させ
るとともに、従来のフレーバーリキッドよりも安全性が高い。また、吸い感については、
糖アルコールはグリセリンによる臭気をある程度で抑えることができる。プロピレングリ
コールを溶解促進剤又はカビ抑制剤などの機能性助剤として使用する必要がある場合、前
記電子タバコ用水系フレーバーリキッドはプロピレングリコールを5部以下含む。
さらに、前記電子タバコ用水系フレーバーリキッドはグリセリン30部以下、25部以下、20部以下、15部以下10部以下、5部以下を含み、好ましくは、グリセリンとプロピレングリコールを含まない。本発明は、大量の実験を繰り返した結果、グリセリン及びプロピレングリコールは、霧化されてカルボニル物質を生成することに加えて、濃厚な変な甘みや化学物のような感じがあり、このため、煙の吸い感の質を向上させる点から、グリセリン及びプロピレングリコールを本電子タバコ用水系フレーバーリキッドの成分から除去する。
さらに、持続的に吸引する過程において、前記電子タバコ用水系フレーバーリキッドは
安定した霧化効果を有する。本発明では、大量の実験を通じて測定した結果、従来の電子
タバコフレーバーリキッドに比べて、グリセリンを含有するか否かに関わらず、プロピレ
ングリコールフリーの電子タバコ用水系フレーバーリキッドは非常に安定した発煙効果を
有することを見出した。
さらに、前記電子タバコ用水系フレーバーリキッドでは、霧化効果の変動値がSEFF
ECTであり、パフ数がnであり、i番目のパフに対応する霧化量がSであり、1パフ
あたりの平均霧化量が
Figure 0007372979000001

であり、上記パラメータは、
Figure 0007372979000002

の関係を満たす。上記式により電子タバコ用水系フレーバーリキッドの霧化効果の変動値
が得られる。大量の実験を通じて測定した結果、グリセリンを含有するか否かに関わらず
、プロピレングリコールフリーの電子タバコ用水系フレーバーリキッドは、霧化効果が非
常に安定しており、霧化効果の変動値が常に0.1以下に維持されることを確認した。
さらに、前記水と煙供給成分との質量比は1:4~4:1であり、さらに、前記水と煙
供給成分との質量比は1:4~1:1である。水含有量が高すぎる場合、煙供給成分は水
蒸気が十分な煙を発生させるのに寄与できず、煙供給成分が多すぎると、溶液流動性が悪
く、結晶が生じやすく、電子タバコの正常な作動に不利である。
従来技術に比べて、本発明の利点は以下のとおりである。
1、糖アルコールと水を主成分とする霧化剤の設計形態では、本処方は、従来のグリセ
リン+プロピレングリコールの霧化剤よりも優れた安全性や喫煙感を有する。
2、糖アルコールと水を主成分とする霧化剤の設計形態では、新しい処方は、従来の処
方よりも低い粘度と沸点を有し、炭素堆積を減少させ、電池の作動時間を延ばし、喫煙具
の生産コストを削減させることができる。
3、本処方は、コストが低く、製造しやすいという優位性を有する。
以下、特定の実施形態において本特許の特徴及び利点を詳細に説明し、その内容は、当
業者が本特許の技術内容を理解して実施するのに十分であり、本明細書、特許請求の範囲
及び図面に基づいて、当業者は本特許の目的及び利点を容易に理解できる。
S1:エリスリトール、キシリトール及び水の質量比が1:4:6となるように、エリ
スリトールとキシリトールを水に溶解した。
S2:タバコ用水溶性カラメルエッセンスとS1の混合物との質量比が1:10となる
ように、タバコ用水溶性カラメルエッセンスとステップS1の混合物とを均一に混合し、
本実施例の電子タバコフレーバーリキッドを得た。
S1:エリスリトール、キシリトール及び水の質量比が1:4:4となるように、エリ
スリトールとキシリトールを水に溶解した。
S2:タバコ葉抽出物エキスとステップS1の混合物との質量比が1:10となるよう
に、タバコ葉抽出物エキスとステップS1の混合物とを均一に混合し、本実施例の電子タ
バコフレーバーリキッドを得た。
S1:エリスリトール、キシリトール及び水の質量比が1:4:5となるように、エリ
スリトールとキシリトールを水に溶解した。
S2:オレンジソーダフレーバーの水溶性エッセンスとステップS1の混合物との質量
比が1:10となるように、オレンジソーダフレーバーの水溶性エッセンスとステップS
1の混合物とを均一に混合し、本実施例の電子タバコフレーバーリキッドを得た。
S1:エリスリトール、マンニトール、グリセリン及び水の質量比が1:4:2:6と
なるように、エリスリトール、マンニトール及びグリセリンを水に溶解した。
S2:カラメルフレーバーのタバコ水溶性エッセンスとステップS1の混合物との質量
比が1:10となるように、カラメルフレーバーのタバコ水溶性エッセンスとステップS
1の混合物とを均一に混合し、本実施例の電子タバコフレーバーリキッドを得た。
S1:エリスリトール、キシリトール、グリセリン及び水の質量比が1:4:2:5と
なるように、エリスリトール、キシリトール、及びグリセリンを水に溶解した。
S2:サンザシフレーバーの水溶性エッセンスとステップS1の混合物との質量比が1
:10となるように、サンザシフレーバーの水溶性エッセンスとステップS1の混合物と
を均一に混合し、本実施例の電子タバコフレーバーリキッドを得た。
S1:エリスリトール、キシリトール、グリセリン及び水の質量比が1:6:4:10
となるように、エリスリトール、キシリトール、及びグリセリンを水に溶解した。
S2:サンザシフレーバーの水溶性エッセンスとステップS1の混合物との質量比が1
:19となるように、サンザシフレーバーの水溶性エッセンスとステップS1の混合物と
を均一に混合し、本実施例の電子タバコフレーバーリキッドを得た。
S1:エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、グリセリン及び水の質量比が1
:4:1:2:5となるように、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、及びグ
リセリンを水に溶解した。
S2:ミントフレーバーの水溶性エッセンスとステップS1の混合物との質量比が1:
10となるように、ミントフレーバーの水溶性エッセンスとステップS1の混合物とを均
一に混合し、本実施例の電子タバコフレーバーリキッドを得た。
S1:エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン及び
水の質量比が1:4:1:1:2:5となるように、エリスリトール、キシリトール、ソ
ルビトール、マンニトール、及びグリセリンを水に溶解した。
S2:カラメル・タバコフレーバーの水溶性香料とステップS1の混合物との質量比が
1:20となるように、カラメル・タバコフレーバーの水溶性香料とステップS1の混合
物とを均一に混合し、本実施例の電子タバコフレーバーリキッドを得た。
S1:キシリトールと水との質量比が1:1となるように、キシリトールを水に溶解し
た。
S2:カラメル・タバコフレーバーの水溶性香料とステップS1の混合物との質量比が
1:20となるように、カラメル・タバコフレーバーの水溶性香料とステップS1の混合
物とを均一に混合し、本実施例の電子タバコフレーバーリキッドを得た。
S1:エリスリトールと水の質量比が1:4となるように、エリスリトールを水に溶解
した。
S2:オレンジソーダフレーバーの水溶性香料とステップS1の混合物との質量比が1
:20となるように、オレンジソーダフレーバーの水溶性香料とステップS1の混合物と
を均一に混合し、本実施例の電子タバコフレーバーリキッドを得た。
実施例11~59及び比較例1~8
表1中の各成分の質量比で原料を混合して均一に撹拌し、実施例11~59及び比較例
1~8の電子タバコリキッドを得た。
カルボニル化合物の検出実験1
電子タバコの研究分野では、通常、エアロゾル中のアルデヒド・ケトン物質の含有量を
測定する方法によって、フレーバーリキッドの安全性を評価する。
1)実験には、サンプルとして、プロピレングリコール、グリセリン、空白霧化剤、市
販電子タバコリキッドサンプル70(雲端一号電子タバコリキッド)、市販電子タバコリ
キッドサンプル82(黄鶴楼蒸気リキッド)、実施例1のステップ1で得た混合物サンプ
ル(番号S1、合計2つのサンプル、それぞれS1-1とS1-2)、実施例1のステッ
プ2で得た電子タバコフレーバーリキッド(番号S2、合計2つのサンプル、それぞれS
2-1とS2-2)を用いた。
2)テスト方法
2.1)直線型喫煙機によるテストステップ:上記サンプルを電子タバコ器具にそれぞ
れ充填し、直線型喫煙機(型番:SM450)を用いて釣鐘曲線の条件で吸引し、吸引す
る際に、電子タバコ器具に定圧源4.5Vを外付けした。吸引モードの吸引曲線は方形波
曲線であり、吸引容量は55mLであり、吸引時間は1パフあたり3秒とし、間隔を30
秒とし、30回吸引した。煙量は、45mmのガラス繊維製ケンブリッジフィルター2枚
を用いて収集した(アルデヒド・ケトン誘導体化試薬含有)。
2.2)高速液体クロマトグラフィーによる検出のステップ:業界標準方法である『シ
ガレット シガレットの主流煙における主要なカルボニル化合物の測定』を利用して収集
物中の主要なカルボニル化合物の含有量を測定した。
2.3)電子タバコと喫煙機を同期させるステップ:従来のアトマイザー(抵抗線+ウ
ィク)は電圧安定化電源モジュール(最大電圧6.2V、テスト電圧4V)を利用して喫
煙機と同期し、超音波アトマイザーは、外付け装置がなく、付属している電池が接続され
、手動でスイッチを押すと喫煙機と同期する。
2.4)吸収瓶が必要であるか否かを検証するステップ:空白霧化剤に高含有量のアル
デヒド・ケトン標準品を加え、上記実験方法に基づいて、喫煙機に10mlアルデヒド・
ケトン誘導体化試薬を容れた吸収瓶を接続して実験を行い、実験の結果、吸収瓶誘導液に
はアルデヒド・ケトンが検出されなかったことが明らかになる。このため、喫煙機収集器
は、2枚のフィルターの場合、30パフの電子タバコの煙中のアルデヒド・ケトン化合物
を全て収集することができ、吸収瓶を接続する必要がなかった。
テストの結果は以下のとおりである。
Figure 0007372979000006
Figure 0007372979000007
Figure 0007372979000008
表2~4の比較から分かるように、本発明の水系電子タバコ霧化剤又は電子タバコ用水
系リキッドは、霧化したところ、カルボニル化合物や他の有害物質が認められなかった。
一般的な電子タバコ霧化剤の気相成分に比べて、本水系霧化剤はより良好な安全性を有す
る。
煙収集テスト1
本実施例6の電子タバコフレーバーリキッドを電子タバコ器具に充填し、直線型喫煙機
(型番:SM450)を用いて釣鐘曲線の条件で吸引し、吸引する際に、電子タバコ器具
に定圧源4.5Vを外付けした。吸引モードの吸引曲線は方形波曲線であり、吸引時間は
1パフあたり3秒であり、間隔は30秒とした。
煙量は45mmのガラス繊維製ケンブリッジフィルターを用いて収集し、秤量法により
ケンブリッジフィルターで収集された物質は測定された。水以外の物質は全てケンブリッ
ジフィルターにより収集されて、煙となる。
本実施例の煙収集データを表4に示す。
Figure 0007372979000009
フィルターで収集された重量は霧化剤が加熱された気相成分、即ち煙の部分であると考
えられる。機器の重量減少は、電子タバコ器具において加熱されて発揮したフレーバーリ
キッドの部分である。水がフィルターで収集されないため、フィルターによる収集量は機
器の減少重量未満である。両方のデータを組み合わせて収集率を算出した。フレーバーリ
キッドの成分の配合比を比較すると、収集率がフレーバーリキッド中の溶質の部分に比例
することが分かった。本発明の電子タバコ用水系フレーバーリキッドの霧化量がフレーバ
ーリキッド中の溶質の部分に比例することが分かった。
同じ電子タバコ器具、純粋なグリセリンからなる電子タバコリキッド、同じ喫煙機が使
用され、実験前後にフィルターと喫煙具の重量が秤量され、フィルター収集及び喫煙具の
重量減少についてのデータが取得されて、表5に示す。
Figure 0007372979000010
グリセリンが空気中の水分を吸収しやすいため、フィルターによる収集量は機器の重量
減少データよりも高い。
表5と表6の比較から分かるように、本発明の水系フレーバーリキッドは、グリセリン
と類似した霧化量を有し、フレーバーリキッド中の溶質の含有量が60%である条件では
、水系フレーバーリキッドの霧化量は、同じ条件下、純粋なグリセリンリキッドの60%
であった。
本実施例1~52の電子タバコフレーバーリキッドを一般的な電子タバコのアトマイザ
ーに加えて、正常に吸引すると、肉眼で見える淡青色煙が発生した。連続的に吸引しても
、煙量に明らかな減少が認められず、喫煙味が安定的に維持された。実験から明らかなよ
うに、グリセリン-プロピレングリコール1:1のリキッドに比べて、含水率50%の本
発明の霧化剤は、収集物の重量がグリセリン-プロピレングリコール1:1のリキッドの
場合に収集された重量の50%に近かった。吸引時に生じた煙量を肉眼で観察したところ
、含水率50%の本発明の霧化剤は、煙量がグリセリン-プロピレングリコール1:1の
リキッドの煙量の50%に近かった。
カルボニル化合物の検出実験2
以下の実施例の電子タバコ用水系フレーバーリキッドを用いて、そのエアロゾルを収集
し、エアロゾルの1パフあたりのアルデヒド・ケトン含有量を分析し、従来のグリセリン
、プロピレングリコール含有の電子タバコリキッドのデータと比較し、具体的なデータを
表7に示す。
Figure 0007372979000011
官能評価テスト1
秤量法で煙量を比較することに加えて、肉眼観察、主観的評価の方法も電子タバコ用水
系フレーバーリキッドの煙量の評価に用いた。本発明の実施例の前記電子タバコフレーバ
ーリキッドの官能品質をテストし、官能品質の評価基準を表8に示し、評価基準には、煙
量、変な甘み、刺激性、雑気、後味の5つの評価項目を含み、各評価項目の最高点は9点
であり、各評価項目は1点を採点単位とした。
Figure 0007372979000012
評価方法:喫煙評価専門家に様式及び官能品質の評価基準表を提供し、表に記載の要件
に従って各指標について喫煙評価を行う。
結果統計:全ての喫煙評価専門家による喫煙評価結果は有効であり、各喫煙評価専門家
による単一の喫煙評価結果について算術平均値を求め、結果を小数点第1位に四捨五入し
、それぞれの単一の算術平均値を加算して、総点を得た。
Figure 0007372979000013
煙収集テスト2
調製した実施例20、30、35及び比較例1~8の電子タバコフレーバーリキッドを
それぞれ電子タバコ器具のカートリッジに充填し、電子タバコ喫煙機にセットして吸引し
、ケンブリッジフィルターでエアロゾルを収集した。秤量法によって最初の50パフを収
集する前後のケンブリッジフィルターの重量変化を正確に秤量し、1パフあたりのエアロ
ゾルの平均重量を得た。実施例20、30、35及び比較例1~8の電子タバコリキッド
のデータを比較して、電子タバコ用水系フレーバーリキッドの煙量を評価した。具体的な
データを表10に示す。
Figure 0007372979000014
表10のデータによれば、従来の電子タバコフレーバーリキッドでは、水の割合が高す
ぎると、煙量が明らかに低下し、パフの品質が損なわれ、一方、水に煙供給成分が添加さ
れると、煙量が明らかに向上した。
実施例20、30、35を選択して、調製した電子タバコフレーバーリキッドを電子タ
バコ器具のカートリッジに充填し、電子タバコ喫煙機で吸引し、ケンブリッジフィルター
でエアロゾルを収集した。
秤量法によって、収集前後のケンブリッジフィルターの重量変化を正確に称量し、1パ
フあたりのエアロゾルの重量を得た。同じ実験条件で比較例8のデータを測定し、2群の
データを比較し、電子タバコ用水系フレーバーリキッドの煙量を評価した。具体的なデー
タを表11に示す。
Figure 0007372979000015
表11のデータから、発煙剤を添加すると、電子タバコ用水系フレーバーリキッドの煙
量が明らかに向上することを示した。そのデータは従来の電子タバコリキッドよりもわず
かしか低下しない。小型喫煙具の場合は、直接吸引して、肉眼で観察したところ、その煙
量は受け入れられるレベルであった。
表11のデータ及び喫煙評価実験によれば、下記のような結論を得た。電子タバコ用水
系フレーバーリキッドの煙量は従来のグリセリン、プロピレングリコール含有の電子タバ
コリキッドよりもわずかに低い。中小程度の煙量が好ましい喫煙者に適している。
上記実験の過程において、電子タバコ用水系フレーバーリキッドの霧化効果の変動値が
EFFECTであり、電子タバコ用水系フレーバーリキッドのパフ数がnであり、電子
タバコ用水系フレーバーリキッドのi番目のパフに対応する霧化量がSであり、電子タ
バコ用水系フレーバーリキッドの1パフあたりの平均霧化量が
Figure 0007372979000016

とすると、実施例20、30、35のいずれの上記パラメータも、
Figure 0007372979000017

の関係を満たす。上記式により電子タバコ用水系フレーバーリキッドの霧化効果の変動値
が得られる。大量の実験を通じて測定した結果、グリセリンを含有するか否かに関わらず
、プロピレングリコールフリーの電子タバコ用水系フレーバーリキッドの霧化効果が極め
て安定しており、霧化効果の変動値が常に0.1以下に維持されることを確認した。
電子タバコフレーバーリキッドの比熱容量検出
実施例25、26、27及び比較例8の電子タバコフレーバーリキッドを選択して、常
温常圧下での比熱容量をそれぞれ測定した。
Figure 0007372979000018
表12から分かるように、各種の処方の水系フレーバーリキッドの比熱容量は従来の電
子タバコリキッドよりも高く、それにより、電子タバコの加熱が速すぎて、有機成分が分
解して大量の有害物質を生成することを回避できる。
電子タバコフレーバーリキッドの沸点検出
以下の実施例及び比較例8の電子タバコフレーバーリキッドを用いて、常圧下の沸点を
測定した。
Figure 0007372979000019
表13から分かるように、各種の処方の水系フレーバーリキッドは、沸点が近く、従来
の電子タバコリキッドよりも明らかに低い。水系フレーバーリキッドは、より低い沸点で
あり、より低い加熱温度、より少量の熱で霧化してエアロゾルを形成可能である。
電子タバコフレーバーリキッドの粘度検出
以下の実施例及び比較例8の電子タバコフレーバーリキッドを用いて、常温常圧下の粘
度を測定した。
Figure 0007372979000020
表14から分かるように、水系フレーバーリキッドと従来の電子タバコリキッドの物理
化学的性質の比較から、水系フレーバーリキッドは、より低い粘度を有し、流動性により
優れ、器具の設計の点において多くのメリットがあることが明らかになった。
発煙霧化測定
表14の実施例及び比較例8の物質の比に従って電子タバコフレーバーリキッドサンプ
ルをそれぞれ調製し、次に前記電子タバコフレーバーリキッドをそれぞれ低周波数発振器
に注入し、前記電子タバコフレーバーリキッドを十分に静置した後、上記器具を開いて、
次に機器の発煙の状況を観察し、機器から持続的かつ明らかな煙が発生すれば、電子タバ
コフレーバーリキッドが煙を発生できるものとし、「レ」と記し、機器から持続的かつ明らかな煙が発生しなければ、電子タバコフレーバーリキッドが煙を発生できないものとし、×と記した。テスト結果を順次表14に記録し、下記のテスト結果を得た。
Figure 0007372979000021
表15の比較から分かるように、一般的な電子タバコリキッドに比べて、本発明の電子
タバコフレーバーリキッドは、より低い粘度を有し、低周波数発振器で発煙可能であり、
低周波数発振器の作動パワーが低いため、器具を使用するときのエネルギー消費量を減少
させ、器具の使用時間を延ばし、使用者が器具を使用する時の利便性を向上させることが
できる。さらに、低周波数発振器の作動パワーが低いため、発振の機械的運動の速度が低
く、従って、作動中に生じた熱が少なく、高周波数発振器よりも作動温度が低く、それに
より、煙中の有害物質が減少し、一般的な電子タバコリキッドよりも安全性が良好であっ
た。
上記実施例25、26及び27の、低粘度、低沸点、高比熱容量の電子タバコフレーバ
ーリキッドを新しい電子タバコ器具に使用し、半分注入した状態から空炊きまで連続的に
加熱して使用することを5回繰り返したところ、炭化やコーキングの現象が認められなか
った。比較例8の電子タバコフレーバーリキッドを新しい電子タバコ器具に使用し、同様
に半分注入した状態から空炊きまで連続的に加熱して使用することを5回繰り返したとこ
ろ、炭化やコーキングの現象が認められた。
以上は、本出願の好適な実施例に過ぎず、本出願を何ら制限するものではなく、本出願
は好適な実施例で以下のように開示されたが、これらに制限するものではなく、当業者で
あれば、本出願の技術案の範囲を逸脱することなく、上記で開示された技術内容を利用し
て行われるいくつかの変化や修飾は全て等価実施例であり、技術案の範囲内である。
ここでの用語や表現は説明するために過ぎず、本発明はこれらの用語や表現に制限され
ない。これらの用語や表現を使用することは、いずれの例や説明(又はこれらの一部)に
おける等価特徴を排除するものではなく、存在し得る様々な修正も特許請求の範囲に含ま
れると理解すべきである。他の修正、変化や置換も可能である。このため、特許請求の範
囲はこれらの等価物をすべてカバーするものとみなすべきである。
なお、本発明では、以上の具体的な実施例を参照して説明したが、当業者にとって自明
なように、以上の実施例は本発明を説明するものに過ぎず、本発明の精神を逸脱すること
なく各種の等価の変化や置換も可能であり、このため、本発明の実質的な精神の範囲内で
ある限り、上記実施例に対する変化や変形は全て本発明の特許請求の範囲に属すべきであ
る。

Claims (15)

  1. 電子タバコ用水系フレーバーリキッドであって、
    成分として、水5質量部~60質量部と、常温で固体であり、水に溶解可能な煙供給成分5質量部~50質量部とを含み、グリセリンとプロピレングリコールを含まなく、
    前記煙供給成分は糖アルコールであり、
    前記糖アルコールはエリスリトール、ソルビトール及びキシリトールの混合物であり、前記エリスリトールとキシリトールとの質量比が1:1~1:4であり、前記エリスリトールとソルビトールとの質量比が1:1~1:4である、
    ことを特徴とする電子タバコ用水系フレーバーリキッド。
  2. 前記煙供給成分は糖アルコールである、ことを特徴とする請求項に記載の電子タバコ用水系フレーバーリキッド。
  3. 低粘度を有する、ことを特徴とする請求項に記載の電子タバコ用水系フレーバーリキッド。
  4. 粘度が200mPa・s以下である、ことを特徴とする請求項に記載の電子タバコ用水系フレーバーリキッド。
  5. 低沸点を有する、ことを特徴とする請求項に記載の電子タバコ用水系フレーバーリキッド。
  6. 沸点が180℃以下である、ことを特徴とする請求項に記載の電子タバコ用水系フレーバーリキッド。
  7. 高比熱容量を有する、ことを特徴とする請求項に記載の電子タバコ用水系フレーバーリキッド。
  8. 比熱容量が2.8J/(g・℃)以上である、ことを特徴とする請求項に記載の電子タバコ用水系フレーバーリキッド。
  9. 香気成分及び/又はタバコ葉抽出物を含む、ことを特徴とする請求項に記載の電子タバコ用水系フレーバーリキッド。
  10. 前記香気成分及び/又はタバコ葉抽出物はカビ抑制剤を含む、ことを特徴とする請求項に記載の電子タバコ用水系フレーバーリキッド。
  11. 前記香気成分はタバコ用エッセンス及び/又はタバコ用香料を含む、ことを特徴とする請求項に記載の電子タバコ用水系フレーバーリキッド。
  12. 成分として、タバコ葉抽出物0重量部~20重量部を含む、ことを特徴とする請求項に記載の電子タバコ用水系フレーバーリキッド。
  13. 成分として、香気成分0.01重量部~10重量部を含む、ことを特徴とする請求項に記載の電子タバコ用水系フレーバーリキッド。
  14. 前記水と煙供給成分との質量比が1:4~4:1である、ことを特徴とする請求項に記載の電子タバコ用水系フレーバーリキッド。
  15. 前記水と煙供給成分との質量比が1:4~1:1である、ことを特徴とする請求項12に記載の電子タバコ用水系フレーバーリキッド。
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