JP7370141B2 - 軌道部材および転がり軸受 - Google Patents

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Description

本発明は、軌道部材および転がり軸受に関する。
従来の軌道部材は、焼入処理および焼戻処理を含む熱処理が施されることにより、製造されている。一般的に、焼戻処理は、被処理物である成形体全体が雰囲気炉内に収容されることにより、実施される。
高温環境下で使用される軌道部材の寸法変化率は、軸受寿命の観点から、低く抑えられているのが好ましい。例えば内輪の内径面の寸法変化率が低く抑えられていれば、内輪の内径面と軸との嵌め合いに緩みが生じてクリープが発生することを抑制でき、軸受の破損を抑制できる。
従来、軌道部材の寸法変化率を低く抑える対策として、軌道部材全体の平均残留オーステナイト量を減らすための焼戻処理が知られている。
特開2017-227334号公報には、軌道部材全体の平均残留オーステナイト量を18体積%以下とするために、180℃以上230℃以下の温度で鋼材を焼き戻す技術が開示されている。
特開2017-227334号公報
しかしながら、従来の上記焼戻処理方法では、成形体全体を焼き戻すため、成形体全体において残留オーステナイトが分解される。さらに、従来の上記焼戻処理方法では、成形体全体において、残留オーステナイトが分解されると同時に、マルテンサイトが分解される。
そのため、従来の上記焼戻処理が施されることにより製造された軌道部材では、例えば高温環境下での使用が予定されないために上記条件での焼戻処理が施されずに製造された軌道部材と比べて、軌道面のマルテンサイト量が低く抑えられており、軌道面の硬さが低い。その結果、前者の軌道部材では、後者の軌道部材と比べて、軌道面とは反対側に位置する円周面、すなわち内輪の内径面または外輪の外径面、の寸法変化率は低く抑えられているが、軌道面の硬さが低下している。
本発明の主たる目的は、上記円周面の寸法変化率が低く抑えられているとともに、軌道面の硬さの低下が抑制された軌道部材および転がり軸受を提供することにある。
本発明に係る軌道部材は、高炭素鋼からなり、周方向に沿って延在する軌道面と、周方向に沿って延在し、かつ軸方向に沿って延びる円周面とを有している。軌道面の残留オーステナイト量は円周面の残留オーステナイト量よりも多い。軌道面の残留オーステナイト量と円周面の残留オーステナイト量との差が5体積%以上である。
上記軌道部材は、浸炭浸窒処理を含む熱処理が施されており、軌道面の残留オーステナイト量と円周面の残留オーステナイト量との差が10体積%以上である。
上記軌道部材では、軌道面の硬さが650Hv以上である。
上記軌道部材では、円周面は、径方向において軌道面とは反対側に位置する面である。
本発明に係る転がり軸受は、内輪軌道面と、内輪軌道面とは反対側に位置する内径面とを有する内輪と、内輪軌道面と対向する外輪軌道面を有する外輪と、内輪軌道面と外輪軌道面と接触する複数の転動体とを備える。内輪が上記軌道部材である。内輪軌道面が軌道部材の軌道面である。内径面が軌道部材の円周面である。
本発明によれば、上記円周面の寸法変化率が低く抑えられているとともに、軌道面の硬さの低下が抑制された軌道部材および転がり軸受を提供することができる。
本実施の形態に係る転がり軸受の一例を示す断面図である。 本実施の形態に係る転がり軸受の他の一例を示す断面図である。 本実施の形態に係る転がり軸受の製造方法のフローチャートである。 本実施の形態に係る転がり軸受の製造方法において、焼戻処理の一例を示す上面図である。 図4中の矢印V-Vから視た断面図である。 本実施の形態に係る焼戻処理によって実現される被加熱部材の温度分布に関するシミュレーション解析に用いた解析モデルを示す図である。 図6に示される解析モデルを用いたシミュレーション解析により得られた、第1周面に対する加熱温度とそのときの第2周面の温度との関係を示すグラフである。 図6に示される解析モデルを用いたシミュレーション解析により得られた、加熱時間に対する第1周面および第2周面の各温度変化を示すグラフである。 図6に示される解析モデルを用いたシミュレーション解析により得られた、被加熱部材の温度分布を示す図である。
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の図面においては、同一又は相当する部分に同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さないものとする。
<転がり軸受の構成>
本実施の形態に係る転がり軸受は、例えばラジアル玉軸受であって、より具体的には図1に示される深溝玉軸受1である。深溝玉軸受1は、環状の外輪11と、外輪11の内側に配置された環状の内輪12と、外輪11と内輪12との間に配置され、円環状の保持器14に保持された転動体である複数の玉13とを備えている。外輪11の中心軸は、内輪12の中心軸と重なるように配置されている。
外輪11は、内周面11Bと、外径面としての外周面11Cとを有している。外輪11の内周面11Bには、周方向に沿って延在する外輪軌道面11Aが形成されている。内輪12は、径方向において外周側を向いた外周面12Bと、内径面としての内周面12Cとを有している。内輪12の外周面12Bには、周方向に沿って延在する内輪軌道面12Aが形成されている。内輪12は、内輪軌道面12Aが外輪軌道面11Aと対向するように外輪11の内側に配置されている。
複数の玉13は、転動面13Aにおいて外輪軌道面11Aおよび内輪軌道面12Aに接触し、かつ保持器14により周方向に所定のピッチで配置されている。これにより、複数の玉13は、外輪11および内輪12の円環状の軌道上に転動自在に保持されている。このような構成により、深溝玉軸受1の外輪11および内輪12は、互いに相対的に回転可能となっている。なお、内輪12が、本実施の形態に係る軌道部材である。
内輪12は、周方向に沿って延在する内輪軌道面12Aと、周方向に沿って延在し、かつ軸方向に沿って延びる円周面としての内周面12Cとを有している。内輪軌道面12Aの残留オーステナイト量は、内周面12Cの残留オーステナイト量よりも多い。内輪12の残留オーステナイト量は、径方向において内輪軌道面12Aから内周面12Cに向かうにつれて、徐々に減少する傾向を示す。
内輪軌道面12Aの残留オーステナイト量と内周面12Cの残留オーステナイト量との差は、5体積%以上であり、好ましくは10体積%以上である。その製造方法において浸炭浸窒処理が施された内輪12では、内輪軌道面12Aの残留オーステナイト量と内周面12Cの残留オーステナイト量との差が10体積%以上となり得る。
内輪軌道面12Aの残留オーステナイト量は、例えば10体積%以上であり、好ましくは15体積%以上である。内周面12Cの残留オーステナイト量は、例えば10体積%未満であり、好ましくは5体積%未満である。内輪軌道面12Aの残留オーステナイト量と内周面12Cの残留オーステナイト量との上記差は、従来の焼戻処理によって実現される軌道面の残留オーステナイト量と内周面の残留オーステナイト量との差超えであり、後述する本実施の形態に係る焼戻処理により実現される。
内輪軌道面12Aの硬さは、内周面12Cの硬さ超えである。内輪軌道面12Aの硬さと内周面12Cの硬さとの差は、例えば80Hv以上であり、好ましくは100Hv以上である。内輪軌道面12Aの硬さは、例えば700Hv以上であり、好ましくは750Hv以上であり、より好ましくは800Hv以上である。内周面12Cの硬さは、例えば600Hv以上700Hv以下である。内周面12Cの硬さが700Hvであるとき、内輪軌道面12Aの硬さは例えば750Hv以上である。内輪12の表面において硬さが700Hv以上である領域は、内輪軌道面12Aおよび外周面12Bのみである。
内輪12は、内輪軌道面12Aの硬さが同等とされた従来の内輪と比べて、内周面12Cの残留オーステナイト量が低減されているため、内周面12Cの寸法変化率が低く抑えられている。また、内輪12は、内周面12Cの残留オーステナイト量が同等とされた従来の内輪と比べて、内輪軌道面12Aのマルテンサイト量が増加しているため、内輪軌道面12Aの硬さが向上している。内輪12は、従来の内輪と比べて、内周面12Cの寸法安定性向上と内輪軌道面12Aの硬さ向上との両立が実現されている。
本実施の形態に係る転がり軸受は、例えばラジアルころ軸受であって、より具体的には図2に示される円錐ころ軸受2であってもよい。円錐ころ軸受2は、環状の外輪21および内輪22と、転動体である複数のころ23と、円環状の保持器24とを備えている。外輪21の内周面には、周方向に沿って延在する外輪軌道面21Aが形成されており、内輪22の外周面には、周方向に沿って延在する内輪軌道面22Aが形成されている。内輪22は、内輪軌道面22Aが外輪軌道面21Aと対向するように外輪21の内側に配置されている。
複数のころ23は、転動面23Aにおいて外輪軌道面21Aおよび内輪軌道面22Aに接触し、かつ保持器24により周方向に所定のピッチで配置されている。これにより、ころ23は、外輪21および内輪22の円環状の軌道上に転動自在に保持されている。また、円錐ころ軸受2は、外輪軌道面21Aを含む円錐、内輪軌道面22Aを含む円錐、およびころ23が転動した場合の回転軸の軌跡を含む円錐のそれぞれの頂点が軸受の中心線上の1点で交わるように構成されている。このような構成により、円錐ころ軸受2の外輪21および内輪22は、互いに相対的に回転可能となっている。なお、内輪22は、内輪12と同様に、本実施の形態に係る軌道部材である。内輪22は、内輪12と同様の構成を有している。
内輪22は、周方向に沿って延在する内輪軌道面22Aと、周方向に沿って延在し、かつ軸方向に沿って延びる円周面としての内周面22Cとを有している。内輪軌道面22Aの残留オーステナイト量は、内周面22Cの残留オーステナイト量よりも多い。内輪22の残留オーステナイト量は、径方向において内輪軌道面22Aから内周面22Cに向かうにつれて、徐々に減少する傾向を示す。
内輪軌道面22Aの残留オーステナイト量と内周面22Cの残留オーステナイト量との差は、5体積%以上であり、好ましくは10体積%以上である。内輪軌道面22Aの残留オーステナイト量は、例えば10体積%以上であり、好ましくは15体積%以上である。内周面22Cの残留オーステナイト量は、例えば10体積%未満であり、好ましくは5体積%未満である。内輪軌道面22Aの残留オーステナイト量と内周面22Cの残留オーステナイト量との上記差は、従来の焼戻処理によって実現される軌道面の残留オーステナイト量と内周面の残留オーステナイト量との差超えであり、後述する本実施の形態に係る焼戻処理により実現される。
内輪軌道面22Aの硬さは、内周面22Cの硬さ超えである。内輪軌道面22Aの硬さと内周面22Cの硬さとの差は、例えば80Hv以上であり、好ましくは100Hv以上である。内輪軌道面22Aの硬さは、例えば700Hv以上であり、好ましくは750Hv以上であり、より好ましくは800Hv以上である。内周面22Cの硬さは、例えば600Hv以上700Hv以下である。内周面22Cの硬さが700Hvであるとき、内輪軌道面22Aの硬さは例えば750Hv以上である。内輪22の表面において硬さが700Hv以上である領域は、内輪軌道面22Aおよび外周面22Bのみである。
内輪22は、内輪軌道面22Aの硬さが同等とされた従来の内輪と比べて、内周面22Cの残留オーステナイト量が低減されているため、内周面22Cの寸法変化率が低く抑えられている。また、内輪22は、内周面22Cの残留オーステナイト量が同等とされた従来の内輪と比べて、内輪軌道面22Aのマルテンサイト量が増加しているため、内輪軌道面22Aの硬さが向上している。内輪22は、従来の内輪と比べて、内周面22Cの寸法安定性向上と内輪軌道面22Aの硬さ向上との両立が実現されている。
<転がり軸受の製造方法>
本実施の形態に係る転がり軸受は、図3に示される本実施の形態に係る転がり軸受の製造方法により、製造される。図3に示されるように、本実施の形態に係る転がり軸受の製造方法は、内輪12,22(軌道部材)となるべき成形体を準備する工程(S10)と、成形体に対して焼入硬化処理を行う工程(S20)と、焼入硬化処理が施された成形体に対して焼戻処理を行う工程(S30)と、焼戻処理が施された成形体を研削加工する仕上工程(S40)とを備える。上記工程(S10)~(S40)により、内輪12,22が製造される。さらに、本実施の形態に係る転がり軸受の製造方法は、外輪11,21と玉13またはころ23とを準備して、内輪12,22、外輪11,21、および玉13またはころ23を組み立てる工程(S50)とをさらに備える。
工程(S10)では、まず、高炭素鋼からなる鋼材が準備される。鋼材は、たとえば棒鋼や鋼線などとして準備される。次に、当該鋼材に対して切断、鍛造、旋削などの加工が施される。これにより、内輪12,22の概略形状に成形加工された鋼材(成形体)が作製される。上記成形体は、径方向において内側を向いた第1周面と、径方向において外側を向いた第2周面とを有している。第1周面が後工程(S40)において研削加工されることにより、内輪12,22の内周面12C,22Cが形成される。第2周面が後工程(S40)において研削加工されることにより、内輪12,22の内輪軌道面12A,22Aが形成される。
工程(S20)では、先の工程(S10)において準備された成形体に対し、焼入硬化処理が実施される。工程(S20)では、まず、成形体を浸炭浸窒させるための浸炭浸窒処理が実施される。次に、浸炭浸窒処理によって成形体中に浸入した窒素を拡散させるための窒素拡散処理が実施される。次に、成形体の全体がA1点以上の温度T1に加熱され、均熱のために保持時間t1(均熱時間)だけ保持される。次に、成形体がMs点(マルテンサイト変態点)以下の温度T2にまで冷却される。この冷却処理は、例えば油や水などの冷却液中に対象材が浸漬されることにより実施される。これにより、当該対象材が焼入処理される。焼入処理は、焼入処理された対象材の硬度が後述する焼戻処理された対象材の硬度超えとなるような条件で実施される。なお、焼入硬化処理が実施された成形体の上記第2周面の残留オーステナイト量と上記第1周面の残留オーステナイト量との差は5体積%未満とされている。
工程(S30)では、先の工程(S20)において焼入硬化処理が実施された成形体に対し、焼戻処理が実施される。焼戻処理では、成形体の上記第2周面が局所的に冷却されながら、上記第1周面が局所的に加熱される。つまり、第1周面に対する加熱開始時から加熱終了時まで、第2周面に対する冷却は継続して実施される。
焼戻処理では、成形体の上記第1周面が焼戻温度T3に加熱され、均熱のために保持時間t2(焼戻時間)だけ保持される。成形体の上記第2周面の到達温度T4は、上記焼戻処理の間上記冷却が施されることにより、焼戻温度T3未満に保持される。
焼戻温度T3および保持時間t2は、内周面12C,22Cに要求される寸法安定性を実現する観点から、内周面12C,22Cの残留オーステナイト量が予め定められた値以下となるように設定される。一方、上記第2周面の到達温度T4は、例えば内輪軌道面12A,22Aに要求される硬さを実現する観点から当該硬さが予め定められた値以上となるように設定される。
上記のように設定された焼戻温度T3、保持時間t2、および到達温度T4は、例えば図4および図5に示される加熱方法および冷却方法により実現され得る。
図4および図5に示されるように、上記加熱は、例えば誘導加熱により実施される。加熱部としてのコイル30は成形体10において第1周面10Cのみと対向するように配置される。好ましくは上記加熱は高周波誘導加熱により実施される。コイル30には、3kHz以上の交流電流が供給される。上記加熱が高周波誘導加熱により実施される場合、それよりも低周波数の交流電流がコイル30に供給される誘導加熱と比べて、径方向において第2周面10A側の温度上昇が抑制されるため、焼戻温度T3と上記到達温度T4との差が大きくなる。なお、上記加熱は、誘導加熱に限られるものではなく、例えば接触加熱、遠赤外線加熱等であってもよい。
図5に示されるように、上記冷却は、例えば水などの冷却溶媒を成形体10の第2周面10Aに供給することにより実施される。好ましくは、上記冷却は、第1周面10Cを冷却しないように実施される。上記冷却は、第2周面10Aに供給される水が第1周面10Cには供給されないように実施される。冷却部としての噴射部31は、例えば成形体10において第2周面10Aのみと対向するように配置されて、第2周面10Aに対して水を噴射する。なお、上記冷却は、第2周面10Aのうち、少なくとも後工程(S40)において内輪軌道面12A,22Aを形成するために研削加工が施される領域に対して実施されればよい。
上記加熱および上記冷却は、例えば成形体10とコイル30および噴射部31とを周方向において相対的に回転させることにより実施される。
なお、焼戻温度T3、保持時間t2、および到達温度T4の各設定値は、例えば以下の数式1、数式2および数式3に基づいて設定される。
Figure 0007370141000001
Figure 0007370141000002
Figure 0007370141000003
上記数式1は、焼戻温度T3(単位:℃)と上記到達温度T4(単位:℃)との関係を予測する予測式である。本発明者らは、上記加熱が第1周面に対する誘導加熱により実施され、かつ上記冷却が第2周面に対する水の噴射により実施される場合の、成形体を模擬した被加熱部材内の温度分布をシミュレーション解析した。上記数式1は、本発明者らが上記シミュレーション解析の結果から求めたものである。解析の結果、上記到達温度T4が焼戻温度T3に対して線形に変化することが確認された(図7参照)。シミュレーション解析の詳細は後述する。なお、加熱方法および冷却方法の少なくともいずれかが上記とは異なる方法により実施される場合、上記数式1が当該異なる方法における予測式に変更される。
上記数式2は、焼戻処理時の到達温度T(単位:K)、保持時間t2(単位:秒)および焼戻処理後の第1周面の残留オーステナイト量γ(単位:体積%)の関係を予測する予測式である。焼戻処理後の第1周面の残留オーステナイト量γは、数式2中の到達温度Tに焼戻温度T3を代入することにより算出される。焼戻処理後の第2周面の残留オーステナイト量γは、数式2中の到達温度Tに到達温度T4を代入することにより算出される。上記数式2は、非特許文献1(井上毅、「新しい焼もどしパラメータとその連続昇温曲線に沿った焼もどし効果の積算法への応用」鉄と鋼,66,10(1980)1533.)に記載されている硬さと焼戻温度との関係式に基づき、本発明者らが実験的に求めたものである。
上記数式3は、焼戻処理時の到達温度T(単位:K)、保持時間t2(単位:秒)および焼戻処理後の第2周面の硬さM(単位:HV)の関係を予測する予測式である。焼戻処理後の第1周面の硬さMは、数式3中の到達温度Tに焼戻温度T3を代入することにより算出される。焼戻処理後の第2周面の硬さMは、数式3中の到達温度Tに到達温度T4を代入することにより算出される。上記数式3は、特開平10-102137号公報に記載されている残留オーステナイト量と焼戻温度との関係式に基づき、本発明者らが実験的に求めたものである。
具体的には、焼戻温度T3、保持時間t2、および到達温度T4の各設定値は、上記数式1、数式2および数式3に基づいて、例えば以下のように設定され得る。
まず、上記数式2から、第1周面の残留オーステナイト量が上記予め定められた値以下となるように、焼戻温度T3の上限値および保持時間t2の下限値が設定される。さらに、上記数式3から、第2周面の硬さが上記予め定められた値以上となるように、上記到達温度T4の下限値および保持時間t2の上限値が設定される。次に、上記数式1から、上記数式2に基づいて設定された焼戻温度T3の上限値が実現されるときの上記到達温度T4の上限値が見積もられる。あるいは、上記数式1から、上記数式3に基づいて設定された上記到達温度T4の下限値が実現されるときの上記焼戻温度T3の下限値が見積もられる。次に、上記のようにして設定された焼戻温度T3、到達温度T4、保持時間t2の各々について、上限値以上下限値以下の数値範囲内において設定値が定められる。
工程(S40)では、少なくとも上記成形体10の上記第2周面10Aに対して研削加工が実施される。これにより、内輪軌道面12A,22Aを有する内輪12,22が形成される。なお、上記成形体の上記第1周面10Cに対する研削加工が実施されない場合、内周面12C,22Cは焼戻処理が施された第1周面である。また、上記成形体の上記第1周面に対する研削加工が実施される場合、内周面12C,22Cは焼戻処理が施された第1周面に対する研削加工により形成された面である。
工程(S50)では、外輪11,21と玉13またはころ23とが準備される。次に、先の工程(S40)において製造された内輪12と、準備された外輪11および玉13とが組み立てられる。これにより、図1に示される深溝玉軸受1が製造される。あるいは、先の工程(S40)において製造された内輪22と、準備された外輪21およびころ23とが組み立てられる。これにより、図2に示される円錐ころ軸受2が製造される。
<変形例>
上記工程(S20)では、浸炭浸窒処理が実施されるが、浸炭浸窒処理は実施されなくてもよい。この場合の焼入処理後の成形体の残留オーステナイト量は、浸炭処理が実施される場合のそれと比べて全体的に少なくなる。そのため、この場合の内輪軌道面12A,22Aの残留オーステナイト量と内周面12C,22Cの残留オーステナイト量との差は、浸炭浸窒処理が実施される場合のそれと比べて小さくなる。しかし、この場合にも上記焼戻処理が実施されていることにより、上記差は上記焼戻処理が実施されていない従来の内輪のそれと比べて大きくなる。つまり、浸炭浸窒処理が実施されずに製造された内輪12,22においても、上記焼戻処理が実施されていることにより、内輪軌道面12A,22Aの残留オーステナイト量と内周面12C,22Cの残留オーステナイト量との差は5体積%以上とされ得る。
また、内輪12,22とともに、外輪11,21も、本実施の形態に係る軌道部材として構成されていてもよい。この場合、外輪軌道面11Aの残留オーステナイト量と円周面としての外周面11Cの残留オーステナイト量との差が、5体積%以上であり、好ましくは10体積%以上である。また、外輪軌道面21Aの残留オーステナイト量と円周面としての外周面21Cの残留オーステナイト量との差が、5体積%以上であり、好ましくは10体積%以上である。
<作用効果>
本実施の形態に係る軌道部材としての内輪12,22は、高炭素鋼からなり、周方向に沿って延在する内輪軌道面12A,22Aと、周方向に沿って延在し、かつ軸方向に沿って延びる円周面としての内周面12C,22Cとを有している。内輪軌道面12A,22Aの残留オーステナイト量は内周面12C,22Cの残留オーステナイト量よりも多い。内輪軌道面12A,22Aの残留オーステナイト量と内周面12C,22Cの残留オーステナイト量との差が5体積%以上である。
従来の焼戻処理では、成形体の全体が雰囲気炉内で加熱されるため、軌道面となるべき領域の残留オーステナイトおよびマルテンサイトが分解される。そのため、従来の上記焼戻処理により製造される第1比較例としての内輪では、軌道面の残留オーステナイト量と内径面の残留オーステナイト量との差は5体積%未満となる。その結果、当該内輪では、内径面の寸法安定性と軌道面の硬さとはトレードオフの関係を示し、両者を同時に高めることは困難であった。
また、焼戻処理において、仮に成形体の第1周面のみに対する局所的な加熱が実施されたとしても、第2周面に対する局所的な冷却が実施されなければ、焼戻処理における第2周面の到達温度が高くなり、残留オーステナイトおよびマルテンサイトの分解が進行する。その結果、上記加熱のみが実施され上記冷却が実施されない焼戻処理により製造される第2比較例としての内輪においても、軌道面の残留オーステナイト量と内径面の残留オーステナイト量との差は5体積%未満となる。その結果、当該内輪においても、内径面の寸法安定性と軌道面の硬さとはトレードオフの関係を示し、両者を同時に高めることは困難である。
これに対し、本実施の形態に係る焼戻処理では、成形体の第1周面が局所的に加熱されかつ成形体の第2周面が局所的に冷却される。上記内輪12,22は、本実施の形態に係る焼戻処理が施されることにより、製造されたものである。そのため、第2周面に基づいて形成された内輪軌道面12A,22Aの残留オーステナイト量は、第1周面に基づいて形成された内周面12C,22Cの残留オーステナイト量よりも、5体積%以上多くなる。
その結果、内輪12,22では、内輪軌道面12A,22Aの残留オーステナイト量が上記第1比較例および第2比較例の内輪のそれと比べて多く、かつ内周面12C,22Cの残留オーステナイト量が上記第1比較例および第2比較例の内輪のそれと比べて少なくされ得る。このような内輪12,22では、上記第1比較例および第2比較例の内輪と比べて、内周面12C,22Cの寸法安定性および内輪軌道面12A,22Aの硬さが同時に高められている。
また、内輪12,22では、内周面12C,22Cの残留オーステナイト量が上記第1比較例および第2比較例の内輪のそれと比べて同等とされ、かつ内輪軌道面12A,22Aの残留オーステナイト量が上記第1比較例および第2比較例の内輪のそれと比べて多くされ得る。このような内輪12,22では、内周面12C,22Cの寸法安定性が上記第1比較例および第2比較例の内輪のそれと同等とされるとともに、内輪軌道面12A,22Aの硬さが上記第1比較例および第2比較例の内輪のそれと比べて大きく向上している。
また、内輪12,22では、内輪軌道面12A,22Aの残留オーステナイト量が上記第1比較例および第2比較例の内輪のそれと比べて同等とされ、かつ内周面12C,22Cの残留オーステナイト量が上記第1比較例および第2比較例の内輪のそれと比べて少なくされ得る。このような内輪12,22では、内輪軌道面12A,22Aの硬さが上記第1比較例および第2比較例の内輪のそれと同等とされるとともに、内周面12C,22Cの寸法安定性が上記第1比較例および第2比較例の内輪のそれと比べて大きく向上している。
好ましくは、内輪12,22は、浸炭浸窒処理を含む熱処理が施されている。この場合、上述のように、軌道面の残留オーステナイト量と円周面の残留オーステナイト量との差が10体積%以上とされ得る。そのため、このような内輪12,22では、上記第1比較例および第2比較例の内輪と比べて、内周面12C,22Cの寸法安定性および内輪軌道面12A,22Aの硬さが同時にかつ大きく向上している。
内輪12,22の内輪軌道面12A,22Aの硬さは、700Hv以上である。本実施の形態に係る焼戻処理は、従来の焼戻処理と比べて、成形体の上記第2周面のマルテンサイトの分解を抑制することができる。そのため、内輪軌道面12A,22Aの硬さは、上記第1比較例および第2比較例の内輪の軌道面の硬さ超えとされ得る。
上記内輪12,22は、ラジアル軸受である深溝玉軸受1または円錐ころ軸受2の内輪であり、内周面12C,22Cは径方向において内輪軌道面12A,22Aとは反対側に位置する面である。上記内輪12を備える深溝玉軸受1は、上記第1比較例および第2比較例の内輪を備える深溝玉軸受と比べて、内周面12Cの寸法安定性と内輪軌道面12Aの硬さとが同時に高められているため、高寿命である。上記内輪22を備える円錐ころ軸受2は、上記第1比較例および第2比較例の内輪を備える円錐ころ軸受と比べて、内周面22Cの寸法安定性と内輪軌道面22Aの硬さとが同時に高められているため、高寿命である。
本実施の形態に係る軌道部材の製造方法は、高炭素鋼からなり、円環形状を有する成形体を準備する工程(S10)と、成形体を焼入る工程(S20)と、焼入れ後に成形体を焼戻す工程(S30)とを備える。成形体10は、周方向に沿って延在する第1周面10Cと、周方向に沿って延在し、かつ径方向において第1周面10Cと反対側に位置する第2周面10Aとを有している。焼戻す工程(S30)では、第2周面10Aを冷却しながら第1周面10Cを局所的に加熱する。
上記工程(S30)では、上記焼戻処理が施されることにより、第1周面10Cの残留オーステナイトの分解が促進される一方で、第2周面10Aの残留オーステナイトおよびマルテンサイトの分解が抑制される。その結果、上記焼戻処理後、第2周面の残留オーステナイト量は第1周面の残留オーステナイト量よりも5体積%以上多くなる。そのため、このような成形体10から製造された内輪12,22では、内輪軌道面12A,22Aの残留オーステナイト量が内周面12C,22Cの残留オーステナイト量よりも5体積%以上多くなる。
本発明に係る転がり軸受の製造方法は、上記軌道部材の製造方法によって、成形体から内輪を製造する工程を備える。内輪を製造する工程では、成形体の第1周面から内輪の内径面を形成し、かつ成形体の第2周面から内輪の内輪軌道面を形成する。上記転がり軸受の製造方法は、内輪軌道面と対向する外輪軌道面を有する外輪と、内輪軌道面と外輪軌道面と接触する複数の転動体とを準備して、内輪、外輪、および転動体を組み立てる工程をさらに備える。
このようにして製造される深溝玉軸受1は、上記第1比較例および第2比較例の内輪を備える深溝玉軸受と比べて、内輪軌道面12Aの硬さと内周面12Cの寸法安定性が同時に高められているため、高寿命である。また、このようにして製造される円錐ころ軸受2は、上記第1比較例および第2比較例の内輪を備える円錐ころ軸受と比べて、内輪軌道面22Aの硬さと内周面22Cの寸法安定性が同時に高められているため、高寿命である。
以下、本実施の形態に係る焼戻処理に関する上記シミュレーション解析の詳細を説明する。シミュレーション解析は、有限要素法による熱伝導解析により行った。まず、上記成形体を模擬した被加熱部材は、JIS規格 SUJ2からなり、軸方向の厚さが3mmのリングとした。また、該被加熱部材、上記焼入処理が施されたものとした。この被加熱部材を、図6に示される解析モデルを用いて上記焼戻処理を模擬し、そのときの被加熱部材内部の温度分布を解析した。本解析モデルでは、成形体の第1周面に対する上記加熱を誘導加熱、第2周面に対する上記冷却を水冷とする焼戻条件を設定した。また、第2周面に適当な熱伝達係数を与えて、水冷を模擬した。このような解析モデルにおいて、第1周面に対する加熱温度、すなわち焼戻温度を180℃以上490℃以下とし、保持時間を1分としたときの、成形体内部の温度分布を解析した。図7~図9に解析結果を示す。
図7は、第1周面に対する加熱温度を180℃以上490℃以下とし、保持時間を1分としたときの、該加熱温度と上記冷却が施されている第2周面の到達温度との関係を示すグラフである。図7の横軸は第1周面に対する加熱温度(単位:℃)を示し、図7の縦軸は第2周面の到達温度(単位:℃)を示す。図7に示されるように、第2周面の到達温度は第1周面に対する加熱温度に対して線形に変化した。図7のグラフから、上記数式1が導出された。図7から、上記加熱および上記冷却が同時に実施されることにより、第1周面と第2周面との温度差を十分に大きくすることができ、内輪軌道面22Aの残留オーステナイト量と第1周面22Cの残留オーステナイト量との差を5体積%以上とすることができることが確認された。
図8は、第1周面に対する加熱温度を420℃とする加熱および上記冷却を開始してからの経過時間に対する第1周面および第2周面の各温度変化を示すグラフである。図8の横軸は加熱開始からの経過時間(単位:秒)を示し、図8の縦軸は第1周面および第2周面の各温度(単位:℃)を示す。図8に示されるように、加熱開始から約5秒後には、第1周面の温度は上記焼戻温度の9割の温度である390℃に達した。同様に、第2周面の温度も、加熱開始から約5秒後には、上記数式1から見積もられた温度の9割である220℃に達した。さらに、第2周面の温度が上記見積もられた温度に達した後、第1周面に対する加熱が継続されているにもかかわらず、第2周面の温度上昇が抑制されていた。つまり、上記水冷により、第2周面の温度上昇が十分に抑えられることが確認された。
図9は、第1周面に対する加熱温度を350℃とする加熱および上記冷却を開始してから30秒経過したときの、被加熱部材の内部の温度分布を示す図である。図9に示されるように、第1周面から第2周面に向かうにつれて、被加熱部材の内部の温度が徐々に低くなっており、第1周面の温度からの低下量が第1周面からの距離に対して線形に変化することが確認された。また、上記工程(S50)における研削加工の取り代を考慮しても、軌道面が形成される領域の到達温度はマルテンサイトの分解が十分に抑制され得る温度に抑えられることが確認された。
また、図9に示される上記加熱および上記冷却を、焼戻処理前の第1周面および第2周面の残留オーステナイト量が14.4体積%、硬さが780Hvである被加熱部材に実施した場合、第1周面の残留オーステナイト量が2体積%以下、第1周面の硬さが680Hvであるの対し、第2周面の残留オーステナイト量は14.1体積%、硬さは779Hvであった。
一方、表1に示されるように、従来の焼戻処理を施した軌道部材の第1周面および第2周面の残留オーステナイト量は10.8~26.4体積%であり、第1周面の残留オーステナイト量と第2周面の残留オーステナイト量との差は、5体積%未満であった。また、従来の焼戻処理を施した軌道部材の軌道面における硬さは700Hv以上であった。
Figure 0007370141000004
このように、本実施の形態に係る軌道部材の製造方法によれば、軌道面の残留オーステナイト量が第1周面の残留オーステナイト量と比べて5体積%以上多い内輪を製造できることが確認された。さらに、本実施の形態に係る軌道部材の製造方法によれば、従来の焼戻処理を備える軌道部材の製造方法と比べて、第1周面の残留オーステナイト量が低くかつ第2周面の残留オーステナイト量が高い内輪を製造できることが確認された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 深溝玉軸受、2 円錐ころ軸受、10 成形体、10A 第2周面、10C 第1周面、11,21 外輪、11A,21A 外輪軌道面、12C,22C 内周面、12B,22B 外周面、12,22 内輪、12A,22A 内輪軌道面、13 玉、13A,23A 転動面、14,24 保持器、30 コイル、31 噴射部。

Claims (4)

  1. JIS規格SUJ2からなり、
    周方向に沿って延在する軌道面と、
    前記軌道面以外の他の面とを有し、
    前記軌道面の残留オーステナイト量は前記他の面の残留オーステナイト量よりも多く、
    前記軌道面の残留オーステナイト量と前記他の面の残留オーステナイト量との差が5体積%以上であり、
    前記他の面の残留オーステナイト量が2体積%以下であり、
    前記軌道面の硬さと前記他の面の硬さとの差が80Hv以上であり、
    前記軌道面の硬さが750Hv以上である、軌道部材。
  2. 浸炭浸窒処理を含む熱処理が施されており、
    前記軌道面の残留オーステナイト量と前記他の面の残留オーステナイト量との差が10体積%以上である、請求項1に記載の軌道部材。
  3. 前記軌道面は、径方向において外周側を向いており、
    前記他の面は、前記径方向において、前記軌道面とは反対側に位置しかつ内周側を向いている、請求項1又は2に記載の軌道部材。
  4. 内輪軌道面と、前記内輪軌道面とは反対側に位置する内径面とを有する内輪と、
    前記内輪軌道面と対向する外輪軌道面を有する外輪と、
    前記内輪軌道面と前記外輪軌道面と接触する複数の転動体とを備え、
    前記内輪が請求項1~3のいずれか1項に記載の軌道部材であり、
    前記内輪軌道面が前記軌道部材の前記軌道面であり、
    前記内径面が前記軌道部材の前記他の面である、転がり軸受
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