JP7369812B2 - 防火パネル - Google Patents
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Description
特許文献1には、窓枠にガラスパネルが嵌め込まれるコーキング溝が形成され、下側のコーキング溝は補助枠が窓枠に更に着脱可能に設けられて形成され、ガラスパネルを嵌め込む場合は、補助枠を取外して行われる防火戸等のガラス支持構造が開示されている。
ガラスパネルを取付ける場合は、コーキング溝に先ずガラスウール等の不燃材からなるバックアップ材を嵌め込み、ガラスパネルをコーキング溝に嵌め込み、次にコーキング溝とガラスパネルとの隙間にコーキング材を充填し、コーキング材によりガラスパネルを保持している。
上枠及び縦枠のコーキング溝は、ガラスパネルが嵌め込まれると、ガラスパネルと室内の壁面,壁面の開口端面もしくは塞ぎ材とによって閉じられた構成となっている。
そこで本発明は、中間層に樹脂シートを介装させたガラスパネルを嵌め込んで設置される防火パネルの樹脂シートからガスが発生した場合に、ガスが室内に染み出てくることを防止し得る防火パネルを提供する。
この構成によれば、火災によって樹脂シートが加熱されてガスを発生した場合に、嵌合溝内にガスを極力溜めて、ガスがガラスパネル側に漏れ出ることを抑制することができる。
(2)本発明の防火パネルは、前記縦枠の裏面側の開口している箇所を一定の間隔を空けて覆う裏面板を有していてもよい。
(3)本発明の防火パネルは、樹脂シートを挟み込んだガラスパネルと、ガラスパネルの端部を嵌め込む嵌合溝が形成された枠部材とを備え、前記枠部材は、前記ガラスパネルの両側端部を嵌め込む嵌合溝が形成された縦枠と、前記ガラスパネルの上端部を嵌め込む嵌合溝が形成された上枠と、前記ガラスパネルの下端部を嵌め込む嵌合溝が形成された下枠とを有し、前記上枠及び前記下枠の少なくともいずれか一方は、裏面側が開口するように鋼板を平面視略凸状に折り曲げ、表面の幅方向中央を凹ませて嵌合溝とし、前記ガラスパネルの端面とこの端面に対向する前記嵌合溝の溝底面との間に隙間が形成されている。
(4)本発明の防火パネルは、前記上枠又は前記下枠の裏面側の開口している箇所を一定の間隔を空けて覆う裏面板を有していてもよい。
この構成によれば、火災によって樹脂シートが加熱されて発生した上方又は下方に流れやすいガスを極力縦枠の嵌合溝に導き、縦枠の嵌合溝から縦枠の裏面側(すなわちガラスパネルを嵌めた面の反対の面側であって、枠部材を嵌め込む建物の壁側)に排出に導くことができる。
この構成によれば、火災によって樹脂シートが加熱されて発生したガスを溜めるスペースを広げることができる。
この構成によれば、嵌合溝同士を連通させることによりガスを溜めるスペースを大きくすることができる。これにより、例えばガラスパネルの一端部側が集中的に加熱され、ガスが一端部から発生した場合等にガスを受け入れる余裕を持たせることができる。
この構成によれば、火災時に樹脂シートが加熱されてガスを発生した場合であっても、嵌合溝内から排気孔を経由して枠部材の裏面側(すなわちガラスパネルを嵌めた面の反対の面側であって、枠部材を嵌め込む建物の壁側)にガスを放出して、ガスがガラスパネル側に漏れ出ることを防止することができる。
この構成によれば、嵌合溝からガスを放出しやすくすることができる。
図1に示すように、本発明の防火パネル1は、ガラスパネル2と、ガラスパネル2の端部を嵌め込んで支持する枠部材3を有している。
樹脂シート4は、フッ素樹脂等の材質により形成されている。
図3又は図4に示すように、縦枠5は、図2に示すガラスパネル2を配する面(以下「表面」という)の幅方向、すなわち表面の短手方向の中央に、長手方向に延びる嵌合溝6が形成された外形の概略が偏平な直方体の部材である。
本実施形態では、縦枠5は、細長い矩形の鋼板を平面視略C字状に屈曲し、更に表面側の幅方向の中央を凹ませて形成された枠本体5Aと、枠本体5Aの裏面側の開口している箇所を一定の間隔を空けて覆う裏面板5Bとを有している。なお、裏面とは、本明細書では、ガラスパネル2を配する面の反対側の面であって、枠部材を嵌め込む建物の壁に対向させる面を指す。
表面部9は、裏面部7と略平行に延びる平坦部9aと、平坦部9a,9a間に設けられた嵌合溝6とを有して、嵌合溝6にガラスパネル2の端部を嵌め込めるようになっている。
嵌合溝6は、嵌合溝6内にガラスパネル2の端部を嵌め込んだ状態で、ガラスパネル2の端面から溝底面6bまでの距離がおよそ2mm以上20mm以下、好ましくはおよそ5mm以上16mm以下になるように形成されているとよい。具体的には、嵌合溝6は、およそ15mm以上35mm以下程度の深さに形成されているとよい。
固定具を挿通させる不図示の開口部は、嵌合溝6を挟んで凸条部13に対向する平坦部9a上に、嵌合溝6に沿って複数形成されている。
具体的に、補助凸条部14は、図5に示すように枠本体11Aの表面部9に配置された際に表面部9から略90°に延びる立ち上がり側部14aと、立ち上がり側部14a,14a間に延び突出の頂面となる頂面部14bとを有している。嵌合溝6側の立ち上がり側部14aは、嵌合溝6の内側面6aと直線状で略面一となるように設置されている。
上枠11の嵌合溝6についても、嵌合溝6内にガラスパネル2の端部を嵌め込んだ状態で、ガラスパネル2の端面から溝底面6bまでの距離がおよそ2mm以上20mm以下、好ましくはおよそ5mm以上16mm以下になるように形成されているとよい。具体的には、嵌合溝6は、およそ15mm以上35mm以下程度の深さに形成されているとよい。
防火パネル1を設置するにあたっては、図3に示すように、裏面板5Bを縦枠5の裏面部7の内側から、裏面部7,7間に亘って配し、固定する。同様に、図5及び図7に示すように、上枠11の枠本体11A及び下枠12の枠本体12Aの裏面部7,7間にも裏面板11B,12Bをそれぞれ内側から配置して固定する。
裏面板11Bを固定した上枠11の枠本体11Aは、縦枠5の上部間に亘って天井面又は側壁に形成された開口部の上部に固定する。
この際、上枠11の枠本体11A及び下枠12の枠本体12Aは、室内において、ガラスパネル2を嵌入する側寄りに補助凸条部14が配置されるように固定する。
ガラスパネル2の下端部を下枠12の枠本体12Aの不図示のセッティングブロック上に置くとともに、ガラスパネル2の上端部を上枠11の枠本体11Aの嵌合溝6内に配置し、一方の縦枠5の嵌合溝6内にガラスパネル2の一方の側端部をできるだけ嵌入する。
この状態で、縦枠5,5及び上枠11の嵌合溝6においては、ガラスパネル2の端面から溝底面6bまでの距離がおよそ2mm以上20mm以下又はおよそ5mm以上16mm以下となる隙間が形成されている。
以上のようにして、室内又は室内の壁部に形成された開口部への防火パネル1の設置が完了する。
また、縦枠5、上枠11又は下枠12の嵌合溝6は、一部が連通していてもよい。
この構成によれば、嵌合溝6の溝幅が深さ方向にストレートに形成されている場合に比べて、ガスを溜めるスペースをより大きく取ることが出来るという効果を奏する。
2 ガラスパネル
3 枠部材
4 樹脂シート
5 縦枠
6 嵌合溝
6b 溝底面
10 排気孔
11 上枠
12 下枠
Claims (9)
- 樹脂シートを挟み込んだガラスパネルと、ガラスパネルの端部を嵌め込む嵌合溝が形成された枠部材とを備え、
前記枠部材は、前記ガラスパネルの両側端部を嵌め込む嵌合溝が形成された縦枠と、前記ガラスパネルの上端部を嵌め込む嵌合溝が形成された上枠と、前記ガラスパネルの下端部を嵌め込む嵌合溝が形成された下枠とを有し、
前記縦枠は、裏面側が開口するように鋼板を平面視略C字状に折り曲げ、更に表面の幅方向中央を凹ませて嵌合溝とし、
前記ガラスパネルの端面とこの端面に対向する前記嵌合溝の溝底面との間に隙間が形成されている防火パネル。 - 前記縦枠の裏面側は、一対の裏面部の端縁どうしを間隔を空けて対向させることにより前記一対の裏面部間において前記縦枠の長手方向に開口し、前記開口している箇所の一部を覆う裏面板を有している請求項1に記載の防火パネル。
- 樹脂シートを挟み込んだガラスパネルと、ガラスパネルの端部を嵌め込む嵌合溝が形成された枠部材とを備え、
前記枠部材は、前記ガラスパネルの両側端部を嵌め込む嵌合溝が形成された縦枠と、前記ガラスパネルの上端部を嵌め込む嵌合溝が形成された上枠と、前記ガラスパネルの下端部を嵌め込む嵌合溝が形成された下枠とを有し、
前記上枠及び前記下枠の少なくともいずれか一方は、鋼板を平面視略凸状に折り曲げて形成された凸状部とこれに平行に配された補助凸状部とにより表面の幅方向中央に形成される部分を嵌合溝とし、又は、鋼板を平面視略凸状に折り曲げ、表面の幅方向中央を凹ませるとともに、前記凹んだ部分の一方の立ち上がり側部の側を更に平面視略凸状に折り曲げて形成された凸状部と、前記凹んだ部分の他方の立ち上がり側部の側に、前記凸状部に平行に配された補助凸状部とにより、表面の幅方向中央に形成される部分を嵌合溝とし、
更に、裏面側が開口するように、前記裏面側に一対の裏面部の端縁どうしを間隔を空けて対向させることにより前記一対の裏面部間において前記上枠又は前記下枠の長手方向に開口させており、
前記ガラスパネルの端面とこの端面に対向する前記嵌合溝の溝底面との間に隙間が形成されている防火パネル。 - 前記上枠又は前記下枠の一対の裏面部の端縁どうしの間で開口している箇所の一部を覆う裏面板を有している請求項3に記載の防火パネル。
- 前記枠部材は、前記ガラスパネルの両側端部を嵌め込む嵌合溝が形成された縦枠と、前記ガラスパネルの上端部を嵌め込む嵌合溝が形成された上枠と、前記ガラスパネルの下端部を嵌め込む嵌合溝が形成された下枠とを有し、
前記ガラスパネルの端面と前記縦枠の前記溝底面との間の前記隙間は、前記ガラスパネルの端面と前記上枠又は下枠の前記溝底面との間の前記隙間よりも大きく形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の防火パネル。 - 前記嵌合溝の開口側に対して前記溝底面側の溝幅が広がっている請求項1から5のいずれか一項に記載の防火パネル。
- 前記縦枠の嵌合溝及び前記上枠の嵌合溝並びに前記縦枠の嵌合溝及び前記下枠の嵌合溝のいずれか又は双方が連通している請求項1から6のいずれか一項に記載の防火パネル。
- 前記枠部材の前記嵌合溝に、前記樹脂シートが加熱された際に発生するガスを通過させる排気孔が形成されている請求項1から7のいずれか一項に記載の防火パネル。
- 前記排気孔は、等間隔で複数形成されている請求項8に記載の防火パネル。
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