JP7369664B2 - 加振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両を加振する加振装置に関する。
従来、加振装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。この加振装置は、車両を加振するものであり、2つのローラ、運動変換装置、パワーシリンダ及び加振シリンダなどを備えている。この加振装置では、車両の駆動輪が2つのローラ間に挟持されるとともに、その状態で2つのローラが駆動輪の動力によって回転する。それに伴い、運動変換装置を介して、油圧がパワーシリンダに供給されることで、パワーシリンダが伸縮駆動される。このパワーシリンダは、油路を介して、加振シリンダに接続されており、パワーシリンダの伸縮に伴い、加振シリンダが上下方向に伸縮することによって、車両が上下方向に加振される。
特開平8-184524号公報
上記従来の加振装置によれば、車両の加振動作中、加振シリンダによって、車両が上下方向に加振される関係上、駆動輪と2つのローラとの間の接触状態が不安定になることで、パワーシリンダに供給される油圧が不安定になってしまう。それにより、加振シリンダの伸縮動作が不安定になるのに伴って、車両走行中の加振状態を適切に再現できないという問題がある。
また、2つの加振装置によって左右の駆動輪を加振する際、2つのローラの加工精度などに起因して、左右の駆動輪間で回転抵抗が異なってしまうことがある。その場合には、車両の差動機構の機能により、左右の駆動輪間で回転速度の偏差が発生し、それに起因して、車両が左右の一方側に偏って移動し、最悪の場合には、駆動輪が2つのローラ間から外れることで、車両の加振を実施できなくなるおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、車両走行中の加振状態を適切に再現することができる加振装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、駆動輪Wを加振することにより、駆動輪Wを介して車両Vを加振する加振装置1であって、駆動輪Wの前後方向の一方から駆動輪Wに当接することにより、駆動輪Wの前後方向の一方への移動を規制するように配置され、駆動輪Wの回転軸に沿う軸線周りに回転可能な第1ローラ17と、駆動輪Wの前後方向に移動可能に配置され、駆動輪Wの前後方向の他方から駆動輪Wに当接することにより、第1ローラ17との間に駆動輪Wの下側部を挟持可能であるとともに、駆動輪Wの回転軸に沿う軸線周りに回転可能な第2ローラ16と、駆動輪Wを加振する加振用アクチュエータ12と、第1ローラ17及び第2ローラ16の一方のローラに設けられ、一方のローラの回転に伴って油圧を発生する油圧ポンプ210と、第1ローラ17及び第2ローラ16の他方のローラに設けられ、油路を介して油圧ポンプ210に接続されるとともに、油圧ポンプ210から油圧を供給されることにより、他方のローラを所定回転方向に駆動する油圧モータ170と、を備え、油圧モータ170は、動力が駆動輪Wに伝達されている際、他方のローラの所定回転方向が駆動輪Wの回転方向と逆向きになるように、他方のローラを駆動することを特徴とする。
この加振装置によれば、第1ローラが車両の駆動輪の前後方向の一方から駆動輪に当接することにより、駆動輪の前後方向の一方への移動が規制され、第2ローラが駆動輪の前後方向の他方から駆動輪に当接することにより、駆動輪の下側部が第2ローラと第1ローラとの間に挟持される。その状態で、加振用アクチュエータによって、駆動輪が加振される。
その場合、動力が駆動輪に伝達されている状態では、駆動輪の回転に伴って、第1ローラ及び第2ローラの一方のローラが回転駆動されることにより、油圧ポンプが油圧を発生し、その油圧が油圧モータに供給されることにより、他方のローラが所定回転方向に駆動される。この他方のローラは、動力が駆動輪に伝達されている際、その所定回転方向が駆動輪の回転方向と逆向きになるように油圧モータによって駆動されるので、車輪の加振中、他方のローラが駆動輪に対して回転抵抗となるのを抑制することができる。それにより、車両走行中の駆動輪の振動状態を適切に再現することができる(なお、本明細書の「駆動輪」は、車輪に限らず、タイヤ付き車輪の場合、車輪及びタイヤの双方を含む構成を意味し、その場合のタイヤは、空気入りのものに限らず、エアレスタイヤも含む)。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の加振装置1において、加振用アクチュエータ12は、他方のローラを駆動輪Wの前後方向に駆動することにより、他方のローラを介して駆動輪Wを加振することを特徴とする。
この加振装置によれば、駆動輪の下側部が第1ローラと第2ローラとの間に挟持された状態で、他方のローラが加振用アクチュエータによって駆動輪の前後方向に駆動されることにより、他方のローラを介して駆動輪が加振されるので、駆動輪の他方のローラとの当接部に対して斜め上方向に振動が入力されることになる。それにより、その分力成分の振動が駆動輪の前後方向及び上下方向に作用することになるので、1つのアクチュエータによって、駆動輪をその前後方向及び上下方向に加振する加振装置を構成することができる。
これに加えて、前述したように、他方のローラの所定回転方向が駆動輪の回転方向と逆向きになるように、他方のローラが油圧モータによって駆動されるので、他方のローラが駆動輪の回転抵抗になるのを可能な限り抑制しながら、他方のローラの加振力を効率よく駆動輪に伝達することができる。その結果、車両走行中に駆動輪が路面の凸部を乗り越えるときの振動状態をより適切に再現することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の加振装置1において、車両Vは、左右の駆動輪Wを備え、油圧ポンプ210は、左右の駆動輪用の油圧ポンプ210を含み、油圧モータ170は、左右の駆動輪用の油圧モータ170を含み、左右の駆動輪Wの回転速度をそれぞれ表す左右の回転パラメータ(左右の回転速度NL,NR)を取得する回転パラメータ取得部(コントローラ40、回転センサ42)と、左駆動輪用の油圧ポンプ210と左駆動輪用の油圧モータ170との間の油路(供給油路22)に設けられ、油路における油の流量を変更可能な左駆動輪用の流量変更装置(電磁流量制御弁装置41)と、右駆動輪用の油圧ポンプ210と右駆動輪用の油圧モータ170との間の油路(供給油路22)に設けられ、油路における油の流量を変更可能な右駆動輪用の流量変更装置(電磁流量制御弁装置41)と、左回転パラメータ(左回転速度NL)が表す左駆動輪Wの回転速度と、右回転パラメータ(右回転速度NR)が表す右駆動輪Wの回転速度との偏差(回転速度偏差DN)が減少するように、左駆動輪用の流量変更装置及び右駆動輪用の流量変更装置を制御する制御装置(コントローラ40)と、をさらに備えることを特徴とする。
前述したように、左駆動輪の回転速度と右駆動輪の回転速度との偏差が大きい場合、車両が駆動輪の回転速度の高い側に偏って移動し、最悪の場合には、駆動輪が第1ローラ及び第2ローラの間から外れることで、車両の加振を適切に実施できなくなるおそれがある。これに対して、この加振装置によれば、制御装置によって、左回転パラメータが表す左駆動輪の回転速度と、右回転パラメータが表す右駆動輪の回転速度との偏差が減少するように、左駆動輪用の流量変更装置及び右駆動輪用の流量変更装置が制御されるので、油圧の供給により、左右の他方のローラの油圧モータが、左右の駆動輪間の回転速度差を減少させるように回転することになる。その結果、車両の加振中、車両が左右の一方側に偏って移動するのを回避しながら、左右の駆動輪の各々を第1ローラ及び第2ローラの間に適切に保持することができる。それにより、車両の加振を確実に実行することができ、高い機能性を確保することができる(なお、本明細書における「回転パラメータを取得する」ことは、センサなどにより回転パラメータを直接検出することに限らず、回転パラメータの値を他のパラメータに基づいて算出することを含む)。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の加振装置1において、回転パラメータ取得部は、左右の駆動輪Wの回転速度、左右の駆動輪Wに当接する一方のローラの回転速度NL,NR、及び左右の駆動輪用の油圧ポンプ210の吐出量のいずれか1つを、左右の回転パラメータとして取得することを特徴とする。
この場合、左右の駆動輪の回転速度、左右の駆動輪に当接する一方のローラの回転速度、及び左右の駆動輪用の油圧ポンプの吐出量はいずれも、左右の駆動輪の回転速度をそれぞれ精度よく表すものである。したがって、この加振装置によれば、左駆動輪の回転速度と右駆動輪の回転速度との偏差を適切に減少させることができる。それにより、車両の加振中、車両が左右の一方側に偏って移動するのを回避しながら、左右の駆動輪を第1ローラ及び第2ローラの間に確実に保持することができる。
本発明の一実施形態に係る加振装置の外観を示す斜視図である。 前載置板部及び加振機の構成を示す斜視図である。 加振機の構成を示す斜視図である。 加振機の構成を示す平面図である。 図4のC-C線に沿った断面などを示す図である。 第2ローラの断面図である。 第2ローラの油圧モータ周辺を拡大した断面図である。 図7のE-E線に沿った断面などを示す図である。 図7のF-F線に沿った断面などを示す図である。 図7のG-G線に沿った断面などを示す図である。 第1ローラの断面図である。 加振装置において車両が加振可能に載置された状態を示す図である。 駆動輪、第1ローラ及び第2ローラの回転状態を示す図である。 加振時に車輪に作用する押圧力及びその分力成分を示す説明図である。 流量制御処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る加振装置1について説明する。本実施形態の図1に示す加振装置1は、車両を検査するために、車輪を介して車両を加振するものであり、この加振装置1には、4つの加振機10(図3に1つのみ図示)が設けられている。
この加振装置1では、後述するように、4つの加振機10によって、検査対象の車両Vにおける4つの車輪W(図5参照)がそれぞれ加振され、それにより、車両Vにおける異音・騒音などの発生の有無などが検査される。
本実施形態の車両Vは、左右の前輪Wを駆動輪Wとする自動変速機付きの前輪駆動車両タイプのものであり、自動変速機の構造(トルクコンバータ)に起因してクリープ現象が発生するように構成されている。なお、以下の説明では、クリープ現象の発生によって駆動輪Wが回転することを「クリープ回転」という。
また、以下の説明では、便宜上、図1の矢印A1-A2のA1側を「前」、A2側を「後」といい、矢印B1-B2のB1側を「右」、B2側を「左」といい、上側を「上」、下側を「下」という。
加振装置1は、検査時に車両Vを載置するための載置台2を備えており、この載置台2は、床F(図5参照)上に設置されている。この載置台2は、左半部と右半部が面対称に構成されているので、以下、左半部を例にとって説明する。
この載置台2の左半部は、前後方向に延びる載置部4と、この載置部4の前後に設けられた前後のスロープ部3,3とを備えている。前スロープ部3は、その表面が載置部4の前端に連続する平面部と、この平面部に連続して前方に斜め下がりに延びる傾斜面とになっている。
また、後スロープ部3は、その表面が載置部4の後端に連続する平面部と、この平面部に連続して後方に斜め下がりに延びる傾斜面とになっている。車両Vは、検査を開始する際、床面から後スロープ部3を介して載置部4上に移動するとともに、検査の終了後、載置部4から前スロープ部3を介して床面に移動する。
一方、載置部4は、上方から下方に向かって順に、前後の載置板部5,6、天板部7及びベース板部8などを備えている。ベース板部8は、前後方向に延びる平板状のものであり、その前後端部が前後のスロープ部3,3に一体に固定されている。ベース板部8は、床面上に載置され、図示しない固定具(例えばアンカーボルト)を介して、床Fに堅固に固定されている。
天板部7は、前後方向に延びており、ベース板部8と平行に配置されている。また、前載置板部5は、前後方向に延びており、その前端部は、前スロープ部3の平面部に載置されているとともに、その左右両端には、一対の長孔5a,5aが形成されている。前載置板部5の前端部は、この長孔5aの縁部において、油圧クランプ装置9を介して前スロープ部3に固定されている。
また、前スロープ部3には、左右方向に延びる長孔3aが形成されており、油圧クランプ装置9は、前載置板部5の長孔5aと前スロープ部3の長孔3aに嵌合した状態で、前載置板部5及び前スロープ部3を上下方向から挟持している。それにより、前載置板部5は、前スロープ部3に固定されている。
前載置板部5の中央部には、開口5cが設けられている。この開口5cは、平面視矩形に形成され、前載置板部5を上下方向に貫通している。この開口5cの下方には、加振機10(図3参照)が配置されており、この加振機10の詳細については後述する。
さらに、前載置板部5の後端部及び後載置板部6の前端部には、長孔5b,6bが形成されている。油圧クランプ装置9と同様の油圧クランプ装置9Aが、これらの長孔5b,6bに嵌合した状態で、前載置板部5及び後載置板部6を挟持しており、それにより、前載置板部5及び後載置板部6は油圧クランプ装置9Aによって互いに固定されている。
以上の構成により、前載置板部5及び前スロープ部3が油圧クランプ装置9による固定から解放された状態では、前載置板部5は、長孔3aの長さ分、左右方向に移動可能になることで、前載置板部5は、図1に示す最大幅位置と、図示しない最小幅位置との間で左右方向に移動可能に構成されている。
さらに、油圧クランプ装置9,9Aによる固定が解除されている状態では、前載置板部5は、長孔5a,5bの前後方向の長さ分だけ、前スロープ部3に対して相対的に前後方向に移動可能になっている。具体的には、前載置板部5は、図1に示す最大長さ位置と、図示しない最小長さ位置との間で前後方向に移動可能に構成されている。
一方、後載置板部6の後端部は、その上面が前述した前載置板部5の前端部の上面と同じ高さに配置され、前載置板部5の前端部と面対称に構成されている。すなわち、後載置板部6の後端部は、後スロープ部3の平面部に載置されており、その左右両端部には、一対の長孔6a,6aが形成されている。
また、後スロープ部3にも、左右方向に延びる長孔3aが形成されており、油圧クランプ装置9は、後載置板部6の長孔6aと、後スロープ部3の長孔3aに嵌合した状態で、後載置板部6及び後スロープ部3を上下方向から挟持している。それにより、後載置板部6は、後スロープ部3に固定されている。
さらに、後載置板部6の中央部には、開口6cが設けられている。この開口6cは、平面視矩形に形成され、後載置板部6を上下方向に貫通しているとともに、前載置板部5の前述した開口5cと同じサイズに構成されている。また、この開口6cの下方には、加振機10が配置されている。
以上の構成により、後載置板部6及び後スロープ部3が油圧クランプ装置9による固定から解放された状態では、後載置板部6は、長孔3aの長さ分、左右方向に移動可能になることで、後載置板部6は、図1に示す最大幅位置と、図示しない最小幅位置との間で左右方向に移動可能に構成されている。
さらに、油圧クランプ装置9,9Aによる固定が解除されている状態では、後載置板部6は、長孔6a,6bの前後方向の長さ分だけ、後スロープ部3に対して相対的に前後方向に移動可能になっている。具体的には、後載置板部6は、図1に示す最大長さ位置と、図示しない最小長さ位置との間で前後方向に移動可能に構成されている。
次に、図2~図11を参照しながら、加振機10について説明する。なお、図2は、理解の容易化のために、天板部7を省略した構成を示している。本実施形態の加振装置1では、前載置板部5の開口5cの下方に配置された加振機10と、後載置板部6の開口6cの下方に配置された加振機10は同様に構成されているので、以下、前載置板部5の開口5cの下方に配置された加振機10を例にとって説明する。
加振機10は、平面視矩形の可動ベース板11上に設けられており、この可動ベース板11は、その底面がベース板部8の上面に面接触した状態で、図示しないマグネットクランプを介して、ベース板部8に固定されている。
また、ベース板部8の上面には、4つの位置変更装置30及び多数のフリーベアリング(図示せず)が設けられている。4つの位置変更装置30は、平面視矩形に配置されており、可動ベース板11は、これらの位置変更装置30に取り囲まれるように設けられている。
各位置変更装置30は、複数の歯付きプーリと、これらのプーリに巻き掛けられた歯付きベルトと、1つの歯付きプーリを駆動するモータ機構などを備えている(いずれも図示せず)。各位置変更装置30の歯付きベルトの両端部は、可動ベース板11の4つの所定部位に連結されている。また、多数のフリーベアリングは、可動ベース板11の下方の位置に配置されている。
以上の構成により、マグネットクランプによる固定が解除された状態では、可動ベース板11は、4つの位置変更装置30におけるプーリの回転動作に伴って、多数のフリーベアリングを転動させながら、ベース板部8上を移動する。すなわち、可動ベース板11は、ベース板部8に対する相対的な位置が変更可能に構成されている。そして、可動ベース板11は、そのように変更された位置において、マグネットクランプを介してベース板部8に固定される。
加振機10は、図3~5に示すように、加振用アクチュエータ12、加振アーム13、一対の加振シャフト14,14、一対の静圧軸受15,15、第2ローラ16、第1ローラ17及び通路台18などを備えている。なお、図5などでは、理解の容易化のために、第2ローラ16及び第1ローラ17の断面部分のハッチングが省略されている。
加振用アクチュエータ12は、油圧シリンダ12a、ピストンロッド12b、ブラケット12c及び油圧制御回路機構12dなどを備えている。油圧シリンダ12aは、ブラケット12cを介して、可動ベース板11及び前載置板部5に固定され、支持されている。
この油圧シリンダ12aには、油圧制御回路機構12dが接続されている。この油圧制御回路機構12dからの油圧が供給されることにより、油圧シリンダ12aは、ピストンロッド12bを前後方向に駆動する。
この油圧制御回路機構12dは、電磁スプール弁機構及び油圧回路などを組み合わせたものであり、後述するコントローラ40(図4参照)に電気的に接続されている。油圧制御回路機構12dでは、コントローラ40によって電磁スプール弁機構が制御されることにより、油圧シリンダ12aに供給する油圧が制御される。それにより、ピストンロッド12bの移動状態及び往復動状態が制御されることで、第2ローラ16の動作状態が制御される。
加振用アクチュエータ12のピストンロッド12bの先端部には、加振アーム13が連結されており、それにより、加振アーム13は、ピストンロッド12bを介して前後方向に駆動/加振されるように構成されている。
加振アーム13の左右両端部は、ボールジョイント14a,14aを介して、加振シャフト14,14の前端部にそれぞれ連結されている。これらの加振シャフト14,14は、左右方向に間隔を存して配置され、互いに平行に前後方向に所定長さで延びている。加振シャフト14,14は、断面円形の棒状の部材であり、静圧軸受15,15によって前後方向に摺動自在に支持されている。
各静圧軸受15の内周面には、リセス(図示せず)が所定間隔で前後方向に並べて配置されており、これらのリセスが発生する油圧によって、加振シャフト14は摺動自在に支持される。静圧軸受15は、その上面が前載置板部5に、下面が可動ベース板11にそれぞれ固定されている。
また、加振シャフト14,14は、それらの後端部が2つの軸取付部20,20にそれぞれなっており、これらの軸取付部20,20の間には、第2ローラ16が設けられている。さらに、第2ローラ16の後方には、一対の軸取付部21,21が設けられており、これらの軸取付部21,21の間には、第1ローラ17が設けられている。なお、本実施形態では、第1ローラ17が一方のローラに相当し、第2ローラ16が他方のローラに相当する。
これらの第2ローラ16及び第1ローラ17の場合、図4に示すように、両者の右端部が供給油路22を介して互いに接続され、両者の左端部がリターン油路23を介して互いに接続されている。これらの供給油路22及びリターン油路23は、可撓性を有し、かつ繰り返し応力に対する耐久性を有する部材(例えば、フレキシブルホース)で構成されている。
本実施形態の場合、第2ローラ16、第1ローラ17、供給油路22及びリターン油路23によって、油圧回路が構成されており、この油圧回路内には、図示しない作動油が充填されている。
次に、第2ローラ16について説明する。第2ローラ16は、図6及び図7に示すように、回転部160、固定軸161、2つの軸受169,169及び油圧モータ170などを備えている。なお、以下の第2ローラ16の説明では、図6の左側を「左」といい、右側を「右」という。
この回転部160は、中空の円筒状の部材で構成され、所定長さで左右方向に延びている。また、固定軸161は、回転部160よりも小径の中空の円筒状の部材で構成され、回転部160よりも長く左右方向に延びている。
回転部160の内壁面と固定軸161の外周面との間には、2つの軸受169,169が設けられており、これらの軸受169,169は、転がり軸受で構成されている。これらの軸受169,169によって、回転部160は、固定軸161の軸線周りに回転可能に支持されている。
一方、固定軸161の左右両端部には、取付部162,162がカシメによって取り付けられている。これらの取付部162,162は、上述した軸取付部20,20にそれぞれ固定されており、それにより、固定軸161の左右両端部は、軸取付部20,20に固定されている。
また、固定軸161の内孔163の中央寄りの部位には、封止部材164,164が所定間隔を存して設けられている。この固定軸161では、これらの封止部材164,164により、内孔163における封止部材164,164の間が閉鎖されている。
さらに、固定軸161には、連通孔165,165が封止部材164,164よりも若干、軸線方向の外側の位置に形成されており、これらの連通孔165,165は、固定軸161の壁を貫通している。以上の内孔163、封止部材164,164及び連通孔165,165によって、油路が形成されており、この油路には、第1ローラ17の後述する油圧ポンプ210からの作動油が供給油路22を介して供給されるように構成されている。
さらに、固定軸161には、左右一対のシール壁166,166が連通孔165,165よりも若干、軸線方向の外側の位置に固定され、左右一対の隔壁167,167が連通孔165,165よりも若干、軸線方向の内側の位置に固定されている。各シール壁166は、固定軸161から一体に径方向の外側に延びる円板状の部材であり、その外周面は、回転部160の内周面とほぼ同一径に設定されている。
この外周面には、凹部が全周に渡って周方向に延びており、この凹部には、Oリング166aが設けられている。このOリング166aにより、各シール壁166と回転部160との間が液密に封止されている。
また、左隔壁167は、シール壁166と同様に、固定軸161から一体に径方向の外側に延びる円板状の部材であり、その外周面は、回転部160の内周面とほぼ同一径に設定されている。
この外周面には、凹部が全周に渡って周方向に延びており、この凹部には、Oリング167aが設けられている。このOリング167aにより、左隔壁壁167と回転部160との間が液密に封止されている。
図8に示すように、左隔壁167の所定部位には、三日月形の油孔167bが形成されており、この油孔167bは、左隔壁167を左右方向に貫通している。
また、右隔壁167は、左隔壁167と同様に、Oリング167aにより、右隔壁壁167と回転部160との間が液密に封止されている。さらに、図9に示すように、右隔壁167には、三日月形の油孔167bが、左隔壁167の油孔167bと比べて、周方向の異なる所定部位に形成されている。
一方、油圧モータ170は、左右の隔壁167,167の間に配置されており、図7及び図10に示すように、径方向の内側から外側に向かって順に、軸受171、偏心スペーサ172、トロコイド内歯ギヤ173及びトロコイド外歯ギヤ174を備えている。この軸受171は、固定軸161の軸線周りに回転可能に設けられている。
偏心スペーサ172は、肉厚が周方向に変化するように形成された円環状の部材であり、その内周面で軸受171に当接している。また、トロコイド内歯ギヤ173は、内孔を備えており、この内孔には、偏心スペーサ172の外周面が隙間の無い状態で固定されている。以上の構成により、油圧モータ170の作動中、トロコイド内歯ギヤ173は、軸受171を介して、固定軸161の軸線周りに回転する。
その際、固定軸161の中心軸は、偏心スペーサ172の形状により、トロコイド内歯ギヤ173の中心に対して偏心していることにより、トロコイド内歯ギヤ173は、トロコイド外歯ギヤ174に対して偏心しながら回転することになる。
また、トロコイド外歯ギヤ174は、回転部160の内周面から突出する状態で、回転部160と一体に設けられている。このトロコイド外歯ギヤ174は、その歯数がトロコイド内歯ギヤ173よりも1個多くなるように設定されている。
以上の構成により、上記のように、トロコイド内歯ギヤ173が偏心しながら回転した際、トロコイド内歯ギヤ173では、1つのギヤ歯がトロコイド外歯ギヤ174のギヤ歯との噛合が外れた状態になるとともに、固定軸161の中心を間にして、この1つのギヤ歯と反対側のギヤ歯がトロコイド外歯ギヤ174のギヤ歯と噛み合う状態となる(図10参照)。さらに、トロコイド内歯ギヤ173の回転に伴い、トロコイド外歯ギヤ174との噛合が外れたギヤ歯及びトロコイド外歯ギヤ174と噛み合うギヤ歯がそれぞれ、隣接するギヤ歯に移行する。
以上のように構成された油圧モータ170は、後述する油圧ポンプ210からの作動油が供給油路22を介して加圧状態で供給されることにより、以下に述べるように、第2ローラ16を回転駆動する。すなわち、作動油は、供給油路22から固定軸161の内孔163に流れ込み、連通孔165及び隔壁167の油孔167bを介して、油圧モータ170内に流れ込んだ後、トロコイド内歯ギヤ173とトロコイド外歯ギヤ174の間を流れる。
このように作動油が流れた際、トロコイド内歯ギヤ173は、固定軸161の軸線周りに偏心しながら回転し、それに伴って、トロコイド外歯ギヤ174は、トロコイド内歯ギヤ173よりも遅い回転数で回転する。その結果、回転部160が固定軸161の軸線周りに回転駆動される。すなわち、第2ローラ16が回転駆動される状態となる。
そして、トロコイド内歯ギヤ173とトロコイド外歯ギヤ174の間を流れた作動油は、隔壁167の油孔167b、固定軸161の連通孔165及び内孔163を介して、リターン油路23に流れ込み、このリターン油路23を介して、第1ローラ17側に戻される。
以上のように、第2ローラ16は、油圧モータ170によって、中心軸線周りに回転駆動可能に構成されている。この加振機10では、クリープ回転中の駆動輪Wを加振する際、油圧モータ170に供給される作動油の流量がコントローラ40によって後述するように制御され、それにより、油圧モータ170の回転速度すなわち第2ローラ16の回転速度が制御される。
また、加振機10の動作中、第2ローラ16は、加振用アクチュエータ12によって、加振位置(例えば、図5に示す位置)と押出位置(図示せず)との間で少なくも駆動されるようになっている。さらに、加振用アクチュエータ12が発生した前後方向の振動は、加振アーム13及び加振シャフト14,14を介して、第2ローラ16に入力される。
次に、第1ローラ17について説明する。第1ローラ17は、図11に示すように、回転部200、固定軸201、取付部202、内孔203、2つの封止部材204,204、2つのシール壁206,206、2つの軸受209,209及び油圧ポンプ210などを備えている。
この図11と前述した図6を比較すると明らかなように、第1ローラ17は、第2ローラ16と同一に構成されている。すなわち、第1ローラ17の構成要素200~204,206,209はいずれも、第2ローラ16の構成要素160~164,166,169と同一の形状、同一のサイズ及び同一の機能を備えている。さらに、油圧ポンプ210は、前述した油圧モータ170と同一に構成されており、それにより、トロコイドポンプとして構成されている。
以上の構成により、この第1ローラ17では、駆動輪Wによって回転部200が駆動された場合、回転部200の回転に伴って、作動油は、リターン油路23から油圧ポンプ210内に流れ込んだ後、油圧ポンプ210から内孔203内を介して供給油路22に吐出される。それにより、作動油が第1ローラ17から第2ローラ16側に供給される。
すなわち、この加振機10の場合、第1ローラ17が駆動輪Wによって駆動されるのに伴い、油圧回路内の作動油が、第1ローラ17、供給油路22、第2ローラ16及びリターン油路23の間で循環するように構成されている。
また、図4に示すように、供給油路22の途中には、電磁流量制御弁装置41が設けられている。この電磁流量制御弁装置41は、ソレノイド及び流量制御弁(いずれも図示せず)などを組み合わせたものであり、このソレノイドがコントローラ40に電気的に接続されている。なお、本実施形態では、電磁流量制御弁装置41が流量変更装置に相当する。
この電磁流量制御弁装置41の場合、後述するように、クリープ回転している駆動輪Wを加振機10で加振する際には、後述する流量制御処理が実行され、流量制御弁の開度がコントローラ40によって制御される。また、従動輪の加振中には、流量制御弁が最大開度に保持される。
さらに、前述した通路台18は、可動ベース板11上の静圧軸受15,15の間に配置され、油圧アクチュエータ(図示せず)が内蔵されている。通路台18は、この油圧アクチュエータによって、待避位置(例えば、図5に示す位置)と、押出位置にある状態の第2ローラ16に当接する当接位置(図示せず)との間で少なくとも前後方向に駆動される。
通路台18が当接位置まで移動し、押出位置にある第2ローラ16に当接した場合、通路台18によって第2ローラ16が回転不能に保持される。これは、加振動作の終了後、車両Vの車輪Wが第2ローラ16を乗り越えながら前方に移動する際、第2ローラ16を回転停止状態に保持することで、車輪Wの駆動力が第2ローラ16に伝達され、車輪Wが前方に移動しやすくするためである。
以上のように、載置台2の左半部は構成されており、載置台2の右半部も同様に構成されている。
また、コントローラ40には、4つの回転センサ42(1つのみ図示)が電気的に接続されている。4つの回転センサ42の各々は、第1ローラ17の回転速度(すなわち回転部200の検出速度)を検出して、それを表す検出信号をコントローラ40に出力する。コントローラ40は、この回転センサ42の検出信号に基づき、第1ローラ17の回転速度を算出する。なお、本実施形態では、コントローラ40が回転パラメータ取得部及び制御装置に相当し、回転センサ42が回転パラメータ取得部に相当する。
このコントローラ40は、CPU、RAM、ROM及びI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などからなるマイクロコンピュータで構成されている。このコントローラ40は、4つの加振用アクチュエータ12を制御することによって、4つの車輪Wを介して、車両Vを加振する加振制御処理を実行する。さらに、コントローラ40は、加振制御処理の実行中、加振機10によってクリープ回転中の駆動輪Wを加振する際には、後述するように、電磁流量制御弁装置41を制御することによって、流量制御処理を実行する。
次に、以上のように構成された加振装置1において、車両Vを検査する際の動作について説明する。まず、油圧クランプ装置9,9A及びマグネットクランプを緩め、2枚の前載置板部5、2枚の後載置板部6及び4つの可動ベース板11を移動可能な状態に設定する。
次いで、4つの可動ベース板11を、4つの位置変更装置30によって検査対象の車両Vのホイールベース及びトレッドに対応する位置にそれぞれ移動させた後、マグネットクランプによってベース板部8に固定する。可動ベース板11の移動に伴い、可動ベース板11と同時に、2枚の前載置板部5及び2枚の後載置板部6がホイールベース及びトレッドに対応する位置に移動する。そして、その位置で、これらの前載置板部5及び後載置板部6を、油圧クランプ装置9Aを介して互いに固定すると同時に、油圧クランプ装置9,9を介して前後のスロープ部3,3に固定する。
次いで、各加振機10における加振用アクチュエータ12を駆動し、第1ローラ17及び第2ローラ16の間隔を、検査対象の車両Vの車輪Wのサイズに合わせた値に設定する。以上により、検査のための準備動作が終了する。
次いで、車両Vを後スロープ部3から載置台2に乗り上げるように移動させ、図12に示すように、4つの車輪Wが、前載置板部5の開口5c及び後載置板部6の開口6cに嵌まり込んで下方に移動し、第1ローラ17及び第2ローラ16によって前後方向から挟持された状態にする。
この状態で、コントローラ40によって加振制御処理が実行されることにより、図13の矢印Y1で示すように、加振用アクチュエータ12によって第2ローラ16が前後方向に加振され、それに伴って、車輪Wが加振される。この加振中、第2ローラ16の押圧力Foが車輪Wに作用した際、図14に示すように、押圧力Foの2つの分力成分Fx,Fyが車輪Wに作用することになる。すなわち、第2ローラ16を前後方向に加振することによって、車輪Wは、前後方向及び上下方向に同時に加振されることになる。
また、加振対象の車輪Wがクリープ回転中の駆動輪Wである場合には、図13の矢印Y2で示す駆動輪Wの回転に伴って、第1ローラ17が図13の矢印Y3の向きに回転するように駆動されることで、第1ローラ17内の油圧ポンプ210が駆動される。それにより、作動油が油圧ポンプ210から油圧モータ170に供給されるのに伴い、第2ローラ16は、図13の矢印Y4で示すように、駆動輪Wの回転方向と逆向きに回転する。
さらに、クリープ回転中の駆動輪Wを加振するときには、コントローラ40によって、後述する流量制御処理が実行されることにより、第2ローラ16の回転状態が制御される。本実施形態の加振機10では、以上のように車輪Wの加振動作が実行される。
次に、図15を参照しながら、前述した流量制御処理について説明する。なお、以下の説明では、左右の駆動輪W,Wをそれぞれ加振する加振機10,10を「左右の加振機10,10」と呼び、左右の加振機10,10における第1ローラ17,17を「左右の第1ローラ17,17」と呼ぶ。この点は、第2ローラ16、油圧モータ170、油圧ポンプ210、電磁流量制御弁装置41及び回転センサ42においても同様である。
この流量制御処理は、左右の第1ローラ17,17の回転速度に基づき、左右の電磁流量制御弁装置41,41を制御するものであり、コントローラ40によって所定の制御周期で実行される。
同図に示すように、まず、流量制御処理の実行条件が成立しているか否かを判定する(図15/STEP1)。この場合、下記の条件(f1)~(f2)がいずれも成立しているときには、流量制御処理の実行条件が成立していると判定され、それ以外のときには、流量制御処理の実行条件が不成立であると判定される。また、下記の条件(f2)の成立/不成立の判定は、加振機10による加振の開始前であって、駆動輪Wが第1ローラ17及び第2ローラ16の間に挟持されている条件下での、左右の回転センサ42の検出信号に基づいて実行される。
(f1)4つの加振機10によって4つの車輪Wがいずれも加振されていること。
(f2)駆動輪Wがクリープ回転中であること。
この判定が否定(図15/STEP1…NO)で、流量制御処理の実行条件が不成立であるときには、そのまま本処理を終了する。
一方、この判定が肯定(図15/STEP1…YES)で、流量制御処理の実行条件が成立しているときには、左回転速度NL及び右回転速度NRを算出する(図15/STEP2)。
この左回転速度NLは、左第1ローラ17の回転速度であり、左回転センサ42の検出信号に基づいて算出される。また、右回転速度NRは、右第1ローラ17の回転速度であり、右回転センサ42の検出信号に基づいて算出される
次いで、回転速度偏差DNを、左回転速度NLと右回転速度NRとの偏差の絶対値|NL-NR|に設定する(図15/STEP3)。
次に、回転速度偏差DNが所定値Dref未満であるか否かを判定する(図15/STEP4)。この所定値Drefは、後述する流量調整制御処理の実行の必要性を判定するための値であり、比較的小さい値に設定されている。
この判定が肯定(図15/STEP4…YES)で、DN<Drefが成立しているときには、流量維持制御処理を実行する。この流量維持制御処理では、左右の電磁流量制御弁装置41における流量制御弁の開度が前回の制御タイミングの値に維持される。それにより、左右の供給油路22における作動油の流量が維持される。以上のように、流量維持制御処理を実行した後、本処理を終了する。
一方、上記の判定が否定(図15/STEP4…NO)で、DN≧Drefが成立しているときには、流量調整制御処理を実行する。この流量調整制御処理では、回転速度偏差DNが減少するように、左右の電磁流量制御弁装置41における流量制御弁の開度が制御される。その結果、回転速度偏差DNが減少するように、左右の油圧モータ170,170の回転状態が制御されることによって、左右の駆動輪Wの回転速度差を減少させることができる。
この場合、具体的な制御手法としては、例えば、回転速度偏差DNが値0に収束するように、左右の電磁流量制御弁装置41における流量制御弁の開度をフィードバック制御する手法が用いられる。このように流量調整制御処理を実行するのは、以下の理由による。
すなわち、車両Vの場合、原動機からの動力が差動機構を介して左右の駆動輪W,Wに伝達される関係上、左右の加振機10における2つのローラ16,17の加工精度などに起因して、左右の駆動輪W,Wにおいて両者の回転速度差が発生する可能性がある。
この回転速度差が大きい場合、車両Vが駆動輪Wの回転速度の高い側に偏って移動し、最悪の場合には、駆動輪Wが第1ローラ17及び第2ローラ16の間から外れることで、車両Vの加振を実施できなくなるおそれがある。したがって、駆動輪Wの加振中、そのような状態が発生するのを回避し、駆動輪Wを第1ローラ17及び第2ローラ16の間に保持するために、上述したように、流量調整制御処理が実行される。以上のように、流量調整制御処理を実行した後、本処理を終了する。
以上のように、本実施形態の加振装置1によれば、車両Vの車輪Wが、第2ローラ16及び第1ローラ17の間に挟持された状態で、第2ローラ16を介して加振される。その際、クリープ回転中の駆動輪Wを加振する場合には、駆動輪Wの回転に伴って、第1ローラ17が回転駆動されることにより、第1ローラ17内の油圧ポンプ210が油圧を発生し、その油圧が第2ローラ16の油圧モータ170に供給されることにより、第2ローラ16が、駆動輪Wの回転方向と逆向きに回転するように駆動される。
それにより、クリープ回転中の駆動輪Wを加振する際、第2ローラ16が駆動輪Wに対して回転抵抗となるのを抑制しながら、第2ローラ16の加振力を効率よく駆動輪Wに伝達でき、駆動輪Wが車両走行中に路面の凸部を乗り越えるときの振動状態をより適切に再現することができる。
また、車輪Wの下側部が第1ローラと第2ローラとの間に挟持された状態で、第2ローラ16が加振用アクチュエータ12によって車輪Wの前後方向に駆動されるので、車輪Wの第2ローラ16との当接部に対して斜め上方向に振動が入力されることになる。それにより、その分力成分の振動が車輪Wの前後方向及び上下方向に作用することになるので、1つの加振用アクチュエータ12によって、車輪Wをその前後方向及び上下方向に加振することができる。
さらに、クリープ回転中の駆動輪Wを加振する加振機10においては、前述した図15の流量制御処理が実行される。この流量制御処理では、回転速度偏差DNが所定値Dref以上の場合には、回転速度偏差DNが減少するように、左右の電磁流量制御弁装置41における流量制御弁の開度が制御され、左右の油圧モータ170,170の回転状態が制御される。それにより、左右の駆動輪Wの加振中、左右の駆動輪Wの回転速度差を減少できることで、左右の駆動輪Wを第1ローラ17及び第2ローラ16の間に適切に保持することができる。その結果、車両Vの加振を確実に実行することができ、高い機能性を確保することができる
なお、前述した図15のSTEP6の流量調整制御処理において、回転速度偏差DNが減少するとともに、駆動輪Wに対する第2ローラ16の回転抵抗が増大するように、左右の電磁流量制御弁装置41における流量制御弁の開度を制御するように構成してもよい。このように構成した場合、駆動輪Wを高速回転させることなく、駆動輪Wの回転抵抗を増大させながら、車両Vの高速走行中の振動状態を加振装置1によって再現することができる。それにより、高い機能性を確保することができる。
また、前述した図15の流量制御処理において、STEP4,5を省略し、STEP3に続けて、STEP6の流量調整制御処理を実行するように構成してもよい。その場合には、STEP6の流量調整制御処理において、回転速度偏差DNが値0に収束するように、左右の電磁流量制御弁装置41における流量制御弁の開度をフィードバック制御すればよい。
さらに、コントローラ40と車両VのECUを電気的に接続し、車両のECUから駆動輪Wの回転速度を取得するとともに、加振装置1の動作中、下記のように、加振用アクチュエータ12及び車両Vのエンジンを制御するように構成してもよい。すなわち、加振用アクチュエータ12による加振動作中、第2ローラ16の回転速度と駆動輪Wの回転速度との偏差が所定値以上になった場合には、加振用アクチュエータ12による加振を停止し、前述した流量制御処理の実行を停止するとともに、車両Vのエンジンを停止するように構成してもよい。このように構成した場合、加振動作中、駆動輪Wを2つのローラ16,17の間に適切かつ確実に保持することができる。
なお、実施形態は、回転パラメータとして、第1ローラ17の回転速度を用いた例であるが、本発明の回転パラメータは、これに限らず、駆動輪の回転速度を表すものであればよい。例えば、コントローラ40と車両のECUを電気的に接続し、車両のECUから駆動輪の回転速度を取得して、これを回転パラメータとして用いてもよい。また、供給油路22内に流量センサを設け、この流量センサによって検出された供給油路22内の作動油の流量を回転パラメータとして用いてもよい。
また、実施形態は、流量変更装置として、電磁流量制御弁装置41を用いた例であるが、本発明の流量変更装置は、これに限らず、油圧ポンプと油圧モータとの間の油路の流量を変更可能なものであればよい。例えば、流量変更装置として、電動機と流量制御弁を組み合わせた電動弁装置を用いてもよい。
さらに、実施形態は、油圧ポンプ210の吐出圧を油圧モータ170の駆動のみに用いた例であるが、これに加えて、油圧ポンプ210の吐出圧を加振用アクチュエータ12の作動用の油圧を補助するように用いてもよい。
一方、実施形態は、車両Vとして、4輪車両タイプのものを用いたが、これに代えて、2~3輪車両又は6輪以上の車輪を有する車両を用いてもよい。
また、実施形態は、第1ローラ17を一方のローラとし、第2ローラ16を他方のローラとした例であるが、これに代えて、第1ローラ17を他方のローラとし、第2ローラ16を一方のローラとしてもよい。その場合には、第1ローラ17を加振シャフト14,14の軸取付部20,20の間に設け、第2ローラ16を軸取付部21,21の間に設ければよい。
1 加振装置
10 加振機
12 加振用アクチュエータ
16 第2ローラ(他方のローラ)
170 油圧モータ
17 第1ローラ(一方のローラ)
210 油圧ポンプ
22 供給油路(油路)
40 コントローラ(回転パラメータ取得部、制御装置)
41 電磁流量制御弁装置(流量変更装置)
42 回転センサ(回転パラメータ取得部)
W 駆動輪
V 車両
NL 左回転速度(左駆動輪に当接する一方のローラの回転速度)
NR 右回転速度(右駆動輪に当接する一方のローラの回転速度)
DN 回転速度偏差

Claims (4)

  1. 駆動輪を加振することにより、当該駆動輪を介して車両を加振する加振装置であって、
    前記駆動輪の前後方向の一方から当該駆動輪に当接することにより、当該駆動輪の前記前後方向の前記一方への移動を規制するように配置され、当該駆動輪の回転軸に沿う軸線周りに回転可能な第1ローラと、
    前記駆動輪の前記前後方向に移動可能に配置され、前記駆動輪の前記前後方向の他方から前記駆動輪に当接することにより、前記第1ローラとの間に前記駆動輪の下側部を挟持可能であるとともに、前記駆動輪の前記回転軸に沿う軸線周りに回転可能な第2ローラと、
    前記駆動輪を加振する加振用アクチュエータと、
    前記第1ローラ及び前記第2ローラの一方のローラに設けられ、当該一方のローラの回転に伴って油圧を発生する油圧ポンプと、
    前記第1ローラ及び前記第2ローラの他方のローラに設けられ、油路を介して前記油圧ポンプに接続されるとともに、当該油圧ポンプから前記油圧を供給されることにより、前記他方のローラを所定回転方向に駆動する油圧モータと、
    を備え、
    前記油圧モータは、動力が前記駆動輪に伝達されている際、前記他方のローラの前記所定回転方向が前記駆動輪の回転方向と逆向きになるように、前記他方のローラを駆動することを特徴とする加振装置。
  2. 請求項1に記載の加振装置において、
    前記加振用アクチュエータは、前記他方のローラを前記駆動輪の前記前後方向に駆動することにより、前記他方のローラを介して前記駆動輪を加振することを特徴とする加振装置。
  3. 請求項1又は2に記載の加振装置において、
    前記車両は、左右の前記駆動輪を備え、
    前記油圧ポンプは、前記左右の駆動輪用の油圧ポンプを含み、
    前記油圧モータは、前記左右の駆動輪用の油圧モータを含み、
    前記左右の駆動輪の回転速度をそれぞれ表す左右の回転パラメータを取得する回転パラメータ取得部と、
    前記左駆動輪用の前記油圧ポンプと前記左駆動輪用の前記油圧モータとの間の前記油路に設けられ、当該油路における油の流量を変更可能な左駆動輪用の流量変更装置と、
    前記右駆動輪用の前記油圧ポンプと前記右駆動輪用の前記油圧モータとの間の前記油路に設けられ、当該油路における油の流量を変更可能な右駆動輪用の流量変更装置と、
    前記左回転パラメータが表す前記左駆動輪の回転速度と、前記右回転パラメータが表す前記右駆動輪の回転速度との偏差が減少するように、前記左駆動輪用の流量変更装置及び前記右駆動輪用の流量変更装置を制御する制御装置と、
    をさらに備えることを特徴とする加振装置。
  4. 請求項3に記載の加振装置において、
    前記回転パラメータ取得部は、前記左右の駆動輪の回転速度、前記左右の駆動輪に当接する前記一方のローラの回転速度、及び前記左右の駆動輪用の前記油圧ポンプの吐出量のいずれか1つを、前記左右の回転パラメータとして取得することを特徴とする加振装置。
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