JP5035526B2 - ギヤポンプの慣らし方法及び装置 - Google Patents
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Description
駆動ギヤ4の軸部7をジョイント11Aによってモータ11等の駆動源に連結して、駆動ギヤ4を一定方向(図14において矢印で示す時計方向)に回転させると、従動ギヤ5がその反対方向(図14において矢印で示す反時計方向)に回転する。これにより、吸込ポート12側では、駆動ギヤ4と従動ギヤ5との噛合いが離れることによって流体が吸込まれる。そして、駆動ギヤ4及び従動ギヤ5の歯溝とポンプ室3の内壁との間に閉じ込められた流体は、駆動ギヤ4及び従動ギヤ5の回転によってポンプ室3の内周面に沿って吐出ポート13に運ばれる。吐出ポート13側では、駆動ギヤ4と従動ギヤ5とが噛合うことによって歯溝間に閉じ込められた流体が押し出されて吐出される。
駆動ギヤ4及び従動ギヤ5の軸部7、8がその軸受9、10内で径方向に移動したとき、ポンプ室3の内周面と駆動ギヤ4及び従動ギヤ5とが僅かに干渉するように設定された寸法公差で各部品を機械加工する。そして、これらの部品を組付けたギヤポンプ1の駆動ギヤ4の軸部7にモータを連結し、吸込ポート12にオイルタンクを接続し、また、吐出ポート13に圧力調整弁等の負荷手段を接続して、通常の吐出圧力よりも高い吐出圧力でギヤポンプ1を一定時間運転する。
所定の慣らしパターンに従って吐出圧力を周期的に増減させ、前記歯車の駆動トルクを監視し、周期毎の駆動トルクの減少が所定の基準値以下になったとき、慣らしの終了と判定することを特徴とする。
以下に、本発明において特許請求が可能と認識される発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の(1)乃至(8)における方法の内容が請求項1乃至8にそれぞれ対応し、(1)乃至(8)における装置の内容が請求項9乃至16にそれぞれ対応する。
所定の慣らしパターンに従って吐出圧力を周期的に増減させ、前記歯車の駆動トルクを監視し、周期毎の駆動トルクの減少が所定の基準値以下になったとき、慣らしの終了と判定することを特徴とするギヤポンプの慣らし方法(又は装置)。
この構成により、慣らしすなわち切削の進行によって駆動トルクが低下するので、周期毎の駆動トルクの減少を監視することによって慣らしの終了を正確に判定することができる。ここで、慣らしパターンとしては、例えば一定速度及び一定周期で昇圧及び減圧を繰返す三角波パターンのほか、あらゆる周期的なパターンを想定することができる。
(2)上記(1)の構成において、周期毎の駆動トルクのピーク値の減少が所定の基準値以下になったとき、慣らしの終了と判定することを特徴とするギヤポンプの慣らし方法(又は装置)。
この構成により、駆動トルクのピーク値に基づいて慣らしの終了を判定するので、容易に判定を行うと共に判定精度のばらつきを防止することができる。
(3)上記(1)の構成において、切削が行われる慣らし領域よりも低い吐出圧力における駆動トルクに基づいて慣らしの終了を判定することを特徴とするギヤポンプの慣らし方法(又は装置)。
この構成により、切削による駆動トルクの変動の影響を受けることがなく、正確な判定を行うことができる。
(4)上記(2)の構成において、前記慣らしパターンは、吐出圧力のピーク値が切削が行われる慣らし領域よりも低い慣らし終了判定周期を有しており、該慣らし終了判定周期における駆動トルクのピーク値に基づいて慣らしの終了を判定することを特徴とギヤポンプの慣らし方法(又は装置)。
この構成により、駆動トルクのピーク値に基づいて慣らしの終了を判定するので、容易に判定を行うと共に判定精度のばらつきを防止することがで、また、切削による駆動トルクの変動の影響を受けることがなく、正確な判定を行うことができる。
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかの構成において、吐出圧力を昇圧する際、駆動トルクが吐出圧力に応じた所定の基準範囲内に収まるように吐出圧力を調整することを特徴とするギヤポンプの慣らし方法(又は装置)。
この構成により、切削速度の超過を防止して、切削面の良好な面粗度を得ることができる。
(6)上記(5)の構成において、吐出圧力を昇圧する際、駆動トルクが吐出圧力に応じた所定範囲の基準トルクの上限に達したとき、昇圧速度を低下させ、下限に達したとき、昇圧速度を増大させるように吐出圧力を調整することを特徴とするギヤポンプの慣らし方法(又は装置)。
この構成により、常に適切な切削速度を維持することができ、切削面の良好な面粗度を得ることができる。
(7)上記(5)の構成において、吐出圧力を昇圧する際、駆動トルクが吐出圧力に応じた所定の基準トルクに達したとき、その吐出圧力を保持し、その後、駆動トルクの所定の低下を検知したとき、吐出圧力の昇圧を再開し、これを繰返して吐出圧力を昇圧することを特徴とするギヤポンプの慣らし方法(又は装置)。
この構成により、常に適切な切削速度を維持することができ、切削面の良好な面粗度を得ることができる。
(8)上記(1)乃至(4)のいずれかの構成において、前記慣らしパターンは、一定のパターンに固定された第1慣らしモードと、吐出圧力を昇圧する際、駆動トルクが吐出圧力に応じた所定範囲の基準トルクの上限に達したとき、昇圧速度を低下させ、下限に達したとき、昇圧速度を増大させるように吐出圧力を調整する第2慣らしモードと、吐出圧力を昇圧する際、駆動トルクが吐出圧力に応じた所定の基準トルクに達したとき、その吐出圧力を保持し、その後、駆動トルクの所定の低下を検知したとき、吐出圧力の昇圧を再開し、これを繰返して吐出圧力を昇圧する第3慣らしモードとを有し、前記慣らしパターンの第1周期における駆動トルクに応じて前記第1乃至第3慣らしモードのいずれかを選択的に実行することを特徴とするギヤポンプの慣らし方法(又は装置)。
この構成により、第1周期の駆動トルクによって切削代を検出し、その切削代に応じて適切な慣らしパターンを選択することができるので、良好な切削面を得ると共に効率的に切削を行い、慣らし時間を短縮することができる。
図3に示すように、本実施形態に係るギヤポンプの慣らし方法に用いられる慣らし装置18は、ギヤポンプ1の駆動ギヤ4の軸部7に連結されるモータ11と、モータ11の駆動トルクを検出するトルクセンサ20と、ギヤポンプ1の吸込ポート12に接続されて作動流体を供給するタンク21と、吐出ポート13に接続されて吐出圧力を所定圧力に調整する調圧弁22と、吐出ポート13の吐出圧力を検出する圧力センサ23とを備えている。
上記従来の慣らしの場合と同様、所定の寸法公差で機械加工された各部品を組付けたギヤポンプ1の駆動ギヤ4の軸部7にジョイント11Aによってモータ11を連結し、吸込みポート12にタンク21を接続し、また、吐出ポート13に調圧弁22を接続する。
第1変形例について、図4を参照して説明する。本変形例では、トルクセンサ20によってモータ11の駆動トルクTを監視し、駆動トルクTが予め設定した範囲の基準トルクの上限Tmax及び下限Tminの間になるように調圧弁22によって吐出圧力の昇圧速度を調整する。すなわち、駆動トルクTが基準トルクの上限Tmaxに達したとき、吐出圧力の昇圧速度を小さくし、また、駆動トルクTが基準トルクの下限Tminに達したとき、吐出圧力の昇圧速度を大きくする。これにより、駆動トルクTを常に基準トルクの範囲内に維持することができ、その結果として切削速度が適切な範囲に調整されることになるので、過度の切削、喰い付きを防止して切削面の面粗度の低下を防止することができる。
Claims (16)
- ハウジング内で互いに噛合う歯車を回転させて流体を吐出する外接歯車ポンプを所定の吐出圧力で運転して、前記ハウジングと前記歯車との接触部を切削するギヤポンプの慣らし方法において、
所定の慣らしパターンに従って吐出圧力を周期的に増減させ、前記歯車の駆動トルクを監視し、周期毎の駆動トルクの減少が所定の基準値以下になったとき、慣らしの終了と判定することを特徴とするギヤポンプの慣らし方法。 - 周期毎の駆動トルクのピーク値の減少が所定の基準値以下になったとき、慣らしの終了と判定することを特徴とする請求項1に記載のギヤポンプの慣らし方法。
- 切削が行われる慣らし領域よりも低い吐出圧力における駆動トルクに基づいて慣らしの終了を判定することを特徴とする請求項1に記載のギヤポンプの慣らし方法。
- 前記慣らしパターンは、吐出圧力のピーク値が切削が行われる慣らし領域よりも低い慣らし終了判定周期を有しており、該慣らし終了判定周期における駆動トルクのピーク値に基づいて慣らしの終了を判定することを特徴と請求項2に記載のギヤポンプの慣らし方法。
- 吐出圧力を昇圧する際、駆動トルクが吐出圧力に応じた所定の基準範囲内に収まるように吐出圧力を調整することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のギヤポンプの慣らし方法。
- 吐出圧力を昇圧する際、駆動トルクが吐出圧力に応じた所定範囲の基準トルクの上限に達したとき、昇圧速度を低下させ、下限に達したとき、昇圧速度を増大させるように吐出圧力を調整することを特徴とする請求項5に記載のギヤポンプの慣らし方法。
- 吐出圧力を昇圧する際、駆動トルクが吐出圧力に応じた所定の基準トルクに達したとき、その吐出圧力を保持し、その後、駆動トルクの所定の低下を検知したとき、吐出圧力の昇圧を再開し、これを繰返して吐出圧力を昇圧することを特徴とする請求項5に記載のギヤポンプの慣らし方法。
- 前記慣らしパターンは、一定のパターンに固定された第1慣らしモードと、吐出圧力を昇圧する際、駆動トルクが吐出圧力に応じた所定範囲の基準トルクの上限に達したとき、昇圧速度を低下させ、下限に達したとき、昇圧速度を増大させるように吐出圧力を調整する第2慣らしモードと、吐出圧力を昇圧する際、駆動トルクが吐出圧力に応じた所定の基準トルクに達したとき、その吐出圧力を保持し、その後、駆動トルクの所定の低下を検知したとき、吐出圧力の昇圧を再開し、これを繰返して吐出圧力を昇圧する第3慣らしモードとを有し、前記慣らしパターンの第1周期における駆動トルクに応じて前記第1乃至第3慣らしモードのいずれかを選択的に実行することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のギヤポンプの慣らし方法。
- ハウジング内で互いに噛合う歯車を回転させて流体を吐出する外接歯車ポンプを所定の吐出圧力で運転して前記ハウジングと前記歯車との接触部を切削するギヤポンプの慣らし装置において、
所定の慣らしパターンに従って吐出圧力を周期的に増減させ、前記歯車の駆動トルクを監視し、周期毎の駆動トルクの減少が所定の基準値以下になったとき、慣らしの終了と判定することを特徴とするギヤポンプの慣らし装置。 - 周期毎の駆動トルクのピーク値の減少が所定の基準値以下になったとき、慣らしの終了と判定することを特徴とする請求項9に記載のギヤポンプの慣らし装置。
- 切削が行われる慣らし領域よりも低い吐出圧力における駆動トルクに基づいて慣らしの終了を判定することを特徴とする請求項9に記載のギヤポンプの慣らし装置。
- 前記慣らしパターンは、吐出圧力のピーク値が切削が行われる慣らし領域よりも低い慣らし終了判定周期を有しており、該慣らし終了判定周期における駆動トルクのピーク値に基づいて慣らしの終了を判定することを特徴と請求項10に記載のギヤポンプの慣らし装置。
- 吐出圧力を昇圧する際、駆動トルクが吐出圧力に応じた所定の基準範囲内に収まるように吐出圧力を調整することを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載のギヤポンプの慣らし装置。
- 吐出圧力を昇圧する際、駆動トルクが吐出圧力に応じた所定範囲の基準トルクの上限に達したとき、昇圧速度を低下させ、下限に達したとき、昇圧速度を増大させるように吐出圧力を調整することを特徴とする請求項13に記載のギヤポンプの慣らし装置。
- 吐出圧力を昇圧する際、駆動トルクが吐出圧力に応じた所定の基準トルクに達したとき、その吐出圧力を保持し、その後、駆動トルクの所定の低下を検知したとき、吐出圧力の昇圧を再開し、これを繰返して吐出圧力を昇圧することを特徴とする請求項13に記載のギヤポンプの慣らし装置。
- 前記慣らしパターンは、一定のパターンに固定された第1慣らしモードと、吐出圧力を昇圧する際、駆動トルクが吐出圧力に応じた所定範囲の基準トルクの上限に達したとき、昇圧速度を低下させ、下限に達したとき、昇圧速度を増大させるように吐出圧力を調整する第2慣らしモードと、吐出圧力を昇圧する際、駆動トルクが吐出圧力に応じた所定の基準トルクに達したとき、その吐出圧力を保持し、その後、駆動トルクの所定の低下を検知したとき、吐出圧力の昇圧を再開し、これを繰返して吐出圧力を昇圧する第3慣らしモードとを有し、前記慣らしパターンの第1周期における駆動トルクに応じて前記第1乃至第3慣らしモードのいずれかを選択的に実行することを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載のギヤポンプの慣らし装置。
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