JP2021148131A - 静圧軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸の負荷変動などが生じやすい環境下でも良好な摺動性を確保しながら軸を支持することができ、製造コストを削減することができる静圧軸受を提供する。【解決手段】静圧軸受15は、加振シャフト14を軸受本体150で摺動自在に支持する。軸受本体150の内周面151には、前リセス152〜153及び後リセス154〜155が形成されており、前リセス152〜153及び後リセス154〜155は、荷重F1に対する反力を発生し、前リセス152〜153は、後リセス154〜155に対して上下逆様に配置されている。【選択図】図11

Description

本発明は、荷重が作用する軸を、流体を介して摺動自在に支持する静圧軸受に関する。
従来、静圧軸受として特許文献1に記載されたものが知られている。この静圧軸受は、テーブル送り装置に適用されたものであり、このテーブル送り装置では、テーブルが静圧軸受を介してベースに対して摺動自在に構成されている。この静圧軸受は、上下一対を1組として4組の上下の静圧ポケットと、左右一対を1組として2組の左右の静圧ポケットと、これらの静圧ポケットに流体を供給する可変絞りなどを備えている。
この静圧軸受では、流体が上側の可変絞りを介して上静圧軸受ポケットに供給されると同時に、下側の可変絞りを介して下静圧軸受ポケットに供給される。そして、テーブルに対して下向きの荷重が作用した場合、上側の可変絞りのダイヤフラムが変形することにより、上静圧軸受ポケットとベースとの間隔が狭くならないように、上静圧軸受ポケットへの流体の流量が増大する。それにより、静圧軸受の剛性が確保される。
特開2015−64059号公報
上述した静圧軸受の場合、構造上の理由により、テーブル送り装置のような、極めて高い加工精度が要求され、軸の負荷変動及び軸受隙間の変動量が極めて小さい環境下での使用には適している。しかしながら、加振機のような、軸の負荷変動が生じたり、軸が高速摺動することで軸受隙間の変動が生じたりしやすい環境下での使用には適していないという問題がある。また、高い加工精度及び可変絞りが必要となる関係上、その分、製造コストが上昇してしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、軸の負荷変動などが生じやすい環境下でも良好な摺動性を確保しながら軸を支持することができ、製造コストを削減することができる静圧軸受を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、軸線方向に延びる軸(加振シャフト14)を軸受本体150で摺動自在に支持する静圧軸受15であって、軸受本体150は、軸を間にして互いに対向するように軸受本体150の内周面151に形成され、外部から供給された流体を介して軸を支持する力を発生する第1凹部(上側の前リセス152、一対の前リセス153,153)及び第2凹部(下側の前リセス152)を有しており、第1凹部は、荷重F1が軸の摺動方向以外の所定方向から軸に作用する際に荷重F1に対する反力を発生するとともに、軸との対向面における面積が第2凹部よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする。
この静圧軸受によれば、軸線方向に延びる軸が軸受本体によって摺動自在に支持されており、この軸受本体は、第1凹部及び第2凹部を有している。これらの第1凹部及び第2凹部は、軸を間にして互いに対向するように軸受本体の内周面に形成され、外部から供給された流体を介して軸を支持する力を発生する。したがって、これらの第1凹部及び第2凹部が発生する力によって、軸をその軸線方向に直交する方向から適切に摺動自在に支持することができる。
また、第1凹部は、荷重が軸の摺動方向以外の所定方向から軸に作用する際に荷重に対する反力を発生するとともに、軸との対向面における面積が第2凹部よりも大きくなるように構成されている。したがって、第1凹部の発生する反力を、第2凹部が発生する力よりも大きくすることができ、それにより、荷重が軸に作用した際、第1凹部が発生する反力によって、荷重に起因する軸の変位を適切に抑制することができる。以上のように、軸の負荷変動などが生じやすい環境下でも、良好な摺動性を確保しながら軸を支持することができる。また、加振機のような、高い加工精度が不要となる条件下で使用した場合には、高い加工精度及び可変絞りなどが不要となることで、その分、製造コストを削減することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の静圧軸受15において、軸受本体150は、軸受本体150の内周面151の、第1凹部及び第2凹部に対して軸線方向に離間した位置において軸(加振シャフト14)を間にして互いに対向するように形成され、外部から供給された流体を介して軸を支持する力を発生する第3凹部(下側の後リセス154、一対の後リセス155,155)及び第4凹部(上側の後リセス154)をさらに有しており、第3凹部は、荷重が軸に作用する際に荷重に対する反力を発生し、軸との対向面における面積が第4凹部よりも大きくなるように構成されているとともに、軸を間にして、第1凹部と反対側に配置されていることを特徴とする。
この静圧軸受によれば、軸受本体は、第3凹部及び第4凹部をさらに有している。これらの第3凹部及び第4凹部は、軸受本体の内周面の、第1凹部及び第2凹部に対して軸線方向に離間した位置において軸を間にして互いに対向するように形成されており、外部から供給された流体を介して軸を支持する力を発生する。したがって、これらの第3凹部及び第4凹部が発生する力によって、軸を摺動自在に支持する力をさらに高めることができる。
さらに、第3凹部は、荷重が軸に作用する際に荷重に対する反力を発生し、軸との対向面における面積が第4凹部よりも大きくなるように構成されているとともに、軸を間にして、第1凹部と反対側に配置されている。したがって、荷重が軸に作用した際に、第1凹部及び第3凹部によって、荷重に対する反力を発生することにより、荷重に起因する軸の変位をより一層、抑制することができる。それにより、静圧軸受の剛性を高めることができる。
本発明の一実施形態に係る静圧軸受を備えた加振装置の斜視図である。 前載置板部及び加振機の構成を示す斜視図である。 加振機の構成を示す斜視図である。 加振機の構成を示す平面図である。 図4のC−C線に沿った断面などを示す図である。 加振装置において車両が加振可能に載置された状態を示す図である。 加振時に車輪に作用する押圧力及びその分力成分を示す説明図である。 静圧軸受などの構成を示す平面図である。 図8のD−D線に沿った軸受本体の断面を示す図である。 図8のE−E線に沿った軸受本体の断面を示す図である。 静圧軸受におけるリセスの面積を決定する原理の説明図である。 車輪の荷重が第2ローラに作用していない状態を示す図である。 車輪の荷重が第2ローラに作用している状態を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る静圧軸受について説明する。本実施形態の静圧軸受15(図3参照)は、図1に示す加振装置1に適用されたものであり、まず、この加振装置1について説明する。この加振装置1は、車両を検査するために、車輪を介して車両を加振するものであり、4つの加振機10(図3に1つのみ図示)を備えている。
この加振装置1では、後述するように、4つの加振機10によって、検査対象の車両Vにおける4つの車輪W(図5,6参照)がそれぞれ加振され、それにより、車両Vにおける異音・騒音などの発生の有無などが検査される。なお、以下の説明では、便宜上、図1の矢印A1−A2のA1側を「前」、A2側を「後」といい、矢印B1−B2のB1側を「右」、B2側を「左」といい、上側を「上」、下側を「下」という。
加振装置1は、検査時に車両Vを載置するための載置台2を備えており、この載置台2は、床F(図5,6参照)上に設置されている。この載置台2は、左半部と右半部が面対称に構成されているので、以下、左半部を例にとって説明する。
この載置台2の左半部は、前後方向に延びる載置部4と、この載置部4の前後に設けられた前後のスロープ部3,3とを備えている。前スロープ部3は、その表面が載置部4の前端に連続する平面部と、この平面部に連続して前方に斜め下がりに延びる傾斜面とになっている。
また、後スロープ部3は、その表面が載置部4の後端に連続する平面部と、この平面部に連続して後方に斜め下がりに延びる傾斜面とになっている。車両Vは、検査を開始する際、床面から後スロープ部3を介して載置部4上に移動するとともに、検査の終了後、載置部4から前スロープ部3を介して床面に移動する。
一方、載置部4は、上方から下方に向かって順に、前後の載置板部5,6、天板部7及びベース板部8などを備えている。ベース板部8は、前後方向に延びる平板状のものであり、その前後端部が前後のスロープ部3,3に一体に固定されている。ベース板部8は、床面上に載置され、図示しない固定具(例えばアンカーボルト)を介して、床Fに堅固に固定されている。
天板部7は、前後方向に延びており、ベース板部8と平行に配置されている。また、前載置板部5は、前後方向に延びており、その前端部は、前スロープ部3の平面部に載置されているとともに、その左右両端部には、一対の長孔5a,5aが形成されている。前載置板部5の前端部は、この長孔5aの縁部において、油圧クランプ装置9を介して前スロープ部3に固定されている。
また、前スロープ部3には、左右方向に延びる長孔3aが形成されており、油圧クランプ装置9は、前載置板部5の長孔5aと前スロープ部3の長孔3aに嵌合した状態で、前載置板部5及び前スロープ部3を上下方向から挟持している。それにより、前載置板部5は、前スロープ部3に固定されている。
前載置板部5の中央部には、開口5cが設けられている。この開口5cは、平面視矩形に形成され、前載置板部5を上下方向に貫通している。この開口5cの下方には、加振機10(図3参照)が配置されており、この加振機10の詳細については後述する。
さらに、前載置板部5の後端部及び後載置板部6の前端部には、長孔5b,6bが形成されている。油圧クランプ装置9と同様の油圧クランプ装置9Aが、これらの長孔5b,6bに嵌合した状態で、前載置板部5及び後載置板部6を挟持しており、それにより、前載置板部5及び後載置板部6は油圧クランプ装置9Aによって互いに固定されている。
以上の構成により、前載置板部5及び前スロープ部3が油圧クランプ装置9による固定から解放された状態では、前載置板部5は、長孔3aの長さ分、左右方向に移動可能になることで、前載置板部5は、図1に示す最大幅位置と、図示しない最小幅位置との間で左右方向に移動可能に構成されている。
さらに、油圧クランプ装置9,9Aによる固定が解除されている状態では、前載置板部5は、長孔5a,5bの前後方向の長さ分だけ、前スロープ部3に対して相対的に前後方向に移動可能になっている。具体的には、前載置板部5は、図1に示す最大長さ位置と、図示しない最小長さ位置との間で前後方向に移動可能に構成されている。
一方、後載置板部6の後端部は、その上面が前述した前載置板部5の前端部の上面と同じ高さに配置され、前載置板部5の前端部と面対称に構成されている。すなわち、後載置板部6の後端部は、後スロープ部3の平面部に載置されており、その左右両端部には、一対の長孔6a,6aが形成されている。
また、後スロープ部3にも、左右方向に延びる長孔3aが形成されており、油圧クランプ装置9は、後載置板部6の長孔6aと、後スロープ部3の長孔3aに嵌合した状態で、後載置板部6及び後スロープ部3を上下方向から挟持している。それにより、後載置板部6は、後スロープ部3に固定されている。
さらに、後載置板部6の中央部には、開口6cが設けられている。この開口6cは、平面視矩形に形成され、後載置板部6を上下方向に貫通しているとともに、前載置板部5の前述した開口5cと同じサイズに構成されている。また、この開口6cの下方には、加振機10が配置されている。
以上の構成により、後載置板部6及び後スロープ部3が油圧クランプ装置9による固定から解放された状態では、後載置板部6は、長孔3aの長さ分、左右方向に移動可能になることで、後載置板部6は、図1に示す最大幅位置と、図示しない最小幅位置との間で左右方向に移動可能に構成されている。
さらに、油圧クランプ装置9,9Aによる固定が解除されている状態では、後載置板部6は、長孔6a,6bの前後方向の長さ分だけ、後スロープ部3に対して相対的に前後方向に移動可能になっている。具体的には、後載置板部6は、図1に示す最大長さ位置と、図示しない最小長さ位置との間で前後方向に移動可能に構成されている。
次に、図2〜図7を参照しながら、前述した加振機10について説明する。なお、図2は、理解の容易化のために、天板部7を省略した構成を示している。本実施形態の加振装置1では、前載置板部5の開口5cの下方に配置された加振機10と、後載置板部6の開口6cの下方に配置された加振機10は同様に構成されているので、以下、前載置板部5の開口5cの下方に配置された加振機10を例にとって説明する。
加振機10は、平面視矩形の可動ベース板11上に設けられており、この可動ベース板11は、その底面がベース板部8の上面に面接触した状態で、図示しないマグネットクランプを介して、ベース板部8に固定されている。
また、ベース板部8の上面には、4つの位置変更装置30及び多数のフリーベアリング(図示せず)が設けられている。4つの位置変更装置30は、平面視矩形に配置されており、可動ベース板11は、これらの位置変更装置30に取り囲まれるように設けられている。
各位置変更装置30は、複数の歯付きプーリと、これらのプーリに巻き掛けられた歯付きベルトと、1つの歯付きプーリを駆動するモータ機構などを備えている(いずれも図示せず)。各位置変更装置30の歯付きベルトの両端部は、可動ベース板11の4つの所定部位に連結されている。また、多数のフリーベアリングは、可動ベース板11の下方の位置に配置されている。
以上の構成により、マグネットクランプによる固定が解除された状態では、可動ベース板11は、4つの位置変更装置30におけるプーリの回転動作に伴って、多数のフリーベアリングを転動させながら、ベース板部8上を移動する。すなわち、可動ベース板11は、ベース板部8に対する相対的な位置が変更可能に構成されている。そして、可動ベース板11は、そのように変更された位置において、マグネットクランプを介してベース板部8に固定される。
加振機10は、図3〜5に示すように、油圧アクチュエータ12、加振アーム13、一対のボールジョイント20,20、一対の加振シャフト14,14、一対の静圧軸受15,15、第2ローラ16、第1ローラ17及び通路台18などを備えている。
なお、図5などでは、理解の容易化のために、第2ローラ16及び第1ローラ17の断面部分のハッチングが省略されている。
油圧アクチュエータ12は、油圧シリンダ12a、ピストンロッド12b、ブラケット12c及び油圧制御回路機構12dなどを備えている。油圧シリンダ12aは、ブラケット12cを介して、可動ベース板11及び前載置板部5に固定され、支持されている。
この油圧シリンダ12aには、油圧制御回路機構12dが接続されている。この油圧制御回路機構12dからの油圧が供給されることにより、油圧シリンダ12aは、ピストンロッド12bを前後方向に駆動する。
この油圧制御回路機構12dは、電磁スプール弁機構及び油圧回路などを組み合わせたものであり、コントローラ40(図4参照)に電気的に接続されている。油圧制御回路機構12dでは、コントローラ40によって電磁スプール弁機構が制御されることにより、油圧シリンダ12aに供給する油圧が制御される。それにより、ピストンロッド12bの移動状態及び往復動状態が制御されることで、第2ローラ16の動作状態が制御される。
このコントローラ40は、CPU、RAM、ROM及びI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などからなるマイクロコンピュータで構成されており、加振制御処理を実行する。
この加振制御処理では、コントローラ40によって、油圧制御回路機構12dから油圧シリンダ12aに供給される油圧が制御されることで、第2ローラ16による車輪Wの加振状態が制御される。それにより、車両Vが車輪Wを介して加振されることによって、車両Vにおける異音・騒音などの発生の有無などが検査される。
油圧アクチュエータ12のピストンロッド12bの先端部には、加振アーム13が連結されており、それにより、加振アーム13は、ピストンロッド12bを介して前後方向に駆動/加振されるように構成されている。
加振アーム13の左右両端部は、ボールジョイント20,20を介して、加振シャフト14,14の前端部にそれぞれ連結されている。これらの加振シャフト14,14は、左右方向に間隔を存して配置され、互いに平行に前後方向に所定長さで延びている。なお、本実施形態では、加振シャフト14が軸に相当する。加振シャフト14,14は、断面円形の棒状の部材であり、静圧軸受15,15によって前後方向に摺動自在に支持されている。この静圧軸受15の詳細な構成については後述する。
また、加振シャフト14,14の後端部には、軸受16a,16aがそれぞれ設けられている。第2ローラ16は、可動ベース板11の上面から所定高さの位置で左右方向に延び、その両端部がこれらの軸受16a,16aによってそれぞれ支持されている。
以上の構成により、第2ローラ16は、油圧アクチュエータ12によって、加振位置(例えば、図5に示す位置)と押出位置(図示せず)との間で少なくも駆動されるようになっている。さらに、油圧アクチュエータ12が発生した前後方向の振動は、加振アーム13及び加振シャフト14,14を介して、第2ローラ16に入力される。
この第2ローラ16には、図示しない駆動機構が内蔵されており、車輪Wの加振時には第2ローラ16は、これが車輪Wに対して回転抵抗とならないように、駆動機構によって回転駆動されたり、自由回転したりするように構成されている。
一方、第2ローラ16の後方には、第1ローラ17が、第2ローラ16に対向するとともに、互いに平行に設けられている。第1ローラ17の左右両端部は、一対の軸受17a,17aによって支持されており、これらの軸受17a,17aは、可動ベース板11上に固定されている。この第1ローラ17は、車輪Wの加振時に、第1ローラ17が車輪Wに対して回転抵抗とならない方向に回転するように構成されている。
さらに、前述した通路台18は、可動ベース板11上の静圧軸受15,15の間に配置され、油圧アクチュエータ(図示せず)が内蔵されている。通路台18は、この油圧アクチュエータによって、待避位置(例えば、図5に示す位置)と、押出位置にある状態の第2ローラ16に当接する当接位置(図示せず)との間で少なくとも前後方向に駆動される。
通路台18が当接位置まで移動し、押出位置にある第2ローラ16に当接した場合、通路台18によって第2ローラ16が回転不能に保持される。これは、加振動作の終了後、車両Vの車輪Wが第2ローラ16を乗り越えながら前方に移動する際、第2ローラ16を回転停止状態に保持することで、車輪Wの駆動力が第2ローラ16に伝達され、車輪Wが前方に移動しやすくするためである。
以上のように、載置台2の左半部は構成されており、載置台2の右半部も同様に構成されている。
次に、以上のように構成された加振装置1において、車両Vを検査する際の動作について説明する。まず、油圧クランプ装置9,9A及びマグネットクランプを緩め、2枚の前載置板部5、2枚の後載置板部6及び4つの可動ベース板11を移動可能な状態に設定する。
次いで、4つの可動ベース板11を、4つの位置変更装置30によって検査対象の車両Vのホイールベース及びトレッドに対応する位置にそれぞれ移動させた後、マグネットクランプによってベース板部8に固定する。可動ベース板11の移動に伴い、可動ベース板11と同時に、2枚の前載置板部5及び2枚の後載置板部6がホイールベース及びトレッドに対応する位置に移動する。そして、その位置で、これらの前載置板部5及び後載置板部6を、油圧クランプ装置9Aを介して互いに固定すると同時に、油圧クランプ装置9,9を介して前後のスロープ部3,3に固定する。
次いで、各加振機10における油圧アクチュエータ12を駆動し、第1ローラ17及び第2ローラ16の間隔を、検査対象の車両Vの車輪Wのサイズに合わせた値に設定する。以上により、検査のための準備動作が終了する。
次に、車両Vを後スロープ部3から載置台2に乗り上げるように移動させ、図6に示すように、4つの車輪Wが、前載置板部5の開口5c及び後載置板部6の開口6cに嵌まり込んで下方に移動し、第1ローラ17及び第2ローラ16によって前後方向から挟持された状態にする。
この状態で、コントローラ40によって加振制御処理が実行されることにより、油圧アクチュエータ12によって第2ローラ16が前後方向に加振され、それに伴って、車輪Wが加振される。この加振中、第2ローラ16の押圧力Foが車輪Wに作用した際、図7に示すように、押圧力Foの2つの分力成分Fx,Fyが車輪Wに作用することになる。すなわち、第2ローラ16を前後方向に加振することによって、車輪Wは、前後方向及び上下方向に同時に加振されることになる。
さらに、第2ローラ16は、上述した加振制御処理では、複数の周期関数の態様の加振入力によって加振されるように構成されており、それにより、左右の車輪W,Wをそれぞれ加振する2つの加振機10,10の間において、第2ローラ16への加振入力の位相を互いにずらすことによって、車輪Wは左右方向にも加振されることになる。以上のように、本実施形態の加振装置1の場合、前後方向をx軸方向とし、上下方向をy軸とし、左右方向をz軸として、車輪Wを3次元方向に加振可能に構成されている。
次に、図8〜10を参照しながら、前述した静圧軸受15の構成について説明する。なお、図9及び図10においては、理解の容易化のために断面部分のハッチングが省略され、下記の回路部材156の断面が省略されているとともに、加振シャフト14が2点鎖線で示されている。
この静圧軸受15は、軸受本体150及び回路部材156を有しており、この軸受本体150は、軸線方向に見て断面矩形に形成され、前後方向に延びている。軸受本体150には、その中心を前後方向に貫通するように、断面円形の内孔が形成されており、この内孔の内周面151は、加振シャフト14の外径よりも若干、大径に構成されている。なお、本実施形態では、加振シャフト14が軸に相当し、内周面151が軸との対向面に相当する。
この軸受本体150の内周面151の、下記の前リセス152〜153及び後リセス154〜155以外の部分が静圧軸受15のランドを構成しており、この内周面151と加振シャフト14との間が軸受すきまを構成している。
さらに、図9に示すように、軸受本体150の内周面151の前側には、上下一対の前リセス152,152と、左右一対の前リセス153,153とが設けられている。これら4つの前リセス152〜153は、互いに前後方向に同じ長さを有しており、前後方向の同じ位置で周方向に並ぶように配置されている。
上側の前リセス152は、軸受本体150の内周面151の最上位の部位に配置され、下側の前リセス152は、上側の前リセス152と対向するように、内周面151の最下位の部位に配置されている。これらの前リセス152,152は、軸線方向に見て断面円弧状に形成され、内周面151における表面積(軸受有効面積)が互いに同一に設定されている。
また、左右一対の前リセス153,153は、上側の前リセス152を間にして、その左右両側の周方向に離間した位置に左右対称に配置されている。これらの前リセス153,153は、軸線方向に見て断面円弧状に形成され、内周面151における表面積が互いに同一に設定されている。さらに、以上の4つの前リセス152〜153の表面積は、後述するような値に設定されている。なお、本実施形態では、上側の前リセス152及び一対の前リセス153,153が第1凹部に相当し、下側の前リセス152が第2凹部に相当する。
加振機10の動作時には、図9の矢印Y1,Y2に示すように、図示しない油圧回路からの潤滑油が回路部材156内の油路(図示せず)を介して前リセス152,152内に流れ込む。その後、前リセス152,152内に流入した潤滑油は、回路部材156内のリターン路(図示せず)を介して、油圧回路側に戻される。
さらに、加振機10の動作時には、図9の矢印Y3,Y4に示すように、油圧回路からの潤滑油が回路部材156内の油路を介して前リセス153,153に流れ込む。その後、前リセス153,153内に流入した潤滑油は、回路部材156内のリターン路を介して、油圧回路側に戻される。
また、図10に示すように、軸受本体150の内周面151の後ろ側には、上下一対の後リセス154,154と、左右一対の後リセス155,155とが設けられている。
これら4つの後リセス154〜155は、前述した4つの前リセス152〜153の上下方向を逆様にした状態で配置されているとともに、軸受本体150の前後方向の中心点を挟んで、4つの前リセス152〜153に対して点対称に配置されている。
また、上側の後リセス154と下側の後リセス154は、内周面151における表面積が互いに同一に設定され、一対の後リセス155,155は、内周面151における表面積が互いに同一に設定されている。さらに、以上の4つの後リセス154〜155の表面積は、後述するような値に設定されている。なお、本実施形態では、下側の後リセス154及び一対の後リセス155,155が第3凹部に相当し、上側の後リセス154が第4凹部に相当する。
加振機10の動作時には、図10の矢印Y5,Y6に示すように、図示しない油圧回路からの潤滑油が回路部材156内の油路を介して後リセス154,154内に流れ込む。その後、後リセス154,154内に流入した潤滑油は、回路部材156内のリターン路を介して、油圧回路側に戻される。
上記と同様に、加振機10の動作時には、図10の矢印Y7,Y8に示すように、図示しない油圧回路からの潤滑油が回路部材156内の油路を介して後リセス155,155内に流れ込む。その後、後リセス155,155内に流入した潤滑油は、回路部材156内のリターン路を介して、油圧回路側に戻される。
次に、図11を参照しながら、静圧軸受15における前リセス152〜153及び後リセス154〜155の表面積(軸受有効面積)の設定原理について説明する。同図に示すように、例えば、車輪Wからの荷重F1が第2ローラ16に作用し、この荷重F1に起因して、力F2a及び力F2bが静圧軸受15に作用した場合、加振シャフト14を支持するために、後リセス154〜155は、力F2aと釣り合う反力を発生し、前リセス152〜153は、力F2bと釣り合う反力を発生する必要がある。
この場合、後リセス154〜155の前後方向の中心と、第2ローラ16の中心との間の距離をL1とし、後リセス154〜155の前後方向の中心と前リセス152〜153の前後方向の中心の間の距離をL2として、加振シャフト14などの重さを無視した場合、モーメントの釣り合いの原理及び力の釣り合いの原理により、下式(1),(2)が成立する。
F1・L1=F2b・L2 …… (1)
F2a=F1+F2b …… (2)
すなわち、加振シャフト14などの重さを無視した場合、上記の荷重F1を適切な値(例えば、最重量の車両Vから受ける荷重に対して余裕のある値)に設定し、前リセス152〜153の表面積を上式(1),(2)を満たすような力F2bと同等の反力を発生できる値に設定するとともに、後リセス154〜155の表面積を、上式(1),(2)を満たすような力F2aと同等以上の反力を発生できる値に設定すればよいことになる。
以上の理由により、本実施形態の静圧軸受15では、加振シャフト14の重さなどを考慮した上で、上記の条件式(1),(2)を満たす力F2a,F2bと同等以上の反力を発生できるように、前リセス152〜153及び後リセス154〜155の表面積が設定されている。
また、潤滑油が静圧軸受15に供給されている場合、一対の前リセス152,152の発生する力は釣り合うものの、一対の前リセス153,153が発生する力によって、加振シャフト14は下方に押圧されることになる。これと同様に、一対の後リセス154,154の発生する力は釣り合うものの、一対の後リセス155,155が発生する力によって、加振シャフト14は上方に押圧されることになる。
その結果、図12に示すように、潤滑油が静圧軸受15に供給されている場合において、第2ローラ16に対して車輪Wの荷重が作用していない状態では、第2ローラ16及び加振シャフト14は、静圧軸受15によって斜め後ろ上がりの姿勢に保持される。なお、図12及び後述する図13においては、理解の容易化のために、加振シャフト14の斜めの姿勢が実際よりも強調されて表示されている。
そして、図13に示すように、加振動作中、第2ローラ16に対して車輪Wの荷重が作用している場合には、第2ローラ16及び加振シャフト14は、静圧軸受15によって図12の姿勢よりも水平に近い姿勢で支持される状態となる。
以上のように、本実施形態の静圧軸受15によれば、4つの前リセス152〜153及び4つの後リセス154〜155が、軸受本体150の内周面151に設けられている。これらの前リセス152〜153及び後リセス154〜155の表面積は、前述したように、加振シャフト14の重さなどを考慮し、荷重F1を適切な値に設定した上で、前述した条件式(1),(2)を満たす力F2a,F2bと同等以上の反力を発生できるような値に設定されている。
したがって、加振機10の動作中、荷重が車輪Wから第2ローラ16に作用している条件下において、前リセス152〜153及び後リセス154〜155により、加振シャフト14を高い剛性を確保しながら摺動自在に上下方向から支持することができる。
これに加えて、前述した前リセス152〜153及び後リセス154〜155の配置により、4つの前リセス152〜153から加振シャフト14に作用する力は、2つの前リセス153,153の分だけ、下向きに作用する。さらに、4つの後リセス154〜155から加振シャフト14に対して作用する力は、2つの後リセス155,155の分だけ、上向きに作用することになる。それにより、前述した反力を適切に発生することができる。
以上のように、本実施形態の静圧軸受15によれば、高い剛性を確保することができ、加振機10の加振シャフト14のような、加振シャフト14に作用する荷重が変動したり、加振シャフト14が比較的、高速で摺動したりする条件下でも、加振シャフト14を摺動自在に適切に支持することができる。また、特許文献1の静圧軸受と異なり、極めて高い加工精度及び可変絞りなどが不要となることで、その分、製造コストを削減することができる。
なお、実施形態は、静圧軸受に供給する流体として、潤滑油を用いた例であるが、これに代えて、空気及びガスなどの圧縮性流体と見なせる流体を用いてもよく、潤滑油以外の液体などの非圧縮性流体と見なせる流体を用いてもよい。
また、実施形態は、第1凹部として、上側の前リセス152及び左右一対の前リセス153,153を用いた例であるが、本発明の第1凹部は、これらに限らず、軸との対向面における面積が第2凹部よりも大きくなるように構成されているものであればよい。例えば、第1凹部として、1〜2個のリセス又は4個以上のリセスを用いてもよい。
さらに、実施形態は、第3凹部として、下側の後リセス154及び左右一対の後リセス1555,155を用いた例であるが、本発明の第3凹部は、これらに限らず、軸との対向面における面積が第4凹部よりも大きくなるように構成されているものであればよい。例えば、第3凹部として、1〜2個のリセス又は4個以上のリセスを用いてもよい。
一方、実施形態は、軸として、断面円形の加振シャフト14を用いた例であるが、これに代えて、矩形及び六角形などの多角形断面の軸を用いてもよく、その場合には、静圧軸受15の内周面を軸と同様の多角形断面に構成すればよい。
また、実施形態は、荷重が所定方向としての上方から軸に作用するように構成した例であるが、本発明の所定方向は、これに限らず、軸の摺動方向以外の方向であればよい。例えば、荷重が所定方向としての左右方向(横方向)から軸に作用するように構成してもよい。
その場合には、例えば、静圧軸受15において、一対の前リセス152,152を、軸受本体150の内周面151の左右の位置に互いに対向するように配置し、前リセス153,153を、前リセス152,152の一方を間にして、その上下両側の周方向に離間した位置に上下対称に配置すればよい。さらに、4つの後リセス154〜155を、前リセス152〜153に対して、左右を逆様にした状態で配置すればよい。
さらに、実施形態は、静圧軸受15が4つの前リセス152〜153及び4つの後リセス154〜155を備えるように構成した例であるが、4つの前リセス152〜153及び4つの後リセス154〜155の一方を備えるように構成してもよい。
14 加振シャフト(軸)
15 静圧軸受
150 軸受本体
151 内周面
152 上側の前リセス(第1凹部)
152 下側の前リセス(第2凹部)
153 前リセス(第1凹部)
154 下側の後リセス(第3凹部)
154 上側の後リセス(第4凹部)
155 後リセス(第3凹部)
F1 荷重

Claims (2)

  1. 軸線方向に延びる軸を軸受本体で摺動自在に支持する静圧軸受であって、
    前記軸受本体は、前記軸を間にして互いに対向するように前記軸受本体の内周面に形成され、外部から供給された流体を介して前記軸を支持する力を発生する第1凹部及び第2凹部を有しており、
    当該第1凹部は、荷重が前記軸の摺動方向以外の所定方向から当該軸に作用する際に当該荷重に対する反力を発生するとともに、前記軸との対向面における面積が前記第2凹部よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする静圧軸受。
  2. 請求項1に記載の静圧軸受において、
    前記軸受本体は、前記軸受本体の前記内周面の、前記第1凹部及び前記第2凹部に対して軸線方向に離間した位置において前記軸を間にして互いに対向するように形成され、前記外部から供給された前記流体を介して前記軸を支持する力を発生する第3凹部及び第4凹部をさらに有しており、
    当該第3凹部は、前記荷重が前記軸に作用する際に前記荷重に対する反力を発生し、前記軸との対向面における面積が前記第4凹部よりも大きくなるように構成されているとともに、前記軸を間にして、前記第1凹部と反対側に配置されていることを特徴とする静圧軸受。
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