JP7365888B2 - ゴム組成物、該ゴム組成物の加硫成形体 - Google Patents

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Description

クロロプレン系ゴムは、機械特性や耐オゾン性、耐薬品性に優れており、その特性を活かして自動車部品、接着剤、各種工業用ゴム部品など広範囲な分野に用いられている。また、近年、シリカフィラーを用いた工業用ゴム部品に要求される性能が著しく高まっており、生産性に大きな影響を与える加工安全性や加硫速度の向上とともに、耐圧縮永久ひずみ性や低発熱性、耐摩耗性といった機械特性についても向上を求められている。
ゴムの加工安全性を向上させる技術としては、特許文献1に記載されるようにクロロプレンゴム100質量部に対し、アルキル基の炭素数が3~12であるジアルキルチオウレアを1~5質量部、分子中にチオカルボニル基又はチオール基に直接結合する第2級アミノ基を有しないチアゾール系スコーチ防止剤を0.1~3質量部、及び金属酸化物を含有するクロロプレンゴム組成物が知られている。
ゴムの加硫速度を向上させる技術としては、特許文献2に記載されるようにジエン系ゴム100質量部に対し、シリカフィラーの含有量が20~100質量部であり、没食子酸及び/又は没食子酸水和物の含有量が、上記シリカフィラー100質量部に対して0.001~20質量部と、を含有するゴム組成物が知られている。
また、ゴムの耐圧縮永久ひずみ性を向上させる技術としては、特許文献3に記載されるように、クロロプレンゴム及び天然ゴム:合計で100質量部と、スチレンとブタジエンとの共重合体:0.1~10質量部と、エチレンチオウレア:0.1~3.0質量部と、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド:0.1~3.0質量部と、を含有するゴム組成物が知られている。
ゴムの発熱性及び耐摩耗性を向上させる技術としては、特許文献4に記載されるように、求核反応性を有する役ジエン系重合体の該活性末端に、特定のシラン化合物及び/又はその部分縮合物から選択された変性剤を反応させる変性反応により得られた変性共役ジエン系共重合体(A)と、分子鎖末端が特定の構造を有する変性共役ジエン系重合体(b-1)及び変性共役ジエン系重合体(b-2)並びにシス-1,4結合含量が90%以上及びビニル結合含量が1.2%以下で且つ第一アミノ基を有する変性共役ジエン系重合体(b-3)から選ばれる少なくとも1種の変性共役ジエン系重合体(B)とを含むゴム成分、及びカ-ボンブラックを含む充填剤を含有するゴム組成物が知られている。
特開2014-185197号公報 特開2012-97203号広報 特開2012-111899号公報 特開2010-241982公報
しかしながら、シリカフィラーは自己凝集によりムーニー粘度の上昇を引き起こし、スコーチによって加工性が低下し十分な物性が得られないなどの課題がある。また、通常クロロプレン系ゴムに使用されるチオウレア系化合物はシリカフィラーによる加硫阻害を受けるため、加硫速度の低下や耐圧縮永久ひずみ性、動的環境下における低発熱性、耐摩耗性といった物性が低下してしまう傾向があり、前述にある特許文献1~特許文献4に記載される技術だけでは、シリカフィラー配合時における耐スコーチ性や加硫速度、耐圧縮永久ひずみ性、低発熱性、耐摩耗性といった物性の向上を満たすことができないのが現状である。
本発明は、シリカフィラーを含有し、耐スコーチ性に優れるとともに加硫速度が速く、耐圧縮永久ひずみ性、低発熱性及び耐摩耗性に優れた加硫成形体が得られるゴム組成物、その加硫成形体を提供することを主目的とする。
本発明者らは、かかる課題を解決するために鋭意研究を行った結果、加硫剤としてはスコーチの原因ともなるシリカフィラーと反応性の高いチオウレア系化合物と比較して反応性の低いマレイミド化合物を有力な候補とした。そして、クロロプレン系ゴムに対し、特定の添加量と比率で、マレイミド化合物と加硫助剤としての有機過酸化物を加えることで、シリカフィラーによる加硫阻害の影響を抑え、かつ、耐スコーチ性を高められることを見出した。また、加硫阻害の影響を抑えられることで、加硫密度の向上などにより物性の向上も認められ上記課題のいずれをも解決できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、クロロプレン系ゴム100質量部と、シリカフィラー20~80質量部と、マレイミド化合物0.5~4質量部と、有機過酸化物0.1~3質量部と、を有するゴム組成物である。
ゴム組成物は、マレイミド化合物量100質量部に対し有機過酸化物を15~300質量部含有するものが好ましく、クロロプレン系ゴムは、2-クロロ-1,3-ブタジエンの単独重合体、又は、2,3-ジクロロ-1,3-ブタジエン及びアクリロニトリルから選ばれる少なくとも1種の単量体と2-クロロ-1,3-ブタジエンとの共重合体であることが好ましい。
さらに、ゴム組成物は、シリカフィラー100質量部に対しシランカップリング剤を0.5~10質量部含有するものが好ましく、シランカップリング剤としては、ビニル系シランカップリング剤、アミノ系カップリング剤、エポキシ系カップリング剤、メタクリル系カップリング剤、メルカプト系カップリング剤及びポリスルフィド系カップリング剤から選ばれる少なくとも1種であるものが好ましい。
さらに、ゴム組成物は、シリカフィラー100質量部に対しシリル化剤を1~20質量部含有するものが好ましい。
本発明に係るゴム組成物は、成形後又は成形時に加硫して加硫成形体とすることができる。
加硫成形体は、その100質量部中に未反応のマレイミド化合物を0.01~2質量部含有することが好ましい。加硫成形体は、自動車用シール材、ホース材、ゴム型物、ガスケット、ゴムロールなどに好適に使用することができる。
本発明によれば、耐スコーチ性に優れるとともに加硫速度が速く、耐圧縮永久ひずみ性、低発熱性及び耐摩耗性に優れた加硫成形体が得られるゴム組成物、その加硫成形体を得ることができる。
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
ゴム組成物は、(1)クロロプレン系ゴム100質量部と、(2)シリカフィラー20~80質量部と、(3)マレイミド化合物0.5~4質量部と、(4)有機過酸化物0.1~3質量部と、を有するものである。
以下、各成分について説明する。
(1)クロロプレン系ゴム
クロロプレン系ゴムは、クロロプレン重合体を主成分とするものである。クロロプレン重合体は、2-クロロ-1,3-ブタジエン(以下、クロロプレンと記す。)の単独重合体、又は、クロロプレンと共重合可能な他の単量体とクロロプレンとの共重合体及びこれら重合体の混合物である。ここで、クロロプレンと共重合可能な他の単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシルなどのアクリル酸のエステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシルなどのメタクリル酸のエステル類、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ(メタ)アクリレート類、2,3-ジクロロ-1,3-ブタジエン、1-クロロ-1,3-ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、エチレン、スチレン、アクリロニトリルなどがある。
クロロプレン系ゴムとして、クロロプレンと共重合可能な他の単量体とクロロプレンとの共重合体を用いる場合は、他の単量体の共重合量をクロロプレン100質量部に対して、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下とするとよい。他の単量体の共重合量をこの範囲に調整することで、得られるゴム組成物の特性を損なわずに、これら単量体を共重合させたことによる効果を発現することができる。
クロロプレンと共重合する他の単量体は、1種類に限定されるものではなく、例えばクロロプレンを含む3種以上の単量体を共重合したものでもよい。また、重合体のポリマー構造も、特に限定されるものではない。
[クロロプレン系ゴムの製造方法]
クロロプレン系ゴムは、ロジンなどを乳化分散剤として用いて、重合反応の触媒、重合開始剤、連鎖移動剤などの存在下で、クロロプレンを主成分とする原料単量体を乳化重合することにより得られる。
重合反応の触媒としては、例えば、硫酸カリウムなどの無機過酸化物、ケトンパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類などの有機過酸化物がある。触媒活性化剤としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、酸化鉄(II)、アントラキノン、β-スルフォン酸ナトリウム、フォルムアミジンスルフォン酸、L-アスコルビン酸などがある。
重合開始剤としては特に制限はなく、クロロプレン単量体の乳化重合に一般に用いられる公知の重合開始剤、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、t-ブチルハイドロパーオキサイドなどが用いられる。
連鎖移動剤も、特に限定されるものではなく、通常のクロロプレンの乳化重合に使用されるものを使用することができる。具体的には、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、n-オクチルメルカプタンなどの長鎖アルキルメルカプタン類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドやジエチルキサントゲンジスルフィドなどのキサントゲン化合物、ヨードホルム、ベンジル1-ピロールジチオカルバメート(別名ベンジル1-ピロールカルボジチオエート)、ベンジルフェニルカルボジチオエート、1-ベンジル-N,Nジメチル-4-アミノジチオベンゾエート、1-ベンジル-4-メトキシジチオベンゾエート、1-フェニルエチルイミダゾールジチオカルバメート(別名1-フェニルエチルイミダゾールカルボジチオエート)、ベンジル-1-(2-ピロリジノン)ジチオカルバメート(別名ベンジル-1-(2-ピロリジノン)カルボジチオエート)、ベンジルフタルイミジルジチオカルバメート(別名ベンジルフタルイミジルカルボジチオエート)、2-シアノプロプ-2-イル-1-ピロールジチオカルバメート(別名2-シアノプロプ-2-イル-1-ピロールカルボジチオエート)、2-シアノブト-2-イル-1-ピロールジチオカルバメート(別名2-シアノブト-2-イル-1-ピロールカルボジチオエート)、ベンジル-1-イミダゾールジチオカルバメート(別名ベンジル-1-イミダゾールカルボジチオエート)、2-シアノプロプ-2-イル-N,N-ジメチルジチオカルバメート、ベンジル-N,N-ジエチルジチオカルバメート、シアノメチル-1-(2-ピロリドン)ジチオカルバメート、2-(エトキシカルボニルベンジル)プロプ-2-イル-N,N-ジエチルジチオカルバメート、1-フェニルエチルジチオベンゾエート、2-フェニルプロプ-2-イルジチオベンゾエート、1-酢酸-1-イル-エチルジチオベンゾエート、1-(4-メトキシフェニル)エチルジチオベンゾエート、ベンジルジチオアセテート、エトキシカルボニルメチルジチオアセタート、2-(エトキシカルボニル)プロプ-2-イルジチオベンゾエート、2-シアノプロプ-2-イルジチオベンゾエート、t-ブチルジチオベンゾエート、2,4,4-トリメチルペンタ-2-イルジチオベンゾエート、2-(4-クロロフェニル)-プロプ-2-イルジチオベンゾエート、3-ビニルベンジルジチオベンゾエート、4-ビニルベンジルジチオベンゾエート、ベンジルジエトキシホスフィニルジチオフォルマート、t-ブチルトリチオペルベンゾエート、2-フェニルプロプ-2-イル-4-クロロジチオベンゾエート、ナフタレン-1-カルボン酸-1-メチル-1-フェニル-エチルエステル、4-シアノ-4-メチル-4-チオベンジルスルファニル酪酸、ジベンジルテトラチオテレフタラート、カルボキシメチルジチオベンゾエート、ジチオベンゾエート末端基を持つポリ(酸化エチレン)、4-シアノ-4-メチル-4-チオベンジルスルファニル酪酸末端基を持つポリ(酸化エチレン)、2-[(2-フェニルエタンチオイル)スルファニル]プロパン酸、2-[(2-フェニルエタンチオイル)スルファニル]コハク酸、3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-カルボジチオエートカリウム、シアノメチル-3,5-ジメチル-1Hピラゾール-1-カルボジチオエート、シアノメチルメチル-(フェニル)ジチオカルバメート、ベンジル-4-クロロジチオベンゾエート、フェニルメチル-4-クロロジチオベンゾエート、4-ニトロベンジル-4-クロロジチオベンゾエート、フェニルプロプ-2-イル-4-クロロジチオベンゾエート、1-シアノ-1-メチルエチル-4-クロロジチオベンゾエート、3-クロロ-2-ブテニル-4-クロロジチオベンゾエート、2-クロロ-2-ブテニルジチオベンゾエート、ベンジルジチオアセテート、3-クロロ-2-ブテニル-1Hピロール-1-ジチオカルボン酸、2-シアノブタン-2-イル-4-クロロ-3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-カルボジチオエート、シアノメチルメチル(フェニル)カルバモジチオエート、2-シアノ-2-プロピルドデシルトリチオカルボナート、ジベンジルトリチオカルボナート、ブチルベンジルトリチオカルボナート、2-[[(ブチルチオ)チオキソメチル]チオ]プロピオン酸、2-[[(ドデシルチオ)チオキソメチル]チオ]プロピオン酸、2-[[(ブチルチオ)チオキソメチル]チオ]コハク酸、2-[[(ドデシルチオ)チオキソメチル]チオ]コハク酸、2-[[(ドデシルチオ)チオキソメチル]チオ]-2-メチルプロピオン酸、2,2′-[カルボノチオイルビス(チオ)]ビス[2-メチルプロピオン酸]、2-アミノ-1-メチル-2-オキソエチルブチルトリチオカルボナート、ベンジル-2-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-1-メチル-2-オキソエチルトリチオカルボナート、3-[[[(t-ブチル)チオ]チオキソメチル]チオ]プロピオン酸、シアノメチルドデシルトリチオカルボナート、ジエチルアミノベンジルトリチオカルボナート、ジブチルアミノベンジルトリチオカルボナートなどのチオカルボニル化合物などが好適に用いられる。
クロロプレンを主成分とする原料単量体の重合温度は、特に限定されるものではなく、一般に乳化重合が行われる0~50℃、好ましくは20~50℃の範囲とすることができる。また、最終重合率は、特に限定するものではないが、30~100%の範囲内で任意に調節することが好ましい。最終転化率を調整するためには、所望する転化率になった時に、重合反応を停止させる重合停止剤を添加して重合を停止させればよい。
重合停止剤は、特に限定されるものではなく、通常用いられているものを使用することができる。具体的には、チオジフェニルアミン、4-ターシャリーブチルカテコール、2,2-メチレンビス-4-メチル-6-ターシャリーブチルフェノールなどがある。
次に、上述の重合により得られた重合液から、未反応単量体の除去を行う。その方法は、特に限定されるものではなく、例えば、スチームストリッピング法がある。その後、pHを調整し、常法の凍結凝固、水洗、熱風乾燥などの工程を経てクロロプレン系ゴムが得られる。
(2)シリカフィラー
シリカフィラーは、充填剤としてゴム組成物に添加するものであり、特に制限するものではないが、例えば、湿式シリカフィラー(含水ケイ酸)、乾式シリカフィラー(無水ケイ酸)、コロイダルシリカフィラーを使用することができる。本発明のゴム組成物では、特に湿式シリカフィラーの使用が好ましい。
またシリカフィラーとしては、加工性や得られる物性の観点からBET比表面積が50~400m/g、特に200~250m/gであるものを用いるのが好ましい。BET比表面積は、例えば柴田化学器械工業(株)製の迅速表面積測定装置SA-1000等を使用して、吸着気体として窒素ガスを用いる気相吸着法で測定した値でもって表すこととする。シリカフィラーとしては、例えば東ソー・シリカフィラー(株)製のNipSil(ニップシール)AQ等がある。
シリカフィラーの添加量は、クロロプレン系ゴム100質量部に対し、20~80質量部であり、好ましくは30~70質量部、さらに好ましくは40~60質量部である。シリカフィラーの添加量が20質量部に満たないと、補強効果が乏しく耐摩耗性が低下してしまう。また、シリカフィラーの添加量が80質量部を超えると、シリカフィラーの自己凝集効果が大きくなり、スコーチを引き起こす。また、加硫阻害効果も大きくなってしまうため低発熱性も損なわれる。
(3)マレイミド化合物
マレイミド化合物は、加硫剤としてゴム組成物に添加するものであり、特に制限するものではないが、例えば、N,N’-o-フェニレンビスマレイミド、N,N’-m-フェニレンビスマレイミド、N,N’-p-フェニレンビスマレイミド、N,N’-(4,4’-ジフェニルメタン)ビスマレイミド、2,2-ビス-[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、ビスフェノール A ジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3’-ジメチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、4-メチル-1,3-フェニレンビスマレイミド、1,6’-ビスマレイミド-(2,2,4-トリメチル)ヘキサンがある。本発明のゴム組成物では、特にN,N’-m-フェニレンビスマレイミドを用いるとよい。
マレイミド化合物の添加量は、クロロプレン系ゴム100質量部に対して0.5~4質量部であり、好ましくは1~3質量部、さらに好ましくは1.5~2.5質量部である。マレイミド化合物の添加量が0.5質量部に満たないと、得られるゴム組成物の加硫速度の低下を引き起こす。また、マレイミド化合物の添加量が4質量部を超えてしまうと、耐圧縮永久ひずみ性や低発熱性が損なわれる。
本発明のゴム組成物には、これらマレイミド化合物の他に、クロロプレン系ゴムの加硫に一般に用いられる、チオウレア系、グアニジン系、チウラム系、チアゾール系の加硫促進剤を併用してもよい。チオウレア系の加硫促進剤としては、エチレンチオウレア、ジエチルチオウレア、トリメチルチオウレア、トリエチルチオウレア、N,N’-ジフェニルチオウレアなどがあり、特に、トリメチルチオウレアやエチレンチオウレアが好ましい。また、ジメチルアンモニウムハイドロジェンイソフタレートあるいは1,2-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール誘導体などの加硫促進剤も使用することができる。
(4)有機過酸化物
有機過酸化物は、加硫助剤としてゴム組成物に添加するものであり、特に制限するものではないが、例えば、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、ジイソブチリルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-sec-ブチルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ジ(4-t-ブチルシクロへキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t-ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t-ヘキシルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシピバレート、ジ(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジコハク酸パーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジ(4-メチルベンゾイル)パーオキサイド、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジ(3-メチルベンゾイル)パーオキサイド、ベンゾイル(3-メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)-2-メチルシクロヘキサン、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ジ(4,4-ジ-(t-ブチルパーオキシ)シクロへキシル)プロパン、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシマレイン酸、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシラウレート、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルモノカーボネート、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5-ジ-メチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシアセテート、2,2-ジ-(t-ブチルパーオキシ)ブタン、t-ブチルパーオキシベンゾエート、n-ブチル4,4-ジ-(t-ブチルパーオキシ)バレレート 、1,4-ビス[(t-ブチルパーオキシ)イソプロピル]ベンゼン、ジ-t-ヘキシルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、p-メンタンヒドロパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド 、1,1,3,3-テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイドなどがある。特に好ましくは1,4-ビス[(t-ブチルパーオキシ)イソプロピル]ベンゼンがある。
有機過酸化物の添加量は、クロロプレン系ゴム100質量部に対して、0.1~3質量部であり、好ましくは0.15~2質量部、特に好ましくは0.5~1.5質量部である。有機過酸化物の添加量が0.1質量部に満たないと、得られるゴム組成物の加硫速度が低下し、規定の加硫時間中に十分に加硫が進行しないため耐圧縮永久ひずみ性や低発熱性、耐摩耗性が悪化する。また、有機過酸化物の添加量が3質量部を超えてしまうと、架橋反応が急激に増加しスコーチを引き起こし加工性が低下する。
さらに、有機過酸化物の添加量は、マレイミド化合物100質量部に対して15~300質量部、好ましくは20~100質量部、さらに好ましくは30~70質量部とすると、必要で十分な加硫速度が得られ、耐スコーチ性、耐圧縮永久ひずみ性及び低発熱性がより向上する。
[その他の化合物]
シランカップリング剤
ゴム組成物には、ゴム中へのシリカフィラーの分散性やゴムとシリカフィラー間の補強効果を向上させるために、シリカフィラー100質量部に対し0.5~10質量部のシランカップリング剤を用いても良い。シランカップリング剤をこの範囲で用いることにより、必要で十分な効果が得られるとともに、スコーチの発生を抑制することができる。
シランカップリング剤としては、特に制限はなく、市販のゴム組成物に使用されているものが使用でき、例えば、ビニル系カップリング剤、エポキシ系カップリング剤、スチリル系カップリング剤、メタクリル系カップリング剤、アクリル系カップリング剤、アミノ系カップリング剤、ポリスルフィド系カップリング剤、メルカプト系カップリング剤がある。特に、耐スコーチ性や補強効果の観点から架橋時の高温条件下で反応が開始されるビニル系カップリング剤、メタクリル系カップリング剤、アクリル系カップリング剤が好ましい。
シリル化剤
ゴム組成物には、ゴム中へのシリカフィラーの分散性をさらに向上させるために、シリカフィラー100質量部に対し1~20質量部のシリル化剤を用いても良い。シリル化剤をこの範囲で用いることにより、必要で十分な効果が得られるとともに、加硫物性の低下を抑制することができる。
シリル化剤としては、特に制限はなく、市販のゴム組成物に使用されているものが使用でき、例えば、メトキシ型、エトキシ型、シラザン、シロキサンがある。特に、メトキシ型及びエトキシ型が好ましい。
加硫助剤
ゴム組成物には、その加硫速度や加硫密度を向上させるために、上述の有機過酸化物に加えて、加硫助剤としての二官能性エステル化合物又は三官能性エステル化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を添加することもできる。
二官能性エステル化合物又は三官能性エステル化合物の具体例としては、トリメチロールプロパン、エチレングリコールジメタクリレート、トリアリルイソシアネート、トリアリルシアネートなどがあり、これらを併用することもできる。
ゴム組成物は、上述の化合物をその加硫温度以下の温度で混練することで得られるものである。混練装置としては、ミキサー、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、二本ロールなどがある。
ゴム組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲でカーボンブラック、可塑剤、マレイミド化合物以外の加硫剤、カーボンブラック及びシリカフィラー以外の充填剤や補強剤、加工助剤、老化防止剤などを添加しても良い。
充填剤や補強剤としては、例えば、クレー、タルク、炭酸カルシウムなどがある。これら充填剤や補強剤の配合量は、耐熱性を損なわない範囲で添加することができ、ゴム組成物100質量部に対して5~100質量部の範囲が好ましい。
可塑剤としては、クロロプレン系ゴムと相溶性のある可塑剤であれば特に制限はないが、例えば、菜種油等の植物油、フタレート系可塑剤、DOS、DOA、エステル系可塑剤、エーテル・エステル系可塑剤、チオエーテル系可塑剤、アロマ系オイル、ナフテン系オイル等があり、ゴム組成物に要求される特性に合わせて一種類もしくは複数を併用して使用することができる。可塑剤の添加量は、ゴム組成物100質量部に対して、5~50質量部である。
加工助剤としては、ステアリン酸等の脂肪酸あるいはポリエチレン等のパラフィン系加工助剤、脂肪酸アミド等が挙げられ、ゴム組成物100質量部に対して0.5~5質量部まで添加できる。
老化防止剤としては、アミン系、イミダゾール系、カルバミン酸金属塩、フェノール系、ワックス等、一般的な老化防止剤が使用できる。耐熱性の改良効果の大きい老化防止剤種としては、アミン系の4,4’-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン等が挙げられる。特に、4,4’-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミンが耐熱性の改善効果が大きい。これらの老化防止剤は、一種類もしくは併用して使用することができる。
マレイミド化合物以外の加硫剤としては、特に制限するものではないが金属酸化物が好ましい。具体的には酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉛、四酸化三鉛、三酸化鉄、二酸化チタン、酸化カルシウム、ハイドロタルサイト等がある。これらは2種以上を併用して用いることもできる。これらの加硫剤の添加量はゴム組成物100質量部に対して3~15質量部が好ましい。
<加硫成形体>
ゴム組成物の加硫成形体は、上述のゴム組成物を所望する各種の形状に成形された後に加硫したり、ゴム組成物を加硫した後に各種の形状に成形したりして得られるものである。ゴム組成物から加硫成形体を成形する方法は、プレス成形、押出成形、カレンダー成形などの方法がある。
ゴム組成物を加硫する温度は、その組成に合わせて適宜設定すればよく、通常は140~220℃、好ましくは160~190℃の範囲で行われる。また、加硫する時間もゴム組成物の組成や形状によって適宜設定すればよく、通常は10分~60分の範囲で行われる。
加硫成形体は、上述のゴム組成物を加硫成形して得られるものであり、切断時伸び性や耐圧縮永久ひずみ性、耐熱性及び低発熱性を向上させたものである。
クロロプレン-アクリロニトリル共重合ゴムの製造:
加熱冷却ジャケットと攪拌機を備えた内容積3リットルの重合缶に、クロロプレン単量体24質量部、アクリロニトリル単量体24質量部、ジエチルキサントゲンジスルフィド0.5質量部、純水200質量部、ロジン酸カリウム(ハリマ化成株式会社製)5質量部、水酸化ナトリウム0.4質量部、βナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩(花王株式会社製)2質量部を添加した。重合開始剤として過硫酸カリウム0.1質量部を添加し、重合温度40℃にて窒素気流下で乳化重合を行った。クロロプレン単量体は、重合開始20秒後から分添し、重合開始からの10秒間の冷媒の熱量変化を元に分添流量を電磁弁で調整し、以降10秒毎に流量を再調節することで連続的に行った。クロロプレン単量体及びアクリロニトリル単量体の合計量に対する重合率が50%となった時点で重合停止剤であるフェノチアジンを加えて重合を停止させた。その後、減圧下で反応溶液中の未反応単量体を除去することでクロロプレン-アクリロニトリル共重合体ラテックスを得た。
得られたクロロプレン-アクリロニトリル共重合体ラテックスをpH7.0に調整し、-20℃に冷やした金属板上で凍結凝固させることで乳化破壊した。得られたシートを水洗し、130℃で15分間乾燥させることにより、固形状のクロロプレン-アクリロニトリル共重合ゴムを得た。
クロロプレン-アクリロニトリル共重合ゴムの数平均分子量Mn、質量平均分子量Mw、及び分子量分布(Mw/Mn)は、クロロプレン-アクリロニトリル共重合ゴムをTHFでサンプル調整濃度0.1質量%の溶液とした後、高速GPC装置(TOSOH HLC-8320GPC:東ソー株式会社製)により測定した(標準ポリスチレン換算)。その際、プレカラムとしてTSKガードカラムHHR-H、分析カラムとしてHSKgelGMHHR-H3本を使用し、サンプルポンプ圧8.0~9.5MPa、流量1mL/min、40℃で流出させ、示差屈折計で検出した。
流出時間と分子量は、以下にあげる分子量既知の標準ポリスチレンサンプル計9点を測定して作製した校正曲線を用いた。(Mw=8.42×106、1.09×106、7.06×105、4.27×105、1.90×105、9.64×104、3.79×104、1.74×104、2.63×103)
クロロプレン-アクリロニトリル共重合ゴムに含まれる不飽和ニトリル単量体単位量は、クロロプレン-アクリロニトリル共重合ゴム中の窒素原子の含有量から算出した。具体的には、100mgのクロロプレン-アクリロニトリル共重合ゴムを、元素分析装置(スミグラフ220F:株式会社住化分析センター製)を用いて窒素原子含有量を測定し、アクリロニトリル単量体単位を算出した。
元素分析の測定条件は次のとおり行った。電気炉温度は反応炉900℃、還元炉600℃、カラム温度70℃、検出器温度100℃に設定し、燃焼用ガスとして酸素を0.2ml/min、キャリアーガスとしてヘリウムを80ml/minフローした。検量線は窒素含有量が既知のアスパラギン酸(10.52%)を標準物質に用いて作製した。
結果、数平均分子量(Mn)は138×10、質量平均分子量(Mw)は473×10、分子量分布(Mw/Mn)は3.4であった。また、クロロプレン-アクリロニトリル共重合ゴム中のアクリロニトリル単量体単位量は9.9質量%であった。
(実施例1)
(ゴム組成物の製造)
上述のクロロプレン-アクリロニトリル共重合ゴム及び表1記載の各化合物を8インチオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
実施例1で用いた化合物は以下のとおり。
クロロプレン-アクリロニトリル共重合ゴム:上述の方法で作製した共重合ゴム
滑剤・加工助剤:ステアリン酸 新日本理化株式会社製「ステアリン酸50S」
老化防止剤:4,4‘-ビス(α、α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン 大内新興化学工業株式会社製「ノクラック(登録商標)CD」
酸化マグネシウム:協和化学工業株式会社製「キョーワマグ(登録商標)150」
充填剤:シリカフィラー 東ソー・シリカフィラー株式会社製「Nipsil AQ 」
可塑剤:ポリエーテルエステル系 株式会社ADEKA製「アデカサイザー(登録商標)RS-700」
マレイミド化合物1:N,N’-m-フェニレンビスマレイミド 大内新興化学工業製「バルノック(登録商標)PM」
有機過酸化物1:1,4-ビス[(t-ブチルパーオキシ)イソプロピル]ベンゼン 日本油脂株式会社製 「パーブチル(登録商標)P」
加硫安定剤:酸化亜鉛 堺化学工業株式会社製「酸化亜鉛2種」
(加硫成形体の製造)
得られたゴム組成物を、180℃×30分の条件でプレス加硫して、厚さ2mmのシート状の加硫成形体を作製した。得られた加硫成形体について、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<実施例2~7及び比較例1~6>
マレイミド化合物又は、及び有機過酸化物の添加量を変更した以外は、実施例1と同様の方法にて評価サンプルを作製した。
<実施例10,11及び比較例8,9>
シリカフィラーの添加量を変更した以外は、実施例1と同様の方法にて評価サンプルを作製した。
<実施例8>
マレイミド化合物1をN,N’-(4,4’-ジフェニルメタン)ビスマレイミド(マレイミド化合物2:大和化成社製 製品名「BMI-1000」)に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて評価サンプルを作製した。
<実施例9>
有機過酸化物1を2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3(有機過酸化物2:日本油脂株式会社製 製品名「パーヘキシン(登録商標)25B」)に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて評価サンプルを作製した。
<実施例12>
ビニルメトキシシラン(シランカップリング剤1:信越シリコーン株式会社製 製品名「KBM-1003」)をクロロプレン系ゴム100質量部に対し0.3質量部添加した以外は、実施例1と同様の方法にて評価サンプルを作製した。
<実施例13>
ビニルメトキシシラン(シランカップリング剤1:信越シリコーン株式会社製 製品名「KBM-1003」)をクロロプレン系ゴム100質量部に対し1.5質量部添加した以外は、実施例1と同様の方法にて評価サンプルを作製した。
<実施例14>
ビニルメトキシシラン(シランカップリング剤1:信越シリコーン株式会社製 製品名「KBM-1003」)をクロロプレン系ゴム100質量部に対し6質量部添加した以外は、実施例1と同様の方法にて評価サンプルを作製した。
<実施例15>
3-メタクシロキシプロピルメトキシシラン(シランカップリング剤2:信越シリコーン株式会社製 製品名「KBM-503」)をクロロプレン系ゴム100質量部に対し1.5質量部添加した以外は、実施例1と同様の方法にて評価サンプルを作製した。
<実施例16>
メチルトリメトキシシラン(シリル化剤1:信越シリコーン株式会社製 製品名「KBM-13」)をクロロプレン系ゴム100質量部に対し1質量部添加した以外は、実施例1と同様の方法にて評価サンプルを作製した。
<実施例17>
メチルトリメトキシシラン(シリル化剤1:信越シリコーン株式会社製 製品名「KBM-13」)をクロロプレン系ゴム100質量部に対し5質量部添加した以外は、実施例1と同様の方法にて評価サンプルを作製した。
<実施例18>
メチルトリメトキシシラン(シリル化剤1:信越シリコーン株式会社製 製品名「KBM-13」)をクロロプレン系ゴム100質量部に対し12質量部添加した以外は、実施例1と同様の方法にて評価サンプルを作製した。
<実施例19>
メチルトリエトキシシラン(シリル化剤2:信越シリコーン株式会社製 製品名「KBE-13」)をクロロプレン系ゴム100質量部に対し5質量部添加した以外は、実施例1と同様の方法にて評価サンプルを作製した。
<実施例20>
ビニルメトキシシラン(シランカップリング剤1:信越シリコーン株式会社製 製品名「KBM-1003」)をクロロプレン系ゴム100質量部に対し1.5質量部と、メチルトリエトキシシラン(シリル化剤2:信越シリコーン株式会社製 製品名「KBE-13」)を5質量部添加した以外は、実施例1と同様の方法にて評価サンプルを作製した。
<実施例21>
クロロプレン-アクリロニトリル共重合ゴムをクロロプレンゴム(メルカプタン変性クロロプレンゴム 生ゴムムーニー粘度ML1+4(100℃)=60) デンカ株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて評価サンプルを作製した。
<比較例7>
マレイミド化合物及び有機過酸化物を添加せず、テトラメチルチオウレア(加硫促進剤:大内新興化学工業株式会社製 製品名「ノクセラーTMU」)をゴム100質量部に対し1質量部添加した以外は実施例1と同様の方法にて作製した。
<比較例10>
クロロプレン-アクリロニトリル共重合ゴムをクロロプレンゴム(メルカプタン変性クロロプレンゴム 生ゴムムーニー粘度ML1+4(100℃)=60) デンカ株式会社製)に変更した以外は、比較例7と同様の方法にて評価サンプルを作製した。
(加硫成形体の評価)
(1)スコーチタイムの評価
上述の方法で作製したサンプルについて、各サンプルについて、JIS K 6300-1に準拠して、ムーニースコーチ試験を実施した。5分以上の値を示したものを合格とした。
(2)加硫速度の評価
上述の方法で作製したサンプルについて、日本ゴム協会標準規格SRIS3102-1977に準拠して、オシレーションディスクレオメータ(No.292ロータスレオメータ、株式会社東洋精機製作所製)を用いて180℃×30分における加硫時間(T90)を測定し、加硫速度(T90-T10)を算出した。15分以下の値を示したものを合格とした。
(3)圧縮永久ひずみ性の評価
上述の方法で作製した各サンプルについて、JIS K 6262:2013に準拠し、130℃、72時間の試験条件で測定した。70%以下の値を示したものを合格とした。
(4)発熱性の評価
上述の方法で作製した各サンプルについて、JIS K 6265:2018に準拠し、50℃、歪み0.175インチ、荷重55ポンド、振動数毎分1,800回の条件で発熱量(ΔT)を測定した。62℃以下の値を示したものを合格とした 。
(5)耐摩耗性の評価
上述の方法で作製した各サンプルについて、JIS K 6264-2:2018に準拠し、アクロン摩耗試験を行った。0.44cc以下の値を示したものを合格とした。
表1~表3に示した結果から、本発明のクロロプレン系ゴム組成物は、耐スコーチ性に優れるとともに加硫速度が速く、耐圧縮永久ひずみ性、低発熱性及び耐摩耗性に優れた加硫成形体が得られることがわかった。当該加硫成形体は、これらの性質を有するためゴムロール用途などの成形品として好適に使用できる。

Claims (6)

  1. クロロプレン-アクリロニトリル共重合ゴムを含むクロロプレン系ゴム100質量部と、シリカフィラー20~80質量部と、マレイミド化合物0.6~4質量部と、有機過酸化物0.1~3質量部と、を有するゴム組成物。
  2. マレイミド化合物量100質量部に対し有機過酸化物を15~300質量部含有する請求項1に記載のゴム組成物。
  3. さらに、シリカフィラー100質量部に対しシランカップリング剤を0.5~10質量部含有する請求項1又は請求項2に記載のゴム組成物。
  4. シランカップリング剤が、ビニル系シランカップリング剤、アミノ系カップリング剤、エポキシ系カップリング剤、メタクリル系カップリング剤、メルカプト系カップリング剤及びポリスルフィド系カップリング剤から選ばれる少なくとも1種である請求項記載のゴム組成物。
  5. さらに、シリカフィラー100質量部に対しシリル化剤を1~20質量部含有する請求項1~請求項のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  6. 請求項1~請求項のいずれか一項に記載したゴム組成物の加硫成形体。
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