図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。以下において、互いに直交する3つの方向をX方向、Y方向、Z方向とする。
第1実施形態
電力変換装置1は、電源が出力した電圧の大きさや周波数を所望の値に変換する装置である。電力変換装置1で電力を所望の値に変換することで、電気負荷を適切に駆動することが可能となる。
図1は、電力変換装置1を用いて、直流電源2から出力される電力を変換し、モータ3を駆動する場合の回路図である。電力変換装置1には、直流電源2の高電位側が接続される正極入力端子2pが設けられている。電力変換装置1には、直流電源2の低電位側が接続される負極入力端子2nが設けられている。
電力変換装置1には、インバータ部92が設けられている。インバータ部92は、モータ3の各相に対応して、3つの半導体装置81を備えている。インバータ部92の各半導体装置81において、高電位側のスイッチング素子のコレクタが高電位ラインと接続されている。さらに、高電位側のスイッチング素子のエミッタが低電位側のスイッチング素子のコレクタと接続されている。さらに、低電位側のスイッチング素子のエミッタが低電位ラインと接続されている。そして、各スイッチング素子のゲートが回路基板と接続されている。また、高電位側のスイッチング素子のエミッタと低電位側のスイッチング素子のコレクタとが、モータ3の各相の端子であるU相端子3U、V相端子3V、W相端子3Wとのそれぞれに接続されている。
電力変換装置1には、接地コンデンサ11が設けられている。接地コンデンサ11は、直流電源2とインバータ部92との間に設けられている。接地コンデンサ11は、高電位側コンデンサ素子11cHと低電位側コンデンサ素子11cLとの2つのコンデンサ素子で構成されている。高電位側コンデンサ素子11cHは、接地コンデンサ素子の一例を提供する。低電位側コンデンサ素子11cLは、接地コンデンサ素子の一例を提供する。
高電位側コンデンサ素子11cHは、一端が正極入力端子2pと接続され、他端がグランドラインに接続されている。低電位側コンデンサ素子11cLは、一端が負極入力端子2nと接続され、他端がグランドラインに接続されている。接地コンデンサ11は、電流経路に伝搬したノイズ電流であるコモンモード電流をグランドラインに落として、コモンモードノイズを抑制する機能を備えている。接地コンデンサ11は、Yコンデンサとも呼ばれる。接地コンデンサ11は、コモンモードコンデンサとも呼ばれる。接地コンデンサ11は、ノイズ除去用コンデンサとも呼ばれる。接地コンデンサ11は、ラインバイパスコンデンサとも呼ばれる。
電力変換装置1には、平滑コンデンサ31が設けられている。平滑コンデンサ31は、インバータ部92の入力側に設けられている。平滑コンデンサ31は、一端が高電位ラインと接続され、他端が低電位ラインと接続されている。平滑コンデンサ31は、バッテリ電圧の変動を平滑化する機能を備えている。平滑コンデンサ31と並列に放電抵抗を備える構成としてもよい。
電力変換装置1の回路構成は、上述の例に限られない。例えば、インバータ部92に加えて、コンバータ部を備えてもよい。これによると、直流電源2の電圧をコンバータ部で昇圧した上で、周波数を変換することができる。また、電力変換装置1において、コンバータ部やインバータ部92を複数備えてもよい。これによると、1つの電力変換装置1を用いて、複数台のモータ3を駆動できる。
図2において、電力変換装置1は、コンデンサユニット10と、パワーモジュール80とを備えている。電力変換装置1は、コンデンサユニット10とパワーモジュール80とを内部に収納している金属製の筐体9を備えている。
パワーモジュール80は、半導体装置81と半導体冷却器85とを備えている。半導体装置81は、MOSFETやIGBTなどのスイッチング素子を含んでいる。半導体装置81は、電流が流れることで発熱する発熱部品である。半導体装置81は、矩形板状である。半導体装置81は、複数枚設けられている。半導体装置81は、発熱部品の一例を提供する。
半導体冷却器85は、半導体装置81を冷却する冷却媒体が内部を流れる冷却器である。半導体冷却器85は、冷却媒体の流路のうち、円環状の流路をなす2本のヘッダ86を備えている。半導体冷却器85は、2本のヘッダ86と連通して扁平状の流路をなす複数の扁平チューブ87を備えている。半導体装置81は、扁平チューブ87に挟まれて両面が冷却されることとなる。半導体冷却器85は、冷却装置の一例を提供する。
コンデンサユニット10は、平滑コンデンサ素子31cなどのコンデンサ素子を複数備えている。コンデンサユニット10は、複数のコンデンサ素子を収納しているコンデンサケース12を備えている。コンデンサユニット10は、コンデンサ用正極バスバ35pとコンデンサ用負極バスバ35nとを備えている。コンデンサユニット10において、各部品が適切に配置された状態で、コンデンサケース12の内部が封止樹脂材によって封止されている。
コンデンサ素子は、一般的に温度が高すぎると特性が不安定になり、静電容量が低下しやすい。さらに、コンデンサ素子は、電気が流れることでジュール熱が発生して温度が上昇しやすい。また、コンデンサ素子に樹脂材料が使用されている場合には、樹脂材料が熱の影響を受けて劣化しやすい。このため、コンデンサ素子の温度が所定の温度範囲内に収まるように温度を管理することが重要である。
電力変換装置1は、制御回路基板5を備えている。制御回路基板5は、半導体装置81のスイッチング制御を行う装置である。半導体装置81は、制御回路基板5と接続している。半導体装置81は、電源側正極端子82pと電源側負極端子82nとを備えている。半導体装置81は、負荷側端子83を備えている。負荷側端子83は、電気負荷であるモータ3と接続するための端子である。電源側正極端子82pは、半導体用正極バスバ38pを介してコンデンサ用正極バスバ35pと接続している。電源側負極端子82nは、半導体用負極バスバ38nを介してコンデンサ用負極バスバ35nと接続している。
図3において、コンデンサユニット10は、接地コンデンサ11と平滑コンデンサ31とを備えている。接地コンデンサ11は、高電位側コンデンサ素子11cHと低電位側コンデンサ素子11cLとを備えている。平滑コンデンサ31は、4つの平滑コンデンサ素子31cを備えている。まとめると、コンデンサユニット10には、6つのコンデンサ素子が設けられている。コンデンサ素子は、静電容量や体格が互いに等しいコンデンサ素子に限られない。例えば、高電位側コンデンサ素子11cHと低電位側コンデンサ素子11cLとに、平滑コンデンサ素子31cよりも静電容量や体格の小さなコンデンサ素子を採用してもよい。また、各コンデンサ素子を設ける個数は、上述の個数に限られない。
接地コンデンサ11と平滑コンデンサ31とは、各コンデンサ素子がX方向に沿って直線上に並んでいる。接地コンデンサ11と平滑コンデンサ31との並び方向は、X方向に沿う方向である。X方向の一方の端に低電位側コンデンサ素子11cLが位置している。X方向の他方の端に高電位側コンデンサ素子11cHが位置している。ただし、コンデンサ素子の並び順は、上述の並び順に限られない。
コンデンサユニット10は、コンデンサ用正極バスバ35pとコンデンサ用負極バスバ35nとを備えている。平滑コンデンサ31の一方の端子は、コンデンサ用正極バスバ35pに接続している。平滑コンデンサ31の他方の端子は、コンデンサ用負極バスバ35nに接続している。
コンデンサユニット10は、高電位側グランドバスバ17Hと低電位側グランドバスバ17Lとを備えている。高電位側コンデンサ素子11cHの一方の端子は、コンデンサ用正極バスバ35pに接続している。高電位側コンデンサ素子11cHの他方の端子は、高電位側グランドバスバ17Hに接続している。低電位側コンデンサ素子11cLの一方の端子は、コンデンサ用負極バスバ35nに接続している。低電位側コンデンサ素子11cLの他方の端子は、低電位側グランドバスバ17Lに接続している。高電位側グランドバスバ17Hは、グランドバスバの一例を提供する。低電位側グランドバスバ17Lは、グランドバスバの一例を提供する。
図4において、半導体装置81は、X方向に並んで6つ設けられている。半導体冷却器85は、X方向に沿って延びる2本のヘッダ86と7つの扁平チューブ87を備えている。半導体冷却器85は、扁平チューブ87が複数積層されて構成されている積層型冷却器である。6つの半導体装置81は、7つの扁平チューブ87の間に1つずつ設けられている。それぞれの半導体装置81は、2つの扁平チューブ87と接触している。筐体9の内部には、扁平チューブ87の積層方向であるX方向に向かって、扁平チューブ87を押圧する板バネが設けられている。半導体装置81と扁平チューブ87とは、板バネから受ける押圧力によって、互いが強固に接触固定された状態となる。
2本のヘッダ86は、一方が冷却媒体の入口をなし、他方が冷却媒体の出口をなしている。冷却媒体の入口をなすヘッダ86は、コンデンサユニット10とY方向において対向している。入口から入った冷却媒体は、ヘッダ86を流れた後、扁平チューブ87を流れる。冷却媒体は、扁平チューブ87を流れる過程で半導体装置81と熱交換して半導体装置81を冷却する。扁平チューブ87を流れた冷却媒体は、出口をなすヘッダ86から流出する。
半導体冷却器85において、半導体装置81を冷却する前の冷却媒体が流れている部分は、上流部85uである。一方、半導体装置81を冷却した後の冷却媒体が流れている部分は、下流部85dである。上流部85uは、入口側のヘッダ86などの流路部を含んでいる。下流部85dは、出口側のヘッダ86などの流路部を含んでいる。上流部85uの温度は、下流部85dの温度よりも低い温度である。
半導体用正極バスバ38pは、電源側正極端子82pに対応して切り欠きが形成されている。半導体用正極バスバ38pの切り欠き部分に電源側正極端子82pが挿入された状態で、半導体用正極バスバ38pと電源側正極端子82pとが溶接されている。半導体用正極バスバ38pは、各半導体装置81の電源側正極端子82pとコンデンサ用正極バスバ35pとを接続している。半導体用正極バスバ38pは、電力変換装置1が電力を変換する際に大きな電流が流れるため、発熱しやすい電流経路である。コンデンサ用正極バスバ35pは、半導体用正極バスバ38pに接続されている。このため、コンデンサ用正極バスバ35pも温度が上昇しやすく、コンデンサユニット10全体の温度が高くなりやすい。
電力変換装置1は、高電位側接続部18Hと低電位側接続部18Lとを備えている。高電位側接続部18Hと低電位側接続部18Lとは、電気伝導性と熱伝導性とに優れる材料で構成されている。高電位側接続部18Hと低電位側接続部18Lとは、半導体冷却器85と同じ材料であることが好ましい。高電位側接続部18Hと低電位側接続部18Lとは、例えば、アルミなどの金属製である。高電位側接続部18Hと低電位側接続部18Lとは、半導体冷却器85の一部分を延出して形成してもよい。高電位側接続部18Hは、冷却用接続部の一例を提供する。低電位側接続部18Lは、冷却用接続部の一例を提供する。
低電位側接続部18Lの一端は、半導体冷却器85の冷却媒体の入口をなすヘッダ86と接触している。言い換えると、低電位側接続部18Lの一端は、半導体冷却器85の上流部85uと電気伝導および熱伝導が良好な状態で接触固定されている。低電位側接続部18Lの他端は、低電位側グランドバスバ17Lに固定されている。低電位側接続部18Lと低電位側グランドバスバ17Lとは、低電位側締結部材19Lによって締結固定されている。低電位側締結部材19Lは、例えば金属製のボルトである。これにより、低電位側コンデンサ素子11cLのグランド側の端子は、低電位側グランドバスバ17Lと低電位側締結部材19Lと低電位側接続部18Lとを介して半導体冷却器85の外表面に接続することとなる。したがって、低電位側コンデンサ素子11cLのグランド側の端子は、半導体冷却器85を流れる冷却媒体によって冷却される。また、低電位側グランドバスバ17Lを流れたノイズ電流は、低電位側接続部18Lを介して半導体冷却器85と半導体冷却器85に接続している金属製の筐体9とに流れることとなる。低電位側締結部材19Lは、締結部材の一例を提供する。
図5において、半導体用負極バスバ38nは、電源側負極端子82nに対応して切り欠きが形成されている。半導体用負極バスバ38nの切り欠き部分に電源側負極端子82nが挿入された状態で、半導体用負極バスバ38nと電源側負極端子82nとが溶接されている。半導体用負極バスバ38nは、各半導体装置81の電源側負極端子82nとコンデンサ用負極バスバ35nとを接続している。半導体用負極バスバ38nは、電力変換装置1が電力を変換する際に大きな電流が流れるため、発熱しやすい電流経路である。コンデンサ用負極バスバ35nは、半導体用負極バスバ38nに接続されている。このため、コンデンサ用負極バスバ35nも温度が上昇しやすく、コンデンサユニット10全体の温度が高くなりやすい。
高電位側接続部18Hの一端は、半導体冷却器85の冷却媒体の入口をなすヘッダ86と接触している。言い換えると、高電位側接続部18Hの一端は、半導体冷却器85の上流部85uと電気伝導および熱伝導が良好な状態で接触固定されている。高電位側接続部18Hの他端は、高電位側グランドバスバ17Hに固定されている。高電位側接続部18Hと高電位側グランドバスバ17Hとは、高電位側締結部材19Hによって締結固定されている。高電位側締結部材19Hは、例えば金属製のボルトである。これにより、高電位側コンデンサ素子11cHのグランド側の端子は、高電位側グランドバスバ17Hと高電位側締結部材19Hと高電位側接続部18Hとを介して半導体冷却器85の外表面に接続することとなる。したがって、高電位側コンデンサ素子11cHのグランド側の端子は、半導体冷却器85を流れる冷却媒体によって冷却される。また、高電位側グランドバスバ17Hを流れたノイズ電流は、高電位側接続部18Hを介して半導体冷却器85と半導体冷却器85に接続している金属製の筐体9とに流れることとなる。高電位側締結部材19Hは、締結部材の一例を提供する。
半導体冷却器85の上流部85uにおいて、低電位側接続部18Lは、高電位側接続部18Hよりも冷却媒体の流れの上流に位置している。低電位側接続部18Lは、ヘッダ86のうち、1つ目の扁平チューブ87と2つ目の扁平チューブ87との間の部分に設けられている。高電位側接続部18Hは、ヘッダ86のうち、6つ目の扁平チューブ87と7つ目の扁平チューブ87との間の部分に設けられている。言い換えると、高電位側接続部18Hと低電位側接続部18Lとは、ヘッダ86において、X方向に互いに離れた位置に設けられている。半導体用正極バスバ38pとコンデンサ用正極バスバ35pとの締結部分は、高電位側締結部材19Hと低電位側締結部材19Lとの間に位置している。半導体用負極バスバ38nとコンデンサ用負極バスバ35nとの締結部分は、高電位側締結部材19Hと低電位側締結部材19Lとの間に位置している。
まとめると、コンデンサユニット10とパワーモジュール80とは、4箇所で互いに締結固定されている。締結箇所の1つは、半導体用正極バスバ38pとコンデンサ用正極バスバ35pとの締結部分である。締結箇所の1つは、半導体用負極バスバ38nとコンデンサ用負極バスバ35nとの締結部分である。締結箇所の1つは、高電位側締結部材19Hによる締結部分である。締結箇所の1つは、低電位側締結部材19Lによる締結部分である。X方向を長手方向とするコンデンサユニット10において、パワーモジュール80との締結箇所は、X方向に分散して設けられている。
上述した実施形態によると、高電位側グランドバスバ17Hと半導体冷却器85とを発熱部品である半導体装置81を介さずに接続している高電位側接続部18Hを備えている。このため、高電位側コンデンサ素子11cHのグランド側の端子を半導体冷却器85によって冷却できる。したがって、高電位側コンデンサ素子11cHの温度が過度に上昇することを抑制できる。よって、高電位側コンデンサ素子11cHの所望の性能を安定して発揮させやすい。
また、低電位側グランドバスバ17Lと半導体冷却器85とを発熱部品である半導体装置81を介さずに接続している低電位側接続部18Lを備えている。このため、低電位側コンデンサ素子11cLのグランド側の端子を半導体冷却器85によって冷却できる。したがって、低電位側コンデンサ素子11cLの温度が過度に上昇することを抑制できる。よって、低電位側コンデンサ素子11cLの所望の性能を安定して発揮させやすい。以上により、ノイズ電流を安定して低減可能な電力変換装置1を提供できる。
電気自動車やハイブリッド自動車などの電力を用いて走行する車両においては、直流電源2として300V程度の高電圧バッテリを使用する場合がある。この場合、走行用モータを駆動するため、半導体用正極バスバ38pや半導体用負極バスバ38nに非常に大きな電流が流れやすい。したがって、半導体用正極バスバ38pや半導体用負極バスバ38nの温度が高温になりやすく、コンデンサユニット10の温度も高くなりやすい。よって、半導体冷却器85などの冷却装置を用いて接地コンデンサ11の温度を低く保つことは、電力変換装置1を電気自動車などの電力を用いて走行する車両に搭載する場合に非常に有用である。
高電位側接続部18Hは、高電位側グランドバスバ17Hと半導体冷却器85の上流部85uとを接続している。このため、半導体装置81を冷却する前の温度の低い冷却媒体を用いて、高電位側コンデンサ素子11cHを冷却することができる。したがって、高電位側接続部18Hを半導体冷却器85の下流部85dと接続した場合に比べて、高電位側コンデンサ素子11cHを素早く冷却しやすい。
また、低電位側接続部18Lは、低電位側グランドバスバ17Lと半導体冷却器85の上流部85uとを接続している。このため、半導体装置81を冷却する前の温度の低い冷却媒体を用いて、低電位側コンデンサ素子11cLを冷却することができる。したがって、低電位側接続部18Lを半導体冷却器85の下流部85dと接続した場合に比べて、低電位側コンデンサ素子11cLを素早く冷却しやすい。
冷却用接続部をなす高電位側接続部18Hと低電位側接続部18Lとは、互いに離間して設けられている。このため、高電位側接続部18Hを用いて高電位側コンデンサ素子11cHを冷却しながら、低電位側接続部18Lを用いて低電位側コンデンサ素子11cLを冷却できる。したがって、接地コンデンサ11を構成する各コンデンサ素子のそれぞれを冷却できる。よって、接地コンデンサ11が複数のコンデンサ素子によって構成されている場合であっても、接地コンデンサ11の全体を冷却できる。
また、コンデンサユニット10とパワーモジュール80とを複数箇所で接触固定できる。このため、電力変換装置1に振動などの外力が加えられた場合であっても、コンデンサユニット10とパワーモジュール80との適切な接触固定状態を維持しやすい。特に、電力変換装置1を車両などの移動体に搭載した場合には、電力変換装置1が走行時に振動などの外力が加えられやすい。このため、コンデンサユニット10とパワーモジュール80との接触固定状態を安定して維持することは、電力変換装置1を移動体に搭載する場合に重要である。
高電位側コンデンサ素子11cHと低電位側コンデンサ素子11cLとは、平滑コンデンサ素子31cを含む各コンデンサ素子の並び方向において、端に位置している。このため、高電位側コンデンサ素子11cHと低電位側コンデンサ素子11cLとは、並び方向における一方には平滑コンデンサ素子31cが位置するが、他方には平滑コンデンサ素子31cが位置しない配置となる。したがって、高電位側コンデンサ素子11cHや低電位側コンデンサ素子11cLの両側に平滑コンデンサ素子31cが位置する場合に比べて、平滑コンデンサ素子31cからの熱の影響を受けにくい。よって、高電位側コンデンサ素子11cHや低電位側コンデンサ素子11cLの温度を低く保ちやすい。
高電位側接続部18Hにおいて、高電位側グランドバスバ17Hと半導体冷却器85とを締結固定している金属製の高電位側締結部材19Hを備えている。このため、高電位側締結部材19Hによって締結固定を行うことで、高電位側グランドバスバ17Hと半導体冷却器85との間での電気伝導と熱伝導とを同時に良好な状態にすることができる。したがって、部品同士を固定する部材と、部品間の良好な電気伝導を確保するための部材と、部品間の良好な熱伝導を確保するための部材とを1つの高電位側締結部材19Hで提供できる。よって、電力変換装置1に使用する部品点数を少なくしやすい。
また、低電位側接続部18Lにおいて、低電位側グランドバスバ17Lと半導体冷却器85とを締結固定している金属製の低電位側締結部材19Lを備えている。このため、低電位側締結部材19Lによって締結固定を行うことで、低電位側グランドバスバ17Lと半導体冷却器85との間での電気伝導と熱伝導とを同時に良好な状態にすることができる。したがって、部品同士を固定する部材と、部品間の良好な電気伝導を確保するための部材と、部品間の良好な熱伝導を確保するための部材とを1つの低電位側締結部材19Lで提供できる。よって、電力変換装置1に使用する部品点数を少なくしやすい。
冷却装置として、半導体装置81を冷却するための半導体冷却器85を用いている。このため、高電位側コンデンサ素子11cHや低電位側コンデンサ素子11cLを冷却する専用の冷却器を備える場合に比べて、電力変換装置1に使用する部品点数を少なくしやすい。したがって、電力変換装置1を小型かつ軽量に設計しやすい。特に、電力変換装置1を車両に搭載する場合には、車両内の限られた空間に電力変換装置1を搭載する必要があるため、電力変換装置1を小型に設計することは、非常に重要である。また、車両の重量を軽量化することで車両の走行に必要なエネルギーを少なくできる。よって、電力変換装置1を車両に搭載する場合には、電力変換装置1を軽量に設計することは、非常に重要である。
冷却装置としては、半導体冷却器85に限られない。例えば、電力変換装置1に昇圧機能を備える場合に搭載されるリアクトルを冷却するためのリアクトル冷却器を用いてもよい。リアクトル冷却器として、冷却媒体が循環する流路を形成し、リアクトルをリアクトル冷却器のなす流路の内部に収納する構成としてもよい。あるいは、DCDCコンバータを冷却する冷却装置や、平滑コンデンサ素子31cを冷却する冷却装置を備え、それらの冷却装置を用いてもよい。
第2実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、半導体冷却器285が、半導体装置281の片面を冷却する構成である。
図6において、半導体装置281は、MOSFETやIGBTなどのスイッチング素子を含んでいる。半導体装置281は、半導体用正極バスバ238pと半導体用負極バスバ238nとに接続している。半導体装置281は、半導体用正極バスバ238pと半導体用負極バスバ238nとを流れる大きな電流が通電される。半導体装置281は、発熱部品の一例を提供する。
接地コンデンサ211は、2つの接地コンデンサ素子211cを備えている。一方の接地コンデンサ素子211cは、コンデンサ用正極バスバ235pに接続している。他方の接地コンデンサ素子211cは、コンデンサ用負極バスバ235nに接続している。コンデンサ用正極バスバ235pは、半導体用正極バスバ238pと連続して一体に形成されている。コンデンサ用負極バスバ235nは、半導体用負極バスバ238nと連続して一体に形成されている。
2つの接地コンデンサ素子211cは、共通のグランドバスバ217に接続している。これにより、一方の接地コンデンサ素子211cによって、高電位側の電流経路におけるノイズ電流をグランドに導くことができる。また、他方の接地コンデンサ素子211cによって、低電位側の電流経路におけるノイズ電流をグランドに導くことができる。
半導体装置281の片面に接触して、半導体冷却器285が設けられている。半導体冷却器285は、内部に冷却媒体の流れる流路が形成されている装置である。半導体冷却器285の冷却媒体の流路をなしている流路形成部に半導体装置281を接触させることで、半導体装置281の熱を冷却媒体側に放熱させている。半導体冷却器285のうち、半導体装置281よりも冷却媒体の流れの上流側に位置する部分が上流部285uである。半導体冷却器285のうち、半導体装置281よりも冷却媒体の流れの下流側に位置する部分が下流部285dである。半導体冷却器285は、冷却装置の一例を提供する。
接地コンデンサ素子211cは、上流部285uに接触している。これにより、接地コンデンサ素子211cは、半導体冷却器285を流れる冷却媒体によって冷却される。さらに、グランドバスバ217は、冷却用接続部218を介して上流部285uをなす流路形成部に締結部材219を用いて締結固定されている。締結部材219は、例えば金属製のボルトである。ここで、グランドバスバ217と冷却用接続部218とは、連続する一体の部品である。このため、グランドバスバ217が半導体冷却器285を流れる冷却媒体によって冷却される。したがって、接地コンデンサ素子211cは、半導体冷却器285と接触している部分と、グランドバスバ217との2箇所から冷却されることとなる。
接地コンデンサ211において、コンデンサ用正極バスバ235pとコンデンサ用負極バスバ235nとを半導体冷却器285と対向している側に配置し、グランドバスバ217を半導体冷却器285と対向していない側に配置することが好ましい。これによると、接地コンデンサ211の半導体冷却器285と対向している側は、半導体冷却器285によって冷却され、その反対側である半導体冷却器285と対向していない側は、グランドバスバ217によって冷却されることとなる。したがって、接地コンデンサ211を両側から冷却することができ、冷却性能を高めやすい。
半導体冷却器285の内部を流れる冷却媒体としては、LLCなどの熱容量の大きな不凍液が好ましい。ただし、十分な冷却性能が得られる場合には、空気などの気体を冷却媒体として半導体冷却器285の内部に流してもよい。
第3実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、高電位側コンデンサ素子311cHと低電位側コンデンサ素子311cLとをZ方向に互いに隣り合って配置している。また、接地コンデンサ311は、平滑コンデンサ素子31cの並び方向の片側に配置されている。
図7において、高電位側コンデンサ素子311cHと低電位側コンデンサ素子311cLとは、Z方向に互いに隣り合って設けられている。高電位側コンデンサ素子311cHの電極面は、Y方向に直交する向きの面である。ここで、電極面とは、電気的な接続を行うための端子を有する面のことである。低電位側コンデンサ素子311cLの電極面は、Y方向に直交する向きの面である。高電位側コンデンサ素子311cHは、接地コンデンサ素子の一例を提供する。低電位側コンデンサ素子311cLは、接地コンデンサ素子の一例を提供する。
コンデンサユニット10は、コンデンサ用正極バスバ335pとコンデンサ用負極バスバ335nとグランドバスバ317とを備えている。コンデンサ用正極バスバ335pは、高電位側コンデンサ素子311cHの一方の電極面と接続している。グランドバスバ317は、高電位側コンデンサ素子311cHの他方の電極面と接続している。コンデンサ用負極バスバ335nは、低電位側コンデンサ素子311cLの一方の電極面と接続している。グランドバスバ317は、低電位側コンデンサ素子311cLの他方の電極面と接続している。
電力変換装置1は、冷却用接続部318を備えている。冷却用接続部318は、電気伝導と熱伝導の良好な金属製の板部品である。冷却用接続部318は、半導体冷却器85の外表面に接続している。冷却用接続部318は、締結部材319によってグランドバスバ317と接続した状態で締結固定されている。ここで、締結部材319は、例えば金属製のボルトである。
高電位側コンデンサ素子311cHは、コンデンサ用正極バスバ335pとグランドバスバ317とに接続されることで、コンデンサ用正極バスバ335pを流れる電流のノイズ成分をグランドに導いている。また、低電位側コンデンサ素子311cLは、コンデンサ用負極バスバ335nとグランドバスバ317とに接続されることで、コンデンサ用負極バスバ335nを流れる電流のノイズ成分をグランドに導いている。
コンデンサユニット10における各コンデンサ素子と各バスバとの位置関係について以下に説明する。図8は、コンデンサケース12の内部におけるコンデンサユニット10の構成を示す上面図である。複数の平滑コンデンサ素子31cと高電位側コンデンサ素子311cHとは、X方向に並んでいる。高電位側コンデンサ素子311cHは、一列に並んでいる複数の平滑コンデンサ素子31cの並び方向における端に位置している。コンデンサ用正極バスバ335pは、平滑コンデンサ素子31cの電極面にはんだ付けされている。
図9は、コンデンサケース12の内部におけるコンデンサユニット10の構成を示す図であって、パワーモジュール80側からコンデンサユニット10を見た場合の側面図である。高電位側コンデンサ素子311cHと低電位側コンデンサ素子311cLとは、Z方向に互いに隣り合って設けられている。高電位側コンデンサ素子311cHと低電位側コンデンサ素子311cLとを合わせたZ方向の長さは、平滑コンデンサ素子31cのZ方向の長さよりも小さい。グランドバスバ317は、高電位側コンデンサ素子311cHの電極面と低電位側コンデンサ素子311cLの電極面とにはんだ付けされている。
図10は、コンデンサケース12の内部におけるコンデンサユニット10の構成を示す図であって、パワーモジュール80の反対側からコンデンサユニット10を見た場合の側面図である。コンデンサ用正極バスバ335pは、Z方向に延出している部分を備えている。コンデンサ用正極バスバ335pは、高電位側コンデンサ素子311cHの電極面にはんだ付けされている。コンデンサ用負極バスバ335nは、Z方向に延出している部分を備えている。コンデンサ用負極バスバ335nは、低電位側コンデンサ素子311cLの電極面にはんだ付けされている。
図11は、コンデンサケース12の内部におけるコンデンサユニット10の構成を示す下面図である。低電位側コンデンサ素子311cLは、一列に並んでいる複数の平滑コンデンサ素子31cの並び方向における端に位置している。コンデンサ用負極バスバ335nは、平滑コンデンサ素子31cの電極面にはんだ付けされている。
上述した実施形態によると、グランドバスバ317は、高電位側コンデンサ素子311cHと低電位側コンデンサ素子311cLとに接続している。このため、1つのグランドバスバ317で高電位側コンデンサ素子311cHと低電位側コンデンサ素子311cLとをグランドに接続することができる。したがって、グランドバスバ317を複数の部品で構成する場合に比べて、部品点数を削減しやすい。
高電位側コンデンサ素子311cHと低電位側コンデンサ素子311cLとを平滑コンデンサ素子31cの並び方向の片側の端に設けている。このため、高電位側コンデンサ素子311cHと低電位側コンデンサ素子311cLとを平滑コンデンサ素子31cの並び方向の両端に離間して配置した場合に比べて、グランドバスバ317の長さを短くしやすい。したがって、グランドバスバ317の体格を小さくし、電力変換装置1を軽量に設計しやすい。
第4実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、高電位側コンデンサ素子411cHと低電位側コンデンサ素子411cLとをY方向に互いに隣り合って配置している。また、接地コンデンサ411は、平滑コンデンサ素子31cの並び方向の片側に配置されている。
図12において、高電位側コンデンサ素子411cHと低電位側コンデンサ素子411cLとは、Y方向に互いに隣り合って設けられている。高電位側コンデンサ素子411cHの電極面は、Z方向に直交する向きの面である。低電位側コンデンサ素子411cLの電極面は、Z方向に直交する向きの面である。高電位側コンデンサ素子411cHは、接地コンデンサ素子の一例を提供する。低電位側コンデンサ素子411cLは、接地コンデンサ素子の一例を提供する。
コンデンサユニット10は、コンデンサ用正極バスバ435pとコンデンサ用負極バスバ435nとグランドバスバ417とを備えている。コンデンサ用正極バスバ435pは、高電位側コンデンサ素子411cHの一方の電極面と接続している。グランドバスバ417は、高電位側コンデンサ素子411cHの他方の電極面と接続している。コンデンサ用負極バスバ435nは、低電位側コンデンサ素子411cLの一方の電極面と接続している。グランドバスバ417は、低電位側コンデンサ素子411cLの他方の電極面と接続している。
高電位側コンデンサ素子411cHは、コンデンサ用正極バスバ435pとグランドバスバ417とに接続されることで、コンデンサ用正極バスバ435pを流れる電流のノイズ成分をグランドに導いている。また、低電位側コンデンサ素子411cLは、コンデンサ用負極バスバ435nとグランドバスバ417とに接続されることで、コンデンサ用負極バスバ435nを流れる電流のノイズ成分をグランドに導いている。
コンデンサユニット10における各コンデンサ素子と各バスバとの位置関係について以下に説明する。図13は、コンデンサケース12の内部におけるコンデンサユニット10の構成を示す上面図である。複数の平滑コンデンサ素子31cと高電位側コンデンサ素子411cHとは、X方向に並んでいる。高電位側コンデンサ素子411cHは、一列に並んでいる複数の平滑コンデンサ素子31cの並び方向における端に位置している。複数の平滑コンデンサ素子31cと低電位側コンデンサ素子411cLとは、X方向に並んでいる。低電位側コンデンサ素子411cLは、一列に並んでいる複数の平滑コンデンサ素子31cの並び方向における端に位置している。高電位側コンデンサ素子411cHと低電位側コンデンサ素子411cLとは、Y方向に互いに隣り合って設けられている。
コンデンサ用正極バスバ435pは、平滑コンデンサ素子31cの電極面にはんだ付けされている。コンデンサ用正極バスバ435pは、高電位側コンデンサ素子411cHの電極面にはんだ付けされている。グランドバスバ417は、低電位側コンデンサ素子411cLの電極面にはんだ付けされている。
図14は、コンデンサケース12の内部におけるコンデンサユニット10の構成を示す図であって、パワーモジュール80側からコンデンサユニット10を見た場合の側面図である。グランドバスバ417のZ方向の長さは、低電位側コンデンサ素子411cLのZ方向の長さよりも大きい。
図15は、コンデンサケース12の内部におけるコンデンサユニット10の構成を示す図であって、パワーモジュール80の反対側からコンデンサユニット10を見た場合の側面図である。グランドバスバ417のZ方向の長さは、高電位側コンデンサ素子411cHのZ方向の長さよりも大きい。
図16は、コンデンサケース12の内部におけるコンデンサユニット10の構成を示す下面図である。コンデンサ用負極バスバ435nは、平滑コンデンサ素子31cの電極面にはんだ付けされている。グランドバスバ417は、高電位側コンデンサ素子411cHの電極面にはんだ付けされている。
上述した実施形態によると、高電位側コンデンサ素子411cHの電極面と低電位側コンデンサ素子411cLの電極面とが、Z方向に直交する向きの面である。さらに、平滑コンデンサ素子31cの電極面についても、Z方向に直交する向きの面である。このため、各コンデンサ素子と各バスバとを接続する部分の向きをそろえることができる。したがって、はんだ付けなどの接続作業をスムーズに実施しやすい。
第5実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、グランドバスバ517を挟んだ状態で高電位側コンデンサ素子511cHと低電位側コンデンサ素子511cLとをZ方向に互いに隣り合って配置している。また、接地コンデンサ511は、平滑コンデンサ素子31cの並び方向の片側に配置されている。
図17において、高電位側コンデンサ素子511cHと低電位側コンデンサ素子511cLとは、Z方向に互いに隣り合って設けられている。高電位側コンデンサ素子511cHの電極面は、Z方向に直交する向きの面である。低電位側コンデンサ素子511cLの電極面は、Z方向に直交する向きの面である。高電位側コンデンサ素子511cHは、接地コンデンサ素子の一例を提供する。低電位側コンデンサ素子511cLは、接地コンデンサ素子の一例を提供する。
コンデンサユニット10は、コンデンサ用正極バスバ535pとコンデンサ用負極バスバ535nとグランドバスバ517とを備えている。コンデンサ用正極バスバ535pは、高電位側コンデンサ素子511cHの一方の電極面と接続している。グランドバスバ517は、高電位側コンデンサ素子511cHの他方の電極面と接続している。コンデンサ用負極バスバ535nは、低電位側コンデンサ素子511cLの一方の電極面と接続している。グランドバスバ517は、低電位側コンデンサ素子511cLの他方の電極面と接続している。
高電位側コンデンサ素子511cHは、コンデンサ用正極バスバ535pとグランドバスバ517とに接続されることで、コンデンサ用正極バスバ535pを流れる電流のノイズ成分をグランドに導いている。また、低電位側コンデンサ素子511cLは、コンデンサ用負極バスバ535nとグランドバスバ517とに接続されることで、コンデンサ用負極バスバ535nを流れる電流のノイズ成分をグランドに導いている。
コンデンサユニット10における各コンデンサ素子と各バスバとの位置関係について以下に説明する。図18において、コンデンサユニット10は、接地コンデンサ511と平滑コンデンサ31とを備えている。接地コンデンサ511は、高電位側コンデンサ素子511cHと低電位側コンデンサ素子511cLとを備えている。平滑コンデンサ31は、5つの平滑コンデンサ素子31cを備えている。まとめると、コンデンサユニット10には、7つのコンデンサ素子が設けられている。ただし、各コンデンサ素子の数は、上述の個数に限られない。
高電位側コンデンサ素子511cHと低電位側コンデンサ素子511cLとは、平滑コンデンサ素子31cよりも静電容量や体格の小さなコンデンサ素子である。高電位側コンデンサ素子511cHのZ方向の長さは、平滑コンデンサ素子31cのZ方向の長さの半分以下である。高電位側コンデンサ素子511cHのZ方向の長さは、低電位側コンデンサ素子511cLのZ方向の長さに略等しい。高電位側コンデンサ素子511cHと低電位側コンデンサ素子511cLとは、間にグランドバスバ517を挟んだ状態となる。グランドバスバ517を間に挟んだ状態での接地コンデンサ511のZ方向の高さは、平滑コンデンサ素子31cのZ方向の高さに略等しい。
上述した実施形態によると、高電位側コンデンサ素子511cHと低電位側コンデンサ素子511cLとは、グランドバスバ517を間に挟んだ状態で、Z方向に並んで設けられている。このため、高電位側コンデンサ素子511cHの電極面からグランドまでを接続する電流経路と、低電位側コンデンサ素子511cLの電極面からグランドまでを接続する電流経路とを共通化しやすい。したがって、グランドバスバ517の形状を簡素化しやすい。
他の実施形態
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、1つの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
明細書および図面等における開示は、請求の範囲の記載によって限定されない。明細書および図面等における開示は、請求の範囲に記載された技術的思想を包含し、さらに請求の範囲に記載された技術的思想より多様で広範な技術的思想に及んでいる。よって、請求の範囲の記載に拘束されることなく、明細書および図面等の開示から、多様な技術的思想を抽出することができる。