JP7362843B1 - エレベータシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】利用者の携帯端末を利用して行先階を登録する際に、不要な行先階の登録を防止し、実際に乗りかごに乗車した利用者を対象にして行先階を正しく登録する。【解決手段】一実施形態に係るエレベータシステムは、乗りかごの運転を制御するエレベータ制御装置と、任意の階の乗場に設置された第1の無線信号装置と、上記乗りかご内に設置された第2の無線信号装置とを備える。上記携帯端末は、かご呼び登録モードのときに、上記第2の無線信号装置に上記利用者の行先階を仮登録するための仮登録接続を行い、上記第1の無線信号装置と上記第2の無線信号装置の電波検知状態に基づいて、上記第2の無線信号装置に上記利用者の行先階を本登録するための本登録信号を送信する。【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、利用者の携帯端末を利用して呼び登録を行うエレベータシステムに関する。
一般に、建物の各階の乗場には、乗場呼びを登録するための乗場呼びボタンが設置されている。エレベータの利用者が乗場呼びボタンを操作すると、乗りかごが乗場呼びの登録階に応答する。利用者が乗りかごに乗り込み、かご操作盤の行先階ボタンを操作すると、行先階が登録され、乗りかごがその行先階に移動する。
ここで、近年、利用者が持つ携帯端末を利用して呼び登録を行うエレベータシステムが考えられている。これは、携帯端末に予め呼び登録のためのアプリケーションソフトをインストールしておき、利用者が任意の階の乗場に来たときに、「ビーコン」と呼ばれる無線信号装置から発信される無線電波を用いて当該アプリケーションソフトを起動して、乗場呼びと行先階(かご呼び)を自動登録するものである。
特許第6321124号公報 特許第6958981号公報
上述したエレベータシステムでは、利用者の携帯端末を利用して乗場呼びを登録後、その乗場呼びに応答した乗りかご内に設置されたビーコン(かご内ビーコン)を通じて利用者の行先階を登録する。その際、無線電波の関係で、利用者が乗りかごに乗車する前に、行先階が登録されることがある。このため、利用者が何らかの事情で乗りかごに乗車しなかった場合に、不要な行先階が登録されたままで乗りかごが出発してしまい、運行効率の低下を招くことになる。
本発明が解決しようとする課題は、利用者の携帯端末を利用して行先階を登録する際に、不要な行先階の登録を防止し、実際に乗りかごに乗車した利用者を対象にして行先階を正しく登録できるエレベータシステムを提供することである。
一実施形態に係るエレベータシステムは、利用者の携帯端末を利用して呼び登録を行うエレベータシステムであって、乗りかごの運転を制御するエレベータ制御装置と、任意の階の乗場に設置された第1の無線信号装置と、上記乗りかご内に設置された第2の無線信号装置とを備える。上記携帯端末は、予めインストールされた呼び登録用のアプリケーションの起動により、乗場呼び登録モードのときに、上記第1の無線信号装置に接続して上記乗場呼びの登録処理を行った後、かご呼び登録モードに切替え、上記第2の無線信号装置に接続して上記利用者の行先階の登録処理を行う制御手段を具備する。上記制御手段は、上記かご呼び登録モードのときに、上記第2の無線信号装置に上記利用者の行先階を仮登録するための仮登録接続を行い、上記第1の無線信号装置と上記第2の無線信号装置の電波検知状態に基づいて、上記第2の無線信号装置を検知している状態で、上記第1の無線信号装置を検知しなくなった場合に、上記第2の無線信号装置に上記利用者の行先階を本登録するための本登録信号を送信する。
図1は一実施形態に係るエレベータシステムの構成を示す図である。 図2は上記エレベータシステムに備えられたエレベータ制御装置の構成を示すブロック図である。 図3は上記エレベータシステムに備えられた無線信号装置(乗場ビーコン)の構成を示すブロック図である。 図4は上記エレベータシステムに備えられた無線信号装置(かご内ビーコン)の構成を示すブロック図である。 図5は上記エレベータシステムで用いられる携帯端末の外観構成の一例を示す図である。 図6は上記携帯端末の機能構成を示すブロック図である。 図7は上記携帯端末に設けられた物件乗車テーブルの一例を示す図である。 図8は上記携帯端末を利用した呼び登録の基本構成を説明するための図である。 図9は上記携帯端末による誤った呼び登録を説明するための図であり、乗りかごの戸開中の状態を示している。 図10は上記携帯端末による誤った呼び登録を説明するための図であり、乗りかごの戸閉後の状態を示している。 図11は呼び登録の解決策1を説明するための図であり、乗りかごの戸開中の状態を示している。 図12は呼び登録の解決策1を説明するための図であり、乗りかごの戸開後の状態を示している。 図13は呼び登録の解決策2を説明するための図であり、乗りかごの戸開中の状態を示している。 図14は呼び登録の解決策2を説明するための図であり、乗りかごの戸開後の状態を示している。 図15は行先階の登録解除を説明するための図であり、乗りかごの戸開中の状態を示している。 図16は行先階の登録解除を説明するための図であり、乗りかごの戸開後の状態を示している。 図17は上記解決策1に関する処理を示すフローチャートであり、乗場呼び登録モード時の処理を示している。 図18は上記解決策1に関する処理を示すフローチャートであり、かご呼び登録モード時の処理を示している。 図19は上記解決策2に関する処理を示すフローチャートである。 図20は上記行先階の登録解除に関する処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るエレベータシステムの構成を示す図である。
例えばオフィスビルなどの建物にエレベータ11が設置されている。エレベータ11は、乗りかご12とエレベータ制御装置13を備える。乗りかご12は、昇降路内に立設された一対のガイドレールに昇降自在に支持されており、乗場呼びまたはかご呼びに応答して各階を移動する。
「乗場呼び」とは、各階の乗場で登録される呼びの信号のことであり、登録階と行先方向の情報を含む。「かご呼び」とは、かご室内で登録される呼びの信号のことであり、行先階の情報を含む。なお、「登録階」とは、乗場で利用者が乗場呼びを登録した階のことであり、当該乗場呼びに応答した乗りかごが到着する階を示している。「行先階」とは、乗りかご内で利用者がかご呼びとして登録した階のことであり、乗りかごが上記登録階から出発して向かう目的階を示している。後述するように、本システムでは、利用者の携帯端末25を利用して乗場呼びとかご呼びを登録可能であり、乗場やかご室内でのボタン操作(乗場ボタン23や行先階ボタン17の操作)は不要となる。なお、「かご呼びの登録」のことを「行先階の登録」とも言う。
乗りかご12の出入口にはかごドア14が開閉自在に取り付けられており、そのかごドア14の近傍にはかご操作盤15が設けられている。かご操作盤15には、乗りかご12の現在位置や運転方向などを表示するための表示器16の他、建物の各階に対応した行先階ボタン17、戸開ボタン18a、戸閉ボタン18bなどを含む各種操作ボタンが配設されている。
エレベータ制御装置13は、「制御盤」とも呼ばれ、建物内の最上部に設けられた図示せぬ機械室あるいは昇降路内の上部に設置され、乗りかご12の運転制御を含むエレベータ全体の制御を行う。
一方、各階の乗場20において、乗りかご12の到着口に乗場ドア21が開閉自在に取り付けられており、その乗場ドア21の近傍には乗場操作盤22が設けられている。乗場ドア21は、乗りかご12が到着したときに、かごドア14と共に開閉動作する。駆動源(ドアモータ)はかごドア14側にあり、乗場ドア21は、かごドア14に係合して開閉動作する。乗場操作盤22には、乗りかご12を乗場20に応答させるための乗場ボタン23が設けられている。乗場ボタン23は、利用者の行先方向を指定するための上方向ボタンと下方向ボタンからなる(最下階では上方向ボタンのみ、最上階では下方向ボタンのみで構成される)。
ここで、本実施形態において、乗場20の任意の箇所に例えばBluetooth(登録商標)等からなる第1の無線信号装置27が設置されている。第1の無線信号装置27は、「乗場ビーコン(beacon)」として用いられ、所定周波数帯の無線信号を発信する。第1の無線信号装置27の設置箇所は、例えば乗場ドア21付近の壁などであるが、特に限定されるものではなく、乗場20に来た利用者(乗客)が持つ携帯端末25に無線信号が届く範囲であればどこでも良い。
第1の無線信号装置27は、基準階を含む各階の乗場20に設置されている。第1の無線信号装置27は、エレベータ制御装置13と乗場操作盤22に接続されており、エレベータ11(乗りかご12)の運転中は常時ONして、乗場に関する情報(以下、乗場情報と称す)を所定周波数帯の電波で発信する機能を有する。上記乗場情報には、乗場階などの情報を含む。さらに、上記乗場情報には物件情報を含む。物件情報は、エレベータが設置された建物を特定するための識別情報を有する。
利用者が所持する携帯端末25は、一般的な携帯電話機やスマートフォンなどである。この携帯端末25には、予め呼び登録用のアプリケーションソフト26がインストールされている。この呼び登録用のアプリケーションソフト26は、エレベータ11の関連企業によって開発されたものであり、携帯端末25のOS(Operating System)に依存するWebサイトから自由にダウンロードできる。
このアプリケーションソフト26を用いて、複数の物件毎に利用者の乗車情報を設定しておくことができる。ここで言う「物件」とは、本システムを有するエレベータが設置された建物のことである。後述するように、利用者の乗車情報には、物件毎に乗車階,行先階の情報が含まれる(図7参照)。
携帯端末25が乗場20で第1の無線信号装置27から発信される無線信号を受信すると、アプリケーションソフト26が自動的に起動される。アプリケーションソフト26は、乗場呼び登録モードとかご呼び登録モードを有する。アプリケーションソフト26の起動時に、まず、乗場呼び登録モードが設定される。乗場呼び登録モードが設定されると、携帯端末25は、第1の無線信号装置27を介して乗場呼びの登録処理を行う。乗場呼びの登録が完了すると、かご呼び登録モードが設定される。
乗りかご12内の任意の箇所に、例えばBluetooth(登録商標)等からなる第2の無線信号装置28が設置されている。第2の無線信号装置28は、「かご内ビーコン(beacon)」として用いられ、所定周波数帯の無線信号を発信する。第2の無線信号装置28の設置箇所は、例えばかごドア14付近の壁などであるが、特に限定されるものではなく、乗場20に来た利用者(乗客)が持つ携帯端末25に無線信号が届く範囲であればどこでも良い。
第2の無線信号装置28は、エレベータ制御装置13とかご操作盤15に接続されており、エレベータ11(乗りかご12)の運転中は常時ONして、乗りかご12の運転状態に関する情報(以下、運転情報と称す)を所定周波数帯の電波で発信する機能を有する。乗りかご12の運転情報には、乗りかご12が現在運転中の階床(以下、現在階と称す)や行先方向などが含まれる。かご呼び登録モードが設定されると、携帯端末25は、第2の無線信号装置28を介して行先階の登録処理を行う。
図2はエレベータ制御装置13の構成を示すブロック図である。
エレベータ制御装置13は、制御部31と記憶部32とを備える。制御部31は、プログラムの起動によりエレベータ11の運転に必要な各種処理を実行する部分であり、ここでは運転制御部31a、かご位置検出部31b、戸開閉制御部31cを有する。
運転制御部31aは、乗りかご12の運転制御を行う。本実施形態において、運転制御部31aは、乗りかご12の運転を制御する。詳しくは、運転制御部31aは、乗場で登録された乗場呼びに基づいて乗りかご12を利用者の乗車階に応答させ、乗りかご12内で登録された利用者の行先階に基づいて乗りかご12を運転する。
かご位置検出部31bは、乗りかご12の現在位置を検出する。検出方法としては、例えば巻上機の回転に同期して出力されるパルスエンコーダのパルス信号をカウントした値から乗りかご12の現在位置を算出するなどの方法がある。
戸開閉制御部31cは、乗りかご12が乗場20に到着したときのかごドア14の開閉動作を制御する。詳しくは、戸開閉制御部31cは、図示せぬ着床検出装置によって乗りかご12が乗場20に着床したことを検出すると、かごドア14を戸開方向に移動させて全開する。そして、所定時間経過後に、戸開閉制御部31cは、かごドア14を戸閉方向に移動させて全閉する。なお、かごドア14の移動と共に乗場ドア21も同じ方向に移動する。
記憶部32は、乗場20に設けられた無線信号装置27、乗りかご12に設けられた無線信号装置28、かご操作盤15から送信された信号を記憶する。送信された信号とは、例えば、乗場呼びの情報(乗車階、行先方向)、かご呼びの情報(行先階)などである。制御部31は、記憶部32に記憶された情報に基づいて乗りかご12の運転制御を行う。
図3は第1の無線信号装置27の構成を示すブロック図である。
第1の無線信号装置27は、制御部41と通信部42とを備える。通信部42は、予め設定された周波数帯の無線信号の送信/受信処理を行う。制御部41には、本システムに関わる機能として、乗場呼び登録部41aが備えられている。乗場呼び登録部41aは、携帯端末25から発信された乗場呼びの信号を受信し、その乗場呼びに含まれる行先方向に対応した乗場ボタン23を点灯するなどの乗場呼びの登録処理を行う。
図4は第2の無線信号装置28の構成を示すブロック図である。
第2の無線信号装置28は、制御部45と通信部46とを備える。通信部46は、予め設定された周波数帯の無線信号の送信/受信処理を行う。制御部45には、本システムに関わる機能として、かご呼び登録部45a、電波強度測定部45bが備えられている。かご呼び登録部45aは、携帯端末25から発信されたかご呼びの信号を受信し、そのかご呼びに含まれる行先階に対応した行先階ボタン17を点灯するなどの行先階の登録処理を行う。電波強度測定部45bは、携帯端末25の電波強度を測定する。
図5は携帯端末25の外観構成の一例を示す図である。
乗客の携帯端末25は、例えば携帯電話機やスマートフォンなどであり、通信機能を備えた小型の端末装置からなる。携帯端末25には、上述した呼び登録用のアプリケーションソフト26がインストールされている。図中の26aはアプリケーションソフト26がインストールされていることを示すアイコンである。上述したように、乗場20に設置された第1の無線信号装置27から所定周波数帯の無線信号を携帯端末25が受信すると、このアプリケーションソフト26が起動される。
図6は携帯端末25の機能構成を示すブロック図である。
乗客が持つ携帯端末25には、入力部51、表示部52、制御部53、音声入出力部54、記憶部55、GPS(Global Positioning System)モジュール56、通信部57、電波強度測定部58などが備えられている。
入力部51は、各種キーやボタンなどからなり、データの入力や指示を行う。表示部52は、例えばLCDからなり、データの表示を行う。なお、入力部51として、例えば透明のタッチパネルを用い、表示部52の画面上でデータ入力・指示を行う構成でも良い。
制御部53は、CPUからなり、所定のプログラムの起動により各種機能を実行する。制御部53は、呼び登録用のアプリケーションソフト26に従った乗場呼びの登録処理、行先階(かご呼び)の登録処理を実行する機能を備える。音声入出力部54は、音声を入力するためのマイクと、音声を出力するためのスピーカで構成される。記憶部55は、ROMやRAM等のメモリデバイスからなり、アプリケーションソフト26を含む各種プログラムが記憶されている。また、この記憶部55には、物件乗車テーブルT1が設けられている。
図6に示すように、物件乗車テーブルT1には、予めアプリケーションソフト26を使用して、物件毎に任意に設定された利用者の乗車情報が記憶されている。乗車情報には、利用者の乗車階と行先階の情報を含む。図中の物件a,b,cは、例えば住居マンション、本社ビル、支店ビルなどであり、利用者が日常的に利用しているエレベータが設置された物件である。
GPSモジュール56は、現在位置を検出するために用いられる。通信部57は、外部との間で無線通信を行うための汎用のインタフェフェースであり、公衆回線網を利用した長距離無線通信及びBluetooth(登録商標)、Wi-Fi等の近接無線通信を可能とする。電波強度測定部58は、図1に示した無線信号装置27,28から発信される電波の強度を測定する。
このような構成において、利用者は自分の携帯端末25を持って乗場20に行くだけで、その乗場20に設置された無線信号装置27と、乗りかご12内に設置された無線信号装置28を介して乗場呼びと行先階(かご呼び)を登録することができる。ところが、無線電波を利用するため、利用者が乗りかご12に乗車する前に行先階の登録が完了してしまい、乗りかご12が利用者を乗せずに出発することがある。この場合、乗りかご12が不要な行先階に移動するため、運行効率の低下を招くことになる。
以下に、携帯端末25を利用した呼び登録(以下、端末呼びと称す)において、利用者を乗せずに乗りかご12が運転されることを防ぐための方法について説明する。なお、以下では、乗場20に設置された第1の無線信号装置27のことを「乗場ビーコン27」、乗りかご12内に設置された第2の無線信号装置28のことを「かご内ビーコン28」と称して説明する。また、「乗場呼びの登録」のことを「行先方向の登録」、「かご呼びの登録」のことを「行先階の登録」と言うこともある。
(端末呼びの基本構成)
まず、理解を容易にするため、端末呼びの基本構成について説明する。
図8は端末呼びの基本構成を説明するための図である。図中の括弧内の数字は端末呼びの手順を示す。
任意の階の乗場20に利用者Pがきたとする(手順(1)参照)。利用者Pが乗場ビーコン27から発信される無線信号により、利用者Pが持つ携帯端末25内の呼び登録用のアプリケーションソフト26が起動される。なお、利用者Pが乗場20に来る前に手動操作によりアプリケーションソフト26を起動しておくことでも良い。
アプリケーションソフト26は、「乗場呼び登録モード」と「かご呼び登録モード」を有する。初期状態では、「乗場呼び登録モード」に設定されている。「乗場呼び登録モード」のとき、携帯端末25が乗場ビーコン27の信号を受信すると、乗場ビーコン27から発信される物件情報に基づいて、図7に示した物件乗車テーブルT1から現在の物件に対応した利用者の乗車情報(乗車階,行先階)を読み出される。
「乗場呼び登録モード」において、携帯端末25は、利用者の乗車情報を乗場呼びの信号として乗場ビーコン27を介してエレベータ制御装置13に送る。これにより、利用者の行先方向(ここでは上方向)が乗場操作盤22に登録され、その行先方向に対応した乗場呼びボタン23が点灯する(手順(2)参照)。
乗場呼びの登録が完了し、利用者Pが乗りかご12に乗車するときに、「乗場呼び登録モード」から「かご呼び登録モード」に切り替えられる(手順(3)参照)。「かご呼び登録モード」のとき、携帯端末25は、かご内ビーコン28を通じてかご呼びの登録処理を実行する。詳しくは、携帯端末25は、利用者の行先階をかご呼びの信号としてかご内ビーコン28を介してエレベータ制御装置13に送る。これにより、かご操作盤15に利用者の行先階が登録され、その行先階に対応した行先階ボタン17が点灯する(手順(4)参照)。
(携帯端末による誤った呼び登録)
図9および図10は携帯端末による誤った呼び登録を説明するための図である。図9は乗りかご12の戸開中の状態、図10は乗りかご12の戸閉後の状態を示している。図中のA,B,C,Dは利用者を示す。25aは利用者Aの携帯端末、25cは利用者Cの携帯端末、25dは利用者Dの携帯端末を示す。なお、利用者A~Dの近くに付されている数字は、それぞれの行先階を表している。
図9に示すように、乗りかご12が乗場20で戸開して待機しているとき、かご内ビーコン28の無線電波が乗場20側にも流れている。このため、利用者が乗りかご12に乗車する前に行先階を自動登録できてしまうことがある。図9の例では、乗りかご12内にいる利用者Aの行先階(9階)だけでなく、乗場20にいる利用者Cの行先階(7階)や利用者Dの行先階(6階)も自動登録されている。なお、利用者Bは携帯端末を持たず、乗りかご12内に乗車してからボタン操作によって、行先階(7階)を手動登録しているものとする。
ここで、かご呼び登録モードで行先階を登録した後、すぐにかご内ビーコン28と携帯端末25との間の無線通信を遮断してしまうと、図10に示すように、実際には乗車していない利用者Dの行先階(6階)が登録された状態で、乗りかご12が出発してしまう可能性がある。
(呼び登録の解決策1)
図11および図12は呼び登録の解決策1を説明するための図である。図11は乗りかご12の戸開中の状態、図12は乗りかご12の戸閉後の状態を示している。なお、図中の括弧内の数字は解決策の手順を示している。ここでは、呼び登録用のアプリケーションソフト26を動作の主体として説明するが、実際には、携帯端末25の制御部53がこのアプリケーションソフト26に記述された処理手順に従って動作している。
アプリケーションソフト26には、仮登録接続と本登録の機能が備えられている。図11に示すように、かご呼び登録モードのときに、アプリケーションソフト26は、乗場ビーコン27とかご内ビーコン28の両方の無線電波を検知している場合に、かご内ビーコン28に対して仮登録接続を行う(手順(1)参照)。
なお、「乗場ビーコン27の無線電波を検知」とは、具体的には、携帯端末25側で測定される乗場ビーコン27の電波強度が一定値以上の状態を検知していることを言う。同様に、「かご内ビーコン28の無線電波を検知」とは、携帯端末25側で測定されるかご内ビーコン28の電波強度が一定値以上の状態を検知していることを言う。この場合、乗場ビーコン27とかご内ビーコン28の電波強度に対する基準値は、同じ値であっても、異なる値であっても良い。かご呼び登録モードのときに、利用者が乗場20にいることをより確実に判断するためには、乗場ビーコン27に対する電波強度の基準値をかご内ビーコン28よりも下げておくことが好ましい。
「仮登録接続」とは、かご内ビーコン28に行先階を仮登録で接続することを言う。このとき、かご操作盤15上の行先階ボタン17は、通常とは異なる特定の形態で点灯する。具体的には、通常の登録はボタン全体が点灯するのに対し、仮登録の場合には、例えば行先階ボタン17の外周部分だけが特定の色(例えば赤色など)で点灯する。
図11の例では、利用者Aの行先階(9階)、利用者Cの行先階(7階)、利用者Dの行先階(6階)に対応した行先階ボタン17の外周部分が点灯している。7階の行先階ボタン17は、利用者Bの手動操作によって登録された行先階にも対応しているため、通常の点灯に加え、外周部分が特定の色で点灯する。
ここで、図12に示すように、乗場20にいた利用者Dと利用者Cのうち、利用者Cが乗りかご12に乗車してから戸閉したとする。かご内ビーコン28の無線電波が検知されている状態で、乗場ビーコン27の無線電波が検知されなくなった場合(電波強度が一定値未満となった場合)に、アプリケーションソフト26は、乗りかご12内に利用者が乗車後、戸閉したものと判断し、かご内ビーコン28に本登録信号を送信して、かご内ビーコン28との接続を解除する。「本登録信号」とは、仮登録状態にあった行先階を本登録させるための信号(つまり、行先階の登録確定を示す信号)である。
図12の例では、利用者Aの携帯端末25aと利用者Cの携帯端末25cから本登録信号が出力され、利用者Aの行先階(9階)と利用者Cの行先階(7階)が本登録される(手順(2)参照)。行先階が本登録されると、その行先階に対応した行先階ボタン17が通常の点灯状態となる。
一方、乗場ビーコン27の無線電波が検知されている状態で、かご内ビーコン28の無線電波が検知されなくなった場合(電波強度が一定値未満となった場合)、アプリケーションソフト26は、乗場20に利用者を残して、乗りかご12が戸閉して出発したものと判断し、その利用者のかご呼び登録モードをキャンセルして、乗場呼び登録モードに移行する。
図12の例では、利用者Dが乗りかご12に乗車せずに乗場20に残っているため、利用者Dのかご呼び登録モードがキャンセルされ、乗場呼び登録モードに戻る(手順(3)参照)。なお、かご呼び登録モードのキャンセルに伴い、行先階ボタン17の仮登録状態もキャンセルされる。
(呼び登録の解決策2)
上述した解決策1は、アプリケーションソフト26(携帯端末25)が乗場ビーコン27とかご内ビーコン28の電波検知状態に基づいて利用者がいる場所を判断していたが、解決策2では、かご内ビーコン28が携帯端末25の電波強度に基づいて利用者がいる場所を判断する。
図13および図14は呼び登録の解決策2を説明するための図である。図13は乗りかご12の戸開中の状態、図14は乗りかご12の戸閉後の状態を示している。なお、図中の括弧内の数字は解決策の手順を示している。
図13に示すように、かご呼び登録モードのとき、アプリケーションソフト26は、かご内ビーコン28を検知して仮登録接続を行う(手順(1)参照)。これにより、乗りかご12内において、仮登録状態にある行先階に対応した行先階ボタン17が特定の形態で点灯する。
図13の例は図11と同じであり、利用者Aの行先階(9階)、利用者Cの行先階(7階)、利用者Dの行先階(6階)に対応した行先階ボタン17の外周部分が特定の色で点灯している。7階の行先階ボタン17は、利用者Bの手動操作によって登録された行先階にも対応しているため、通常の点灯に加えて外周部分が特定の色で点灯している。また、エレベータ制御装置13からかご内ビーコン28に対して戸開信号が出力されている。
図14に示すように、乗りかご12の戸閉が完了すると、エレベータ制御装置13からかご内ビーコン28に対して戸閉完了信号が出力される。かご内ビーコン28は、戸閉完了信号を受信したときのタイミングで、携帯端末25の電波強度をチェックする。その結果、携帯端末25の電波強度が一定値以上であった場合には、かご内ビーコン28は、利用者が乗りかご12内にいると判断し、仮登録状態にあった利用者の行先階をエレベータ制御装置13に転送して本登録した後、当該携帯端末との接続を解除する(手順(2)参照)。
一方、携帯端末25の電波強度が一定値未満であった場合には、かご内ビーコン28は、利用者が乗場20に残っていると判断し、その利用者の行先階は本登録せずに、当該携帯端末との接続を解除する。接続が解除された携帯端末のアプリケーションソフト26は、かご呼び登録モードをキュンセルして乗場呼び登録モードに移行する。図14の例では、利用者Dが乗りかご12に乗車せずに乗場20に残っているため、利用者Dのかご呼び登録モードがキャンセルされ、乗場呼び登録モードに戻る(手順(3)参照)。これに伴い、該当する行先階ボタン17が消灯する。
このように、解決策2では、かご内ビーコン28が戸閉完了信号を受けたときのタイミングで携帯端末25の電波強度をチェックするので、その電波強度から利用者が乗りかご12内にいるのか乗場20にいるのかを正確に判断でき、利用者が乗りかご12内にいる場合にのみ、その利用者の行先階を登録することができる。
(行先階の登録解除)
図15および図16は行先階の登録解除を説明するための図である。図15は乗りかご12の戸開中の状態、図16は乗りかご12の戸閉後の状態を示している。
図15に示すように、携帯端末25を持たない利用者Bは、乗りかご12内で手動操作によって行先階(7階)を登録している。手動登録された行先階は、本登録と同じである。したがって、当該行先階に対応した行先階ボタン17は、通常の形態で点灯する。一方、携帯端末25によって登録された行先階が仮登録状態のときは、その行先階に対応した行先階ボタン17が通常とは異なる特定の形態でも点灯する(例えば、ボタン外周部分の点灯)。
ここで、図16に示すように、かご内ビーコン28は、仮登録状態にある利用者の行先階をキャンセルする場合に、その行先階が手動登録された行先階と同じ場合には、当該行先階の登録を解除しないように制御する。図16の例では、乗場20にいる利用者Cの携帯端末25によって自動登録された行先階(7階)が仮登録状態にあり、利用者Bによって手動登録された行先階(7階)と同じである。このような場合、利用者Cに対する仮登録状態の行先階はキャンセルされても、当該行先階の登録自体は解除されない。ただし、行先階ボタン17の特定の形態による点灯は解除される。
以下に、本システムの動作について、(a)解決策1に関する処理、(b)解決策2に関する処理、(c)行先階の登録解除に関する処理に分けて説明する。
(a)解決策1に関する処理
図17および図18は解決策1に関する処理を示すフローチャートである。図17は乗場呼び登録モード時の処理、図18はかご呼び登録モード時の処理を示している。これらのフローチャートで示される処理は、携帯端末25(制御部53)によって実行される。
いま、利用者が携帯端末25を持って、予め物件毎に設定された乗車階の乗場20に来たとする。携帯端末25には予め呼び登録用のアプリケーションソフト24がインストールされている。図17に示すように、初期状態では、乗場呼び登録モードに設定されている(ステップS11)。乗場呼び登録モードのとき、携帯端末25に備えられた制御部53は、乗場20に設置された乗場ビーコン27の中の信号をスキャンする(ステップS12)。乗場ビーコン27の信号が受信されると(ステップS13のYes)、制御部53は、乗場呼びの登録処理を実行する(ステップS14)。乗場ビーコン27の信号が受信されないときは(ステップS13のNo)、ステップS12の処理を継続する。
詳しくは、制御部53は、乗場ビーコン信号に含まれる物件情報に基づいて、図7の物件乗車テーブルT1から現在の物件に対応した利用者の乗車情報(乗車階,行先階)を読み出す。制御部53は、利用者の乗車情報を乗場呼びの信号として生成し、乗場ビーコン27を介してエレベータ制御装置13に送る。これにより、利用者の乗車階と行先階との関係から得られる行先方向(上方向または下方向)が乗場操作盤22に乗場呼びとして登録される。
図18に示すように、乗場呼びの登録後、乗場呼び登録モードからかご呼び登録モードに切り替えられる(ステップS21)。かご呼び登録モードのとき、携帯端末25は、乗りかご内に設置されたかご内ビーコン28に接続して、利用者の行先階を登録する。その際、図9および図10で説明したように、かご内ビーコン28の無線電波が乗場20にも流れているため、利用者が乗りかご12に乗車する前に行先階を早めに登録できてしまう。
このような問題を回避するため、かご呼び登録モードでかご内ビーコン28が検知されているときに(ステップS22のYes)、制御部53は、乗場ビーコン27の検知状態をチェックする(ステップS23)。かご内ビーコン28が検知されていないときは(ステップS22のNo)、ステップS21の処理を継続する。ステップS23の結果、一定値以上の電波強度で乗場ビーコン27の電波を検知できている場合には(ステップS23のYes)、制御部53は、利用者が乗場20にいるものと判断して、かご内ビーコン28に仮登録接続を行う(ステップS24)。
詳しくは、制御部53は、物件乗車テーブルT1から得られる現在の物件に対応した利用者の行先階をかご呼びの信号として生成し、かご呼びの信号に仮登録であることを示す情報を付して、かご内ビーコン28に送る。これにより、かご内ビーコン28側では、かご呼びの信号に含まれる利用者の行先階を仮登録し、当該行先階に対応した行先階ボタン17を通常とは異なる特定の形態で点灯させる(図11の7階ボタン参照)。
この仮登録接続の状態で、乗場ビーコン27が検知されなくなった場合、つまり、乗場ビーコン27の電波強度が一定値未満になった場合には(ステップS25のNo)、制御部53は、乗りかご12に乗車したものと判断し、仮登録状態にあった行先階を本登録させための本登録信号をかご内ビーコン28に送信する(ステップS26)。これにより、かご内ビーコン28側では、利用者の行先階をエレベータ制御装置13に送って登録し、当該行先階に対応した行先階ボタン17を通常の形態で点灯させる。行先階の本登録後、制御部53は、かご内ビーコン28との接続を解除する(ステップS27)。なお、上記ステップS23において、一定値以上の電波強度で乗場ビーコン27の電波が検知されていない場合には(ステップS23のNo)、利用者がすでに乗りかご12内にいたと考えられるため、仮登録なしで、ステップS26の処理に進み、行先階の本登録を行うことになる。
一方、上記ステップS25において、乗場ビーコン27が検知されている場合、つまり、乗場ビーコン27の電波強度が一定値以上であった場合には(ステップS25のYes)、制御部53は、利用者が乗場20にいるものと判断し、かご内ビーコン28の無線電波を検知しなくなるまで、仮登録接続を継続する(ステップS28のYes→S24)。この間に、乗場ビーコン27の電波強度が一定値未満になれば(ステップS25のNo)、制御部53は、乗りかご12に乗車したものと判断して、本登録信号をかご内ビーコン28に送信した後、かご内ビーコン28との接続を解除する(ステップS26,27)。
また、仮登録接続の状態で、かご内ビーコン28が検知されなくなった場合、つまり、かご内ビーコン28の電波強度が一定値未満になった場合(ステップS28のNo)、制御部53は、利用者を乗場20に残したまま、乗りかご12が出発したものと判断する。この場合、制御部53は、本登録信号を送信せず、かご呼び登録モードをキャンセルして(ステップS29)、乗場呼び登録モードに移行する(ステップS30)。
このように、かご呼び登録モードのときに、かご内ビーコン28に仮登録接続した後、乗場ビーコン27の電波強度が一定値未満であった場合に本登録信号を送信することで、乗りかご12に乗車した利用者だけを対象にして行先階を正しく登録できる。また、利用者が何らかの事情で乗りかご12に乗車しなかった場合には、その利用者の行先階が登録されることを回避して、運行効率の低下を防ぐことができる。
(b)解決策2に関する処理
図19は解決策2に関する処理を示すフローチャートである。このフローチャートで示される処理は、主としてかご内ビーコン28(制御部45)によって実行される。
いま、利用者の携帯端末25によって乗場呼びを登録後、行先階(かご呼び)を登録する場合を想定する。上述したように、乗場呼びの登録後、乗場呼び登録モードからかご呼び登録モードに切り替えられる(ステップS51)。かご呼び登録モードにおいて、かご内ビーコン28と乗場ビーコン27が検知されている場合には(ステップS52→S53のYes)、制御部53は、利用者が乗場20にいるものと判断して、かご内ビーコン28に仮登録接続を行う(ステップS54)。かご内ビーコン28の電波が検知されていないときは(ステップS52のNo)、検知するまで処理を継続する。なお、かご内ビーコン28の電波を検知後、乗場ビーコン27の電波を検知していない場合には(ステップS53のNo)、上記図18のステップS23のNoの場合と同様であり、利用者がすでに乗りかご12内にいたと考えられるため、仮登録なしに、行先階の本登録を行うことになる。
ここで、上記解決策1では、仮登録接続後の処理を携帯端末25側で実行していたが、上記解決策2では、仮登録接続後の処理をかご内ビーコン28側で実行する。
すなわち、かご内ビーコン28に備えられた制御部45は、仮登録接続により携帯端末25から利用者の行先階を受け付けると、その行先階を仮登録の状態で保留する(ステップS61)。このとき、かご内ビーコン28は、当該行先階に対応した行先階ボタン17を通常とは異なる特定の形態で点灯させる(図13の7階ボタン参照)。
仮登録接続後、乗りかご12が戸閉を開始し、全閉した状態になると、エレベータ制御装置13からかご内ビーコン28に戸閉完了信号が出力される。制御部45は、この戸閉完了信号を受信したときのタイミングで(ステップS62のYes)、かご内ビーコン28に仮登録接続中の携帯端末25の電波強度をチェックする(ステップS63)。その結果、携帯端末25の電波強度が一定値以上であった場合には(ステップS63のYes)、制御部45は、利用者が乗りかご12内にいると判断し、仮登録状態にあった利用者の行先階をエレベータ制御装置13に転送して本登録する(ステップS64)。本登録後、制御部45は、携帯端末25との接続を解除する(ステップS65)。
一方、携帯端末25の電波強度が一定値未満であった場合には(ステップS63のNo)、制御部45は、利用者が乗りかご12に乗らずに、乗場20に残っていると判断し、仮登録状態にあった利用者の行先階を本登録せずに、携帯端末25との接続を解除する(ステップS65)。
このように、かご内ビーコン28が戸閉完了信号を受けたときに、仮登録接続中の携帯端末25の電波強度をチェックして、電波強度が一定値以上の場合に本登録を行う構成としても、乗りかご12に乗車した利用者だけを対象にして、行先階を正しく登録できる。また、例えば利用者が何らかの事情で乗りかご12に乗車しなかった場合にき、その利用者の行先階が登録されることを回避して、運行効率の低下を防ぐことができる。
(c)行先階の登録解除に関する処理
図20は行先階の登録解除に関する処理を示すフローチャートである。このフローチャートで示される処理は、かご内ビーコン28(制御部45)によって実行される。
上記解決策1または上記解決策2により、利用者が乗場20にいると判断され、仮登録状態にある行先階をキャンセルする場合に(ステップS71のYes)、かご内ビーコン28に備えられた制御部45は、エレベータ制御装置13から手動登録された行先階の情報を取得する(ステップS72)。
ここで、仮登録状態にある行先階が手動登録された行先階と同じであった場合には(ステップS73のYes)、制御部45は、当該行先階の登録を解除せず、当該行先階に対応した行先階ボタン17の特定の形態による点灯のみを解除する(ステップS74)。一方、仮登録状態にある行先階が手動登録された行先階と異なる場合には(ステップS73のNo)、制御部45は、当該行先階の登録を解除し、当該行先階に対応した行先階ボタン17の特定の形態による点灯も解除する(ステップS75)。
このように、仮登録状態にある行先階が手動登録された行先階と同じであった場合に、当該行先階の登録を解除せず、当該行先階に対応した行先階ボタン17の特定の形態による点灯のみを解除することで、携帯端末25を持たない利用者が手動登録した行先階の登録が勝手に解除されることを防ぐことができる。
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、利用者の携帯端末を利用して行先階を登録する際に、不要な行先階の登録を防止し、実際に乗りかごに乗車した利用者を対象にして行先階を正しく登録できるエレベータシステムを提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…エレベータ、12…乗りかご、13…エレベータ制御装置、14…かごドア、15…かご操作盤、16…表示器、17…行先階ボタン、18a…戸開ボタン、18b…戸閉ボタン、20…乗場、21…乗場ドア、22…乗場操作盤、23…乗場ボタン、25…携帯端末、26…呼び登録用のアプリケーションソフト、26a…アイコン、27…第1の無線信号装置(乗場ビーコン)、28…第2の無線信号装置(かご内ビーコン)、31…制御部、32…記憶部、41…制御部、42…通信部、45…制御部、46…通信部、51…入力部、52…表示部、53…制御部、54…音声入出力部、55…記憶部、56…GPSモジュール、57…通信部、58…電波強度測定部。

Claims (7)

  1. 利用者の携帯端末を利用して呼び登録を行うエレベータシステムであって、
    乗りかごの運転を制御するエレベータ制御装置と、
    任意の階の乗場に設置された第1の無線信号装置と、
    上記乗りかご内に設置された第2の無線信号装置とを備え、
    上記携帯端末は、
    予めインストールされた呼び登録用のアプリケーションの起動により、乗場呼び登録モードのときに、上記第1の無線信号装置に接続して上記乗場呼びの登録処理を行った後、かご呼び登録モードに切替え、上記第2の無線信号装置に接続して上記利用者の行先階の登録処理を行う制御手段を具備し、
    上記制御手段は、
    上記かご呼び登録モードのときに、上記第2の無線信号装置に上記利用者の行先階を仮登録するための仮登録接続を行い、
    上記第1の無線信号装置と上記第2の無線信号装置の電波検知状態に基づいて、上記第2の無線信号装置を検知している状態で、上記第1の無線信号装置を検知しなくなった場合に、上記第2の無線信号装置に上記利用者の行先階を本登録するための本登録信号を送信することを特徴とするエレベータシステム。
  2. 上記制御手段は、
    上記第1の無線信号装置を検知している状態で、上記第2の無線信号装置を検知しなくなった場合に、上記第2の無線信号装置に上記本登録信号を送信せず、上記かご呼び登録モードから上記乗場呼びの登録モードに移行することを特徴とする請求項1記載のエレベータシステム。
  3. 利用者の携帯端末を利用して呼び登録を行うエレベータシステムであって、
    乗りかごの運転を制御するエレベータ制御装置と、
    任意の階の乗場に設置された第1の無線信号装置と、
    上記乗りかご内に設置された第2の無線信号装置とを備え、
    上記携帯端末は、
    予めインストールされた呼び登録用のアプリケーションの起動により、乗場呼び登録モードのときに、上記第1の無線信号装置に接続して上記乗場呼びの登録処理を行った後、かご呼び登録モードに切替え、上記第2の無線信号装置に接続して上記利用者の行先階の登録処理を行う制御手段を具備し、
    上記制御手段は、
    上記かご呼び登録モードのときに、上記第2の無線信号装置に上記利用者の行先階を仮登録するための仮登録接続を行い、
    上記第2の無線信号装置は、
    上記携帯端末が仮登録接続されているときに、上記乗りかごの戸閉完了時における上記携帯端末の電波強度に基づいて、上記利用者の行先階を本登録することを特徴とするエレベータシステム。
  4. 上記第2の無線信号装置は、
    上記乗りかごの戸閉完了時における上記携帯端末の電波強度が一定値以上であった場合に、上記利用者の行先階を本登録することを特徴とする請求項記載のエレベータシステム。
  5. 上記第2の無線信号装置は、
    上記乗りかごの戸閉完了時における上記携帯端末の電波強度が一定値未満であった場合には、上記携帯端末との接続を解除することを特徴とする請求項記載のエレベータシステム。
  6. 上記第2の無線信号装置は、
    上記エレベータ制御装置から出力される戸閉完了信号を受信したときに、上記携帯端末の電波強度をチェックすることを特徴とする請求項記載のエレベータシステム。
  7. 上記第2の無線信号装置は、
    仮登録状態にある行先階をキャンセルする場合に、その行先階が上記乗りかご内で手動操作によって登録された行先階と同じであった場合に、当該行先階の登録を解除しないことを特徴とする請求項1または記載のエレベータシステム。
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