JP7362471B2 - シミュレーション方法、シミュレーション装置およびプログラム - Google Patents

シミュレーション方法、シミュレーション装置およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、シミュレーション方法等に関する。
基板の上に硬化性組成物を配置し、該硬化性組成物と型とを接触させ、該硬化性組成物を光または熱等で硬化させることによって該基板の上に硬化性組成物の硬化物からなる膜を形成する膜形成方法がある。このような膜形成方法は、インプリント方法および平坦化方法等に適用されうる。インプリント方法では、パターンを有する型を用いて、基板の上の硬化性組成物に該型のパターンが転写される。平坦化方法では、平坦面を有する型を用いて、基板の上の硬化性組成物と該平坦面とを接触させ該硬化性組成物を硬化させることによって平坦な上面を有する膜が形成される。
基板の上には、硬化性組成物が液滴の状態で配置される。その後、基板の上の硬化性組成物の液滴に型が押し当られる。これにより、液滴が拡がって硬化性組成物の膜が形成される。このような処理においては、厚さが均一な硬化性組成物の膜を形成すること、膜中に気泡がないことなどが重要であり、これを実現するために、液滴の配置、液滴への型の押し付けの方法および条件等が調整される。このような調整を、膜形成装置を使った膜形成を伴う試行錯誤によって実現するためには、膨大な時間と費用を必要とする。そこで、このような調整を支援するシミュレーターの登場が望まれる。
液滴が広がって膜が形成されるとき、液滴間に気体が閉じ込められ、硬化性組成物の膜中で気泡になる。膜中の気泡はマスクおよび膜に溶解、拡散し、いずれは消失する。しかしながら、気泡が離型までに消失しないと気泡欠陥になる懸念がある。1ショット分の膜全体での気泡の数は、およそ液滴の数と同じ程度であり、数万個である。このため、例えば1ショット全体の気泡欠陥の発生を予測するためには、数万個の気泡からの溶解、拡散を計算する必要がある。
特許第5599356号公報
Xiaogan Liang et al,Nanotechnology Vol.18, 025303 (2007)
特許文献1には、気液二相流解析を用いて、複数の液滴の濡れ広がりおよび合一を予測するためのシミュレーション方法が記載されている。こちらは数十個の気体がトラップされる様子が図に開示されているが、多数の気泡消失計算を効率的に行うためのシミュレーション方法は開示されていない。 また、非特許文献1には、ただ1つの気泡が消失するまでの計算が開示されている。ただし、気泡は硬化性組成物の膜のみに溶解、拡散するとされており、マスクへの溶解、拡散については考慮されておらず、また多数の気泡消失計算を効率的に行うためのシミュレーション方法は開示されていない。 即ち、従来の計算方法で、例えばマスクへの溶解、拡散等まで考慮した、例えば1ショット分の多数の気泡消失計算をしようとすると膨大な計算時間がかかり現実的でないという問題があった。 そこで、本発明では多数の気泡消失計算を効率的に行うために好適なシミュレーション方法を提供することを目的とする。
その目的を達成するために、本発明の一側面としてのシミュレーション方法は、
硬化性組成物を基板上に複数の液滴として塗布して型を接触させて膜を形成する膜形成プロセスのためのシミュレーション方法であって、
型を接触させることによって気泡が閉じ込められた際の各気泡の大きさと、その時刻を算出する第1のステップと、前記各気泡の大きさと前記時刻の情報に基づき、前記各気泡の消失過程を計算する第2のステップを有することを特徴とする。
本発明によれば、多数の気泡消失計算を効率的に行うために好適なシミュレーション方法を実現することができる。
計算格子の例を説明するための図である。 実施例1の膜形成装置およびシミュレーション装置の構成を示した図である。 気泡の形成、消失挙動を模式的に示した図である。 気泡消失時の挙動を模式的に示した図である。 気泡消失データベースを計算するための計算格子の例である。 気泡圧力を説明するための図である。 気泡消失データベースを説明するための図である。 実施例1で気泡消失データベースを参照する方法を説明する図である。 気泡になる前の拡散挙動の計算を説明するための図である。 実施例2で気泡消失データベースを参照する方法を説明する図である。 実施例3を説明するための図である。 実施例の処理フローの一例を説明するためのフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について実施例を用いて説明する。なお、各図において、同一の部材ないし要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略ないし簡略化する。
図1は計算格子の例を説明するための図である。1ショット全体の気泡からの溶解、拡散を、通常の方法で計算格子に分割して計算する場合の典型的な計算格子サイズについて図1を参照して説明する。 図1(A)はXY方向の平面内の液滴の配置例を示しており、液滴は通常100um程度の間隔で吐出される。
この液滴間に閉じ込められる気泡を解像するためにはXY方向に1um程度の計算格子に分割することが必要である。また図1(B)はXY方向に垂直なZ方向について示す図である。図1(B)に示すように、マスクに対し、その厚み方向(Z方向)へ気体が拡散していく様子を計算するためには、仮に硬化性組成物に1計算格子だけ与えるとしても、同じ計算格子幅でマスクの反対側までを分割するには莫大なメッシュ数が必要になる。このため、通常の方法では計算時間が現実的な範囲に収まらない懸念がある。 これに対して、以下に説明する実施例によれば、計算を効率化することによって、例えば1ショット全体の多数の気泡消失計算を行うために好適なシミュレーション方法を実現することができる。
図2は、実施例1の膜形成装置IMPおよびシミュレーション装置1の構成を示す図である。膜形成装置IMPは、基板Sの上に配置された硬化性組成物IMの複数の液滴と型Mとを接触させ、基板Sと型Mとの間の空間に硬化性組成物IMの膜を形成する処理を実行する。膜形成装置IMPは、例えば、インプリント装置として構成されてもよいし、平坦化装置として構成されてもよい。ここで、基板Sと型Mとは相互に入れ替え可能であり、型Mの上に配置された硬化性組成物IMの複数の液滴と基板Sとを接触させ、型Mと基板Sとの間の空間に硬化性組成物IMの膜を形成させてもよい。
したがって、より包括的には、膜形成装置IMPは、第1部材の上に配置された硬化性組成物IMの複数の液滴と第2部材とを接触させ、第1部材と第2部材との間の空間に硬化性組成物IMの膜を形成する処理を実行する装置である。以下では、第1部材が基板Sであり、第2部材が型Mである例を説明するが、第1部材を型Mとし、第2部材を基板Sとしてもよく、この場合、以下の説明における基板Sと型Mとを相互に入れ替えればよい。
インプリント装置では、パターンを有する型Mを用いて、基板Sの上の硬化性組成物IMに型Mのパターンが転写されうる。インプリント装置では、パターンが設けられたパターン領域PRを有する型Mが使用される。インプリント装置では、基板Sの上の硬化性組成物IMと型Mのパターン領域PRとを接触させ、基板Sのパターンを形成すべき領域と型Mとの間の空間に硬化性組成物を充填させ、その後に、硬化性組成物IMが硬化される。これにより、基板Sの上の硬化性組成物IMに型Mのパターン領域PRのパターンが転写される。インプリント装置では、例えば、基板Sの複数のショット領域のそれぞれの上に硬化性組成物IMの硬化物からなるパターンが形成される。
平坦化装置では、平坦面を有する型Mを用いて、基板Sの上の硬化性組成物IMと該平坦面とを接触させ硬化性組成物IMを硬化させることによって平坦な上面を有する膜が形成される。平坦化装置では、通常は、基板Sの全域をカバーしうる大きさを有する型Mが使用され、基板Sの全域に硬化性組成物IMの硬化物からなる膜が形成される。 硬化性組成物としては、硬化用のエネルギーが与えられることにより硬化する材料が使用される。硬化用のエネルギーとしては、電磁波、熱等が用いられうる。電磁波は、例えば、その波長が10nm以上1mm以下の範囲から選択される光、例えば、赤外線、可視光線、紫外線などが用いられる。
硬化性組成物は、光の照射により、あるいは、加熱により硬化する組成物でありうる。これらのうち、光の照射により硬化する光硬化性組成物は、少なくとも重合性化合物と光重合開始剤とを含有し、必要に応じて非重合性化合物または溶剤を更に含有してもよい。非重合性化合物は、増感剤、水素供与体、内添型離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、ポリマー成分などの群から選択される少なくとも一種である。硬化性組成物の粘度(25℃における粘度)は、例えば、1mPa・s以上100mPa・s以下でありうる。基板の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、金属、半導体、樹脂等が用いられる。必要に応じて、基板の表面に、基板とは別の材料からなる部材が設けられてもよい。
基板は、例えば、シリコンウエハ、化合物半導体ウエハ、石英ガラスである。 本明細書および添付図面では、基板Sの表面に平行な方向をXY平面とするXYZ座標系において方向を示す。XYZ座標系におけるX軸、Y軸、Z軸にそれぞれ平行な方向をX方向、Y方向、Z方向とし、X軸周りの回転、Y軸周りの回転、Z軸周りの回転をそれぞれθX、θY、θZとする。X軸、Y軸、Z軸に関する制御または駆動は、それぞれX軸に平行な方向、Y軸に平行な方向、Z軸に平行な方向に関する制御または駆動を意味する。
また、θX軸、θY軸、θZ軸に関する制御または駆動は、それぞれX軸に平行な軸の周りの回転、Y軸に平行な軸の周りの回転、Z軸に平行な軸の周りの回転に関する制御または駆動を意味する。また、位置は、X軸、Y軸、Z軸の座標に基づいて特定されうる情報であり、姿勢は、θX軸、θY軸、θZ軸の値で特定されうる情報である。位置決めは、位置および/または姿勢を制御することを意味する。 膜形成装置IMPは、基板Sを保持する基板保持部SH、基板保持部SHを駆動することによって基板Sを駆動する基板駆動機構SD、および、基板駆動機構SDを支持する支持ベースSBを備える。
また、膜形成装置IMPは、型Mを保持する型保持部MH、および、型保持部MHを駆動することによって型Mを駆動する型駆動機構MDを備える。基板駆動機構SDおよび型駆動機構MDは、基板Sと型Mとの相対位置が調整されるように基板Sおよび型Mの少なくとも一方を駆動する相対駆動機構を構成する。該相対駆動機構による相対位置の調整は、基板Sの上の硬化性組成物IMと型Mとの接触、および、硬化した硬化性組成物IMからの型Mの分離のための駆動を含む。また、該相対駆動機構による相対位置の調整は、基板Sと型Mとの位置合わせを含む。基板駆動機構SDは、基板Sを複数の軸(例えば、X軸、Y軸、θZ軸の3軸、好ましくは、X軸、Y軸、Z軸、θX軸、θY軸、θZ軸の6軸)について駆動するように構成さる。
型駆動機構MDは、型Mを複数の軸(例えば、Z軸、θX軸、θY軸の3軸、好ましくは、X軸、Y軸、Z軸、θX軸、θY軸、θZ軸の6軸)について駆動するように構成される。 膜形成装置IMPは、基板Sと型Mとの間の空間に充填された硬化性組成物IMを硬化させるための硬化部CUを備える。硬化部CUは、例えば、型Mを介して硬化性組成物IMに硬化用のエネルギーを照射し、これによって硬化性組成物IMを硬化させる。膜形成装置IMPは、型Mの裏面側(基板Sに対面する面の反対側)に空間SPを形成するための透過部材TRを備える。透過部材TRは、硬化部CUからの硬化用のエネルギーを透過させる材料で構成され、これにより、硬化性組成物IMに対する硬化用のエネルギーの照射を可能にする。
膜形成装置IMPは、空間SPの圧力を制御することによって型MのZ軸方向への変形を制御する圧力制御部PCを備える。例えば、圧力制御部PCが空間SPの圧力を大気圧より高くすることによって、型Mは、基板Sに向けて凸形状に変形する。 膜形成装置IMPは、基板Sの上に硬化性組成物IMを配置、供給あるいは分配するためのディスペンサDSPを備える。膜形成装置IMPには、他の装置によって硬化性組成物IMが配置された基板Sが供給されてもよく、この場合には、ディスペンサDSPは膜形成装置IMPに備えられなくてもよい。膜形成装置IMPは、基板S(または基板Sのショット領域)と型Mとの位置合わせ誤差を計測するためのアライメントスコープASを備えてもよい。
シミュレーション装置1は、膜形成装置IMPにおいて実行される処理における硬化性組成物IMの挙動を予測する計算を実行する。より具体的には、シミュレーション装置1は、基板Sの上に配置された硬化性組成物IMの複数の液滴と型Mとを接触させ、基板Sと型Mとの間の空間に硬化性組成物IMの膜を形成する処理における硬化性組成物IMの挙動を予測する計算を実行する。 シミュレーション装置1は、例えば、汎用または専用のコンピュータにシミュレーション用のコンピュータプログラム21を組み込むことによってシミュレーション方法を実行するように機能する。
あるいは、シミュレーション装置1は、FPGA(Field Programmable Gate Arrayの略。)などのPLD(Programmable Logic Deviceの略。)、又は、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略。)によって構成されうる。本実施例では、シミュレーション装置1は、コンピュータとしてのプロセッサ10、メモリ20、ディスプレイ30および入力デバイス40を備え、メモリ20にシミュレーション用のコンピュータプログラム21が格納されている。
メモリ20は、半導体メモリであってもよいし、ハードディスク等のようなディスクであってもよいし、他の形態のメモリであってもよい。シミュレーションプログラム21は、コンピュータによって読み取り可能なメモリ媒体に格納される。または、電気通信回線等の通信設備を介してシミュレーション装置1に提供される。
図3を参照して気泡の生成から消失までの挙動について説明する。図示の都合上、高々数個の液滴と気泡しか示していないが、実際には数万個の液滴と気泡が存在する。図3(A)~(E)の上段が略側面図、下段が略上面図を示す。図3(A)から(E)に順に示すように、基板に吐出された液滴に向かって、マスクが下降する。
マスクが液滴に接し始めた後、液滴はマスクによって押し拡げられる。押し拡げられた液滴は隣接する液滴と接し始め、それらの間に気体が閉じ込められると、気泡が形成される。その後、さらなるマスクの下降に伴い、気泡が圧縮されていく。同時に液滴間に閉じ込められた気泡内部の気体は、マスク等の周囲媒体に拡散して徐々にその量、つまり分子数を減らす。閉じ込められた気体がすべて拡散すると気泡は消失する。
このように本実施例においては、図3に示すように、硬化性組成物を基板上に複数の液滴として塗布して型を接触させて膜を形成する膜形成プロセスを実行することになる。また、ここで、膜形成プロセスインプリントプロセスまたは、平坦化プロセスを含む。
気泡内部の気体の総分子数nは理想気体の状態方程式より、以下の数1で表される。
Figure 0007362471000001
ここでpは気泡圧力、Vは気泡体積、Rは気体定数、Tは温度である。気泡内部の総分子数nが気泡圧力pと気泡体積Vを用いて表されることがわかる。ここで気泡内部の気体の総分子数nは、型を接触させることによって気泡が閉じ込められた際の気泡の大きさに相当する。
ここで気泡圧力pと気泡体積Vについて考える。気泡形状を円柱と仮定すれば、気泡体積Vは気泡半径rとマスク高さhを用いて、以下の数2で表される。
Figure 0007362471000002
図4は気泡消失時の気泡圧力pと気泡半径rとマスク高さhの挙動を示した図である。横軸はマスクが液滴に接する直前からの時刻である。型(マスク)によって押し広げられた液滴は、隣接する液滴と接し、液滴間に気体を閉じ込め、気泡を形成する。この時刻をttrapとする。
また、このときの気泡圧力をptrap、気泡体積をVtrapとすると、時刻ttrapにおける気泡の分子数ntrapが数1より得られる。
液滴間に閉じ込められた気泡は、液体の表面張力に起因するメニスカス圧によって急激に圧縮され、このとき気泡半径r、マスク高さhが急激に減少するとともに、気泡圧力pが急激に高まる。この期間を、以降、期間1と呼ぶ。気泡圧力pがメニスカス圧と同じ程度まで高まると、気泡半径の急激な減少は収まる。
このとき、マスク高さhは最終的な液膜厚さであるhRLTにほぼ達している。その後は、気泡内部の気体が周囲媒体に拡散した分だけ、気泡半径が徐々に減少し、消失に至る。この期間を、以降、期間2と呼ぶ。
気体の周囲媒体への拡散挙動は以下の数3の拡散方程式で表される。
Figure 0007362471000003
ここでDは拡散係数、cは媒体中の気体分子濃度であり、単位体積あたりの分子数nに相当する。
ショット内に分布する数万個の気泡の拡散を計算するには、本来、ショット内に分布する数万個の気泡と周囲媒体を、各気泡を解像できるサイズの計算格子で分割して数3を解く必要がある。しかしながら、これには莫大な計算格子が必要になり、計算時間が現実的な範囲に収まらない懸念がある。
一方、図4に示した気泡消失時の気泡圧力p、気泡半径r、マスク高さhの挙動は、気泡毎に時刻ttrapにおける分子数ntrapが異なること以外は、ショット内に数万個あるどの気泡であっても同様である。このため、1ショット内を数万個の気泡を解像できるように計算格子を分割して各気泡の拡散挙動を計算する必要はなく、気泡の分子数ntrap毎に単一気泡の気泡拡散挙動を計算しておけば、ショット内の数万個の気泡消失挙動を知ることができる。
また、図4において期間1に比べて期間2は十分長い。このため、期間2における気泡拡散挙動を計算することが、気泡消失に必要な時間の見積もりに対して重要である。
ここで図5を参照して、期間2における初期分子数nbubble,initをもつ単一気泡からの気体の拡散挙動を数3に基づいて解く方法について説明する。数3は三次元方向に分割された計算格子上で差分法等を用いて解かれる。本実施例では気泡形状を円柱と仮定し、円柱座標系を採用する。
これにより計算格子をXYZの三次元方向に分割した場合に比べて、計算格子数を抑えることができ、計算時間を低減できる。また、計算格子は不等間隔格子を用いて計算量の低減が図られうる。
計算対象はマスクと液膜とする。拡散係数Dとしては、気体を構成する分子種のマスクに対する拡散係数Dmskと液膜に対する拡散係数Dliquidがそれぞれ仮定される。計算領域は半径方向にはショットサイズの半分程度まで、高さ方向にはマスク厚み程度まで、とすれば良い。液膜厚みは、期間2におけるマスク高さであるhRLTとする。
気泡と媒体の界面ではHenry則が成り立つとすると、気泡と媒体の界面における気体分子濃度c0は、以下の数4で表される。
Figure 0007362471000004
ここでpは気体の圧力である。ここでは気泡圧力pbubbl
eとすれば良い。Soは気体を構成する分子種の溶解度である。溶解度Soとしては、気体を構成する分子種のマスクに対する溶解度Smskと液膜に対する溶解度Sliquidがそれぞれ仮定される。
気泡圧力pbubbleは、図6より、以下の数5で表される。
Figure 0007362471000005
ここでγは液体の表面張力係数、patmは大気圧、θmskはマスク側の接触角、θwfrは基板側の接触角、rbubbleは気泡半径である。右辺第1項がメニスカス圧に相当する。数4、数5から得られるc0を境界条件として数3を解くと、計算格子各点における気体分子濃度cが得られる。
単位時間、単位面積あたりの気体分子の拡散速度、つまりフラックスfは、以下の数6で表される。
Figure 0007362471000006
計算格子上で解かれた、気泡と媒体の界面における気体分子濃度cの勾配から数6と用いてフラックスが計算される。これに気泡と媒体が接する面積Aをかけて、単位時間あたりに気泡から消失する分子数dn/dtは、以下の数7で表される。
Figure 0007362471000007
数7で得られるdn/dt分だけ気泡内の気体分子数nbubbleを減少させ、新たな気泡内の気体分子数nbubble,newを得る。これを気泡が消失する時刻まで繰り返すことで初期分子数nbubble,initを持つ単一気泡の気体分子数の変化を示すデータベースを例えば近似関数として得ることができる。これを図7(A)に示した。あるいは単一気泡の気体分子数の消失速度を示すデータベースを例えばテーブルとして得ることができる。これを図7(B)に示した。これらより単一気泡の消失挙動を知ることができる。上記のようにデータベースは関数を含んでも良いし、テーブルを含んでも良い。
気体はマスクと液膜の界面も透過しうるため、これを考慮しても良い。これを図5に黒地の太い矢印で示した。液膜側から界面に入ってくるフラックスと界面からマスクに出ていくフラックスが等しいという条件を加えて、数3を解くことで、マスクと液膜の界面の気体の透過を考慮することができる。通常、液膜に対する拡散係数Dliquidがマスクに対する拡散係数Dmskに対して十分大きいため、気泡が液膜経由でマスクに拡散していく様子も考慮することができる。
これまでマスクと液膜を計算対象としてきたが、気体は基板側の媒体にも拡散しうる。この場合は基板側の媒体への拡散も考慮して良い。仮に基板側の媒体への挙動も数3で表される場合には、基板側の媒体に対する拡散係数や溶解度を新たに仮定して解けば良い。あるいは基板側の媒体が多孔性を有する場合にはさらに空孔率を仮定して解けば良い。
ここまでの説明では、気体分子の種類は一種類であったが、複数で合っても良い。数3を用いた気泡の拡散を計算する際に、各気体分子種の比率を入力値として追加する。その後、気体分子種毎の拡散挙動を個別に計算し、気体分子種毎に得られた消失速度を気泡内の同じ分子種から消失させるようにすれば良い。
これにより、たとえば気体が空気である場合に、窒素と酸素を区別して、気泡消失挙動を知ることができる。
また、これまで図4における期間1を考慮してこなかったが、期間1も考慮しても良い。これまで仮定した物性値に加えて、液膜の粘度を仮定すれば期間1を考慮することができる。これにより期間1における気泡消失量も考慮できるため、より精度の良く気泡消失挙動を知ることができる。
前記した計算を液滴間に閉じ込められた気泡の分子数ntrap毎に、計算開始時刻での分子数nbubble,initをntrapとして、気泡個数回、つまり数万回行えばショット全体に含まれる気泡毎の単一気泡消失挙動を知ることができる。しかしながら、これでも計算時間が現実的な範囲に収まらない懸念がある。
気泡の分子数ntrapは数1より気泡圧力ptrap、気泡体積Vtrapを用いて表される。ここで気泡圧力ptrapは、およそ大気圧程度である。
そのショット内でのばらつきは、気体がマスクと基板と液滴で形成された流路を抜けていくときの流抵抗による圧力差程度である。また、気泡体積Vtrapは、気体が閉じ込められた瞬間にマスクと基板と液滴で形成された体積である。そのショット内のばらつきは、液滴の配置の粗密による体積差程度である。このため気泡の分子数ntrapは、ショット内のどの気泡であっても、およそある範囲に分布することが予想される。
そこで気泡の分子数ntrapの下限と思われるnminと上限と思われるnmaxに対して前記の単一気泡に対する気泡拡散挙動を計算する。こうして初期分子数nminとnmaxの気泡に対する時刻毎の分子数nbubbleを示す一連の分子数データベースが得られる。あるいは数7で示した時刻毎の気泡の消失速度dn/dtを示す一連の気泡消失速度データベースを得ても良い。数3を解いて直接得られるのは気泡消失速度であるので、こちらのほうが望ましい。
こうして得られた気泡消失挙動を示すデータベースを補間して用いることでnminからnmaxの間に含まれるいずれのntrapについても気泡消失挙動を知ることができる。
説明を簡単にするために、ここまでnminとnmaxの2つの分子数に対して計算を行うとした。しかしながら、2つの分子数だけから得られたデータベースを補間した場合、精度が悪くなる懸念がある。このため、nminとnmaxの間をさらに10から100分割した分子数毎に計算を行って、データベースを作成しても良い。分割の程度は、許容できる計算時間と精度のバランスにより、適宜決定すれば良い。
こうして得られた気泡消失データベースを用いて、ショット内の数万個の気泡消失挙動を、泡消失データベースを用いて解く方法について説明する。本実施例のインプリント装置ではキャビティ圧でマスクを膨らませて押印するため、液滴の充填がショット中心からショット外側に向かって進む。このため、気泡が形成される時刻ttrapは、ショット中心の気泡は速く、ショット外側の気泡は遅い。また気泡圧力ptrap、気泡体積Vtrapも気泡毎に異なる。
これらの影響を考慮するために、液滴の充填挙動の計算時に、気体が液滴に閉じ込められてi番目の気泡が形成されるとき、その時刻ttrap_iを記憶する。また、その時刻における気泡圧力ptrap_i、気泡体積Vtrap_iと、その気泡のショット内の座標x_i、y_iを記憶する。
これをショット内で形成される数万個の気泡すべてに対して行う。ここで記憶された気泡圧力ptrap_iと気泡体積Vtrap_iから数1より気泡の分子数ntrap_iが計算される。
あらかじめ作成されている気泡消失データベースを補間し、初期分子数ntrap_iの気泡の消失挙動を求める。ただし、気泡消失データベースの計算は気泡が閉じ込められた時刻を時刻0としているため、これがttrap_iになるように時刻をオフセットさせる。これを数万個の気泡すべてについて、繰り返すことでショット内のすべての気泡の消失挙動を知ることができる。
この結果を模式的に示したのが図8(A)である。図示の都合上、i番目とj番目の2つの気泡のみについて示してある。
離型時の時刻tsepに注目すると、i番目の気泡は既に分子数が0になっている。一方、j番目の気泡はまだ分子数が0になっておらず、気泡が残っていることがわかる。この場合はi番目の気泡は気泡欠陥にならないが、j番目の気泡は気泡欠陥になってしまうことがわかる。離型時の時刻tsepにおいて、気泡の分子数がまだ0になっていない気泡を、記憶しておいた気泡のショット内座標に基づいてプロットすると図8(B)のような気泡欠陥マップが得られる。このようにすることでショット内の気泡欠陥分布を予測することができる。
実施例2では、気体の溶解、拡散計算を、気体が液滴に閉じ込められる前においても行う点が実施例1とさらに異なる。即ち、実施例1では、図3(C)~(D)に示したような気体が液滴間に閉じ込められ気泡になった状態でのみ、気泡がマスクや液膜に溶解、拡散するとした。しかしながら、図3(A)~(B)に示したような気泡が液滴に閉じ込められる前の状態においても、気体はマスクや液膜に溶解、拡散しうる。これを考慮することで気泡消失挙動の計算精度をさらに高めることができる。
しかしながら、液滴に閉じ込められる前の気体では、その圧力が押印時のマスク挙動の影響により時々刻々変化する。また液滴の配置の粗密によりショット内の場所によっても変化する。このため、気泡が閉じ込められた後で用いたデータベース化の手法は採用できない。そこで別の手法の採用が必要になる。
図9を参照して、マスクへの溶解、拡散を取り扱う方法について説明する。
実施例1で解いたように、マスクへの気体の拡散は、本来、三次元的に生じる。しかしながら、気体が液滴に閉じ込められる前では、隣り合う気体領域どうしは接しており、各気体領域から生じる気体の拡散はマスク厚み方向に一次元的であるとみなせる。そこで一次元拡散として近似する。マスクを一次元の半無限物体とみて、マスク厚み方向をZ方向として、気体とマスクの界面における気体分子濃度をc0として数3を解くと、以下の数8のような解析解が得られる。
Figure 0007362471000008
ここでerfcは相補誤差関数である。数8は時刻tにおけるマスク内部の気体分子濃度分布を表している。この解析解を利用することで、マスクを計算格子に分割せずに、マスク内部の気体分子濃度分布を知ることができる。
このときの気体とマスクの界面であるZ=0における気体分子濃度cの勾配が時刻tにおけるフラックスfである。数6、数8よりフラックスfは以下の数9で見積もられる。
Figure 0007362471000009
数7よりこのフラックスに気体とマスクが接する面積をかけたものが単位時間あたりにマスクに拡散していくことになる。このようにすることでマスクを計算格子に分割することなく、気体のマスクへの拡散を解くことができる。
しかしながら、前記のとおり、液滴に閉じ込められる前の気体では、その圧力が押印時のマスク挙動の影響により時々刻々変化する。数4より、気体の圧力が変化すれば、気体とマスクの界面における気体分子濃度c0も変化する。このため、c0が変化した場合について考慮しておく必要がある。
押印開始を時刻0とし、時刻tまで気体がマスクに拡散した後について考える。
このときの気体とマスクの界面の気体分子濃度をc0’とし、フラックスが数9と同様の形に書けるものとする。時刻tまでの気体の拡散により、マスク内部には既にいくらかの気体分子が拡散している。このときのマスク内部の気体分子濃度分布は、気体とマスクの界面の気体分子濃度c0’で時刻tまで気体がマスクに拡散したときの分子濃度分布ともまた異なる。
そこで仮想時刻t~を導入し、フラックスf’を以下の数10で表すことにする。
Figure 0007362471000010
この仮想時刻t~は、時刻tまでにマスクに拡散した総気体分子数nを保存させるために、以下の数11を満たすように決定すれば良い。
Figure 0007362471000011
これは図9で実線と破線でハッチした面積どうしが等しいことに相当する。
数7より数10で表されるフラックスf’に気体とマスクが接する面積をかけたものが単位時間あたりにマスクに拡散していくことになる。このようにすることでc0が変化した場合でも、マスクを計算格子に分割することなく、気体のマスクへの拡散を解くことができる。これを押印開始から気体が液滴に閉じ込められて気泡になる時刻ttrapまで積算すれば、時刻ttrapまでにマスクに拡散した気体の分子数nsol,mskが見積れる。
次に液滴への溶解、拡散を取り扱う方法について説明する。液滴への拡散もマスクと同様に扱っても良い。ただ、通常、液滴に対する拡散はマスクに対する拡散に比べて十分速い。そこで気体が拡散し始めると、すぐに気体と液滴の界面の気体分子濃度c0に液滴全体が達するとしても良い。このようにすることで、マスクの場合よりも容易に、気体が液滴に閉じ込められる前に液滴に拡散する気体の分子数nsol,liquidを見積もることができる。
nsol,mskとnsol,liquidを足し合わせて、気体が液滴に閉じ込められるまでに周囲媒体に拡散する気体分子数nsolを得る。
図10を参照して、実施例2において気泡消失データベースを使用する方法を説明する。液滴が閉じ込められるまでに気体が周囲媒体に拡散している場合、既に拡散している気体のために気体分子消失速度が遅くなる効果を考慮する必要がある。このため、液滴の充填挙動の計算時に、気体が液滴に閉じ込められてi番目の気泡が形成されるときに、実施例1で示したものに加えて、nsol_iがさらに記憶される。
気泡消失データベースを補間して使用する際には、実施例1のように初期分子数ntrap_iの気泡消失挙動を計算するのではなく、初期分子数ntrap_i+nsol_iの気泡消失挙動を計算する。さらに実施例1では気泡消失データベースの時刻0が時刻ttrapになるように時刻をオフセットしたが、本実施例では気泡消失データベースで気泡の消失量がnsolになる時刻が、時刻ttrapになるように時刻をオフセットする。こうすることで既に拡散している気体のために気体分子消失速度が遅くなる効果を考慮することができる。
以上のように、本実施例では、気泡が閉じ込められる時刻までに、気泡の周囲に溶解した気体分子数を計算する第4のステップを有し、溶解した前記気体分子数によって、前記気泡の消失過程を補正するようにする。
これにより、液滴が閉じ込められる前の気体拡散を考慮した1ショット全体の気泡消失挙動が計算できる。
図11を参照して、実施例3について説明する。実施例3は、気泡消失挙動の計算を充填挙動の計算のポスト処理として行う点が実施例1、2とはさらに異なる。充填挙動の計算において気泡毎に記憶される閉じ込め時刻ttrap、気泡圧力ptrap、気泡体積vtrap、事前に拡散する気体分子数nsolは、液滴配置や押印挙動などの装置パラメータによって決まる。一方、本実施例でポスト処理として行われる気泡消失挙動の計算は、周囲媒体の物性値やガス種を指定して、気泡消失データベースを作成し、気泡消失過程計算を行う。
即ち、データベースを作成する第3のステップと、データベースを参照し、各気泡の消失過程を計算する第2のステップが、前記第1のステップの後処理として行われても良い。
これによって、周囲媒体である基板側の材料を変更した場合であれば、ポスト処理部分のみを再度計算すれば良く、充填挙動の計算から得られる閉じ込め時刻、気泡圧力、気泡体積等を再度計算する必要がなくなる。このため、材料を変更した場合の影響を、ポスト処理としながった場合に比べて容易に見積もることができる。
図12は実施例における処理フローの一例を示すフローチャートである。
図12において、左側は型を接触させることによって気泡が閉じ込められた際の各気泡の大きさと、その時刻を算出するためのプロセスを示している。右側は気泡が閉じ込められた際の気泡の所定の大きさに対して気泡の消失過程を計算したデータベースを予め作成すると共に、各気泡の大きさに応じて消失過程を計算するプロセスを示している。
ステップS301において、例えば硬化性組成物や型(マスク)等の種類や各種物性値や数1~数11における各種パラメータなどをシミュレーションのために設定する。
ステップS302において、型の運動及び硬化性組成物(未硬化の樹脂)の流動を計算する。ステップS303において、液滴の拡がりを計算する。ステップS304において型が液滴に接触した場合の気泡閉じ込めが生じているか否かを判定する。Noの場合にはステップS302に戻る。Yesの場合には、ステップS305において、閉じ込められた気泡の大きさと閉じ込められたときの時刻を保存する。ここで、ステップS305は、型を接触させることによって気泡が閉じ込められた際の各気泡の大きさと、その時刻を算出する第1のステップに相当する。次にステップS306において、終了時刻か判別し、Yesであれば終了し、NoであればステップS302に戻る。
一方、ステップS307において、データベースを作成するために、例えば硬化性組成物や型(マスク)等の種類や材料の各種物性値や数1~数11における各種パラメータなどを設定する。前記パラメータは、型及び樹脂の少なくとも一方に対する、気泡中に含まれる気体の溶解度や拡散係数、硬化性組成物の表面張力等を含む。また、前記パラメータは、基板上に形成された下地層に対する、気体の溶解度や拡散係数や、硬化性組成物の粘度や、気泡中に含まれる気体の種類や、気泡中に含まれる気体の分子濃度等を含んでも良い。
ステップS308において、ステップS307で設定された条件や物性値における気泡消失過程のデータベースを生成する。ここで、ステップS308は、気泡が閉じ込められた際の気泡の所定の大きさに対して気泡の消失する過程を計算したデータベースを予め作成する第3のステップに相当している。
ステップS309において、前記ステップS305で保存された、閉じ込められた気泡の大きさと閉じ込められたときの時刻とを、ステップS308で作成されたデータベースと比較参照することによって、各気泡の大きさと前記時刻の情報に基づき、前記各気泡の消失過程を計算する。
ここでステップS309は、各気泡の大きさと前記時刻の情報に基づき、前記各気泡の消失過程を計算する第2のステップに相当する。ステップS310において、終了時刻に達したかを判別しNoであればステップS308に戻り、前記データベースの更新をする。
YesであればステップS311に進み、各気泡の消失過程を複数の気泡について2次元的にマップ表示する。即ち、各気泡の消失過程を複数の気泡の位置に応じて2次元状にマップ表示する。あるいは、各各気泡の所定時時点での大きさを複数の気泡の位置に応じて2次元状に表示しても良い。あるいは図8(B)のように型が硬化性組成物から離れる際に残った気泡の大きさが所定のサイズより大きいものについて気泡欠陥として2次元表示しても良い。
その後適宜のタイミングで終了する。即ち、ステップS311は、各気泡の消失過程を複数の気泡の位置に応じて2次元状に表示したり、各各気泡の所定時時点での大きさを複数の気泡の位置に応じて2次元状に表示したりする表示ステップに相当する。
以上のような構成によって、型が硬化性組成物から離れたときにどの程度の大きさの気泡がどの位置に残るかが容易にシミュレーションできる。従って、気泡による欠陥がどの位置に生じるかを事前に確認でき、各種材料や物性値を適宜選択しなおしたりすることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
ntrap 閉じ込められる気泡の大きさ
ttrap 閉じ込められる時刻
1 シミュレーション装置
IMP 膜形成装置
M 型
IM 硬化性組成物
S 基板

Claims (18)

  1. 硬化性組成物を基板上に複数の液滴として塗布して型を接触させて膜を形成する膜形成プロセスのためのシミュレーション方法であって、
    型を接触させることによって気泡が閉じ込められた際の各気泡の大きさと、その時刻を算出する第1のステップと、前記各気泡の大きさと前記時刻の情報に基づき、前記各気泡の消失過程を計算する第2のステップを有することを特徴とするシミュレーション方法。
  2. 更に、前記気泡が閉じ込められた際の前記気泡の所定大きさに対して前記気泡の消失する過程を計算したデータベースを予め作成する第3のステップを有することを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション方法。
  3. 前記データベースは関数を含むことを特徴とする請求項2に記載のシミュレーション方法。
  4. 前記データベースはテーブルを含むことを特徴とする請求項2に記載のシミュレーション方法。
  5. 前記第2のステップにおいて、前記第3のステップで作成された前記データベースを参照して、前記各気泡の大きさと前記時刻の情報に基づき、前記各気泡の消失過程を計算することを特徴とする請求項2に記載のシミュレーション方法。
  6. 前記第2のステップで計算された前記各気泡の消失過程を複数の気泡の位置に応じて2次元状に表示する表示ステップを有することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のシミュレーション方法。
  7. 前記表示ステップは、前記第2のステップで計算された前記各各気泡の所定時時点での大きさを複数の気泡の位置に応じて2次元状に表示することを特徴とする請求項6に記載のシミュレーション方法。
  8. 前記気泡の大きさは、前記気泡中に含まれる気体分子の総分子数で表されることを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション方法。
  9. 前記気泡が閉じ込められる時刻までに、前記気泡の周囲に溶解した気体分子数を計算する第4のステップを有し、溶解した前記気体分子数によって、前記気泡の消失過程を補正することを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション方法。
  10. 前記データベースは、前記型及び硬化性組成物の少なくとも一方に対する、前記気泡中に含まれる気体の溶解度と拡散係数、および硬化性組成物の表面張力をパラメータとして含むことを特徴とする請求項2に記載のシミュレーション方法。
  11. 前記データベースは、前記基板上に形成された下地層に対する、気体の溶解度と拡散係数をパラメータとして含むことを特徴とする請求項2に記載のシミュレーション方法。
  12. 前記データベースは、前記硬化性組成物の粘度をパラメータとして含むことを特徴とする請求項2に記載のシミュレーション方法。
  13. 前記データベースは、前記気泡中に含まれる気体の種類をパラメータとして含むことを特徴とする請求項2に記載のシミュレーション方法。
  14. 前記データベースは、前記気泡中に含まれる気体の分子濃度をパラメータとして含むことを特徴とする請求項2に記載のシミュレーション方法。
  15. 前記データベースを作成する第3のステップと前記データベースを参照し、各気泡の消失過程を計算する第2のステップが、前記第1のステップの後処理として行われることを特徴とする請求項2に記載のシミュレーション方法。
  16. 前記膜形成プロセスはインプリントプロセスを含むことを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション方法。
  17. 前記膜形成プロセスは平坦化プロセスを含むことを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション方法。
  18. 請求項1~17のいずれか1項に記載の前記シミュレーション方法の各ステップとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。

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