JP7362451B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、吸収性物品に関する。
生理用ナプキンやパンティライナ等の吸収性物品は、経血やおりもの等の比較的粘稠な体液を表面から素早く透過させて吸収体に吸収させることが望まれている。従来、このような比較的粘稠な体液を表面から素早く透過させるために、表面シートに開孔を形成した吸収性物品が知られている(例えば、特許文献1~3等参照)。
特開平4-221556号公報 特開2010-84317号公報 特開2017-99558号公報
特許文献1~3に記載の吸収性物品は、表面シートに形成した開孔により体液の透過性を高めるものであるが、例えばコットン等のような親水性又は吸水性を有する繊維を含む表面シートの肌対向面で体液が拡がる点について、改善の余地がある。
本発明は、肌対向面における液の拡散を抑えることが可能な吸収性物品に関する。
本発明は、肌対向面を有する表面シートと、前記表面シートの非肌対向面側に配された裏面シートと、該表面シート及び裏面シートの間に配された吸収体とを備えた吸収性物品であって、前記表面シートは、吸水性繊維を含む不織布からなり、第1方向に沿う開孔幅が異なる第1開孔及び第2開孔を有し、前記第1開孔及び前記第2開孔は、前記第1方向及び該第1方向と交差する第2方向に沿って交互に配置されている吸収性物品に関する。
本発明に係る吸収性物品は、肌対向面における液の拡散を抑えることが可能である。
本発明の一実施形態に係る吸収性物品を表面シート側から見た平面図である。 図1のII-II線に沿った断面を模式的に示す図である。 図1のA部を拡大して示すマイクロスコープ画像である。
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態に係る吸収性物品を説明する。ただし、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は本実施形態に係る吸収性物品1を表面シート2側から見た平面図、図2は図1のII-II断面図、図3は図1のA部拡大図である。これらの図に示す本実施形態に係る吸収性物品1は、ショーツ等の衣類の肌接触面(内面)に取り付けて使用されるパンティライナである。
なお、各図は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる場合があると共に、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる場合がある。特に、図2では、理解を容易にするため、厚さを実寸よりも誇張して厚く描いている。
以下の説明において、「肌対向面」とは、着用時に着用者側に向く面をいい、「非肌対向面」とは、肌対向面の反対側の面、すなわち着用時に衣類に装着される側の面をいうものとする。また、前後方向(長手方向(図1及び図2中のX方向))は、吸収性物品1の長辺に沿う方向をいい、幅方向(短手方向(図1及び図2中のY方向))は、該長手方向と直交する方向のうち、肌対向面や非肌対向面に沿った方向をいうものとする。
[吸収性物品の全体構成]
吸収性物品1は、幅方向Yよりも前後方向Xが長い縦長の形状を有しており、図1及び図2に示すように、肌対向面を有する表面シート2と、非肌対向面側に配置される裏面シート3と、これら両シート2,3の間に配置された吸収体(吸収コア)4とを備えている。また、吸収性物品1は、表面シート2と吸収体4との間にセカンドシート5が具備されている(図2参照)。裏面シート3の非肌対向面には、ショーツ等のクロッチ部分に止着するための止着材6が積層されている。未使用時においては、止着材6には剥離紙(図示省略)が積層されている。
表面シート2、裏面シート3及びセカンドシート5は、平面視で見て同一外形を有しており、その周縁形状が吸収性物品1の周縁形状になっている。表面シート2、裏面シート3及びセカンドシート5は、吸収体4よりも前後方向で縦長で、かつ、吸収体4よりも幅方向で幅広な形状を有している。表面シート2、裏面シート3及びセカンドシート5は、吸収体4の前後方向及び幅方向の両端からそれぞれ延出しており、セカンドシート5と裏面シート3との間に、吸収体4を配置した構成になっている。
表面シート2とセカンドシート5の間、セカンドシート5と吸収体4の間、吸収体4と裏面シート3の間には固定材(図示省略)が施されており、積層された上下の部材が固定材により接合されている。固定材としては、ホットメルト粘着剤(スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)系、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン(SEBS)系、オレフィン系等のホットメルト粘着剤)などを用いている。表面シート2、裏面シート3及びセカンドシート5の外周縁部がヒートシール等によって互いに接合・圧着されることで、吸収性物品1の外周縁部に沿って帯状に延びた接合縁部7が形成されている。
[表面シート]
表面シート2は、吸水性繊維を含むシート状の不織布からなる。本明細書において「吸水性繊維」とは、液を保持する性質を有する繊維を指す。吸水性繊維としては、例えば、天然繊維やセルロース再生繊維等を用いることができる。なお、例えば熱可塑性繊維は、非吸水性繊維であり、仮に親水化剤により親水化されたとしても、吸水性繊維には含まれない。
天然繊維としては、例えば、コットン繊維(綿繊維)、リネン繊維(麻繊維)、シルク繊維(絹繊維)等を用いることができる。コットン繊維は、例えば、木綿の原綿、精錬・漂白した綿繊維若しくは精錬・漂白後、染色を施した綿繊維、精錬・漂白した脱脂綿繊維、糸若しくは布帛になったものを解繊した反毛等、あらゆる綿繊維を使用できるが、特に綿繊維の表面に付着しているコットンワックスの天然油脂により、繊維の状態でも若干撥水性を備えた未脱脂綿を使用するのが好ましい。
セルロース再生繊維としては、例えば、レーヨン、リヨセル、キュプラ、ポリノジック等を用いることができる。
表面シート2は、吸水性繊維のみからなること(吸水性繊維100質量%)が好ましいが、非吸水性繊維(疎水性繊維)を含んでいても良い。非吸水性繊維を含む場合は、その配合量は、優れた肌触りの観点から、50質量%未満であることが好ましく、30質量%未満であることがより好ましい。
表面シート2に用いられる吸水性繊維は、その水分率が6%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましい。また、非吸水性繊維は、その水分率が6%未満であることが好ましく、4%未満であることがより好ましい。
[水分率の測定方法]
水分率は、JIS P8203の水分率試験方法を準用して算出することができる。すなわち、繊維試料を温度40℃、相対湿度80%RHの試験室に24時間静置後、その室内にて絶乾処理前の繊維試料の重量W(g)を測定する。その後、温度105±2℃の電気乾燥機(例えば、株式会社いすゞ製作所製)内にて1時間静置し、繊維試料の絶乾処理を行う。絶乾処理後、温度20±2℃、相対温度65±2%の標準状態の試験室にて、旭化成(株)製サランラップ(登録商標)で繊維試料を包括した状態で、Siシリカゲル(例えば、豊田化工(株))をガラスデシゲータ内(例えば、(株)テックジャム製)に入れて、繊維試料が温度20±2℃になるまで静置する。その後、繊維試料の恒量W’(g)を秤量して、「水分率(%)=(W-W’/W’)×100」の式により繊維試料の水分率を求める。
表面シート2の坪量は、20g/m以上であることが好ましく、24g/m以上であることがより好ましく、28g/m以上であることが更に好ましく、また、60g/m以下であることが好ましく、50g/m以下であることがより好ましく、40g/m以下であることが更に好ましい。
表面シート2は、個々の繊維が機械的に交絡したスパンレース不織布を用いることができる。スパンレース不織布は、接着剤を使用せず、柔軟性を有する等の利点を有する。なお、表面シート2は、スパンレース不織布の他に、例えばエアスルー不織布等を用いることができる。
表面シート2は、図3に示すように、その厚さ方向に貫通する複数の第1開孔8及び第2開孔9が形成されている。第1開孔8及び第2開孔9は、第1方向及び該第1方向と交差する第2方向に沿って交互に配置されている。また、表面シート2は、これら第1開孔8及び第2開孔9が形成されることにより、第1方向に沿って延びる第1畝部10と、第1方向と交差する第2方向に沿って延びる第2畝部12とが形成されている。
以下、本明細書においては、「前後方向X」を「第1方向」、「幅方向Y」を「第2方向」として説明する。また、これに伴い、「第1畝部」を「縦畝部10」といい、第2畝部を「横畝部12」という。なお、第2方向は、第1方向と直交する方向(90度で交わる方向)に限定されず、第1方向と鋭角又は鈍角で交わる方向であっても良い。
縦畝部10は、幅方向Yに所定の間隔をおいて複数並列して形成されており、横畝部12は、前後方向Xに所定の間隔をおいて複数並列して形成されている。第1開孔8及び第2開孔9は、隣接する一対の縦畝部10と、隣接する一対の横畝部12とによって囲まれた領域にそれぞれ形成されている。
第1開孔8及び第2開孔9は、図1及び図3に示すように、第1方向(本実施形態では前後方向X)に沿う開孔幅が異なっている。具体的には、第1開孔8は、前後方向Xに沿う開孔の長さが第2開孔9よりも狭い。例えば、第1開孔8の前後方向Xに沿う開孔の長さは、第2開孔9の前後方向Xに沿う開孔の長さの70%以下であることが好ましく、65%以下であることがより好ましく、60%以下であることが更に好ましく、また、20%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましく、30%以上であることが更に好ましい。
横畝部12は、このように、前後方向Xに沿う開孔幅が異なる第1開孔8及び第2開孔9が幅方向Yに沿って交互に配置されることにより、幅方向Yに沿って一直線の形状とはならず、例えば、幅方向Yに沿って蛇行した形状となる。これにより、横畝部12が一直線の形状を有する場合と比較して、液が横畝部12の繊維を伝って幅方向Yに拡散することを抑制することが可能となる。
また、第1開孔8及び第2開孔9は、第1方向と交差する第2方向(本実施形態では幅方向Y)に沿う開孔幅についても異なることが好ましい。具体的には、第1開孔8は、幅方向Yに沿う開孔の長さが第2開孔9よりも長い。例えば、第1開孔8の幅方向Yに沿う開孔の長さは、第2開孔9の幅方向Yに沿う開孔の長さの20%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましく、30%以上であることが更に好ましく、また、70%以下であることが好ましく、65%以下であることがより好ましく、60%以下であることが更に好ましい。
縦畝部10は、このように、幅方向Yに沿う開孔幅が異なる第1開孔8及び第2開孔9が前後方向Xに沿って交互に配置されることにより、前後方向Xに沿って一直線の形状とはならず、例えば、前後方向Xに沿って蛇行した形状となる。これにより、縦畝部10が一直線の形状を有する場合と比較して、液が縦畝部10の繊維を伝って前後方向Xに拡散することを抑制することが可能となる。すなわち、表面シート2は、第1開孔8及び第2開孔9が前後方向X(第1方向)だけでなく幅方向Y(第2方向)においても開孔幅が異なることにより、横畝部12だけでなく縦畝部10についても一直線の形状とならないようにすることができ、これにより、幅方向Y及び前後方向Xの双方において液の拡散を抑制することが可能となる。
第1開孔8は、例えば、幅方向Yに幅広な楕円、長方形、菱形等の形状を採用可能である。この場合において、第1開孔8の幅方向Yの寸法は、前後方向Xの寸法の1.2倍以上であることが好ましく、1.5倍以上であることがより好ましく、2.0倍以上であることが更に好ましく、また、5.0倍以下であることが好ましく、4.5倍以下であることがより好ましく、4.0倍以下であることが更に好ましい。
第2開孔9は、例えば、第1開孔8よりも幅方向Yの幅が狭い正円、楕円、正方形、長方形、菱形等の形状を採用可能である。第2開孔9を前後方向Xに縦長な楕円又は長方形等の形状とする場合には、第2開孔9の前後方向Xの寸法は、幅方向Yの寸法の1.2倍以上であることが好ましく、1.3倍以上であることがより好ましく、1.4倍以上であることが更に好ましく、また、2.5倍以下であることが好ましく、2.4倍以下であることがより好ましく、2.3倍以下であることが更に好ましい。
第1開孔8及び第2開孔9は、表面シート2の全体に亘って設けられても良いが、少なくとも排泄部対向領域に設けられていれば良い。例えば、第1開孔8及び第2開孔9は、排泄部対向領域を含むように、表面シート2の前後方向Xの長さの30%以上に亘って形成されることが好ましく50%以上に亘って形成されることがより好ましく、70%以上に亘って形成されることが更に好ましい。また、第1開孔8及び第2開孔9は、排泄部対向領域を含むように、表面シート2の幅方向Yの長さの30%以上に亘って形成されることが好ましく、50%以上に亘って形成されることがより好ましく、70%以上に亘って形成されることが更に好ましい。なお、「排泄部対向領域」とは、吸収性物品1の装着時において排泄部に対向する領域であり、通常、表面シート2の略中央部となる。
縦畝部10と横畝部12とは、繊維密度が相対的に異なることが、液拡散性の制御の観点から好ましい。横畝部12は、縦畝部10よりも繊維密度が高いことが好ましく、例えば、縦畝部10の繊維密度の1.05倍以上であることが好ましく、1.1倍以上であることがより好ましく、また、1.3倍以下であることが好ましく、1.25倍以下であることがより好ましい。
このように、横畝部12の繊維密度を縦畝部10より高くすることにより、拡がりシロのある前後方向Xへの液拡散を抑制するよう液拡散方向をコントロールすることが可能となるため、表面シート2の濡れる面積(液拡散面積)を抑制することが可能となる。なお、横畝部12は、既述のとおり、幅方向Yに沿って一直線の形状とはならず、幅方向Yに沿って蛇行した形状となっているため、幅方向Yへの液拡散も抑制されている。
また、表面シート2は、縦畝部10と横畝部12との交点14における繊維密度が、交点14以外における、縦畝部10の繊維密度及び横畝部12の繊維密度よりも高いことが好ましい。すなわち、表面シート2における繊維密度の分布は、縦畝部10の交点14以外の部分<横畝部12の交点14以外の部分<交点14となることが好ましい。該交点14の繊維密度は、例えば、横畝部12の繊維密度の1.2倍以上であることが好ましく、1.25倍以上であることがより好ましく、1.3倍以上であることが更に好ましく、また、1.55倍以下であることが好ましく、1.5倍以下であることがより好ましく、1.45倍以下であることが更に好ましい。
このように、交点14における繊維密度が最も高いことにより、繊維の毛細管現象によって、該交点14部分において液を素早く引き込むことが可能となる。また、隣接する交点14間が、これよりも繊維密度が低い縦畝部10及び横畝部12で隔離されることとなるため、液の伝搬が抑制される。これにより、前後方向X及び幅方向Yへの液拡散を抑制し、液拡散面積をより一層縮小することが可能となる。
[繊維密度の測定方法]
縦畝部10、横畝部12及び交点14の繊維密度の大小関係は、例えば、各部位の明度Lを測定することで判断することができる。すなわち、明度Lが高いことは、より白色に近いことを意味するため、繊維密度が高いと評価することができる。
具体的には、背景を黒(明度L*の値が25以下)として撮影した表面シート2の20倍拡大写真を用いて、任意に7本の縦畝部10及び横畝部12をそれぞれ選出し、畝1本につき、交点を除いた、畝部分のみの明度Lの値(以下、「L値」という)と、交点14のL値とをそれぞれ3~4点(合計各21~28点)ずつ、色差計により測定する。
そして、7本の縦畝部10について測定した合計21~28点の畝部分のL値と、合計21~28点の交点14のL値とを合計し、これを平均した値を縦畝部10のL値とする。同様に、7本の横畝部12について測定した合計21~28点の畝部分のL値と、合計21~28点の交点14のL値とを合計し、これを平均した値を横畝部12のL値とする。また、測定された複数の交点14のL値の平均値を交点14のL値とする。なお、交点14以外のL値と言う場合には、上述した、「交点を除いた、畝部分のみ」について測定したL値21~28点の平均値を意味する。
このようにして測定した各L値を相互に比較することで、縦畝部10、横畝部12及び交点14の繊維密度の大小関係を把握することができる。
なお、拡大写真でL値を測定する際には、画像処理をすることによって当該拡大写真の背景のL値を調整してから測定しても良い。
このようにして測定した縦畝部10のL値は、例えば、撮像した写真の背景がL値20である場合、45以上75以下であることが好ましく、50以上70以下であることがより好ましく、55以上65以下であることが更に好ましい。また、縦畝部10の交点14を除いた、畝部分のみのL値(縦畝部10の交点14以外のL値)は、40以上70以下であることが好ましく、45以上65以下であることがより好ましく、50以上65以下であることが更に好ましい。
また、横畝部12のL値は、例えば、撮像した写真の背景がL値20である場合、55以上85以下であることが好ましく、60以上80以下であることがより好ましく、65以上75以下であることが更に好ましい。また、横畝部12の交点14を除いた、畝部分のみのL値(横畝部12の交点14以外のL値)は、50以上80以下であることが好ましく、55以上75以下であることがより好ましく、60以上70以下であることが更に好ましい。
さらに、交点14のL値は、例えば、撮像した写真の背景がL値20である場合、60以上であることが好ましく、65以上であることがより好ましく、70以上であることが更に好ましく、また、95以下であることが好ましく、90以下であることがより好ましく、85以下であることが更に好ましい。
第1開孔8及び第2開孔9は、例えばスパンレース製造時の水流交絡工程において、繊維材料を支持体に担持させ、エア噴出(エアジェット)又は水噴出(ウォータージェット)等の流体流によって繊維材料を部分的に移動させることによって形成することができる。具体的には、繊維材料を流体噴出によって機械的に交絡させウェブを形成するのと同時に、部分的に流体噴出圧力を大きくすることで、ウェブに第1開孔8及び第2開孔9を形成することができる。第1開孔8及び第2開孔9は、突出部が形成されたシート支持体に表面シート2を形成するウェブを載せ、ウェブのシート支持体に対向する面側からシート支持体に向かって柱状流体を噴出させることによって、形成することもできる。この場合には、突出部に対応する部分の繊維材料が該突出部の周辺に移動させることで再配列(再配向)されて第1開孔8及び第2開孔9が形成される。シート支持体は、例えば、突出部が形成されたロールや、ネット又はメッシュ等を用いることができる。ネット又はメッシュとして、第1線状部材と第2線状部材とが平織りされて互いに交差し、その交点(ナックル部)において他の部分よりも厚くなる突出部を有するものを用いることができる。この場合、使用するシート支持体の条件を変更することで、個々の開孔サイズ、開孔率を調整することが可能である。なお、製造後の不織布に打ち抜き加工を施して第1開孔8及び第2開孔9を形成しても良い。
流体流によって繊維材料を部分的に移動させることによって第1開孔8及び第2開孔9を形成する場合には、くっきりとした開孔形状にはなりづらく、図3に示すように、開孔端部が絣織の柄の様に輪郭がぼやける。具体的には、第1開孔8は、その長手方向の端部(すなわち幅方向Yに沿う端部)に、短手方向の端部(すなわち前後方向Xに沿う端部)に存在する繊維よりも低密度に繊維が存在する低密度領域10aを有している。また、第2開孔9についても同様に、その長手方向(すなわち前後方向X)の端部に、短手方向(すなわち幅方向Y)に存在する繊維よりも低密度に繊維が存在する低密度領域12aを有している。なお、各開孔8,9では、その長手方向中央部(中央開孔部)10b,12bよりも各低密度領域10a,12aの方が、繊維密度が高くなっている。
この第1開孔8の長手方向の端部に存在する低密度領域10aの繊維は、縦畝部10を形成する繊維の一部によって構成され、第2開孔9の長手方向の端部に存在する低密度領域12aの繊維は、横畝部12を形成する繊維の一部によって構成される。このように、第1開孔8及び第2開孔9の端部に低密度の繊維が存在する場合には、第1開孔8及び第2開孔9がくっきりと開孔する場合よりも、隠蔽性に優れるという利点がある。
なお、図3に示すように、第1開孔8及び第2開孔9に繊維が低密度の繊維が存在している場合には、撮像した写真の背景がL値20としたとき、色差計により測定したL値が35以下である範囲を低密度領域として含む開孔と定義することができ、30以下であることが好ましい。なお、各開孔8,9における長手方向中央部10b,12bでは、同様にして測定したL値が25以下であることが好ましい。
[セカンドシート]
セカンドシート5は、例えばエアスルー不織布やエアレイド不織布等からなり、表面シート2から吸収体4への液の透過性を向上させると共に、吸収体4に吸収された液体の表面シート2への液戻りを低減させるよう構成されている。セカンドシート5には、任意の着色が施されても良いし、抗菌剤や消臭剤等の機能剤が配合されても良い。なお、抗菌剤及び消臭剤は、種々の公知のものを採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
セカンドシート5の素材は、液透過性を有するものであれば良いが、親水性を有するものが特に好適である。例えば、セカンドシート5の素材としては、親水化剤を含む熱可塑性繊維等を使用できる。
セカンドシート5は、表面シート2よりも密度が低くなっている。例えば、セカンドシート5の密度は、排泄された液をセカンドシート5中に留めることなく素早く吸収体に移行させる観点から、表面シート2の密度の80%以下であることが好ましく、70%以下であることがより好ましく60%以下であることが更に好ましく、また、表面シート2からセカンドシート5への毛管力を適度に維持して、セカンドシート5に液が移行し易くする観点から、セカンドシート5の密度は表面シート2の20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、40%以上であることが更に好ましい。
このようなセカンドシート5が配されることにより、表面シート2に排泄された液をセカンドシート5により素早く引き込むことが可能となるため、吸収速度を速めることが可能となる。また、吸収体4に拡散した液をセカンドシート5により覆い隠し、表面シート2の第1開孔8及び第2開孔9から生々しく見えにくくすることができるため、体液を吸収した吸収性物品1を視認した際の不快感を軽減させることが可能となる。
[吸収体(吸収コア)]
吸収体4は、例えばパルプ繊維等の吸液性繊維の積繊体や、吸液性繊維と高吸水性ポリマー材(SAP)との混合積繊体から構成することができる。吸液性繊維としては、例えば、パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、酢酸セルロース等のセルロース系の親水性繊維が挙げられる。本実施形態に係る吸収体4は、シート状に形成されており、2つ折りの状態でセカンドシート5と裏面シート3との間に配置されている。なお、吸収体4は、吸収性物品の吸収体に通常使用されているものを任意に採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
[裏面シート]
裏面シート3は、吸収性物品の裏面シートに通常使用されている材料を用いて形成することができる。例えば、液難透過性の樹脂フィルム、撥水性の樹脂フィルム、又は樹脂フィルムと不織布とのラミネートシート等、場合によっては液透過性の不織布が、裏面シート3として用いられる。
[本実施形態に係る吸収性物品の利点]
以上説明したとおり、本実施形態に係る吸収性物品1は、肌対向面を有する表面シート2と、表面シート2の非肌対向面側に配された裏面シート3と、該表面シート2及び裏面シート3の間に配された吸収体4とを備え、表面シート2が、吸水性繊維を含む不織布からなり、第1方向に沿う開孔幅が異なる第1開孔8及び第2開孔9を有し、これら第1開孔8及び第2開孔9が、第1方向及び該第1方向と交差する第2方向に沿って交互に配置されている。
このような吸収性物品1によれば、例えば第1方向を吸収性物品1の前後方向Xとした場合には、幅方向Y(第2方向)に延びる畝(横畝部12)が一直線の形状とはならず、幅方向Yに沿って直線的に均一な繊維密度となることを避けることが可能となるため、液が繊維を伝って幅方向Yに拡散しにくいという利点を有する。なお、第1方向を吸収性物品1の幅方向Yとした場合には、前後方向Xへの液の拡散を抑制することが可能となる。これにより、液を保持しやすい吸水性繊維を含む不織布であっても、液拡散面積を抑制できるため、安心で快適な使い心地を提供できる。
また、本実施形態に係る吸収性物品1の第1開孔8は、第1方向に沿う開孔の長さが第2開孔9よりも狭く、第2方向に沿う開孔の長さが第2開孔9よりも長い。このような吸収性物品1によれば、第2方向に延びる畝だけでなく、第1方向に延びる畝についても直線的に均一な繊維密度となることを避けることが可能となるため、第1方向(例えば前後方向X)及び第2方向(例えば幅方向Y)の双方において液が拡散しにくいという利点を有する。
さらに、本実施形態に係る吸収性物品1の表面シート2は、第1方向に沿って延びる第1畝部と、第2方向に沿って延びる第2畝部とを有し、第1開孔8は、その第2方向に関して、中央部よりも端部で繊維密度が高くなっているとともに、第2方向に沿う端部に、第1方向に沿う端部に存在する繊維よりも低密度に繊維が存在しており、該繊維は、第1畝部を形成する繊維の一部によって構成されている。このように、第1開孔8の端部に低密度の繊維が存在する場合には、第1開孔8がくっきりと開孔する場合よりも、隠蔽性に優れるという利点がある。なお、当該構成を第2開孔9にも採用する場合には、第2開孔9についても隠蔽性を向上させることができる。
また、本実施形態に係る吸収性物品1は、第1畝部(例えば縦畝部10)及び第2畝部(例えば横畝部12)の繊維密度が、相対的に異なっている。このように、第1畝部の繊維密度と第2畝部の繊維密度とを異ならせることにより、繊維の毛細管現象による液の伝搬の程度に差をつけることが可能となるため、液の拡散方向をコントロールすることが可能となる。なお、
特に、本実施形態に係る吸収性物品1は、幅方向Yに沿って延びる第2畝部(横畝部12)の繊維密度の方が、第1畝部(縦畝部10)の繊維密度よりも高い。このため、拡がりシロのある前後方向Xへの液拡散を抑制するよう液拡散方向をコントロールすることが可能となり、表面シート2の濡れる面積(液拡散面積)を抑制することが可能となる。
また、本実施形態に係る吸収性物品1は、第1畝部(例えば縦畝部10)と第2畝部(例えば横畝部12)との交点14における繊維密度が、第1畝部の繊維密度及び第2畝部の繊維密度よりも高い。すなわち、第1畝部と第2畝部の交点以外の繊維密度は、交点14の繊維密度よりも低い。このように、交点14における繊維密度が最も高いことにより、繊維の毛細管現象によって、該交点14部分において液を素早く引き込むことが可能となる。また、隣接する交点14間が、これよりも繊維密度が低い部分(縦畝部10の交点14以外の部分及び横畝部12の交点14以外の部分)で隔離されることとなるため、液の伝搬が抑制される。これにより、前後方向X及び幅方向Yへの液拡散を抑制し、液拡散面積をより一層縮小することが可能となる。
さらに、本実施形態に係る吸収性物品1の表面シート2は、吸水性繊維として天然繊維又はセルロース再生繊維を含んでいるため、優れた肌触りとすることができる。
また、本実施形態に係る吸収性物品1は、表面シート2と吸収体4との間に配されたセカンドシート5を更に備え、このセカンドシート5は、表面シート2よりも密度が低い。このような構成によれば、表面シート2に排泄された液をセカンドシート5により素早く引き込むことが可能となるため、吸収速度を速めることが可能となる。また、吸収体4に拡散した液をセカンドシート5により覆い隠し、表面シート2の第1開孔8及び第2開孔9から生々しく見えにくくすることができるため、体液を吸収した吸収性物品1を視認した際の不快感を軽減させることが可能となる。
[変形例]
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、吸収性物品がパンティライナであるものとして説明したが、これに限定されず、例えば、おむつ、生理用ナプキン、失禁パッド(尿取りパッド)等の、人体から排泄される体液を吸収するために用いられる各種の吸収性物品であっても良い。
上述した実施形態では、第1開孔8及び第2開孔9が、前後方向X及び幅方向Yの双方においても開孔幅が異なるものとして説明したが、これに限定されず、前後方向X及び幅方向Yのいずれか一方のみの開孔幅が異なる構成としても良い。また、第1開孔8及び第2開孔9の長手方向及び短手方向は、前後方向X及び幅方向Yと完全に一致している必要はない。
上記のような変形例が本発明の範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1 :吸収性物品
2 :表面シート
3 :裏面シート
4 :吸収体
5 :セカンドシート
6 :止着材
7 :接合縁部
8 :第1開孔
9 :第2開孔
10 :縦畝部(第1畝部)
10a :低密度領域
12 :横畝部(第2畝部)
12a :低密度領域
14 :交点
X :前後方向
Y :幅方向

Claims (4)

  1. 肌対向面を有する表面シートと、前記表面シートの非肌対向面側に配された裏面シートと、該表面シート及び裏面シートの間に配された吸収体とを備えた吸収性物品であって、
    前記表面シートは、吸水性繊維を含むスパンレース不織布からなり、第1方向に沿う開孔幅が異なる第1開孔及び第2開孔を有し、
    前記第1開孔及び前記第2開孔は、前記第1方向及び該第1方向と交差する第2方向に沿って交互に配置されており、
    前記表面シートは、前記第1方向に沿って延びる第1畝部と、前記第2方向に沿って延びる第2畝部とを有し、
    前記第1開孔は、前記第1方向に沿う開孔の長さが前記第2開孔よりも狭く、前記第2方向に沿う開孔の長さが前記第2開孔よりも長く、
    前記第1開孔は、前記第2方向に沿う端部に、前記第1方向に沿う端部に存在する繊維よりも低密度に繊維が存在しており、該繊維は、前記第1畝部を形成する繊維の一部によって構成され、
    吸収性物品は、幅方向よりも前後方向が長い縦長の形状を有しており、
    前記第2畝部は、前記幅方向に沿って延び、前記第1畝部よりも繊維密度が高い
    吸収性物品。
  2. 前記第1畝部と前記第2畝部との交点における繊維密度が、該交点以外における、前記第1畝部の繊維密度及び前記第2畝部の繊維密度よりも高い
    請求項に記載の吸収性物品。
  3. 前記表面シートは、吸水性繊維として天然繊維又はセルロース再生繊維を含んでいる
    請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記表面シートと前記吸収体との間に配されたセカンドシートを更に備え、
    前記セカンドシートは、前記表面シートよりも密度が低い
    請求項1~3いずれか1項に記載の吸収性物品。
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