JP7362008B1 - 消弧板および遮断器 - Google Patents

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Abstract

電流が通電される導体(1、2)と接続される固定接点(21)と可動接点(22)との間に、電流遮断時の固定接点(21)と可動接点(22)との開極時に生じるアークを消弧する消弧板(10)において、熱膨張率5ppm/K以下で無機水和物を含有しないセラミックから成る第1消弧板(11)と、無機水和物を含有する、樹脂あるいはセラミックからなる第2消弧板(12)と、が、前記消弧板(10)の面内方向において隣接して配設されて構成される。

Description

本願は、消弧板および遮断器に関するものである。
配電設備、車両用機器などにおいて用いられ、異常発生時などに電流を遮断する回路遮断器、開閉器等においては、一対の接点を互いに離間させて開極させることにより電流の遮断を行っている。この接点開極時において離間した接点間に発生するアークを消弧する装置として、従来より、消弧装置が用いられている。消弧装置には、アークを効率的に消弧する為の消弧板が設けられており、接点間に発生したアークをコイル等に印加した電磁力によって消弧板に接弧するように誘導させる機構が設けられている。発生したアークが電磁力によってその電路が引き延ばされると共に、消弧板に接弧した際にアークが冷却されることで、電源電圧よりもアーク電圧が高くなり、アーク電流が抑制され、その結果としてアークが消弧される。消弧板のアーク消弧性能が悪いと、アーク電流によって遮断器が損傷を受け、大きな不具合を引き起こす恐れがある。その為、アークの冷却性能が高く、消弧性に優れた消弧板が求められている。
このため、無機水和物を無機接着剤に分散し無機水和物塗料を準備する工程と、前記無機水和物塗料を多孔質セラミック焼結体の気孔部に真空含浸する工程とを備え、前記気孔部に真空含浸する工程により、前記気孔部内は、収縮後塗料部と空隙部とが含まれる状態になる、消弧板の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第6161371号公報
しかしながら、上記従来の消弧板の製造方法では、接点開極直後のアークが十分に引き延ばされていない段階から、多量に発生した水蒸気の噴出圧の影響により、アークの電路の引き延ばしを阻害する場合があり、これにより、十分な消弧性能が得られないという課題があった。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、アークの引き延ばしを阻害せず、アークの冷却性能に優れる消弧板と、消弧性能に優れる遮断器を提供することを目的とする。
本願に開示される消弧板は、
接点間に生じるアークを消弧する消弧板において、
熱膨張率5ppm/K以下で無機水和物を含有しないセラミックから成る第1消弧板と、
無機水和物を含有する、樹脂あるいはセラミックからなる第2消弧板と、が、前記消弧板の面内方向において隣接して配設されて構成され
前記第2消弧板は、1000℃のアークに暴露した際の水蒸気発生量あるいは熱分解ガス発生量の少なくとも一方が、前記消弧板1gあたり、1×10^-5mol以上に構成される、
ものである。
また、本願に開示される遮断器は、
電流が通電される導体と接続される、互いに切離可能な前記接点としての第1接点および第2接点と、前記第1接点と前記第2接点とが離間される電流遮断路において前記第1接点と前記第2接点との間に生じるアークを、前記第1接点および前記第2接点から離れる方向に誘導するように延在する第1アークランナーおよび第2アークランナーと、を備えた遮断器において、
前記第1アークランナーは、その一方の端部が前記第1接点側に配設され、
前記第2アークランナーは、その一方の端部が前記第2接点側に配設され、
前記第1アークランナーおよび前記第2アークランナーは、その他方の端部間の間隔が、前記第1接点および前記第2接点から離れるに従い広がるように配設され、
上記のように構成された前記消弧板が、該消弧板の前記第1消弧板側が前記第1接点および前記第2接点側に位置すると共に、その面内方向が、前記第1アークランナーと前記第2アークランナーとの間のアークの電路方向に沿うように配設される、
ものである。
本願に開示される消弧板によれば、アークの引き延ばしを阻害せず、アークの冷却性能に優れる消弧板が得られる。
また、本願に開示される遮断器によれば、消弧性能に優れる遮断器が得られる。
実施の形態1による消弧板の模式図である。 実施の形態1による気中遮断器の断面模式図である。 実施の形態1による消弧板の模式図である。 実施の形態1による消弧板の模式図である。 実施の形態1による消弧板の模式図である。 実施の形態1による消弧板の断面模式図である。 実施の形態1による評価実験の詳細を説明するための図である。 実施の形態1による評価実験の詳細を説明するための図である。 実施の形態1による評価実験の詳細を説明するための図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による消弧板10の模式図である。
図2は、実施の形態1による消弧板10を備えた気中遮断器100の断面模式図である。
図3は、実施の形態1による消弧板10の他の構成例を示す模式図である。
図4は、実施の形態1による消弧板10の他の構成例を示す模式図である。
図5は、実施の形態1による消弧板10の他の構成例を示す模式図である。
図6は、実施の形態1による消弧板10の他の構成例を示す断面模式図である。
なお、図において、消弧板10の左右方向、上下方向、奥行き方向をそれぞれ、X、Y、Zとして示す。
本実施の形態の遮断器としての気中遮断器100は、配電設備などにおいて用いられ、異常発生時などに電流を遮断して、設備を保護するものである。
先ず、気中遮断器100において用いられる消弧板10について説明する。
図1に示すように、本実施の形態1に係る消弧板10は、熱膨張率5ppm/K以下で無機水和物を含有しないセラミック板からなる第1消弧板11と、無機水和物を含有する樹脂板もしくはセラミック板からなる第2消弧板12とを、消弧板10の面内方向において隣接して配設し、接続した構成からなる。
次に、実施の形態1に係る気中遮断器100について説明する。
本実施の形態2の気中遮断器100は、電気接点の接触、開離により電流を断続させる接点部20と、この接点部20の開極操作を行う操作機構部30と、接点間に生じたアークを消弧する消弧室50と、を備える。
接点部20は、互いに切離可能な、第1接点としての固定接点21と、第2接点としての可動接点22と、を備える。なお、固定接点21、可動接点22のそれぞれを区別しない場合は、単に接点と称して用いる。
固定接点21は、電流が通電される主回路としての上部導体1に接続されている固定接触子23にロウ付けにより固定されている。また、可動接点22は、電流が通電される主回路としての下部導体2に接続されている可動接触子24にロウ付けにより固定されている。
操作機構部30は、下部導体2に配置されて下部導体2を流れる過電流の検知を行う過電流検出器31と、可動接触子24を保持するラッチ32と、可動接触子24を回動可能に保持する回転軸33と、を備える。
可動接触子24が回転軸33を中心に回動することにより、可動接点22と固定接点21とが接触又は開離する仕組みとなっている。接点同士を接触させることにより、可動接触子24に接続される下部導体2及び固定接触子23に接続される上部導体1を通じて電力が電源から供給される。通電の信頼性を確保するために可動接点22は固定接点21に規定の接触圧力で押さえつけられている。
消弧室50は、その内部に上記接点部20の固定接点21と、可動接点22とが設置されている。そして、固定接点21と可動接点22との間に生じるアークを転流させる第1アークランナーとしての固定接点側アークランナー51と、第2アークランナーとしての可動接点側アークランナー52と、が設けられている。
固定接点側アークランナー51は、その一方の端部が固定接点21側に配設され、その他方の端部が消弧室50の上方向Y側に配設されている。
また可動接点側アークランナー52は、その一方の端部が可動接点22側に配設され、その他方の端部が消弧室50の上方向Y側に配設されている。
図に示すように、固定接点側アークランナー51および可動接点側アークランナー52の他方の端部間の左右方向Xの間隔は、消弧室50の上方向Y側に向かうに従い広がるように配設されている。このように固定接点側アークランナー51および可動接点側アークランナー52は、固定接点21と可動接点22との間に生じるアークを、固定接点21および可動接点22から離れるに従い引き延ばすように、消弧室50の上方向Yに向かって延在して形成されている。
なお、以降の説明において、固定接点側アークランナー51と、可動接点側アークランナー52のそれぞれを区別しない場合は、単にアークランナーと称して用いる。
また、消弧室50内には、消弧板10が、その消弧板10の第1消弧板11側が接点側に位置し、さらに、その面内方向が、固定接点側アークランナー51および可動接点側アークランナー52の間に生じるアークA1、A2の電路方向に沿うように配設されている。
また、消弧板10における第1消弧板11と第2消弧板12との境界Eは、固定接点側アークランナー51および可動接点側アークランナー52の接点側の一方の端部と、他方の端部との間の第1範囲P内に設けられている。
以下、上記のように構成された気中遮断器100の動作について説明する。
短絡などが起こり回路に大きな過電流が流れると、下部導体2に配置された過電流検出器31が過電流を検出する。過電流が検出されると、電流通電時に可動接触子24を保持していたラッチ32が解除されて、回転軸33を中心に可動接触子24が時計方向に回転し、可動接点22と固定接点21とが開極する。可動接点22と固定接点21との開極によって接点間に発生したアークは、それぞれ固定接点側アークランナー51および可動接点側アークランナー52に転流する。固定接点側アークランナー51および可動接点側アークランナー52に転流したアークは、図2においてアークA1、A2として示すように、上方向Y側に上昇しながら左右方向Xに引き延ばされることでアーク電圧が上昇し、消弧される。
ここで、本実施の形態の要部となる、アークランナーに転流したアークの消弧における、消弧板10の消弧作用について説明する。
一般に、気中での消弧では、アークの引き延ばしと、アークの冷却との二つのメカニズムによって、アーク電圧を高めることが重要となる。アークの引き延ばしは、前述のように、消弧室50内の上方向Yに向かって延在するように設けられたアークランナーに、アークが転流し上昇することで、引き延ばされる。この時、アーク電流が大きい場合には、アークの上昇力も大きく、十分にアークを引き延ばすことが比較的容易にできる。しかしながら、アーク電流が小さい領域では、アークの上昇力が小さいため、アークの上昇を阻害する外的な要因が発生した場合に、十分にアークが引き延ばせない場合がある。
そこで、本実施の形態の消弧板10は、アークの上昇を阻害する要因を極力抑制するために、接点開極直後のアークA1が接弧する箇所には、熱膨張率5ppm/K以下で無機水和物を含有しないセラミック板からなる第1消弧板11を使用している。これにより、アークが第1消弧板11と接弧している間は、アークの上昇を阻害する水蒸気ガスの発生がないため、第1消弧板11の熱伝導による冷却効果と、アークの引き延ばしによる効果で、アーク電圧が上昇する。
このように発生したアークA1は、アークA1の電路に対して、その表面が沿うように配置された第1消弧板11に接しながら、冷却され、引き延ばされる。
次いで、十分に引き延ばされて、アークランナーの上方向Yの端部に達したアークA2は、無機水和物を含有する樹脂板もしくはセラミック板からなる第2消弧板12と接弧することで、発生した水蒸気または熱分解ガスにより冷却され、さらにアーク電圧が上昇して、消弧される。
このように、本実施の形態の消弧板10は、第1消弧板11と、第2消弧板12を、面内方向に隣接して接続した構造である。また、第1消弧板11は、接点に対して第2消弧板12よりも近い位置に配設されている。こうして、アーク発生直後に、アークの引き延ばしを阻害する水蒸気または熱分解ガスの発生が無い第1消弧板11に接弧させ、アークが十分に引き延ばされた後に第2消弧板12に接弧させ、水蒸気または熱分解ガスでアークを冷却することが可能となる。
よって、本実施の形態1の消弧板10は、接点からアークランナーへの転流によるアークの引き延ばしを阻害せず、かつ発生ガスによるアーク冷却性能に優れたものとなる。
本実施の形態の消弧板を構成する第1消弧板11は、アークと接弧した際に熱伝導でアークを冷却しながら、かつアークの引き延ばしを阻害しないことが重要である。そのため、水蒸気発生のもとになる無機水和物、および、熱分解ガスの発生する有機物を含まない材料からなることが好ましい。さらに、第1消弧板11からの水蒸気、あるいは、分解ガスの発生量は、アークの引き延ばしを阻害しない程度に微量であることが好ましく、第1消弧板11を1000℃に暴露した際の水蒸気発生量もしくは分解ガス発生量が、消弧板1gあたり1×10-7mol以下であることが、より好ましい。そのような材料としては、熱膨張率の小さいセラミックの焼結体が好ましい。
熱膨張率が小さいことで、アークに接弧した際の熱衝撃で割れ、クラック等が発生することがなく、繰り返し使用に耐える消弧版となる。消弧板がアークに接弧すると、数ミリ秒以下の極短い時間ではあるが、数千度の高温が消弧板に加わる。その為、セラミック焼結体の熱膨張率が5ppm/Kを超えると、接弧の際の熱衝撃で消弧板に割れ、クラック等が発生し、消弧板が破損してしまう。従って、消弧板に用いるセラミック焼結体としては、熱膨張率5ppm/K以下の低熱膨張率で且つ、絶縁性のセラミック材料が好ましい。
低熱膨張で且つ、絶性のセラミック材料としては、コージェライト、ジルコン、ジルコンコージェライト、β-スポジュメン、チタン酸アルミ等が好ましい。また、接弧した際にアークを冷却するため、アークに接弧した際の数千℃の温度域での熱伝導率が高いことが好ましい。このような高温域での熱伝導率は、セラミック材料よりも空気の方が高くなる。
そのため、本実施の形態の第1消弧板11は、図3に示す消弧板10のように、セラミック焼結体に空隙Bを多く含んでいることがより好ましく、具体的には、第1消弧板11の体積全体に対する気孔率である空隙率が20%以上50%以下であることが、より好ましい。
空隙率が20%以上であることで、消弧板の高温域での熱伝導率が良好になり、アークの冷却性能がより向上することが期待できる、一方、空隙率が50%を超えると、熱伝導率はより向上するが、消弧板の機械強度が著しく低下し、消弧板として使用した場合に遮断器の接点開極時の機械的衝撃によって、消弧板が破損してしまう恐れがある。
また、本実施の形態の消弧板を構成する第2消弧板12は、アークと接弧した際に、水蒸気、熱分解ガス等を発生し、アークを冷却する役割を担っている。そのため、第2消弧板12は、無機水和物を含有する樹脂板もしくはセラミック板からなる消弧板であることが好ましい。さらに、消弧性能だけでなく、耐熱性、繰り返し使用の耐久性が要求される場合には、第2消弧板12は、セラミック板であることがより好ましい。第2消弧板12からの水蒸気、分解ガスの発生量は、十分なアークの冷却効果を得るために、第2消弧板12を1000℃に暴露した際の水蒸気発生量もしくは分解ガス発生量が、消弧板1gあたり1×10^-5mol以上であることが、より好ましい。
樹脂板としては、例えば、樹脂マトリックスに無機フィラーを混合した複合材料系の樹脂板を用いることができる。このとき、樹脂マトリックスとしては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂等を用いることができ、無機フィラーとしては、結晶シリカ、アルミナ、水酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、ガラスなどの他、無機水和物系である2A族元素、3B族元素、4B族元素、遷移金属元素および希土類元素の水酸化物を用いることができ、具体的には、ホウ酸、水酸化マグネシウム、水酸化スズ、水酸化亜鉛、水酸化ランタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化鉄、水酸化ニッケル、水酸化ガリウム、水酸化ストロンチウムのいずれか一つ、または、複数を組み合わせて用いることができる。さらに、鉱物系の含水ケイ酸塩鉱物を単独または、上記の無機フィラーと組み合わせて用いることもできる。さらに、樹脂板として、ガラスクロスと樹脂マトリックスからなるGFRP系の積層体に、上記の無機フィラーを混合した樹脂板を用いることもできる。
また、セラミック板としては、無機フィラーと無機水和物を無機系の結合剤で固めたセラミック板であることが好ましい。消弧板では、耐アーク性(耐久性)と、消弧性(冷却性)の二つが要求されるが、この二つの性能はセラミック板の組成に依存している。例えば、耐アーク性を重視する場合には、無機フィラーの配合割合を増やすことで、耐久性が向上する。逆に、消弧性を重視する場合には、無機水和物の配合量を増やすことで、アークの冷却性能が向上する。ここで、消弧性を重視する場合の第2消弧板12としては、無機水和物の含有量が、第2消弧板12の全体重量に対して、40%以上、60%以下であることが好ましい。
無機フィラーとしては、絶縁体のセラミック粒子であれば良く、例えば、結晶シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、マイカ、ガラスなどを単独または組み合わせて用いることができる。また、無機水和物としては、常温では水を吸着もしくは化学結合しており、アークに接弧した際に、水蒸気を放出する無機物であれば良く、例えば、2A族元素、3B族元素、4B族元素、遷移金属元素および希土類元素の水酸化物を用いることができ、具体的には、ホウ酸、水酸化マグネシウム、水酸化スズ、水酸化亜鉛、水酸化ランタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化鉄、水酸化ニッケル、水酸化ガリウム、水酸化ストロンチウムのいずれか一つ、または、複数を組み合わせて用いることができる。
さらに、鉱物系の含水ケイ酸塩鉱物を単独または、上記の無機フィラーと組み合わせて用いることもできる。特に、含水ケイ酸塩鉱物を用いることが、入手性、コストの観点からはより好ましい。含水ケイ酸塩鉱物としては、特に限定されることは無いが、含水フィロケイ酸塩、含水アルミニウムケイ酸塩、含水ケイ酸マグネシウム、含水カオリン鉱物、雲母粘土鉱物、セピオライト、スメクタイト、バーミキュライト、サポナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイト、スインホルダイト、バイデライト、ノントロナイト、ボルコンスコアイトなどを用いることができる。無機系の結合剤としては、比較的融点の低い無機物を用いることが好ましく、例えば、ホウ酸、無水ホウ酸、リン酸、メタリン酸塩などの無機結合剤を単独または組み合わせて用いることができる。なお、リン酸は、室温では液体であるが、他の遷移金属酸化物などと併用することで、熱処理の際に化学反応を起こし、メタリン酸塩などの化合物を生成する。それにより、結合剤としての機能を発現することができる。メタリン酸塩としては、メタリン酸亜鉛、メタリン酸アルミニウムなどを単独または組み合わせて用いることができる。
第1消弧板11と第2消弧板12の接続の境界Eは、図1のように直線でも良いし、図4のように非直線でも良い。また、第1消弧板11と、第2消弧板12の面内方向の配置は、アークの引き延ばしを阻害しないような配置であれば良く、例えば、図5に示す消弧板10のように、第1消弧板11の上方向Y側だけでなく、左右方向Xの両端側に第2消弧板12を配置した構造でも良い。即ち、消弧板10において、第1消弧板11は、接点に対して第2消弧板12よりも近い位置に配設されて構成されていればよい。
さらに、消弧板10の機械的な強度を補うために、図6に示す消弧板10のように、消弧板10のアークと接弧する面と反対の面に、補強板13を設けても良い。
次に、本実施の形態の消弧板10の製造方法について説明する。
まず、第1消弧板11を製造する。第1消弧板11に使用するセラミックの原料粉末と樹脂バインダーと分散剤と水を混合したスラリーを作製する。
分散剤としては、水系スラリーに使用可能なものであれば特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。分散剤の例としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、反応性界面活性剤、脂肪酸塩、ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物などの陰イオン性界面活性剤;アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩、両性界面活性剤であるアルキルベタイン、アルキルアミンオキサイドなどの陽イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミドなどの非イオン性界面活性剤が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
結合剤としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。結合剤の例としては、アクリル系、セルロース系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルアセタール系、ウレタン系、酢酸ビニル系の樹脂が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
水としては、特に限定されず、純水、RO水、脱イオン水などを用いることができる。
スラリーを調製する際の混合は、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いて行うことができる。混合方法としては、ニーダー、ボールミル、遊星ボールミル、混練ミキサー、ビーズミルなどを用いた方法が挙げられる。
次に、スラリーを造粒して造粒粉を調製する。造粒方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法に準じて行うことができる。例えば、スプレードライヤーなどを用いた噴霧乾燥によって造粒粉を得ることができる。噴霧乾燥の条件は、使用する機器に応じて適宜調整すればよく、特に限定されない。
次に、作製した顆粒を所望の形状の金型を用いて、プレス成型し、成型体を作製する。次に、成型体を電気炉で、所望の焼結温度で焼結させることで、第1消弧板11を作製する。必要に応じて、焼結後に形状の加工を実施することもできる。
次に、第2消弧板12を作製する。
無機フィラー、無機水和物、無機系の結合剤を所望の割合で配合し混合物を作製する。混合方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができ、ニーダー、ボールミル、遊星ボールミル、混練ミキサー、ライカイ機等を用いることができる。次に、作製した混合物を金型を用いて、加熱しながらプレス成型し、第2消弧板12を作製する。加熱温度は、無機結合剤が溶融する程度の温度であれば良く、選択した無機結合剤の種類によって、適宜調整すれば良い。具体的には、200℃以上400℃以下の範囲であることが好ましい。また、選択した無機結合剤の組成によっては、無機結合剤の反応を完了させるため、必要に応じて、プレス成型後に、作製した第2消弧板12を電気炉で熱処理することもできる。熱処理の温度としては、300℃以上500℃以下であることが好ましい。さらに、必要に応じて、成型後または熱処理後に、形状の加工を実施することもできる。
次に、作製した第1消弧板11と、第2消弧板12を接続する。接続方法は、特に限定されず、接着剤による接着、ネジ止めなどの方法を用いることができる。また、消弧板単体としては、第1消弧板11と第2消弧板12とが互いに接続していなくても、当該消弧板を遮断器の消弧室に取り付ける際に、第1消弧板11と第2消弧板12が面内方向で隣接して接するように、消弧室50を構成する部材に対して、第1消弧板11と第2消弧板12をそれぞれ取り付けることもできる。
以下、実施例、比較例の第1消弧板を用いた評価実験に基づく消弧板の消弧効果について説明する。なお、以下の実験に用いた消弧板の構成は消弧効果を説明するための参考例であり、本実施の形態の消弧板10の構成を限定するものではない。
図7は、評価実験において用いられた第1消弧板のセラミック焼結体の種類及びその特徴を示す図である。
図7において、No.A~Gは、上記水銀圧入式ポロシメータによって測定された空隙率が各々14%~65%に、熱膨張率が4.5~9ppm/Kになるように調整されたセラミック焼結体である。
図8は、実施例における消弧板のセラミック板に用いた各種原材料を示す図である。
図9は、比較例における消弧板のセラミック板に用いた各種原材料を示す図である。
無機水和物として、含水ケイ酸マグネシウムを用い、無機フィラーとして、結晶シリカ、アルミナ、酸化亜鉛を用い、無機系の結合剤として、ホウ酸、リン酸を用いた。
[実施例1]
第1消弧板として、セラミック焼結体No.Cを用い、機械強度の評価用試験片および、遮断性能評価用の試験サンプルとして、評価用気中遮断器の消弧室の接点に近い側の形状に合わせた形状の試験サンプルをそれぞれ作製した。次に、第2消弧板の原材料である、含水ケイ酸マグネシウムを50質量部、結晶シリカを2質量部、アルミナを27質量部、酸化亜鉛を3質量部、ホウ酸を3質量部、リン酸を15質量部配合し、ライカイ機を用いて混合することで混合物を作製した。次に、得られた混合物を金型を用いて、400℃に加熱しながらプレス成型し、第2消弧板を得た。第2消弧板の形状は、評価用気中遮断器の消弧室の接点から遠い側の形状に合わせた形状とした。
[実施例2]
第1消弧板として、セラミック焼結体No.Aを用いたこと以外は実施例1と同様にした。
[実施例3]
第1消弧板として、セラミック焼結体No.Bを用いたこと以外は実施例1と同様にした。
[実施例4]
第1消弧板として、セラミック焼結体No.Dを用いたこと以外は実施例1と同様にした。
[実施例5]
第1消弧板として、セラミック焼結体No.Eを用いたこと以外は実施例1と同様にした。
[実施例6]
第1消弧板として、セラミック焼結体No.Fを用いたこと以外は実施例1と同様にした。
[実施例7]
第2消弧板の原材料である、含水ケイ酸マグネシウムを35質量部、結晶シリカを5質量部、アルミナを35質量部、酸化亜鉛を7質量部としたこと以外は実施例1と同様にした。
[実施例8]
第2消弧板の原材料である、含水ケイ酸マグネシウムを20質量部、結晶シリカを8質量部、アルミナを35質量部、酸化亜鉛を9質量部としたこと以外は実施例1と同様にした。
[比較例1]
セラミック焼結体No.Cを用いた第1消弧板11のみで、遮断性能評価用の試験サンプルを作製した。
[比較例2]
実施例1の第2消弧板と同様の組成の第2消弧板のみで、遮断性能評価用の試験サンプルを作製した。
[比較例3]
第1消弧板11として、セラミック焼結体No.Gを用いたこと以外は実施例1と同様にした。
[比較例4]
第2消弧板12を用いて、評価用気中遮断器の消弧室の接点に近い側の形状に合わせた形状の試験サンプルを作製し、第1消弧板11を用いて、評価用気中遮断器の消弧室の接点から遠い側の形状に合わせた形状の試験サンプルを作製したこと以外は実施例1と同様にした。
上記実施例1~8及び比較例1~4で得られた消弧板について、遮断性能として、遮断時間を評価した。遮断時間は、気中遮断器の消弧室に各消弧板を設置し、50A通電状態から接点を開極した際の遮断時間を測定した。かかる遮断時間の結果は、実施例1の消弧板で得られた遮断時間を基準とする各実施例又は各比較例の消弧板で得られた遮断時間の相対値([各実施例又は各比較例の消弧板で得られた遮断時間]/[実施例1の消弧板で得られた遮断時間]の値)として図8、図9に示した。
また、第1消弧板の3点曲げ強度は、オートグラフを用い、支点間距離40mmで測定した。かかる3点曲げ強度の結果は、実施例1の消弧板で得られた3点曲げ強度を基準とする各実施例又は比較例の消弧板で得られた3点曲げ強度の相対値([各実施例又は比較例の消弧板で得られた3点曲げ強度]/[実施例1の消弧板で得られた3点曲げ強度]の値)として図8、図9に示した。
図8に示されているように、実施例1~8の消弧板は、第1消弧板11に熱膨張率5ppm/K以下で無機水和物を含有しないセラミック板を用いており、第2消弧板に無機水和物を含有するセラミック板を用いていることにより、遮断時間が短く遮断性能が良好であることが分かる。一方、第1消弧板のみを用いた比較例1と、第2消弧板のみを用いた比較例2は、遮断性能に劣ることが分かる。
さらに、第1消弧板11と第2消弧板12の接合構造を実施例と逆にし、接点に近い側に第2消弧板12を配置し、接点から遠い側に第1消弧板11を配置した比較例4についても、消弧性能が悪いことが分かる。一方、第1消弧板11に熱膨張率の大きいアルミナを用いた比較例3は、遮断時の熱衝撃で第1消弧板11が破壊してしまい、遮断に失敗した。
また、第1消弧板11に空隙率20%以上のセラミック板を用いた実施例1および実施例3~6は、遮断時間が特に短くなっており、より遮断性能に優れることが分かる。しかしながら、空隙率が50%を超えるセラミック板を使用した実施例5~6は、機械強度が極端に低下していることが分かる。そのため、機械強度と遮断性能のバランスから、第1消弧板11に使用するセラミック板は、空隙率20%以上50%以下であることがより好ましいと言える。さらに、第2消弧板12の無機水和物の含有量に着目すると、無機水和物の含有量が少ない実施例7~8と比較して、無機水和物の含有量が多い実施例1~6は、遮断性能がより優れることが分かる。
以上の結果からわかるように、本発明者らは、消弧性能に優れる消弧板について鋭意研究した結果、接点開極直後のアークを、熱膨張率5ppm/K以下で無機水和物を含有しない消弧板に接弧させることで、アークを冷却しながら十分に引き延ばし、次いで、引き延ばしたアークを、無機水和物を含有する消弧版に接弧させ、発生した水蒸気ガスでさらにアークを冷却することで、消弧性能が向上することを見出した。また、本消弧板を気中遮断器に適用することで、消弧性能が向上することを見出した。
上記のように構成された本実施の形態の遮断器は、
上記実験結果に基づく消弧板を用いて構成されたものであり、さらに、
電流が通電される導体と接続される、互いに切離可能な前記接点としての第1接点および第2接点と、前記第1接点と前記第2接点とが離間される電流遮断路において前記第1接点と前記第2接点との間に生じるアークを、前記第1接点および前記第2接点から離れる方向に誘導するように延在する第1アークランナーおよび第2アークランナーと、を備えた遮断器において、
前記第1アークランナーは、その一方の端部が前記第1接点側に配設され、
前記第2アークランナーは、その一方の端部が前記第2接点側に配設され、
前記第1アークランナーおよび前記第2アークランナーは、その他方の端部間の間隔が、前記第1接点および前記第2接点から離れるに従い広がるように配設され、
上記のように構成された前記消弧板が、該消弧板の前記第1消弧板側が前記第1接点および前記第2接点側に位置すると共に、その面内方向が、前記第1アークランナーと前記第2アークランナーとの間のアークの電路方向に沿うように配設される、
ものである。
このように、一対のアークランナーは、アークを引き延ばすように、その他方の端部間の間隔が接点から離れるに従い広がるように配設されている。
そして、消弧板は、その第1消弧板側が接点側に位置するように配設され、その面内方向は、アークを引き延ばすように配設されたアークランナー間のアークの電路方向に沿うように配設されており、アークの電路を分断するように配置されていない。
このように、熱膨張率5ppm/K以下で、無機水和物を含有しないセラミックから成る本実施の形態の消弧板、遮断器は、接点からアークランナーへの転流によるアークの引き延ばしを水蒸気ガスの発生により阻害せず冷却機能に優れるため、消弧性能に優れる。また、アークに接弧した際の熱衝撃に強く、繰り返しの使用に耐える信頼性の高い消弧版となる。
そして、上記第1消弧板に隣接して、無機水和物を含有する樹脂あるいはセラミックからなる第2消弧板が配設されている。これにより、上記第1消弧板により冷却され、アークランナーにより引き延ばしされたアークは第2消弧板12に接弧され、この第2消弧板から発生した水蒸気または熱分解ガスにより更に冷却され、アーク電圧が高められるため、更に消弧板の消弧性能が向上する。
また、上記のように構成された本実施の形態の遮断器においては、
前記消弧板における前記第1消弧板と前記第2消弧板との境界は、前記第1アークランナーおよび前記第2アークランナーの一方の端部と、他方の端部との間の第1範囲内に設けられる、
ものである。
即ち、アークを冷却しながら引き延ばす領域である第1範囲内において、第1消弧板と第2消弧板との水平方向Xに沿う境界を位置させることで、アークランナーの他方の端部まで誘導されて引き延ばしされたアークを、無機水和物を含有する樹脂あるいはセラミックからなる第2消弧板に確実に接弧できる構成となる。このように、第2消弧板の発生ガスによるアーク冷却性能に優れる遮断機を提供することができる。
また、上記のように構成された本実施の形態の遮断器においては、
前記第1消弧板と前記第2消弧板との前記境界の位置は、前記第1アークランナーと前記第2アークランナーとの間に生じるアークのアーク電圧に基づき、前記第1範囲内で調整される、
ものである。
このように、アークを冷却しながら引き延ばす領域である第1範囲内における、第1消弧板と第2消弧板との水平方向Xに沿う境界の上下方向Yの位置を、例えば、予測されるアーク電圧によって予め調整しておくことで、負荷に応じた確実な消弧が可能となる。
本願は、例示的な実施の形態が記載されているが、実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
10 消弧板、11 第1消弧板、12 第2消弧板、21 固定接点(第1接点、接点)、22 可動接点(第2接点、接点)、51 固定接点側アークランナー(第1アークランナー)、52 可動接点側アークランナー(第2アークランナー)、100 気中遮断器(遮断器)。

Claims (11)

  1. 接点間に生じるアークを消弧する消弧板において、
    熱膨張率5ppm/K以下で無機水和物を含有しないセラミックから成る第1消弧板と、
    無機水和物を含有する、樹脂あるいはセラミックからなる第2消弧板と、が、前記消弧板の面内方向において隣接して配設されて構成され
    前記第2消弧板は、1000℃のアークに暴露した際の水蒸気発生量あるいは熱分解ガス発生量の少なくとも一方が、前記消弧板1gあたり、1×10^-5mol以上に構成される、
    消弧板。
  2. 前記消弧板において、前記第1消弧板は、前記接点に対して前記第2消弧板よりも近い位置に配設されて構成される、
    請求項1に記載の消弧板。
  3. 前記第1消弧板の、該第1消弧板の体積全体に対する気孔率は、20%以上、50%以下である、
    請求項1に記載の消弧板。
  4. 前記第1消弧板の、該第1消弧板の体積全体に対する気孔率は、20%以上、50%以下である、
    請求項2に記載の消弧板。
  5. 前記第1消弧板は、1000℃のアークに暴露した際の水蒸気発生量あるいは熱分解ガス発生量の少なくとも一方が、前記消弧板1gあたり、1×10^-7mol以下に構成される、
    請求項1に記載の消弧板。
  6. 前記第1消弧板は、1000℃のアークに暴露した際の水蒸気発生量あるいは熱分解ガス発生量の少なくとも一方が、前記消弧板1gあたり、1×10^-7mol以下に構成される、
    請求項2に記載の消弧板。
  7. 前記第1消弧板は、1000℃のアークに暴露した際の水蒸気発生量あるいは熱分解ガス発生量の少なくとも一方が、前記消弧板1gあたり、1×10^-7mol以下に構成される、
    請求項3に記載の消弧板。
  8. 前記第1消弧板は、1000℃のアークに暴露した際の水蒸気発生量あるいは熱分解ガス発生量の少なくとも一方が、前記消弧板1gあたり、1×10^-7mol以下に構成される、
    請求項4に記載の消弧板。
  9. 電流が通電される導体と接続される、互いに切離可能な前記接点としての第1接点および第2接点と、前記第1接点と前記第2接点とが離間される電流遮断路において前記第1接点と前記第2接点との間に生じるアークを、前記第1接点および前記第2接点から離れる方向に誘導するように延在する第1アークランナーおよび第2アークランナーと、を備えた遮断器において、
    前記第1アークランナーは、その一方の端部が前記第1接点側に配設され、
    前記第2アークランナーは、その一方の端部が前記第2接点側に配設され、
    前記第1アークランナーおよび前記第2アークランナーは、その他方の端部間の間隔が、前記第1接点および前記第2接点から離れるに従い広がるように配設され、
    請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の前記消弧板が、該消弧板の前記第1消弧板側が前記第1接点および前記第2接点側に位置すると共に、その面内方向が、前記第1アークランナーと前記第2アークランナーとの間のアークの電路方向に沿うように配設される、
    遮断器。
  10. 前記消弧板における前記第1消弧板と前記第2消弧板との境界は、前記第1アークランナーおよび前記第2アークランナーの一方の端部と、他方の端部との間の第1範囲内に設けられる、
    請求項9に記載の遮断器。
  11. 前記第1消弧板と前記第2消弧板との前記境界の位置は、前記第1アークランナーと前記第2アークランナーとの間に生じるアークのアーク電圧に基づき、前記第1範囲内で調整される、
    請求項10に記載の遮断器。
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