JP7361190B1 - 車両の運行管理システム - Google Patents
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Abstract
Description
[全体構成]
図1は、第1実施形態に係る運行管理システムの全体構成図である。この運行管理システム1は、管理対象となる車両10に離脱自在に取り付けられる検知装置100、乗務員が携帯する携帯端末200、事業所等に設置される運行管理サーバ300を含んで構成される。運行管理サーバ300には、乗務員の固有情報が登録されている。
検知装置100は、車両10の任意の部位に後付けで取り付けることができる携行性デバイスであり、ファームウェア内蔵の市販のビーコン(Beacon)を用いることができる。ビーコンは、例えば加速度センサ、計時機能を有するMPU(Micro Processing Unit)、ストレージ等が実装された量産品であり、MPUがファームウェアを実行することで、例えば運転日報のような実績報告書作成支援に関わる種々の機能を実現する。検知装置100の機能構成例を図2に示す。検知装置100(ビーコン)は、計測部110、制御部120、記憶部130、通信部140、電源部150の機能を有する。
記憶部130には、管理対象となる車両10を識別するための車両ID(IDはIdentificationの略、以下同じ)のほか、必要に応じて、静止時以外の計測部110の計測値が計測開始時刻及び計測終了時刻と共に記録される。記憶部130に記録された情報は、適宜、携帯端末200へ送信される。記憶部130内では、例えばリングバッファ方式で古い情報から順に書き換わる。そのため、計測終了時点以前の所定時間分の計測値は、書き換わることなく残存しており、ブラックボックス的な役割を果たす。
携帯端末200は、通話・データ通信機能及び撮影機能を有する携帯型の情報処理装置であり、スマートフォン、タブレット端末、ノートブックPC(PCはパーソナルコンピュータの略、以下同じ)等を用いることができる。携帯端末200は、図3に示されるように、表示部210、制御部220、記憶部230、操作部240、通信部250、計測部260、通話部270及び撮影部280を有する。記憶部230には、端末用AP(APはアプリケーションプログラムの略、以下同じ)がインストールされている。
参考情報は、例えば、その車両10について、発車時点の地名又は施設名、停止時点の地名又は施設名、休憩と認識された時点における地名又は施設名、給油時点における地名又は施設名及び給油量、異常事態と認識された時点における地名又は施設名であり、通話部270を通じて入力された乗務員の音声又は撮影部280を通じて入力された画像又は映像を用いることができる。区別IDは、例えば端末用APにより、入力時に付される車両ID、発車地点ID、停止地点ID、休憩地点ID、休憩時間ID、異常事態の発生地点ID等であり、自動的に採番される。
音声出力手段は、予め記憶部230に記録されているメッセージあるいは操作のガイダンス、例えば運行開始時に「運行記録を開始します」あるいは「運転日報の作成を開始します」あるいは「サーバとの通信を開始します」等を出力し、運行終了時に例えば「運行フォルダの送信を行いましたか?」等を出力する。運行管理サーバ300側から送信された音声を随時出力する構成であってもよい。
運行管理サーバ300について詳しく説明する。運行管理サーバ300は、サーバ機能を有する情報処理装置であり、図1に示される通り、通信部310、ストレージ320、制御部330、入出力部340、車両DB351、乗務員DB352、及び地図DB353を有する。
ストレージ320は、大容量記録デバイスであり、管理対象となる車両毎あるいは乗務員毎の運転日報の作成・保存・削除を含む運行管理のためのサーバプログラムがインストールされている。ストレージ320には、また、運転日報を含む各種報告書帳票フォーマット(スプレッドシート)等も記録されている。ストレージ320には、さらに、携帯端末200から取得した運行フォルダが、端末IDと関連付けて乗務員毎に記録される。なお、各乗務員による運行フォルダ又は運転日報等の情報に基づく解析・分析・統計データ等がストレージ320に記録されるようにしてもよい。
入出力部340は、安全運転管理者に対して各種情報の表示及び操作入力等の各種ユーザインタフェースを提供するデバイス(ディスプレイ、キーボード等)である。
次に、上記のように構成される運行管理システム1の運用形態例を説明する。
運行管理システム1は、携帯端末200から運行管理サーバ300に送信される情報に基づいて、管理対象となる車両又は乗務員の運行管理に必要なさまざまな情報を生成することができる。ここでは、まず、運行管理の一例となる車両10の運転日報を作成する例を示す。運転日報の作成は、車両10の運行中にリアルタイムに行ってもよく、あるいは、乗務員の運行終了後にバッチ処理等により行ってもよい。
運転日報をリアルタイムに作成する場合、乗務員が報告・提出を忘れて自宅に戻った場合でも運転日報を事業所内で確保できるという利点がある。他方、乗務員の運転終了後に運転日報を作成する場合、リアルタイムに行う場合に比べて運行管理サーバ300側の処理が簡素化されるという利点がある。乗務員数が多い場合、この利点は顕著となる。
検知通知を受けた携帯端末200は、端末用APを起動し(S105)、表示部210に所定の操作画面を表示するとともに、検知装置100に対する接続要求を行う(S107)。検知装置100と携帯端末200との接続が完了すると、検知装置100は、携帯端末200に対して接続完了を通知する(S109)。
制御部330は、乗務員DB352を参照して、端末IDに対応する乗務員が、登録されている乗務員のものかどうかを検証する。
運転日報は、運行フォルダに記録された区分IDに応じて帳票(スプレッドシート)に自動的に転記され、法令に従う期間保存されるが、本実施形態によれば、印刷前の帳票のほかに、乗務員が運転当日中の状況把握、あるいは、安全運転管理者の解析等に役立つマルチメディア運転日報、すなわち音声、画像又は映像、テキストデータが連動する運転日報が、運行管理サーバ300の制御部330により作成することができる。このマルチメディアの運転日報は、例えば、車両運行サーバ300用の詳細版と携帯端末200用に情報を削減した簡易版の2種類がある。携帯端末200用の運転日報の例を図5及び図6に示す。
このように、車両10(図5の例では社有車)の出庫から入庫までの移動履歴が運転日報に自動的に記録される。なお、移動履歴や滞在場所に、乗務員がコメントを付加することができる。
このように、車両IDや乗務員のみならず、その乗務員の所属先や安全運転管理者の情報まで表示されるので、運行管理の一元化が容易になる。乗務員は、この内容を確認し、修正の必要がなければそのまま当該車両10における運転を継続させることになる。
第1実施形態では、車両IDを検知装置100から取得する場合の例を説明したが、社有車であっても種々の事情で車両IDが検知装置100から取得できない場合がある。また、車両10が社有車でない場合等、検知装置100それ自体が車両10に取り付けられていない場合がある。さらに、携帯端末200を携帯した乗務員が、検知装置100を取り付け、業務用に運転したとしてもそもそも事業者において運転日報を作成する必要がない交通車両(バスやタクシー等)に乗車する場合もある。第2実施形態では、このような場合の運転日報の作成フロー例について説明する。なお、特段の説明がないかぎり、携帯端末200及びサーバ300の機能・動作については、第1実施形態と同じである。
図7を参照すると、乗務員が車両10に乗車すると、携帯端末200は、所定時間中に検知装置100から車両IDを取得できたかどうかを判定する(S201)。取得できた場合(S201:Y)の動作は、第1実施形態と同じとなる(S210)。
車両IDを取得できなかった場合(S201:N)、端末用APが直ちに自動起動し、運行管理サーバ300との間に通信路を自動で確立する。その後、携帯端末200は、車両10の運転開始を待つ(S202:N)。運転が開始された場合(S202:Y)、携帯端末200は、端末IDだけを運行管理サーバ300に送信する(S203)。端末IDの運行管理サーバ300の送信は、端末用AP起動直後に行うようにしてもよい。
乗務員から、通話部270を通じて車種と車両ナンバーが音声で入力されるか、撮影部280を通じて車体及び車両ナンバーの撮像が入力された場合(S208:Y)、携帯端末200は、入力された情報を運行管理サーバ300へ送信する。送信された内容により車両IDを認識できた場合、運行管理サーバ300は、第1実施形態と同様の手順で運転日報の作成可能となる。
なお、不明な運転履歴に関しては、運転日報の作成を中止しないで作成を継続し、後で不必要とされた運転履歴について、乗務員が削除する運用態様にすることもできる。
運転日報は、携帯端末200と運行管理サーバ300のいずれかでも作成できることは第1実施形態で説明した通りである。第3実施形態では、同じ車両10に関する運転日報を携帯端末200と運行管理サーバ300の双方で作成する場合の例を説明する。
運行管理サーバ300の制御部330は、携帯端末200が作成した運転日報(便宜上、「第1運転日報」という)を当該携帯端末200から取得し、ストレージ320に記録する。その後、制御部330が作成した運転日報(便宜上、「第2運転日報」という)と比較し、いずれかの運転日報に欠落の有無があるかどうか、重複する項目同士で記録内容に相違がないかどうかを調べる。欠落があるときと記録内容が相違するときは、両運転日報にマーキングを付加する。これにより、後日の調査が容易となり、正確な運転日報だけを残すことができる。
第4実施形態では、検知装置100の計測部110に、GPS受信部と、加速度センサかジャイロセンサとを設け、車両10の時系列の車両移動情報を、携帯端末200の計測部260ではなく、検知装置100の計測部110の計測結果を用いる場合の例を説明する。
第5実施形態では、車両IDと車両移動情報の取得とを携帯端末200だけで行う場合の例を説明する。ここでは、携帯端末200の制御部220は、撮影部280で撮影された画像(映像を含む)の認識機能を有し、計測部260は、振動のみならず姿勢センサとして機能させる。
また、運行管理サーバ300には、複数の乗務員による車両移動情報が収集され、蓄積されることから、安全運転管理のためのさまざまな情報を生成することが可能となる。例えば、乗務員毎の運転操作の傾向を評点したり、危険挙動が発生しやすい箇所を特定したり、CO2排出量の測定やその削減の効果等を測定して記録することが可能となる。また、車両10において事故が発生したときの事故報告書の自動作成も可能となる。
本明細書による開示は、以下の各態様の発明を含んでいる。
[態様1]
態様1の発明は、管理対象となる車両の車両IDといずれかの前記車両を運転する乗務員が携帯する携帯端末の端末IDとが登録された運行管理サーバと、前記運行管理サーバに接続される前記携帯端末とを有し、前記携帯端末は、前記車両の移動開始時刻と前記車両の移動の継続が停止した時刻を含む車両移動情報を生成する車両移動情報生成手段を備え、前記運行管理サーバは、取得した前記車両移動情報と前記端末IDとに基づいて前記携帯端末と協働で当該車両を運転した乗務員の運転実績報告書の作成を可能にする制御手段を備える、運行管理システム。
態様1の発明によれば、乗務員及び安全運転管理者の作業負担を抑えつつ法令を遵守する事業者のコスト負担を抑えることができ、以後の安全運転管理に役立つ情報を作成することができる。
態様2の発明は、態様1の発明において、前記携帯端末は、前記車両に離脱自在に固定され当該車両の車両IDを保持するとともに当該車両に前記乗務員が乗車して運転を開始したことを検知する検知装置から近距離無線通信により前記車両IDを取得し、取得した前記車両ID及び自端末の前記端末IDを前記車両移動情報に含めて前記運行管理サーバへ送信する運行管理システムである。
態様2の発明によれば、車両の移動開始及び移動の継続が停止したことを検知装置が存在しない場合に比べてより正確に認識することができる。
態様3の発明は、前記検知装置が前記車両に離脱自在のビーコンである運行管理システムである。
態様3の発明によれば、ビーコンを車両に取り付けるだけで、どの車両をも管理対象の車両とすることができ、運行管理がより簡略化される。
態様4の発明は、態様1から態様3のいずれかの運行管理システムにおいて、前記携帯端末は、撮影手段と通話手段とを備えており、前記撮影手段で撮影された静止画又は動画と、前記通話手段で入力された音声との少なくとも一方を前記車両移動情報に含めて前記運行管理サーバへ送信し、前記制御手段は、前記運転実績報告書を前記静止画又は動画と前記音声の少なくとも一方を含む前記運転実績報告書の作成を可能にする運行管理システムである。
態様4の発明によれば、音声と静止画又は動画を含む運転実績報告書の作成が可能となり、法令遵守を超えた安全運転管理がより容易となる。
態様5の発明は、管理対象となる車両の車両IDといずれかの前記車両を運転する乗務員が携帯する携帯端末の端末IDとが登録された運行管理サーバに接続される前記携帯端末を、前記車両の移動開始時刻と前記車両の移動の継続が停止した時刻を含む車両移動情報を生成する車両移動情報生成手段、生成した車両移動情報と前記端末IDとに基づいて前記運行管理サーバと協働で当該車両を運転した乗務員の運転実績報告書の作成を可能にする制御手段、として機能させる、携帯端末用アプリケーションプログラムである。
態様5の発明によれば、例えば乗務員が個人的に保有する携帯端末を運行管理システムの構成体として使用することができるので、運行管理システムの導入コストを抑えることができる。
態様6の発明は、態様5の発明において、前記携帯端末は、前記車両に離脱自在に固定され当該車両の車両IDを保持するとともに当該車両に前記乗務員が乗車して運転を開始したことを検知する検知装置から近距離無線通信により前記車両IDを取得し、取得した前記車両ID及び自端末の前記端末IDを前記車両移動情報に含めて前記運行管理サーバへ送信する携帯端末用アプリケーションプログラムである。
態様6の発明によれば、どのような車両であっても、検知装置を取り付けることにより管理対象の車両として扱うことができる。また、検知装置により車両IDや車両の運転開始時点が直ちに判るので、検知装置を設けない場合に比べて車両移動情報を容易に取得できるようになる。
態様7の発明は、管理対象となる車両の車両IDといずれかの前記車両を運転する乗務員が携帯する携帯端末の端末IDとが登録された運行管理サーバであって前記携帯端末に接続される前記運行管理サーバを、前記携帯端末から前記車両の移動開始時刻及び前記車両の移動の継続が停止した時刻を含む車両移動情報を取得する車両移動情報取得手段、取得した車両移動情報と前記端末IDとに基づいて前記携帯端末と協働で当該車両を運転した乗務員の運転実績報告書の作成を可能にする制御手段、として機能させる、サーバプログラムである。
態様7の発明によれば、汎用のサーバ装置を運行管理システムの構成体として使用することができるので、運行管理システムの導入コストを抑えることができる。
態様8の発明は、態様7の発明において、前記制御手段は、前記端末IDにより特定される乗務員が運転しようとする車両が管理対象でない車両かどうかを登録された車両情報を基に判別し、管理対象でない車両に対する前記運転実績報告書の作成を中止することを前記携帯端末へ通知する、サーバプログラムである。
態様8の発明によれば、必要のない作業ないし処理を省略することができる。
Claims (6)
- 管理対象となる車両の車両IDといずれかの前記車両を運転する乗務員が携帯する携帯端末の端末IDとが登録された運行管理サーバと、前記運行管理サーバに接続される前記携帯端末とを有し、
前記携帯端末は、前記車両の移動開始時刻と前記車両の移動の継続が停止した時刻を含む車両移動情報を生成する車両移動情報生成手段、静止画又は動画を撮影する撮影手段、音声を入力する通話手段、前記撮影手段で撮影された静止画又は動画と前記通話手段で入力された音声との少なくとも一方を前記車両移動情報生成手段が生成した前記車両移動情報に含めて前記運行管理サーバへ送信する送信手段を備え、
前記運行管理サーバは、取得した前記車両移動情報、前記端末ID、並びに前記静止画又は動画と前記音声との少なくとも一方に基づいて当該車両を運転した乗務員の運転実績報告書の作成を可能にする制御手段を備える、
車両の運行管理システム。 - 前記携帯端末は、前記車両に離脱自在に固定され当該車両の車両IDを保持するとともに当該車両に前記乗務員が乗車して運転を開始したことを検知する検知装置から近距離無線通信により前記車両IDを取得し、取得した前記車両ID及び自端末の前記端末IDを前記車両移動情報に含めて前記運行管理サーバへ送信する、
請求項1に記載の運行管理システム。 - 前記検知装置が前記車両に離脱自在のビーコンである、
請求項2に記載の運行管理システム。 - 管理対象となる車両の車両IDといずれかの前記車両を運転する乗務員が携帯する携帯端末の端末IDとが登録された運行管理サーバに接続される前記携帯端末を、
前記車両の移動開始時刻と前記車両の移動の継続が停止した時刻を含む車両移動情報を生成する車両移動情報生成手段、
静止画又は動画を撮影する撮影手段、
音声を入力する通話手段、
前記撮影手段で撮影された静止画又は動画と前記通話手段で入力された音声との少なくとも一方を、前記車両移動情報生成手段が生成した前記車両移動情報に含めて前記運行管理サーバへ送信する送信手段、
前記車両移動情報、前記端末ID、並びに前記静止画又は動画と前記音声との少なくとも一方に基づいて前記運行管理サーバに当該車両を運転した乗務員の運転実績報告書を作成させる制御手段、
として機能させる携帯端末用アプリケーションプログラム。 - 前記携帯端末は、前記車両に離脱自在に固定され当該車両の車両IDを保持するとともに当該車両に前記乗務員が乗車して運転を開始したことを検知する検知装置から近距離無線通信により前記車両IDを取得し、取得した前記車両ID及び自端末の前記端末IDを前記車両移動情報に含めて前記運行管理サーバへ送信する、
請求項4に記載の携帯端末用アプリケーションプログラム。 - 管理対象となる車両の車両IDといずれかの前記車両を運転する乗務員が携帯する携帯端末の端末IDとが登録され、静止画又は動画を撮影する撮影手段と音声を入力する通話手段とを備えた前記携帯端末に接続される運行管理サーバを、
前記携帯端末から前記車両の移動開始時刻及び前記車両の移動の継続が停止した時刻を含む車両移動情報を取得する車両移動情報取得手段、
取得した車両移動情報、前記端末ID、並びに前記静止画又は動画と前記音声との少なくとも一方に基づいて当該車両を運転した乗務員の運転実績報告書の作成を可能にする制御手段、
として機能させるサーバプログラム。
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