JP7359571B2 - 端子付き電線、及び、ワイヤハーネス - Google Patents

端子付き電線、及び、ワイヤハーネス Download PDF

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Description

本発明は、端子付き電線、及び、ワイヤハーネスに関する。
従来の端子付き電線やワイヤハーネスに関する技術として、例えば、特許文献1には、少なくとも一端に端子を備えた端子付き電線を超音波溶接するための端子付き電線の溶接方法が開示されている。この方法では、端子付き電線における端子と溶接部位との間に、電線自身を所定形状に変形させてなる振動減衰部を形成し、その状態で超音波溶接を行う。
特開2007-294154号公報
ところで、上述の特許文献1に記載の端子付き電線の溶接方法では、例えば、上記のように超音波溶接された後の端子においても、適正に導通性能が確保されていることが望まれている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、適正な導通性能を確保することができる端子付き電線、及び、ワイヤハーネスを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る端子付き電線は、導電性を有する電線と、前記電線の端末に設けられる金属端子とを備え、前記金属端子は、前記電線が接続される電線接続部と、前記電線接続部に連結されて箱状に形成され、内部の端子挿入空間部に軸方向に沿って相手端子を挿入可能である箱状部と、前記端子挿入空間部内に位置し前記箱状部に弾性変形可能に片持ち状に支持され前記相手端子との接点を形成するバネ接点部とを備え、前記箱状部は、当該箱状部の角部に前記端子挿入空間部側に突出して形成された打ち出し部を有することを特徴とする。
また、上記端子付き電線では、前記箱状部は、前記電線接続部に連結される底体、及び、当該底体において前記軸方向と交差する幅方向の両端からそれぞれ突出して形成される一対の壁体によって箱状に形成され、前記打ち出し部は、前記底体と前記壁体とが交わる前記角部に当該底体と当該壁体とに渡って設けられるものとすることができる。
また、上記端子付き電線では、前記バネ接点部は、前記底体に支持され、前記打ち出し部は、前記底体の前記幅方向の両側の前記角部にそれぞれ設けられるものとすることができる。
また、上記端子付き電線では、前記電線接続部は、前記電線と超音波接合された超音波接合部を形成するものとすることができる。
上記目的を達成するために、本発明に係るワイヤハーネスは、導電性を有する電線、及び、前記電線の端末に設けられる金属端子を有する少なくとも1つの端子付き電線と、前記電線に接続される接続相手電線と、前記電線と前記接続相手電線とが超音波接合された超音波接合部とを備え、前記金属端子は、前記電線が接続される電線接続部と、前記電線接続部に連結されて箱状に形成され、内部の端子挿入空間部に軸方向に沿って相手端子を挿入可能である箱状部と、前記端子挿入空間部内に位置し前記箱状部に弾性変形可能に片持ち状に支持され前記相手端子との接点を形成するバネ接点部とを備え、前記箱状部は、当該箱状部の角部に前記端子挿入空間部側に突出して形成された打ち出し部を有することを特徴とする。
本発明に係る端子付き電線、及び、ワイヤハーネスは、金属端子において、電線接続部に連結された箱状部の端子挿入空間部に相手端子が挿入される。そして、金属端子は、当該端子挿入空間部内に支持されたバネ接点部によって当該相手端子との間に接点が形成される。このような構成において、金属端子は、箱状部の角部に端子挿入空間部側に突出して形成された打ち出し部を有する。この構成により、金属端子は、打ち出し部によって箱状部の剛性を高めることができるので、箱状部自体や当該箱状部に弾性変形可能に支持されたバネ接点部の変形を抑制することができる。この結果、端子付き電線、及び、ワイヤハーネスは、適正な導通性能を確保することができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態に係る端子付き電線の概略構成を表す模式的な側面図である。 図2は、実施形態に係る端子付き電線の概略構成を表す模式的な斜視図である。 図3は、実施形態に係る端子付き電線の概略構成を表す模式的な断面図である。 図4は、実施形態に係る端子付き電線が適用されたワイヤハーネスの概略構成を表す模式図である。 図5は、実施形態に係る端子付き電線が適用されたワイヤハーネスの概略構成を表す模式図である。 図6は、実施形態に係る端子付き電線が適用されたワイヤハーネスにおける超音波接合について説明する模式図である。 図7は、変形例に係る端子付き電線の概略構成を表す模式図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
なお、以下で説明する図2は、図面を分かり易くするため、隠れ線のうち打ち出し部に係る部分を点線で示し他の部分の図示を省略している。また、図3は、図1に示すA-A断面図を表している。また、図5、図6は、コネクタCのハウジング、保護部材を外した状態を図示している。また、以下の説明では、互いに交差する第1方向、第2方向、及び、第3方向のうち、第1方向を「軸方向X」といい、第2方向を「幅方向Y」といい、第3方向を「高さ方向Z」という。ここでは、軸方向Xと幅方向Yと高さ方向Zとは、相互に略直交する。軸方向Xは、典型的には、金属端子が設けられる電線の延在方向に相当し、金属端子と相手端子との挿抜方向に相当する。幅方向Yと高さ方向Zとは、軸方向Xと交差する交差方向に相当する。また、以下の説明で用いる各方向は、特に断りのない限り、各部が相互に組み付けられた状態での方向を表すものとする。
[実施形態]
図1、図2、図3に示す本実施形態に係る端子付き電線100は、導電性を有する電線Wと、電線Wの端末に設けられる金属端子1とを備える。本実施形態に係る端子付き電線100は、例えば、車両等に使用されるワイヤハーネスWH等に適用される。
電線Wは、例えば、導電性を有する線状の導体部W1と、当該導体部W1の外側を覆う絶縁性を有する絶縁被覆部W2とを含んで構成される。電線Wは、絶縁被覆部W2で導体部W1を被覆した絶縁電線である。導体部W1は、導電性の金属、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の素線を複数束ねた芯線である。導体部W1は、複数の素線を撚り合わせた撚り芯線であってもよい。絶縁被覆部W2は、導体部W1の外周側を被覆する電線被覆である。絶縁被覆部W2は、例えば、絶縁性の樹脂材料(PPやPVC、架橋PE等。耐摩耗性や耐薬品性、耐熱性等に配慮して適宜選定される。)等を押出成形することによって形成される。電線Wは、少なくとも導体部W1の一方の端末において、絶縁被覆部W2が剥ぎ取られており、当該導体部W1の一方の端末が絶縁被覆部W2から露出しており、当該露出している導体部W1の端末に金属端子1が設けられる。金属端子1は、電線Wの導体部(芯線)W1と導通されるものである。金属端子1は、例えば、後述するコネクタC(図4等参照)等に保持される。本実施形態の金属端子1は、電線Wの端末に圧着される圧着端子であるがこれに限られない。
ここで、図4、図5を参照して端子付き電線100が適用されるワイヤハーネスWHについて説明する。ワイヤハーネスWHは、例えば、車両に搭載される各装置間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の電線Wを束にして集合部品(電線束)とし、コネクタC等で複数の電線Wを各装置に接続するようにしたものである。ワイヤハーネスWHは、少なくとも1つの端子付き電線100と、端子付き電線100を構成する電線Wに接続される接続相手電線WAと、電線Wと接続相手電線WAとが超音波接合された超音波接合部UWとを備える。ワイヤハーネスWHは、この他、さらに、コルゲートチューブ、グロメット等の外装部材、電気接続箱、固定具など種々の構成部品を含んで構成されてもよい。
本実施形態のワイヤハーネスWHは、複数(ここでは、4つ)の端子付き電線100を備える電線束であり、当該複数の端子付き電線100の各電線Wが超音波接合部UWで相互に接合されている。この場合、ワイヤハーネスWHは、各端子付き電線100において、残りの他の端子付き電線100の電線Wが接続相手電線WAに相当することとなる。本実施形態の各電線Wは、両端部において、導体部W1が絶縁被覆部W2から露出している。そして、各電線Wは、一方の端部に金属端子1が設けられ、当該金属端子1がそれぞれコネクタCのハウジングに保持される一方、他方の端部同士が超音波接合部UWで相互に接合されている。
超音波接合部UWは、各電線Wにおいて、絶縁被覆部W2から露出した導体部W1同士を超音波接合した部分である。超音波接合部UWは、各導体部W1の当該接合部分が絶縁性を有する保護部材UWaによって覆われ、保護されている。この超音波接合部UWは、言い換えれば、複数の電線Wが分岐する分岐接続部を構成するものであるということもできる。
ここで、超音波接合とは、図6に例示するように、超音波接合機の振動子を構成するホーンM1によって接続対象に対して超音波振動を印加し、当該印加された超音波振動を用いて行う金属間接合である。この場合、接続対象である複数の電線Wは、露出した各導体部(芯線)W1を重ねた状態で、受け治具を構成するアンビルM2と上記ホーンM1とによって当該各導体部(芯線)W1が挟持され、当該重なった導体部W1に対してホーンM1により超音波振動が加振される。この結果、複数の電線Wは、典型的には、重ねられた導体部W1の接合面が超音波振動によって互いに擦れ合うことで塑性変形により固相状態で接合され、超音波接合部UWが形成される。
上記のように構成されるワイヤハーネスWHは、超音波接合部UWの形成過程で導体部W1に超音波振動が加振された際、当該振動が端子付き電線100の電線Wを伝播し金属端子1に印加される。本実施形態の端子付き電線100は、このような構造にあって、上記のように振動が加わる金属端子1に対して後述する打ち出し部25を設けることで、適正な導通性能の確保を図ったものである。以下、再び、図1、図2、図3を参照して金属端子1の各構成について詳細に説明する。
金属端子1は、図1、図2、図3に示すように、電線Wが電気的に接続され、導電性を有する相手端子Tが挿抜される端子金具である。本実施形態の金属端子1は、雌型の端子形状として形成され、雄型の端子形状の相手端子Tと電気的に接続される。相手端子Tは、中心軸線が軸方向Xに沿う略矩形柱状に形成されている。
具体的には、金属端子1は、電線接続部10と、箱状部20と、バネ接点部30とを備える。電線接続部10、箱状部20、及び、バネ接点部30は、全体が一体で導電性を有する金属、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等によって構成される。金属端子1は、例えば、電線接続部10、箱状部20、バネ接点部30等の各部に対応した形状に打ち抜かれた一枚の板金をプレス及び折り曲げ成形することにより各部が立体的に一体で形成される。金属端子1は、軸方向Xに沿って一方側から他方側に向かって、電線接続部10、箱状部20の順で並んで相互に連結され、箱状部20の内部にバネ接点部30が設けられる。
電線接続部10は、電線Wが接続され、当該電線Wの端末の導体部W1と金属端子1とを電気的に接続する部分である。本実施形態の電線接続部10は、電線Wに加締められて圧着される電線圧着部を構成する。電線接続部10は、導体圧着部11と中間部12と被覆圧着部13とを含んで構成される。電線接続部10は、軸方向Xに沿って箱状部20側から反対側に向かって、導体圧着部11、中間部12、被覆圧着部13の順で並んで相互に連結される。
導体圧着部11は、電線接続部10において軸方向Xの一端側、ここでは、箱状部20側に設けられ電線Wの導体部W1に対して加締められ圧着される部分である。さらに言えば、導体圧着部11は、導体部W1に対して加締められ圧着されることで、当該導体部W1と電気的に接続される部分である。導体圧着部11は、基部14、及び、当該基部14から幅方向Yに帯状に延びて形成されたバレル片(加締片)部11aによって、電線Wの導体部W1の外側を包んで当該導体部W1に対して加締められ圧着される。バレル片部11aは、図示していないが基部14から幅方向Yの両側にそれぞれ帯状に延びて一対で形成される。ここでは、基部14は、軸方向Xに沿って延在し導体圧着部11、中間部12、被覆圧着部13のそれぞれの一部を構成する。基部14は、軸方向Xの一方側に箱状部20が連結される。金属端子1は、電線接続部10と箱状部20とが基部14を介して電気的に接続され、当該基部14を介して箱状部20と電線Wの導体部W1とが電気的に接続され導通される。
中間部12は、導体圧着部11と被覆圧着部13との間に介在し、当該導体圧着部11と当該被覆圧着部13とを連結する部分である。
被覆圧着部13は、電線接続部10において軸方向Xの他端側、ここでは、箱状部20側とは反対側に設けられ電線Wの絶縁被覆部W2に対して加締められ圧着される部分である。被覆圧着部13は、上記基部14、及び、当該基部14から幅方向Yに帯状に延びて形成されたバレル片(加締片)部13aによって、電線Wの絶縁被覆部W2の外側を包んで当該絶縁被覆部W2に対して加締められ圧着される。バレル片部13aは、図示していないが基部14から幅方向Yの両側にそれぞれ帯状に延びて一対で形成される。
なお、本実施形態の電線接続部10は、導体圧着部11の各バレル片部11aと被覆圧着部13の各バレル片部13aとの間に中間部12が介在することで各バレル片部11aと各バレル片部13aとが分断されたいわゆる別体バレル型の圧着部を構成する。また、電線接続部10は、例えば、導体圧着部11の一対のバレル片部11a同士が互いに重なり合わず(オーバーラップせず)、いわゆるBクリンプと称する加締め圧着がなされるものとして形成することができる。しかしながら、電線接続部10の形式は、これらに限らない。電線接続部10は、導体圧着部11、中間部12、被覆圧着部13において、一対のバレル片部が軸方向Xに沿って連続し一体化されたいわゆる一体バレル型の圧着部を構成してもよい。また、電線接続部10は、一対のバレル片部11a同士が互いに重なり合って(オーバーラップして)加締め圧着がなされるものであってもよい。また、電線接続部10は、そもそも電線圧着部でなくてもよく、圧着以外の形式、例えば、溶着、締結等の形式で電線Wに対して電気的に接続されるものであってもよい。
箱状部20は、相手端子Tと電気的に接続される部分である。箱状部20は、上述したように雌型の端子形状に形成され、雄型の端子形状に形成された相手端子Tと電気的に接続される。本実施形態の箱状部20は、電線接続部10に連結されて箱状に形成され、内部の端子挿入空間部24に軸方向Xに沿って相手端子Tを挿入可能な部分を構成する。
箱状部20は、中心軸線が軸方向Xに沿う筒状に形成される。本実施形態の箱状部20は、略矩形筒状に形成された中空の箱部を構成する。箱状部20は、軸方向Xに沿って延在し、軸方向Xの一方側が開口して端子挿入口24aを形成し、他方側に電線接続部10が連結される。そして、箱状部20は、内部の空間部が端子挿入空間部24を構成する。端子挿入空間部24は、略矩形柱状に形成された相手端子Tが挿抜される空間部である。
より具体的には、箱状部20は、底体21、及び、一対の壁体22、23を有し、これら底体21、及び、一対の壁体22、23によって箱状に形成される。底体21、及び、一対の壁体22、23は、一体となって略矩形筒状の箱部を形成する。
底体21は、板厚方向が高さ方向Zに沿う略矩形板状に形成され、軸方向Xに沿って延在する。底体21は、軸方向Xの一方の端部(端子挿入口24a側とは反対側の端部)が電線接続部10の基部14に連結される。
一対の壁体22、23は、底体21において幅方向Yの両端からそれぞれ突出して形成される。より詳細には、壁体22は、側壁部22a、及び、天面部22bを有して形成される。一方、壁体23は、側壁部23aを有して形成され、天面部に相当する部分を有していない。側壁部22aと側壁部23aとは、それぞれ、壁体22、23において、底体21から高さ方向Zに沿って延在する部分である。側壁部22aと側壁部23aとは、板厚方向が幅方向Yに沿う略矩形板状に形成され、軸方向Xに沿って延在する。そして、側壁部22aと側壁部23aとは、幅方向Yに沿って端子挿入空間部24を挟んで間隔をあけて対向する。天面部22bは、壁体22の側壁部22aから幅方向Yに沿って延在する部分である。天面部22bは、上述の底体21と同様に、板厚方向が高さ方向Zに沿う略矩形板状に形成され、軸方向Xに沿って延在する。そして、天面部22bと上述の底体21とは、高さ方向Zに沿って端子挿入空間部24を挟んで間隔をあけて対向する。
端子挿入空間部24は、上述のように形成される底体21、及び、一対の壁体22、23によって区画される。すなわち、端子挿入空間部24は、高さ方向Zが底体21と壁体22の天面部22bとによって区画され、幅方向Yが壁体22の側壁部22aと壁体23の側壁部23aとによって区画される。これにより、端子挿入空間部24は、箱状部20の内部に軸方向Xに沿って延在して形成される。そして、箱状部20は、底体21、側壁部22a、23a、天面部22bの軸方向Xの一方の端部(電線接続部10側とは反対側の端部)によって、端子挿入空間部24に対する端子挿入口24aが形成される。箱状部20は、軸方向Xの一方の端部に形成された当該端子挿入口24aを介して内部の端子挿入空間部24に軸方向Xに沿って相手端子Tが挿入される。
バネ接点部30は、端子挿入空間部24内に位置し箱状部20に弾性変形可能に片持ち状に支持され相手端子Tとの接点を形成する部分である。バネ接点部30は、板厚方向が高さ方向Zに沿う略矩形板状に形成され、軸方向Xに沿って延在する。バネ接点部30は、高さ方向Zの一方側で底体21と対向し、他方側で天面部22bと対向して位置する。そして、バネ接点部30は、軸方向Xの端子挿入口24a側の端部が底体21に連結され支持される。つまり、バネ接点部30は、軸方向Xの端子挿入口24a側の端部である基端部が底体21に連結されて支持され、軸方向Xの端子挿入口24a側とは反対側の端部である先端部が自由端となる。ここでは、バネ接点部30は、軸方向Xの端子挿入口24a側の端部が底体21から連続して折り返されることで当該底体21に支持される基端部が構成される。これにより、本実施形態のバネ接点部30は、底体21に高さ方向Zに対して弾性変形可能に片持ち状に支持される。なお、バネ接点部30は、軸方向Xの中腹部分が天面部22b側に突出するように屈曲することで接点形成部30aが形成されている。接点形成部30aは、端子挿入空間部24に挿入された相手端子Tと接触し当該相手端子Tとの間に接点を形成し導通される主たる部分である。
上記のように構成される金属端子1は、相手端子Tが端子挿入口24aを介して軸方向Xに沿って端子挿入空間部24に挿入される。このとき、金属端子1は、当該相手端子Tがバネ接点部30を底体21側に撓ませながら端子挿入空間部24に挿入される。そして、金属端子1は、バネ接点部30が接点形成部30a等を介して相手端子Tと接触し自身の弾性復元力によって当該相手端子T側に押圧され、当該相手端子Tとの間に接点を形成する。この結果、金属端子1は、接点形成部30a等を介して相手端子Tと導通され、電線Wと相手端子Tとを導通接続することができる。
そして、上記のように構成される本実施形態の金属端子1は、さらに、箱状部20が打ち出し部25を有することで、適正な導通性能する構成を実現している。
具体的には、打ち出し部25は、箱状に形成される箱状部20の角部20aに端子挿入空間部24側に突出して形成される。打ち出し部25は、例えば、金属端子1の各部をプレス及び折り曲げ等により成形する際に端子挿入空間部24側に向けて押し出し成形される。打ち出し部25は、角部20aを形成する各壁部に渡って形成される。
より具体的には、本実施形態の打ち出し部25は、底体21と壁体22、23とが交わる各角部20aにそれぞれ1つずつ、合計2つ設けられる。より詳細には、一方の打ち出し部25は、底体21と壁体22の側壁部22aとが交わる角部20aに当該底体21と当該壁体22の側壁部22aとに渡って設けられる。他方の打ち出し部25は、底体21と壁体23の側壁部23aとが交わる角部20aに当該底体21と当該壁体23の側壁部23aとに渡って設けられる。ここで、底体21は、上述したように、電線接続部10の基部14が連結され、かつ、バネ接点部30を支持する構造体である。つまり、各打ち出し部25は、電線接続部10の基部14が連結され、かつ、バネ接点部30を支持する構造体である底体21の幅方向Yの両側の角部20aにそれぞれ設けられることとなる。各打ち出し部25は、相手端子Tが端子挿入空間部24に挿入されバネ接点部30が底体21側に撓んだ状態で、当該バネ接点部30と干渉しない位置に形成される。
ここでは、各打ち出し部25は、それぞれ、各角部20aにおいて、軸方向Xの中腹部分に形成されている。また、各打ち出し部25は、端子挿入空間部24側が凸状、外側(端子挿入空間部24側とは反対側)が凹状となる略三角錐状に形成されている。
以上で説明した端子付き電線100、ワイヤハーネスWHは、電線接続部10に連結された箱状部20の端子挿入空間部24に相手端子Tが挿入される。そして、金属端子1は、当該端子挿入空間部24内に支持されたバネ接点部30によって当該相手端子Tとの間に接点が形成される。このような構成において、金属端子1は、箱状部20の角部20aに端子挿入空間部24側に突出して形成された打ち出し部25を有する。この構成により、金属端子1は、例えば、打ち出し部25が箱状部20の角部20aに渡して設けられた補強部材の役割を担うことで、当該打ち出し部25によって箱状部20の剛性を高めることができ、振動に対する耐性を向上させることができる。この結果、金属端子1は、例えば、超音波接合部UWの形成過程で振動が電線Wを伝播し金属端子1に伝わっても箱状部20自体や当該箱状部20に弾性変形可能に支持されたバネ接点部30が当該振動によって変形することを抑制することができる。これにより、金属端子1は、例えば、振動に伴う箱状部20とバネ接点部30との相対変位を抑制することができ、バネ接点部30が過剰に弾性変形したり当該バネ接点部30の基端部に大きな応力が作用したりすることを抑制することができる。したがって、金属端子1は、当該金属端子1に超音波振動が伝達されても、バネ接点部30を介して相手端子Tとの間に接点を形成し導通接続することができる構成を適正に維持することができる。この結果、端子付き電線100、ワイヤハーネスWHは、適正な導通性能を確保することができ、接続信頼性の低下を抑制することができる。
より詳細には、以上で説明した端子付き電線100、ワイヤハーネスWHは、箱状部20を構成する底体21と壁体22、23とが交わる角部20aに当該底体21と当該壁体22、23とに渡って打ち出し部25が設けられる。この構成により、金属端子1は、箱状部20において、電線接続部10に伝達された振動が最初に入力される底体21を含む部分の剛性を向上することができるので、当該振動によって箱状部20等が変形することをより効果的に抑制することができる。この結果、端子付き電線100、ワイヤハーネスWHは、より適正に導通性能を確保することができる。
さらに言えば、以上で説明した端子付き電線100、ワイヤハーネスWHは、底体21の幅方向Yの両側の角部20aにそれぞれ打ち出し部25が設けられる。この構成により、金属端子1は、箱状部20において、バネ接点部30を支持する底体21の両端部を含む部分の剛性を向上することができる。ここでは、金属端子1は、底体21において、電線接続部10に伝達された振動が入力される部分とバネ接点部30を支持する部分との間の部分の剛性を向上することができる。この結果、金属端子1は、バネ接点部30の基端部側に振動が伝わることを抑制することができ、箱状部20自体や当該箱状部20に支持されたバネ接点部30が当該振動によって変形することをより確実に抑制することができる。この点でも、端子付き電線100、ワイヤハーネスWHは、より適正に導通性能を確保することができる。
なお、上述した本発明の実施形態に係る端子付き電線、及び、ワイヤハーネスは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
以上の説明では、箱状部20は、バネ接点部30が底体21に支持され、当該底体21の幅方向Yの両側の角部20aにそれぞれ1つずつ打ち出し部25が設けられるものとして説明したがこれに限らない。例えば、箱状部20は、バネ接点部30が天面部22b等に支持されるものであってもよい。また、打ち出し部25は、箱状部20のいずれの角部に設けられていてもよく、例えば、側壁部22aと天面部22bとが交わる角部に当該側壁部22aと当該天面部22bとに渡って設けられていてもよい。また、打ち出し部25は、少なくとも1つが設けれていればよく、また、例えば、1つの角部20aにおいて軸方向Xに間隔をあけて並んで複数設けれていてもよい。また、以上の説明では、打ち出し部25は、略三角錐状に形成されるものとして説明したがこれに限らず、略半球状、略矩形柱状、略多角形錐状、略錐台形状等に形成されてもよい。これらの場合であっても、端子付き電線100、ワイヤハーネスWHは、箱状部20の剛性を高めることで適正な導通性能を確保することができる。
以上の説明では、端子付き電線100の各電線Wは、一方の端部に金属端子1が設けられ、他方の端部同士が超音波接合部UWで相互に接合されるものとして説明したがこれに限らない。例えば、各電線Wは、両端部にそれぞれ金属端子1が設けられていてもよい。そして、超音波接合部UWは、各電線Wの中腹部分において、絶縁被覆部W2から露出した導体部W1を超音波接合した部分であってもよい。
以上の説明では、ワイヤハーネスWHは、各端子付き電線100において、残りの他の端子付き電線100の電線Wが接続相手電線WAとなるものとして説明したがこれに限らない。ワイヤハーネスWHは、少なくとも1つの端子付き電線100を備えた上で、当該端子付き電線100に対する接続相手電線WAは、端子付き電線100の電線Wでなくてもよい。
以上の説明では、ワイヤハーネスWHは、超音波接合部UWを備え、超音波接合部UWの形成過程で金属端子1に振動が加わる構造であるものとして説明したがこれに限らない。ワイヤハーネスWHは、超音波接合部UWを備えず、金属端子1に超音波振動等が伝達されないものであってもよい。この場合であっても、端子付き電線100、ワイヤハーネスWHは、箱状部20の剛性を高めることで適正な導通性能を確保することができる。
以上の説明では、電線接続部10は、電線圧着部を構成するものとして説明したがこれに限らず、圧着以外の形式、例えば、溶着、締結等の形式で電線Wに対して電気的に接続されるものであってもよい。例えば、図7に例示する変形例に係るワイヤハーネスWHAは、端子付き電線100Aを備え、当該端子付き電線100Aは、金属端子1Aを備える。ワイヤハーネスWHA、端子付き電線100A、金属端子1Aは、電線接続部10にかえて電線接続部10Aを備える点で上述したワイヤハーネスWH、端子付き電線100、金属端子1と異なる。ワイヤハーネスWHA、端子付き電線100A、金属端子1Aのその他の構成は、上述のワイヤハーネスWH、端子付き電線100、金属端子1と略同様の構成である。本変形例の電線接続部10Aは、板厚方向が高さ方向Zに沿う略矩形板状に形成される。ここでは、箱状部20の底体21(図1等参照)は、当該板状に形成された電線接続部10Aに連結される。そして、電線接続部10Aは、絶縁被覆部W2から露出した電線Wの導体部W1と超音波接合されることで超音波接合部UWAを形成する。つまりこの端子付き電線100Aは、当該端子付き電線100A自身にも超音波接合部UWAを備えている。ここでの超音波接合部UWAは、端子付き電線100Aにおいて、金属端子1Aの電線接続部10Aと電線Wの導体部W1とを超音波接合した部分である。端子付き電線100Aは、図6の例と同様に、電線接続部10Aと導体部W1とを重ねた状態で、アンビルM2とホーンM1とによって電線接続部10Aと導体部W1とが挟持され、当該重なった部分に対してホーンM1により超音波振動が加振される。この結果、端子付き電線100Aは、典型的には、重ねられた電線接続部10Aと導体部W1との接合面が超音波振動によって互いに擦れ合うことで塑性変形により固相状態で接合され、超音波接合部UWAが形成される。これにより、端子付き電線100Aは、電線接続部10Aに電線Wを導通接続することができる。そして、端子付き電線100A、ワイヤハーネスWHAは、端子付き電線100A自身に超音波接合部UWAが形成されるような場合であっても、上記と同様に、箱状部20に打ち出し部25が設けられていることで適正な導通性能を確保することができる。
以上の説明では、端子付き電線100、100Aは、例えば、車両等に使用されるワイヤハーネスWH等に適用されるものとして説明したがこれに限らない。
本実施形態に係る端子付き電線、及び、ワイヤハーネスは、以上で説明した実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
1、1A 金属端子
10、10A 電線接続部
20 箱状部
20a 角部
21 底体
22、23 壁体
22a、23a 側壁部
22b 天面部
24 端子挿入空間部
25 打ち出し部
30 バネ接点部
100、100A 端子付き電線
T 相手端子
UW、UWA 超音波接合部
W 電線
W1 導体部
W2 絶縁被覆部
WA 接続相手電線
WH、WHA ワイヤハーネス
X 軸方向
Y 幅方向
Z 高さ方向

Claims (4)

  1. 導電性を有する電線と、
    前記電線の端末に設けられる金属端子とを備え、
    前記金属端子は、
    前記電線が接続される電線接続部と、
    前記電線接続部に連結されて箱状に形成され、内部の端子挿入空間部に軸方向に沿って相手端子を挿入可能である箱状部と、
    前記端子挿入空間部内に位置し前記箱状部に弾性変形可能に片持ち状に支持され前記相手端子との接点を形成するバネ接点部とを備え、
    前記箱状部は、当該箱状部の角部に前記端子挿入空間部側に突出して形成された打ち出し部を有し、かつ、前記電線接続部に連結される底体、及び、当該底体において前記軸方向と交差する幅方向の両端からそれぞれ突出して形成される一対の壁体によって箱状に形成され、
    前記打ち出し部は、前記端子挿入空間部側が凸状、当該端子挿入空間部側とは反対側が凹状となる三角錐状、半球状、矩形柱状、多角形錐状、又は、錐台形状に形成されており、前記底体と前記壁体とが交わる前記角部に当該底体と当該壁体とに渡って設けられることを特徴とする、
    端子付き電線。
  2. 前記バネ接点部は、前記底体に支持され、
    前記打ち出し部は、前記底体の前記幅方向の両側の前記角部にそれぞれ設けられる、
    請求項に記載の端子付き電線。
  3. 前記電線接続部は、前記電線と超音波接合された超音波接合部を形成する、
    請求項1又は請求項に記載の端子付き電線。
  4. 導電性を有する電線、及び、前記電線の端末に設けられる金属端子を有する少なくとも1つの端子付き電線と、
    前記電線に接続される接続相手電線と、
    前記電線と前記接続相手電線とが超音波接合された超音波接合部とを備え、
    前記金属端子は、
    前記電線が接続される電線接続部と、
    前記電線接続部に連結されて箱状に形成され、内部の端子挿入空間部に軸方向に沿って相手端子を挿入可能である箱状部と、
    前記端子挿入空間部内に位置し前記箱状部に弾性変形可能に片持ち状に支持され前記相手端子との接点を形成するバネ接点部とを備え、
    前記箱状部は、当該箱状部の角部に前記端子挿入空間部側に突出して形成された打ち出し部を有し、かつ、前記電線接続部に連結される底体、及び、当該底体において前記軸方向と交差する幅方向の両端からそれぞれ突出して形成される一対の壁体によって箱状に形成され、
    前記打ち出し部は、前記端子挿入空間部側が凸状、当該端子挿入空間部側とは反対側が凹状となる三角錐状、半球状、矩形柱状、多角形錐状、又は、錐台形状に形成されており、前記底体と前記壁体とが交わる前記角部に当該底体と当該壁体とに渡って設けられることを特徴とする、
    ワイヤハーネス。
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