JP7359220B2 - 感度校正方法、検査装置および磁気センサ群 - Google Patents

感度校正方法、検査装置および磁気センサ群 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月3日に日本国に特許出願された特願2020-115939の優先権を主張するものであり、この先の出願の開示全体をここに参照のために取り込む。
本発明は、鋼板を評価する検査装置における複数の磁気センサの感度を校正する感度校正方法、検査装置および磁気センサ群に関するものである。
方向性電磁鋼板などの鋼板を磁化させ、漏洩磁束を検出することにより、当該鋼板を評価する検査装置が知られている。例えば、方向性鋼板における鉄損を評価するために鋼板の電磁気特性を測定する装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2018-124266号公報
鋼板の電磁気特性を測定する装置では、鋼板の幅方向全体を測定するために、複数の磁気センサを鋼板の板面に平行な面上に配置し、各磁気センサに漏洩磁束を検出させている。鋼板全体の電磁気特性を正しく測定するために、同じ感度の磁気センサを用いることが必要である。しかし、複数の磁気センサ間で、温度変化および経時変化により感度のばらつきが生じるため、測定精度に差が出ることがある。そこで、磁気センサの感度を適宜調整する必要があるが、そもそも磁気センサごとに感度が異なっていることが多い。磁気センサの感度調整は、センサごとに個別に行う必要があるが、その方法として、たとえば標準サンプルを準備し、1枚の標準サンプルをすべてのセンサで測定する方法がある。しかし、感度調整は出力波形を見ながら行われるため、時間と手間がかかる。それゆえ、この方法では、複数のセンサに対して行うには負荷が大きい。一方で、1枚の標準サンプルを用いて多数のセンサの校正を同時に行おうとすると、標準サンプル内の特性のばらつきの影響を受けてしまう。さらに、電磁鋼板の製造ライン稼働中は、感度調整を実施できないため、製造ラインを一時中止する必要があり、生産効率の面で好ましくない。
従って、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされた本開示の目的は、磁気センサの感度校正を、容易にかつ確実に行うことができる感度校正方法、検査装置および磁気センサ群を提供することにある。
上述した諸課題を解決すべく、第1の観点による感度校正方法は、
校正用の交流電流を通電するための校正用配線近傍にそれぞれ配置された複数の磁気センサを有する鋼板の検査装置の感度校正方法であって、
前記検査装置は、
複数の磁気センサのそれぞれの第1の出力値を、前記校正用配線への交流電流の通電によりあらかじめ取得し、
前記鋼板の所定の部分が通板方向における前記磁気センサの位置の通過前に、前記複数の磁気センサを前記鋼板の漏洩磁束の検出位置から退避させ、前記校正用配線への交流電流の通電を開始し、前記複数の磁気センサのそれぞれの第2の出力値を取得し、
前記所定の部分の前記磁気センサの位置の通過後に、前記複数の磁気センサを前記検出位置に変位させ、前記複数の磁気センサそれぞれが測定する測定値を、前記第1の出力値をおよび前記第2の出力値に基づいて補正する。
また、第2の観点による感度校正方法では、
前記校正用配線は、複数の磁気センサそれぞれの感磁部に対して同じ相対位置に配置される。
また、第3の観点による感度校正方法では、
前記複数の磁気センサの各々は、ゲイン調整可能な複数の増幅器に別々に接続され、
前記複数の増幅器の各々は、前記複数の磁気センサを前記検出位置から退避させた状態または前記通板部から前記鋼板を除外させた状態の少なくとも一方において、前記校正用配線に交流電流を通電させている状態における前記複数の増幅器の各々の出力値が同一の校正値となるように、ゲイン調整されている。
また、第4の観点による感度校正方法では、
前記検査装置は、前記複数の磁気センサそれぞれが測定する測定値を、前記第1の出力値を、前記第2の出力値で除した値を乗ずることにより補正する。
また、第5の観点による検査装置は、
鋼板を通板する通板部と、
前記鋼板を磁化する磁化器と、
リフトオフ方向に垂直な平面における異なる位置に並び且つ前記磁化器が磁化した前記鋼板に発生する漏洩磁束を検出する複数の磁気センサと、
前記複数の磁気センサそれぞれの感磁部に対して同じ相対位置に配置される校正用配線と、
前記複数の磁気センサの、前記鋼板の漏洩磁束の検出位置からの退避と、前記検出位置への変位とを切替可能な調整機構と、
前記校正用配線への交流電流の通電および前記調整機構の駆動を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
複数の磁気センサのそれぞれの第1の出力値を、前記校正用配線への交流電流の通電によりあらかじめ取得し、
前記通板部により通板される前記鋼板の所定の部分が通板方向における前記磁気センサの位置の通過前に、前記複数の磁気センサを前記鋼板の漏洩磁束の検出位置から退避させ、前記校正用配線への交流電流の通電を開始し、前記複数の磁気センサのそれぞれの第2の出力値を取得し、
前記所定の部分の前記磁気センサの位置の通過後に、前記複数の磁気センサを前記検出位置に変位させ、前記複数の磁気センサそれぞれが測定する測定値を、前記第1の出力値をおよび前記第2の出力値に基づいて補正する。
また、第6の観点による検査装置では、
前記校正用配線は、複数の磁気センサそれぞれの感磁部に対して同じ相対位置に配置される。
また、第7の観点による鋼板の検査装置は、
鋼板を通板する通板部と、
前記鋼板を磁化する磁化器と、
リフトオフ方向に垂直な平面における異なる位置に並び且つ前記磁化器が磁化した前記鋼板に発生する漏洩磁束を検出する複数の磁気センサと、
前記複数の磁気センサそれぞれの感磁部に対して同じ相対位置に配置される校正用配線と、
前記校正用配線への交流電流の通電を制御する制御部と、を備える。
また、第8の観点による磁気センサ群は、
磁気センサを有し且つ当該磁気センサの近傍に配置される配線が形成された基板と、
複数の前記基板を相互接続する一以上の配線と、を備える。
上記のように構成された本開示に係る感度校正方法、検査装置および磁気センサ群によれば、電磁鋼板全体の電磁気特性の測定精度の低下を低減するように、磁気センサの感度校正が行われ得る。
本実施形態に係る検査装置の概略図である。 図1の漏洩磁束検出部から出力される出力値を信号処理する信号処理部の概略構成を、漏洩磁束検出部の概略構成とともに示す機能ブロック図である。 図2の磁化器における複数の磁気センサの配置を示す配置図である。 図3の複数の磁気センサが設けられたプリント基板の外観図である。 図2の制御部が実行するオフライン校正処理を説明するためのフローチャートである。 図2の制御部が実行するオンライン検査処理を説明するためのフローチャートである。 図2の制御部が実行するオンライン校正のサブルーチンを説明するためのフローチャートである。
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本開示の一実施形態に係る検査装置10の概略図である。検査装置10は、通板部11、漏洩磁束検出部12、調整機構13、および、制御部14を備える。検査装置10は、例えば、鋼板の電磁気特性を測定することによって、鋼板の磁区細分化加工プロセスにおける加工状態を評価する。なお、図1における上方向を検査装置10における上方向と呼び、下方向を検査装置10における下方向と呼ぶ。
通板部11は、鋼板15を、板面に平行な通板方向に通板する。鋼板15は、例えば方向性電磁鋼板である。本実施形態において、通板部11は、第1のパスロール16、第2のパスロール17、および第3のパスロール18を含む。第1のパスロール16、第2のパスロール17、および第3のパスロール18は、互いに平行に回動自在に軸支される。第3のパスロール18は、第1のパスロール16および第2のパスロール17よりも下方において軸支される。第1のパスロール16および第2のパスロール17と、第3のパスロール18との間に鋼板15が挟まれ得る。第1のパスロール16、第2のパスロール17、および第3のパスロール18の少なくとも一つを電動機などにより回転させて、鋼板15を通板方向に通板するように構成してもよい。
上述のような構成の、第1のパスロール16、第2のパスロール17、および第3のパスロール18は、鋼板15のばたつきによる鋼板15と漏洩磁束検出部12との接触、およびリフトオフ変動に起因するノイズ混入を防止する。第1のパスロール16、第2のパスロール17、および第3のパスロール18は、例えば、ゴムロールである。ゴムロールであることにより、鋼板15との間のスリップの発生、および漏洩磁束検出部12に対する磁気的な影響の発生が防止される。
図2に示すように、漏洩磁束検出部12は、磁化器19および磁気センサ群20を含む。
磁化器19は、鋼板15を外部磁化する。磁化器19は、例えば、励磁電源21から供給される励磁電力により、鋼板15を外部磁化する。本実施形態において、磁化器19は、磁区細分化加工が施されていない領域にある磁区の磁壁は移動するが、磁区細分化加工が施された領域にある磁区の磁化方向が磁化容易軸方向に対して平行にならない程度の大きさで、鋼板15を外部磁化する。
図3に示すように、磁気センサ群20は、複数の磁気センサ22を含む。複数の磁気センサ22は、磁化器19の磁極間において、リフトオフ方向に垂直な平面、言換えると通板部11に通板される鋼板15の板面に平行な平面における異なる位置に並べられる。本実施形態において、複数の磁気センサ22は、当該平面において通板方向に垂直な方向に沿って直線状に、所定のピッチで並べられる。ここで、リフトオフとは、鋼板15と漏洩磁束検出部12の鋼板15と対向する面との距離である。複数の磁気センサ22、たとえば5個の磁気センサ22を一つの単位として、単位ごとに1つの磁化器19が組み合わされる。
磁気センサ22は、例えば、磁気抵抗素子またはホール素子である。本実施形態においては、磁気センサ22は、磁気抵抗素子である。磁気センサ22は、磁化器19により磁化された鋼板15に発生する漏洩磁束を検出する。本実施形態では、各磁気センサ22は、鋼板15の表面に対して垂直な漏洩磁束成分を検出するように配置されている。そして、磁気センサ22は、検出した漏洩磁束に相当する漏洩磁束信号の値、例えば電圧を出力する。
図4に示すように、本実施形態においては、各磁気センサ22は、別々のプリント基板23に実装される。つまり、1枚のプリント基板23には、1個の磁気センサ22が実装される。プリント基板23には、直線状に延びる部分を有する校正用配線24がパターン線として設けられている。例えば、磁気抵抗素子を用いた磁気センサ22を実装するプリント基板23においては、矩形の一辺に沿って当該一辺近傍に校正用配線24が設けられている。そして、磁気センサ22は、当該プリント基板23の板面の法線方向から見て校正用配線24と重なる位置に実装される。各プリント基板23は、同じ形状であり、校正用配線24も、同じ形状、同じ太さ、同じ厚さで、各プリント基板23上の同じ位置に配置される。磁気センサ22も、各プリント基板23上の同じ位置に実装される。
漏洩磁束検出部12において、磁気センサ22を実装している複数のプリント基板23は、校正用配線24が設けられる辺が同一の直線上に重なり、且つ板面が平行となるように並べられる。漏洩磁束検出部12において、複数のプリント基板23は、一定のピッチPで並べられる。漏洩磁束検出部12において、複数のプリント基板23は、板面がリフトオフ方向に平行且つ通板方向に垂直になるように並べられる。図3に示すように、漏洩磁束検出部12において、複数のプリント基板23は、複数の磁気センサ22が配列されるセンサ配列方向から見て、磁気センサ22の中心線が磁化器19の中心線に重なる。
図4に示すように、互いに隣接するプリント基板23間において、校正用配線24はリード線25により連結される。図2に示すように、漏洩磁束検出部12における複数のプリント基板23の中の両端のプリント基板23における校正用配線24は、交流電源26に接続される。
磁気センサ群20は、信号処理部27に接続される。信号処理部27は、複数の増幅器28、複数のバンドパスフィルタ29、および演算部30を有する。増幅器28およびバンドパスフィルタ29の数は、磁気センサ群20における磁気センサ22の個数に相当するチャンネル数である。各磁気センサ22には、増幅器28およびバンドパスフィルタ29がこの順番で直列に接続される。
増幅器28は、磁気センサ22の出力値を増幅する。増幅器28のゲインは、作業者の手動操作により調整可能であってよい。バンドパスフィルタ29は、増幅器28により増幅された磁気センサ22の出力値から、外乱ノイズ成分を除去して、検出対象の周波数帯域を抽出する。各バンドパスフィルタ29は、抽出した周波数帯域を演算部30に出力する。なお、バンドパスフィルタ29は、抽出する周波数帯域を感度校正用パルス発生器32またはラインPLG31から受信する。バンドパスフィルタ29への、感度校正用パルス発生器32およびラインPLG31のいずれか一方からのパルス信号の入力は、パルス信号切替器33により切替えられる。
なお、感度校正用パルス発生器32から出力されるパルス信号は、交流電源26が校正用配線24に交流電流を通電することにより発生する交流磁界の周波数に応じて定められている。当該パルス信号により、バンドパスフィルタ29が抽出すべき交流磁界に応じた信号の周波数帯域が定められる。交流電源26から校正用配線24に送られる交流電流は、鋼板15の漏洩磁束に対する磁気センサ22の出力値と同程度の出力値を磁気センサ22が出力するように調整されている。ラインPLG31から出力されるパルス信号は、鋼板15の通板方向における磁区細分化加工が施された領域の一定のピッチに応じており、当該パルス信号によりバンドパスフィルタ29が抽出すべき漏洩磁束信号の周波数帯域が定められる。
演算部30は、ディスプレイに接続可能である。演算部30は、制御部14の制御により、各バンドパスフィルタ29から出力される漏洩磁束信号を情報としてディスプレイに送信する。ディスプレイには、各バンドパスフィルタ29から出力される振幅電圧値が表される。演算部30は、制御部14の制御により、各バンドパスフィルタ29から出力される振幅電圧値を制御部14に送信する。
演算部30は、制御部14の制御により、ラインPLG31から出力されるパルス信号に基づいて、鋼板15の走行ピッチ毎に、全バンドパスフィルタ29に抽出された漏洩磁束信号をA/D変換する。演算部30は、後述するオンライン校正に基づく、感度校正補正値をA/D変換した漏洩磁束信号に乗じることにより、漏洩磁束信号を補正する。
演算部30は、補正された漏洩磁束信号に基づいて、鋼板15の磁区細分化加工部の加工状態を評価する。演算部30は、例えば、各チャンネルの一定区間内の離散データに対して高速フーリエ変換演算処理を施すことにより、各チャンネルの周波数分布を求めることにより評価してもよい。または、演算部30は、高速フーリエ変換演算処理の代わりに、一定区間内の離散データにより形成されるサインカーブの振幅の平均値を演算することにより評価してもよい。
調整機構13は、磁気センサ群20、言換えると複数の磁気センサ22の、鋼板15の漏洩磁束の検出位置からの退避と、検出位置への復帰を行うことができる。検出位置は、鋼板15の漏洩磁束を検出可能な位置であって、鋼板15に対する磁気センサ22の間隔、すなわちリフトオフを所定の長さに合わせる位置であってよい。
図1に示すように、本実施形態では、調整機構13は、サーボモータ34およびボールネジ35を含む。サーボモータ34は、回転軸が上下方向に平行になるように架台36に設けられる。ボールネジ35の一端は、上方向側でサーボモータ34に軸支される。ボールネジ35の他端は、漏洩磁束検出部12を支持する。サーボモータ34の回動により、磁気センサ群20を含む漏洩磁束検出部12の検出位置からの退避と、検出位置への復帰を行うことができる。
制御部14は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限られない。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(ASIC;Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。制御部14は、プログラマブルロジックデバイス(PLD;Programmable Logic Device)を含んでよい。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。制御部14は、校正用配線24への交流電流の通電および調整機構13の駆動の制御を含む検査装置10の各部位の制御を行う。
制御部14は、ボタン、キーボード、およびポインティングデバイスなどを含む入力部への操作入力により、オフライン校正、およびオンライン校正を含むオンライン検査を行う。以下に、オフライン校正、オンライン検査、およびオンライン校正を行うための、制御部14による検査装置10の各部位の制御について以下に説明する。
オフライン校正とは、鋼板の製造を行わないときに行う磁気センサの感度調整である。つまり、鋼板の製造開始前や、製造ラインのメンテナンス期間を利用して校正を実施する。
オフライン校正において、制御部14は、バンドパスフィルタ29へのパルス信号の入力を感度校正用パルス発生器32側に切替えるように、パルス信号切替器33を制御する。制御部14は、感度校正用パルス発生器32にパルス信号を発生させる。感度校正用パルス発生器32からバンドパスフィルタ29にパルス信号を出力することにより、バンドパスフィルタ29は、増幅器28から出力される電圧信号から、校正用配線24に通電する交流磁界の周波数帯域と同じ帯域成分を抽出できる。
オフライン校正において、さらに、制御部14は、校正用配線24に交流電流を通電するように交流電源26を制御する。交流電流の通電により、校正用配線24の周りに同心円状の交流磁界が発生する。このときの交流電流の値を、基準電流値とする。各磁気センサ22は発生した交流磁界の垂直成分を検出する。各磁気センサ22は、検出した交流磁界に応じた値を出力する。出力された値は増幅器で増幅されて、バンドパスフィルタ29に送られる。バンドパスフィルタ29が出力した信号は、例えば、演算部30に接続されるディスプレイに表示される。
プリント基板23上の校正用配線24は同じ形状であり、また各プリント基板23はリード線25により互いに連結されているから、交流電流が同じ値であれば、各プリント基板23には同じ交流磁界が発生する。交流電流の値から、交流磁界の磁束の値は理論的に決まるので、この磁束を磁気センサで検出して理論値との差を求めることにより、磁気センサ22の感度を調整することができる。
オフライン校正においては、上述のように制御された状態で、ディスプレイに表示される各バンドパスフィルタ29が出力する値により各増幅器28のゲインが調整されることにより各磁気センサ22の感度が調整される。感度の調整は、自動で実施されてもよいし、オペレータにより実施されてもよい。各増幅器28は、出力値が同一の校正値となるようにゲイン調整される。
ここで、各増幅器28が出力する出力値を第1の出力値、各増幅器28のゲインの調整値を第1の調整値と称する。第1の出力値自体をV1で表し、各増幅器28のそれぞれの第1の出力値を、V11、V12・・・、V1n(nは磁気センサの数)で表す。また、同一の校正値を出力させる増幅器28のゲインを第1の調整値としてα1で表し、各増幅器28のそれぞれの第1の調整値を、α11、α12・・・、α1n(nは磁気センサの数)で表す。各増幅器28における第1の出力値V1は、厳密に同一の校正値となるように調整されてよい。又は、第1の出力値は厳密には一致せず、V1≒V11≒V12≒・・・、≒V1n(nは磁気センサの数)であってよい。特に、オペレータの手動により調整される場合には、厳密な一致でなくてよい。ここで、第1の出力値V1は、ゲイン調整後の各増幅器28のそれぞれの第1の出力値の平均値であってよい。
制御部14は、オフライン校正の終了の操作入力を入力部が検出する場合、校正値である第1の出力値を情報として制御部14に送信するように、演算部30を制御する。制御部14は、情報として受信する第1の出力値を制御部14のメモリに格納する。また、制御部14は、校正用配線24への交流電流の通電を停止するように、交流電源26を制御する。
上記のように校正した磁気センサ22を使用して、鋼板の漏洩磁束の測定を行う。漏洩磁束の測定は、鋼板を通板しながら行うオンライン検査である。
オンライン検査において、制御部14は、測定対象の鋼板15の板厚情報の送信をライン制御装置37に要求する。制御部14は、ライン制御装置37から受信する板厚情報に基づいて、鋼板15および漏洩磁束検出部12との間の間隔が所定のリフトオフ量になるように、調整機構13を制御する。
オンライン検査において、さらに、制御部14は、バンドパスフィルタ29へのパルス信号の入力をラインPLG31側に切替えるように、パルス信号切替器33を制御する。ラインPLG31からバンドパスフィルタ29にパルス信号を出力することにより、バンドパスフィルタ29は、増幅器28から出力される電圧信号から、漏洩磁束信号の周波数帯域と同じ帯域成分を抽出可能となる。
オンライン検査において、さらに、制御部14は、磁化器19に励磁用電流を流すように、励磁電源21を制御する。励磁電流により、磁化器19は鋼板15を外部磁化する。この状態で、通板部11により鋼板15が漏洩磁束検出部12まで通板されると、磁化された鋼板15に発生する漏洩磁束が検出される。検出された漏洩磁束信号が、増幅器28により増幅され、バンドパスフィルタ29により外乱ノイズ成分が除去され、演算部30に入力される。
オンライン校正とは、オンライン検査中に実施する磁気センサの感度調整である。オンライン校正は、例えば鋼板の所定の部分が漏洩磁束検出部12を通過するタイミングで実施することができる。
オンライン検査中に、制御部14は、鋼板15の所定の部分の通板方向における位置を情報として受信する。所定の部分は、任意に定められる部分であってよく、例えば、溶接部分のように磁気センサ22の退避が求められる部分であることが好ましい。溶接部分とは、2本の鋼帯を溶接によりつないだ場合の、当該溶接部分である。鋼板15の所定の部分の通板方向における位置は、例えば、架台36に対して特定の位置に特定姿勢で固定されたカメラが撮像する画像における所定の部分の位置、またはライン制御装置37から送信される所定の部分の位置および通板部11の通板速度に基づいて判別される。
制御部14は、通板方向における所定の部分が磁気センサ22を通過する前の所定の位置に到達すると、オンライン校正を開始する。オンライン校正において、制御部14は、通板方向における所定の部分の位置が磁気センサ22を含む漏洩磁束検出部12の位置の通過前に、調整機構13を制御して、漏洩磁束検出部12を検出位置から退避させる。
オンライン校正において、さらに、制御部14は、バンドパスフィルタ29へのパルス信号の入力を感度校正用パルス発生器32側に切替えるように、パルス信号切替器33を制御する。制御部14は、感度校正用パルス発生器32にパルス信号を発生させる。感度校正用パルス発生器32からバンドパスフィルタ29にパルス信号を出力することにより、バンドパスフィルタ29は、増幅器28から出力される電圧信号から、校正用配線24に通電する交流磁界の周波数帯域と同じ帯域成分を抽出する。
オフライン校正と同様に、オンライン校正においても、制御部14は、各磁気センサ22の校正用配線24に、所定の基準電流値を通電するように交流電源26を制御する。交流電流の通電により、校正用配線24の周りに同心円状の交流磁界が発生し、各磁気センサ22は交流磁界の垂直成分を検出する。
検出された交流磁界の垂直成分から、各磁気センサ22は検出した交流磁界に応じた値を出力し、出力された値は各増幅器28で増幅されて、バンドパスフィルタ29に送られる。この時の各増幅器28の出力値を、第2の出力値と称する。第2の出力値自体をV2で表し、各増幅器28のそれぞれの第2の出力値を、V21、V22・・・、V2n(nは磁気センサの数)で表す。
オンライン校正において、さらに、制御部14は、増幅器28で増幅され、バンドパスフィルタ29で外乱ノイズを除去された第2の出力値を情報として制御部14に送信するように演算部30を制御する。制御部14は、情報として受信する第2の出力値で、制御部14のメモリに記憶された第1の出力値を除すことにより、感度校正補正値をバンドパスフィルタ29毎に算出する。制御部14は、第2の出力値を一定時間サンプルした平均値を感度校正補正値の算出に用いてよい。制御部14は、算出した感度校正補正値をバンドパスフィルタ29毎に識別可能に、制御部14のメモリに格納する。
制御部14は、通板方向における所定の部分の位置が磁気センサ22を通過した後の位置に到達する場合、校正用配線24への交流電流の通電を停止するように、交流電源26を制御する。制御部14は、漏洩磁束検出部12を検出位置に変位させるように、調整機構13を制御する。制御部14は、調整機構13の制御後にオンライン校正を終了し、オンライン検査を再開する。
一般に、所定の部分の一例である溶接部分は、溶接された部分が盛り上がるなど、鋼板の変形が見られるため、磁気センサ22を破損させるなどのトラブルの原因になる。漏洩磁束検出部12を安全な場所に退避させている間に、オンライン校正を行うと、校正のための時間が不要となるので、生産性の点でも有利である。なお、所定の部分が通過している間にオンライン校正が終了するように、オンライン校正の間は鋼板の通過速度を遅くするなどの処置を行ってもよい。また、所定の部分が漏洩磁束検出部12を通過するごとにオンライン校正を行うことで、磁気センサ22の校正頻度が高くなり、鋼板の測定精度を高く維持することが可能になる。
ここで、磁気センサ22の感度が、温度変化および経時変化等の理由により、オフライン校正の時からずれている、つまり、第1の出力値V1と、第2の出力値V2nが一致していないことがある。そこで、V1とV2nを用いて算出されるバンドパスフィルタ29毎の感度校正補正値を用いて、再開後のオンライン検査における各増幅器22の出力値Bを調整する。具体的には、B’=B×(V1/V2n)として、磁気センサのオンライン校正の結果を反映させることができる。
さらに、オンライン校正時に、基準電流値に対する第1の出力値V1と第2の出力値V2nとの差が明らかになることから、オンライン校正後のオフライン校正における各増幅器28のゲイン調整も可能になる。第2の調整値α2によって、再開後のオンライン検査の値が正しくなるように、各増幅器28のゲイン調整を行ってもよい。例えば、第1の調整値α1に感度校正補正値(V1/V2n)を乗じることにより第2の調整値α2をバンドパスフィルタ29毎に算出し、算出値を用いて増幅器28のゲイン調整を行ってよい。この場合、感度校正補正値を、例えば、1にリセットしてよい。
次に、本実施形態において制御部14が実行するオフライン校正処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。オフライン校正処理は、制御部14の入力部がオフライン校正要求の操作入力検出するとき、開始する。
ステップS100において、制御部14は、漏洩磁束検出部12を検出位置から退避するように、調整機構13を駆動する。調整機構13の駆動後、プロセスはステップS101に進む。
ステップS101では、制御部14は、バンドパスフィルタ29へのパルス信号の入力を感度校正用パルス発生器32側に切替えるように、パルス信号切替器33を制御する。切替後、プロセスはステップS102に進む。
ステップS102では、制御部14は、感度校正用パルス発生器32にパルス信号を発生させる。発生後、プロセスはステップS103に進む。
ステップS103では、制御部14は、校正用配線24に交流電流を通電するように交流電源26を制御する。通電開始後、プロセスはステップS104に進む。
ステップS104では、制御部14は、各磁気センサ22が出力した出力値を増幅器28で増幅させ、バンドパスフィルタ29で外乱ノイズを除去した振幅電圧値をディスプレイに表示するように、演算部30を制御する。表示開始後、プロセスはステップS105に進む。
ステップS105では、制御部14は、オフライン校正の終了の操作入力を入力部が検出するか否か判別する。なお、ステップS104における振幅電圧値をディスプレイに表示中に、各バンドパスフィルタ29の出力値が第1の出力値V1となるように、例えば、手動操作により、ゲイン調整されることが想定されている。更に、ゲイン調整の終了後にユーザがオフライン校正の終了の操作入力を行うことが想定されている。操作入力が無い場合、プロセスはステップS105に戻る。操作入力がある場合、プロセスはステップS106に進む。
ステップS106では、制御部14は、演算部30から受信する全バンドパスフィルタ29から出力される全振幅電圧値を平均化して、第1の出力値を算出する。算出後、プロセスはステップS107に進む。
ステップS107では、制御部14は、ステップS106において算出した第1の出力値を制御部14のメモリに格納する。格納後、プロセスはステップS108に進む。
ステップS108では、制御部14は、校正用配線24への交流電流の通電を停止するように交流電源26を制御する。通電停止後、オフライン校正処理は終了する。
次に、本実施形態において制御部14が実行するオンライン検査処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。オンライン検査処理は、制御部14の入力部がオンライン検査要求の操作入力検出するとき、開始する。
ステップS200において、制御部14は、通板部11に転支される鋼板15の板厚情報の送信をライン制御装置37に送信する。送信後、プロセスはステップS201に進む。
ステップS201では、制御部14は、ライン制御装置37から板厚情報を受信しているか否かを判別する。受信していない場合、プロセスはステップS201に戻る。受信している場合、プロセスはステップS202に進む。
ステップS202では、制御部14は、ステップS201において受信を確認した板厚情報に基づいて、所定のリフトオフになる検出位置に漏洩磁束検出部12を下降させるように調整機構13を制御する。
ステップS203では、制御部14は、バンドパスフィルタ29へのパルス信号の入力をラインPLG31側に切替えるように、パルス信号切替器33を制御する。切替後、プロセスはステップS204に進む。
ステップS204では、制御部14は、制御部14のメモリに記憶している感度校正補正値を演算部30に送信する。送信後、プロセスはステップS205に進む。
ステップS205では、制御部14は、磁化器19に励磁電力を印加するように励磁電源21を制御する。印加後、プロセスはステップS206に進む。
ステップS206では、制御部14は、各磁気センサ22が検出し、増幅器28により増幅され、バンドパスフィルタ29により外乱ノイズの除去された漏洩磁束信号に、ステップS204において送信した、各バンドパスフィルタ29毎の感度校正補正値を乗じることにより補正するように、演算部30を制御する。補正後に、プロセスはステップS207に進む。
ステップS207では、制御部14は、ステップS206において補正した漏洩磁束信号に基づいて鋼板15の磁区細分化加工部の加工状態を評価するように、演算部30を制御する。評価後に、プロセスはステップS208に進む。
ステップS208では、制御部14は、鋼板15の末端が漏洩磁束検出部12に到達しているか否かを判別する。末端に到達している場合、オンライン検査処理は終了する。末端に到達していない場合、プロセスはステップS209に進む。
ステップS209では、制御部14は、鋼板15の所定の部分が磁気センサ22を通過する前の位置に到達しているか否かを判別する。到達していない場合、プロセスはステップS202に戻る。到達している場合、オンライン校正のサブルーチンS300が開始する。
次に、本実施形態において制御部14が実行するオンライン校正のサブルーチンS300について、図7のフローチャートを用いて説明する。
ステップS301からS304において、制御部14は、オフライン校正処理におけるステップS100から103と同じ制御を行う。ステップS304における交流電流の通電後、プロセスはステップS305に進む。
ステップS305では、制御部14は、制御部14のメモリから第1の出力値を読出す。読出し後、プロセスはステップS306に進む。
ステップS306では、制御部14は、各磁気センサ22が出力し、増幅器28により増幅され、バンドパスフィルタ29により外乱ノイズが除去された第2の出力値で、ステップS305において読出した第1の出力値を除すことにより、バンドパスフィルタ29毎の感度校正補正値を算出する。算出後、プロセスはステップS307に進む。
ステップS307では、制御部14は、ステップS306において算出した感度校正補正値を、制御部14のメモリに格納する。格納後、プロセスはステップS308に進む。
ステップS308では、制御部14は、鋼板15の所定の部分が磁気センサ22の位置を通過しているか否かを判別する。通過していない場合、プロセスはステップS308に戻る。通過している場合、プロセスはステップS309に進む。
ステップS309では、制御部14は、校正用配線24への交流電流の通電を停止するように交流電源26を制御する。通電停止後、オンライン校正のサブルーチン処理は終了し、プロセスはステップS202に戻る。
以上のような構成の本実施形態の検査装置10は、複数の磁気センサのそれぞれの第1の出力値を、校正用配線24への交流電流の通電によりあらかじめ取得し、鋼板15の所定の部分が通板方向における磁気センサ22の位置の通過前に、磁気センサ22を検出位置から退避させ、校正用配線24への交流電流の通電を開始させ、複数の磁気センサ22それぞれの第2の出力値を取得し、所定の部分の磁気センサ22の位置の通過後に、磁気センサ22を検出位置に変位させ、複数の磁気センサ22それぞれが測定する測定値を第1の出力値及び第2の出力値に基づいて補正する。一般的に、良好な検出感度を得るために、磁気センサ22は、鋼板15の漏洩磁束の検出中には、リフトオフが小さくなる検出位置に位置づけられる。この一方で、所定の部分の通過時には、例えば、溶接等による盛り上がりがリフトオフより大きいこともあり得るため、磁気センサ22を検出位置から退避させている。上述のような構成により、検査装置10は、磁気センサ22の感度校正を、鋼板15の電磁気特性の検査中でありながら、比較的高頻度である、所定の部分通過頻度で行う。それゆえ、検査装置10は、鋼板15全体の電磁気特性の測定精度の低下を低減するように、磁気センサ22の感度校正を行い得る。
また、本実施形態の検査装置10では、複数の磁気センサ22それぞれの感磁部に対して同じ相対位置に校正用配線24が配置される。このような構成により、検査装置10は、複数の磁気センサ22間において精密に感度を校正し得る。
また、本実施形態の検査装置10では、複数の磁気センサ22の各々はゲイン調整可能な複数の増幅器28に別々に接続され、前記複数の増幅器28の各々は、複数の磁気センサ22を検出位置から退避させた状態および通板部11から鋼板15を除外した状態の少なくとも一方において複数の増幅器28の各々の第1の出力値V1が同一の校正値となるように、ゲイン調整されている。このような構成により検査装置10は、より精密に感度を校正し得る。
また、本実施形態の検査装置10は、第1の出力値V1をオンライン校正において磁気センサ22から出力される第2の出力値V2nで除した感度校正補正値を、オンライン検査において磁気センサ22それぞれが測定する測定値に乗じることにより、当該測定値を補正する。このような構成により検査装置10は、第1の校正値V1をオフライン校正の作業者が適切に設定することにより、オンライン校正後の測定値の補正値を鋼板15の電磁気特性の測定に適した範囲に収め得る。
本開示を諸図面および実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形および/または修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形および/または修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部などに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
例えば、本実施形態において、1枚のプリント基板23に1つの磁気センサ22が実装されているが、1枚のプリント基板23に複数の磁気センサ22が実装されていてもよく、1枚のプリント基板23にすべての磁気センサ22が実装されてもよい。
磁気センサ22は、鋼板15の幅方向(進行方向に垂直な方向)に一列に並んでいてもよいし、鋼板15の幅方向に複数列で配置してもよい。この場合、上から見て、磁気センサ22が互いに千鳥配置になるようにすれば、鋼板15の幅方向全体に対して隙間なく検査ができるので、より好適である。ただし、磁気センサ22は配線で相互に接続されていることから、複数列で配置する場合には、一列に並べた磁気センサ群を、複数列に並べることが好ましい。一筆書きのように連続してすべての磁気センサ22を接続できる場合は、そのようにしてもよい。
また、本実施形態において、制御部14は、オフライン校正を行う際に、漏洩磁束検出部12を検出位置から退避させるが、退避させなくてもよい。漏洩磁束検出部12を検出位置から退避させなくても、通板部11から鋼板15を除外させた状態で、増幅器28のゲイン調整を行えば、本実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態において、制御部14は、オンライン校正を行う際、感度校正補正値を算出させて、演算部30のメモリに格納させる校正であるが、オンライン校正における第2の出力値V2をメモリに格納し、その後のオンライン検査を行う際に感度校正補正値を算出させてもよい。また、制御部14は感度校正補正値を演算部30に算出させる校正であるが、制御部14が感度校正補正値を算出して演算部30に送信する構成であってもよい。
また、本実施形態では、制御部14は、オンライン検査において、同一の校正値となるように調整した第1の出力値V1を用いて算出した感度校正補正値を、オンライン校正における測定値に乗ずることにより、当該測定値を補正する構成であるが、第1の出力値は同一の校正値となるように調整されていなくてよい。例えば、オフライン校正を行うことなく、オンライン校正において磁気センサ22から出力される信号の第2の出力値に基づいて、オンライン検査において磁気センサ22から出力される信号の測定値が補正されてもよい。
また、本実施形態において、制御部14が感度校正補正値を算出する構成であるが、制御部14の制御に基づいて演算部30が算出してもよい。また、本実施形態において、第1の出力値V1および感度校正補正値は制御部14のメモリに格納される構成であるが、演算部30が有するメモリに格納される構成であってもよい。
10 検査装置
11 通板部
12 漏洩磁束検出部
13 調整機構
14 制御部
15 鋼板
16 第1のパスロール
17 第2のパスロール
18 第3のパスロール
19 磁化器
20 磁気センサ群
21 励磁電源
22 磁気センサ
23 プリント基板
24 校正用配線
25 リード線
26 交流電源
27 信号処理部
28 増幅器
29 バンドパスフィルタ
30 演算部
31 ラインPLG
32 感度校正用パルス発生器
33 パルス信号切替器
34 サーボモータ
35 ボールネジ
36 架台
37 ライン制御装置

Claims (5)

  1. 校正用の交流電流を通電するための校正用配線近傍にそれぞれ配置された複数の磁気センサを有する鋼板の検査装置の感度校正方法であって、
    前記検査装置は、
    複数の磁気センサのそれぞれの第1の出力値を、前記校正用配線への交流電流の通電によりあらかじめ取得し、
    前記鋼板の所定の部分が通板方向における前記磁気センサの位置の通過前に、前記複数の磁気センサを前記鋼板の漏洩磁束の検出位置から退避させ、前記校正用配線への交流電流の通電を開始し、前記複数の磁気センサのそれぞれの第2の出力値を取得し、
    前記所定の部分の前記磁気センサの位置の通過後に、前記複数の磁気センサを前記検出位置に変位させ、前記複数の磁気センサそれぞれが測定する測定値を、前記第1の出力値および前記第2の出力値に基づいて補正し、
    前記複数の磁気センサそれぞれが測定する測定値を、前記第1の出力値を、前記第2の出力値で除した値を乗ずることにより補正する
    感度校正方法。
  2. 前記校正用配線は、複数の磁気センサそれぞれの感磁部に対して同じ相対位置に配置される
    請求項1に記載の感度校正方法。
  3. 前記複数の磁気センサの各々は、ゲイン調整可能な複数の増幅器に別々に接続され、
    前記複数の増幅器の各々は、前記複数の磁気センサを前記検出位置から退避させた状態または前記通板部から前記鋼板を除外させた状態の少なくとも一方において、前記複数の増幅器の各々の第1の出力値は同一の校正値となるように、ゲイン調整されている
    請求項1又は2に記載の感度校正方法。
  4. 鋼板を通板する通板部と、
    前記鋼板を磁化する磁化器と、
    リフトオフ方向に垂直な平面における異なる位置に並び且つ前記磁化器が磁化した前記鋼板に発生する漏洩磁束を検出する複数の磁気センサと、
    前記複数の磁気センサそれぞれの感磁部に対して同じ相対位置に配置される校正用配線と、
    前記複数の磁気センサの、前記鋼板の漏洩磁束の検出位置からの退避と、前記検出位置への変位とを切替可能な調整機構と、
    前記校正用配線への交流電流の通電および前記調整機構の駆動を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    複数の磁気センサのそれぞれの第1の出力値を、前記校正用配線への交流電流の通電によりあらかじめ取得し、
    前記通板部により通板される前記鋼板の所定の部分が通板方向における前記磁気センサの位置の通過前に、前記複数の磁気センサを前記鋼板の漏洩磁束の検出位置から退避させ、前記校正用配線への交流電流の通電を開始し、前記複数の磁気センサのそれぞれの第2の出力値を取得し、
    前記所定の部分の前記磁気センサの位置の通過後に、前記複数の磁気センサを前記検出位置に変位させ、前記複数の磁気センサそれぞれが測定する測定値を、前記第1の出力値をおよび前記第2の出力値に基づいて補正し、
    前記複数の磁気センサそれぞれが測定する測定値を、前記第1の出力値を、前記第2の出力値で除した値を乗ずることにより補正する
    検査装置。
  5. 前記校正用配線は、複数の磁気センサそれぞれの感磁部に対して同じ相対位置に配置される
    請求項に記載の検査装置。
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