JP7358742B2 - 判定装置及びプログラム - Google Patents
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Description
以下、図面を参照して、本発明に係る判定装置10の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の判定装置10の機能構成の概要の一例を示す図である。
操作検出部20は、例えば、キーボードやタッチパネルなどの操作デバイスを備えており、判定装置10の利用者による操作を検出する。利用者による操作には、被加熱食材Fの種類Typを指定(又は選択)する操作が含まれる。操作検出部20は、操作の検出結果(例えば、被加熱食材Fの種類Typを示す情報)を調理対象情報DYとして、判定装置10に対して出力する。
温度センサ30は、被加熱食材Fの加熱調理時における調理機器60の付近の室温(調理時室温TPC)を計測する。温度センサ30は、計測結果(例えば、調理時室温TPCを示す情報)を、判定装置10に対して出力する。
調理機器60とは、例えば、コンベアオーブン、コンベクションオーブン、フライヤー、IHヒーター、スチーマー、グリラーなどの加熱調理を行う機器である。調理機器60は、制御装置(不図示)の制御に基づいて設定される調理温度及び調理時間によって、被加熱食材Fを加熱調理する。調理機器60は、調理中の機器内温度(調理温度Tr)及び調理時間trを判定装置10に出力する機能を備えていてもよい。この場合、調理機器60は、調理温度Trと調理時間trとを調理状態情報DDとして判定装置10に出力する。
定温庫70とは、例えば、冷凍冷蔵庫である。定温庫70は、調理前の被加熱食材Fが保存される。定温庫70は、被加熱食材Fの保存温度(例えば、保冷温度)を測定し、測定した温度を示す情報を貯蔵温度TSとして判定装置10に出力する。
記憶部40には、調理条件情報DCが記憶されている。調理条件情報DCの一例を図2に示す。
表示装置50は、例えば、液晶ディスプレイなどを備えており、判定装置10が出力する種々の情報を表示する。
加熱設定温度Ta及び加熱設定時間taとは、調理機器60の加熱調理時の加熱条件である。この加熱設定温度Ta及び加熱設定時間taは、加熱調理前温度T0の被加熱食材Fが加熱調理された場合に、被加熱食材Fの内部温度TIが所定の時間tth以上かつ所定の温度Tth以上に維持されるようにして設定されている。すなわち、加熱設定温度Ta及び加熱設定時間taは、被加熱食材Fの内部温度TIが所定の時間tth以上かつ所定の温度Tth以上に維持される場合の調理条件CCである。図3を参照して、加熱調理前温度T0、加熱設定温度Ta及び加熱設定時間taと、被加熱食材Fの内部温度TIとの関係について説明する。
一般に、食材の衛生管理基準においては、加熱調理中において被加熱食材Fの内部温度TIが超えるべき閾値温度と、内部温度TIが閾値温度を超えている状態が継続すべき閾値時間とが設定されている。本実施形態において、この閾値温度を所定の温度Tthとも称し、閾値時間を所定の時間tthとも称する。
また、この一例において、内部温度TIが所定の温度Tthを超えた状態の継続時間が、所定の時間tthを経過すると、調理機器60による加熱が停止される。なお、調理機器60による加熱が停止された後であっても、余熱により被加熱食材Fの内部温度TIが所定の温度Tthを超えた状態であれば、その継続時間を所定の時間tthの計時対象に含めてもよい。すなわち、図示するように、調理機器60による被加熱食材Fの加熱は、所定の時間tthが経過する前の時点で停止してもよい。
この予備試験において、調理機器60による加熱温度は、加熱設定温度Taとして、加熱時間は、加熱設定時間taとしてそれぞれ記録される。
予備試験は被加熱食材Fの種類Typ毎に行われる。被加熱食材Fの種類Typ毎に、予備試験時加熱調理前温度T0aと、加熱設定温度Taと、加熱設定時間taとが、互いに対応付けられて調理条件情報DCとして記憶部40に記憶される。
すなわち、記憶部40には、被加熱食材Fを加熱調理する調理機器60の加熱設定温度Taと、調理機器60の加熱設定時間taとが被加熱食材Fの種類Typごとに対応付けられて調理条件情報DCとして記憶されている。
上述したように、操作検出部20は、判定装置10の利用者の操作を検出する。この操作には、調理対象の被加熱食材Fの種類Typを指定(又は選択)する操作が含まれている。操作検出部20は、操作の検出結果を、調理対象情報DYとして判定装置10に出力する。調理対象取得部110は、調理対象の被加熱食材Fの種類Typを示す調理対象情報DYを取得する。
故障情報取得部130は、調理機器60が出力する故障情報DFを取得する。
なお、加熱調理前温度T0とは、被加熱食材Fに対する加熱調理開始前における、被加熱食材Fの内部温度TIである。被加熱食材Fは、加熱調理前において、例えば、定温庫70の庫内において冷凍(又は冷蔵)されている。この場合、被加熱食材Fの内部温度TIは、冷凍装置(又は冷蔵装置)の保冷設定温度にされる。例えば、被加熱食材Fが冷凍食品であって、冷凍装置の保冷設定温度が-30[°C]である場合、この被加熱食材Fの加熱調理前温度T0は、-30[°C]とされる。また例えば、被加熱食材Fが冷蔵食品であって、冷蔵装置の保冷設定温度が4[°C]である場合、この被加熱食材Fの加熱調理前温度T0は、4[°C]とされる。
すなわち、加熱調理前温度T0とは、被加熱食材Fの内部温度TIの実測値ではなく、被加熱食材Fの保存状態に基づいて推定された非実測値である。
判定部150は、調理状態取得部120が取得する貯蔵温度TSにさらに基づいて、被加熱食材Fの調理状態が調理条件CCを満たすか否かを判定する。
この判定装置10の動作について図4を参照して説明する。
図4は、本実施形態の判定装置10の動作の一例を示す図である。以下においては、調理機器60が故障情報DFを出力する機能を有し、定温庫70が貯蔵温度TSを出力する機能を有するものとして説明する。なお、調理機器60及び定温庫70がこれらの情報を出力する機能を有しない場合には、判定装置10は、これらの情報に相当する情報を適宜取得可能である。
(ステップS20)調理条件取得部140は、記憶部40から調理条件情報DCを取得する。この調理条件情報DCには、種類Typと、加熱設定温度Taと、加熱設定時間taとが含まれている。具体的には、調理条件取得部140は、ステップS10において取得された調理対象情報DYに基づき、調理対象情報DYに含まれる種類Typを検索キーにして、記憶部40に記憶されている調理条件情報DCを検索する。調理条件取得部140は、検索の結果得られる予備試験時加熱調理前温度T0aと、加熱設定温度Taと、加熱設定時間taとを、調理条件情報DCとして取得する。
(ステップS30)調理状態取得部120は、調理機器60から調理状態情報DDを取得する。調理状態情報DDには、加熱調理中の調理機器60が実測した調理温度Trと調理時間trとが含まれる。また、調理状態取得部120は、定温庫70が出力する貯蔵温度TSを、加熱調理前温度T0として取得する。
(ステップS40)故障情報取得部130は、調理機器60から故障情報DFを取得する。
(ステップS50)判定部150は、調理対象情報DYと、調理条件情報DCと、故障情報DFとに基づいて、被加熱食材Fの調理状態が調理条件CCを満たすか否かを判定する。この判定部150による判定動作について図5を参照して説明する。
図5は、本実施形態の判定部150の動作の一例を示す図である。
(ステップS510)判定部150は、ステップS20において取得された予備試験時加熱調理前温度T0aと、ステップS30において取得された加熱調理前温度T0とを比較する。判定部150は、加熱調理前温度T0が予備試験時加熱調理前温度T0a以上である場合(ステップS510;yes)には、処理をステップS520に進める。判定部150は、加熱調理前温度T0が予備試験時加熱調理前温度T0a未満である場合(ステップS510;no)には、処理をステップS560に進める。
(ステップS560)判定部150は、調理条件CCを満たさないと判定し、調理条件CCを満たさないことを示す判定結果RSを出力部160に出力して、処理をステップS60に進める。
従来技術によると、被加熱食材の加熱調理時において所定の調理条件(例えば、調理温度の条件及び調理時間の条件)を満たしているか否かを、被加熱食材の内部に挿入した温度センサなどによる測定結果に基づいて判定していたため、作業に手間がかかるという問題があった。
本実施形態の判定装置10によれば、調理条件を満たしているか否かを被加熱食材の内部温度を実測することなく判定することができるため、作業の手間を低減できる。したがって、判定装置10によれば、被加熱食材の衛生管理の手間を低減できるという効果を奏する。
なお、判定装置10は、被加熱食材Fが調理される場所の室温TPに基づいて、調理条件CCを満たすか否かを判定してもよい。
この場合、調理条件情報DCには被加熱食材Fが調理される場所の室温TPが、加熱設定温度Taと、加熱設定時間taとに対応付けられて記憶されている。調理状態取得部120は、被加熱食材Fが調理される場所の調理時室温TPCをさらに取得する。判定部150は、室温TPと、調理時室温TPCとにさらに基づいて、被加熱食材Fの調理状態が調理条件CCを満たすか否かを判定する。
具体的には、判定部150は、予備試験時の室温TPと、被加熱食材Fの加熱調理時に測定される調理時室温TPCとの差に基づいて、加熱調理前温度T0又は調理温度Trを補正する。このように構成された判定装置10によれば、被加熱食材Fの内部温度TIの推定精度をより高めることができる。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
Claims (4)
- 被加熱食材の内部温度が所定の時間以上かつ所定の温度以上に維持される調理条件を示す情報であって、前記被加熱食材の種類ごとに実施される予備試験において実測された前記被加熱食材の加熱調理前温度である予備試験時加熱調理前温度と、前記予備試験における前記被加熱食材を加熱調理する調理機器の加熱設定温度と、前記予備試験における前記調理機器の加熱設定時間とが、前記被加熱食材の種類ごとに対応付けられて調理条件情報として記憶されている記憶部から、前記調理条件情報を取得する調理条件取得部と、
調理対象の前記被加熱食材の種類を示す調理対象情報を取得する調理対象取得部と、
前記被加熱食材を所定温度によって貯蔵する定温庫の貯蔵温度を前記被加熱食材の加熱調理前温度として取得するとともに、前記調理機器の調理温度と前記調理機器の調理時間とを含む調理状態情報を取得する調理状態取得部と、
前記調理条件取得部が取得する前記調理条件情報と、前記調理対象取得部が取得する前記調理対象情報と、前記調理状態取得部が取得する前記加熱調理前温度および前記調理状態情報とに基づいて、前記被加熱食材の調理状態が前記調理条件を満たすか否かを判定するものであって、前記加熱調理前温度が、前記調理条件取得部が取得する前記調理条件情報が示す前記予備試験時加熱調理前温度未満である場合には前記被加熱食材の調理状態が前記調理条件を満たしていないと判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を出力する出力部と、
を備える判定装置。 - 前記調理機器の故障情報を取得する故障情報取得部
をさらに備え、
前記判定部は、
前記故障情報取得部が取得する前記故障情報にさらに基づいて、前記被加熱食材の調理状態が前記調理条件を満たすか否かを判定する
請求項1に記載の判定装置。 - 前記調理条件情報には前記被加熱食材が調理される場所の室温が、前記加熱設定温度と、前記加熱設定時間とに対応付けられて記憶され、
前記調理状態取得部は、
前記被加熱食材が調理される場所の調理時室温をさらに取得し、
前記判定部は、
前記室温と、前記調理時室温とにさらに基づいて、前記被加熱食材の調理状態が前記調理条件を満たすか否かを判定する
請求項1または請求項2に記載の判定装置。 - コンピュータに、
被加熱食材の内部温度が所定の時間以上かつ所定の温度以上に維持される調理条件を示す情報であって、前記被加熱食材の種類ごとに実施される予備試験において実測された前記被加熱食材の加熱調理前温度である予備試験時加熱調理前温度と、前記予備試験における前記被加熱食材を加熱調理する調理機器の加熱設定温度と、前記予備試験における前記調理機器の加熱設定時間とが、前記被加熱食材の種類ごとに対応付けられて調理条件情報として記憶されている記憶部から、前記調理条件情報を取得する調理条件取得ステップと、
調理対象の前記被加熱食材の種類を示す調理対象情報を取得する調理対象取得ステップと、
前記被加熱食材を所定温度によって貯蔵する定温庫の貯蔵温度を前記被加熱食材の加熱調理前温度として取得するとともに、前記調理機器の調理温度と前記調理機器の調理時間とを含む調理状態情報を取得する調理状態取得ステップと、
前記調理条件取得ステップにおいて取得される前記調理条件情報と、前記調理対象取得ステップにおいて取得される前記調理対象情報と、前記調理状態取得ステップにおいて取得される前記加熱調理前温度および前記調理状態情報とに基づいて、前記被加熱食材の調理状態が前記調理条件を満たすか否かを判定するステップであって、前記加熱調理前温度が、前記調理条件取得ステップにおいて取得される前記調理条件情報が示す前記予備試験時加熱調理前温度未満である場合には前記被加熱食材の調理状態が前記調理条件を満たしていないと判定する判定ステップと、
前記判定ステップによる判定結果を出力する出力ステップと、
を実行させるためのプログラム。
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