JP7358533B2

JP7358533B2 - 車体前部構造

Info

Publication number: JP7358533B2
Application number: JP2022028433A
Authority: JP
Inventors: 武宏近藤; 陽介庄子; 渉坪井
Original assignee: Honda Motor Co Ltd
Current assignee: Honda Motor Co Ltd
Priority date: 2022-02-25
Filing date: 2022-02-25
Publication date: 2023-10-10
Anticipated expiration: 2042-02-25
Also published as: US20230271582A1; CN116654106A; JP2023124580A

Description

本発明は、車両の構造に関する。

近年、自然災害を抑制すべく地球環境の改善の観点から、自動車の燃費改善が要求されている。その一方で、車両の衝突安全性の維持または向上が要求されている。これらの要求を満足するために、高強度かつ軽量な車体構造の開発が進められている。車両用構造部材であり、車体の骨格を形成するフレームについても、従来の衝突性能を維持しつつ車体構造の軽量化を図るために、フレームを形成する鋼板の高強度化および薄肉化が進められている。車体前部構造として、特許文献１には、フロントサイドフレームの前端部が車幅方向外方に拡幅してロアメンバに近付くとともに、ロアメンバの前端部が車幅方向内方に傾斜してフロントサイドフレームに近付く構造が記載されている。

特開２０１７－１３６９４７号公報

かかる構造において、車両のオフセット衝突時には、前突荷重は、フロントサイドフレーム及びロアメンバのそれぞれに伝達される。ここで、ロアメンバは、前端部が車幅方向に屈曲している構造であるため、荷重が上手く伝達されないおそれがある。

本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、オフセット衝突時の前突荷重を好適に受けることが可能な車体前部構造を提供することを課題とする。

前記した課題を解決するために、本発明の車体前部構造は、車体前後方向に延設されるフロントサイドフレームと、前記フロントサイドフレームよりも車幅方向外側において車体前後方向に延設されるロアメンバと、を備え、前記フロントサイドフレームの前端部及び前記ロアメンバの前端部は、互いに連結されており、前記フロントサイドフレームの車幅方向外端部は、車体前方に向かうにつれて車幅方向外側に傾斜しており、前記ロアメンバの車幅方向内端部は、車体前方に向かうにつれて車幅方向内側に傾斜せずに車体前後方向に延びており、前記ロアメンバは、車体前方に向かうにつれて車幅方向において幅狭となっており、前記フロントサイドフレームの前端部及び前記ロアメンバの前端部に連結されるブラケットを備え、前記ロアメンバは、前記フロントサイドフレーム及び前記ブラケットの両方に連結されており、前記ロアメンバは、当該ロアメンバの前端部の上端部から上方に延設される第一のフランジ部と、当該ロアメンバの前端部から車幅方向外方に延設される第二のフランジ部と、当該ロアメンバの前端部の下端部から車幅方向外方に延設される第三のフランジ部と、を備え、第一のフランジ部及び前記第三のフランジ部は、前記フロントサイドフレームに連結されており、第二のフランジ部は、前記ブラケットに連結されていることを特徴とする。

本発明によると、ロアメンバの荷重吸収効率を向上することによって、オフセット衝突時の前突荷重を好適に受けることができる。

本発明の実施形態に係る車体前部構造を模式的に示す側面図である。本発明の実施形態に係る車体前部構造を模式的に示す平面図である。図１のIII－III線断面図である。図３の部分拡大図である。本発明の実施形態に係る車体前部構造のブラケット近傍を模式的に示す斜視図である。

次に、本発明の実施形態について、本発明の車体前部構造を車両の左側に適用した場合を例にとり、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照図面において、「前後」は、車両の進行方向における前後方向を示し、「左右」は、運転席から見た左右方向（車幅方向）をそれぞれ示している。

図１及び図２に示すように、本発明の実施形態に係る車体前部構造１は、バンパビーム２と、エクステンション３と、ブラケット４と、フロントサイドフレーム５と、ロアメンバ６と、アッパメンバ７と、ダンパベース８と、ダンパハウジング９と、を備える。

＜バンパビーム＞
バンパビーム２は、車両の前端部において車幅方向に延びる金属製の骨格部材である。

＜エクステンション＞
エクステンション３は、バンパビーム２の車幅方向端部から後方に延びる金属製の骨格部材である。エクステンション３は、正面視で略矩形状の閉断面形状を呈し、バンパビーム２に加わった前突荷重を、ブラケット４を介して後方のフロントサイドフレーム５及びロアビーム６へ伝達する。

＜ブラケット＞
ブラケット４は、エクステンション３の後端部と、フロントサイドフレーム５及びロアメンバ６の前端部と、を繋ぐための金属製の板状部材である。

＜フロントサイドフレーム＞
フロントサイドフレーム５は、車両の前部において車体前後方向に延びる金属製の骨格部材である。フロントサイドフレーム５は、正面視で略矩形状の閉断面形状を呈する。フロントサイドフレーム５の後端部は、動力室と車室とを区画するダッシュボード？に連結されている。フロントサイドフレーム５の車幅方向外端部は、車体前方に向かうにつれて車幅方向外側に傾斜している。フロントサイドフレーム５は、フロントサイドフレームインナ１０と、フロントサイドフレームアウタ２０と、延出部ロア３０（図３参照）と、延出部アッパ４０と、を備える。

≪フロントサイドフレームインナ≫
フロントサイドフレームインナ１０は、内壁部１１と、内壁部１１の下端部から車幅方向外方に延設される下壁部１２と、内壁部１１の上端部から車幅方向外方に延設される上壁部１３と、を一体に備える。また、フロントサイドフレームインナ１０は、下壁部１２の車幅方向外端部から下方に延設される下フランジ部と、上壁部１３の車幅方向外端部から上方に延設される上フランジ部と、を一体に備える。

≪フロントサイドフレームアウタ≫
フロントサイドフレームアウタ２０は、フロントサイドフレーム５の外壁部を構成する。フロントサイドフレームアウタ２０の下端部は、フロントサイドフレームインナ１０の下フランジ部に溶接等によって接合されている。フロントサイドフレームアウタ２０の上端部は、フロントサイドフレームインナ１０の上フランジ部に溶接等によって接合されている。

≪延出部ロア≫
延出部ロア３０は、フロントサイドフレーム５の車幅方向外壁部及び下壁部のうち、前端部における車幅方向外部を構成する。延出部ロア３０は、下壁部３１と、下壁部３１の後端部から上方に延設される後壁部３２と、を一体に備える。下壁部３１の前端部は、ブラケット４に溶接等によって接合されている。

≪延出部アッパ≫
延出部アッパ４０は、フロントサイドフレーム５の上壁部のうち、前端部における車幅方向外部を構成する。延出部アッパ４０は、上壁部４１と、上壁部４１の車幅方向外端部から上方に延設される外フランジ部４２と、上壁部４１の前端部から上方に延設される前フランジ部４３と、上壁部４１の後端部から上方に延設される後フランジ部４４と、を一体に備える。上壁部４１の車幅方向内端部は、フロントサイドフレームインナ１０の上壁部１３の車幅方向外端部に溶接等によって接合されている。外フランジ部４２の後部は、後記するロアメンバフロントインナ５０の内壁部５１に溶接等によって接合されている。外フランジ部４２の前部は、後記するロアメンバフロントアウタ６０の外壁部６１に溶接等によって接合されている。前フランジ部４３は、ブラケット４に溶接等によって接合されている。後フランジ部４４は、延出部ロア３０の後壁部３２の上端部に溶接等によって接合されている。

＜ロアメンバ＞
ロアメンバ６は、車両の前部において車体前後方向に延びる金属製の骨格部材である。ロアメンバ６は、フロントサイドフレーム５の車幅方向外側に設けられており、後方にいくにつれて上方に向かうように傾斜している。ロアメンバ６の車幅方向内端部は、車体前方に向かうにつれて車幅方向内側に傾斜せずに車体前後方向に延びている。

ロアメンバ６は、ロアメンバフロント６Ｆと、ロアメンバリア６Ｒと、を組み合わせることによって構成されている。

＜ロアメンバフロント＞
ロアメンバフロント６Ｆは、ロアメンバ６の前部を構成する部位である。ロアメンバフロント６Ｆは、後方にいくにつれて上方に向かうように傾斜している。ロアメンバフロント６Ｆは、ロアメンバフロントインナ５０と、ロアメンバフロントアウタ６０と、を組み合わせることによって構成されている。

≪ロアメンバフロントインナ≫
ロアメンバフロントインナ５０は、内壁部５１と、内壁部５１の下端部から車幅方向外方に延設される下壁部５２と、を一体に備える。下壁部５２は、前方に向かうにつれて幅狭となる形状を呈する。下壁部５２の前端部は、内壁部５１の前端部よりも後方に位置する。下壁部５２の前端部は、延出部ロア３０の後壁部３２に溶接等によって接合されている。

≪ロアメンバフロントアウタ≫
ロアメンバフロントアウタ６０は、外壁部６１と、外壁部６１の上端部から車幅方向内方に延設される上壁部６２と、を一体に備える。上壁部６２は、前方に向かうにつれて幅狭となる形状を呈しており、ロアメンバフロントアウタ６０の前端部よりも後方で消失する。外壁部６１の前端部は、内壁部５１の前端部よりも前方に位置し、車幅方向において、エクステンション３の外壁部及びロアメンバフロントインナ５０の内壁部５１と同一位置に配置されている。すなわち、ロアメンバ６の前端部は、エクステンション３の外壁部（車幅方向外端部）と車体前後方向に連続している。

また、ロアメンバフロントアウタ６０は、外壁６１の下端部から車幅方向外方に延設される外フランジ部と、上壁部６２の上端部から上方に延設される上フランジ部と、を一体に備える。外フランジ部は、下壁部５２の車幅方向外端部に溶接等によって接合されている。上フランジ部は、内壁部５１の上端部に溶接等によって接合されている。

図３から図５に示すように、ロアメンバフロントアウタ６０は、第一のフランジ部６６と、第二のフランジ部６７と、第三のフランジ部６８と、を備える。第一のフランジ部６６は、外壁部６１の前端部の上端部から上方に延設されており、フロントサイドフレーム５における延出部アッパ４０の車幅方向外側に重ねられて当該延出部アッパ４０に対して溶接等によって接合されている。第二のフランジ部６７は、外壁部６１の前端部の高さ方向中間部から車幅方向外方に延設されており、ブラケット４の後側に重ねられて当該ブラケット４に対して溶接等によって接合されている。第三のフランジ部６８は、外壁部６１の前端部の下端部から車幅方向外方に延設されており、フロントサイドフレーム５における延出部ロア３０の下壁部３１の上側に重ねられて当該下壁部３１に対して溶接等によって接合されている。

＜ロアメンバリア＞
図１及び図２に示すように、ロアメンバリア６Ｒは、ロアメンバ６の後部を構成する部材である。ロアメンバリア６Ｒは、車体前後方向に延びており、その前部の下端部には、ロアメンバフロントインナ５０の後端部が溶接等によって接合されている。ロアメンバリア６Ｒの前端部は、フロントバルクヘッド（図示せず）に溶接等によって接合されている。

＜アッパメンバ＞
アッパメンバ７は、車両の前部において車体前後方向に延びる金属製の骨格部材である。アッパメンバ７の前端部には、ロアメンバリア６Ｒの後端部が溶接等によって接合されている。アッパメンバ７の後端部は、フロントピラー（図示せず）に溶接等によって接合されている。

＜ダンパベース＞
ダンパベース８は、車両の前輪を懸架するダンパを支持する部材である。ダンパベース８は、ロアメンバ６Ｆの後端部及びアッパメンバ７の前端部の車幅方向内側に溶接等によって接合されている。

＜ダンパハウジング＞
ダンパハウジング９は、車両の前輪を懸架するダンパを車幅方向内側から覆う部材である。ダンパハウジング９の上端部は、ダンパベース８の下端部に溶接等によって接合されており、ダンパハウジング９の下端部は、フロントサイドフレーム５に溶接等によって接合されている。

車体前部構造１に前突荷重、より詳細にはオフセット荷重が作用した場合には、かかる荷重の大部分は、ロアメンバ６ではなくフロントサイドフレーム５に伝達される。また、かかる荷重の一部分は、エクステンション３の車幅方向外端部からロアメンバ６へ前後方向において直線的に伝達される。

本発明の実施形態に係る車体前部構造１は、車体前後方向に延設されるフロントサイドフレーム５と、前記フロントサイドフレーム５よりも車幅方向外側において車体前後方向に延設されるロアメンバ６と、を備え、前記フロントサイドフレーム５の前端部及び前記ロアメンバ６の前端部は、互いに連結されており、前記フロントサイドフレーム５の車幅方向外端部は、車体前方に向かうにつれて車幅方向外側に傾斜しており、前記ロアメンバ６の車幅方向内端部は、車体前方に向かうにつれて車幅方向内側に傾斜せずに車体前後方向に延びている。
したがって、車体前部構造１は、ロアメンバ６の車幅方向内側面が車体前後方向に延びているので、オフセット衝突時の前突荷重に対するロアメンバ６による荷重吸収効率を向上することができる。また、車体前部構造１は、フロントサイドフレーム５の車幅方向外端部が車幅方向外側に広がっているので、オフセット衝突時の前突荷重の大部分をフロントサイドフレーム５に好適に伝達させることができ、フロントサイドフレーム５において折れることによって荷重を吸収する部位を余すことなく利用し、フロントサイドフレーム５の荷重吸収効率を向上することができる。また、車体前部構造１は、オフセット衝突時の前突荷重のうちロアメンバ６に伝達される量を減らすことによって、ロアメンバ６及びキャビン側の軽量化を実現することができる。

また、車体前部構造１において、前記ロアメンバ６は、車体前方に向かうにつれて車幅方向において幅狭となる。
したがって、車体前部構造１は、エクステンション３の車幅方向における小型化を実現することができる。

また、車体前部構造１は、車体前部において車幅方向に延設されるバンパビーム２と、前記バンパビーム２の後端部と前記ロアメンバ６の前端部とを繋ぐエクステンション３と、を備え、前記ロアメンバ６の前端部は、前記エクステンション３の車幅方向外端部と車体前後方向に連続している。
したがって、車体前部構造１は、エクステンション３からロアメンバ６への荷重伝達効率を向上することができる。

また、車体前部構造１は、前記フロントサイドフレーム５の前端部及び前記ロアメンバ６の前端部に連結されるブラケット４を備え、前記ロアメンバ６は、前記フロントサイドフレーム５及び前記ブラケット４の両方に連結されている。
したがって、車体前部構造１は、ロアメンバ６の前端部の固定強度を向上することができる。

また、車体前部構造１において、前記ロアメンバ６は、当該ロアメンバ６の前端部の上端部から上方に延設される第一のフランジ部６６と、当該ロアメンバ６の前端部から車幅方向外方に延設される第二のフランジ部６７と、当該ロアメンバ６の前端部の下端部から下方に延設される第三のフランジ部６８と、を備え、第一のフランジ部６６及び前記第三のフランジ部６８は、前記フロントサイドフレーム５に連結されており、第二のフランジ部６７は、前記ブラケット４に連結されている。
したがって、車体前部構造１は、ロアメンバ６の前端部の固定強度をさらに向上することができる。

また、車体前部構造１において、前記第一のフランジ部６６は、前記フロントサイドフレーム５に対して車幅方向に重ねて連結されており、前記第二のフランジ部６７は、前記ブラケット４に対して車体前後方向に重ねて連結されており、前記第三のフランジ部６８は、前記フロントサイドフレーム５に対して上下方向に重ねて連結されている。
したがって、車体前部構造１は、ロアメンバ６の前端部を異なる三方向で固定することによって、ロアメンバ６の前端部の固定強度をさらに向上することができる。

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。

１車体前部構造
２バンパビーム
３エクステンション
４ブラケット
５フロントサイドフレーム
６ロアメンバ
６Ｆロアメンバフロント
６Ｒロアメンバリア
７アッパメンバ
８ダンパベース
９ダンパハウジング
１０フロントサイドフレームインナ
２０フロントサイドフレームアウタ
３０延出部ロア
４０延出部アッパ
５０ロアメンバフロントインナ
６０ロアメンバフロントアウタ

Claims

車体前後方向に延設されるフロントサイドフレームと、
前記フロントサイドフレームよりも車幅方向外側において車体前後方向に延設されるロアメンバと、
を備え、
前記フロントサイドフレームの前端部及び前記ロアメンバの前端部は、互いに連結されており、
前記フロントサイドフレームの車幅方向外端部は、車体前方に向かうにつれて車幅方向外側に傾斜しており、
前記ロアメンバの車幅方向内端部は、車体前方に向かうにつれて車幅方向内側に傾斜せずに車体前後方向に延びており、
前記ロアメンバは、車体前方に向かうにつれて車幅方向において幅狭となっており、
前記フロントサイドフレームの前端部及び前記ロアメンバの前端部に連結されるブラケットを備え、
前記ロアメンバは、前記フロントサイドフレーム及び前記ブラケットの両方に連結されており、
前記ロアメンバは、当該ロアメンバの前端部の上端部から上方に延設される第一のフランジ部と、当該ロアメンバの前端部から車幅方向外方に延設される第二のフランジ部と、当該ロアメンバの前端部の下端部から車幅方向外方に延設される第三のフランジ部と、を備え、
第一のフランジ部及び前記第三のフランジ部は、前記フロントサイドフレームに連結されており、
第二のフランジ部は、前記ブラケットに連結されている
ことを特徴とする車体前部構造。
車体前部において車幅方向に延設されるバンパビームと、
前記バンパビームの後端部と前記ロアメンバの前端部とを繋ぐエクステンションと、
を備え、
前記ロアメンバの前端部は、前記エクステンションの車幅方向外端部と車体前後方向に連続している
ことを特徴とする請求項１に記載の車体前部構造。
前記第一のフランジ部は、前記フロントサイドフレームに対して車幅方向に重ねて連結されており、
前記第二のフランジ部は、前記ブラケットに対して車体前後方向に重ねて連結されており、
前記第三のフランジ部は、前記フロントサイドフレームに対して上下方向に重ねて連結されている
ことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の車体前部構造。