JP7358468B2 - 高溶接線強度のポリプロピレン/ポリカーボネートアロイ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
ポリプロピレン5~40重量部と、ポリカーボネート40~85重量部と、エチレン共重合体相溶化剤1~15重量部とを成分として含む、高溶接線強度のポリプロピレン/ポリカーボネートアロイ。
本発明は、ポリプロピレン/ポリカーボネートアロイにエチレン共重合体相溶化剤を加えることで、アロイの溶接線強度及び耐化学薬品性を向上させ、さらに、本発明は、アクリル酸のエチレン共重合体により、アロイの溶接線強度及び耐化学品強度を大幅に向上させることを発見し、さらに、本発明は、ポリプロピレン、エチレン共重合体相溶化剤のメルトインデックスを最適化させ、得られたアロイ溶接線強度をさらに向上させ、本発明は、さらに、ポリカーボネートの重量平均分子量もアロイの溶接線強度及び耐化学薬品性に影響を与え、すなわち、ポリカーボネートの重量平均分子量が1.8万~2.8万であるとき、アロイの溶接線強度及び耐化学薬品性が高いことをさらに発見する。よって、本発明の高溶接線強度のポリプロピレン/ポリカーボネートアロイは、高い溶接線強度、優れた耐化学薬品性などの利点を有する。
ポリプロピレン:共重合ポリプロピレン;
EMA:エチレン・メタクリル酸共重合体;
EEA:エチレン・アクリル酸エチル共重合体;
EMA-g-GMA:エチレン・メタクリル酸・グラフト・エポキシ基(GMAはエポキシ基);
EVA:エチレン・酢酸ビニル共重合体;
SEBS:スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体;
相溶化剤B:PP-G-MAH(ポリプロピレン・グラフト・無水マレイン酸);
ポリカーボネートA:重量平均分子量が2.8万の芳香族ポリカーボネート;
ポリカーボネートB:重量平均分子量が1.8万の脂肪族ポリカーボネート;
ポリカーボネートC:重量平均分子量が8千の芳香族ポリカーボネート;
ポリカーボネートD:重量平均分子量が3万の芳香族ポリカーボネート;
抗エージング剤:酸化防止剤:紫外線エージング防止剤=1:1。
実施例及び比較例でのポリプロピレン/ポリカーボネートアロイの製造方法は、ポリカーボネート、ポリプロピレン、相溶化剤、加工助剤及び/または添加剤を、所定の割合で高速ミキサーにて均一に混合し、次に、二軸押出機に投入して、220℃~240℃の温度で溶融混合し、その後、造粒、冷却、乾燥をして、高溶接線強度のポリカーボネートアロイを得ることである。
(1)アロイメルトインデックス(MFR):ASTM D1238測定基準に応じて、ポリカーボネート合アロイのテスト条件は260℃、2.16kgであり、
(2)耐化学薬品性は、該試料を様々な化学薬品(メタノール、10%の硫酸、希釈剤、アセトン、大豆油、インク)に7日浸し、試料を裸眼で観察することで耐化学性を評価する。4つの等級に分けられている。外観が全然に変わらないと、優とし、少し膨潤すると、良とし、少し割れると、中とし、大量割れるかまたは切断すると、悪とする。
FKL=TSX/TS0×100%
TSXは溶接線の引張強さであり、TS0は溶接線なしの引張強さであり、ASTM D638基準でテストされる。
本発明の好ましい態様は以下を包含する。
〔1〕ポリプロピレン5~40重量部と、芳香族ポリカーボネート40~85重量部と、エチレン共重合体相溶化剤1~15重量部とを成分として含む、ことを特徴とする高溶接線強度のポリプロピレン/ポリカーボネートアロイ。
〔2〕前記ポリプロピレンは、共重合ポリプロピレン、ホモポリプロピレンから選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする〔1〕に記載の高溶接線強度のポリプロピレン/ポリカーボネートアロイ。
〔3〕前記エチレン共重合体相溶化剤は、アクリル酸のエチレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体から選択される少なくとも1種であり、前記アクリル酸のエチレン共重合体は、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする〔1〕に記載の高溶接線強度のポリプロピレン/ポリカーボネートアロイ。
〔4〕前記エチレン共重合体相溶化剤は、アクリル酸のエチレン共重合体から選択される、ことを特徴とする〔3〕に記載の高溶接線強度のポリプロピレン/ポリカーボネートアロイ。
〔5〕前記エチレン共重合体相溶化剤は、反応活性基を含有するエチレン共重合体相溶化剤から選択され、エチレン共重合体は、アクリル酸のエチレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体から選択される少なくとも1種であり、反応活性基は無水マレイン酸基、エポキシ基のうちの少なくとも1種であり、反応活性基のグラフト率が0.1~15%であり、前記アクリル酸のエチレン共重合体は、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする〔1〕に記載の高溶接線強度のポリプロピレン/ポリカーボネートアロイ。
〔6〕前記エチレン共重合体は、アクリル酸のエチレン共重合体から選択される、ことを特徴とする〔5〕に記載の高溶接線強度のポリプロピレン/ポリカーボネートアロイ。
〔7〕前記ポリカーボネートは、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート、芳香族・脂肪族ポリカーボネートから選択され、前記ポリカーボネートの重量平均分子量が1.8万~2.8万であり、加工助剤及び/または添加剤0~10重量部をさらに含む、ことを特徴とする〔1〕に記載の高溶接線強度のポリプロピレン/ポリカーボネートアロイ。
〔8〕前記高溶接線強度のポリカーボネートアロイの溶接線強度が60%以上であり、溶接線強度テストはASTM D638基準に応じて行われ、好ましくは、前記高溶接線強度のポリカーボネートアロイの溶接線強度が65%以上であり、溶接線強度テストはASTM D6388基準に応じて行われる、ことを特徴とする〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の高溶接線強度のポリプロピレン/ポリカーボネートアロイ。
〔9〕ポリカーボネート、ポリオレフィン、エチレン共重合体相溶化剤、加工助剤及び/または添加剤を、所定の割合で高速ミキサーにて均一に混合するステップと、次に、二軸押出機に投入して、220℃~240℃の温度で溶融混合し、その後、造粒、冷却、乾燥をして、高溶接線強度のポリカーボネートアロイを得るステップとを含む、ことを特徴とする〔7〕に記載の高溶接線強度のポリプロピレン/ポリカーボネートアロイの製造方法。
〔10〕前記ポリオレフィンのメルトインデックスが40g/10分超~150g/10分であり、テスト条件が230℃、2.16kgであり、好ましくは、前記ポリオレフィンのメルトインデックスが60g/10分超~150g/10分であり、テスト条件が230℃、2.16kgであり、前記エチレン共重合体相溶化剤のメルトインデックスが0.2g/10分~50g/10分であり、テスト条件が190℃、2.16kgであり、好ましくは、前記エチレン共重合体相溶化剤のメルトインデックスが0.4g/10分~35g/10分以上であり、テスト条件が190℃、2.16kgである、ことを特徴とする〔9〕に記載の高溶接線強度のポリプロピレン/ポリカーボネートアロイの製造方法。
Claims (7)
- ポリプロピレン、ポリカーボネート及びエチレン共重合体相溶化剤の合計100重量部を基準に、ポリプロピレン5~40重量部と、ポリカーボネート40~85重量部と、エチレン共重合体相溶化剤1~15重量部とを成分として含み、
前記エチレン共重合体相溶化剤は、アクリル酸のエチレン共重合体から選択され、該アクリル酸のエチレン共重合体は、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体から選択される少なくとも1種であり、
前記ポリプロピレンのメルトインデックスは40g/10分~150g/10分であり、テスト条件が230℃、2.16kgであり、
前記エチレン共重合体相溶化剤のメルトインデックスは0.2g/10分~50g/10分であり、テスト条件が190℃、2.16kgである、
ことを特徴とするポリプロピレン/ポリカーボネートアロイ。 - 前記ポリプロピレンは、共重合ポリプロピレン、ホモポリプロピレンから選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン/ポリカーボネートアロイ。
- 前記エチレン共重合体相溶化剤は、反応活性基を含有するアクリル酸のエチレン共重合体から選択され、反応活性基は無水マレイン酸基、エポキシ基のうちの少なくとも1種であり、反応活性基のグラフト率が0.1~15%であり、前記アクリル酸のエチレン共重合体は、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン/ポリカーボネートアロイ。
- 前記ポリカーボネートは、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート、芳香族・脂肪族ポリカーボネートから選択され、前記ポリカーボネートの重量平均分子量が1.8万~2.8万であり、加工助剤及び/または添加剤0~10重量部をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン/ポリカーボネートアロイ。
- 前記ポリプロピレン/ポリカーボネートアロイの溶接線強度が60%以上であり、溶接線強度テストはASTM D638基準に応じて行われる、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のポリプロピレン/ポリカーボネートアロイ。
- ポリカーボネート、ポリプロピレン、エチレン共重合体相溶化剤、加工助剤及び/または添加剤を、所定の割合で高速ミキサーにて均一に混合するステップと、次に、二軸押出機に投入して、220℃~240℃の温度で溶融混合し、その後、造粒、冷却、乾燥をして、ポリカーボネートアロイを得るステップとを含む、ことを特徴とする請求項4に記載のポリプロピレン/ポリカーボネートアロイの製造方法。
- 前記ポリプロピレンのメルトインデックスが60g/10分~150g/10分であり、テスト条件が230℃、2.16kgであり、前記エチレン共重合体相溶化剤のメルトインデックスが0.4g/10分~35g/10分であり、テスト条件が190℃、2.16kgである、ことを特徴とする請求項6に記載のポリプロピレン/ポリカーボネートアロイの製造方法。
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