JP7358334B2 - 新規反応性アルギン酸誘導体 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、以下の態様[1-1]~[22b]の通りである。
-A1-は、下記式(式中、両破線外側は除く):
R1は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、チオールメチル基、メチルチオエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、アミノカルボニルメチル基、アミノカルボニルエチル基、アミノブチル基、グアニジノプロピル基、ベンジル基、4-ヒドロキシベンジル基、3-インドリルメチル基、4-イミダゾイルメチル基、およびR1が結合する炭素原子と当該炭素原子が結合する窒素原子と共に環を形成するプロパン-1,3-ジイル基からなる群より選択される基であり; R2は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、チオールメチル基、メチルチオエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、アミノカルボニルメチル基、アミノカルボニルエチル基、アミノブチル基、グアニジノプロピル基、ベンジル基、4-ヒドロキシベンジル基、3-インドリルメチル基、4-イミダゾイルメチル基、およびR2が結合する炭素原子と当該炭素原子が結合する窒素原子と共に環を形成するプロパン-1,3-ジイル基からなる群より選択される基であり;
nは、1~18の整数であり;
mは、1~9の整数であり;
jは、0~9の整数である)
で表される基を有する、アルギン酸誘導体。
[1-2]式(I)において、-A1-が、下記式(式中、両破線外側は除く):
nが、1~18の整数であり;
mが、1~9の整数である、前記[1-1]に記載のアルギン酸誘導体。
[2]式(I)において、-A1-が、下記式(式中、両破線外側は除く):
[3]式(I)で表される基が、下記式(式中、破線右側は除く):
[4]架橋基の導入率が、1%~30%である、前記[1-1]~[3]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体。
[5]アルギン酸誘導体のゲルろ過クロマトグラフィー法により測定した重量平均分子量が、10万Da~300万Daである、前記[1-1]~[4]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体。
R1は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、チオールメチル基、メチルチオエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、アミノカルボニルメチル基、アミノカルボニルエチル基、アミノブチル基、グアニジノプロピル基、ベンジル基、4-ヒドロキシベンジル基、3-インドリルメチル基、4-イミダゾイルメチル基およびR1が結合する炭素原子と当該炭素原子が結合する窒素原子と共に環を形成するプロパン-1,3-ジイル基からなる群より選択される基であり;
R2は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、チオールメチル基、メチルチオエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、アミノカルボニルメチル基、アミノカルボニルエチル基、アミノブチル基、グアニジノプロピル基、ベンジル基、4-ヒドロキシベンジル基、3-インドリルメチル基、4-イミダゾイルメチル基およびR2が結合する炭素原子と当該炭素原子が結合する窒素原子と共に環を形成するプロパン-1,3-ジイル基からなる群より選択される基であり;
nは、1~18の整数であり;
mは、1~9の整数であり;
jは、0~9の整数である)
で表される基を有する、アルギン酸誘導体。
[1a-2]式(I)において、-A1-は、下記式(式中、両破線外側は除く):
nが、1~18の整数であり;
mが、1~9の整数であり;
jが、0~9の整数である)で表される全記[1a-1]に記載のアルギン酸誘導体。
[2a]式(I)において、-A1-が、下記式(式中、両破線外側は除く):
[2a-1]前記態様[2a]において、好ましくは、-A1-が、下記式(式中、両破線外側は除く):
[3a]式(I)で表される基が、下記式(式中、破線右側は除く):
[3a-1]前記態様[3a]において、好ましくは、式(I)で表される基が、下記式(式中、破線右側は除く):
[4a]式(I)で表される基の導入率が、1%~30%である、前記[1a-1]~[3a-1]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体。
[5a]アルギン酸誘導体のゲルろ過クロマトグラフィー法により測定した重量平均分子量が、10万Da~300万Daである、前記[1a-1]~[4a]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体。
R1は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、チオールメチル基、メチルチオエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、アミノカルボニルメチル基、アミノカルボニルエチル基、アミノブチル基、グアニジノプロピル基、ベンジル基、4-ヒドロキシベンジル基、3-インドリルメチル基、4-イミダゾイルメチル基およびR1が結合する炭素原子と当該炭素原子が結合する窒素原子と共に環を形成するプロパン-1,3-ジイル基からなる群より選択される基であり;
R2は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、チオールメチル基、メチルチオエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、アミノカルボニルメチル基、アミノカルボニルエチル基、アミノブチル基、グアニジノプロピル基、ベンジル基、4-ヒドロキシベンジル基、3-インドリルメチル基、4-イミダゾイルメチル基およびR2が結合する炭素原子と当該炭素原子が結合する窒素原子と共に環を形成するプロパン-1,3-ジイル基からなる群より選択される基であり;
nは、1~18の整数であり;
mは、1~9の整数であり;
jは、0~9の整数である)
で表される基を有する、アルギン酸誘導体(但し、-A1-=-CH2CH2-は除く)。
[1b-2]式(I)において、-A1-は、下記式(式中、両破線外側は除く):
nが、1~18の整数であり;
mが、1~9の整数であり;
jが、0~9の整数である)で表される全記[1b-1]に記載のアルギン酸誘導体(但し、-A1-=-CH2CH2-は除く)。
[2b]式(I)において、-A1-が、下記式(式中、両破線外側は除く):
[2b-1]前記態様[2b]において、好ましくは、-A1-が、下記式(式中、両破線外側は除く):
[3b]式(I)で表される基が、下記式(式中、破線右側は除く):
[3b-1]前記態様[3b]において、好ましくは、式(I)で表される基が、下記式(式中、破線右側は除く):
[4b]式(I)で表される基の導入率が、1%~30%である、前記[1b-1]~[3b-1]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体。
[5b]アルギン酸誘導体のゲルろ過クロマトグラフィー法により測定した重量平均分子量が、10万Da~300万Daである、前記[1b-1]~[4b]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体。
P1は、水素原子またはチオール基(-SH基)の保護基であり、
-A2-は、下記式(式中、両波線外側は除く):
前記-A2-において、Arは、水溶性置換基で(例えば、1~2個)置換されていてよいフェニレン基であり;
n4は、0~10の整数であり;
m4は、0~10の整数であり;
pは、0~10の整数である)
で表される架橋基を有する、アルギン酸誘導体。
[7-1]式(II)において、P1が、水素原子、またはアセチル基である、前記[6]に記載のアルギン酸誘導体。
[8-1]-A2-が、下記式(各式中、両破線外側は除く):
Arが、p-フェニレン基である、前記[6]~[7-1]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体。
[9-1]式(II)で表される基が、下記式(各式中、破線右側は除く):
[12a]前記[1a-1]~[5a]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体および、前記[6]~[11]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体を含有する、組成物。
[12b]前記[1b-1]~[5b]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体および、前記[6]~[11]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体を含有する、組成物。
[13a-1]前記[1a-1]~[5a]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体および、前記[6]~[11]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体に、架橋反応を施すことにより得られる架橋アルギン酸構造体。
[13b-1]前記[1b-1]~[5b]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体および、前記[6]~[11]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体に、架橋反応を施すことにより得られる架橋アルギン酸構造体。
[13a-2]架橋アルギン酸構造体が、前記[1a-1]~[5a]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、カルシウムイオンを含む溶液中に滴下し、得られたゲルに、前記[6]~[11]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体の溶液中において架橋反応を施すことにより得られる、前記[13a-1]に記載の架橋アルギン酸構造体。
[13b-2]架橋アルギン酸構造体が、前記[1b-1]~[5b]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、カルシウムイオンを含む溶液中に滴下し、得られたゲルに、前記[6]~[11]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体の溶液中において架橋反応を施すことにより得られる、前記[13b-1]に記載の架橋アルギン酸構造体。
[13a-3]架橋アルギン酸構造体が、前記[6]~[11]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、カルシウムイオンを含む溶液中に滴下し、得られたゲルに、前記[1a-1]~[5a]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体の溶液中において架橋反応を施すことにより得られる、前記[13a-1]に記載の架橋アルギン酸構造体。
[13b-3]架橋アルギン酸構造体が、前記[6]~[11]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、カルシウムイオンを含む溶液中に滴下し、得られたゲルに、前記[1b-1]~[5b]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体の溶液中において架橋反応を施すことにより得られる、前記[13b-1]に記載の架橋アルギン酸構造体。
[13a-4]架橋アルギン酸構造体が、前記[12a]に記載の組成物の溶液を、カルシウムイオンを含む溶液中に滴下することにより得られる、前記[13a-1]に記載の架橋アルギン酸構造体。
[13b-4]架橋アルギン酸構造体が、前記[12b]に記載の組成物の溶液を、カルシウムイオンを含む溶液中に滴下することにより得られる、前記[13b-1]に記載の架橋アルギン酸構造体。
[13a-5]架橋アルギン酸構造体が、ファイバー、ビーズ、略球形のゲルまたはマイクロカプセルである、前記[13a-1]~[13a-4]のいずれか1項に記載の架橋アルギン酸構造体。
[13b-5]架橋アルギン酸構造体が、ファイバー、ビーズ、略球形のゲルまたはマイクロカプセルである、前記[13b-1]~[13b-4]のいずれか1項に記載の架橋アルギン酸構造体。
[14a]前記[13a-1]~[13a-5]のいずれか1項に記載の架橋アルギン酸構造体を含む医療用材料。
[14b]前記[13b-1]~[13b-5]のいずれか1項に記載の架橋アルギン酸構造体を含む医療用材料。
[15a]架橋アルギン酸構造体が、ビーズまたは略球形のゲルである、前記[14a]に記載の医療用材料。
[15b]架橋アルギン酸構造体が、ビーズまたは略球形のゲルである、前記[14b]に記載の医療用材料。
[16a]前記[1a-1]~[5a]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、カルシウムイオンを含む溶液中に滴下し、得られたゲルに、前記[6]~[11]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体の溶液中において架橋反応を施すことを含む、架橋アルギン酸構造体の製造方法。
[16b]前記[1b-1]~[5b]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、カルシウムイオンを含む溶液中に滴下し、得られたゲルに、前記[6]~[11]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体の溶液中において架橋反応を施すことを含む、架橋アルギン酸構造体の製造方法。
[17a]前記[6]~[11]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、カルシウムイオンを含む溶液中に滴下し、得られたゲルに、前記[1a-1]~[5a]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体の溶液中において架橋反応を施すことを含む、架橋アルギン酸構造体の製造方法。
[17b]前記[6]~[11]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、カルシウムイオンを含む溶液中に滴下し、得られたゲルに、前記[1b-1]~[5b]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体の溶液中において架橋反応を施すことを含む、架橋アルギン酸構造体の製造方法。
[18a]前記[12a]に記載の組成物の溶液を、カルシウムイオンを含む溶液中に滴下することを含む、架橋アルギン酸構造体の製造方法。
[18b]前記[12b]に記載の組成物の溶液を、カルシウムイオンを含む溶液中に滴下することを含む、架橋アルギン酸構造体の製造方法。
[19a]前記[1a-1]~[5a]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体を、部分的に2価金属イオンで架橋し、特定の構造体を得た後に、前記[6]~[11]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体により架橋反応を施すことを含む、架橋アルギン酸構造体の製造方法。
[19b]前記[1b-1]~[5b]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体を、部分的に2価金属イオンで架橋し、特定の構造体を得た後に、前記[6]~[11]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体により架橋反応を施すことを含む、架橋アルギン酸構造体の製造方法。
[20a]前記[6]~[11]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体を、部分的に2価金属イオンで架橋し、特定の構造体を得た後に、前記[1a-1]~[5a]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体により架橋反応を施すことを含む、架橋アルギン酸構造体の製造方法。
[20b]前記[6]~[11]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体を、部分的に2価金属イオンで架橋し、特定の構造体を得た後に、前記[1b-1]~[5b]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体により架橋反応を施すことを含む、架橋アルギン酸構造体の製造方法。
[21a]前記[12a]に記載の組成物を、部分的に2価金属イオンで架橋することを含む、架橋アルギン酸構造体の製造方法。
[21b]前記[12b]に記載の組成物を、部分的に2価金属イオンで架橋することを含む、架橋アルギン酸構造体の製造方法。
[22a]前記[1a-1]~[5a]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体、前記[6]~[11]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体、および、2価金属イオンを用いることを含む、架橋反応を施すことにより得られる、内容物の保持性を有する架橋アルギン酸構造体。
[22b]前記[1b-1]~[5b]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体、前記[6]~[11]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体、および、2価金属イオンを用いることを含む、架橋反応を施すことにより得られる、内容物の保持性を有する架橋アルギン酸構造体。
1.アルギン酸誘導体
ここでは、アルギン酸誘導体が提供される。アルギン酸誘導体は、アルギン酸のカルボキシル基の一部が、リンカーを介して架橋基(「反応性基」ともいう)が置換されたものである。すなわち、例えば、アルギン酸の任意の1つ以上のカルボキシル基と、架橋基(Z)及びアミノ基を両末端に有するリンカー(-L-)がアミド結合をしたもの(下記式AL-1)が挙げられる(式中、Zは、架橋基であり;-L-は、リンカーである。-L-は、例えば、前記式(I)における-A1-、又は、前記式(II)における-A2-、等が挙げられる)。
アルギン酸、そのエステルおよびその塩からなる群から選択される少なくとも1種のアルギン酸類のカルボキシル基の一部に、下記式(I)(式中、破線右側は除く):
R1は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、チオールメチル基、メチルチオエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、アミノカルボニルメチル基、アミノカルボニルエチル基、アミノブチル基、グアニジノプロピル基、ベンジル基、4-ヒドロキシベンジル基、3-インドリルメチル基、4-イミダゾイルメチル基およびR1が結合する炭素原子と当該炭素原子が結合する窒素原子と共に環を形成するプロパン-1,3-ジイル基からなる群より選択される基であり;
R2は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、チオールメチル基、メチルチオエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、アミノカルボニルメチル基、アミノカルボニルエチル基、アミノブチル基、グアニジノプロピル基、ベンジル基、4-ヒドロキシベンジル基、3-インドリルメチル基、4-イミダゾイルメチル基およびR2が結合する炭素原子と当該炭素原子が結合する窒素原子と共に環を形成するプロパン-1,3-ジイル基からなる群より選択される基であり;
nは、1~18の整数であり;
mは、1~9の整数であり:
jは、0~9の整数である)
で表される架橋基(反応性基)を有する、アルギン酸誘導体。いくつかの態様のアルギン酸誘導体では、-A1-=-CH2CH2-である場合を除く。
アルギン酸、そのエステルおよびその塩からなる群から選択される少なくとも1種のアルギン酸類のカルボキシル基の一部に、下記式(II)(式中、破線右側は除く):
-A2-は、下記式(式中、両破線外側は除く):
前記-A2-において、Arは、水溶性置換基で(例えば、1~3個)置換されていてよいフェニレン基であり;
n4は、0~10の整数であり;
m4は、0~10の整数であり;
pは、0~10の整数である)
で表される基を有する、アルギン酸誘導体。
アルギン酸類の任意の1つ以上のカルボキシル基が、前記式(I)で表わされる架橋基とアミド結合を形成している下記式(AL-1-I):
アルギン酸類の任意の1つ以上のカルボキシル基が、前記式(II)で表わされる架橋基とアミド結合を形成している下記式(AL-1-II):
ここで、式(I)中、部分構造式(式中破線右側を除く):
また、-A1-を「スペーサー」または「リンカー」という場合がある。
より好ましくは、下記式(各式中、破線右側は除く):
(2)メチル基(アラニンの側鎖)
(3)イソプロピル基(バリンの側鎖)
(4)イソブチル基(ロイシンの側鎖)
(5)sec-ブチル基(イソロイシンの側鎖)
(6)ヒドロキシメチル基(セリンの側鎖)
(7)2-ヒドロキシエチル基(トレオニンの側鎖)
(8)チオールメチル基(システインの側鎖)
(9)メチルチオエチル基(メチオニンの側鎖)
(10)カルボキシメチル基(アスパラギン酸の側鎖)
(11)カルボキシエチル基(グルタミン酸の側鎖)
(12)アミノカルボニルメチル基(アスパラギンの側鎖)
(13)アミノカルボニルエチル基(グルタミンの側鎖)
(14)アミノブチル基(リシンの側鎖)
(15)グアニジノプロピル基(アルギニンの側鎖)
(16)ベンジル基(フェニルアラニンの側鎖)
(17)4-ヒドロキシベンジル基(チロシンの側鎖)
(18)3-インドリルメチル基(トリプトファンの側鎖)
(19)4-イミダゾイルメチル基(ヒスチジンの側鎖)
(20)R1が結合する炭素原子と当該炭素原子が結合する窒素原子と共に環を形成するプロパン-1,3-ジイル基(プロリンの側鎖)
分別再結晶法:ラセミ体に対して光学分割剤をイオン結合させ、結晶性のジアステレオマーを得た後、其の結晶性のジアステレオマーを分別再結晶法によって分離し、所望により光学分割剤の除去工程を経て、光学的に純粋な化合物を得る方法である。光学分割剤は、例えば、(+)-マンデル酸、(-)-マンデル酸、(+)-酒石酸、(-)-酒石酸、(+)-1-フェネチルアミン、(-)-1-フェネチルアミン、シンコニン、(-)-シンコニジン、及びブルシン等が挙げられる。
ジアステレオマー法:ラセミ体の混合物に光学分割剤を共有結合させ、ジアステレオマーの混合物を得、次に、通常の分離手段(例えば、分別再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、及びHPLC等)により光学的に純粋なジアステレオマーへ分離し、その後、化学反応(加水分解反応等)による光学分割剤の除去工程を経て、光学的に純粋な光学異性体を得る反応である。
例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の場合には、キラルカラム(例えば、ダイセル社製CHIRALシリーズ等)に光学異性体の混合物を添加し、溶出溶媒(水、種々の緩衝液(例えば、リン酸緩衝液)、及び有機溶媒(例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、トリフルオロ酢酸、及びジエチルアミン等)等の単独溶媒、又は其れらの混合溶媒)を用いて展開することで、光学異性体の分離が可能である。又、例えば、ガスクロマトグラフィーの場合、キラルカラム(例えば、CP-Chirasil-DeX CB(ジーエルサイエンス社製)等)を使用して、光学異性体の分離が可能である。又、例えば、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)の場合には、キラルカラム(例えば、ダイセル社製CHIRALシリーズ等)に光学異性体の混合物を添加し、溶出溶媒に二酸化炭素及び適当な有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロ酢酸、及びジエチルアミン等)を使用して、光学異性体の分離が可能である。
P1は、好ましくは、水素原子、アセチル基またはベンゾイル基であり、より好ましくは、水素原子、またはアセチル基である。
本明細書中、水溶性置換基とは、例えば、水酸基(-OH)、カルボキシル基(-COOH)、アミノ基(-NH2)、チオール基(-SH)又はスルホ基(-SO2OH)等の置換基が挙げられ、好ましくは、水酸基およびアミノ基が挙げられる。
-Ar-は、p-フェニレン基である。
用いられるアルギン酸類は、天然由来でも合成物であってもよいが、天然由来であるものが好ましい。好ましく用いられるアルギン酸類は、レッソニア、マクロシスティス、ラミナリア、アスコフィラム、ダービリア、カジカ、アラメ、コンブなどの褐藻類から抽出される生体内吸収性の多糖類であって、D-マンヌロン酸(M)とL-グルロン酸(G)という2種類のウロン酸が直鎖状に重合したポリマーである。より具体的には、D-マンヌロン酸のホモポリマー画分(MM画分)、L-グルロン酸のホモポリマー画分(GG画分)、およびD-マンヌロン酸とL-グルロン酸がランダムに配列した画分(M/G画分)が任意に結合したブロック共重合体である。本明細書中、アルギン酸類と記載する場合、アルギン酸、アルギン酸エステル、及びそれらの塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)からなる群から選択される少なくとも1種のアルギン酸を意味する。
本明細書中、アルギン酸、アルギン酸誘導体、架橋アルギン酸、及び架橋アルギン酸の分子量において、単位としてDa(ダルトン)を付記する場合がある。
ここでは、アルギン酸類の任意の1つ以上のカルボキシル基が、前記式(I)で表わされる架橋基とアミド結合を形成している下記式(AL-1-I)で表わされる少なくとも1種のアルギン酸誘導体、及びアルギン酸類の任意の1つ以上のカルボキシル基が、前記式(II)で表わされる架橋基とアミド結合を形成している下記式(AL-1-II)で表わされる少なくとも1種のアルギン酸誘導と体を含む組成物が提供される。尚、式(AL-1-I)のリンカー(-A1-)の各態様、及び、式(AL-1-II)のリンカー(-A2-)及びP1の各態様は、前記の通りである。
架橋アルギン酸構造体は、式(AL-1-I)のアルギン酸誘導体、式(AL-1-II)のアルギン酸誘導体、またはこれらの混合物(以下、単に「アルギン酸誘導体」と記載する)が架橋基を介して三次元の網目構造を形成したものである。架橋アルギン酸構造体は、架橋基を有するアルギン酸誘導体に、架橋反応を施すことにより得ることができる。架橋反応は、例えば、次に記載のもの、あるいはこれらを適宜組み合わせて実施できるが、これらに限定されない。
(b)式(AL-1-I)のアルギン酸誘導体または式(AL-1-II)のアルギン酸誘導体を含む組成物を、2価金属イオン(例えば、カルシウムイオン、バリウムイオン、等)を含む溶液中で反応させることによる架橋反応(イオン結合架橋反応)。
(c)式(AL-1-I)のアルギン酸誘導体および式(AL-1-II)のアルギン酸誘導体を含む組成物を、2価金属イオン(例えば、カルシウムイオン、バリウムイオン、等)を含む溶液中で反応させることによる架橋反応(共有結合架橋反応+イオン結合架橋反応)。
架橋アルギン酸構造体の形状は特に限定されないが、例えば、チューブ状構造体、繊維状構造体、ファイバー、ビーズ、ゲル、略球形のゲル、マイクロカプセル等が挙げられ、ファイバー、ビーズまたは略球形のゲルが好ましい。
アルギン酸誘導体は、架橋基(反応性基)が導入されたリンカー末端アミノ基とアルギン酸類のカルボキシル基を縮合反応させることにより得ることができる。
具体的には、式(AL-1-I)又は式(AL-1-II)で表わされるアルギン酸誘導体は、各々、式(AM-I)で表わされるアミン誘導体(式中、-A1-は、前述のいくつかの態様中の定義と同じである)、又は、式(AM-II)で表わされるアミン誘導体(式中、P1及び-A2-は、前述のいくつかの態様中の定義と同じである)を、アルギン酸類の任意のカルボキシル基とを、縮合剤を用いる縮合反応により製造することができる。
0.5重量%~1重量%のアルギン酸水溶液及び式(AM-I)で表わされるアミノ誘導体を用いて、文献公知の方法、例えば、『実験化学講座 第5版 16、有機化合物の合成IV、カルボン酸および誘導体、エステル類、p35-70、酸アミドおよび酸イミド、p118-154、アミノ酸・ペプチド、p258-283、2007年、丸善』等に記載された方法に準じて、1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC・HCl)、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェイト(BOP試薬)、ビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスフィニッククロリド(BOP-Cl)、2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムヘキサフルオロホスフェイト(CIP)、又は4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(DMT-MM)、等から選択される縮合剤の存在下、アルギン酸が析出しない程度の、テトラヒドロフラン、1、4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、2-プロパノール、等のアルコール系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド等の極性溶媒等から選択される溶媒と水との混合溶媒中、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基、又はトリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基の存在下又は非存在下にて、0℃から50℃間の温度で縮合反応を行うことにより、式(AL-1-I)のアルギン酸誘導体を製造することができる。
0.5重量%~1重量%のアルギン酸水溶液及び式(AM-II)で表わされるアミノ誘導体を用いて、前述の[式(AL-1-I)のアルギン酸誘導体の製法]に準じて反応をおこなうことにより、式(AL-1-II)のアルギン酸誘導体を製造することができる。
2.1.1 式(AM-I)のアミノ誘導体の合成
(反応式A)
式(III)[式(III)の化合物は市販化合物又は市販化合物から文献公知の製造方法により製造できる化合物である。式中P2は、アミノ基の保護基であり、適宜選択できる]で表されるアミンを用い、文献公知の方法、たとえば(実験化学講座 第5版 16、有機化合物の合成IV、カルボン酸および誘導体、酸アミドおよび酸イミド、146-154頁、2007年、丸善)等に記載された方法に準じて、マレイン酸と、1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-エチル-3-(3’-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC・HCl)、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェイト(BOP試薬)、ビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスフィニッククロリド(BOP-Cl)、2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムヘキサフルオロホスフェイト(CIP)、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(DMT-MM)等の縮合剤の存在下、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン等のハロゲン系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド等の極性溶媒等の溶媒中、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基やトリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基の存在下または非存在下、0℃から50℃の温度で反応させることにより、式(IV)の化合物を製造することができる。
式(IV)で表されるモノアミドを、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン等の炭化水素系溶媒、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒等の、反応に影響しない溶媒中、あるいは無水酢酸溶媒中で酢酸ナトリウム等の塩基を用い、40℃から溶媒が還流する温度(例えば、100℃)で加熱することによって、式(VI)の化合物を製造することができるが、<工程1>の操作実施後にモノアミド体を単離することなく、無水酢酸中、酢酸ナトリウム等の塩基を用い、環化処理を行うことによっても式(VI)の化合物を製造することができる。
式(V)[式(V)の化合物は市販化合物又は市販化合物から文献公知の製造方法により製造できる化合物である]で表されるアルコールとマレイミド(1H-ピロール-2,5-ジオン)をトリフェニルホスフィン等のホスフィン試薬存在下、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン等の炭化水素系溶媒等の溶媒中、アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル等の光延試薬を-78℃から室温程度の温度で反応させることによっても、式(VI)の化合物を製造することができる。
式(VI)で表される保護体を、文献公知の方法、例えば(実験化学講座 第5版 16、有機化合物の合成IV、アミノ酸・ペプチド、258-283頁、2007年、丸善)等に記載された方法に準じて脱保護することにより、又、文献公知の方法、例えば、『プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis 4thEdition) 第4版、2007年、ジョン ウィリー アンド サンズ(John Wiley & Sons)、グリーン(Greene)ら』の成書に記載された脱保護の方法に準じて、脱保護を行うことで、式(AM-I)の化合物を製造することができる。
たとえば、P1がtert-ブトキシカルボニル(-C(O)O-tertBu基)である場合、塩化水素やトリフルオロ酢酸等の酸を用いることで脱保護ができる。又、塩化水素を含んだ1,4-ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、酢酸エチル等を用いることができる。又、トリフルオロ酢酸は、無溶媒または酸に不活性な塩化メチレン、トルエン等の溶媒を用いることもできる。
式(AM-I)のアミンは、必要に応じて、塩酸塩、トリフルオロ酢酸塩、等の塩として、得ることができる。
(反応式B)
式(VIII)[式(VIII)の化合物は市販化合物又は市販化合物から文献公知の製造方法により製造できる化合物である。式中P2は、アミノ基の保護基であり、適宜選択できる]で表されるチオール体を用い、文献公知の方法、例えば、(Protective Groups in Organic Synthesis 第3版 PROTECTION FOR THE THIOL GROUP、457-486頁、1999年)等に記載された方法に準じて、アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、等の酸ハライド、又はトリフェニルメチルクロリド、等のアルキルハライド、又は、エチルイソシアネート、等のイソシアネート、等をトリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基、炭酸水素カリウム等の無機塩基存在下または非存在下で、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン等のハロゲン系溶媒等の、反応に不活性な溶媒中反応させる、あるいはカルボン酸誘導体と適当な縮合剤や酸触媒中で反応させることにより、式(IX)のチオール保護体を製造することができる。
式(XI)[式(XI)の化合物は市販化合物又は市販化合物から文献公知の製造方法により製造できる化合物である。式中P2は、アミノ基の保護基であり、適宜選択できる]で表されるハロゲン置換体(X=Cl、Br、I)を用い、チオ安息香酸、チオ酢酸、チオ酢酸カリウム等のアシルチオ誘導体等をアセトニトリル、塩化メチレン、N、N-ジメチルホルムアミド等の、反応に不活性な溶媒中で、炭酸カリウム等の塩基存在下または非存在下で反応させることにより、式(IX)の化合物を製造することができる。
式(IX)で表されるN-保護体を、文献公知の方法、例えば(実験化学講座 第5版 16、有機化合物の合成IV、アミノ酸・ペプチド、258-283頁、2007年、丸善)等に記載された方法に準じて脱保護することにより、又、文献公知の方法、例えば、『プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis 4thEdition) 第4版、2007年、ジョン ウィリー アンド サンズ(John Wiley & Sons)、グリーン(Greene)ら』の成書に記載された脱保護の方法に準じて、脱保護を行うことで、式(AM-II)の化合物を製造することができる。
たとえば、P1がtert-ブトキシカルボニル(-C(O)O-tertBu基)である場合、塩化水素やトリフルオロ酢酸等の酸を用いることで脱保護ができる。又、塩化水素を含んだ1,4-ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、酢酸エチル等を用いることができる。又、トリフルオロ酢酸は、無溶媒または酸に不活性な塩化メチレン、トルエン等の溶媒を用いることもできる。
架橋アルギン酸構造体は、架橋基を有するアルギン酸誘導体に前述の架橋反応を施すことを含む方法により得ることができる。具体的には、例えば、以下の方法により調製できるが、これらに限定されない。
前述の式(AL-1-I)のアルギン酸誘導体を含む溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下するなどして部分的に架橋し、特定の構造体を得る。前記で得られた、例えばゲル等の構造体を、前述の式(AL-1-II)のアルギン酸誘導体を含む溶液に添加することにより、前記構造体の表面等にさらなる架橋反応を施すことにより、架橋アルギン酸構造体を得ることができる。なお、この方法は、式(AL-1-I)のアルギン酸誘導体を式(AL-1-II)のアルギン酸誘導体に、式(AL-1-II)のアルギン酸誘導体を式(AL-1-I)のアルギン酸誘導体に、それぞれ置き換えて実施することも可能である。
前述の式(AL-1-I)のアルギン酸誘導体を含む溶液と、前述の式(AL-1-II)のアルギン酸誘導体を含む溶液とを混和し、当該混合溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下するなどして部分的に架橋し、特定の構造体である、架橋アルギン酸構造体を得ることができる。
上記方法に用いる2価金属イオンとして、具体的には、例えば、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、バリウムイオン、ストロンチウムイオン、亜鉛イオン等が挙げられ、カルシウムイオンが好ましい。前記カルシウムイオンを含む溶液のカルシウムイオン濃度は特に限定されないが、例えば、1mM~1Mが挙げられ、5mM~500mMが好ましく、10mM~300mMがより好ましい。
アルギン酸誘導体は、食品、医療、化粧品、繊維、製紙などの幅広い分野で、従来のアルギン酸の代わりに用いることができる。アルギン酸誘導体または架橋アルギン酸構造体の好ましい用途としては、具体的には、創傷被覆材、術後癒着防止材、薬剤徐放用基材、細胞培養用基材、細胞移植用基材等の医療用材料が挙げられる。
2-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)エチルアミノ基導入アルギン酸(AL-EX-1)の合成
tert-ブチル(2-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)エチル)カルバメートの合成
1-(2-アミノエチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン 塩酸塩の合成
2-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)エチルアミノ基導入アルギン酸(AL-EX-1)の合成
分子量は、261万Daから1万9千Daまでブロードに溶出され、重量平均分子量は、146万Daと計算された。
2-(2-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)エトキシ)エチルアミノ基導入アルギン酸(AL-EX-2)の合成
tert-ブチル(2-(2-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)エトキシ)エチル)カルバメートの合成
1-(2-(2-アミノエトキシ)エチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン トリフルオロ酢酸塩の合成
2-(2-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)エトキシ)エチルアミノ基導入アルギン酸(AL-EX-2)の合成
分子量は、273万Daから1万1千Daまでブロードに溶出され、重量平均分子量は、144万Daと計算された。
2-(2-(2-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)エトキシ)エトキシ)エチルアミノ基導入アルギン酸(AL-EX-3)の合成
tert-ブチル(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エチル)カルバメートの合成
tert-ブチル(2-(2-(2-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)エトキシ)エトキシ)エチル)カルバメートの合成
2-(2-(2-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)エトキシ)エトキシ)エチルアミン トリフルオロ酢酸塩の合成
2-(2-(2-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)エトキシ)エトキシ)エチルアミノ基導入アルギン酸(AL-EX-3)の合成
分子量は、272万Daから1万1千Daまでブロードに溶出され、重量平均分子量は、144万Daと計算された。
S-(4-(2-アミノエチル)カルバモイル)ベンジル)エタンチオエート基導入アルギン酸(AL-EX-4)の合成
tert-ブチル(2-(4-(クロロメチル)ベンザミド)エチル)カルバメートの合成
S-(4-(2-(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)カルバモイル)ベンジル)エタンチオエートの合成
S-(4-(2-アミノエチル)カルバモイル)ベンジル)エタンチオエート 塩酸塩の合成
S-(4-(2-アミノエチル)カルバモイル)ベンジル)エタンチオエート基導入アルギン酸(AL-EX-4)の合成
分子量は、277万Daから1万4千Daまでブロードに溶出され、重量平均分子量は、142万Daと計算された。
S-(4-(3-((3-アミノプロピル)アミノ)-3-オキソプロピル)ベンジル)エタンチオエート基導入アルギン酸(AL-EX-5)の合成
4-(3-((3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)アミノ)-3-オキソプロピル)安息香酸 メチルの合成
tert-ブチル(3-(3-(4-(ヒドロキシメチル)フェニル)プロパンアミド)プロピル)カルバメートの合成
tert-ブチル(3-(3-(4-(クロロメチル)フェニル)プロパンアミド)プロピル)カルバメートの合成
S-(4-(3-((3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)アミノ)-3-オキソプロピル)ベンジル)エタンチオエートの合成
S-(4-(3-((3-アミノプロピル)アミノ)-3-オキソプロピル)ベンジル)エタンチオエート塩酸塩の合成
S-(4-(3-((3-アミノプロピル)アミノ)-3-オキソプロピル)ベンジル)エタンチオエート基導入アルギン酸(AL-EX-5)の合成
分子量は、261万Daから2万1千Daまでブロードに溶出され、重量平均分子量は、142万Daと計算された。
2-(N-(4-(メルカプトメチル)ベンザミド))エチルアミノ基導入アルギン酸(AL-EX-7-1)水溶液の調製
2-アミノ-N-(2-(2、5-ジオキソ-2、5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)エチル)アセトアミド基導入アルギン酸(AL-EX-8)の合成
tert-ブチル (2-((2-(2、5-ジオキソ-2、5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)エチル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバメートの合成
2-アミノ-N-(2-(2、5-ジオキソ-2、5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)エチル)アセトアミド トリフルオロ酢酸塩の合成
2-アミノ-N-(2-(2、5-ジオキソ-2、5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)エチル)アセトアミド基導入アルギン酸(AL-EX-8)の合成
分子量は、273万Daから2千Daまでブロードに溶出され、重量平均分子量は、136万Daと計算された。
(S)-2-アミノ-N-(2-(2、5-ジオキソ-2、5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)エチル)-3-フェニルプロパンアミド基導入アルギン酸(AL-EX-9)の合成
tert-ブチル (S)-(1-((2-(2、5-ジオキソ-2、5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)エチル)アミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)カルバメートの合成
(S)-2-アミノ-N-(2-(2、5-ジオキソ-2、5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)エチル)-3-フェニルプロパンアミド トリフルオロ酢酸塩の合成
(S)-2-アミノ-N-(2-(2、5-ジオキソ-2、5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)エチル)-3-フェニルプロパンアミド基導入アルギン酸(AL-EX-9)の合成
(S)-2-(2-アミノアセトアミド)-N-(2-(2、5-ジオキソ-2、5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)エチル)-3-フェニルプロパンアミド基導入アルギン酸(AL-EX-10)の合成
(tert-ブトキシカルボニル)グリシル-L-フェニルアラニンの合成
tert-ブチル (S)-(2-((1-((2-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)エチル)アミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバメートの合成
(S)-2-(2-アミノアセトアミド)-N-(2-(2、5-ジオキソ-2、5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)エチル)3-フェニルプロパンアミド トリフルオロ酢酸塩の合成
(S)-2-(2-アミノアセトアミド)-N-(2-(2、5-ジオキソ-2、5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)エチル)-3-フェニルプロパンアミド基導入アルギン酸(AL-EX-10)の合成
分子量は、287万Daから2万Daまでブロードに溶出され、重量平均分子量は、143万Daと計算された。
反応性基の導入率は、アルギン酸の繰り返し単位であるウロン酸単糖単位あたりに導入
された反応性基の数を百分率で表した値を意味する。導入率の算出に必要なアルギン酸の
量は、検量線を利用したカルバゾール硫酸法により測定し、反応性基の量は、検量線を利
用した吸光度測定法により測定した。
実施例で得られた架橋基導入アルギン酸固体を秤量し、0.15mol/LのNaClを含む10mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)に添加し、室温で1時間以上攪拌して溶解し、0.2%溶液を調製した。この溶液を孔径0.45μmのポリエーテルスルフォン製Minisart High Flowフィルター(SARTORIUS社)に通し不溶物を除いた後、この200μLをSuperose6 Increase 10/300 GLカラム(GEヘルスケアサイエンス社)に供し、ゲルろ過を実施した。ゲルろ過は、クロマトグラフ装置としてAKTA Explorer 10Sを、展開溶媒として0.15mol/L NaClを含む10mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)を使用し、室温で流速0.8mL/mimの条件で実施した。各試料のクロマトグラムは、220nm若しくは240nmの吸収をモニターし作製した。また別法として215 nmの吸収をモニターした。得られたクロマトグラムのピーク解析は、Unicorn5.31ソフトウエア(GEヘルスケアサイエンス社)にて行った。
(実施例2)<工程3>で得られたアルギン酸誘導体(AL-EX-2)、または(実施例3)<工程4>で得られたアルギン酸誘導体(AL-EX-3)を、各々、濃度が1%となるよう水に溶かしてアルギン酸水溶液(2)及びアルギン酸水溶液(3)を得た。さらに(実施例7-1)で得た2重量%のアルギン酸誘導体(AL-EX-7-1)溶液にリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を等量加えて1重量%とし、アルギン酸水溶液(7-1)を得た。
対照として用いたアルギン酸(ALG-2)から作成した、アルギン酸ゲルが8時間でほぼ溶解したのに対し、本実施例の架橋基導入アルギン酸誘導体を架橋して得られた架橋アルギン酸構造体(アルギン酸誘導体(AL-EX-2)/アルギン酸誘導体(AL-EX-7-1)を架橋して得られた架橋アルギン酸構造体、および、アルギン酸誘導体(AL-EX-3)/アルギン酸誘導体(AL-EX-7-1)を架橋して得られた架橋アルギン酸構造体)は、いずれも安定性が向上した。
実施例8で得られたアルギン酸誘導体(AL-EX-8)、実施例9で得られたアルギン酸誘導体(AL-EX-9)、および実施例10で得られたアルギン酸誘導体(AL-EX-10)を、濃度が0.5%となるよう水に溶かしてアルギン酸水溶液(8)、アルギン酸水溶液(9)、及びアルギン酸水溶液(10)を得た。さらに実施例7-1と同様の方法で得た2%の架橋基導入アルギン酸誘導体(AL-EX-7-1-2)(導入率(NMR積分比)=5.1 mol%)にリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を3容量加えて0.5%とし、アルギン酸水溶液(7-1-2)を得た。
アルギン酸誘導体(AL-EX-9)/アルギン酸誘導体(AL-EX-7-1-2)を架橋して得られた架橋アルギン酸構造体は96時間後で崩壊率が約39%であり、アルギン酸誘導体(AL-EX-8)/アルギン酸誘導体(AL-EX-7-1-2)を架橋して得られた架橋アルギン酸構造体は96時間後で崩壊率が約40%、及びアルギン酸誘導体(AL-EX-10)/アルギン酸誘導体(AL-EX-7-1-2)を架橋して得られた架橋アルギン酸構造体は96時間後で崩壊率が約55%であり、ゲル安定性の測定(1)のアルギン酸(ALG-2)から作成したアルギン酸ゲルに比べて、安定性が向上していることが示唆された。
(実施例2)<工程3>と同様の方法で製造した導入率(NMR積分比)=3.4 mol%の架橋基導入アルギン酸誘導体(AL-EX-2-1)、実施例8で得られたアルギン酸誘導体(AL-EX-8)、実施例9で得られたアルギン酸誘導体(AL-EX-9)、および実施例10で得られたアルギン酸誘導体(AL-EX-10)を、濃度が0.5%となるよう水に溶かしてアルギン酸水溶液(2‐1)、アルギン酸水溶液(8)、アルギン酸水溶液(9)、及びアルギン酸水溶液(10)を得た。さらに実施例7-1と同様の方法で得た2%の架橋基導入アルギン酸誘導体(AL-EX-7-1-2)(導入率(NMR積分比)=5.1 mol%)にリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を3容量加えて0.5%とし、アルギン酸水溶液(7-1-2)を得た。
アルギン酸誘導体(AL-EX-2-1)/アルギン酸誘導体(AL-EX-7-1-2)を架橋して得られた架橋アルギン酸構造体は24時間後で崩壊率が約49%であり、アルギン酸誘導体(AL-EX-9)/アルギン酸誘導体(AL-EX-7-1-2)を架橋して得られた架橋アルギン酸構造体は24時間後で崩壊率が約28%であり、アルギン酸誘導体(AL-EX-8)/アルギン酸誘導体(AL-EX-7-1-2)を架橋して得られた架橋アルギン酸構造体は24時間後で崩壊率が約32%、及びアルギン酸誘導体(AL-EX-10)/アルギン酸誘導体(AL-EX-7-1-2)を架橋して得られた架橋アルギン酸構造体は24時間後で崩壊率が約32%であり、カルシウム架橋を除いたアルギン酸構造体にても、いずれも安定性があることが確認できた。
(実施例2)<工程3>で得られたアルギン酸誘導体(AL-EX-2)、または(実施例3)<工程4>で得られたアルギン酸誘導体(AL-EX-3)、あるいは原料アルギン酸である反応性基を導入していないアルギン酸(ALG-2;対照)を、濃度が1%となるよう水に溶かして、1/100容量の1規定-炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、アルギン酸水溶液(2)、アルギン酸水溶液(3)及びアルギン酸水溶液(ALG-2-aq)を得た。さらに(実施例7-1)で得た2重量%のアルギン酸誘導体(AL-EX-7-1)溶液にリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1 mg/mLに調製した分子量200万のフルオレセインイソチオシアナート-デキストラン(シグマアルドリッチ、FD2000S)を等量加えて1重量%とし、アルギン酸水溶液(7-1)を得た。
アルギン酸水溶液(2)およびアルギン酸水溶液(7-1)、又は、アルギン酸水溶液(3)およびアルギン酸水溶液(7-1)を等量混和し、この混和した水溶液を18ゲージの注射針を装着した注射筒に入れ、この注射筒を流速1 mL/分に設定したシリンジポンプに設置し、濃度が30 mmol/Lの塩化カルシウム溶液に30秒間滴下し、約20分間撹拌してアルギン酸ゲルを得た。このゲルを10 mLのPBSで1度洗浄し、フルオレセインイソチオシアナート-デキストラン内包化学架橋アルギン酸ゲルを得た。このゲルに20 mLのPBSを添加し、37℃で振盪して、経時的に水溶液を回収した。試験終了後、試験溶液にアルギン酸リアーゼ(ニッポンジーン、319-08261)を5μL添加し、37℃で2時間振盪させてゲルを全て崩壊させ、水溶液を回収した。回収した水溶液中のデキストラン濃度を蛍光定量法(励起光:485nm、蛍光:535nm)により測定し、各時点のデキストラン濃度を試験終了後のデキストラン濃度で除した値を百分率で表した値を漏出率とし、ゲル安定性の指標とした。
対照として用いたアルギン酸(ALG-2)から調製されたゲルが24時間で40%弱、48時間で約70%の漏出率を示したのに対し、本実施例の架橋基導入アルギン酸誘導体を架橋して得られた架橋アルギン酸構造体(アルギン酸誘導体(AL-EX-2)/アルギン酸誘導体(AL-EX-7-1)を架橋して得られた架橋アルギン酸構造体、および、アルギン酸誘導体(AL-EX-3)/アルギン酸誘導体(AL-EX-7-1)を架橋して得られた架橋アルギン酸構造体)は、24時間の漏出率が約10%、48時間の漏出率が10~15%程度であり、いずれも安定性が向上した。
(実施例2)<工程3>と同様の方法で製造した導入率(NMR積分比)=3.4 mol%の架橋基導入アルギン酸誘導体(AL-EX-2-1)、実施例8で得られたアルギン酸誘導体(AL-EX-8)、実施例9で得られたアルギン酸誘導体(AL-EX-9)、および実施例10で得られたアルギン酸誘導体(AL-EX-10)を、濃度が2.0%となるよう水に溶かしてアルギン酸水溶液を調製し、このアルギン酸水溶液に4/5容量の1 mg/mLに調製した分子量15万のフルオレセインイソチオシアナート-デキストラン(シグマアルドリッチ、FD150S)、及び2.2容量の水を加え、0.2 mg/mLフルオレセインイソチオシアナート-デキストラン含有0.5%アルギン酸水溶液(2‐1)、アルギン酸水溶液(8)、アルギン酸水溶液(9)、及びアルギン酸水溶液(10)を得た。さらに実施例7-1と同様の方法で得た2%の架橋基導入アルギン酸誘導体(AL-EX-7-1-2)(導入率(NMR積分比)=5.1 mol%)にリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を3容量加えて0.5%とし、アルギン酸水溶液(7-1-2)を得た。
アルギン酸水溶液(2‐1)、アルギン酸水溶液(8)、アルギン酸水溶液(9)、及びアルギン酸水溶液(10)の各アルギン酸水溶液とアルギン酸水溶液(7-1-1-2)を各々250 μLずつ等量混和し、濃度が30 mmol/Lの塩化カルシウム溶液を40 mL添加し、5分間撹拌してアルギン酸ゲルを得た。このゲルを10 mLの生理食塩水で1度洗浄し、フルオレセインイソチオシアナート-デキストラン内包化学架橋アルギン酸ゲルを得た。このゲルに19.5 mLの生理食塩水を添加し、37℃で振盪して、経時的に水溶液を回収し、回収した量と同量のPBSを補充した。試験終了後、試験溶液にアルギン酸リアーゼ(ニッポンジーン、319-08261)を10 μL添加し、37℃で3時間以上振盪させてゲルを全て崩壊させ、水溶液を回収した。回収した水溶液中のデキストラン濃度を蛍光定量法(励起光:485nm、蛍光:535nm)により測定し、各時点のデキストラン濃度を試験終了後のデキストラン濃度で除した値を百分率で表した値を透過率とした。
アルギン酸誘導体(AL-EX-2―1)/アルギン酸誘導体(AL-EX-7-1-2)を架橋して得られた架橋アルギン酸構造体、アルギン酸誘導体(AL-EX-9)/アルギン酸誘導体(AL-EX-7-1-2)を架橋して得られた架橋アルギン酸構造体、アルギン酸誘導体(AL-EX-8)/アルギン酸誘導体(AL-EX-7-1-2)を架橋して得られた架橋アルギン酸構造体、及びアルギン酸誘導体(AL-EX-10)/アルギン酸誘導体(AL-EX-7-1-2)を架橋して得られた架橋アルギン酸構造体は、いずれも3時間後で約20%弱、24時間で約50%の漏出率を示した。
Claims (21)
- アルギン酸の任意の1つ以上のカルボキシル基と、下記式(I)(式中、破線右外側は除く):
R1は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、チオールメチル基、メチルチオエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、アミノカルボニルメチル基、アミノカルボニルエチル基、アミノブチル基、グアニジノプロピル基、ベンジル基、4-ヒドロキシベンジル基、3-インドリルメチル基、4-イミダゾイルメチル基およびR1が結合する炭素原子と当該炭素原子が結合する窒素原子と共に環を形成するプロパン-1,3-ジイル基からなる群より選択される基であり;
R2は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、チオールメチル基、メチルチオエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、アミノカルボニルメチル基、アミノカルボニルエチル基、アミノブチル基、グアニジノプロピル基、ベンジル基、4-ヒドロキシベンジル基、3-インドリルメチル基、4-イミダゾイルメチル基およびR2が結合する炭素原子と当該炭素原子が結合する窒素原子と共に環を形成するプロパン-1,3-ジイル基からなる群より選択される基であり;
nは、1~18の整数であり;
mは、1~9の整数であり;
jは、0~9の整数である)
で表される基がアミド結合したアルギン酸誘導体(但し、-A1-=-CH2CH2-は除く)又はその塩。 - 式(I)で表される基の導入率が、1%~30%である、請求項1~3のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体又はその塩。
- アルギン酸誘導体又はその塩のゲルろ過クロマトグラフィー法により測定した重量平均分子量が、10万Da~300万Daである、請求項1~4のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体又はその塩。
- 式(II)において、P1が、水素原子、アセチル基またはベンゾイル基である、請求項6に記載のアルギン酸誘導体又はその塩。
- 式(II)で表される基の導入率が、1%~30%である、請求項6~9のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体又はその塩。
- アルギン酸誘導体又はその塩のゲルろ過クロマトグラフィー法により測定した重量平均分子量が、10万Da~300万Daである、請求項6~10のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体又はその塩。
- アルギン酸の任意の1つ以上のカルボキシル基と、下記式(I)(式中、破線右外側は除く):
R1は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、チオールメチル基、メチルチオエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、アミノカルボニルメチル基、アミノカルボニルエチル基、アミノブチル基、グアニジノプロピル基、ベンジル基、4-ヒドロキシベンジル基、3-インドリルメチル基、4-イミダゾイルメチル基およびR1が結合する炭素原子と当該炭素原子が結合する窒素原子と共に環を形成するプロパン-1,3-ジイル基からなる群より選択される基であり;
R2は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、チオールメチル基、メチルチオエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、アミノカルボニルメチル基、アミノカルボニルエチル基、アミノブチル基、グアニジノプロピル基、ベンジル基、4-ヒドロキシベンジル基、3-インドリルメチル基、4-イミダゾイルメチル基およびR2が結合する炭素原子と当該炭素原子が結合する窒素原子と共に環を形成するプロパン-1,3-ジイル基からなる群より選択される基であり;
nは、1~18の整数であり;
mは、1~9の整数であり;
jは、0~9の整数である)
で表される基がアミド結合したアルギン酸誘導体又はその塩、および、請求項6~11のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体又はその塩を含有する、組成物。 - アルギン酸の任意の1つ以上のカルボキシル基と、下記式(I)(式中、破線右外側は除く):
R1は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、チオールメチル基、メチルチオエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、アミノカルボニルメチル基、アミノカルボニルエチル基、アミノブチル基、グアニジノプロピル基、ベンジル基、4-ヒドロキシベンジル基、3-インドリルメチル基、4-イミダゾイルメチル基およびR1が結合する炭素原子と当該炭素原子が結合する窒素原子と共に環を形成するプロパン-1,3-ジイル基からなる群より選択される基であり;
R2は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、チオールメチル基、メチルチオエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、アミノカルボニルメチル基、アミノカルボニルエチル基、アミノブチル基、グアニジノプロピル基、ベンジル基、4-ヒドロキシベンジル基、3-インドリルメチル基、4-イミダゾイルメチル基およびR2が結合する炭素原子と当該炭素原子が結合する窒素原子と共に環を形成するプロパン-1,3-ジイル基からなる群より選択される基であり;
nは、1~18の整数であり;
mは、1~9の整数であり;
jは、0~9の整数である)
で表される基がアミド結合したアルギン酸誘導体又はその塩、および、請求項6~11のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体又はその塩に、架橋反応を施すことにより得られる架橋アルギン酸構造体。 - 請求項14または15に記載の架橋アルギン酸構造体を含む医療用材料。
- 架橋アルギン酸構造体が、ビーズまたは略球形のゲルである、請求項16に記載の医療用材料。
- アルギン酸の任意の1つ以上のカルボキシル基と、下記式(I)(式中、破線右外側は除く):
R1は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、チオールメチル基、メチルチオエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、アミノカルボニルメチル基、アミノカルボニルエチル基、アミノブチル基、グアニジノプロピル基、ベンジル基、4-ヒドロキシベンジル基、3-インドリルメチル基、4-イミダゾイルメチル基およびR1が結合する炭素原子と当該炭素原子が結合する窒素原子と共に環を形成するプロパン-1,3-ジイル基からなる群より選択される基であり;
R2は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、チオールメチル基、メチルチオエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、アミノカルボニルメチル基、アミノカルボニルエチル基、アミノブチル基、グアニジノプロピル基、ベンジル基、4-ヒドロキシベンジル基、3-インドリルメチル基、4-イミダゾイルメチル基およびR2が結合する炭素原子と当該炭素原子が結合する窒素原子と共に環を形成するプロパン-1,3-ジイル基からなる群より選択される基であり;
nは、1~18の整数であり;
mは、1~9の整数であり;
jは、0~9の整数である)
で表される基がアミド結合したアルギン酸誘導体又はその塩の溶液を、カルシウムイオンを含む溶液中に滴下し、得られたゲルに、請求項6~11のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体又はその塩の溶液中において架橋反応を施すことを含む、架橋アルギン酸構造体の製造方法。 - 請求項6~11のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体又はその塩の溶液を、カルシウムイオンを含む溶液中に滴下し、得られたゲルに、アルギン酸の任意の1つ以上のカルボキシル基と、下記式(I)(式中、破線右外側は除く):
R1は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、チオールメチル基、メチルチオエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、アミノカルボニルメチル基、アミノカルボニルエチル基、アミノブチル基、グアニジノプロピル基、ベンジル基、4-ヒドロキシベンジル基、3-インドリルメチル基、4-イミダゾイルメチル基およびR1が結合する炭素原子と当該炭素原子が結合する窒素原子と共に環を形成するプロパン-1,3-ジイル基からなる群より選択される基であり;
R2は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、チオールメチル基、メチルチオエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、アミノカルボニルメチル基、アミノカルボニルエチル基、アミノブチル基、グアニジノプロピル基、ベンジル基、4-ヒドロキシベンジル基、3-インドリルメチル基、4-イミダゾイルメチル基およびR2が結合する炭素原子と当該炭素原子が結合する窒素原子と共に環を形成するプロパン-1,3-ジイル基からなる群より選択される基であり;
nは、1~18の整数であり;
mは、1~9の整数であり;
jは、0~9の整数である)
で表される基がアミド結合したアルギン酸誘導体又はその塩の溶液中において架橋反応を施すことを含む、架橋アルギン酸構造体の製造方法。 - 請求項12または13に記載の組成物の溶液を、カルシウムイオンを含む溶液中に滴下することを含む、架橋アルギン酸構造体の製造方法。
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