JP7358040B2 - 車両用報知装置 - Google Patents
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Description
例えば、乗員と、擬人化されたキャラクタ(いわゆるエージェント)とが、コミュニケーションを図ることが可能な車両用エージェント装置も上記手法の1つとして提案されており、このような車両用エージェント装置として、特許文献1では、擬人化されたエージェントを車両内に出現させ、当該エージェントが状況に合わせた行為をすることで、乗員とのコミュニケーションを図ることが提案されている。
図1、図2に示すように、車両1は、運転席2の車両前方側に設けられるインストルメントパネル3と、運転席2とインストルメントパネル3との間に配置されるステアリングホイール4とを有している。ステアリングホイール4は、ステアリングシャフト(図示省略)を介してステアリングコラム(図示省略)に回転自在に取り付けられている。また、ステアリングホイール4の内部には、車両1が衝突等した際に、ドライバーHに向けて展開するエアバック8が格納されている。
図1、図2に示すように、第1表示用パネル30は、アナログ時計のように構成された指針式メータと、液晶パネルとバックライトとが一体的に設けられたいわゆる液晶ディスプレイ装置とを備えて構成されている。ドライバー(運転者)H(以下、ドライバーH)は、第1表示用パネル30の第1表示領域30aに表示される各種情報を、ステアリングホイール4の上側空間部4aを介して視ることが可能となっている。
図1、図2に示すように、第2表示用パネル40は、例えば、液晶パネルとバックライトとが一体的に設けられた、いわゆる液晶ディスプレイ装置で構成されており、その下端部の左右方向の両端部には、それぞれ、相反する方向に突出する一対の回動軸41が取り付けられている。この回動軸41が支持部材(図示省略)によって軸支されることによって、上方に向けて起立する起立位置と、車両前方へ向けて倒伏する倒伏位置との間で可変自在に取り付けられている。ドライバーHは、第2表示用パネル40の第2表示領域40aに表示される各種画像を、ステアリングホイール4の上側空間部4aを介して視ることが可能となっている。なお、第2表示用パネル40は、起立位置と倒伏位置との間で可変自在に構成したが、支持部材から起立したまま突出する突出位置と支持部材の内部に格納される格納位置との間で上下に可変自在に構成してもよいし、可変不能に固定されていてもよい。
図1に示すように、第3表示用パネル50は、例えば、液晶パネルとバックライトとが一体的に設けられた、いわゆる液晶ディスプレイ装置で構成されている。なお、第3表示用パネル50には地図情報等が表示され、いわゆるカーナビゲーションシステムを担っている。
図2に示すように、操作ボタン60は、上下左右の4方向のキーが設けられた操作デバイスであって、本発明の車両用報知装置の制御部110(図3参照)に対して、操作信号を入力可能となっている。これにより、例えば、擬人化キャラクタ画像I1から発せられるセリフ画像I2に対応する音声の音量値の変更や、擬人化キャラクタ画像I1の表示位置の変更等ができるようになっている。
制御部110は、図示しないCPU、ROM、RAM(例えば、リングバッファ)、入出力ポート等を備えており、例えば、入力ポートより情報入力が行われると、ROMから読み出した制御プログラムに基づいて、出力ポートを介して各種デバイス(第2表示用パネル40やスピーカ150)を制御するようになっている。
周辺環境認識部120は、車両1(自車両)の周辺環境を認識するために設けられている。また、周辺環境認識部120は、車外撮影用カメラ120aと、レーダ120bとを備えており、これらのデバイスによって車両1の周辺環境を認識することができるようになっている。
車外撮影用カメラ120aは、例えば、図示しないルームミラーに取り付けられており、車両1の前方、および、車両1の後方を撮影できるようになっている。そして、撮影した画像情報が制御部110に入力されて、制御部110がRAMに画像情報を記憶する。これにより、制御部110は、車両1の前方、車両1の後方の状況をリアルタイムおよび事後的に認識することができる。
レーダ120bは、例えば、電波を飛ばして障害物等を検知するミリ波レーダが用いられており、当該ミリ波レーダが車両1のフロントバンパやリアバンパに取り付けられ、車両1の前方監視、車両1の前側方監視、車両1の後側方監視ができるようになっている。そして、監視情報が制御部110に入力されて、制御部110がRAMに監視情報を記憶する。これにより、制御部110は、車両1の前方、車両1の前側方の状況、車両1の後側方の状況をリアルタイムおよび事後的に認識することができる。なお、本実施形態においてはミリ波レーダを用いているが、他のレーダを用いてもよい。例えば、赤外線レーダでもよい。
乗員状態認識部130は、ドライバーHの状態を認識するために設けられている。また、乗員状態認識部130は、乗員撮影用カメラ130aと、バイタルセンサ130bとを備えており、これらのデバイスによってドライバーHの状態を認識することができるようになっている。
乗員撮影用カメラ130aは、例えば、インストルメントパネル3に取り付けられており、ドライバーHを撮影できるようになっている。そして、撮影した画像情報が制御部110に入力されて、制御部110がRAMに画像情報を記憶する。これにより、制御部110は、ドライバーHの状態をリアルタイムおよび事後的に認識することができる。なお、ここでいう、ドライバーHの状態とは、具体的には、ドライバーHの目蓋の状態や、瞬きの回数、視線の方向、顔の向きなどが想定される。
バイタルセンサ130bは、例えば、ステアリングホイール4のドライバーHにより把持される部位に取り付けられ、ドライバーHの心拍数や血圧等のバイタル情報を取得できるようになっている。そして、取得したバイタル情報が制御部110に入力されて、制御部110がRAMにバイタル情報を記憶する。これにより、制御部110は、ドライバーHの状態をリアルタイムおよび事後的に認識することができる。
車両状態認識部140は、車両1の状態を認識するために設けられている。また、車両状態認識部140は、車速センサ140aと、ハンドル角センサ140bと、アクセルペダルセンサ140cと、ブレーキペダルセンサ140dと、Gセンサ140eとを備えており、これらのデバイスによって車両1の状態を認識することができるようになっている。
車速センサ140aは、車両1の車速を検出するためのセンサであって、検出された車速が車速信号として制御部110に入力されて、制御部110がRAMに車速情報を記憶する。これにより、制御部110は、車両1の車速をリアルタイムおよび事後的に認識することができる。
ハンドル角センサ140bは、車両1のハンドル角(ステアリングホイール4の角度)を検出するためのセンサであって、検出されたハンドル角が角度信号として制御部110に入力されて、制御部110がRAMに角度情報を記憶する。これにより、制御部110は、車両1のハンドル角(ステアリングホイール4の角度)をリアルタイムおよび事後的に認識することができる。
アクセルペダルセンサ140cは、図示しないアクセルペダルの踏み込み量を検出するためのセンサであって、検出された踏み込み量が踏み込み量信号として制御部110に入力されて、制御部110がRAMに踏み込み量情報を記憶する。これにより、制御部110は、車両1のアクセルペダルの踏み込み量をリアルタイムおよび事後的に認識することができる。
ブレーキペダルセンサ140dは、図示しないブレーキペダルの踏み込み量を検出するためのセンサであって、検出された踏み込み量が踏み込み量信号として制御部110に入力されて、制御部110がRAMに踏み込み量情報を記憶する。これにより、制御部110は、車両1のブレーキペダルの踏み込み量をリアルタイムおよび事後的に認識することができる。
Gセンサ140eは、車両1の加速度、減速度及び傾斜を検出するためのセンサであって、加速度が検出された場合は加速度量が、減速度が検出された場合は減速度量が、傾斜が検出された場合は傾斜角度量が、それぞれ加速度量信号、減速度量信号、傾斜角度信号として制御部110に入力されて、制御部110がRAMに加速度情報、減速度情報及び傾斜情報を記憶する。これにより、制御部110は、車両1の加速度、減速度及び傾斜をリアルタイムおよび事後的に認識することができる。
スピーカ150は、例えば、インストルメントパネル3に取り付けられており、擬人化キャラクタ画像I1から発せられるセリフ画像I2に対応する音声が出力される。なお、スピーカ150を設けずに、車両1に内蔵されているオーディオスピーカを用いてもよい。
マイク160は、例えば、インストルメントパネル3に取り付けられており、ドライバーH、その他乗員から発せられる音声が入力される。
記憶部170は、上述した各認識部から取得した情報や、ドライバーHと制御部110とで行われた対話等を記憶することが可能である。制御部110は、これらの情報を記憶部170に蓄積していくことで、ドライバーHの運転傾向(例えば、どのような運転を行うドライバーであるのか)や、ドライバーHの趣味嗜好(例えば、どのようなBGMが好みであるのか)等を認識することができる。また、これらを認識することで、ドライバーHの運転傾向や、ドライバーHの趣味嗜好に併せた対話を車両用エージェント装置100側(擬人化キャラクタ画像I1)から能動的に行うこともできる。
送受信機180は、例えば、車載用の無線LANを用いた情報の取得や、衛星測位システムを用いた位置情報の取得などが可能である。制御部110は、これら取得した情報や、上述の記憶部170に蓄積した情報に基づいて、ドライバーHの運転傾向や、ドライバーHの趣味嗜好に併せた対話を車両用エージェント装置100側(擬人化キャラクタ画像I1)から能動的に行うこともできる。
ステップS10において、制御部110のCPUは、車両状態認識処理を行う。具体的には、車両状態認識部140から入力した情報に基づいて、車両1における状態を認識する。そして、車両状態認識処理を終えると、ステップS20に処理を移行する。
ステップS20において、制御部110のCPUは、周辺環境認識処理を行う。具体的には、周辺環境認識部120から入力した情報に基づいて、車両1における周辺環境を認識する。そして、周辺環境認識処理を終えると、ステップS30に処理を移行する。
ステップS30において、制御部110のCPUは、乗員状態認識処理を行う。具体的には、乗員状態認識部130から入力した情報に基づいて、ドライバーHの状態を認識する。そして、乗員状態認識処理を終えると、ステップS40に処理を移行する。
ステップS40において、制御部110のCPUは、危険因子抽出処理を行う。具体的には、ステップS10~ステップS30にて各種情報を認識した結果、危険因子が含まれているかを抽出する処理を行う。
ステップS50において、制御部110のCPUは、特定の状況であるか、を判定する。なお、特定の状況とは、各認識部から取得した情報が、所定の閾値を超え、危険因子が含まれている状況をいう。すなわち、ステップS40で危険因子抽出処理を行った結果、危険因子が含まれているかを判定する。そして、特定の状況であると判定した場合は、ステップS60に処理を移行し、特定の状況ではないと判定した場合は、ステップS100に処理を移行する。
ステップS60において、制御部110のCPUは、肯定追認処理を行う。なお、肯定追認処理は、後に図5を用いて詳述する。そして、肯定追認処理を終えると、ステップS100に処理を移行する。
ステップS100において、制御部110のCPUは、報知制御処理を行う。なお、報知制御処理は、後に図6を用いて詳述する。そして、報知制御処理を終えると、メイン処理を終了する。
ステップS61において、制御部110のCPUは、危険因子に対応した時系列データ作成処理を行う。具体的には、RAMに記憶している各認識部から取得した情報に基づいて、特定の状況に至るまでに、どのような事象が発生していたかの推移を時系列に沿って作成する。例えば、車両1を駐車場に駐車しようとして、車両1と障害物との距離が所定の閾値を超え、接触しそうになった場合は、周辺環境認識部120より取得した情報に基づいて、駐車場に駐車しようとしていた、といったデータを作成し、車両状態認識部140より取得した情報に基づいて、自車両が駐車スペースに向けて後進していた、といったデータを作成し、周辺環境認識部120より取得した情報に基づいて、障害物に接触しそうになった、といったデータを作成する。これにより、駐車しようとして後進したら、障害物に接触しそうになった、といった時系列データが作成される。そして、危険因子に対応した時系列データ作成処理を終えると、ステップS62に処理を移行する。
ステップS62において、制御部110のCPUは、危険因子に対応した肯定性データ抽出処理を行う。具体的には、RAMに記憶している各認識部から取得した情報に基づいて、特定の状況に至るまでに発生した事象において、ドライバーHの肯定性を抽出する。例えば、ステップS61で述べた事象であれば、乗員状態認識部130より取得した情報に基づいて、車両1を更新する際のドライバーHの顔の向きから、十分な後方確認が行われていたか、などを判定し、十分な後方確認が行われていたと判定した場合に、肯定性データとして抽出する。一方、十分な後方確認が行われていなかったと判定した場合は、肯定性データが抽出されない。そして、危険因子に対応した肯定性データ抽出処理を終えると、ステップS63に処理を移行する。
ステップS63において、制御部110のCPUは、危険因子に対応した事故訓練データ作成処理を行う。具体的には、RAMに記憶している各認識部から取得した情報に基づいて、特定の状況から事故に至ったと仮定した場合の事故訓練データを作成する。例えば、ステップS61で述べた事象であれば、車両1が障害物に接触していたら速やかに届出を行うことを勧告するデータや、契約している保険会社に関するデータ(連絡先等)や、車両1が障害物に接触していたらエアバック8が作動していたといった機能的なことを説明するデータを作成する。そして、危険因子に対応した事故訓練データ作成処理を終えると、ステップS64に処理を移行する。
ステップS64において、制御部110のCPUは、データ統合処理を行う。具体的には、ステップS61~ステップS63の処理結果に基づいて、各データを統合する処理を行う。例えば、ステップS61で述べた事象であって、肯定性データを抽出した場合は、駐車しようとして後進したら、障害物に接触しそうになった、といった時系列データと、十分な後方確認が行われていた、という肯定性データと、車両1が障害物に接触していたら速やかに届出を行うことを勧告するデータとを統合する。一方、肯定性データを抽出しなかった場合は、駐車しようとして後進したら、障害物に接触しそうになった、といった時系列データと、車両1が障害物に接触していたら速やかに届出を行うことを勧告するデータとを統合する。なお、統合したデータは、RAMのレジスタ等に格納しておく。そして、データ統合処理を終えると、ステップS65に処理を移行する。
ステップS65において、制御部110のCPUは、肯定追認準備処理を行う。具体的には、後の報知制御処理において、上述した時系列に沿った報知等(以下、追認報知という)を行わせるために、RAMにおいて追認準備フラグをONにする。そして、報知制御処理においては、RAMの追認準備フラグがONであるかを判定して、ONであれば、上述した時系列に沿った報知等が行われることになる。そして、肯定追認準備処理を終えると、ステップS66に処理を移行する。
ステップS66において、制御部110のCPUは、追認報知期間設定処理を行う。具体的には、RAMのタイマカウンタ等に、追認報知を開始する時刻である開始期間Tsと、追認報知を終了する時刻である終了期間Teとを設定する。なお、追認報知期間とは、ヒヤリ・ハットの発生から早すぎず遅すぎないタイミングで設けられることが好ましく、例えば、ヒヤリ・ハットの発生から3分後に開始期間Tsが設定され、ステップS64で統合したデータに対応する報知期間を確保したうえで、終了期間Teが設定される。すなわち、ヒヤリ・ハットの発生後、間髪いれずに追認報知が行われると、動揺が激しいドライバーHには伝わり難く、ヒヤリ・ハットの発生後、長時間経過後に追認報知が行われると、既に落着きを取り戻しているドライバーHに煩わしさを与えてしまう。そこで、ヒヤリ・ハットの発生から早すぎず遅すぎないタイミングで追認報知期間を設定することで、ドライバーHに効果的に落ち着きを取り戻させることができる。そして、追認報知期間設定処理を終えると、ステップS67に処理を移行する。
ステップS67において、制御部110のCPUは、注意喚起報知準備処理を行う。具体的には、後の報知制御処理において、例えば、障害物等に接近していることを報知するために、RAMにおいて注意喚起フラグをONにする。そして、報知制御処理においては、RAMの注意喚起フラグがONであるかを判定して、ONであれば、ステップS110、ステップS111において、例えば、「あぶない!ぶつかりますよ!!」といった画像および音声が出力される。そして、注意喚起報知準備処理を終えると、図4のステップS100に処理を移行する。
ステップS101において、制御部110のCPUは、過去に危険因子があるか、を判定する。具体的には、RAMの追認準備フラグを参照して、追認準備フラグがONであるかを判定する。すなわち、上述した時系列に沿った報知等を行うかが判定される。そして、過去に危険因子があると判定した場合は、ステップS102に処理を移行し、過去に危険因子がないと判定した場合は、ステップS107に処理を移行する。
ステップS102において、制御部110のCPUは、追認報知期間であるかを判定する。具体的には、RAMのタイマカウンタ等を参照して、開始期間Ts~終了期間Teであるかを判定する。なお、過去に危険因子があって、追認報知期間でない場合とは、ヒヤリ・ハットの発生後間もないときや、終了期間Teの後などが想定される。そして、追認報知期間であると判定した場合は、ステップS103に処理を移行し、追認報知期間ではないと判定した場合は、ステップS106に処理を移行する。
ステップS103において、制御部110のCPUは、安全条件が成立したかを判定する。具体的には、周辺環境認識部120や、車両状態認識部140から情報を取得して、例えば、車両1が停車した状態にある場合や、車両1が長い直線道路を走行している状態にある場合等に、安全条件が成立した、と判定する。すなわち、ヒヤリ・ハットの発生から早すぎず遅すぎないタイミングであっても、車両1の安全状況が確保できていなければ、追認報知を行ってもドライバーHには伝わり難くなるおそれがある。例えば、追認報知期間は満たしたが、車両1が幅員の狭い道路を走行している場合などは、ドライバーHは気を配りながら運転をしている可能性が高いので、そのような場合は、安全条件が成立していないと判定する。このように、追認報知期間であって安全条件が成立した場合に追認報知を行うことで、ドライバーHに効果的に落ち着きを取り戻させることができる。そして、安全条件が成立したと判定した場合は、ステップS104に処理を移行し、安全条件が成立していないと判定した場合は、ステップS107に処理を移行する。
ステップS104において、制御部110のCPUは、追認実行処理を行う。具体的には、図5のステップS64で統合したデータに基づく報知を行う。例えば、「先程、駐車しようとして後進したら、障害物に接触しそうになりました」、「しかしながら、○○様(ドライバー名)は、十分な後方確認はなさっておりました」、「あのような気づき難い箇所に障害物があるなんて不可抗力ですよ」、「理不尽な部分はありますが、もし接触していたら、速やかに警察に届け出ましょうね!」、「以降も安全運転で行きましょう!」などといった報知が行われる。このように第3者の立場からヒヤリ・ハットに至った推移を時系列で報知したり、ヒヤリ・ハットに至った推移に対する論評を報知したり、ドライバーHの肯定的な部分を報知したり、事故に至っていたと仮定した際の仮定事故情報を報知したり、することで、動揺しているドライバーHに落ち着きを取り戻させることができる。なお、追認報知の報知例は、図7、図8等を詳述する。そして、追認実行処理を終えると、ステップS105に処理を移行する。
ステップS105において、制御部110のCPUは、追認初期化処理を行う。具体的には、RAMの追認準備フラグをOFFにして、タイマカウンタ等をリセットして、レジスタ等に格納していた統合データを削除する。なお、統合データは記憶部170に記憶するようにしてデータを蓄積していき、以降に活用するようにしてもよい。そして、追認初期化処理を終えると、ステップS107に処理を移行する。
ステップS106において、制御部110のCPUは、追認報知期間の終了かを判定する。具体的には、RAMのタイマカウンタ等を参照して、追認報知期間が終了したかを判定する。例えば、追認準備フラグがONであっても暫く安全条件が成立しなかった場合などは、追認報知期間が終了してしまうことが考えられる。そのような場合は、ステップS105に移行して追認初期化処理を行うことで、追認報知を行わないようにしている。これにより、既に落ち着きを取り戻しているドライバーHに煩わしさを与えてしまうことを防止できる。そして、追認報知期間の終了であると判定した場合は、ステップS105に処理を移行し、追認報知期間の終了ではないと判定した場合は、ステップS107に処理を移行する。
ステップS107において、制御部110のCPUは、自律型対話制御処理を行う。具体的には、上述した車両用エージェント装置100側から行う、能動的なスタイルでの対話を行うための処理を行う。例えば、ドライバーHが乗車して、直線道路を走行している状態になったときなどにおいて、擬人化キャラクタ画像I1から「昨日は、○○様が応援している△△チームが負けてしまいました・・・」などといったことが音声および画像で報知(語りかけ)される。なお、当該語りかけにドライバーHが応答すれば、話題は継続される(後述のステップS108~ステップS110)。例えば、ドライバーHがマイク160を介して、「今日は、□□選手が出るから勝つよ」などと応答すれば、擬人化キャラクタ画像I1が「そうですね!□□選手は頼もしいですからね!」などといった双方向での対話が可能である。一方、ドライバーHが応答しなければ、所定時間後に別の話題を持ち出して、再度擬人化キャラクタ画像I1から報知(語りかけ)が行われる。なお、複数回語りかけを行ったものの、ドライバーHからの応答がない場合は、ドライバーHが会話を行いたくない状態にあると認識して、語りかけの頻度を下げることもできる。そして、自律型対話制御処理を終えると、ステップS108に処理を移行する。
ステップS108において、制御部110のCPUは、乗員の会話入力があったかを判定する。具体的には、マイク160の入力ポートより音声入力が行われたかを判定する。なお、制御部110には、図示しない公知の音声認識部が設けられており、当該音声認識部により、入力された音声(会話の内容)がどのような内容であるのかを判断するようになっている。また、ここでいう乗員とは、ドライバーHに限らず、他の乗員であってもよい。また、マイク160による音声入力に限らず、操作ボタン60による操作入力によって会話入力ができてもよい。ただし、安全性を鑑みて、ワンタッチ操作での会話入力ができることが好ましい。また、当該処理における乗員の会話入力は、上述した受動的なスタイルでの対話も含む。そして、乗員の会話入力があったと判定した場合は、ステップS109に処理を移行し、乗員の会話入力がなかったと判定した場合は、ステップS110に処理を移行する。
ステップS109において、制御部110のCPUは、対応する会話内容の応答制御処理を行う。具体的には、上述の音声認識部により、入力された音声(会話の内容)がどのような内容であるのかを判断して、応答内容を決定し、セリフの表示データ、およびセリフの音声データを生成する。そして、対応する会話内容の応答制御処理を終えると、ステップS110に処理を移行する。
ステップS110において、制御部110のCPUは、画像表示処理を行う。具体的には、ステップS107の自律型対話制御処理において決定されたセリフの表示データや、ステップS109で生成したセリフの表示データを出力し、第2表示用パネル40に当該セリフを表示する処理を行う。また、上述した注意喚起フラグがONであれば、注意喚起の表示データをROMより読み出して出力し、第2表示用パネル40に注意喚起を表示する処理を行う。そして、画像表示処理を終えると、ステップS111に処理を移行する。
ステップS111において、制御部110のCPUは、音出力処理を行う。具体的には、ステップS107の自律型対話制御処理において決定されたセリフの音声データや、ステップS109で生成したセリフの音声データを出力し、スピーカ150より当該セリフを出力する処理を行う。また、上述した注意喚起フラグがONであれば、注意喚起の音声データをROMより読み出して出力し、スピーカ150より注意喚起の音声を出力し、RAMの注意喚起フラグをOFFにする。そして、音出力処理を終えると、メイン処理を終了する。以上のような処理によって、上述した車両用エージェント装置100側から行う、能動的なスタイルでの対話や、受動的なスタイルでの対話や、追認報知が実現される。
以下に、想定される変形例を追記する。
本実施形態において、擬人化キャラクタ画像I1は、本発明の、視覚または聴覚的に擬人化されたキャラクタを構成する。
Claims (5)
- 視覚または聴覚的に擬人化されたキャラクタによる報知が可能な車両用報知装置であって、
前記キャラクタによる報知を制御する制御手段と、
車両の運転若しくは周辺環境の状況、又は乗員の身体若しくは思考の状況の少なくともいずれかの状況を取得する状況取得手段と、
前記状況取得手段により取得された状況が、所定の閾値を超えて危険因子が含まれる、前記乗員がヒヤリ・ハットを体験する特定の状況に相当するかを識別する識別手段と、
前記制御手段が前記乗員に報知するにあたり、前記特定の状況から所定期間経過後の追認報知期間であって、運転中に安全条件が成立しているかを判断する判断手段と、を有し、
前記制御手段は、
前記識別手段により前記特定の状況に相当すると識別された場合、かつ、前記判断手段により前記安全条件が成立していると判断された場合には、前記擬人化されたキャラクタによって、前記特定の状況に至った過程の推移を時系列で前記乗員に報知する一方で、前記判断手段により前記安全条件が成立していないと判断された場合には、前記特定の状況に至った過程の推移を前記乗員に報知しない、
ことを特徴とする車両用報知装置。 - 前記制御手段は、前記過程の推移に対する論評を加えて報知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用報知装置。 - 前記過程の推移における乗員の肯定要素を抽出する抽出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記抽出手段により乗員の肯定要素が抽出された場合に、前記論評において乗員を肯定する報知を行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の車両用報知装置。 - 前記制御手段は、前記過程の推移から事故に至っていたと仮定した際の仮定事故情報を加えて報知する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車両用報知装置。 - 前記仮定事故情報は、少なくとも、警察に届出を行うことの勧告、又は保険会社に関する情報を含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の車両用報知装置。
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