JP7357391B2 - ジアミン化合物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
R1は、全炭素数がC14~C28であるアルキレン基またはアルケニレン基であって、直鎖状であるか、あるいは1つまたは複数のC1~C4のアルキル基および/またはアルケニル基の分岐鎖を有する、アルキレン基またはアルケニレン基である、
で表される、ジアミン化合物である。
以下の式(II):
該ジヒドラジド化合物を亜硝酸化合物と反応させてアジ化物を得る工程、および
該アジ化物を加熱転位かつ加水分解する工程、
を包含し、
式(II)中、
R1は、全炭素数がC14~C28であるアルキレン基またはアルケニレン基であって、直鎖状であるか、あるいは1つまたは複数のC1~C4のアルキル基および/またはアルケニル基の分岐鎖を有する、アルキレン基またはアルケニレン基であり、
R2は、C1~C4の直鎖アルキル基である、
方法である。
以下の式(III):
該ジアミド化合物をニトリル化しかつ水素還元する工程、
を包含し、
式(III)中、
R1は、全炭素数がC14~C28であるアルキレン基またはアルケニレン基であって、直鎖状であるか、あるいは1つまたは複数のC1~C4のアルキル基および/またはアルケニル基の分岐鎖を有する、アルキレン基またはアルケニレン基である、
方法である。
本発明のジアミン化合物は、以下の式(I):
テトラデカンジアミン、ヘキサデカンジアミン、オクタデカンジアミン、エイコサジアミン、ドコサジアミン、テトラコサジアミン、オクタコサジアミンなどの直鎖飽和ジアミン;
テトラデカンジアミン-7-エン、ヘキサデカンジアミン-6-エン、ヘキサデカンジアミン-8-エン、オクタデカンジアミン-8-エン、オクタデカンジアミン-10-エン、エイコサジアミン-6-エン、エイコサジアミン-8-エン、エイコサジアミン-12-エン、エイコサジアミン-8,12-ジエン、エイコサジアミン-10,14-ジエン、ドコサジアミン-7,11,15-トリエン、ドコサジアミン-8,12,16-トリエン、1,24-テトラコサジアミン-8,12,16-トリエン、テトラコサジアミン-10,14,18-トリエンなどの直鎖不飽和ジアミン;
6,8-ジメチルテトラデカンジアミン、7-エチルテトラデカンジアミン、7-プロピルテトラデカンジアミン、7-エチルヘキサデカンジアミン、7-ブチルヘキサデカンジアミン、7-イソプロピル-10-メチルヘキサデカンジアミン、8-エチルオクタデカンジアミン、8-イソプロピル-11-メチルオクタデカンジアミン、8,13-ジエチルオクタデカンジアミン、8,13-ジメチルエイコサジアミン、9,12-ジメチルエイコサジアミン、9,12-ジエチルエイコサジアミンなどの分岐飽和ジアミン;
7-ビニルテトラデカンジアミン、7-ビニルヘキサデカンジアミン-8-エン、7-イソプロぺニル-10-メチルヘキサデカンジアミン-9-エン、8-ビニル-オクタデカンジアミン-9-エン、7,12-ジメチルオクタデカンジアミン-7,11-ジエン、7,12-ジエチルオクタデカンジアミン-7,11-ジエン、8-イソプロぺニル-11-メチルオクタデカンジアミン-10-エン、8-エチル-11-イソプロぺニルオクタデカンジアミン-10-エン、8,13-ジメチルエイコサジアミン-8,12-ジエン、9,12-ジメチルエイコサジアミン-8,12-ジエン、などの分岐不飽和ジアミン;
などが挙げられる。
上記式(I)で表されるジアミン化合物は、例えば以下の第1の方法または第2の方法によって製造することができる。
本発明の樹脂添加剤は、上記式(I)で表されるジアミン化合物を含有する。
式(I)で表されるジアミン化合物は、上記のような樹脂添加剤以外のその他の用途にも応用可能である。このような他の用途の例としては、柔軟剤、帯電防止剤、および金属製品(例えば、鉄鋼、ステンレススチール、アルミニウムの各製品)の腐食を防止し得る潤滑防錆剤などの界面活性剤(例えばカチオン系界面活性剤)が挙げられる。
温度計および撹拌機を備えた5Lの四つ口フラスコに、長鎖二塩基酸ジエステル(岡村製油株式会社製SB-20MM/主成分:イソエイコサ二酸ジメチル、分子量370)1500gおよびヒドラジン1水和物804g(16.1mol)と、溶媒として2-プロパノール1500mLを仕込み、5時間還流させた。反応終了後、赤外分光分析(FT-IR:日本分光株式会社製)により、イソエイコサ二酸ジメチルのエステル結合に対応するピーク(1731cm-1)の消失ならびにヒドラジド結合に対応するピーク(1627cm-1および1533cm-1)の生成を確認した。併せて、高速液体クロマトグラフ質量分析(LC-MS-20:株式会社島津製作所製)により、原料であるイソエイコサ二酸ジメチル(分子量370)のピークの消失と、イソエイコサ二酸ジヒドラジド(分子量370)に対応する新たなピークの出現を確認した。このようにしてイソエイコサ二酸ジヒドラジドに対応するジヒドラジド1aを得た。
m/z 284(分子イオンピーク)、m/z 100(基準ピーク)
(7-エチルテトラデカンジアミン)
m/z 256(分子イオンピーク)、m/z 100(基準ピーク)
長鎖二塩基酸ジエステル(岡村製油株式会社製IPU-22MM/主成分:イソドコサジエン二酸ジメチル、分子量394)1000g、ヒドラジン1水和物527g(10.5mol)、および溶媒として2-プロパノール1000mLを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてジヒドラジド2a(イソドコサジエン二酸ジヒドラジド)999gを得た。
m/z 308(分子イオンピーク)、m/z 181(基準ピーク)
(7-イソプロぺニル-10-メチルヘキサデカンジアミン-9-エン)
m/z 308(分子イオンピーク)、m/z 100(基準ピーク)
温度計および撹拌機を備える5Lのオートクレーブに長鎖二塩基酸(岡村製油株式会社製IPU-22/主成分:イソドコサジエン二酸、分子量366)1661g、およびシリカゲル50gを仕込み、加圧条件下にて300℃で2時間、アンモニアガス300g(17.6mol)と反応させた。次いで、メタノール650mL、および活性炭担持ニッケル70gを投入し、加圧条件下でさらにアンモニアガス130g(7.6mol)および水素ガス420g(210mol)と180℃で2時間反応させた。冷却後、得られた反応液を濾過し、希硫酸を添加して下層を除去した。有機層を水洗し、減圧下水分を除去することによりアミン価290のジアミン3を1495g得た。
m/z 336(分子イオンピーク)、m/z 195(基準ピーク)
(8-イソプロぺニル-11-メチルオクタデカンジアミン-10-エン)
m/z 336(分子イオンピーク)、m/z 114(基準ピーク)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三井化学株式会社製EPOMIC、エポキシ当量(以下WPE)188)10.0gと、硬化剤として実施例1で得られたジアミン1b4.4g(WPEに対し0.95当量)、および硬化促進剤としてN,N-ジメチルベンジルアミン0.1g(1phr)とを混合し、エポキシ樹脂組成物を作製した。次いで、この樹脂組成物10gを耐熱性容器に量りとり、70℃で15時間加熱し、加えて120℃で1時間加熱硬化させることによりエポキシ樹脂硬化物(E1)を得た。得られたエポキシ樹脂硬化物(E1)について、示差走査熱量計(DSC)(株式会社島津製作所製DSC-60)を用い、サンプルを-50℃で10分間保持した後、1分当たり10℃の昇温速度で200℃まで加熱することにより、昇温に対する熱量変化からガラス転移点(Tg)を測定した。また、エポキシ樹脂硬化物(E1)のゲル化率を測定するため、5gのサンプルをアセトンにて5時間ソックスレー抽出した。抽出前の原料質量と抽出物の質量との比により樹脂のゲル化率を測定した。得られた結果を表4に示す。
硬化剤としてジアミン1bの代わりに実施例2で作製したジアミン2b(4.2g)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂硬化物(E2)を作製した。得られたエポキシ樹脂硬化物(E2)について、実施例1と同様にして硬化物のDSC分析とゲル化率の測定とを行った。得られた結果を表4に示す。
硬化剤としてジアミン1bの代わりに実施例3で作製したジアミン3(4.9g)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂硬化物(E3)を作製した。得られたエポキシ樹脂硬化物(E3)について、実施例1と同様にして硬化物のDSC分析とゲル化率の測定とを行った。得られた結果を表4に示す。
硬化剤としてジアミン1bの代わりにテトラエチレンペンタミン(1.4g)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂硬化物(CE1)を作製した。得られたエポキシ樹脂硬化物(CE1)について、実施例1と同様にして硬化物のDSC分析とゲル化率の測定とを行った。得られた結果を表4に示す。
硬化剤としてジアミン1bの代わりにトリエチレンテトラミン(1.2g)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂硬化物(CE2)を作製した。得られたエポキシ樹脂硬化物(CE2)について、実施例1と同様にして硬化物のDSC分析とゲル化率の測定とを行った。得られた結果を表4に示す。
硬化剤として、ジアミン1bの代わりにヘキサメチレンジアミン(1.5g)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂硬化物(CE3)を作製した。得られたエポキシ樹脂硬化物(CE3)について、実施例1と同様にして硬化物のDSC分析とゲル化率の測定とを行った。得られた結果を表4に示す。
硬化剤としてジアミン1bの代わりに1,10-デカンジアミン(2.1g)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂硬化物(CE4)を作製した。得られたエポキシ樹脂硬化物(CE4)について、実施例1と同様にして硬化物のDSC分析とゲル化率の測定とを行った。得られた結果を表4に示す。
硬化剤としてジアミン1bの代わりにポリエーテルジアミン(三井化学イファイン株式会社製Baxxodure EC302;平均分子量400)(5.6g)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂硬化物(CE5)を作製した。得られたエポキシ樹脂硬化物(CE5)について、実施例1と同様にして硬化物のDSC分析とゲル化率の測定とを行った。得られた結果を表4に示す。
硬化剤として実施例1で得られたジアミン1bを用い、実施例4と同様にしてエポキシ樹脂組成物(EC1)50gを作製し、これをガラス製のサンプル管に仕込んだ。これを70℃のオイルバスに浸漬し、発熱硬化の様子として樹脂の温度を時間毎(20秒毎)にプロットした。得られた発熱硬化曲線から、ゲル化点、ゲル化時間、最高発熱点、最小硬化時間、およびポットライフを求めた。なお、ポットライフはゲル化時間の0.8倍(×0.8)の値を算出した。得られた結果を表5に示す。
硬化剤としてジアミン1bの代わりに実施例2で作製されたジアミン2b(21.0g)を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてエポキシ樹脂組成物(EC2)を作製し、かつ実施例4と同様にして当該樹脂組成物の発熱硬化曲線から、ゲル化点、ゲル化時間、最高発熱点、最小硬化時間、およびポットライフを求めた。得られた結果を表5に示す。
硬化剤としてジアミン1bの代わりに実施例3で作製されたジアミン3(24.5g)を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてエポキシ樹脂組成物(EC3)を作製し、かつ実施例4と同様にして当該樹脂組成物の発熱硬化曲線から、ゲル化点、ゲル化時間、最高発熱点、最小硬化時間、およびポットライフを求めた。得られた結果を表5に示す。
硬化剤としてジアミン1bの代わりにテトラエチレンペンタミン(7.0g)を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてエポキシ樹脂組成物(CC1)を作製し、かつ実施例4と同様にして当該樹脂組成物の発熱硬化曲線から、ゲル化点、ゲル化時間、最高発熱点、最小硬化時間、およびポットライフを求めた。得られた結果を表5に示す。
硬化剤としてジアミン1bの代わりにトリエチレンテトラミン(6.0g)を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてエポキシ樹脂組成物(CC2)を作製し、かつ実施例4と同様にして当該樹脂組成物の発熱硬化曲線から、ゲル化点、ゲル化時間、最高発熱点、最小硬化時間、およびポットライフを求めた。得られた結果を表5に示す。
硬化剤としてジアミン1bの代わりにヘキサメチエレンジアミン(7.5g)を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてエポキシ樹脂組成物(CC3)を作製し、かつ実施例4と同様にして当該樹脂組成物の発熱硬化曲線から、ゲル化点、ゲル化時間、最高発熱点、最小硬化時間、およびポットライフを求めた。得られた結果を表5に示す。
硬化剤としてジアミン1bの代わりに1,10-デカンジアミン(10.5g)を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてエポキシ樹脂組成物(CC4)を作製し、かつ実施例4と同様にして当該樹脂組成物の発熱硬化曲線から、ゲル化点、ゲル化時間、最高発熱点、最小硬化時間、およびポットライフを求めた。得られた結果を表5に示す。
硬化剤としてジアミン1bの代わりにポリエーテルジアミン(28.0g)を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてエポキシ樹脂組成物(CC5)を作製し、かつ実施例4と同様にして当該樹脂組成物の発熱硬化曲線の作製を試みた。しかし、樹脂温度がオイルバス温度と同温となる70℃に達した後、30分を経過しても発熱を伴わず、この組成物(CC5)は硬化性が著しく低いことがわかった。
硬化剤としてジアミン1bの代わりにポリエーテルジアミン(28.0g)を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてエポキシ樹脂組成物(CC5)を作製し、かつオイルバス温度を120℃に設定したこと以外は実施例4と同様にして当該樹脂組成物の発熱硬化曲線から、ゲル化点、ゲル化時間、最高発熱点、最小硬化時間、およびポットライフを求めた。得られた結果を表5に示す。
実施例4で作製したエポキシ樹脂硬化物(E1)(硬化剤としてジアミン1bを含有)を、煮沸した水中に投入し、1時間煮沸した。投入前の樹脂と1時間煮沸後の樹脂(なお、表面に付着した水分は取り除いた)の質量を測定し、以下の式:
吸水率(%)=(煮沸後の樹脂質量-投入前の樹脂質量)/(投入前の樹脂質量)×100
からエポキシ樹脂硬化物(E1)の吸水率(%)を算出し、これをエポキシ樹脂硬化物(E1)の耐水性として評価した。得られた結果を表6に示す。
エポキシ樹脂硬化物(E1)の代わりに実施例5で作製したエポキシ樹脂硬化物(E2)(硬化剤としてジアミン2bを含有)を用いたこと以外は実施例10と同様にして、硬化物の煮沸を行い、エポキシ樹脂硬化物(E2)の吸水率(%)を算出した。得られた結果を表6に示す。
エポキシ樹脂硬化物(E1)の代わりに実施例6で作製したエポキシ樹脂硬化物(E3)(硬化剤としてジアミン3を含有)を用いたこと以外は実施例10と同様にして、硬化物の煮沸を行い、エポキシ樹脂硬化物(E3)の吸水率(%)を算出した。得られた結果を表6に示す。
エポキシ樹脂硬化物(E1)の代わりに比較例1で作製したエポキシ樹脂硬化物(CE1)(硬化剤としてテトラエチレンペンタミン)を用いたこと以外は実施例10と同様にして、硬化物の煮沸を行い、エポキシ樹脂硬化物(CE1)の吸水率(%)を算出した。得られた結果を表6に示す。
エポキシ樹脂硬化物(E1)の代わりに比較例5で作製したエポキシ樹脂硬化物(CE5)(硬化剤としてポリエーテルジアミン)を用いたこと以外は実施例10と同様にして、硬化物の煮沸を行い、エポキシ樹脂硬化物(CE5)の吸水率(%)を算出した。得られた結果を表6に示す。
温度計、撹拌機および滴下ロートを備える500mLの四つ口フラスコに、4,4’-ビスマレイミドジフェニルメタン21.5g(60.1mmol)、およびTHF200mLを仕込み、改質剤として実施例1で得られたジアミン1b(5.2g)(アミノ基として30.0mmol当量)を滴下した。撹拌しながら50℃まで昇温し、さらに1.5時間撹拌した。次いで、無水酢酸3.1g(30.1mmol)を添加し、さらに1時間撹拌し、減圧下でTHFを除去することによりビスマレイミドプレポリマー(EM1)27.6gを得た。
改質剤としてジアミン1bの代わりに実施例2で作製したジアミン2b(5.0g)を用いたこと以外は、実施例13と同様にしてビスマレイミドプレポリマー(EM2)27.8gを得た。このビスマレイミドプレポリマー(EM2)について、実施例13と同様にして硬化物のDSC分析を行った。得られた結果を表7に示す。
改質剤としてジアミン1bの代わりに実施例3で作製したジアミン3(5.8g)を用いたこと以外は、実施例13と同様にしてビスマレイミドプレポリマー(EM3)58.0gを得た。このビスマレイミドプレポリマー(EM3)について、実施例13と同様にして硬化物のDSC分析を行った。得られた結果を表7に示す。
改質剤としてジアミン1bの代わりにヘキサメチレンジアミン(1.8g)を用いたこと以外は、実施例13と同様にしてビスマレイミドプレポリマー(CM1)22.5gを得た。このビスマレイミドプレポリマー(CM1)について、実施例13と同様にして硬化物のDSC分析を行った。得られた結果を表7に示す。
比較のためにジアミン1bを添加することなく、4,4’-ビスマレイミドジフェニルメタン10gを単独で硬化させ、実施例13と同様にしてDSC分析を行った。得られた結果を表7に示す。
200mlビーカーに、実施例1で得られたジアミン1b(3.8g)(アミノ基として21.8mmol当量)、トリエチルアミン(2.2g)(21.8mmol)、ヘキサン50mLを仕込み、ヘキサン50mLに溶解させた塩化アジポイル(2.0g)(10.9mmol)を撹拌しながら添加し、溶液重合させた。30分間撹拌を続けた後、ろ過し、ろ物を水およびアセトンで洗浄し、乾燥させることによりポリアミド18,6を2.3g得た。
ジアミン1bの代わりに実施例2で作製したジアミン2b(3.6g)を用いたこと以外は、実施例16と同様にしてポリアミド6.6を2.5g得た。このポリアミド20.6について、実施例16と同様にして硬化物のDSC分析を行った。得られた結果を表8に示す。
ジアミン1bの代わりに実施例3で作製したジアミン3(3.8g)を用いたこと以外は、実施例16と同様にしてポリアミド6.6を2.3g得た。このポリアミド22.6について、実施例16と同様にして硬化物のDSC分析を行った。得られた結果を表8に示す。
200mlのビーカーに、エチレンジアミン(0.7g)(10.9mmol)、49%水酸化ナトリウム(0.9g)(10.9mmol)、水50mLを仕込み、ヘキサン50mLに溶解させた塩化アジポイル(2.0g)(10.9mmol)を撹拌しながら添加し、界面重合させた。30分間撹拌を続けた後、ろ過し、ろ物を水およびアセトンで洗い、乾燥させることによりポリアミド2,6を0.9g得た。このポリアミド2.6について、実施例16と同様にして硬化物のDSC分析を行った。得られた結果を表8に示す。
エチレンジアミンの代わりにヘキサメチレンジアミン(1.3g)を用いたこと以外は、比較例16と同様にしてポリアミド6.6を0.7g得た。このポリアミド6.6について、実施例16と同様にして硬化物のDSC分析を行った。得られた結果を表8に示す。
撹拌機、分水器、温度計および窒素ガス導入管を備えた反応器にピロメリット酸無水物(50.0g)、シクロヘキサノン(200ml)を仕込み、60℃まで加熱した。次いでトルエン(100ml)に溶解させた、実施例1で得られたジアミン1bを40.0g添加し、140℃で3時間イミドさせ、減圧下溶剤を除去し、ポリイミド(ED1)を80.1g得た。
ジアミン1bの代わりに実施例2で作製したジアミン2b(37.9g)を用いたこと以外は、実施例19と同様にしてポリイミド(ED2)を78.9g得た。このポリイミド(ED2)について、実施例19と同様にして樹脂のDSC分析を行った。得られた結果を表9に示す。
ジアミン1bの代わりに実施例3で作製したジアミン3(44.3g)を用いたこと以外は、実施例19と同様にしてポリイミド(ED3)を81.3g得た。このポリイミド(ED3)について、実施例19と同様にして樹脂のDSC分析を行った。得られた結果を表9に示す。
ジアミン1bの代わりにp-フェニレンジアミン(24.8g)用いたこと以外は、実施例19と同様にしてポリイミド(CD1)を69.7g得た。このポリイミド(CD1)について、実施例19と同様にして樹脂のDSC分析を行った。得られた結果を表9に示す。
ジアミン1bの代わりにヘキサメチレンジアミン(26.6g)用いたこと以外は、実施例19と同様にしてポリイミド(CD2)を70.9g得た。このポリイミド(CD2)について、実施例19と同様にして樹脂のDSC分析を行った。得られた結果を表9に示す。
上記までの実施例についてまとめると、2つのアミノ基の間に長い炭素鎖を有する本発明のジアミン化合物(ジアミン1b、2bおよび3)を樹脂添加剤として用いると、樹脂に対し可撓性を付与することができる(例えば表4、表7、表8、および表9を参照)。また、表2より、これらのジアミン化合物は、エポキシ樹脂硬化剤としては比較例6~11で使用したような、市販により入手可能なアミン硬化剤よりも遅い反応性であるものの、表1よりゲル化率は高く、硬化反応は十分に進行していることがわかる。このため、ポットライフの調整に最適な材料である。一方、可撓性付与効果が見られたポリエーテルジアミン(分子量400)は、分子量に対応して可撓性付与効果が得られたが(表1)、反応性は低温(70℃)では著しく悪く、120℃で硬化反応が進行する(表2)。また表3から、ポリエーテルジアミンを使用した硬化物は耐水性に劣る一方で、長鎖ジアミンを使用した硬化物は耐水性を損ねることなく、汎用のアミン硬化剤と同程度の耐水性が得られる。このことから、本発明のジアミン化合物は、現行の可撓性付与剤であるポリエーテルジアミンよりも有用である。
10%塩酸中に、腐食防止剤として実施例1で得られたジアミン1bを0.05質量%の割合で含有する水溶液50mLをガラス製サンプル管に仕込んだ。この水溶液中に、研磨およびトルエン洗浄処理を3回繰り返した標準試験板(JIS G 3141;日本テストパネル株式会社製)を浸漬させ、60℃で1時間加温し、試験板を腐食させた。腐食後の試験板を水洗および乾燥し、浸漬前後の質量差より以下の式にしたがって腐食率(%)を算出した。
腐食率(%)=(浸漬前の試験板の質量-浸漬後の試験板の質量)/(浸漬前の試験板の質量)×100
腐食防止剤(実施例1のジアミン1b)を添加しなかったこと以外は実施例22と同様にして標準試験板の腐食率を測定した。得られた結果を表10に示す。
腐食防止剤として、ジアミン1bの代わりにドデシルアミン0.05質量%を用いたこと以外は実施例22と同様にして標準試験板の腐食率を測定した。得られた結果を表10に示す。
腐食防止剤として、ジアミン1bの代わりにヘキサメチレンジアミン0.05質量%を用いたこと以外は実施例22と同様にして標準試験板の腐食率を測定した。得られた結果を表10に示す。
Claims (5)
- 式(I)において、R 1 を構成するアルキレン基の主鎖部分がC 2n 個(ここでnは7~14である)の炭素原子を有する、請求項1に記載の樹脂添加剤。
- 前記ジアミン化合物が、7-エチルテトラデカンジアミンまたは8-エチルオクタデカンジアミンである、請求項1に記載の樹脂添加剤。
- 樹脂と、請求項1から3のいずれかに記載の樹脂添加剤とを含有する、樹脂組成物。
- 1つまたはそれ以上のモノマー化合物および請求項1から3のいずれかに記載の樹脂添加剤から構成される樹脂を含有する、樹脂組成物。
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