上述の課題を解決するために、本開示の一態様に係る部品実装装置は、基板に実装される部品を保持するために実装ヘッドに着脱自在に装着される第1保持部と、鉛直方向および水平方向のそれぞれに対して傾いた撮像方向から前記第1保持部の側面を撮像する撮像部と、前記撮像部による撮像結果から前記第1保持部の属性を第1属性として読み取り、前記第1属性が、前記部品に対して予め対応付けられている既定属性と一致するか否かを判定する判定部と、を備える。例えば、第1保持部はノズルである。
これにより、鉛直方向および水平方向のそれぞれに対して傾いた撮像方向から撮像が行われるため、第1保持部が実装ヘッドに装着されていても、あるいは、第1保持部に鍔部がなくても、その第1保持部の側面を容易に撮像することができる。つまり、その第1保持部の側面から第1保持部の属性を容易に読み取ることができる。言い換えれば、第1保持部の特徴を示す情報を容易に読み取ることができる。そして、その読み取られた属性である第1属性が既定属性と一致するか否かが判定されるため、その第1保持部が、基板に実装される部品の保持に必要とされる既定属性を有するか否かを適切に判定することができる。言い換えれば、第1保持部が、基板に実装される部品に対して正しい保持部であるか否かを判定することができる。これにより、保持部の誤装着を抑制することができる。その結果、第1保持部の情報を容易に読み取ることによって、実装品質の低下をより抑えることができる。
また、前記部品実装装置は、さらに、少なくとも1つの保持部が載置されているステージと、前記実装ヘッドを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記第1属性が前記既定属性と一致しないと前記判定部によって判定された場合には、前記ステージ上にある少なくとも1つの位置と、前記少なくとも1つの位置のそれぞれに関連付けられた保持部の属性とを示すステージデータにおいて、前記既定属性に関連付けられている位置を特定し、前記実装ヘッドを制御することによって、前記実装ヘッドに装着されている前記第1保持部を、特定された前記位置に載置されている保持部である第2保持部に交換させてもよい。
これにより、第1保持部が正しい保持部でない場合には、ステージデータに基づいて、その第1保持部は、ステージに載置されている第2保持部に交換されるため、保持部の誤装着をより抑制することができる。
また、前記撮像部は、さらに、前記第2保持部の側面を前記撮像方向から撮像し、前記判定部は、さらに、前記撮像部による撮像結果から前記第2保持部の属性を第2属性として読み取り、前記第2属性が前記既定属性と一致するか否かを判定し、前記制御部は、前記第2属性が前記既定属性と一致しないと前記判定部によって判定された場合には、前記ステージに載置されている前記少なくとも1つの保持部のそれぞれの側面を前記撮像部に撮像させ、前記撮像部による撮像結果に基づいて、前記ステージデータを更新してもよい。
これにより、ステージデータに示される内容に誤りがあり、その結果、第2保持部が正しい保持部でないと判定される場合には、そのステージデータを正しい内容に更新することができる。
また、前記部品実装装置は、さらに、前記部品実装装置の操作者への報知を行う報知部を備え、前記制御部は、前記ステージデータにおいて前記既定属性に関連付けられている位置が特定されない場合には、前記既定属性を有する保持部が前記ステージに載置されていないことを前記報知部に報知させてもよい。
これにより、ステージに正しい保持部がない場合には、そのことが部品実装装置の操作者に報知されるため、操作者は、例えば倉庫などから正しい保持部を取り出して実装ヘッドに取り付けることができる。したがって、保持部の誤装着をさらに抑制することができる。
また、前記部品実装装置は、さらに、開閉自在に設けられ、閉止時には前記実装ヘッドを覆う開閉カバーを備え、前記撮像部は、前記部品実装装置が稼働していない状態において、前記開閉カバーが開放されてから閉止するまでの間に撮像を行ってもよい。
これにより、部品実装装置が稼働しておらず、開閉カバーが開放されているような、第1保持部の交換が行われる可能性が高いときに撮像が行われるため、その第1保持部の交換を適切に検出することができる。さらに、交換後の保持部の属性を読み取ることができる。したがって、保持部の誤装着をさらに抑制することができる。
また、前記撮像部は、前記部品実装装置が稼働している状態において、前記第1保持部が鉛直方向に動いている間に撮像を行ってもよい。
これにより、部品実装装置が稼働しているときに撮像が行われるため、稼働中にも第1保持部の属性を読み取ることができ、さらに、第1保持部に保持されている部品を認識することができる。
また、前記判定部は、前記撮像部によって撮像された、前記第1保持部の側面に付されている識別コードから、前記第1属性を読み取ってもよい。
これにより、識別コードから第1属性が読み取られるため、例えば、第1保持部のノズルIDなどの識別情報を第1属性として読み取ることができる。
また、前記判定部は、前記撮像部によって撮像された前記第1保持部の側面の幅から、前記第1属性を読み取ってもよい。
これにより、第1保持部に識別コードが付されていなくても、ノズル径などを第1属性として読み取ることができる。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
(実施の形態)
[生産システム]
図1は、部品実装ラインを含む生産システムの構成の一例を示す図である。
この生産システムは、部品実装ラインL1と端末装置200とを備える。
部品実装ラインL1は、実装基板の生産設備の一例であって、上流側から搬入された基板Bに少なくとも1つの部品Pを実装することによって実装基板を生産し、その生産された実装基板を下流側に搬出する。なお、本実施の形態では、基板の搬送方向をX軸方向と称し、そのX軸方向と垂直な方向をY軸方向と称する。なお、X軸方向およびY軸方向は水平面に沿う方向である。さらに、X軸方向およびY軸方向に垂直な方向を、Z軸方向と称する。X軸方向プラス側およびマイナス側は、それぞれ基板Bの搬送方向における下流側および上流側であって、Y軸方向プラス側およびマイナス側は、それぞれ前後方向における後側(または奥側)および前側(または手前側)である。Z軸方向プラス側およびマイナス側は、それぞれ鉛直方向における上側および下側である。図1では、部品実装ラインL1の上面が示されている。
部品実装ラインL1は、はんだ印刷装置M1と、印刷検査装置M2と、部品実装装置M3~M6と、実装検査装置M7と、リフロー装置M8とを備える。なお、これらの装置は、搬送方向上流側から下流側に向けて、はんだ印刷装置M1、印刷検査装置M2、部品実装装置M3~M6、実装検査装置M7、リフロー装置M8の順に配列され、直列に連結されている。
はんだ印刷装置M1、印刷検査装置M2、部品実装装置M3~M6、実装検査装置M7、およびリフロー装置M8は、通信ネットワーク2を介して端末装置200に接続されている。はんだ印刷装置M1は、上流側から搬入された基板Bにはんだを印刷する。印刷検査装置M2は、はんだ検査カメラによって基板Bに印刷されたはんだの状態を検査する。
部品実装装置M3~M6は、基板Bに部品Pを実装する部品実装作業を実行する。なお、部品実装ラインL1は、4台の部品実装装置M3~M6を備えるが、その台数は4台に限定されることなく、1~3台であってもよく、5台以上であってもよい。
実装検査装置M7は、部品検査カメラによって基板Bに搭載された部品Pの状態を検査する。リフロー装置M8は、この装置内に搬入された基板Bを加熱して、基板B上のはんだを硬化させ、基板Bの電極部と部品Pとを接合する。
端末装置200は、例えば部品実装ラインL1と同じ建屋に配置され、部品実装ラインL1に含まれるはんだ印刷装置M1、印刷検査装置M2、部品実装装置M3~M6、実装検査装置M7、およびリフロー装置M8と通信する。なお、端末装置200は、無線または有線を介してそれらの装置と通信してもよい。無線は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、または特定小電力無線であってもよい。また、端末装置200は、部品実装ラインL1に含まれる各装置から、その装置の稼働率などを示す情報を取得し、それらの情報に基づいてその各装置を管理してもよい。また、このような端末装置200は、パーソナルコンピュータとして構成されていてもよく、タブレット端末、またはスマートフォンなどとして構成されていてもよい。
[部品実装装置]
図2は、部品実装装置M3の外観斜視図である。部品実装装置M4~M6も、部品実装装置M3と同様の外観を有していてもよい。
部品実装装置M3は、例えば、2つの部品供給部6と、報知部17と、2つの開閉カバー16とを備える。なお、図2では、2つの部品供給部6のうちの1つが図示され、残り1つは奥側(すなわちY軸方向プラス側)に隠れている。
部品供給部6には、複数のフィーダ7がX軸方向に沿って並列に配置されている。フィーダ7は、部品Pを収納した部品テープをテープ送り方向にピッチ送りすることによってその部品Pを供給する。
報知部17は、部品実装装置M3の操作者への報知を行う。例えば、報知部17は、報知内容を表示することによって報知を行う。具体的な例として、報知部17は、液晶ディスプレイまたは有機EL(electro-luminescence)ディスプレイなどとして構成されている。
2つの開閉カバー16のそれぞれは、開閉自在に設けられ、閉止時には後述の実装ヘッドを覆う。つまり、2つの開閉カバー16のそれぞれは、閉止時には、部品実装装置M3の内部を覆い隠す。したがって、2つの開閉カバー16のそれぞれが閉止されているときには、操作者は、部品実装装置M3の内部に手を入れることができず、実装ヘッドに触れることはできない。
図3は、部品実装装置M3の内部構成の一例を示す図である。なお、部品実装装置M4~M6も、部品実装装置M3と同様の内部構成を有していてもよい。また、図3に示す部品実装装置M3の構成は、部品実装装置M3の内部をZ軸方向プラス側から見た構成であって、2つの開閉カバー16は図示されていない。
部品実装装置M3は、上述の2つの部品供給部6の他にも、基台4と、基板搬送機構5と、2つのX軸ビーム9と、Y軸ビーム8と、2つの実装ヘッド10と、2つのカメラ12と、ステージ11とを備える。
2つの部品供給部6は、基板搬送機構5をY軸方向に挟むように配置されている。
基板搬送機構5は、X軸方向に沿う2つのレールを備え、基台4の中央には配設される。基板搬送機構5は、上流側から搬入された基板Bを搬送し、部品実装作業を実行するための位置にその基板Bを位置決めして保持する。
Y軸ビーム8は、基台4上面におけるX軸方向の一方側(図3に示す例では右側)の端に、Y軸方向に沿うように配設されている。
2つのX軸ビーム9は、X軸方向に沿った状態で、Y軸方向に移動自在にY軸ビーム8に結合されている。
実装ヘッド10は、2つのX軸ビーム9のそれぞれに、X軸方向に移動自在に装着されている。実装ヘッド10は、部品Pを吸着して保持し昇降可能な複数の吸着ユニット10aを備える。吸着ユニット10aのそれぞれの先端には、ノズル10bが着脱自在に装着されている(図4参照)。
2つの実装ヘッド10のそれぞれは、Y軸ビーム8およびX軸ビーム9を含む駆動機構によって、X軸方向およびY軸方向に移動する。これにより、2つの実装ヘッド10のそれぞれは、その実装ヘッド10に対応する部品供給部6に配置されたフィーダ7の部品取り出し位置から部品Pをノズル10bによって吸着して取り出し、基板搬送機構5に位置決めされた基板Bの実装点に実装する。
2つのカメラ12のそれぞれは、そのカメラ12に対応する実装ヘッド10に取り付けられている。このカメラ12は、基板搬送機構5に位置決めされている基板Bの位置および種別などを認識するために、その基板Bを撮像する。また、カメラ12は、実装ヘッド10のノズル10bに吸着されている部品Pを認識するために、その部品Pを撮像する。さらに、カメラ12は、ノズル10bから情報を読み取るために、そのノズル10bを撮像する。
ステージ11は、ノズルチェンジャとも呼ばれ、そのステージ11には少なくとも1つのノズル10bが載置されている。このステージ11に載置されている少なくとも1つのノズル10bは、実装ヘッド10の吸着ユニット10aに装着されているノズル10bとの交換に用いられる。例えば、ステージ11に載置されている少なくとも1つのノズル10bのそれぞれは、実装ヘッド10の吸着ユニット10aに装着されているノズル10bとは異なる属性を有する。また、ステージ11に載置されている少なくとも1つのノズル10bのそれぞれも、互いに異なる属性を有する。したがって、実装基板の生産には、基板Bに実装される部品Pに適した属性を有するノズル10bが選択されて実装ヘッド10の吸着ユニット10aに装着される。
図4は、図3におけるA-A断面の一例を部分的に示す図である。
部品供給部6は、図4に示すように、フィーダベース13aと、そのフィーダベース13aに装着された複数のフィーダ7と、フィーダベース13aを支持する台車13とを備える。
台車13は、基台4に対して着脱自在に構成され、さらに、カセットホルダ15を備えている。カセットホルダ15は、部品リールCを複数個保持可能に構成されている。部品リールCは、部品テープ14を巻回状態で収納する。複数の部品リールCのそれぞれは、カセットホルダ15の上方保持位置Huまたは下方保持位置Hdに保持される。カセットホルダ15が保持する部品リールCから引き出された部品テープ14は、フィーダ7に装着される。
カメラ12は、ノズル10bの側面を含む範囲が視野に含まれるように斜めから撮像する。これにより、カメラ12は、そのカメラ12に対応する実装ヘッド10に装着されているノズル10bだけでなく、例えば、そのノズル10bに吸着される部品Pと、基板搬送機構5によって位置決めされている基板Bの基板マークとを撮像することができる。部品実装装置M3は、このカメラ12による撮像によって、ノズル10bと、そのノズル10bに吸着されている部品Pの種別および状態と、基板Bの種別および位置とを認識し、その認識結果に応じて、実装位置の補正などを行う。
つまり、本実施の形態における部品実装装置M3は、第1保持部と撮像部とを備える。第1保持部は、基板Bに実装される部品Pを保持するために実装ヘッド10に着脱自在に装着されるノズル10bである。また、撮像部は、鉛直方向(すなわちZ軸方向)および水平方向(すなわちX軸方向およびY軸方向)のそれぞれに対して傾いた撮像方向から、そのノズル10bの側面を撮像するカメラ12である。
図5は、実装ヘッド10とフィーダ7との位置関係を示す模式図である。また、図6は、装着の対象となる部品Pの外観を示す外観図である。
実装ヘッド10には、例えば図5に示すように、最大10個のノズル10bを取り付けることが可能である。10個のノズル10bが取り付けられた実装ヘッド10は、最大10個のフィーダ7のそれぞれから部品Pを同時に(1回の上下動作で)吸着することができる。
部品Pは、例えば図6の(a)~(d)に示すようなチップ形電子部品P1~P4の何れかである。このような部品Pは、図5に示す部品テープ14に一定間隔で複数個連続的に収納されている。
フィーダ7は、このような部品テープ14をテープ送り方向にピッチ送りすることにより、その部品テープ14に収納されている複数の部品Pを順に部品取り出し位置7aに供給する。実装ヘッド10は、その部品取り出し位置7aに供給された部品Pをノズル10bで吸着して移動し、基板Bの実装点にその部品Pを実装する。なお、部品Pの供給方式は、部品テープ14を用いた方式に限定されることなく、他の供給方式であってもよい。例えば、供給方式は、スティック状のケース、トレイケース、またはバルク部品カセット等で部品Pを供給する方式であってもよい。その場合には、それらの供給方式に適したフィーダ7で部品Pが供給される。
図7は、吸着ユニット10aの斜視図である。図8は、吸着ユニット10aの側面と、その側面の拡大された一部を示す図である。なお、吸着ユニット10aと、その吸着ユニット10aに装着されているノズル10bとは、図7および図8に示す構成および形状などに限定されず、どのような構成および形状を有していてもよい。
吸着ユニット10aは、昇降可能なシャフト10dと、そのシャフト10dの下端に取り付けられている装着部10cとを備える。ノズル10bは、その装着部10cに装着される。したがって、装着部10cに装着されているノズル10bは、シャフト10dの昇降によって、Z軸方向に沿って移動する。つまり、ノズル10bは、上昇したり下降したりする。
カメラ12は、この吸着ユニット10aの下端側に取り付けられている。カメラ12の撮像方向は、鉛直方向および水平方向のそれぞれに対して傾いている。これにより、カメラ12は、吸着ユニット10aに装着されているノズル10bの側面を撮像することができる。なお、カメラ12は、実装ヘッド10に備えられている複数の吸着ユニット10aのそれぞれに取り付けられて、各カメラ12が、そのカメラ12に対応する吸着ユニット10aに装着されているノズル10bを撮像してもよい。あるいは、カメラ12は、1つの実装ヘッド10に対して1つだけ取り付けられていてもよい。このようなカメラ12は、実装ヘッド10に備えられている複数の吸着ユニット10aのノズル10bの側面を個別に、または纏めて撮像する。
図9は、部品実装装置M3の機能構成の一例を示すブロック図である。
部品実装装置M3は、上述の実装ヘッド10、カメラ12、および報知部17の他にも、カバー検出部18と、制御部19と、判定部20と、データ格納部21と、駆動機構22とを備える。
駆動機構22は、例えば上述のY軸ビーム8およびX軸ビーム9と、モータなどのアクチェータとを含む機構であって、実装ヘッド10をX軸方向およびY軸方向に移動させる。
カバー検出部18は、部品実装装置M3の2つの開閉カバー16の状態を検出する。つまり、カバー検出部18は、2つの開閉カバー16のそれぞれが開放されているか、閉止されているかを検出する。このようなカバー検出部18の検出方式は、開閉カバー16が開放されているか閉止されているかを検出することができれば、どのような方式であってもよい。
判定部20は、カメラ12による撮像結果から、実装ヘッド10に装着されているノズル10bの属性を第1属性として読み取り、その第1属性が、部品Pに対して予め対応付けられている既定属性と一致するか否かを判定する。
制御部19は、部品実装装置M3の各構成要素を制御する。例えば、制御部19は、実装ヘッド10を制御する。具体的には、制御部19は、駆動機構22を制御することによって実装ヘッド10を移動させたり、実装ヘッド10に装着されているノズル10bを昇降させる。
データ格納部21は、生産データ21aとステージデータ21bとを格納している記録媒体である。このような記録媒体は、ハードディスク、RAM(Read Only Memory)、ROM(Random Access Memory)、または半導体メモリなどである。また、その記録媒体は、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
図10は、生産データ21aの一例を示す図である。
生産データ21aは、実装基板を生産するために用いられる基板B、部品Pおよびノズル10bに関する情報を示す。具体的には、生産データ21aは、基板IDと、部品種IDと、サイズと、実装点と、実装角度と、ノズルIDと、ノズル径とをそれぞれ互いに対応付けて示す。基板IDは、基板Bを識別するための情報である。部品種IDは、その基板Bに実装される部品Pの種別を識別するための情報である。サイズは、その部品Pのサイズである。実装点は、基板Bにおいてその部品Pが実装される位置(すなわち座標)である。実装角度は、基板Bに実装される部品PのXY平面上の向きであって、例えばX軸方向またはY軸方向からの角度である。ノズルIDは、その部品Pを保持するために用いられるノズル10bを識別するための情報である。ノズル径は、ノズル10bの外径であって、具体的には、そのノズル10bのX軸方向またはY軸方向の幅である。
例えば、図10に示す生産データ21aは、基板ID「S001」の基板Bに対して、部品種ID「P011」の部品Pが実装されることを示す。さらに、その生産データ21aは、その部品種ID「P011」の部品Pのサイズが「S11」であって、その部品Pが実装角度「θ11」で実装点「L11」に実装されることを示す。そして、生産データ21aは、ノズルID「N01」であって、かつノズル径「D01」のノズル10bを、その部品種ID「P011」の部品Pの保持(すなわち吸着)に用いることを示す。このようなノズルIDおよびノズル径は、ノズル10bの属性である。つまり、生産データ21aは、各部品Pに対して用いられる適切なノズル10bの属性を上述の既定属性として示している。
図11は、ステージデータ21bの一例を示す図である。
ステージデータ21bは、ステージ11に載置されているノズル10bに関する情報を示し、具体的には、ステージ11上にある少なくとも1つの位置と、その少なくとも1つの位置のそれぞれに関連付けられたノズル10bの属性とを示す。例えば、図11に示す例では、ステージ11上の位置「B01」に対してノズルID「N01」およびノズル径「D01」がそれぞれノズル10bの属性として関連付けられている。また、ステージ11上の位置「B03」に対してノズルID「N03」およびノズル径「D03」がそれぞれノズル10bの属性として関連付けられている。
制御部19は、このステージデータ21bを参照することによって、ステージ11上の何れの位置に、どのような属性のノズル10bが載置されているのかを把握することができる。
図12は、カメラ12を用いたノズル10bの属性の読み取りの一例を示す図である。
例えば、制御部19は、実装ヘッド10に装着されているノズル10bを昇降させ、そのノズル10bの昇降に応じてカメラ12に撮像させる。また、図12に示す例では、ノズル10bの側面には2Dコード31が付されている。この2Dコード31は、二次元コードであって、識別コードの一例である。なお、ノズル10bの側面に付される識別コードは、2Dコード31に限らず、バーコードまたはカラーコードであってもよく、その他のコードであってもよい。
このよう場合、判定部20は、カメラ12によって撮像された、ノズル10b(すなわち第1保持部)の側面に付されている2Dコード31から、そのノズル10bの属性(すなわち第1属性)を読み取る。
具体的には、部品実装装置M3による部品実装の運転が開始される前、すなわち部品実装装置M3の稼働前には、実装ヘッド10に装着されているノズル10bは、図12の(a)に示すように原点位置にある。そして、制御部19は、図12の(b)に示すように、実装ヘッド10を制御することによって、そのノズル10bを下降させる。このとき、制御部19は、図12の(c)に示すように、カメラ12に撮像させる。その結果、カメラ12は、ノズル10bの側面に付されている2Dコード31を撮像する。判定部20は、その撮像結果、すなわち撮像によって得られた画像に映し出されている2Dコード31から、そのノズル10bの属性としてノズルIDを読み取る。つまり、判定部20は、画像に映し出されている2Dコード31を復号することによってノズルIDを取得する。そして、判定部20は、データ格納部21に格納されている生産データ21aを参照する。具体的には、判定部20は、生産データ21aにおいて、現時点でこれから基板Bに実装される部品Pの部品種IDに対応付けられているノズルIDを既定属性として特定する。そして、判定部20は、その読み取られたノズルIDが、既定属性のノズルIDと一致するか否かを判定する。ここで、判定部20によって一致すると判定されると、制御部19は、部品実装装置M3による部品実装の運転を開始させる。
このように本実施の形態では、鉛直方向および水平方向のそれぞれに対して傾いた撮像方向から撮像が行われるため、ノズル10bが実装ヘッド10に装着されていても、あるいは、ノズル10bに鍔部がなくても、そのノズル10bの側面を容易に撮像することができる。つまり、そのノズル10bの側面からノズル10bの属性を容易に読み取ることができる。言い換えれば、ノズル10bの特徴を示す情報を容易に読み取ることができる。そして、その読み取られた属性である第1属性が既定属性と一致するか否かが判定されるため、そのノズル10bが、基板Bに実装される部品Pの保持に必要とされる既定属性を有するか否かを適切に判定することができる。言い換えれば、ノズル10bが、基板Bに実装される部品Pに対して正しいノズル10bであるか否かを判定することができる。これにより、ノズル10bの誤装着を抑制することができる。その結果、ノズル10bの情報を容易に読み取ることによって、実装品質の低下をより抑えることができる。
さらに、本実施の形態では、2Dコード31などの識別コードから第1属性が読み取られるため、ノズルIDなどの識別情報を第1属性として適切に読み取ることができる。
図13は、カメラ12を用いたノズル10bの属性の読み取りの他の例を示す図である。
図13に示す例では、ノズル10bの側面には2Dコード31などの識別コードが付されていない。このよう場合、判定部20は、カメラ12によって撮像された、ノズル10b(すなわち第1保持部)の側面の幅から、そのノズル10bの属性(すなわち第1属性)を読み取る。
具体的には、部品実装装置M3による部品実装の運転が開始される前、すなわち部品実装装置M3の稼働前には、実装ヘッド10に装着されているノズル10bは、図13の(a)に示すように原点位置にある。そして、制御部19は、図13の(b)に示すように、実装ヘッド10を制御することによって、そのノズル10bを下降させる。このとき、制御部19は、図13の(c)に示すように、カメラ12に撮像させる。その結果、カメラ12は、ノズル10bの側面を撮像する。判定部20は、その撮像結果、すなわち撮像によって得られた画像に映し出されているノズル10bの側面から、そのノズル10bの属性としてノズル径を読み取る。つまり、判定部20は、画像に映し出されているノズル10bの側面におけるX軸方向またはY軸方向の幅を画像処理によって特定する。例えば、判定部20は、その画像に対してエッジ検出を行うことによってその幅を特定し、カメラ12の倍率などに基づいてその幅からノズル径を算出する。
そして、判定部20は、データ格納部21に格納されている生産データ21aを参照する。具体的には、判定部20は、生産データ21aにおいて、現時点でこれから基板Bに実装される部品Pの部品種IDに対応付けられているノズル径を既定属性として特定する。そして、判定部20は、その読み取られたノズル径が、既定属性のノズル径と一致するか否かを判定する。ここで、判定部20によって一致すると判定されると、制御部19は、部品実装装置M3による部品実装の運転を開始させる。なお、読み取られたノズル径と、既定属性のノズル径とが完全に同一の場合にのみ、それらのノズル径が一致すると判定されることはなく、それらのノズル径に数パーセント以内の誤差がある場合であっても、それらのノズル径が一致すると判定されてもよい。
このように本実施の形態では、ノズル10bに識別コードが付されていなくても、ノズル径などを第1属性として適切に読み取ることができる。
なお、図13に示す例では、撮像されたノズル10bと、正しいノズル10bとで、互いにノズル径が一致していれば、ノズルIDが異なっていても、撮像されたノズル10bを用いた部品実装の運転が開始される。すなわち、報知部17によってエラーが報知されずに運転が開始される。なお、上述の正しいノズル10bは、生産データ21aにおいて、現時点でこれから基板Bに実装される部品Pの部品種IDに対応付けられている属性(すなわち既定属性)を有するノズル10bである。
また、図12および図13に示す例では、(a)ノズル10bが原点位置にあるときと、(b)ノズル10bが下降したときには、カメラ12による撮像は行われていないが、このときにも撮像が行われていてもよい。つまり、カメラ12は、図12および図13における(a)~(c)に示す期間中、継続的に撮像を行っていてもよい。
図14は、カメラ12を用いたノズル10bの属性の読み取りの他の例を示す図である。
例えば、部品実装装置M3が非稼働状態であるときには、実装ヘッド10に装着されているノズル10bは、昇降することなく、常にカメラ12の撮像範囲内にあってもよい。また、図14に示す例では、ノズル10bの側面には2Dコード31が付されている。
このような場合、実装ヘッド10に装着されているノズル10bは、まず、図14の(a)に示すように待機状態にある。ここで、カバー検出部18は、部品実装装置M3の開閉カバー16が開放されたことを検出する。制御部19は、その開閉カバー16の開放が検出されると、図14の(b)に示すように、カメラ12に撮像させる。その結果、カメラ12は、ノズル10bの側面に付されている2Dコード31を撮像する。判定部20は、その撮像結果、すなわち撮像によって得られた画像に映し出されている2Dコード31から、そのノズル10bの属性としてノズルIDを読み取る。なお、判定部20は、図13に示す例のように、撮像によって得られた画像に映し出されているノズル10bの側面から、そのノズル10bの属性としてノズル径を読み取ってもよい。
また、開閉カバー16が開放されている期間では、制御部19は、カメラ12による撮像を継続させ、その撮像結果に基づいて、実装ヘッド10に装着されているノズル10bの交換が行われたか否かを判定してもよい。例えば、制御部19は、撮像によって得られた画像に映し出されている2Dコード31が変化した場合、または、その画像に映し出されているノズル10bの側面の幅が変化した場合に、ノズル10bの交換が行われたと判定する。あるいは、制御部19は、撮像によって得られた画像に操作者の手が映し出されている場合に、ノズル10bの交換が行われたと判定する。そして、判定部20は、交換が行われたと制御部19によって判定されると、交換後のノズル10bの属性を読み取ってもよい。
そして、部品実装装置M3の開閉カバー16が閉止されたことがカバー検出部18によって検出されると、制御部19は、図14の(c)に示すように、カメラ12による撮像を停止させる。
このように、本実施の形態では、カメラ12は、部品実装装置M3が稼働していない状態において、開閉カバー16が開放されてから閉止するまでの間に撮像を行う。これにより、部品実装装置M3が稼働しておらず、開閉カバー16が開放されているような、ノズル10bの交換が行われる可能性が高いときに撮像が行われるため、ノズル10bの交換を適切に検出することができる。さらに、交換後のノズル10bの属性を読み取ることができる。したがって、ノズル10bの誤装着をさらに抑制することができる。
図15は、カメラ12を用いた部品Pの認識の一例を示す図である。
例えば、部品実装装置M3が稼働状態であるときには、制御部19は、実装ヘッド10に装着されているノズル10bを昇降させ、そのノズル10bの昇降に応じてカメラ12に撮像させる。カメラ12は、そのノズル10bに吸着(または保持)されている部品Pを撮像する。制御部19は、そのカメラ12による撮像によって得られる画像に基づいて、ノズル10bに吸着されている部品Pを認識する。
具体的には、部品実装装置M3が稼働状態にあるときには、実装ヘッド10に装着されているノズル10bは、まず、図15の(a)に示すように原点位置にある。そして、制御部19は、図15の(b)に示すように、実装ヘッド10を制御することによって、そのノズル10bを下降させて、そのノズル10bに部品Pを吸着させる。このとき、制御部19は、図15の(b)に示すように、カメラ12に撮像させる。その結果、カメラ12は、ノズル10bに吸着されている部品Pを撮像する。制御部19は、その撮像結果、すなわち撮像によって得られた画像に映し出されている部品Pから、例えば、その部品Pの部品種ID、サイズおよび角度などを読み取る。つまり、制御部19は、その部品Pを認識する。そして、制御部19は、データ格納部21に格納されている生産データ21aを参照する。具体的には、制御部19は、その認識された部品Pの部品種IDなどが、生産データ21aに示されている部品種IDなどに一致するか否かを判定する。なお、制御部19は、認識された部品Pの角度が、生産データ21aに示されている実装角度と異なる場合には、ノズル10bに吸着されている部品Pの角度を補正してもよい。
次に、制御部19は、図15の(c)に示すように、実装ヘッド10を制御することによって、部品Pを吸着しているノズル10bを上昇させ、さらに、駆動機構22を制御することによって、X軸方向およびY軸方向にそのノズル10bを移動させる。
そして、制御部19は、図15の(d)に示すように、生産データ21aにおいて、その部品Pの部品種IDに対応付けられている実装点に、その部品Pを実装する。つまり、制御部19は、駆動機構22を制御することによって、ノズル10bをその実装点上に停止させ、実装ヘッド10を制御することによってノズル10bを下降させる。これにより、部品Pが実装点に実装される。また、このような部品Pの実装時にも、制御部19は、カメラ12による撮像を実行させてもよい。このとき、制御部19は、図15の(b)に示す部品Pの吸着時と同様、その実装される部品Pを認識する。
ここで、部品実装装置M3が稼働状態にあるときに、カメラ12による撮像が行われる場合、そのカメラ12の撮像範囲には、部品Pだけでなく、ノズル10bの側面も含まれる。したがって、このときにも、判定部20は、ノズル10bの属性を読み取ってもよい。つまり、図15の(b)および(d)に示すように撮像が行われると、判定部20は、その撮像結果からノズル10bの属性を読み取ってもよい。
このように、本実施の形態では、カメラ12は、部品実装装置M3が稼働している状態において、ノズル10bが鉛直方向に動いている間に撮像を行ってもよい。これにより、稼働中にもノズル10bの属性を読み取ることができ、さらに、ノズル10bに保持されている部品Pを認識することができる。
なお、図15に示す例では、(a)ノズル10bが原点位置にあるときと、(c)ノズル10bがX軸方向またはY軸方向に移動しているときには、カメラ12による撮像は行われていないが、このときにも撮像が行われていてもよい。つまり、カメラ12は、(a)~(d)に示す期間中、継続的に撮像を行っていてもよい。
ここで、判定部20は、図12~図15に示すように、ノズル10bの属性を読み取ると、その読み取られたノズル10bの属性が既定属性に一致するか否かを判定する。制御部19は、一致しないと判定部20によって判定されると、実装ヘッド10などを制御することによって、実装ヘッド10に装着されているノズル10bを、ステージ11に載置されているノズル10bに交換させる。具体的には、制御部19は、データ格納部21に格納されている生産データ21aおよびステージデータ21bを参照する。つまり、制御部19は、生産データ21aに既定属性として示されるノズル10bの属性を、ステージデータ21bから検索する。そして、制御部19は、ステージデータ21bにおいて、その既定属性に関連付けられているステージ11上の位置を特定する。制御部19は、駆動機構22および実装ヘッド10を制御することによって、実装ヘッド10に装着されているノズル10bを外してステージ11に載置させる。その後、制御部19は、駆動機構22および実装ヘッド10を制御することによって、上述のように特定された位置に載置されているノズル10bを実装ヘッド10に装着させる。これにより、ノズル10bが交換される。
このように、本実施の形態における制御部19は、読み取られたノズル10bの属性(すなわち第1属性)が既定属性と一致しないと判定部20によって判定された場合には、そのノズル10bを他のノズル10bに交換させる。つまり、制御部19は、ステージ11上にある少なくとも1つの位置と、その少なくとも1つの位置のそれぞれに関連付けられたノズル10bの属性とを示すステージデータ21bを参照する。そして、制御部19は、そのステージデータ21bにおいて、その既定属性に関連付けられている位置を特定し、実装ヘッド10を制御することによって、実装ヘッド10に装着されているノズル10b(すなわち第1保持部)を、特定された位置に載置されているノズル10b(すなわち第2保持部)に交換させる。
これにより、実装ヘッド10に装着されているノズル10bが正しいノズル10bでない場合には、ステージデータ21bに基づいてノズル10bの交換が行われる。つまり、実装ヘッド10に装着されているノズル10bは、ステージ11に載置されている他のノズル10bに交換される。したがって、ノズル10bの誤装着をより抑制することができる。
また、制御部19は、生産データ21aに既定属性として示されるノズル10bの属性がステージデータ21bに見当たらない場合には、そのことを報知部17に報知させてもよい。つまり、制御部19は、ステージデータ21bにおいて既定属性に関連付けられている位置が特定されない場合には、既定属性を有するノズル10bがステージ11に載置されていないことを報知部17に報知させる。これにより、ステージ11に正しいノズル10bがない場合には、そのことが部品実装装置M3の操作者に報知される。したがって、操作者は、例えば倉庫などから正しいノズル10bを取り出して実装ヘッド10に取り付けることができる。その結果、ノズル10bの誤装着をさらに抑制することができる。
ここで、ステージデータ21bは、ステージ11に実際に載置されている少なくとも1つのノズル10bのそれぞれの位置および属性と異なる内容を示している場合がある。したがって、制御部19は、交換されたノズル10bの撮像をカメラ12に実行させ、その交換されたノズル10bの属性を判定部20に読み取らせてもよい。この場合、判定部20は、その交換されたノズル10bの属性が既定属性と一致するか否かを判定する。
つまり、本実施の形態におけるカメラ12は、交換されたノズル10bである第2保持部の側面を上述の撮像方向から撮像する。そして、判定部20は、カメラ12による撮像結果から第2保持部の属性を第2属性として読み取り、その第2属性が既定属性と一致するか否かを判定する。第2属性が既定属性と一致しないと判定部20によって判定された場合には、制御部19は、ステージ11に載置されているノズル10bをカメラ12に撮像させる。
図16は、ステージ11に載置されているノズル10bの撮像の一例を示す図である。
カメラ12は、図16に示すように、ステージ11に載置されている全てのノズル10bの側面を撮像する。なお、カメラ12は、ステージ11に載置されている全てのノズル10bの側面が1つのフレームに収まるように撮像してもよく、全てのノズル10bのそれぞれの側面を個別に撮像してもよい。
また、ステージ11に載置されている全てのノズル10bの側面のそれぞれには2Dコード31が付されている。したがって、制御部19は、カメラ12によって撮像された、上述の全てのノズル10bの側面のそれぞれに付されている2Dコード31から、それらのノズル10bのノズルIDを属性として読み取る。さらに、制御部19は、カメラ12によって撮像された上述の全てのノズル10bの側面の幅から、それらのノズル10bのノズル径を属性として読み取ってもよい。さらに、制御部19は、カメラ12による撮像によって得られた画像に映し出されている各ノズル10bのステージ11上における位置を特定する。その結果、制御部19は、ステージ11上の位置ごとに、その位置に載置されているノズル10bの属性、すなわちノズルIDおよびノズル径を特定する。そして、制御部19は、ステージデータ21bに示される位置および属性が、その特定された位置および属性と一致するように、ステージデータ21bを更新する。
このように、本実施の形態における制御部19は、第2属性が既定属性と一致しないと判定部20によって判定された場合には、ステージ11に載置されている少なくとも1つのノズル10bのそれぞれの側面をカメラ12に撮像させる。そして、制御部19は、そのカメラ12による撮像結果に基づいて、ステージデータ21bを更新する。これにより、ステージデータ21bに示される内容に誤りがあり、その結果、交換されたノズル10bが正しいノズル10bでないと判定される場合には、そのステージデータ21bを正しい内容に更新することができる。
図17は、部品実装装置M3の処理動作の一例を示すフローチャートである。
まず、部品実装装置M3のカメラ12は、鉛直方向および水平方向のそれぞれに対して傾いた撮像方向から、実装ヘッド10に装着されているノズル10bの側面を撮像する(ステップS1)。そして、判定部20は、そのカメラ12による撮像結果からそのノズル10bの属性を読み取る。例えば、カメラ12は、部品実装装置M3による部品実装の運転が開始される前、その開始直後、またはその運転中に開閉カバー16が開放されたときに、ノズル10bの撮像を行う。そして、判定部20は、そのときに読み取られたノズル10bの属性を既定属性として扱ってもよい。つまり、判定部20は、そのときに撮像されたノズル10bが正しいノズル10bであると判定してもよい。
そして、制御部19は、実装ヘッド10に装着されているノズル10bに変化があったか否かを判定する(ステップS2)。つまり、制御部19は、そのノズル10bの交換があったか否か、または、そのノズル10bの交換が行われた可能性が高いか否かを判定する。例えば、制御部19は、開閉カバー16の開放がカバー検出部18によって検出されると、ノズル10bの交換が行われた可能性が高いため、ノズル10bに変化があったと判定する。または、図14に示す例のように、制御部19は、カメラ12による撮像を継続させ、その撮像結果に基づいて、実装ヘッド10に装着されているノズル10bの交換が行われたか否か、すなわち、ノズル10bに変化があったかを判定する。
ここで、制御部19は、ノズル10bに変化があったと判定すると(ステップS2のYes)、実装ヘッド10に装着されている変化後のノズル10bの側面の撮像を、カメラ12に実行させる(ステップS3)。そして、判定部20は、そのカメラ12による撮像結果に基づいて、変化後のノズル10bが正しいノズル10bであるか否かを判定する(ステップS4)。つまり、判定部20は、カメラ12による撮像結果から変化後のノズル10bの属性を読み取り、生産データ21aを参照することによって、その読み取られた属性が、実装対象の部品Pに対して予め対応付けられている既定属性と一致するか否かを判定する。
ここで、制御部19は、変化後のノズル10bが正しいノズル10bではないと判定すると(ステップS4のNo)、実装ヘッド10に対して、装着されている変化後のノズル10bを、ステージ11に載置されているノズル10bに交換させる(ステップS5)。このときには、制御部19は、上述のようにステージデータ21bを参照することによって、既定属性に関連付けられている位置を特定し、ステージ11上のその位置に載置されているノズル10bに交換させる。なお、制御部19は、ステージデータ21bにおいて、既定属性に関連付けられている位置を見つけ出すことができなかった場合には、正しいノズル10bがステージ11に載置されていないことを報知部17に報知させる。
そして、制御部19は、実装ヘッド10に装着されている交換後のノズル10bの側面の撮像を、カメラ12に実行させる(ステップS6)。その後、判定部20は、ステップS4と同様、そのカメラ12による撮像結果に基づいて、交換後のノズル10bが正しいノズル10bであるか否かを判定する(ステップS7)。
ここで、制御部19は、交換後のノズル10bが正しいノズル10bではないと判定すると(ステップS7のNo)、ステージ11上に載置されている各ノズル10bをカメラ12で認識する(ステップS8)。つまり、制御部19は、図16に示すように、ステージ11に載置されている全てのノズル10bの側面の撮像をカメラ12に実行させて、それらのノズル10bの属性を読み取る。このとき、制御部19は、読み取られた各ノズル10bの属性などに基づいて、ステージデータ21bを更新する。そして、制御部19は、読み取られた各ノズル10bの属性の中に既定属性が含まれているか否か、すなわち、ステージ11に正しいノズル10bが載置されているか否かを判定する(ステップS9)。
制御部19は、正しいノズル10bがステージ11に載置されていると判定すると(ステップS9のYes)、実装ヘッド10に対して、装着されている交換後のノズル10bを、ステージ11に載置されている正しいノズル10bにさらに交換させる(ステップS10)。このときには、制御部19は、更新後のステージデータ21bを参照することによって、既定属性に関連付けられている位置を特定し、ステージ11上のその位置に載置されている正しいノズル10bに交換させる。
一方、制御部19は、正しいノズル10bがステージ11に載置されていないと判定すると(ステップS9のNo)、正しいノズル10bがないことを報知部17に報知させる(ステップS11)。
以上、本実施の形態では、傾いた撮像方向から撮像が行われるため、ノズル10bが実装ヘッド10に装着されていても、あるいは、ノズル10bに鍔部がなくても、そのノズル10bの側面を容易に撮像することができる。そして、その読み取られた属性が既定属性と一致するか否かが判定されるため、そのノズル10bが正しいノズル10bであるか否かを判定することができる。これにより、ノズル10bの誤装着を抑制することができる。その結果、実装品質の低下をより抑えることができる。
(変形例)
以上、一つまたは複数の態様に係る部品実装装置およびその管理方法などについて、実施の形態およびその変形例に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものも、本開示の範囲内に含まれてもよい。
例えば、上記実施の形態では、図9に示すように、報知部17、制御部19、判定部20、およびデータ格納部21は、部品実装装置M3に備えられているが、これらの全てまたは一部は、部品実装装置M3ではなく、端末装置200に備えられていてもよい。例えば、報知部17は、端末装置200のディスプレイとして構成されていてもよい。
また、上記実施の形態では、報知部17は、報知内容をディスプレイに表示するが、ディスプレイの代わりに1つ以上のランプを備え、それらのランプの点灯、消灯または点滅によって報知してもよい。また、報知部17は、報知内容の表示の代わりに、または、その表示と共に、報知内容を音または音声で出力してもよい。例えば、報知部17は、スピーカなどを有し、ステージ11に正しいノズル10bが載置されていないことをそのスピーカから音声で出力する。
また、上記実施の形態では、2Dコード31からノズルIDが読み取られるが、ノズルID以外の属性が読み取られてもよい。例えば、ノズルID、ノズル径、ノズル10bの吸着口の形状、ノズル10bの長さ、およびノズル10bのタイプのうちの少なくとも1つがそれぞれ属性として読み取られてもよい。
また、上記実施の形態では、ノズル10bの側面からノズル径が読み取られるが、ノズル径以外の属性が読み取られてもよい。例えば、ノズル径、ノズル10bの長さ、ノズル10bの色、およびノズル10bの形状のうちの少なくとも1つがそれぞれ属性として読み取られてもよい。
また、上記実施の形態におけるノズル10bの属性は、ノズルIDおよびノズル径に限らず、そのノズル10bに関する情報であれば、どのような情報であってもよい。さらに、定期的にノズル10bに関する情報、特にノズル径やノズル10bの長さ等の情報を取得することで、使用時間経過によるノズル10bの曲がり、または汚れ等の状態変化を管理してもよい。
また、上記実施の形態では、保持部の例としてノズル10bをあげたが、保持部(例えば上述の第1保持部または第2保持部など)は、部品Pを吸着し、かつ、実装ヘッド10に着脱自在に装着される部材であれば、ノズル10b以外の部材であってもよい。
また、上記実施の形態では、ノズル10bは鍔部(いわゆるフランジ)を有していても有していなくてもよい。ノズル10bが鍔部を有する場合には、2Dコード31は、カメラ12によって撮像可能な位置であれば、そのノズル10bの側面であっても、鍔部であっても、どのような位置に付されていてもよい。
また、カメラ12は、ノズル10bと、そのノズル10bに吸着されている部品P、基板B、実装された部品Pのいずれかを連続または断続的に撮像し、不良が発生した際の要因分析にその撮像結果を用いるために履歴管理してもよい。
また、上記実施の形態におけるステージ11は、単なる台ではなく、実装ヘッド10に対するノズル10bの交換が容易に行われるように、制御部19によって制御される駆動機構を有していてもよい。
なお、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記実施の形態の部品実装装置M3などを実現するソフトウェアは、図17に示すフローチャートに含まれる各ステップをコンピュータに実行させるプログラムである。
なお、以下のような場合も本開示に含まれる。
(1)上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。前記RAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
(2)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
(3)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。前記ICカードまたは前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカードまたは前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、前記ICカードまたは前記モジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
(4)本開示は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
また、本開示は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている前記デジタル信号であるとしてもよい。
また、本開示は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
また、本開示は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。
また、前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、または前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
(5)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。