JP7355706B2 - 油分を含有する廃水の処理方法及び処理装置 - Google Patents

油分を含有する廃水の処理方法及び処理装置 Download PDF

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本発明は、油分を含有する廃水の処理方法及び処理装置に関し、例えば、植物油の製造又は精製工場等から排出される油分を含有する廃水の処理に好適な油分を含有する廃水の処理方法及び処理装置に関する。
油分を含有する廃水(以下「含油廃水」という)としては鉱物油、動植物油等の様々な油を含有する廃水が知られているが、いずれの場合においても処理が難しい廃水である。例えば、ヘキサン抽出物質(以下、「n-Hex」という)濃度が数千~数万mg/Lの含油廃水は、水と油分が乳化(エマルジョン)した状態であるため、油水分離が非常に難しく、油水分離を促進するための方法が必要となる。
一般的な含油廃水の処理方法としては、オイルトラップ、凝集沈殿処理、加圧浮上処理などの物理化学的処理方法と、生物処理を利用した処理方法が用いられている。しかしながら、処理の複雑化や大量の曝気が必要となる場合があり、処理効率性に問題がある。
特開昭51-74463号公報(特許文献1)には、工業廃水に無機酸を添加して、水温60~100℃、pH1.5以上4.5以下の条件において、活性白土や酸性白土を加えて油分を吸着処理し、油分吸着後の白土を沈降分離し、さらに上記水温およびpH条件下で過酸化水素を添加し、中和処理および沈殿物除去処理を行う処理方法が記載されている。
特開平8-225621号公報(特許文献2)には、特定の構成を有するカチオン性単量体およびアニオン性単量体を必須成分とする複数種の単量体混合物の重合を行う際に、重合物を溶解しない塩水溶液中で、その塩水溶液に溶解可能な高分子電解質の分散剤の共存下において撹拌しながら重合処理する貯蔵安定性の優れた易流動性の両性水溶性重合体分散液の製造方法が記載されている。
特開2003-144805号公報(特許文献3)には、乳化廃水をエマルジョン化生成手段あるいは油相除去手段によりエマルジョン化し、これに磁性粉及び凝集剤を注入して磁性フロックを形成し、磁性フロックを磁気力により吸引分離して、大気中で回収する油水分離装置が記載されている。
特開2004-105915号公報(特許文献4)には、エマルジョン(乳化)の油分を含む廃水から油分を分離除去する廃水の処理装置において、廃水を酸性領域に調整することによって、廃水中のエマルジョンを分解した酸処理水を生成する酸処理槽と、酸処理水に含まれる固形物を自然沈降させて上澄み液を後段に送る中継槽と、中継槽から送られた上澄み液に遠心力を付与することによって、油分を分離した分離処理水を取り出す遠心分離機を備える廃水の処理装置が記載されている。
特開2013-248584号公報(特許文献5)には、特定のカチオン性単量体あるいは該カチオン性単量体および非イオン性単量体からなる単量体混合物を分散剤として塩水溶液に可溶な水溶性高分子を共存させ、該塩水溶液中にて撹拌下、分散重合した水溶性高分子微粒体からなる分散液を希釈せずまたは希釈水で混合後の不完全溶解混合物を排水に添加し、凝集後に固液分離する排水処理方法が記載されている。
特許第5621254号公報(特許文献6)には、含油廃水に対し特定の物性を有する有機凝結剤を添加し、さらに高分子凝集剤を添加し、生成した凝集フロックを浮上分離する含油廃水の処理方法が記載されている。
特開2019-181416号公報(特許文献7)には、乳化剤を含有する油脂構成物を含むエマルジョン性含油排水の油水分離方法について、静置により油水分離を行う第一油水分離工程と分離された含油エマルジョン排水中の特定成分の含有量を分析する分析工程と、分離された廃水の特定成分を分析し、特定成分の含有量から、予め作成された選定基準に基づき油水分離剤の種類と添加濃度を決定する分離剤選定工程と、決定条件に基づき油水分離剤を添加する工程と、油水分離剤添加後にバブリング撹拌を行い油水分離する第二油水分離工程が記載されている。
特開昭51-74463号公報 特開平8-225621号公報 特開2003-144805号公報 特開2004-105915号公報 特開2013-248584号公報 特許第5621254号公報 特開2019-181416号公報
しかしながら、上記従来技術のいずれも、特殊な処理条件及び処理剤を利用した特殊且つ複雑な処理を経て廃水処理をする例が記載されるだけであり、処理効率及び処理装置の効率化及び簡略化の点においては、まだ検討の余地がある。
上記課題を鑑み、本発明は、油分を含有する廃水中の油分をより効率良く簡易に処理することが可能な、油分を含む廃水の処理方法及び処理装置を提供する。
上記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果、油分を含有する含油廃水に酸性条件下で乳化破壊剤を注入して油分フロックを形成させ、これを固液分離することが有効であることを見出した。
以上の知見を基礎として完成した本発明の実施の形態に係る油分を含有する廃水の処理方法は一側面において、油分を含有する含油廃水に対し、酸性条件下で乳化破壊剤を注入し、乳化破壊剤と含油廃水とを混和し、含油廃水中の乳化物を乳化破壊させて含油廃水中に油分フロックを生成させ、油分フロックを生成させた含油廃水を固液分離し、油分フロックを回収する工程を有する油分を含有する廃水の処理方法である。
本発明の実施の形態に係る油分を含有する廃水の処理方法は一実施態様において、pH4のカチオン度が1.0~5.0meq/gの乳化破壊剤を注入する。
本発明の実施の形態に係る油分を含有する廃水の処理方法は別の一実施態様において、含油廃水にpH調整剤を添加し、含油廃水をpH5以下に調整するpH調整工程を有する。
本発明の実施の形態に係る油分を含有する廃水の処理方法は更に別の一実施態様において、含油廃水に乳化破壊剤を注入する前に、含油廃水に無機凝集剤を注入する工程を有する。
本発明の実施の形態に係る油分を含有する廃水の処理方法は更に別の一実施態様において、固液分離が、油分フロックの浮上速度が200mm/min以上となるように油分フロックの浮上分離を行う。
本発明の実施の形態に係る油分を含有する廃水の処理装置は一側面において、油分を含有する酸性の含油廃水に乳化破壊剤を注入する乳化破壊剤注入手段と、乳化破壊剤と含油廃水とを混和し、含油廃水中の乳化物を乳化破壊させて含油廃水中に油分フロックを生成させる混和・反応手段と、油分フロックを含む含油廃水を固液分離し、油分フロックと処理水とを得る固液分離手段とを備える油分を含有する廃水の処理装置である。
本発明によれば、廃水中の油分をより簡易な処理で効率良く処理することが可能な油分を含む廃水の処理方法及び処理装置が提供できる。
本発明の実施の形態に係る油分を含有する廃水の処理方法の一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態に係る油分を含有する廃水の処理装置の一例を示す概略図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。
本発明の実施の形態に係る油分を含有する廃水の処理方法は、図1に示すように、含油廃水を酸性条件に調整するpH調整工程S1と、酸性条件において、含油廃水に乳化破壊剤を注入し、乳化破壊剤と含油廃水とを混和し、含油廃水中の乳化物を乳化破壊させて含油廃水中に油分フロックを生成させる混和・反応工程S2と、油分フロックを生成させた含油廃水を固液分離し、油分フロックを回収する固液分離工程S3とを有する。
(含油廃水)
処理対象となる被処理水としては、油分と有機物とを含む含油廃水であって、例えば、油精製工場、食品加工工場、食品製造工場、飲料水生産工場、機械工場、自動車工場など各種工場で発生する廃水、或いは、下水、し尿又は浄化槽からの放流水が挙げられる。中でも特に植物油の製造または精油工場などから排出される含油廃水を被処理水として処理することができる。
本実施形態において、油分とは、常温で液体の油のみならず、常温で固体の脂肪、即ち、油脂類全般を示す。被処理水に含まれる油分としては、植物油、動物油、鉱物油などがあり、これら油分を1種又は2種以上含有してもよい。含油廃水中の油分の状態は、水と油が乳化した状態であるか、又は、水と油が分離しているか、又は、乳化又は分離の状態が混在した状態を含む。一般的に、廃水中の油分の濃度は、ヘキサン抽出物質(以下、n-Hex)(JIS K0102(2019))の濃度を分析することにより測定できる。
有機物としては、炭水化物、タンパク質、脂質、核酸、アルコール類、脂肪酸、界面活性剤、塗料など1種類以上の有機物を含有することができる。広い意味では上述の油分として列挙した植物油、動物油、鉱物油も有機物に包含されることがある。有機物は、動植物油由来の物質でも化学的に合成された物質でもよいし、これら物質の分解物でも良い。被処理水には無機物を含むこともある。
含油廃水の水温が低すぎて含有される油分の融点より低いと、油分が固形状となり、後述する乳化破壊剤との反応が不十分になる場合がある。含油廃水の水温が高すぎると、後述する乳化破壊剤の性状が変化し、油分との反応が不十分になる場合がある。そのため、含油廃水の水温は含油廃水の種類に応じて適切な範囲にすることが好ましい。含油廃水の水温は以下に限定されないが、例えば、5℃以上70℃以下が好ましく、20℃以上60℃以下がより好ましく、30℃以上50℃以下がより一層好ましい。
含油廃水に含まれる油分の濃度(n-Hex)の範囲は以下に限定されるものではないが、典型的には500mg/L以上7,000mg/L以下であり、より典型的には1,000mg/L以上6,500mg/L以下である。
(pH調整工程S1)
pH調整工程S1では、含油廃水を酸性条件とするために、典型的には含油廃水にpH調整剤を添加する。処理対象とする含油廃水が既に酸性条件である場合には、pH調整工程S1は省略することもできる。また、混和・反応工程S2において、乳化破壊剤を注入する直前にpH調整剤を添加し、pH調整を行うことも可能である。
pH調整剤の種類は特に限定されないが、水酸化ナトリウム水溶液、或いは硫酸、塩酸、硝酸、りん酸、ホウ酸などの無機酸が一般的に用いられる。特に、貯留手段(貯留槽)1(図2参照)の維持管理上の問題から、pH調整剤としては、硫酸の使用がより好ましい。
含油廃水にpH調整剤を添加する前、又は、pH調整剤の添加と同時に、無機凝集剤を添加することが好ましい。これにより、後述する混和・反応工程S2で生成される油分フロックの生成を促進させ、混和・反応工程S2で添加される乳化破壊剤の使用量を低減することができる。
無機凝集剤としては、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化アルミニウム、ポリ硫酸第2鉄(ポリ鉄)、硫酸第2鉄、塩化第2鉄あるいはこれらの混合物が使用可能である。無機凝集剤の使用により、乳化破壊剤の使用量を削減できる場合がある。
pH調整工程S1では、上記pH調整剤を含油廃水に注入して機械撹拌等により撹拌することで、含油廃水を、酸性条件であるpH7未満、好ましくはpH6以下、より好ましくはpHを5以下、より更に好ましくはpH4以下、より更に好ましくはpH3以下に調整する。含油廃水のpHが7以上だと、油水分離は可能であるものの乳化破壊剤の使用量が急増することがある。含油廃水のpHがアルカリ性の場合は更に多量の乳化破壊剤の注入を要し、さらに十分な油水分離を実施できないことがある。一方、含油廃水のpHが低すぎるとpH調整剤の注入量が多くなり、効率的な処理とはいえない場合がある。よって、含油廃水のpHは1以上、より好ましくはpH2以上、より更に好ましくはpH2.5以上とする。
(混和・反応工程S2)
混和・反応工程S2では、油分を含有する含油廃水に乳化破壊剤を注入し、乳化破壊剤と含油廃水とを撹拌羽根等を用いて機械撹拌することにより混和させ、含油廃水中の乳化物を乳化破壊させて含油廃水中に油分フロックを生成させる。
乳化破壊剤としては、含油廃水中の乳化(エマルジョン)を破壊する作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、カチオン性の乳化破壊剤、アニオン性の乳化破壊剤、両性の乳化破壊剤、ノニオン性の乳化破壊剤等が利用できる。また、水溶性の乳化破壊剤及び油溶性の乳化破壊剤のいずれも使用できる。乳化破壊剤を複数種類添加してもよい。
特に好ましい乳化破壊剤としては、ポリアクリル酸エステル系乳化破壊剤、より具体的には、アクリルアミド・[2-(アクリロイルオキシ)エチル]ベンジルジメチルアンモニウム=クロリド・[2-(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム=クロリド共重合物を含むものが挙げられる。乳化破壊剤の形態は特に限定されないが、一般的には液体状であり、粉体状でもよい。本実施形態に係る乳化破壊剤は、ディスパージョンポリマ、乳化破壊剤、油水分離剤、水溶性重合分散液などとも称されることもある。
(カチオン度)
本実施形態に係る乳化破壊剤は、pH4におけるカチオン度を好適な値に調整する。pH4におけるカチオン度(0.2質量%溶液)は1.0meq/g以上とすることが好ましく、1.5meq/g以上とすることが好ましく、2.0meq/g以上とすることが更に好ましい。乳化破壊剤のpH4におけるカチオン度の上限値は5.0meq/g以下とすることができ、より好ましくは3.5meq/g以下であり、更に好ましくは3.0meq/g以下である。
乳化破壊剤のpH4におけるカチオン度は以下の手順で測定することができる。室温操作下で乳化破壊剤を純水に溶解し、500mg/Lの乳化破壊剤水溶液(成分換算)を調製する。次に90mLの純水と10mLの乳化破壊剤水溶液を混合し、0.1規定の塩酸水溶液でpH4に調整する。これにトルイジンブルーを加え、1/400規定のポリビニル硫酸カリウムで滴定する。滴定では、青色から赤紫色に変色して15秒以上保持する時点を終点とする。カチオン度(コロイド当量値)は以下の式(1)から計算する。
カチオン度(meq/g)=滴定量(mL)/2 ・・・(1)
(分子量)
乳化破壊剤の分子量は特に限定されないが、典型的には500万以上900万以下、好ましくは550万以上700万以下、より好ましくは600万以上700万以下である。この分子量は、固有粘度(0.2N-NaCl水溶液中25℃での測定値、単位はdl/g)から換算して求められるもので、ポリアクリルアミド系高分子の粘度式:[η]=3.02×10-4×(Mw)0.68[「ポリマー凝集剤・使用の手引き」、東京都下水道サービス(株)、平成14年3月、p.113]から(Mw)を便宜上求めることができる。
(回転粘度)
乳化破壊剤の0.2重量%溶液の回転粘度(回転粘度計、25℃で測定)は特に限定されないが、具体的には5mPa・s以上400mPa・s以下が好ましく、7mPa・s以上40mPa・s以下が更に好ましく、特に10mPa・s以上35mPa・s以下がより好ましい。このような乳化破壊剤を使用することで、ハンドリング性の向上や廃水との混合が容易になる。
(溶解濃度及び使用方法)
乳化破壊剤は、希釈してもよいし、無希釈の原液での使用も可能である。ここで「原液」とは、例えば「乳化破壊剤」として流通可能な液状製品(例えば水溶液)を意味し、乳化破壊剤成分(乳化破壊剤として上述に説明した化合物の特徴)に加え、水などの溶媒や任意の添加剤を含む場合もある。例えば、乳化破壊剤の有効成分の含有量が10質量%以上、好ましくは20質量%以上であり、その含有量上限は例えば90質量%、好ましくは70質量%、より好ましくは50質量%である。このような原液で使用した場合の油水分離の効果は高いが、廃水中に分散させやすくする観点から、希釈液(水)で希釈後に、廃水に添加することも可能である。
上記観点から、乳化破壊剤の原液の溶解濃度は、特に0.1質量%以上1.0質量%以下が好ましい。より好ましい溶解濃度は0.2質量%以上0.5質量%以下である。希釈液(溶媒)には、水を主成分(50質量%以上)とし、好ましくは水を90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、特に好ましくは99質量%以上を含み、特に実質的に水からなるものを用いる。具体的には、純水、水道水、工業用水、地下水、各種廃水処理の処理水、海水などが希釈液として使用できるが、経済的な観点からは、工業用水、地下水、各種廃水処理の処理水が好ましい。
乳化破壊剤の含油廃水への注入量(純分ベース)は、例えば1.0~600mg/Lとすることができ、より典型的には、5.0~150mg/Lとすることができ、更に典型的には10~60mg/Lとすることができる。乳化破壊剤の注入量の比率(対 n-Hex)は0.0005~0.5とすることができ、より典型的には0.001~0.4とすることができる。
(固液分離工程S3)
固液分離工程S3では、油分フロックを生成させた含油廃水を固液分離し、油分フロックを回収して処理水を得る。固液分離方法としては以下に限定されないが、処理の簡易さと効率性を勘案すると、混和・反応工程S2で得られた油分フロックを有する含油廃水を固液分離手段(静置槽)3内(図2参照)で静置することにより、油分フロックを浮上させて回収する浮上分離処理を行うことが好ましい。
具体的には、油分フロックの浮上速度に応じて定められた容積を有する静置槽3内に、混和・反応工程S2で得られた油分フロックを有する含油廃水を供給して一定期間静置する。原則、油分フロックの比重は水と比較して軽いため自然に浮上する。混和・反応工程S2における乳化破壊剤の注入及び混和により、含油廃水中の油分フロックと水分とが分離した状態にあるため、本工程で静置させることで油分フロックが浮上し、水と油分フロックとの固液分離が行える。油分フロックの比重が水と比較し重い場合は、油分フロックを沈降させることで固液分離することも可能である。
固液分離工程S3では、油分フロックの浮上速度を制御することにより、油分フロックと処理水との固液分離の効率を向上させることが好ましい。油分フロックの浮上速度が遅いと、油分フロックの分離に要する時間が長くなり、静置槽3の容積が大きくなってしまうため、例えば、油分フロックの浮上速度が200mm/min以上、より好ましくは300mm/min以上、更に好ましくは400m/min以上となるように油分フロックの浮上分離を行うことが好ましい。
固液分離により静置槽3の上方に浮上した油分フロックは、例えば、水面のフロックを掻き集めるセパレーターなどの浮上物掻取装置などの回収手段を用いて回収する。静置槽3の下方に沈降する油分フロックは、静置槽3下部にフロック掻取装置を設けて回収する。回収後の油分フロックは、産業廃棄処分することも可能であるが、油分の含有率が高く、カロリーも高いため有効活用することも可能である。例えば、油分フロックを燃料として改質し、燃焼用の燃料とすること、或いは、油分フロックから特定の油分を分離・抽出し再利用すること、などが挙げられる。
固液分離工程S3で得られた処理水は、清澄性も良好であり、ヘキサン抽出物質除去率、有機物除去率、及びSS除去率のいずれも良好となる。本実施形態に係る処理方法によれば、SS除去率が80%以上、より典型的には90%以上、有機物(CODMn、BOD)除去率が50%以上、より典型的には70%以上、ヘキサン抽出物質除去率が95%以上、より典型的には98%以上の良質な処理水が得られる。また、処理水の水質に応じて、更に、中和処理、簡単な加圧浮上処理、生物処理の少なくともいずれかの処理を行うことによって、処理水の清澄性をより高めることができる。加圧浮上処理の代わりに、簡単な曝気処理を行うこともまた可能である。
本発明の実施の形態に係る油分を含有する廃水の処理方法によれば、含油廃水を酸性条件下で所定の乳化破壊剤を加えて固液分離することにより、鉱物油、動植物油等の処理が難しい廃水中の油分を、より簡易な処理で効率良く処理することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る油分を含有する廃水の処理装置は、図2に示すように、酸性条件において油分を含有する含油廃水に乳化破壊剤を注入する乳化破壊剤注入手段21と、乳化破壊剤と含油廃水とを混和し、含油廃水中の乳化物を乳化破壊させて含油廃水中に油分フロックを生成させる混和・反応手段2と、油分フロックを含む含油廃水を固液分離し、油分フロックと処理水とを得る固液分離手段3とを備える。
含油廃水は、貯留槽等の貯留手段1へ供給されて一定期間貯留され、貯留手段1内の含油廃水のpHが酸性条件、より好ましくはpH5以下となるように、必要に応じて、供給ポンプ等を備えたpH調整剤注入手段11を介してpH調整剤が注入される。pH調整剤注入手段11には、pH調整剤貯留槽12が接続されている。pH調整剤は、pH調整剤貯留槽12に貯蔵され、pH調整時にpH調整剤注入手段11を経て、貯留手段1へ注入される。図示していないが、貯留手段1は更に、含油廃水に乳化破壊剤を注入する前に、含油廃水に無機凝集剤を注入するための無機凝集剤注入手段を備え、pH調整剤の注入前又はpH調整剤の注入と同時に含油廃水に無機凝集剤を注入してもよい。また、pH調整剤注入手段11は混和・反応手段2の乳化破壊剤注入手段21の直前へ変更することも可能であり、乳化破壊剤の注入直前にpH調整剤を注入しても良い。これにより、貯留手段1を省略して装置全体を小型化及び簡略化できる。
貯留手段1では、効率的にpH調整を行うため、撹拌を行うことが好ましい。撹拌手段としては、例えば、撹拌羽根等による機械撹拌が挙げられる。撹拌羽根の回転速度は特に限定されないが、含油廃水とpH調整剤及び必要に応じて無機凝集剤が十分に混合される速度に調整されることが好ましい。
含油廃水のpHを確認するため、pH調整前およびpH調整後の廃水に対して、pH測定手段を設置することが好ましい。pH調整手段としては、例えば、連続的にpH測定するpH計測装置などが挙げられ、中でも特に、pH測定結果を別の記録装置に転送し、記録可能なpH計を用いることが好ましい。貯留手段1において含油廃水のpHを特定の範囲の酸性条件とすることで、乳化した油分が含油廃水中から分離し、後段の乳化破壊剤注入時に乳化破壊剤と油分との反応性を高めることが可能となる。
混和・反応手段2は、乳化破壊剤注入手段21を介して乳化破壊剤を含油廃水に注入し、乳化破壊剤注入後の廃水を機械撹拌により混和し、乳化破壊剤と油分を反応(乳化破壊)させることで油分を凝集させ、油分フロックとするための混和・反応槽である。乳化破壊剤注入手段21には、乳化破壊剤の原液を貯留するための乳化破壊剤貯留槽22と、乳化破壊剤を希釈水と希釈及び混和させ、希釈及び混和させた乳化破壊剤を貯留するための乳化破壊剤混和槽23を備えることができる。
乳化破壊剤貯留槽22に貯留された乳化破壊剤は、原液のまま使用する場合、供給ポンプなどを備えた乳化破壊剤注入手段21により、乳化破壊剤が混和・反応槽2内に供給される。乳化破壊剤を希釈する必要がある場合、乳化破壊剤を乳化破壊剤貯留槽22から供給ポンプなどで乳化破壊剤混和槽23へ供給し、希釈水(水道水、井水、純水、再生水、処理水など)などを用いて乳化破壊剤を希釈し、供給ポンプなどで混和・反応槽2へ注入することも可能である。乳化破壊剤は原液として使用した場合、希釈の必要がないため、工程を簡略化でき、希釈水を使用しないことによるコスト削減となるメリットがある。しかし、乳化破壊剤の注入量が少量である場合、非常に少量での注入が必要となるため、原液での注入が困難となる。その場合、乳化破壊剤混和槽23で希釈することにより、定量での乳化破壊剤の注入が可能となる利点がある。
混和・反応槽2に乳化破壊剤を注入することが困難な場合、pH調整後の廃水が供給された配管内に直接乳化破壊剤を供給することも可能である。乳化破壊剤の混和及び乳化破壊反応を促進するため、撹拌羽根などによる機械撹拌を行うことも好ましい。混和・反応手段2、乳化破壊剤貯留槽22及び乳化破壊剤混和槽23を設置することが困難な場合は、例えば、酸性条件の含油廃水に対して乳化破壊剤を注入した後に、配管内に設けられたラインミキサー等を用いて含油廃水を混合することで、省スペース化を図ることもできる。撹拌速度は特に限定されないが、含油廃水中の油分と乳化破壊剤とが十分に混合し、十分に乳化破壊が生じ、かつ生成した油分フロックが崩壊しない速度となるように調整することが好ましい。
固液分離手段3は、油分フロックを含む含油廃水を浮上分離又は沈降分離により固液分離し、油分フロックと処理水とを得る装置であれば特に限定されず、例えば、静置槽等が用いられる。静置槽3の容積は、油分フロックの浮上速度(mm/min)により決定される。浮上速度は、油分フロックと含油廃水を撹拌後、静置した際のフロックの浮上速度を測定した指標であり、静置槽3の容積は、生成した油分フロックの殆どが十分浮上する容積とすることが好ましい。固液分離手段3には油分フロックを回収するための油分フロック回収手段が設けられる。油分フロック回収手段としては、セパレーターなどの浮上物掻取装置、沈降物掻取装置等が利用可能である。
本発明の実施の形態に係る油分を含有する廃水の処理装置によれば、油分を含有する廃水中の油分をより効率良く簡易に処理することが可能となる。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示すが、これらの実施例は本発明及びその利点をよりよく理解するために提供するものであり、発明が限定されることを意図するものではない。
本試験では、含油廃水のpH調整後に乳化破壊剤(以下「EB」ともいう)を注入し、浮上した油分フロックを分離した後の処理水の水質を分析し、処理性能を検討した。
<試験方法>
本試験では、植物油製造工場から排出された植物油を含む含油廃水3種類(廃水A、廃水B、廃水C)を使用した。試験に供した含油廃水の詳細を表1に示す。廃水A、廃水B、廃水CのpHはそれぞれ4.0、11.2、12.1、ヘキサン抽出物質(n-Hex)はそれぞれ3,040mg/L、1,840mg/L、6,210mg/Lであった。また廃水A、廃水Cの懸濁物質(以下、SS)は2,370mg/L、553mg/L、CODMnはそれぞれ3,690mg/L、6,500mg/L、BODはそれぞれ5,670mg/L、11,700mg/Lであった。なお、表1中の各項目(pH、ヘキサン抽出物質、SS、CODMn、BOD)の測定は、下水試験法(日本下水道協会発行、下水試験方法)に準拠して行った。
本試験に供した乳化破壊剤の物性を表2に示す。乳化破壊剤としては、乳化破壊剤a、b、c、d、e、f、gを用いた。乳化破壊剤a(ポリアクリル酸エステル系、分子量600万、回転粘度20mPa・s、pH4におけるカチオン度約2.1meq/g)、乳化破壊剤b(ポリアクリル酸エステル系、分子量700万、回転粘度31mPa・s、pH4におけるカチオン度約2.2meq/g)、乳化破壊剤c(ポリアクリル酸エステル系、分子量700万、回転粘度31mPa・s、pH4におけるカチオン度約2.8meq/g)を純水で希釈し、原液の溶解濃度40g/Lの乳化破壊剤希釈液として使用した。また、乳化破壊剤g(ポリアクリル酸エステル系、分子量900万、回転粘度372mPa・s、pH4におけるカチオン度約4.2meq/g)は純水に溶解し、溶解濃度20g/Lの乳化破壊剤希釈液として使用した。乳化破壊剤の注入量(純分ベース)は乳化破壊剤に含まれる有効成分としての注入量とした。乳化破壊剤の注入量(対油分)は、純分ベースの注入量をヘキサン抽出物質の濃度で割ることで算出し、油分に対して乳化破壊剤をどの程度注入する必要があるかの指標とした。
<試験手順>
以下の手順で試験を行った。
(1)ビーカーに250mLまたは500mLの原水を入れ、硫酸または水酸化ナトリウム水溶液でpHを調整した。
(2)pH調整済みの原水を水温35~40℃に調整後、EBを少量ずつ添加し、スパチュラで混和・反応(凝集)して油分フロックを形成させた。
(3)油分フロックの大きさ、形状、及び処理水の清澄性を目視で確認した。
(4)適正な油分フロックが形成されるまで工程(2)~(3)の手順を繰り返し行った。
(5)静置槽を模して30分間静置した後、上層の油分フロックや油層が入らないように、処理水を中間層から採取して水質分析を行った。
(6)工程(4)で形成された油分フロックと処理水の全量を共栓付きメスシリンダーに入れ、栓をして上下に振り混合した。混合後に静置し、フロックの浮上距離と時間を測定し、フロックの大きさごとにフロック浮上速度(mm/min)を算出した。
<油分フロックの判定方法>
油分フロックのフロック強度について、スパチュラで押した時、フロックが崩れないか、もしくはフロックが崩れて分散するかを判定した。フロックを押した時にフロック強度がある程度あり、フロックが崩れにくい場合を「フロック強度:あり」とした。また、フロックを押した時にフロック強度が弱く、フロックが崩れ、分散しやすかった場合を「フロック強度:弱い」とした。
<処理水の清澄性の判定方法>
処理水の清澄性を目視で確認し、以下のように判定した。また、以下の判定基準のいずれか一方の判断が難しい時は、「○-◎」のように判定した。
◎:透明であり、濁度が低く、透視度が高い状態
○:わずかに濁りがあるがほぼ透明であり、わずかな濁度があるが、透視度がある程度高い状態
△:原水の状態と比較し徐々に濁りが除去されてきた様子が確認できるが、濁度が高く、透視度も低い状態
×:濁度が高く、透視度も低い状態(原水に近い状態)
<実施例1:反応pHの検討>
試験手順は以下の通りである。試験例1-1~1-6として、廃水AまたはCをpH5、6、7の弱酸性~中性付近の条件とし、処理水の清澄性が最も良好となるまで乳化破壊剤gを注入した。試験例1-7~1-9では、廃水BをpH2~4の酸性条件とし、処理水の清澄性が最も良好となるまで乳化破壊剤aを注入した。試験例1-10~1-13では、廃水CをpH2~5の酸性条件とし、上記と同様の試験を実施した。試験結果を表3に示す。これらの結果から、pHを7未満の酸性条件、更にはpH6以下、更にはpH2~5、より更にはpH2~3とするにつれ、より少量の乳化破壊剤により処理水の清澄性を改善できることを確認した。
<実施例2:乳化破壊剤の適正カチオン度の検討>
試験手順は以下の通りである。試験例2-1、2-2、2-3として、pH3とした廃水Bに対し、乳化破壊剤d(カチオン度3.5meq/g)、乳化破壊剤e(カチオン度1.5meq/g)、乳化破壊剤f(カチオン度1.8meq/g)をそれぞれ適量注入し、油分フロックの形状、処理水の清澄性や水質を確認した。乳化破壊剤d、fのカチオン度は2.0meq/g未満であり、乳化破壊剤eのカチオン度は3.5meq/g以上であった。
試験例2-4、2-5、2-6として、pH3とした廃水Bに対し、乳化破壊剤a(カチオン度2.1meq/g)、乳化破壊剤b(カチオン度2.2meq/g)をそれぞれ適量注入し、油分フロックの形状、処理水の清澄性や水質を確認した。試験例2-4では、乳化破壊剤の適正量にわずかに達しない注入量での油分フロックと処理水質を確認した。また、油分フロック浮上速度を測定した。乳化破壊剤a、bのカチオン度は2.0~3.0meq/gであった。
試験結果を表4に示す。試験例2-1~2-6のいずれもヘキサン抽出物質除去率95%以上を達成できており、本実施形態によれば含油廃水中の油分を十分に処理できることが分かる。また、カチオン度1.8meq/gの乳化破壊剤fを用いた試験例2-3では、カチオン度1.5meq/gの乳化破壊剤eを用いた試験例2-2と比較すると、乳化破壊剤の注入量が少なくなり、処理水の清澄性の向上やヘキサン抽出物質除去率の改善も確認された。カチオン度3.5meq/gの乳化破壊剤dを用いた試験例2-1では、カチオン度1.5meq/gの乳化破壊剤eを用いた試験例2-2と比較すると、油分フロックの大きさが大きくなった。試験例2-4~2-6では、更に油分フロックの大きさが大きくなり、強度が良好となり、処理水の清澄性の向上やヘキサン抽出物質除去も改善している。
フロックの大きさが3mm以上である試験例2-4~2-5の油分フロック浮上速度の測定の際に、フロックが混合により一部崩れた。そのため、フロックの大きさが1~3mmまたは3mm以上のフロックの浮上速度をそれぞれ測定した。その結果、フロック浮上速度はフロックの大きさ1~3mmで200~300mm/min、フロックの大きさ3mm以上で400~500mm/minであり、200mm/min以上であった。
<実施例3:本処理方法による処理性能の検討>
pH2または3に調整した含油廃水Cに対し、乳化破壊剤aを注入し油水分離を行った。油水分離後の中間水層の処理水の確認と水質分析を行った。試験結果を表5に示す。いずれの処理水の清澄性も良好であり、ヘキサン抽出物質除去率とSS除去率が非常に高かった。また、有機物除去率(CODMn除去率、BOD除去率)も高かった。以上より、本処理方法により、油分、SS、有機物を同時に処理可能であることを確認した。
本発明は上記の実施の形態及び実施例によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態及び運用技術が明らかとなろう。本発明は上記の開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によって表されるものであり、実施段階においては、その要旨を逸脱しない範囲において変形し具体化し得るものである。
1…貯留手段(貯留槽)
2…混和・反応手段(混和・反応槽)
3…固液分離手段(静置槽)
11…pH調整剤注入手段
12…pH調整剤貯留槽
21…乳化破壊剤注入手段
22…乳化破壊剤貯留槽
23…乳化破壊剤混和槽
S1…pH調整工程
S2…混和・反応工程
S3…固液分離工程

Claims (7)

  1. 油分を含有する含油廃水に対し、酸性条件下でポリアクリル酸エステル系乳化破壊剤を注入し、
    前記乳化破壊剤と前記含油廃水とを混和し、該含油廃水中の乳化物を乳化破壊させて該含油廃水中に油分フロックを生成させ、
    前記油分フロックを生成させた前記含油廃水を前記油分フロックの浮上速度が200mm/min以上となる浮上分離により固液分離し、
    前記浮上分離で浮上した前記油分フロックを回収する工程
    を有することを特徴とする油分を含有する廃水の処理方法。
  2. H4のカチオン度が1.0~5.0meq/gの前記乳化破壊剤を注入することを特徴とする請求項1に記載の油分を含有する廃水の処理方法。
  3. 前記乳化破壊剤を注入する前に前記含油廃水にpH調整剤を添加し前記含油廃水をpH5以下に調整し
    前記含油廃水に前記乳化破壊剤を注入する前又は前記pH調整剤の添加と同時に前記含油廃水に無機凝集剤を注入する工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の油分を含有する廃水の処理方法。
  4. 油分を含有する含油廃水に対し、酸性条件下でアクリルアミド・[2-(アクリロイルオキシ)エチル]ベンジルジメチルアンモニウム=クロリド・[2-(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム=クロリド共重合物を含む乳化破壊剤を注入し、
    前記乳化破壊剤と前記含油廃水とを混和し、該含油廃水中の乳化物を乳化破壊させて該含油廃水中に油分フロックを生成させ、
    前記油分フロックを生成させた前記含油廃水を固液分離し、
    前記油分フロックを回収する工程
    を有することを特徴とする油分を含有する廃水の処理方法。
  5. 前記乳化破壊剤の前記含油廃水への注入量は、前記含油廃水中のヘキサン抽出物質量に対する前記乳化破壊剤の純分量の比率が0.0005~0.5となるように調整することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の廃水の処理方法。
  6. 油分を含有する酸性の含油廃水にポリアクリル酸エステル系乳化破壊剤を注入する乳化破壊剤注入手段と、
    前記乳化破壊剤と前記含油廃水とを混和し、前記含油廃水中の乳化物を乳化破壊させて含油廃水中に油分フロックを生成させる混和・反応手段と、
    前記油分フロックを含む前記含油廃水を前記油分フロックの浮上速度が200mm/min以上となるように容積を調整した静置槽内で静置させ、前記油分フロックを浮上させる浮上分離を行う固液分離手段と
    前記静置槽内に浮上した油分フロックを掻き集める浮上物掻取装置を備える回収手段と
    を備えることを特徴とする油分を含有する廃水の処理装置。
  7. 前記乳化破壊剤を注入する前に前記含油廃水にpH調整剤を添加して前記含油廃水をpH5以下に調整するpH調整手段と、
    前記含油廃水に前記乳化破壊剤を注入する前又は前記pH調整剤の添加と同時に前記含油廃水に無機凝集剤を注入する無機凝集剤注入手段と
    を備えることを特徴とする請求項6に記載の油分を含有する廃水の処理装置。
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