JP6344743B2 - 含油排水の処理システム及び方法 - Google Patents

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本発明は含油排水の処理システム及び方法に関する。
工場、石油施設、複合ビル施設、レストラン、ホテル、一般家庭などの排水には、石油原油、その精製油及び合成油等の鉱油やサラダ油、オリーブ油等の植物油脂、ラード、乳脂肪等の動物油脂が含まれている。加工、洗浄等によりでた排水は油分を含むが、各施設においては排水を適切に処理して排出規格基準以下に処理すべき義務がある。多くの施設では油を含む排水が処理施設に流れると、物理処理や化学処理し、より浄化を要する場合にはその後の工程で微生物による処理が行われる。しかし、処理能力以上の多量の油が流入すると処理が困難となり排水浄化に問題を呈する。
現在の標準的な排水処理方法である活性汚泥処理は、排水に油分が多量に含まれている場合は微生物による資化能力に不足が生じ、それ故、流入量が多くなると油と汚泥が結合し浮上して厚いスカムを形成し、処理槽や攪拌装置に附着して装置運転の妨げになる。そのため、現行の排水処理においては、高濃度油分の排水の場合は物理的に加圧浮上装置や化学的な凝集の後、スキマー等を用いて油分を除去する方法が採られ、これらの除去した油分は焼却されるが、水分を多く含んでいるために焼却費用が嵩むとともに保存中の悪臭が問題となっている。
膜分離装置にて固液分離をする活性汚泥排水処理において、生物活性助剤として、界面活性剤の一種であるサポニンを添加して含油排水を処理する方法が提案(特許文献1)されている。しかし、この方法では油分濃度としては200mg/L以下の比較的低い油分濃度に限られ、これ以上の濃度の排水では効果が生じない欠点があった。
特に鉱油の処理においては鉱油資化性菌が非常に稀有のために、動植物油脂の排水処理以上に困難な場合が多い。そのため、鉱油を多く含んでいる排水は加圧浮上やオイルセパレーターといった物理・化学処理を行うことで大部分の油分を除去し、その後、砂ろ過、活性炭処理といった複雑な工程を設置する処理が必要となる(非特許文献1)。また、自動車、機械部品工場ではその下流に生物処理槽、砂ろ過塔を配している(非特許文献2)、これらは設備が複雑となりイニシャルコストも処理に対するランニングコストも高くなる欠点があった。
特開平8−267095公報
「用水・排水の産業別処理技術、東京電気大学出版局p190〜193 「用水・排水の産業別処理技術、東京電気大学出版局 p206〜209
従来、鉱油や動植物油を含んだ排水の処理において、天然活性剤様物質では高濃度の油分を除去できず、高濃度の油分はオイルセパレーター工程やスキマーにて除去する工程を設置する必要がある。中でも乳化された油脂は取り除くことが困難であり、補足除去するために砂ろ過施設、活性炭処理施設等の設備を設けなければならなかった。当然、初期設備や砂や活性炭の維持管理に莫大な費用を要する。本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、オイルセパレーター工程やスキマーにて除去する工程を廃し、設備や管理が簡便で経費のかからない含油排水の処理システム及び方法を提供することを目的としている。
乳化手段を有する含油排水貯留槽に、含油排水を供給する手段と、界面活性剤を供給する手段と、金属塩を供給する手段と、水溶性コロイド物質を供給する手段と、凝集分離する手段と、を有する油分の除去処理設備及び方法である。
前記界面活性剤のプロピレンオキシド付加モル数が1以上70以下の群から選択される少なくとも1種以上の非イオン界面活性剤で乳化する油分の除去処理設備及び方法である。
前記水溶性コロイド剤がプラス0.5からプラス3.5meq/g及びマイナス0.1からマイナス2.7meq/gのコロイド値を有する両性コロイド剤であるものから選択される少なくとも1種以上とで凝集させる油分の除去処理設備及び方法である。
前記油脂が鉱油及び鉱油成分からの加工油を含む油脂である特徴を有する油分の除去処理設備及び方法である。
前記油脂を凝集分離する工程が金属塩及び水溶性コロイド剤を加えた槽の後部に設置することを特徴とする油分の除去処理設備及び方法である。
従来のように、高濃度の鉱油や動植物油脂を含んだ排水の処理に於いては、オイルセパレーターとして加圧浮上設備やスキマー設備等の処理施設が必須で、初期費用及び管理費の増加が避けらなかった。しかし、本願発明により、水中油滴の乳化状態にて油脂を直接に除去することができるため、従来の油のオイルセパレーター工程設備が不要となり、簡便に効率よく排水中の油脂を除去することができるようになった。
本発明の界面活性剤は排水に含まれる塩類を考慮した場合、イオン性の界面活性剤より非イオン性の界面活性剤が好しい。また、排水中の油脂の凝結、凝集にて除去するにはプロピレンオキシド付加モル数が1以上70以下の群から選択される少なくとも1種以上の非イオン界面活性剤であるものを用いることで水中油滴型の乳化に好ましい効果を示す。
本発明の水溶性コロイド剤が排水中の乳化した油分を凝集させるにはプラス0.5からプラス3.5meq/g及びマイナス0.1からマイナス2.7meq/gのコロイド値を有する両性コロイド剤であるものから選択される少なくとも1種以上の水溶性コロイドを用いることで凝集除去することが好ましい効果を示す。
特に排水中の油分が鉱油及び鉱油成分からの加工油を含む油脂は多種の分子の混合物であり、本含油排水の油を直接乳化、凝結、凝集除去は従来困難であったが、容易に除去できる処理設備及び方法である。
油脂を凝結・凝集分離する工程が排水を乳化し金属塩及び水溶性コロイドを加え、完全に凝結・凝集させた槽の後部に設置することがより好ましい効果を示す含油排水の処理設備及び方法である。
以下に本発明の詳細を報告する。
本発明を実施するための最良の第一の形態の含油排水の処理工程図である。
本発明の排水処理方法の工程及び方法についての概略図を図1に示す。乳化手段を有する含油排水貯留槽2に、含油排水を供給手段3から、界面活性剤を供給手段4から導入し乳化させ、金属塩を供給手段5から導入し凝結させ、水溶性コロイド物質を供給手段6から導入し凝集させ、油脂分離手段7にて浮上させて分離し、処理排水と油含有汚泥とに分ける。
本発明の油分とは水に溶けずに親油基を有し、常温で液体又は50〜60℃に加温した時に液体であるものをいう。油分中の鉱油は石油原油、C重油、B重油、A重油、灯油、ガソリン等の精製油、及び、石油成分から造られた切削油や合成油があり、動植物油脂は植物油として種等から搾油される大豆油、菜種油、ゴマ油、コーン油、オリーブ油等食されるものと、通常は食さない亜麻仁油等であり、動物油脂として豚脂、牛脂などの獣油脂等があり、その他、獣乳中の油脂等がある。本願発明は全ての油分に対応するが、処理が困難とされる炭化水素を主とする石油原油等の鉱油を処理できる特質がある。
石油(原油)には飽和炭化水素、芳香族炭化水素、レジン、アスファルテンなどの多くの異なった油脂成分が含まれ黒色を呈し、油に分散している樹脂固体成分も含まれる。この異なった種類の混合油脂を乳化させる必要があり、非イオン性界面活性剤で親油性と親水性のバランスを取ることが重要となる。
界面活性剤は、水の性質を有する親水性部分と油の性質を有する親油性部分の両方を有する物質で、この構造から表面張力を下げて、ものを濡らし浸み込み易くする浸透・湿潤作用を有し、また、混ざり合わない水と油を界面張力を下げて乳液やクリームのように混ぜ合わせる乳化作用、水と個体粒子を混ぜ合わせて分離しないようにする分散作用、界面活性剤水溶液の中に油成分を溶かし込む可溶化作用、界面活性剤の中に気泡を安定に保持する起泡作用等の特性を有するものである。
界面活性剤は分子構成上、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤に区分される。陰イオン性界面活性剤は脂肪酸系、アルキルベンゼン系、高級アルコール系、α−オレフィン系等のものでである。陽イオン界面活性剤はアルキルトリメチルアンモニュウム塩、ジアルキルジメチルアンモニュウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニュウム塩、アミン塩系等のものがある。両性界面活性剤は一般にアミノ酸系の両性界面活性剤と呼ばれるものであって、アルキルアミノ脂肪酸塩、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシド等である。非イオン系界面活性剤は脂肪酸系のエステルやアミド、高級アルコール系、アルキルフェノール系等のものである。
イオン性界面活性剤は、塩類が存在すると界面活性剤のイオンと塩類が可溶化したイオンと結合し界面活性剤の性質を失うので、海や下水道や工場排水には多くの種類のミネラルが溶解しており、これらに含まれる鉱油を安定的に乳化することは難しい。これに反し、本発明の非イオン系の界面活性剤は、ミネラル分に反応せず安定を保つことから海水での原油流出事故や下水道や工場排水中の含油排水処理には適している。
非イオン性界面活性剤は、より具体的にはアルキルグルコシド、ポリオキシアルキレングリコール、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンエステルなどがある。本発明においては、非イオン系の乳化剤を使用することができ、より好ましくはポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル系のものが良い。
本願発明の界面活性剤はいずれの組成の非イオン性界面活性剤でオコシドが付加されものであり、好ましくはプロピレンオキシド付加モル数が1以上70以下の群から選択される少なくとも1種以上の非イオン界面活性剤の使用が好ましい。より好ましくはポリオキシプロピレンブチルエーテル及び、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテルでプロピレンオキシド付加モル数1〜70の群から選択される少なくとも1種以上の非イオン界面活性剤の使用である。
水に油を混合するとお互い分離し油が上層に浮くが、ここに界面活性剤を加えて撹拌すると油は濁りが生じて両者が混ざり合った状態になり、顕微鏡で観察するときれいな球状の油滴が安定的に存在することが観察され、これは油滴の表面を界面活性剤の分子が覆って水中に安定化させているためであり、界面活性剤のこの作用を乳化作用といい、この乳化状態を水中油滴型乳化という。本発明の界面活性剤は、水中油滴型の乳化を形成させるために添加するものであれば良いが、好ましくは混合系でHLB7以上のものが良い。
この際に攪拌することは乳化を促進させるが、混ざらない2種類の液体を乳化させる手段は攪拌型乳化、圧力を用いて一方の液を細かい粒状にする加圧型乳化、超音波利用乳化等がある。本願発明は油粒子を乳化すればいかなる手段でも良い。
pHは、溶液1L中の水素イオンのグラム当量数で表し,一般にはpH=−log[H]と定義され、本発明ではpH3.0未満を強酸性といい、3.0以上6.0以下を酸性といい、6以上8未満を中性とし、8.0以上11.0以下をアルカリ性といい、11.0を超えるものを強アルカリ性とした。酸性やアルカリ性の溶液中でイオン性界面活性剤は乳化力が低下するが、非イオン系界面活性剤は比較的高pHには強いが低pHでは乳化作用が弱くなるものが多いが、本願発明の界面活性剤は強酸から強アルカリ性の幅広いレンジで乳化安定作用を示す特徴がある。
排水には微細粒子や油粒子などが含まれているが、コロイド粒子という粒子径が1μm以下のものも集めて固める性質を有する物質が凝結剤である。凝結剤は、処理水中のコロイド粒子を、小さなフロックにするのに効果を発揮し、電気的に反発して漂っているコロイド粒子をイオンの力で反発力を奪い、分子間力によって小さな集合体(マイクロフロック)を作る。本願発明に関する金属塩は凝結剤の役割を果たし、例えば、ポリ鉄やポリ塩化アルミは処理水中で電気的に反発して漂っているコロイド粒子をイオンの力で反発力を奪い、分子間力によってマイクロフロックを作る。
凝結剤は無機系凝結剤と有機系凝結剤があるが両者ともにカチオンの荷電を有し、排水中の微粒子は粒子表面がアニオンに帯電して電気的な反発で分散しているが、この粒子に凝結剤が結合し電気的に中和し凝結が進む。無機系凝結剤にはポリ硫化アルミニュウム(硫酸バンド)、ポリ塩化アルミニュウム(PAC)、ポリ硫酸鉄、塩化第二鉄などがある。有機系凝集剤にはポリダドマック系のポリジメチルジアリルアンモニュウムクロライドやジシアンジアミド系のジシアンジアミド樹脂の4級アンモニュウム塩、ポリアミン系のジメチルアミンとエピクロルヒドリンの重縮合物などがある。
本願発明の金属塩は無機系凝結剤であり分子量の比較的小さな高分子でカチオンに帯電し、処理水中のミクロン単位の粒子から直径数十ミリの乳化油分を結合し小さなフロックにすることができる。ポリ硫酸アルミ、ポリ塩化アルミ、ポリ硫酸鉄、塩化第二鉄などが使用できるが、より好ましくは分子量500〜600のポリ硫酸鉄がよい。
水溶性ロイド物質とは、水中で長時間放置しても沈まない物質を水溶性コロイドと称し、表面は帯電しており相互に反発しあって安定している。天然物系としてはアニオン系のアルギン酸ナトリウム、カルボキシルメチルセルロース、カチオン系のキトサン、でんぷん等があり、合成物としてはアニオン系ではポリアクリルアマイドの部分加水分解物、カチオン系のアミンホルマリン縮合物、ポリアミノアルキルアクリレート、ポリアクリルアマイドの共重合物等がある。
一般には、凝集剤として使用する水溶性コロイド剤は電荷をもっているので、油脂を凝集するには相対する電荷の大きさで選択すればよい。荷電量の大きさはコロイド値を用いることができ、コロイド値の測定法としては、遠心管に試料100mlを摂り、3000回転/分3分間遠心沈殿させ、上澄み液10mlをホールピペットにて採取し200mlのトールビーカーに入れて純水を100ml加える。この液に1/200Nメチルグリコールキトサン(Mgch)を溶液2ml加え撹拌し、指示薬としてTB1〜2滴加え、1/400Nポリビニル硫酸カリウム(PVSK)溶液にて滴定(Bml)し、同様にブランクを測定(Aml)する。この計算式は下記の通りである。
コロイド値(当量)=(B−A)/10(mL)×1/400×1000(meq/L)
油を界面活性剤で乳化したエマルジョンは親水基側がマイナスにチャージし、水中に分散する形態で存在する。ポリ硫酸鉄などの正の荷電を有する物質と結合させたのち、高分子水溶性コロイド剤を加えて粗大化させて凝集させる。高分子水溶性コロイドにはポリグルタミン酸、ペクチン、ポリアクリルアマイドなどがある。本願発明では、両性水溶性コロイド剤が望ましく、カチオン性コロイド値としてはプラス0.5meq/gからプラス3.5meq/gで、好ましくはプラス1.0meq/gからプラス2.5meq/gであり、アニオン性コロイド値としてはマイナス0.1meq/gからマイナス2.7meq/gを有し、好ましくはマイナス0.3meq/gからマイナス1.2meq/gを有するものである。
凝結後、凝集した固形粒子は水の密度より大きい場合は重力の作用を受けて次第に沈降し、水の密度より小さい物は水上に浮上する。この性質から沈降分離や浮上分離を選択し、油の場合は密度が小さいので分離方法は浮上分離をおこなう。
従来、油粒子の場合は水中に油滴があるエマルジョンは処理が困難であり、予め酸で解乳化してから油層を形成させてから加圧浮上を行うことが多い。しかし、本願発明於いて、凝集分離はエマルジョンを破壊せずに乳化したままの油滴を凝結、凝集したものをそのまま浮上させて固液分離をすればよい。
以下、実施例及び比較例について説明する。
A重油の乳化能について、(a)非イオン系プロピレンオキシド付加モル数17の界面活性剤(ユニルーブMB−11…日油株式会社)、(b)非イオン系プロピレンオキシド付加モル数20の界面活性剤(ユニルーブ20MT−2000B…日油株式会社)、(c)ソルビタン脂肪酸エステル(日油株式会社)とこれらの混合タイプ(d)の乳化性試験を行った。(d)は(a)、(b)、(c)を混合したのもであり、混合比は重量にて3.5部、5.5部、2.0部であった。
試料調整は100mlのメスシリンダーにA重油を10ml入れ、乳化剤の原液として(a)から(d)の界面活性剤をA重油量に対して10%(V/V)それぞれ加え、イオン交換水にて50mlとした。乳化条件は水温20〜22℃、ポリトロンミキサー(TRON PT 1200 E、KINEMATICA社 SUISSE)にて回転数9000cpr、5分間攪拌乳化した。30分間静置して乳化後の液相を観察し評価した。
これらの結果は表1に記載したが、(c)、(d)が良好な乳化を示したが、追加試験で(c)は添加油脂量を増やして行くと乳化が転相し油中水滴形乳化となり、単独では油脂の除去工程では適切なものはなかった。そこで、3種類の系から種々検討した結果(d)が最も良い結果を示した。
Figure 0006344743
評価基準は、(5)液が全面乳化している、(4)わずかに上層と下層に境があるが乳化している、(3)乳化層と水層が分離(2)下層に水槽がほとんど分離(1)オイル層が分離している。
試料調整、乳化条件は実施例1と同様に行い、試験した界面活性剤は実施例1の(d)と他の市販界面活性剤と比較試験を行った。比較試験品はイオン性界面活性剤としてファミリーフレッシュ(FFと称する…花王株式会社)、非イオン性界面活性剤としてツイーン80(ICN Biomedicals,Inc.)と比較試験を行った。30分間静置して乳化後の液相を観察し評価した。硫酸及び苛性ソーダにてpHを変化させた乳化液では中性付近では変化がなかったもののpHの変化とともに、表2のように乳化相に変化が生じた。
この結果からわかるように、FFの乳化はpH10付近から下部に水層が分離し、ツイーン80はpH付3近にて乳化が不安定になりオイルリングを生じた。これらに比べるとUT2は低pHから高pHまで、乳化する能力が強い結果であった。
Figure 0006344743
水槽に海水と同じように3.4%の食塩水を加えて、UT2と他の市販界面活性剤と乳化性の比較試験を行った。試料調整、乳化条件は実施例1と同様に行った。界面活性剤は実施例1の(d)と他の市販界面活性剤と試験を行った。比較試験品はイオン性界面活性剤としてFF、非イオン性界面活性剤としてツイーン80を用い、乳化終了後30分間静置して乳化後の液相を観察し評価した。
結果は表3に記載したが、pH6.7以下になるとFFとツイーン80は下層に水槽がほとんど分離してしまい乳化が不安定になった。アルカリ側では3種類の界面活性剤がわずかに上層と下層に境を生じるが乳化している性状であった。
Figure 0006344743
試料調整は実施例1と同様に行い、試験した界面活性剤は実施例1の(d)を用い、 乳化条件は、水温20〜22℃、ポリトロンミキサー回転数5000cpr、5分間攪拌し乳化した。この乳化液100mlを300mlのビーカーに取り中性に調整し、ポリ塩化アルミニウム(タイパック 大明化学株式会社)2500mg/lを加えた後、コロイド値(−1.0meg/g)のアニオン水溶性コロイド剤(エルビックセトラーPA−70HS 日之出産業株式会社)、コロイド値(+4.4meq/g)カチオン水溶性コロイド剤(エルビックセトラーPC−200S 日之出産業株式会社)、コロイド値(+1.5meq/g及び−0.7meg/g)の両性水溶性コロイド剤(エルビックセトラーPG−230S 日之出産業株式会社)をそれぞれ10mg/lを用いて凝集テストを行った。
ジャーテスター(宮本理研工業株式会社製)を使用し回転数60rpm10分撹拌し、5分間静置して凝集度合及び濁度にて比較検討した。この結果は表4に示したが、凝集度合の良いポリマーはアニオン又は両性水溶性コロイド物質であったが、濁度は両性水溶性コロイド使用のものが最も良い結果を示した。濁度測定はカオリン標準液を使用した透視比濁測定法による(JIS1010工業用水基準に準じた)
Figure 0006344743
試料調整、乳化条件を実施例4と同様に行い、この乳化液100mlを300mlのビーカーに取り中性に調整し、ポリ硫酸鉄(ポリテツC 日鉄鉱業株式会社)2000mg/lを加えた後、両性水溶性コロイド剤(コロイド値+1.5及び−0.8meq/g)5mg/lを加えて凝集試験を行い、濁度評価及びヘキサン抽出物を測定した。
凝集試験はジャーテスターを用い回転数60rpm10分撹拌し、5分間静置して凝集度合及び濁度にて比較検討した。凝集度合及び濁度は実施例4と同様に、ヘキサン抽出物はJAS法に準じて行った。この結果、凝集度合はA評価で、濁度は20であり、ヘキサン抽出物は(97.2mg/100,000mg)と除去率99.90%を示した。
産業の利用性
本発明は、油分含有排水の処理する工程で利用される。
2…乳化手段を有する含油排水貯留槽、3…油脂排水供給手段、4…界面活性剤供給手段、
5…金属塩供給手段 6…水溶性コロイド物質供給手段、7…凝集分離手段

Claims (4)

  1. 乳化手段を有する含油排水貯留槽に、含油排水を供給する手段と、非イオン性界面活性剤を供給する手段と、ポリ硫酸鉄を供給する手段と、カチオン性コロイド値がプラス0.5meq/gからプラスから3.5meq/gで、アニオン性コロイド値がマイナス0.1meq/gからマイナス2.7meq/gの両性水溶性コロイド剤を供給する手段と、凝集分離する手段と、を有する油分の除去処理設備。
  2. 前記界面活性剤はプロピレンオキシド付加モル数が1以上70以下の群から選択される少なくとも1種以上の非イオン界面活性剤である請求項1記載の油分の除去処理設備。
  3. 前記油分が鉱油及び鉱油成分からの加工油を含む請求項1及び2記載の項から選ばれる油分の除去処理設備。
  4. 前記油分を凝集分離する工程が請求項1から3記載の項から選ばれるポリ硫酸鉄及びカチオン性コロイド値がプラス0.5meq/gからプラス3.5meq/gで、アニオン性コロイド値がマイナス0.1meq/gからマイナス2.7meq/gの両性水溶性コロイド剤を加えた槽の後部に設置することを特徴とする油分の除去設備。
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