JP7355690B2 - 尿素を含むモルタルまたはコンクリート組成物 - Google Patents
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[1]
結合材と、
尿素顆粒と、
を含むモルタルまたはコンクリート組成物であって、
前記尿素顆粒の粒径がD50粒径で0.60mm以上4.00mm以下であり、
前記尿素顆粒の配合量が前記結合材の重量に対して0.8重量%~5.0重量%である、モルタルまたはコンクリート組成物。
[2]
前記尿素顆粒の粒径が、D10粒径で0.40mm以上3.00mm以下である、[1]に記載のモルタルまたはコンクリート組成物。
[3]
前記尿素顆粒の粒径が、D90粒径で1.00mm以上5.00mm以下である、[1]または[2]に記載のモルタルまたはコンクリート組成物。
[4]
前記結合材がセメントと膨張材を含む、[1]~[3]のいずれかに記載のモルタルまたはコンクリート組成物。
[5]
前記膨張材の配合量が、前記セメントの重量に対して3.0重量%~10.0重量%である、[4]に記載のモルタルまたはコンクリート組成物。
[6]
モルタルまたはコンクリートの製造方法であって、
結合材と、尿素顆粒と、骨材とを混合して混合物を得る工程と、
前記混合物に水を添加して混錬する工程と、を含み、
前記尿素顆粒の粒径がD50粒径で0.60mm以上4.00mm以下であり、
前記尿素顆粒の配合量が前記結合材の重量に対して0.8重量%~5.0重量%である、製造方法。
本発明によるモルタルまたはコンクリート組成物は、結合材と、尿素顆粒とを含むモルタルまたはコンクリート組成物であって、尿素顆粒の粒径がD50粒径で0.60mm以上4.00mm以下であり、尿素顆粒の配合量が前記結合材の重量に対して0.8重量%~5.0重量%である、モルタルまたはコンクリート組成物である。本発明のモルタルまたはコンクリート組成物は所定の粒径を有する尿素顆粒を結合材の重量に対して所定量含むことで、尿素を添加しても単位水量を低減させる必要がなく、尿素非添加のコンクリート等と同様の単位水量とすることができる。また、本発明の一態様によるモルタルまたはコンクリート組成物は、コンクリート組成物への尿素の添加によるコンクリートのフレッシュ性状への影響を低減することができる。
本明細書において、「結合材」とは、コンクリート組成物に配合される粉体のうち、水と反応してコンクリートの強度発現に寄与する物質を生成するものの総称をいう。本発明の一態様において、結合材はセメントを含む。本発明の他の態様において、結合材はセメントと膨張材を含む。本発明のさらに他の態様において、結合材は、セメントと膨張材の他に、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、シリカフューム、石灰石微粉末、メタカオリン等を含んでいてもよい。
本発明に用いるセメントとしては、種々のものを使用することができ、例えば、ポルトランドセメントや混合セメントなどを使用することができる。そのようなポルトランドセメントとしては、例えば、普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱等の各種ポルトランドセメントが挙げられる。混合セメントとしては、例えば、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカフューム又は石灰石微粉末等が混合された各種の混合セメントが挙げられる。また、上記以外のセメントとしては、速硬性を有しない普通セメントタイプのエコセメントなどが挙げられる。これらのセメントは、いずれか1種を選択して使用することもできるが、2種以上のセメントを組み合わせて使用してもよい。
本発明の一態様におけるコンクリート組成物等およびコンクリート等は、さらに膨張材を含んでいてもよい。本発明者らは、尿素特有の水分保持性と膨張材の反応性の相性が良く、尿素添加により膨張材の性能を相乗的に発揮させられることを知得した。これにより、膨張材と尿素を用いたコンクリート等によるひび割れ防止が可能となることが分かった。
本発明に用いる尿素顆粒は、化学式CO(NH2)2で示される化合物を含む顆粒であり、所定の粒径を有していればその由来は問わない。また、尿素顆粒は実質的に尿素から成っていればよく、不可避的な不純物などを含んでいてもよい。例えば、尿素顆粒は市販のものを用いてもよく、あるいは、市販の尿素粉末を固化・成形などによって顆粒状にしたものであってもよい。
本発明によるモルタルまたはコンクリート組成物は、必要に応じて以下の構成要素を含有することができる。
本発明の一態様によるモルタルまたはコンクリート組成物は、さらに分散剤が添加されていてもよい。本発明で用いることができる分散剤は、一般的にモルタルやコンクリートの製造に使用されるセメント用の分散剤である。そのような分散剤としては、例えば、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤および流動化剤等が挙げられる。具体的には、メラミンスルホン酸系分散剤、ポリカルボン酸系分散剤およびナフタレンスルホン酸系分散剤等の分散剤が挙げられる。これらの中では、特にポリカルボン酸系の分散剤が好ましい。
本発明に用いられる骨材は、特に制限されるものではなく、通常のモルタルまたはコンクリートの製造に使用される細骨材および粗骨材を何れも使用することができる。そのような細骨材および粗骨材として、例えば川砂、海砂、山砂、砕砂、人工細骨材、スラグ細骨材、再生細骨材、珪砂、川砂利、陸砂利、砕石、人工粗骨材、スラグ粗骨材および再生粗骨材等が挙げられる。
本発明によるモルタルまたはコンクリート組成物を、水を用いて混練することでモルタルとコンクリートがそれぞれ得られる。水の配合量(単位水量)は、150kg/m3~250kg/m3、160kg/m3200kg/m3または165kg/m3~180kg/m3とすることができる。混練には、コンクリートミキサを用いることが好ましい。
さらに、本発明によるモルタルまたはコンクリート組成物は、本発明の効果を実質的に失わない範囲で、例えばモルタルやコンクリートに使用できる他の成分(混和剤(材))を含有するものであってもよい。このような成分として、具体的には、収縮低減剤、保水剤、防錆剤、空気連行剤、消泡剤、起泡剤、防水材、撥水剤、白華防止剤、凝結調整剤、顔料、繊維、シリカフューム、スラグおよびフライアッシュ等が例示される。
本発明のモルタルまたはコンクリートの製造方法は、本発明のモルタルまたはコンクリート組成物と水とを混錬する方法であれば特に限定されない。本発明の一態様において、本発明のモルタルまたはコンクリートは、結合材と、尿素顆粒と、骨材とを混合して混合物を得る工程と、混合物に水を添加して混錬する工程と、を含み、尿素顆粒の粒径がD50粒径で0.60mm以上4.00mm以下であり、尿素顆粒の配合量が結合材の重量に対して0.8重量%~5.0重量%である製造方法によって製造することができる。混合方法は特に制限されるものではなく、例えば、傾動ミキサ、パン型ミキサ、2軸ミキサ、グラウトミキサ、ホバートミキサ、オムニミキサなど汎用的なミキサを用いることができる。
尿素を含むモルタル組成物およびモルタルを製造し、評価した。製造に用いた原料は表1のとおりである。
工業用尿素(市販品;粒径が0.8~3.0mmのものと2.0~9.0mmのもの)をふるい分けし、特定の粒度分布となるように調整した。
尿素および膨張材を含むモルタル組成物およびモルタルを、実施例1と同様に製造して評価した。製造に用いた膨張材(EX)は、太平洋ハイパーエクスパン(石灰系膨張材(20型)汎用品、太平洋マテリアル株式会社製、ブレーン比表面積4,000cm2/g、密度3.16g/cm3)である。製造に用いたその他の原料は表1のとおりである。
Claims (6)
- 結合材と、
尿素顆粒と、
を含むモルタルまたはコンクリート組成物であって、
前記尿素顆粒の粒径がD50粒径で0.60mm以上4.00mm以下であり、
前記尿素顆粒の配合量が前記結合材の重量に対して0.8重量%~5.0重量%である、モルタルまたはコンクリート組成物。 - 前記尿素顆粒の粒径が、D10粒径で0.40mm以上3.00mm以下である、請求項1に記載のモルタルまたはコンクリート組成物。
- 前記尿素顆粒の粒径が、D90粒径で1.00mm以上5.00mm以下である、請求項1または2に記載のモルタルまたはコンクリート組成物。
- 前記結合材がセメントと膨張材を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のモルタルまたはコンクリート組成物。
- 前記膨張材の配合量が、前記セメントの重量に対して3.0重量%~10.0重量%である、請求項4に記載のモルタルまたはコンクリート組成物。
- モルタルまたはコンクリートの製造方法であって、
結合材と、尿素顆粒と、骨材とを混合して混合物を得る工程と、
前記混合物に水を添加して混錬する工程と、を含み、
前記尿素顆粒の粒径がD50粒径で0.60mm以上4.00mm以下であり、
前記尿素顆粒の配合量が前記結合材の重量に対して0.8重量%~5.0重量%である、製造方法。
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