JP7355421B1 - 摺動案内機構及び摺動案内機構の製造方法 - Google Patents

摺動案内機構及び摺動案内機構の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ストロークの全体において剛性を確保しつつ、リテーナと軌道台との摺動による騒音及び抵抗を低減できる摺動案内機構を提供する。【解決手段】ベース2と、ベース2に対して直線的に移動するテーブル3と、ベース2に固定された直線状の第1軌道台4L,4Rと、テーブル3に固定され、第1軌道台4L,4Rよりも短い、直線状の第2軌道台5L,5Rと、第1軌道台4L,4Rと第2軌道台5L,5Rとの間に挟まれるように配置され、第2軌道台5L,5Rよりも長く第1軌道台4L,4Rよりも短く形成された、複数の転動体9を保持するリテーナ6L,6Rと、第1軌道台4L,4Rの軸方向の一部区間に設置され、リテーナ6L,6Rの第1軌道台4L,4Rからの離間を規制するリテーナ6L,6Rと別体のリテーナサポーター7と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、第1軌道台と第2軌道台との間に挟まれた転動体及びリテーナにより、第1軌道台と第2軌道台とが相対移動する摺動案内機構及び摺動案内機構の製造方法に関する。
例えば特許文献1には、ベース部とスライドステージ部との間に配置された直動案内機構が記載されている。直動案内機構では、第1ガイドレールと第2ガイドレールとの間に転動体とリテーナが挟まれるように配置されている。リテーナは第1ガイドレール及び第2ガイドレールよりも短く形成されており、スライドステージ部が左右方向にそれぞれフルストロークで移動できるように、第1ガイドレール及び第2ガイドレールの中間位置にセットされている。
上記直動案内機構では、スライドステージ部のストロークと共に当該スライドステージ部が片持ち状態となり、特にストロークエンド近辺ではピッチング方向の剛性が著しく低下し、走行精度が低下するという課題がある。
そこで、例えば非特許文献1に記載のように、比較的長い第1ガイドレールと、比較的短い第2ガイドレールと、第1ガイドレールと第2ガイドレールとの間に挟まれるように配置され、第2ガイドレールよりも長く第1ガイドレールよりも短いリテーナと、を備えた直動案内機構が知られている。この直動案内機構では、第2ガイドレールが全長に亘って転動体により支持されるため、ストロークの全体において剛性を向上できる。
特開2019-178733号公報
ユニオンツール株式会社著、「直線運動ローラー軸受 ROLLER GUIDE Linear motion products」、2012年6月、p.10、「ガイドレールGS型 Guide rail type GS」、インターネット<URL:https://www.uniontool.co.jp/assets/pdf/catalog/lm.pdf>
上記非特許文献1に記載の従来技術では、リテーナの第2ガイドレールからはみ出した部分が第1ガイドレールの案内溝にはめ合わされることで、リテーナの逸脱やあばれを防止している。しかしながら、リテーナが全長に亘って第1ガイドレールと摺動することから、加工コストの増大、摺動による騒音及び摺動抵抗が増大するという課題があった。
本発明の目的は短い軌道台から飛び出したリテーナの逸脱を規制し、且つ、ストロークの全体において均一な剛性を確保できる摺動案内機構及び摺動案内機構の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本願発明の摺動案内機構は、ベースに対して線状に移動するテーブルと、前記ベースに固定された線状の第1軌道台と、前記テーブルに設けられ、前記第1軌道台よりも短い、線状の第2軌道台と、前記第1軌道台と前記第2軌道台との間に挟まれるように配置され、前記第2軌道台よりも長く前記第1軌道台よりも短く形成された、複数の転動体を保持するリテーナと、前記第1軌道台の軸方向の一部区間に設置され、前記リテーナの前記第1軌道台からの離間を規制するリテーナと別体の規制部材と、を有する。
本発明の摺動案内機構は、第1軌道台と、第1軌道台よりも短い第2軌道台と、第1軌道台と第2軌道台との間に挟まれるように配置され、第2軌道台よりも長く第1軌道台よりも短く形成された、複数の転動体を保持するリテーナとを有する。これにより、短い方の第2軌道台が全長に亘って転動体により均一に支持されるため、ストロークの全体において剛性を向上でき、走行精度の向上が図られる。
また、規制部材により、リテーナの第2軌道台からはみ出した部分が第1軌道台から離間するのを規制するので、リテーナの逸脱やあばれを防止できる。この際、規制部材は第1軌道台の軸方向の一部区間に設置されるので、リテーナが全長に亘って第1軌道台と摺動する構造に比べて、安価に製造でき、リテーナと規制部材との摺動による騒音及び摺動抵抗を低減できる。
本発明によれば、ストロークの全体において均一な剛性を確保しつつ、走行精度を向上させ、リテーナと軌道台との摺動による騒音及び摺動抵抗を低減できる。
テーブルがストローク中央部に位置する場合の直動案内機構の上面図である。 テーブルがストローク中央部に位置する場合の直動案内機構の側面図である。 テーブルが前側のストローク端部に位置する場合の直動案内機構の上面図である。 テーブルが前側のストローク端部に位置する場合の直動案内機構の側面図である。 テーブルが後側のストローク端部に位置する場合の直動案内機構の上面図である。 テーブルが後側のストローク端部に位置する場合の直動案内機構の側面図である。 ストローク方向から見た直動案内機構の正面図である。 図1中VIII-VIII断面によるサポート部材の構造を表す断面図である。 サポート部材の別の構造を表す、図1中VIII-VIII断面に相当する断面図である。 リテーナのずれ防止機構の一例を表す図である。 テーブルストッパを外部に設ける変形例における、テーブルがストローク中央部に位置する場合の直動案内機構の上面図である。 テーブルストッパを外部に設ける変形例における、テーブルが前側のストローク端部に位置する場合の直動案内機構の側面図である。 テーブルストッパを外部に設ける変形例における、テーブルが後側のストローク端部に位置する場合の直動案内機構の側面図である。 蛇腹状のカバーを設ける変形例における、テーブルがストローク中央部に位置する場合の直動案内機構の側面図である。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態では、摺動案内機構の一例として例えば直動案内機構である場合について説明するが、摺動案内機構を直動案内機構に限定するものではない。
<1.直動案内機構の構成>
図1~図8を用いて、本実施形態に係る直動案内機構1の構成の一例について説明する。図1及び図2は、テーブルがストローク中央部に位置する場合の直動案内機構1の上面図及び側面図、図3及び図4は、テーブルが前側のストローク端部に位置する場合の直動案内機構1の上面図及び側面図、図5及び図6は、テーブルが後側のストローク端部に位置する場合の直動案内機構1の上面図及び側面図、図7はストローク方向から見た直動案内機構1の正面図、図8は図1中VIII-VIII断面によるサポート部材の構造を表す断面図である。以下の説明において、説明の便宜上、上下左右前後等の方向を適宜使用するが、それらの方向は各図に示す矢印の方向に対応している。
図1~図7に示すように、直動案内機構1は、ベース2に対してテーブル3を直線的に移動させる機構である。直動案内機構1は、ベース2と、テーブル3と、第1軌道台4L,4Rと、第2軌道台5L,5Rと、リテーナ6L,6Rと、リテーナサポーター7とを有する。
ベース2は、直動案内機構1の台座となる部材であり、ベッドとも呼ばれる。図7に示すように、ベース2は、略長方形状の平板部2aと、平板部2aの中央部から上側に向けて突出した突条部2bとを有しており、前後方向から見た形状が凸状となるように形成されている。ベース2は、突条部2bの左右両側面及び平板部2aの上面に、取付基準面2dを有する。図1、図3、図5に示すように、突条部2bは、平板部2aの左右方向略中心部において、前後方向に延設されている。平板部2aと突条部2bの前後方向の長さは略同一である。なお、直動案内機構1がベース2を備えずに、直動案内機構1が取り付けられるユーザ側の装置にベース2が設置されていてもよい。
テーブル3は、ベース2に対して前後方向に直線的に移動されて位置決めされる部材であり、ブロック又はステージとも呼ばれる。図7に示すように、テーブル3は、略長方形状の平板部3aと、平板部3aの左右方向両端部から下側に向けて突出した2つの側壁部3bとを有しており、前後方向から見た形状が凹状となるように形成されている。テーブル3は、2つの側壁部3bの内側にそれぞれ、取付基準面3cを有する。平板部3aと各側壁部3bの前後方向の長さは略同一である。
第1軌道台4L,4Rは、テーブル3を案内する直線状の部材であり、ガイドレールとも呼ばれる。第1軌道台4L,4Rはそれぞれ、ベース2の突条部2bの左右両側面の取付基準面2d及び平板部2aの上面の取付基準面2dに当接するように、ベース2に複数のボルト(図示省略)により固定されている。第1軌道台4Rはベース2の突条部2bの右側に、第1軌道台4Lはベース2の突条部2bの左側に、配置されている。第1軌道台4L,4Rとベース2の前後方向の長さは略同一である。なお、第1軌道台4L,4Rはベース2と一体的に構成されてもよい。
図2、図4、図6及び図7に示すように、第1軌道台4L,4Rのそれぞれには、左右方向における外側に、V字状の案内溝8L,8Rがそれぞれ形成されている。案内溝8Rは、転動体9の外周面と接触する転動面8R1,8R2を備えている。案内溝8Lは、転動体9の外周面と接触する転動面8L1,8L2を備えている。なお、転動体9が例えば球状である場合には、案内溝8L,8Rは円弧状に形成されてもよい。
第2軌道台5L,5Rは、テーブル3を案内する直線状の部材である。第2軌道台5L,5Rはそれぞれ、テーブル3の2つの側壁部3bの内側の取付基準面3cに当接するように、テーブル3の下側に複数のボルト(図示省略)により固定されている。なお、第2軌道台5L,5Rはテーブル3と一体的に形成されてもよい。図7に示すように、第2軌道台5Rは、テーブル3の右側の側壁部3bと第1軌道台4Rとの間に、第1軌道台4Rと微小な間隙GP1(図8参照。例えば0.7mm程度)を空けて左右方向に対向するように、配置されている。第2軌道台5Lは、テーブル3の左側の側壁部3bと第1軌道台4Lとの間に、第1軌道台4Lと微小な間隙GP1を空けて左右方向に対向するように、配置されている。第2軌道台5L,5Rとテーブル3の前後方向の長さは略同一である。つまり、第2軌道台5L,5Rの前後方向の長さは、第1軌道台4L,4Rの前後方向の長さよりも短い。
図7に示すように、第2軌道台5L,5Rのそれぞれには、左右方向における内側に、V字状の案内溝10L,10Rがそれぞれ形成されていて転動体9が転送する。案内溝10Rは、転動体9の外周面と接触する転動面10R1,10R2を備えている。案内溝10Lは、転動体9の外周面と接触する転動面10L1,10L2を備えている。第1軌道台4Rと第2軌道台5Rは、案内溝8Rと案内溝10Rが左右方向に対向するように配置されている。同様に、第1軌道台4Lと第2軌道台5Lは、案内溝8Lと案内溝10Lが左右方向に対向するように配置されている。
リテーナ6L,6Rは、複数の転動体9を保持するシート状の部材である。転動体9は円柱状のころ部材であり、リテーナ6L,6Rにより回転可能に保持されている。転動体9は例えば金属製であり、リテーナ6L,6Rは例えば樹脂製である。なお、リテーナ6L,6Rを含油素材やフッ素含有の樹脂材料で構成してもよい。また、リテーナ6L,6Rを例えばステンレス、アルミ合金、真鍮又は黄銅等の金属材料で構成してもよい。図7に示すように、リテーナ6Rは、第1軌道台4Rと第2軌道台5Rとの間に挟まれるように配置されている。リテーナ6Lは、第1軌道台4Lと第2軌道台5Lとの間に挟まれるように配置されている。リテーナ6L,6Rの厚みTH(図8参照)は例えば0.5mm程度である。図2、図4及び図6に示すように、リテーナ6L,6Rは、回転軸方向が互いに略90度異なる転動体9aと転動体9bが前後方向に交互に配置されるように、且つ、隣接する転動体9a,9b同士が接触しないように、複数の転動体9を回転可能に保持する。図2、図4及び図6に示す例では、例えば転動体9aの外周面は、第1軌道台4Lの転動面8L1と第2軌道台5Lの転動面10L2とに接触する。また、例えば転動体9bの外周面は、第1軌道台4Lの転動面8L2と第2軌道台5Lの転動面10L1とに接触する。
図1~図6に示すように、リテーナ6L,6Rの前後方向の長さは、第2軌道台5L,5Rよりも長く、第1軌道台4L,4Rよりも短く形成されている。具体的には、図1及び図2に示すように、テーブル3がストローク中央部に位置する状態において、リテーナ6L,6Rは、テーブル3の前端とベース2の前端との前後方向略中心位置から、テーブル3の後端とベース2の後端との前後方向略中心位置に至る長さに形成されている。図1及び図2に示す状態から、図3及び図4に示すようにテーブル3が前側のストローク端部に移動した場合、リテーナ6L,6Rがテーブル3の移動量の半分だけ前側に移動して、テーブル3の前端部とリテーナ6L,6Rの前端部とが略一致する。また、図1及び図2に示す状態から、図5及び図6に示すようにテーブル3が後側のストローク端部に移動した場合、リテーナ6L,6Rがテーブル3の移動量の半分だけ後側に移動して、テーブル3の後端部とリテーナ6L,6Rの後端部とが略一致する。これにより、短い方の第2軌道台5L,5Rが全長に亘って転動体9により支持されるため、ストローク全体において直動案内機構1の剛性と走行精度を向上できる。
なお、以上のような動作により、リテーナ6L,6Rに保持された複数の転動体9は、テーブル3の内部では第1軌道台4L,4Rの案内溝8L,8Rと、第2軌道台5L,5Rの案内溝10L,10Rとに挟まれて支持されるが、テーブル3よりはみ出した部分では第1軌道台4L,4Rの案内溝8L,8Rのみに支持される。すなわち、複数の転動体9は、テーブル3の移動に伴って第2軌道台5L,5Rの案内溝10L,10Rに対して出入りする。このため、転動体9が案内溝10L,10Rに出入りする際の振動を抑制するために、案内溝10L,10Rには、前後方向(軸方向の一例)における両端部近傍に、前後方向の端部に向けて案内溝10L,10Rの左右方向の深さがR状に漸増する形状となるようにR面取り及びクラウニング研削加工が施されている。
図1~図7に示すように、第1軌道台4L,4Rの前後方向両側の端面には、リテーナストッパ11が設けられている。リテーナストッパ11はエンドピースともいう。図7に示すように、リテーナストッパ11は、例えば案内溝8L,8Rの一部を覆う大きさのヘッドを備えたボルトである。これにより、リテーナストッパ11はリテーナ6L,6Rの前端又は後端が案内溝8L,8Rの前端又は後端から飛び出さないように、リテーナ6L,6Rの移動範囲を規制する。また、図示は省略するが、テーブル3の内側にはテーブルストッパが設けられている。テーブルストッパは、例えばベース2の突条部2bの前後方向略中心位置から上側に突出して設けられたボルトである。当該テーブルストッパがテーブル3の内壁(図示省略)に当接することにより、テーブル3の移動範囲が、図3及び図4に示す前側のストローク端部から図5及び図6に示す後側のストローク端部までの範囲に規制される。
リテーナサポーター7(規制部材の一例)は、リテーナ6L,6Rの第1軌道台4L,4Rからの離間を規制する部材である。リテーナサポーター7は、例えば金属製でもよいし、樹脂製としてもよい。また、リテーナサポーター7を含油素材の金属材料又はフッ素含有の樹脂材料などで構成してもよい。また、リテーナサポーター7を、耐熱性のような特定の機能を強化したいわゆるエンジニアリングプラスチックで構成してもよい。リテーナサポーター7は、第1軌道台4L,4Rの前後方向(軸方向の一例)の一部区間に設置されている。具体的には、リテーナサポーター7は、リテーナ6Rに対して前後方向の2箇所、リテーナ6Lに対して前後方向の2箇所の、計4箇所に設置されている。図3及び図4に示すように、後側のリテーナサポーター7は、テーブル3が前側のストローク端部に移動した状態において、前側に移動したリテーナ6L,6Rの後端が外れない位置(例えばリテーナ6L,6Rの後端がリテーナサポーター7の前後方向略中心となる位置)に配置されている。同様に、図5及び図6に示すように、前側のリテーナサポーター7は、テーブル3が後側のストローク端部に移動した状態において、後側に移動したリテーナ6L,6Rの前端が外れない位置(例えばリテーナ6L,6Rの前端がリテーナサポーター7の前後方向略中心となる位置)に配置されている。なお、第1軌道台4L,4Rの長さが長い場合には、例えばリテーナ6Rに対して前後方向の4箇所、リテーナ6Lに対して前後方向の4箇所に設置する等(計8箇所)、リテーナサポーター7の数をさらに増やしてもよい。
図8を用いて、リテーナサポーター7の詳細構造について説明する。なお、図8では右側前方の1箇所のリテーナサポーター7を図示しているが、4箇所に設置されたリテーナサポーター7はどれも同様の構造であるため、他の3箇所のリテーナサポーター7については説明を省略する。図8に示すように、リテーナサポーター7は、リテーナサポーター7Aとリテーナサポーター7Bとで構成されている。リテーナサポーター7A(第1規制部材の一例)は、第1軌道台4Rの上部に設置され、リテーナ6Rの上側(幅方向一方側の一例)の端部の第1軌道台4Rからの離間を規制する。リテーナサポーター7B(第2規制部材の一例)は、ベース2の平板部2aに設置され、リテーナ6Rの下側(幅方向他方側の一例)の端部の第1軌道台4Rからの離間を規制する。
リテーナサポーター7Aは、第1軌道台4Rの上部に、例えば低頭ボルト12により固定されている。リテーナサポーター7Bは、ベース2の平板部2aに形成された凹部2cに収容され、例えば低頭ボルト12により固定されている。このように低頭ボルト12を使用することにより、ボルトの出っ張りを極力小さくすることができる。これにより、第1軌道台4R、第2軌道台5R、又はテーブル3等が、リテーナサポーター7A,7Bを固定するためのボルトと干渉することを防止できるので、直動案内機構の円滑な動作を確保できる。
リテーナ6Rは、上側の端部及び下側の端部に、第1軌道台4Rからの離間距離が大きくなるにつれて上側の端部と下側の端部との距離が小さくなるように形成された第1傾斜面6R1を有する。リテーナサポーター7Aは、右側の先端部が下方に屈曲するように形成されており、当該屈曲した部分がリテーナ6Rの上側の端部と対向する部位に、第1傾斜面6R1と略平行に形成された第2傾斜面7A1を有する。リテーナサポーター7Bは、左側の先端部が上方に屈曲するように形成されており、当該屈曲した部分がリテーナ6Rの下側の端部と対向する部位に、第1傾斜面6R1と略平行に形成された第2傾斜面7B1を有する。
図8に示すように、リテーナ6Rが第1軌道台4Rと第2軌道台5Rとの間に挟まれる領域では、転動体9が案内溝8R,10Rに収容されて左右から押されることから、リテーナ6Rに撓み等の変形は生じにくい。この状態では、第1軌道台4Rと第2軌道台5Rとの間隙GP1を例えば0.7mm、リテーナ6Rの厚みTHを例えば0.5mmとした場合、リテーナ6Rと左右両側の第1軌道台4R及び第2軌道台5Rとの間にはそれぞれ0.1mm程度の微小な隙間が形成される。また、リテーナサポーター7A,7Bの第2傾斜面7A1,7B1とリテーナ6Rの上下両端の第1傾斜面6R1との間には、それぞれ0.1mm程度の微小な隙間GP2が形成される。これにより、リテーナ6Rは摺動による抵抗が少ない状態で前後方向に移動することが可能である。一方、リテーナ6Rが第2軌道台5Rからはみ出す領域では、転動体9が案内溝8Rのみに収容された状態となることから、リテーナ6Rに撓みやねじれ等の変形が生じ、第1軌道台4Rからの逸脱やあばれが生じる可能性がある。この場合には、リテーナサポーター7A,7Bの第2傾斜面7A1,7B1がリテーナ6Rの上下両端の第1傾斜面6R1に当接し、リテーナ6Rが第1軌道台4Rから離間するのを規制するので、リテーナ6Rの逸脱やあばれが防止される。
なお、上記ではリテーナ6Rの厚みTHを例えば0.5mmとしたが、厚みTHは0.5mm以外としてもよい。例えば、リテーナ6L,6Rの厚みTHは、第1軌道台4Rと第2軌道台5Rとの間隙GP1の40%から90%の範囲内とするのが好ましい。
また、以上説明した他にも、本実施形態に係る直動案内機構1には以下のような特徴がある。
直動案内機構1では、転動体9が接触する転動面には高い精度が要求されるため、第1軌道台4L,4Rの案内溝8L,8R、及び、第2軌道台5L,5Rの案内溝10L,10Rは高精度に加工される。しかしながら、第1軌道台4L,4Rはベース2に対して複数個所でボルトにより固定され、第2軌道台5L,5Rはテーブル3に対して複数個所でボルトにより固定される。このため、第1軌道台4L,4R及び第2軌道台5L,5Rがボルト締結箇所において微小に変形し、案内溝8L,8R及び案内溝10L,10Rの直線精度が低下するという問題がある。
本実施形態では、直動案内機構1は、第1軌道台4L,4Rをベース2に固定した後に、案内溝8L,8Rの仕上げ研削が行われる。同様に、第2軌道台5L,5Rをテーブル3に固定した後に、案内溝10L,10Rの仕上げ研削が行われる。これにより、第1軌道台4L,4R及び第2軌道台5L,5Rがボルト締結箇所において微小に変形した場合でも、案内溝8L,8R及び案内溝10L,10Rの転動面の加工精度を確保できる。
<2.実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態に係る直動案内機構1は、第1軌道台4L,4Rと、第1軌道台4L,4Rよりも短い第2軌道台5L,5Rと、第1軌道台4L,4Rと第2軌道台5L,5Rとの間に挟まれるように配置され、第2軌道台5L,5Rよりも長く第1軌道台4L,4Rよりも短く形成された、複数の転動体9を保持するリテーナ6L,6Rと、を有する。これにより、短い方の第2軌道台5L,5Rが全長に亘って転動体9により支持されるため、ストロークの全体において剛性と走行精度を向上できる。
また、リテーナサポーター7により、リテーナ6L,6Rの第2軌道台5L,5Rからはみ出した部分が第1軌道台4L,4Rから離間するのを規制するので、リテーナ6L,6Rの逸脱やあばれを防止できる。この際、リテーナサポーター7は第1軌道台4L,4Rの軸方向の一部区間に設置されるので、例えばリテーナ6L,6Rが全長に亘って第1軌道台4L,4Rと摺動する構造に比べて、リテーナ6L,6Rとリテーナサポーター7との摺動による騒音及び摺動抵抗を低減できる。さらに、例えばリテーナを金属製とし、幅方向両端を折り返して第1軌道台に形成した嵌合溝に嵌め合わすことでリテーナの逸脱やあばれを防止する構造の場合には、リテーナや第1軌道台を専用設計品として製造する必要があるのに対し、本実施形態ではリテーナ6L,6Rや第1軌道台4L,4Rとは別体であるリテーナサポーター7を使用することにより、汎用品のリテーナや第1軌道台を使用することができる。これにより、汎用性を向上できるとともにコストの増大を抑制できる。
また、本実施形態では特に、直動案内機構1は、リテーナサポーター7として、リテーナサポーター7Aとリテーナサポーター7Bを有する。リテーナサポーター7Aは、第1軌道台4L,4Rに設置されており、リテーナ6L,6Rの上側の端部の第1軌道台4L,4Rからの離間を規制する。リテーナサポーター7Bは、ベース2に設置されており、リテーナ6L,6Rの下側の端部の第1軌道台4L,4Rからの離間を規制する。リテーナサポーター7Aとリテーナサポーター7Bの両方を設けることにより、リテーナ6L,6Rの幅方向両側の第1軌道台4L,4Rからの離間を規制することができるので、リテーナ6L,6Rの逸脱やあばれをより安定的に防止でき走行精度の向上ができる。
なお、以上ではリテーナサポーター7を設置した各箇所について2つのリテーナサポーター7A,7Bを設けるようにしたが、例えばリテーナ6L,6Rの剛性が比較的高く撓みやねじれが生じにくい場合には、各箇所についてリテーナサポーター7A,7Bのいずれか1つのみを設けてもよい。この際、例えば前側はリテーナサポーター7Aを、後側はリテーナサポーター7Bというように、設置箇所に応じてリテーナサポーター7A,7Bのいずれを設けるかを変更してもよい。このようにしても、リテーナ6L,6Rの幅方向のいずれか一方の端部を規制することができるので、リテーナ6L,6Rの逸脱やあばれを防止できる。なお、リテーナサポーター7A,7Bのいずれか1つのみを設ける場合には、リテーナ6L,6Rの第1傾斜面6R1を幅方向両端でなく対応する側の端部のみに形成してもよい。
また、本実施形態では特に、リテーナ6L,6Rが幅方向両側の端部に第1傾斜面6R1をそれぞれ有しており、リテーナサポーター7A,7Bが第1傾斜面6R1と略平行な第2傾斜面7A1,7B1をそれぞれ有しており、リテーナサポーター7A,7Bは第2傾斜面7A1,7B1がリテーナ6L,6Rの第1傾斜面6R1と微小な隙間GP2を空けて対向するように配置されている。これにより、リテーナ6L,6Rに第1軌道台4L,4Rからの逸脱やあばれが生じた場合に、リテーナ6L,6Rがリテーナサポーター7A,7Bと接触する部位を、リテーナ6L,6Rの幅方向端部の第1傾斜面6R1のみとすることができ、接触面積を大幅に少なくすることができる。したがって、摺動による騒音及び抵抗をより低減できる。また、簡易な構造でリテーナ6L,6Rの第1軌道台4L,4Rからの離間を規制することができるので、直動案内機構1の大型化やコストの上昇を抑制できる。また、第1軌道台4L,4Rと第2軌道台5L,5Rとの相対移動を阻害することなく、リテーナ6L,6Rの逸脱やあばれを防止できる。
また、本実施形態では特に、リテーナ6L,6Rは樹脂製である。仮に、リテーナサポーター7を設けない場合には、例えばリテーナを金属製とする等によりリテーナ自体の剛性を高くして、リテーナの第2軌道台5L,5Rからはみ出した部分の変形による逸脱やあばれを防止する必要がある。この場合、金属製のリテーナと金属製の第1軌道台4L,4Rとの間で摺動が行われるので、摺動による騒音や抵抗がより一層高まる可能性がある。本実施形態では、リテーナサポーター7によってリテーナ6L,6Rの逸脱やあばれを防止できるので、リテーナ6L,6Rを剛性が比較的低い樹脂製とすることが可能となる。これにより、樹脂製のリテーナ6L,6Rと金属製の第1軌道台4L,4Rとの間で摺動が行われるので、摺動による騒音や抵抗をより一層低減できる。
また、本実施形態では特に、リテーナサポーター7及びリテーナ6L,6Rの少なくとも一方は、含油素材やフッ素含有の樹脂等で構成されている。これにより、リテーナサポーター7とリテーナ6L,6Rとの滑りを良くすることができるので、摺動による騒音及び摺動抵抗をより効果的に低減できる。
<3.変形例>
本発明は、以上説明した実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
(3-1.リテーナサポーターの他の構造)
図9を用いて、リテーナサポーター7の他の構造について説明する。なお、図9では右側前方の1箇所のリテーナサポーター7を図示しているが、4箇所に設置されたリテーナサポーター7はどれも同様の構造であるため、他の3箇所のリテーナサポーター7については説明を省略する。図9に示すように、リテーナサポーター7は、リテーナサポーター7Cとリテーナサポーター7Dとで構成されている。リテーナサポーター7C(第1規制部材の一例)は、第1軌道台4Rの上部に設置され、リテーナ6Rの上側(幅方向一方側の一例)の端部6R2の第1軌道台4Rからの離間を規制する。リテーナサポーター7D(第2規制部材の一例)は、ベース2の平板部2aに設置され、リテーナ6Rの下側(幅方向他方側の一例)の端部6R3の第1軌道台4Rからの離間を規制する。
リテーナサポーター7Cは、第1軌道台4Rの上部に、例えば低頭ボルト12により固定されている。リテーナサポーター7Dは、ベース2の平板部2aに形成された凹部2cに収容され、例えば低頭ボルト12により固定されている。このように低頭ボルト12を使用することにより、ボルトの出っ張りを極力小さくすることができる。これにより、第1軌道台4R、第2軌道台5R、又はテーブル3等が、リテーナサポーター7C,7Dを固定するためのボルトと干渉することを防止できるので、直動案内機構の円滑な動作を確保できる。
リテーナ6Rは、上下方向の幅が長くなるように形成されている。例えば、リテーナ6Rの上側の端部6R2は、第1軌道台4R及び第2軌道台5Rの上端面よりも上方に所定量だけ突出している。また、リテーナ6Rの下側の端部6R3は、第1軌道台4R及び第2軌道台5Rの下端面よりも下方に所定量だけ突出している。リテーナサポーター7Cは、右側の先端部に、リテーナ6Rの上側の端部6R2を収容する凹部7C1を有する。また、リテーナサポーター7Dは、左側の先端部に、リテーナ6Rの下側の端部6R3を収容する凹部7D1を有する。
上記構成により、リテーナ6Rに撓みやねじれ等の変形が生じた場合には、リテーナサポーター7C,7Dの凹部7C1,7D1がリテーナ6Rの上下両側の端部6R2,6R3に当接し、リテーナ6Rが第1軌道台4Rから離間するのを規制するので、リテーナ6Rの逸脱やあばれが防止される。
(3-2.リテーナのずれ防止機構を設ける場合)
前述のように、リテーナ6L,6Rは、テーブル3がストロークの範囲内で前後方向に移動するに伴い、テーブル3の移動量の半分だけ前後方向に移動する。このため、テーブル3の移動が繰り返されるうちにリテーナ6L,6Rが初期設定された位置から位置ずれを起こす場合がある。
そこで本変形例では、図10に示すように、複数の転動体9a,9bのうちの少なくとも1つ(図10では1つの転動体9a)の外周面に所定のピッチで突起13が形成されている。また、第1軌道台4L,4Rの案内溝8L,8Rの転動面8L1又は8L2、及び、転動面8R1又は8R2、並びに、第2軌道台5L,5Rの案内溝10L,10Rの転動面10L1又は10L2、及び、転動面10R1又は10R2にはそれぞれ、転動体9aの突起13が嵌合するディンプル穴14が形成されている。ディンプル穴14は、突起13が係合して転動体9が滑らかに転動できるように形成されている。なお、図10では一例として、リテーナ6Lの転動体9aの突起13が転動面8L1,10L2のディンプル穴14と嵌合する構造を図示しているが、同様に、リテーナ6Rの転動体9aの突起13は、転動面8R1,10R2のディンプル穴14と嵌合する。
これにより、リテーナ6L,6Rと第1軌道台4L,4R及び第2軌道台5L,5Rとの間で滑りが発生することを防止でき、リテーナ6L,6Rの位置ずれを防止できる。その結果、左右のリテーナ6L,6Rにおいて転動体9の案内溝10L,10Rへの出入りのタイミングを制御することができ、左右の第2軌道台5L,5Rの案内溝10L,10Rに形成されたクラウニング形状を理想的な形状とすることが可能となり、より高精度な製品を実現できる。なお、クラウニング形状の理想的な形状とは、転動体9が案内溝10L,10Rに出入りする際の振動が最も小さくなる形状である。また、例えば複数個の直動案内機構1を設置する場合においても、各直動案内機構1の間で、転動体9が案内溝10L,10Rに出入りする際の振動が最も小さくなるように出入りのタイミングを制御することが可能となる。
なお、各転動面へのディンプル穴14の切削加工は、各転動面に対する焼き入れの前に行われる。すなわち、例えば各転動面に対する焼き入れ後にディンプル穴14の切削加工を行う場合には、各転動面の硬度が増大していることから、エンドミル等による切削加工に時間がかかり、切削加工効率が悪いという問題がある。本実施形態では、各転動面へのディンプル穴14の切削加工を焼き入れの前に行うことにより、硬度が増大する前にディンプル穴の切削加工を行うことができる。これにより、切削加工効率を向上できると共にコストを削減できる。
また、以上では転動体9に突起13を設けると共に転動面にディンプル穴14を形成する場合について説明したが、リテーナ6L,6Rのずれ防止機構はこれに限定されるものではない。例えば、ラックアンドピニオン機構によってリテーナ6L,6Rのずれ防止を図ってもよい。
(3-3.テーブルストッパを外部に設ける場合)
前述の実施形態では、テーブルストッパをテーブル3の内側に設けたが、テーブルストッパをテーブル3の外側に設けてもよい。
例えば図11に示すように、ベース2の突条部2bの前後方向両端にテーブルストッパ15を設けてもよい。テーブルストッパ15(ストッパの一例)は、例えば突条部2bの上側の表面から上方に突出して設けられたボルトである。図12及び図13に示すように当該テーブルストッパ15がテーブル3の前後方向両側の端面に当接することにより、テーブル3の移動範囲が規制される。
これにより、例えば前述の実施形態のように、テーブル3の内部においてベース2に設けたストッパがテーブル3の内壁に当接することでテーブル3の移動を規制する構造に比べて、テーブルストッパ15を外部に露出させることができるので、テーブルストッパ15の点検や交換等が容易となり、メンテナンス性を向上できる。
(3-4.蛇腹状のカバー等を設ける場合)
例えば図14に示すように、テーブル3の前後方向両側に蛇腹状のカバー16を設置してもよい。カバー16は、第1軌道台4L,4Rのテーブル3からはみ出した部分を覆うことで、リテーナ6A,6Bの第2軌道台5L,5Rからはみ出した部分を保護する。カバー16は蛇腹状に形成されているため、テーブル3の移動に合わせて前後方向に伸縮する。なお、蛇腹状のカバー16に代えてテレスコカバーを設けてもよい。なお、図13に示す例では、前述の図10~図12と同様に、テーブルストッパ15がテーブル3の前後方向両側の端面に当接することにより、テーブル3の移動範囲が規制される。
本変形例によれば、カバー16により、リテーナ6A,6Bの第2軌道台5L,5Rからはみ出した部分に塵埃等が付着するのを防止できる。また、第1軌道台4L,4R及び第2軌道台5L,5Rの各転動面を保護できる。これにより、例えば塵埃等の詰まりにより転動体9の転動が阻害されることを防止できるので、直動案内機構1の円滑な動作を確保でき、信頼性を向上できる。
(3-5.その他)
以上では、摺動案内機構の一例として、ベース2に対してテーブル3を直線的に移動させる直動案内機構である場合について説明したが、これに限られない。例えば、ベース2に対してテーブル3を例えば円弧や波形等の曲線状に移動させる摺動案内機構に適用してもよい。この場合、第1軌道台及び第2軌道台を曲線状の部材とすればよい。
また以上では、2本の第1軌道台4L,4Rがベース2に設置された場合について説明したが、これに限られない。例えば1本の第1軌道台がベース2に設置され、当該第1軌道台の左右両側面と、第2軌道台5L,5Rとの間にリテーナ6L,6Rが配置されてもよい。このような構成の摺動案内機構に対して本発明を適用しても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
リテーナサポーター7の近傍に、当該リテーナサポーター7とリテーナ6A,6Bとの摺動部位にオイルを供給する給油装置を設けてもよい。例えば、テーブル3の上面又は側面にオイル溜りを設けると共に、テーブル3及び第2軌道台5L,5Rにオイル溜りのオイルをリテーナ6A,6Bに供給するための貫通したオイルホールを形成してもよい。
また、第1軌道台の長さが長い場合には、複数の第1軌道台を直列につなぎ合わせてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 直動案内機構(摺動案内機構の一例)
2 ベース
3 テーブル
4L,4R 第1軌道台
5L,5R 第2軌道台
6L,6R リテーナ(規制部材の一例)
7 リテーナサポーター(規制部材の一例)
7A リテーナサポーター(第1規制部材の一例)
7B リテーナサポーター(第2規制部材の一例)
8L,8R 案内溝
8L1,8L2 転動面
8R1,8R2 転動面
9 転動体
9a,9b 転動体
10L,10R 案内溝
10L1,10L2 転動面
10R1,10R2 転動面
11 リテーナストッパ
13 突起
14 ディンプル穴
15 テーブルストッパ(ストッパの一例)
16 蛇腹状のカバー

Claims (7)

  1. ベースに対して線状に移動するテーブルと、
    前記ベースに固定された線状の第1軌道台と、
    前記テーブルに設けられ、前記第1軌道台よりも短い、線状の第2軌道台と、
    前記第1軌道台と前記第2軌道台との間に挟まれるように配置され、前記第2軌道台よりも長く前記第1軌道台よりも短く形成された、複数の転動体を保持するリテーナと、
    前記第1軌道台の軸方向の一部区間に設置され、前記リテーナの前記第1軌道台からの離間を規制するリテーナと別体の規制部材と、
    を有し、
    前記規制部材は、
    前記第1軌道台の上部に設置され、前記第1軌道台からはみ出した部分が前記軸方向に移動する前記リテーナの幅方向一方側の端部と摺動して当該リテーナの幅方向一方側の端部の前記第1軌道台からの離間を規制する第1規制部材と、
    前記ベースに少なくとも一部が前記第2軌道台と対向するように設置され、前記第2軌道台と対向する部分からはみ出した部分が前記軸方向に移動する前記リテーナの幅方向他方側の端部と摺動して当該リテーナの幅方向他方側の端部の前記第1軌道台からの離間を規制する第2規制部材と、
    の少なくとも一方を有する
    ことを特徴とする摺動案内機構。
  2. ベースに対して線状に移動するテーブルと、
    前記ベースに固定された線状の第1軌道台と、
    前記テーブルに設けられ、前記第1軌道台よりも短い、線状の第2軌道台と、
    前記第1軌道台と前記第2軌道台との間に挟まれるように配置され、前記第2軌道台よりも長く前記第1軌道台よりも短く形成された、複数の転動体を保持するリテーナと、
    前記第1軌道台の軸方向の一部区間に設置され、前記リテーナの前記第1軌道台からの離間を規制するリテーナと別体の規制部材と、
    を有し、
    前記規制部材は、
    前記第1軌道台に設置され、前記リテーナの幅方向一方側の端部の前記第1軌道台からの離間を規制する第1規制部材と、
    前記ベースに設置され、前記リテーナの幅方向他方側の端部の前記第1軌道台からの離間を規制する第2規制部材と、
    の少なくとも一方を有し、
    前記規制部材が前記第1規制部材を有する場合には、
    前記リテーナは、
    前記幅方向一方側の端部、前記第1軌道台からの離間距離が大きくなるにつれて前記幅方向一方側の端部と前記幅方向他方側の端部との距離が小さくなるように形成された第1傾斜面を有しており、
    前記第1規制部材
    前記リテーナの前記幅方向一方側の端部に形成された前記第1傾斜面と対向する部位に、前記第1傾斜面と略平行となるように形成された第2傾斜面を有しており、
    前記第1規制部材の前記第2傾斜面が前記リテーナの前記第1傾斜面と微小な隙間を空けて対向するように配置されており、
    前記規制部材が前記第2規制部材を有する場合には、
    前記リテーナは、
    前記幅方向他方側の端部に、前記第1軌道台からの離間距離が大きくなるにつれて前記幅方向一方側の端部と前記幅方向他方側の端部との距離が小さくなるように形成された第1傾斜面を有しており、
    前記第2規制部材は、
    前記リテーナの前記幅方向他方側の端部に形成された前記第1傾斜面と対向する部位に、前記第1傾斜面と略平行となるように形成された第2傾斜面を有しており、
    前記第2規制部材の前記第2傾斜面が前記リテーナの前記第1傾斜面と微小な隙間を空けて対向するように配置されている
    ことを特徴とする動案内機構。
  3. ベースに対して線状に移動するテーブルと、
    前記ベースに固定された線状の第1軌道台と、
    前記テーブルに設けられ、前記第1軌道台よりも短い、線状の第2軌道台と、
    前記第1軌道台と前記第2軌道台との間に挟まれるように配置され、前記第2軌道台よりも長く前記第1軌道台よりも短く形成された、複数の転動体を保持するリテーナと、
    前記第1軌道台の軸方向の一部区間に設置され、前記リテーナの前記第1軌道台からの離間を規制するリテーナと別体の規制部材と、
    を有し、
    前記規制部材は、
    前記第1軌道台に設置され、前記リテーナの幅方向一方側の端部の前記第1軌道台からの離間を規制する第1規制部材と、
    前記ベースに設置され、前記リテーナの幅方向他方側の端部の前記第1軌道台からの離間を規制する第2規制部材と、
    の少なくとも一方を有し、
    前記リテーナは、
    前記幅方向一方側の端部が前記第1軌道台及び前記第2軌道台の一方側の端面よりも前記幅方向一方側に突出し、且つ、前記幅方向他方側の端部が前記第1軌道台及び前記第2軌道台の他方側の端面よりも前記幅方向他方側に突出しており、
    前記第1規制部材は、
    前記リテーナの前記幅方向一方側の端部を収容する凹部を有しており、
    前記第2規制部材は、
    前記リテーナの前記幅方向他方側の端部を収容する凹部を有している
    ことを特徴とする動案内機構。
  4. 前記規制部材及び前記リテーナの少なくとも一方は、
    含油素材又はエンジニアリングプラスチックで構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の摺動案内機構。
  5. 前記リテーナは、
    樹脂製、ステンレス製、又は、アルミ合金製である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の摺動案内機構。
  6. 前記第1軌道台及び前記第2軌道台には、
    前記転動体の外周面と接触する転動面を備え、前記転動体を案内する案内溝がそれぞれ形成されており、
    前記第2軌道台の前記案内溝は、
    前記軸方向における両端部近傍に、前記軸方向の端部に向けて前記案内溝の深さがR状に漸増する形状となるようにR面取り及びクラウニング研削加工が施されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の摺動案内機構。
  7. ベースに対して線状に移動するテーブルと、
    前記ベースに固定された線状の第1軌道台と、
    前記テーブルに設けられ、前記第1軌道台よりも短い、線状の第2軌道台と、
    前記第1軌道台と前記第2軌道台との間に挟まれるように配置され、前記第2軌道台よりも長く前記第1軌道台よりも短く形成された、複数の転動体を保持するリテーナと、
    前記第1軌道台の軸方向の一部区間に設置され、前記リテーナの前記第1軌道台からの離間を規制するリテーナと別体の規制部材と、
    を有し、
    前記第1軌道台及び前記第2軌道台には、
    前記転動体の外周面と接触する転動面を備え、前記転動体を案内する案内溝がそれぞれ形成された摺動案内機構の製造方法であって、
    前記第1軌道台を前記ベースに固定した後に、前記第1軌道台の前記案内溝の仕上げ研削を行う
    ことを特徴とする摺動案内機構の製造方法。
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