JP7354622B2 - 帯電装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、感光体を帯電させる帯電装置および画像形成装置に関する。
特許文献1には、帯電装置の帯電ロールを清掃するための清掃体が開示されている。この清掃体は、軸部の外周に螺旋状に巻き付けられた清掃材を有している。清掃材の巻き角度は軸部の軸方向の両端部において中央部よりも小さく設定され、軸方向の両端部で清掃材の清掃能力が高くなっている。これにより、帯電ロールの表面のうち異物の付着量が多い軸方向の両端部で多くの異物が除去される。
特開2011-191548号公報
しかしながら、上記した清掃体では清掃材が螺旋状に形成されているため、清掃体が軸周りに回転すると螺旋(ネジ)が進む方向に力が作用し、軸部の両端にかかる力(押圧力)のバランスが崩れる。すると、軸部の回転負荷が増減するため、清掃体が円滑に回転することができず、帯電ロールを適切に清掃することができなかった。
本発明は、上記課題を解決するために、帯電ローラーを適切に清掃することができる帯電装置および画像形成装置を提供する。
上記した目的を達成するため、本発明の帯電装置は、感光体に接触しながら軸周りに回転して前記感光体を帯電させる帯電ローラーと、軸部の外周面に螺旋状に形成された清掃材を有し、前記清掃材を前記帯電ローラーに押圧させながら軸周りに回転して前記帯電ローラーを清掃する清掃ローラーと、前記帯電ローラーの軸方向の両端部を回転可能に支持する一対の第1支持部材と、前記軸部の軸方向の両端部を回転可能に支持する一対の第2支持部材と、前記第1支持部材と前記第2支持部材との間に設けられ、前記帯電ローラーに対する前記清掃ローラーの押圧力の一部に抵抗して前記清掃ローラーを前記帯電ローラーから離れる方向に押し返す一対の弾性部材と、を備え、軸方向の一方に設けられた前記第2支持部材は、螺旋状の前記清掃材が前記帯電ローラーに接触しながら回転することで軸方向の一方に移動しようとする前記清掃ローラーを受け止める寄り止め部を有し、軸方向の一方に設けられた前記弾性部材は、軸方向の他方に設けられた前記弾性部材よりも小さな力で前記清掃ローラーを押し返す。
この場合、一対の前記第2支持部材を介して前記清掃ローラーを前記帯電ローラーに押し付ける一対の付勢部材を更に備え、前記付勢部材の押圧力は、前記弾性部材の押し返し力よりも大きいことが好ましい。
この場合、各々の前記弾性部材は、ゴムであり、軸方向の一方に設けられた前記弾性部材は、軸方向の他方に設けられた前記弾性部材よりも、前記清掃ローラーを押し返す方向に厚く形成されたことが好ましい。
この場合、各々の前記弾性部材は、ゴムであり、軸方向の一方に設けられた前記弾性部材は、軸方向の他方に設けられた前記弾性部材よりも柔らかいゴムで形成されたことが好ましい。
この場合、各々の前記弾性部材は、バネであり、軸方向の一方に設けられた前記弾性部材は、軸方向の他方に設けられた前記弾性部材よりもバネ定数が小さいことが好ましい。
この場合、一対の前記弾性部材の何れか一方はゴムであり、一対の前記弾性部材の何れか他方バネであることが好ましい。
上記した目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、上記のいずれかの帯電装置を備えた。
本発明によれば、帯電ローラーを適切に清掃することができる。
本発明の一実施形態に係るプリンターの内部構成を示す概略図(側面図)である。 本発明の一実施形態に係るプリンターの作像ユニットを示す概略図(側面図)である。 本発明の一実施形態に係る帯電装置および感光体ドラムを示す平面図である。 比較例(1)に係る帯電装置の検証結果を示すグラフである。 比較例(2)に係る帯電装置の検証結果を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る帯電装置の検証結果を示すグラフである。 本発明の一実施形態の第2変形例に係る帯電装置および感光体ドラムを示す平面図である。
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、図面に示す「Fr」は「前」を示し、「Rr」は「後」を示し、「L」は「左」を示し、「R」は「右」を示し、「U」は「上」を示し、「D」は「下」を示している。本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
[プリンターの概要]
画像形成装置の一例としてのプリンター1について説明する。図1はプリンター1の内部構成を示す概略図(側面図)である。図2はプリンター1の作像ユニット11を示す概略図(側面図)である。図3は帯電装置14および感光体ドラム13を示す平面図である。
図1に示すように、プリンター1は、略直方体状の外観を構成する装置本体2を備えている。装置本体2の下側には、紙製のシート(図示せず)を収容する給紙カセット3が着脱可能に設けられている。装置本体2の上面には、排紙トレイ4が設けられている。
プリンター1は、給紙装置5と、画像形成部6と、定着装置7と、を装置本体2の内部に備えている。給紙装置5は、給紙カセット3から排紙トレイ4まで延びる搬送路8の上流端部に設けられている。定着装置7は搬送路8の下流側に設けられ、画像形成部6は搬送路8において給紙装置5と定着装置7との間に設けられている。
画像形成部6は、トナーコンテナ10と、作像ユニット11と、光走査装置12と、を含んでいる。作像ユニット11はトナーコンテナ10よりも後方に配置され、光走査装置12はトナーコンテナ10よりも前方に配置されている。画像形成部6は、例えば、パーソナルコンピューター(図示せず)等から送信された画像データに基づいてシートにモノクロの画像形成処理を行う。
トナーコンテナ10は、中空箱状に形成され、例えば、黒色の補給用トナー(現像剤)を収容している。光走査装置12は、帯電した感光体ドラム13の表面に走査光を照射して静電潜像を形成する装置である。
図1および図2に示すように、作像ユニット11は、感光体ドラム13と、帯電装置14と、現像装置15と、転写ローラー16と、クリーニング装置17と、を含んでいる。帯電装置14、現像装置15と、転写ローラー16およびクリーニング装置17は、感光体ドラム13の周囲に転写プロセスの順(矢印X参照)に配置されている。
<感光体ドラム>
図2および図3に示すように、感光体ドラム13は、左右方向に長い円筒状に形成されている。感光体ドラム13は、導電性を有するドラム素管13Aと、ドラム素管13Aの外周面に形成された感光層13Bと、を有している。感光体ドラム13(ドラム素管13A)の軸方向の一端部には、ギア列等の駆動伝達機構を介してモーター等の駆動装置(図示せず)が連結されている。感光体ドラム13は、駆動装置によって軸周りに回転駆動される。
<帯電装置>
帯電装置14は、帯電ローラー20を感光体ドラム13(の感光層13B)に接触させながら軸周りに回転して感光層13Bを所定の極性および電位で一様に帯電させる(接触帯電方式)。なお、帯電装置14の詳細については後述する。
<現像装置>
図2に示すように、現像装置15は、感光体ドラム13と平行、且つ感光体ドラム13との間に隙間を有して設けられた現像ローラー15Aを含んでいる。現像ローラー15Aは、電源から現像バイアスを印加され、軸周りに回転しながら感光体ドラム13上の静電潜像にトナーを供給する(静電潜像を現像しトナー像を形成する)。
<転写ローラー>
転写ローラー16は、感光体ドラム13と平行に設けられ、感光体ドラム13に所定の圧力をもって接触している。転写ローラー16は、シートを感光体ドラム13に押し付け、感光体ドラム13上に現像されたトナー像をシートに転写する。
<クリーニング装置>
クリーニング装置17は、感光体ドラム13の表面に接触したクリーニングブレード17Aを有している。感光体ドラム13が回転することで、クリーニングブレード17Aの先端部が、感光体ドラム13の表面上に接触しながら相対移動し、感光体ドラム13の表面に残されたトナーを除去する。また、クリーニング装置17は、除去されたトナーを廃トナーボトル(図示せず)に排出する排出スクリュー17Bを有している。
なお、帯電装置14とクリーニング装置17との間には、感光体ドラム13の感光層13Bに残留した電荷を除去するための除電光を照射する除電デバイス18が設けられている。
[画像形成処理]
ここで、プリンター1の動作について説明する。プリンター1の制御装置(図示せず)は各装置を適宜制御し、以下のように画像形成処理を実行する。帯電装置14は、感光体ドラム13の表面を所定の電位に帯電させる。感光体ドラム13は、光走査装置12から出射された走査光(図1および図2に示す矢印P参照)を受け、静電潜像を担持する。現像装置15は、トナーコンテナ10から供給されたトナーを用いて感光体ドラム13上の静電潜像をトナー像に現像する。シートは、給紙装置5によって給紙カセット3から搬送路8に送り出される。転写ローラー16は、感光体ドラム13との間を通過するシートに感光体ドラム13上のトナー像を転写する。定着装置7はトナー像をシートに熱定着させる。その後、シートは排紙トレイ4に排出される。クリーニング装置17(クリーニングブレード17A)は感光体ドラム13上に残ったトナーを除去し、除電デバイス18は感光体ドラム13の感光層13Bに残留した電荷を除去する。
[帯電装置の構造]
次に、図3を参照して、帯電装置14について説明する。帯電装置14は、帯電ローラー20と、清掃ローラー21と、一対の第1支持部材22と、一対の第2支持部材23と、一対の付勢部材24と、一対の弾性部材25と、を備えている。
<帯電ローラー>
帯電ローラー20は、左右方向に長い円柱状に形成され、感光体ドラム13と平行に設けられている。帯電ローラー20は、帯電軸部30と、帯電ゴム層31と、を含んでいる。
帯電軸部30は、アルミ合金やステンレス等の導電性を有する金属製で円柱状に形成されている。帯電ゴム層31は、帯電軸部30の外周面に積層されている。帯電ゴム層31は、例えば、エピクロルヒドリンゴム等にイオン導電剤を配合した材料で構成され、導電性を有している。また、帯電ローラー20は、帯電バイアスを印加するための電源(図示せず)に電気的に接続されている。
<清掃ローラー>
清掃ローラー21は、帯電ローラー20を挟んで感光体ドラム13の反対側に配置されている。清掃ローラー21は、左右方向に長い略円筒状に形成され、帯電ローラー20と平行に設けられている。清掃ローラー21は、清掃軸部32(軸部)と、清掃材33と、を含んでいる。
清掃軸部32は、アルミ合金やステンレス等の金属製であり、左右方向に長い円柱状に形成されている。清掃材33は、清掃軸部32の外周面に螺旋状に形成されている。詳細には、清掃材33は、例えば、ウレタンスポンジ等、弾性変形可能な多孔質材で略紐状に形成され、清掃軸部32に螺旋状に巻き付けられている。清掃材33の螺旋(ネジ)は、清掃軸部32の回転によって右方に進む(捩じ込まれる)方向に巻かれている。また、清掃材33は、接着剤や両面テープ等によって清掃軸部32の外周面に固定されている。
<第1支持部材>
一対の第1支持部材22は、それぞれ、剛性の高い金属または合成樹脂製で略板状に形成されている。一対の第1支持部材22は、帯電ローラー20(帯電軸部30)の軸方向の両端部を回転可能に支持する部材である。具体的には、各第1支持部材22には、帯電軸部30の両端部を嵌合させる第1軸受部22Aが設けられている。各第1軸受部22Aは、軸周りに回転する帯電軸部30を支持している。
<第2支持部材>
一対の第2支持部材23は、それぞれ、剛性の高い金属または合成樹脂製で略板状に形成されている。一対の第2支持部材23は、清掃軸部32の軸方向の両端部を回転可能に支持する部材である。具体的には、各第2支持部材23には、清掃軸部32の端部を嵌合させる第2軸受部23Aが設けられている。各第2軸受部23Aは、軸周りに回転する清掃軸部32を支持している。また、各第2支持部材23は、回転軸(図示せず)を介して第1支持部材22に支持されている。各第2支持部材23は、回転軸を中心として揺動し、第1支持部材22に接近したり離間したりする。
ここで、清掃ローラー21は、螺旋状の清掃材33を帯電ローラー20に接触させながら軸周りに回転する。螺旋状の清掃材33をネジとみなすと、清掃ローラー21には、帯電ローラー20に対して捩じ込まれる方向(ネジが進む方向)、つまり右方に向かう力が作用する。そこで、右方に設けられた第2支持部材23は、螺旋状の清掃材33が帯電ローラー20に接触しながら回転することで右方に移動しようとする清掃ローラー21を受け止める寄り止め部34を有している。寄り止め部34は、右方の第2支持部材23の軸方向の外面から第2軸受部23Aを覆う位置まで略L字状に延設されている。第2軸受部23Aを貫通した清掃軸部32の右端面が寄り止め部34に当接することで、回転する清掃ローラー21が右方に移動することが規制される。
なお、第1および第2軸受部22A,23Aは、回転する帯電軸部30や清掃軸部32を支持することができるものであればよく、例えば、ボールベアリング等の転がり軸受や摩擦係数が低い樹脂製の滑り軸受等を用いることができる。
<付勢部材>
一対の付勢部材24は、それぞれ、例えば圧縮コイルスプリングである。各付勢部材24は、第2支持部材23の前端と装置本体2(のフレーム)との間に架設され、第2支持部材23を第1支持部材22に向かって押圧している。すなわち、一対の付勢部材24は、一対の第2支持部材23を介して清掃ローラー21を帯電ローラー20に押し付けている。また、各第2支持部材23は後述する弾性部材25を介して第1支持部材22に連結されているため、付勢部材24の付勢力は、第2支持部材23および弾性部材25を介して第1支持部材22にも伝達される。したがって、付勢部材24は、帯電ローラー20を感光体ドラム13に押し付けている。
<弾性部材>
一対の弾性部材25は、それぞれ、例えばシリコンゴムやポリウレタンゴム等で構成されている。一対の弾性部材25は、第1支持部材22と第2支持部材23との間に設けられ、第1支持部材22と第2支持部材23とを互いに離間させる向きに押圧している。すなわち、一対の弾性部材25は、清掃ローラー21の押圧力の一部に抵抗して清掃ローラー21を帯電ローラー20から離れる方向に押し返す。なお、以下、右方(軸方向の一方)に設けられた弾性部材25には符号「(R)」を付加し、左方(軸方向の他方)に設けられた弾性部材25には符号「L」を付加して説明する。また、一対の弾性部材25で共通する説明には、符号として算用数字のみを使用する。
右方に設けられた弾性部材25(R)は、左方に設けられた弾性部材25(L)よりも、前後方向(清掃ローラー21を押し返す方向)に厚く形成されている。したがって、一対の弾性部材25は互いに異なる弾性力(反発力)を有し、右方の弾性部材25(R)は、左方の弾性部材25(L)よりも小さな力で清掃ローラー21を押し返している。具体的には、弾性部材25(R)の弾性力は、弾性部材25(L)の弾性力の80~90%程度にすることが好ましい。なお、上記した付勢部材24の押圧力は、弾性部材25の押し返し力よりも大きく設定されている。したがって、弾性部材25の弾性力によって、清掃ローラー21が帯電ローラー20から離れてしまうことが防止される。
[帯電装置の作用]
次に、帯電装置14の作用について説明する。
帯電ローラー20と帯電ローラー20とは一対の付勢部材24に付勢され、帯電ローラー20は感光体ドラム13に所定の圧力で接触し、清掃ローラー21は帯電ローラー20に所定の圧力で接触している。帯電ローラー20は感光体ドラム13の回転に従って軸周りに回転し、清掃ローラー21は帯電ローラー20の従動回転に従って軸周りに回転する。帯電ローラー20は、電源から帯電バイアスを印加され、感光体ドラム13に接触しながら軸周りに回転して感光体ドラム13(の感光層13B)を帯電させる。
既に説明した画像形成処理が実行されると、シートに転写されずに感光体ドラム13に残されたトナー等の異物はクリーニング装置17によって感光体ドラム13から除去される。トナーの成分中で粒子径の小さい外添剤等の異物は、クリーニング装置17(クリーニングブレード17A)をすり抜け、帯電ローラー20の表面に付着する。
清掃ローラー21は、清掃材33を帯電ローラー20に押圧させながら軸周りに回転して帯電ローラー20の表面に付着した異物を清掃する(掻き取る)。既に説明したが、螺旋状の清掃材33が帯電ローラー20に接触しながら回転し、清掃ローラー21を右方に移動させる力が発生すると、清掃軸部32の右端面は寄り止め部34に押し付けられる(図3に破線で示す太矢印参照)。清掃軸部32の右端面が寄り止め部34に押し付けられた状態において、清掃ローラー21が回転すると、清掃ローラー21は、寄り止め部34に衝突したり寄り止め部34から跳ね返されたりするため、様々な方向(軸方向、径方向、周方向)に振動する。この場合、清掃軸部32の両端にかかる力のバランスが崩れるため、帯電ローラー20に対する清掃ローラー21(清掃材33)の押圧力が軸方向にわたって不均一になる。したがって、清掃ローラー21(清掃材33)によって帯電ローラー20を適切に清掃することが不可能になる。
そこで、本実施形態に係る帯電装置14では、右方の弾性部材25(R)の弾性力(反発力)が、右方の弾性部材25(L)の弾性力よりも小さく設定され、柔軟な弾性部材25(R)が、寄り止め部34の側において回転時に発生する振動を吸収する構成とした。
[検証結果]
次に、図4ないし図6を参照して、本実施形態に係る帯電装置14の効果を検証した結果について説明する。図4は比較例(1)に係る帯電装置の検証結果を示すグラフである。図5は比較例(2)に係る帯電装置の検証結果を示すグラフである。図6は本実施形態に係る帯電装置14の検証結果を示すグラフである。
この検証では、付勢部材24による帯電ローラー20に対する清掃ローラー21の押圧荷重や、帯電ローラー20に対する清掃ローラー21の食い込み量等を、所定の範囲で設計し(以下、単に「設計範囲(A)」という。)、この設計範囲(A)において3つの不具合が発生するか否かを確認した。詳細には、図4ないし図6に示すように、付勢部材24による帯電ローラー20に対する清掃ローラー21の押圧荷重[N]を縦軸とし、清掃ローラー21のトルク[N]を横軸とした表に、3つの不具合が発生する領域と、それ以外の領域(以下、「機能窓(S)」という。)を示し、設計範囲(A)が機能窓(S)に収まるか否かを確認した。
ここで、3つの不具合とは、帯電ローラー20のクリーニング不良(F1)(以下、単に「クリーニング不良(F1)」という。)、感光体ドラム13の帯電ムラ(F2)(以下、単に「帯電ムラ(F2)」という。)および帯電ローラー20の変形(F3)(以下、単に「変形(F3)」という。)である。クリーニング不良(F1)とは、低温低湿環境(例えば、温度(摂氏):10度、湿度:10%)にて高濃度印刷(例えば、印字率:25%)を行った場合に、シートに縦筋状の異常画像が発生することである。帯電ムラ(F2)とは、低温低湿環境においてシート上の画像に濃度ムラが発生することである。変形(F3)とは、高温高湿環境(例えば、温度(摂氏):32.5度、湿度:80%)にて5日間放置後に印刷を行った場合に、シートに横筋状の異常画像が発生することである。
本検証では、本実施形態に係る帯電装置14と、2つの比較例(1),(2)に係る帯電装置とを比較した。比較例(1)の帯電装置では一対の弾性部材25が無く、比較例(2)の帯電装置では一対の弾性部材25が同一の厚さ(3mm)に設定され、本実施形態に係る帯電装置14では、左方の弾性部材25(L)の厚さは3mm、右方の弾性部材25(R)の厚さは5mmに設定された。また、この検証では、外径9.5mmの帯電ローラー20と、外径10mmの清掃ローラー21とが用いられた。
図4ないし図6に示すように、本実施形態に係る帯電装置14および2つの比較例(1),(2)に係る帯電装置(以下、「全ての帯電装置14」という。)では、清掃ローラー21のトルクが約0.5N以下になると、クリーニング不良(F1)が発生した。また、全ての帯電装置14では、清掃ローラー21の押圧荷重が約8N以上になると、変形(F3)が発生した。
図4および図5に示すように、2つの比較例(1),(2)に係る帯電装置では、清掃ローラー21の押圧荷重の増加と、清掃ローラー21のトルクの増加とが線形となる関係を表す直線([清掃ローラー21の押圧荷重]=4.5×[清掃ローラー21のトルク]+2)以下の範囲で、帯電ムラ(F2)が発生した。2つの比較例(1),(2)に係る帯電装置では、3つの不具合が発生しない領域である機能窓(S)が、略同一の大きさ(面積)になった。比較例(1)の帯電装置では、設計範囲(A)は機能窓(S)に収まらず、大きくはみ出していた。これに対し、比較例(2)の帯電装置では、一対の弾性部材25が弾性変形することで、清掃ローラー21の外径公差(誤差)が吸収されるため、弾性部材25が存在しない比較例(1)の帯電装置に比べて、設計範囲(A)を小さくすることができる。しかしながら、比較例(2)の帯電装置では、小さくなった設計範囲(A)であっても、機能窓(S)に収まらない部分が存在した。
これに対し、図6に示すように、本実施形態に係る帯電装置14では、2つの比較例(1),(2)に係る帯電装置の場合よりも、清掃ローラー21の押圧荷重が低い範囲で帯電ムラ(F2)が発生した。つまり、線形の直線([清掃ローラー21の押圧荷重]=4×[清掃ローラー21のトルク]+1)が、清掃ローラー21の押圧荷重が低下する方向にシフトした。本実施形態に係る帯電装置14によれば、清掃ローラー21の押圧荷重を低くすることができ、3つの不具合が発生しない領域(機能窓(S))を拡大することができた。また、本実施形態に係る帯電装置14によれば、比較例(2)の帯電装置と同様に、弾性部材25によって清掃ローラー21の外径公差(誤差)を吸収することができ、比較例(1)の帯電装置よりも設計範囲(A)を小さくすることができる。これにより、設計範囲(A)が機能窓(S)に収まるようになった。つまり、本実施形態に係る帯電装置14によれば、3つの不具合(クリーニング不良(F1)、帯電ムラ(F2)、変形(F3))を解消することができる。
以上説明した本実施形態に係る帯電装置14では、螺旋状の清掃材33が帯電ローラー20に接触しながら回転することで右方(軸方向の一方)に移動しようとする清掃ローラー21を、寄り止め部34が受け止める構成であった。また、一対の弾性部材25が、帯電ローラー20を支持する一対の第1支持部材22と、清掃ローラー21を支持する一対の第2支持部材23との間に設けられ、清掃ローラー21の押圧力(付勢部材24の付勢力)の一部を吸収(相殺)する構成とした。この構成によれば、弾性部材25が弾性変形することで、帯電ローラー20と清掃ローラー21との距離を僅かに変更することができるため、清掃ローラー21の直径(外径)の寸法公差を吸収することができる。また、この構成によれば、右方の弾性部材25(R)の弾性力(反発力)は、左方の弾性部材25(L)の弾性力よりも小さいため、清掃軸部32の一端が寄り止め部34に押し付けられながら回転することで生じる振動を有効に吸収することができる。これにより、帯電ローラー20に対する清掃ローラー21(清掃材33)の押圧力が軸方向にわたって略均一になり、清掃ローラー21が帯電ローラー20に接触しつつ円滑に回転するため、帯電ローラー20を適切に清掃することができる。
また、本実施形態に係る帯電装置14によれば、弾性部材25が付勢部材24の付勢力の一部に対向するため、清掃ローラー21を帯電ローラー20に押し付けながら清掃ローラー21の不要な振動を吸収することができる。
また、本実施形態に係る帯電装置14によれば、右方の弾性部材25(R)を左方の弾性部材25(L)よりも分厚くすることで、弾性部材25(R)の弾性力を弾性部材25(L)の弾性力よりも小さくすることができる。これにより、清掃軸部32の一方の振動が有効に吸収され、清掃ローラー21を円滑に回転させることができ、帯電ローラー20を適切に清掃することができる。
[第1変形例]
なお、本実施形態に係る帯電装置14では、一対の弾性部材25が、互いに異なる厚みに形成されることで、互いに異なる弾性力(反発力)を有していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1変形例に係る帯電装置14として、一対の弾性部材25は、互いに柔らかさ(硬さ)の異なるゴムで、互いに同じ厚みに形成されてもよい。すなわち、右方に設けられた弾性部材25(R)は、左方に設けられた弾性部材25(L)よりも柔らかいゴムで形成されてもよい(図示せず)。第1変形例に係る帯電装置14によれば、寄り止め部34の側に設けられた弾性部材25(R)の弾性力を他方の弾性部材25(L)の弾性力よりも小さくすることができ、先に説明した本実施形態に係る帯電装置14を同様の作用、効果を得ることができる。なお、一対の弾性部材25は、互いに柔らかさ(硬さ)の異なるゴムで、互いに異なる厚みに形成されてもよい(図示せず)。
[第2変形例]
また、本実施形態に係る帯電装置14では、一対の弾性部材25がゴムであったが、本発明はこれに限定されない。例えば、第2変形例に係る帯電装置14として、図7に示すように、各々の弾性部材26は、圧縮コイルバネであってもよい。この場合、右方に設けられた弾性部材26(R)は、左方に設けられた弾性部材26(L)よりもバネ定数が小さいことが好ましい。第2変形例に係る帯電装置14によれば、寄り止め部34の側に設けられた弾性部材26(R)の弾性力を他方の弾性部材26(L)の弾性力よりも小さくすることができ、先に説明した本実施形態に係る帯電装置14を同様の作用、効果を得ることができる。なお、各々の弾性部材26として、圧縮コイルバネに代えて、板バネ等が採用されてもよい(図示せず)。
[第3変形例]
また、本実施形態(第1変形例および第2変形例を含む。)に係る帯電装置14では、一対の弾性部材25,26が共にゴムまたは共にバネで構成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、一対の弾性部材25,26の何れか一方はゴムであり、一対の弾性部材25,26の何れか他方バネであってもよい(図示せず)。
また、上記実施形態の説明では、一例として、本発明をプリンター1に適用した場合を示したが、これに限らず、例えば、カラープリンター、複写機、ファクシミリまたは複合機等に本発明を適用してもよい。
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る帯電装置および画像形成装置における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。
1 プリンター(画像形成装置)
13 感光体ドラム(感光体)
14 帯電装置
20 帯電ローラー
21 清掃ローラー
32 清掃軸部(軸部)
31 清掃材
22 第1支持部材
23 第2支持部材
24 付勢部材
25,26 弾性部材

Claims (7)

  1. 感光体に接触しながら軸周りに回転して前記感光体を帯電させる帯電ローラーと、
    軸部の外周面に螺旋状に形成された清掃材を有し、前記清掃材を前記帯電ローラーに押圧させながら軸周りに回転して前記帯電ローラーを清掃する清掃ローラーと、
    前記帯電ローラーの軸方向の両端部を回転可能に支持する一対の第1支持部材と、
    前記軸部の軸方向の両端部を回転可能に支持する一対の第2支持部材と、
    前記第1支持部材と前記第2支持部材との間に設けられ、前記帯電ローラーに対する前記清掃ローラーの押圧力の一部に抵抗して前記清掃ローラーを前記帯電ローラーから離れる方向に押し返す一対の弾性部材と、を備え、
    前記軸部の前記軸方向の一方に設けられた前記第2支持部材は、螺旋状の前記清掃材が前記帯電ローラーに接触しながら回転することで前記軸方向の前記一方に移動しようとする前記清掃ローラーを受け止める寄り止め部を有し、
    前記軸方向の前記一方に設けられた前記弾性部材は、前記軸方向の他方に設けられた前記弾性部材よりも小さな力で前記清掃ローラーを押し返すことを特徴とする帯電装置。
  2. 一対の前記第2支持部材を介して前記清掃ローラーを前記帯電ローラーに押し付ける一対の付勢部材を更に備え、
    前記付勢部材の押圧力は、前記弾性部材の押し返し力よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
  3. 各々の前記弾性部材は、ゴムであり、
    前記軸方向の前記一方に設けられた前記弾性部材は、前記軸方向の前記他方に設けられた前記弾性部材よりも、前記清掃ローラーを押し返す方向に厚く形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の帯電装置。
  4. 各々の前記弾性部材は、ゴムであり、
    前記軸方向の前記一方に設けられた前記弾性部材は、前記軸方向の前記他方に設けられた前記弾性部材よりも柔らかいゴムで形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の帯電装置。
  5. 各々の前記弾性部材は、バネであり、
    前記軸方向の前記一方に設けられた前記弾性部材は、前記軸方向の前記他方に設けられた前記弾性部材よりもバネ定数が小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の帯電装置。
  6. 一対の前記弾性部材の何れか一方はゴムであり、一対の前記弾性部材の何れか他方バネであることを特徴とする請求項1または2に記載の帯電装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の帯電装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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