JP7352787B1 - レーザ溶接装置及びレーザ光の照射位置ずれの補正方法 - Google Patents

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Abstract

レーザ溶接装置(100)は、レーザ発振器(10)と、レーザヘッド(30)と、コントローラ(50)と、ステージ(70)と、を備えている。レーザヘッド(30)は、レーザ光(LB)を二次元的に走査するレーザ光スキャナ(40)と、光センサ(38)と、レーザ光(LB)の反射戻り光を光センサ(38)に入射させる光学系(39)と、を有している。レーザ光スキャナ(40)によりレーザ光(LB)を二次元的に走査しながら、ステージ(70)に設けられた反射スポット(72b)の周りに照射する場合に、コントローラ(50)は、反射スポット(72b)の中心位置と光センサ(38)の出力がピークとなる第1ピーク位置(O1)とに基づいて、レーザ光(LB)の照射位置ずれを補正する。

Description

本開示は、レーザ溶接装置及びレーザ光の照射位置ずれの補正方法に関する。
レーザ光を照射してワークを溶接するレーザ溶接は、レーザ光のパワー密度が高いため高品質の溶接を行うことができる。このため、近年、レーザ溶接が広く利用されている。
また、レーザ溶接において、ワークを高速で溶接するために、レーザ光の照射位置を光学的に走査するスキャン方式が用いられる。多くの場合、ガルバノミラーを用いてレーザ光を二次元的に走査する(例えば、特許文献1参照)。
しかし、ガルバノミラーを用いたレーザ溶接装置では、レーザ光の一部が、ガルバノミラーに吸収されてしまうため、レーザ溶接中にガルバノミラーの温度が上昇する。この影響により、レーザ光の照射位置が設定した位置からずれてしまうことがある。また、これ以外にも、ガルバノミラーを駆動する駆動回路の発熱やレーザ溶接中の溶接装置の内部雰囲気の温度上昇等により、ガルバノミラーの温度が上昇し、レーザ光の照射位置ずれが発生する場合がある。このように、種々の要因により、ガルバノミラーの温度が上昇して、温度ドリフトと呼ばれる、レーザ光の照射位置ずれが発生する。
温度ドリフトに起因したレーザ光の照射位置ずれを低減するため、例えば、特許文献2には、CCDカメラとガルバノミラーのマウント部等に取り付けられた温度センサとを備えたレーザ加工装置が開示されている。CCDカメラは、レーザ光による実際の加工位置を検出し、加工位置と設定位置との間のずれ量を、温度センサで計測した温度と、予め求められた補正係数テーブルとを用いて補正する。
特開2005-95934号公報 特開2005-40843号公報
一方、温度ドリフト以外にも、レーザ光の照射位置ずれを生じさせる要因がある。主なものとして、レーザヘッドを保持し、移動させるマニピュレータの調整不足、摩耗もしくは経年劣化が挙げられる。マニピュレータの可動機構の調整が不十分である場合、もしくは摩耗、経年劣化が発生すると、設定した位置に対してレーザ光の照射位置がずれてしまうことがある。
これを解決するには、マニピュレータの定期点検とメンテナンスが必要になる。しかし、点検頻度を高めると、装置のダウンタイムが長くなるとともに労力とメンテナンスコストがかかるという問題があった。
本開示はかかる点に鑑みてなされたもので、その目的は、簡便な構成でレーザ光の照射位置ずれを補正可能なレーザ溶接装置及びレーザ光の照射位置ずれの補正方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本開示に係るレーザ溶接装置は、レーザ光を発生させるレーザ発振器と、前記レーザ光を受け取ってワークに向けて照射するレーザヘッドと、少なくとも前記レーザヘッドの動作を制御するコントローラと、前記ワークを載置するステージと、を少なくとも備え、前記レーザヘッドは、前記レーザ光を第1方向と前記第1方向と交差する第2方向のそれぞれに走査するレーザ光スキャナと、光センサと、前記レーザ光の反射戻り光を前記光センサに入射させる光学系と、を有し、前記コントローラは、前記レーザ光を溶接線に沿って進行させながら、前記レーザ光を二次元的に走査するように前記レーザ光スキャナを駆動制御し、前記ステージは、補正部を有し、前記補正部は、反射板と、前記反射板の表面に設けられた反射スポットと、を有し、前記コントローラは、前記レーザ光を二次元的に走査しながら、前記反射スポットの周りに前記レーザ光を照射するように前記レーザ光スキャナを駆動制御して、前記光センサの出力がピークとなる第1ピーク位置を検出し、前記コントローラは、前記反射スポットの中心位置と前記第1ピーク位置とに基づいて、前記レーザ光の照射位置ずれを補正するように構成されていることを特徴とする。
本開示に係るレーザ光の照射位置ずれの補正方法は、前記レーザ溶接装置を用いたレーザ光の照射位置ずれの補正方法であって、前記レーザヘッドを前記反射スポットの中心位置に移動させるステップと、前記レーザ光スキャナを動作させて、前記レーザ光を二次元的に走査させながら、前記反射スポットの中心位置の周りに照射するステップと、前記光センサの出力がピークとなる第1ピーク位置を確認するステップと、前記第1ピーク位置が、前記反射スポットの中心位置と一致しているか否かを判断するステップと、前記第1ピーク位置が、前記反射スポットの中心位置と一致していれば、補正作業を終了するステップと、前記第1ピーク位置が、前記反射スポットの中心位置と一致していなければ、前記第1ピーク位置と前記反射スポットの中心位置とのずれ量を求めるステップと、前記反射スポットの中心位置の座標と前記ずれ量とに基づいて、前記レーザ光の照射位置ずれを補正するステップと、を備えたことを特徴とする。
本開示のレーザ溶接装置によれば、簡便な構成でレーザ光の照射位置ずれを補正できる。また、本開示のレーザ光の照射位置ずれの補正方法によれば、簡便にレーザ光の照射位置ずれを補正できる。
実施形態1に係るレーザ溶接装置の概略構成図である。 レーザ光スキャナの概略構成図である。 ステージの平面図である。 補正部の拡大平面図である。 図4のV-V線での断面模式図である。 レーザヘッドの概略構成図である。 実施形態1に係るレーザ光の照射位置ずれの補正手順を示すフローチャートである。 光センサの出力をレーザ光が走査されるXY平面にプロットした場合の模式図である。 レーザ光の照射角度ずれの補正における誤差発生のメカニズムを示す模式図であって、レーザ光が反射スポットに対して垂直に入射した場合の模式図である。 レーザ光の照射角度ずれの補正における誤差発生のメカニズムを示す模式図であって、レーザ光が反射スポットに対して斜めに入射した場合の模式図である。 レーザ光の垂直入射からの入射角度ずれ量とXY平面での位置ずれ量との関係を示す模式図である。 実施形態2に係るレーザ光の照射位置ずれの補正手順を示すフローチャートである。
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
[レーザ溶接装置の構成]
[レーザ溶接装置及びレーザ光スキャナの構成]
図1は、本実施形態に係るレーザ溶接装置の構成の模式図を示し、図2は、レーザ光スキャナの概略構成図を示す。
なお、以降の説明において、ミラー33から光センサ38に向かうレーザ光LBの進行方向と平行な方向をX方向と呼ぶことがある。レーザヘッド30から出射されるレーザ光LBの光軸と平行な方向をZ方向と呼ぶことがある。X方向及びZ方向とそれぞれ直交する方向をY方向と呼ぶことがある。X方向とY方向とを面内に含むXY平面は、ワーク200の表面が平坦面である場合、当該表面と略平行でもよく、当該表面と一定の角度をなしていてもよい。
図1に示すように、レーザ溶接装置100は、レーザ発振器10と光ファイバ20とレーザヘッド30とコントローラ50とマニピュレータ60とステージ70を備えている。
レーザ発振器10は、図示しない電源から電力が供給されてレーザ光LBを発生させるレーザ光源である。なお、レーザ発振器10は、単一のレーザ光源で構成されていてもよいし、複数のレーザモジュールで構成されていてもよい。後者の場合は、複数のレーザモジュールからそれぞれ出射されたレーザ光を結合してレーザ光LBとして出射する。また、レーザ発振器10で使用されるレーザ光源あるいはレーザモジュールは、ワーク200の材質や溶接部位の形状等に応じて、適宜選択される。
光ファイバ20は、レーザ発振器10に光学的に結合されている。レーザ発振器10で発生したレーザ光LBは、光ファイバ20に入射されて、光ファイバ20の内部をレーザヘッド30に向けて伝送される。
レーザヘッド30は、光ファイバ20の端部に取り付けられており、光ファイバ20から伝送されたレーザ光LBをワーク200に向けて照射する。
また、レーザヘッド30は、光学部品として、コリメーションレンズ32とミラー33と第1集光レンズ34とレーザ光スキャナ40とを有している。また、レーザヘッド30は、保護ガラス35とアパーチャー36と第2集光レンズ37と光センサ38とを有している。筐体31の内部にこれらの光学部品が所定の配置関係を保って収容されている。
コリメーションレンズ32は、光ファイバ20から出射されたレーザ光LBを受け取って、平行光に変換し、ミラー33に入射させる。また、コリメーションレンズ32は、図示しない駆動部に連結されており、コントローラ50からの制御信号に応じて、Z方向に変位可能に構成されている。コリメーションレンズ32をZ方向に変位させることで、レーザ光LBの焦点位置を変化させ、ワーク200の形状に応じて適切にレーザ光LBを照射させることができる。つまり、コリメーションレンズ32は、図示しない駆動部との組み合わせにより、レーザ光LBの焦点位置調整機構としても機能している。図1では、コリメーションレンズ32が1枚のレンズで構成された例を示している。コリメーションレンズ32の位置をZ方向に駆動すると焦点位置を調整できるが、コリメーションレンズ32から出射されたレーザ光LBは、その平行度が多少減少する。このことを防ぐために、コリメーションレンズ32を複数枚のレンズを組み合わせた構成とするのが望ましい。なお、第1集光レンズ34を駆動部により変位させて、レーザ光LBの焦点位置を変化させるようにしてもよい。駆動部は、例えば、アクチュエータまたはモータである。
ミラー33は、コリメーションレンズ32を透過したレーザ光LBをさらに透過して、レーザ光スキャナ40に入射させる。一方、ミラー33は、ステージ70の反射スポット72b(図3~5参照)で反射され、レーザ光スキャナ40を通過したレーザ光LBの反射戻り光をアパーチャー36に向けて反射させる(図6参照)。ミラー33の表面は、コリメーションレンズ32を透過したレーザ光LBの光軸と約45度をなすように設けられている。
第1集光レンズ34は、ミラー33を透過して、レーザ光スキャナ40で走査されたレーザ光LBをワーク200の表面に集光させる。
保護ガラス35は、レーザ光LBに対して透明な材質からなる。保護ガラス35は、レーザ溶接中に発生したスパッタやヒュームが、筐体31の内部に入り込むのを防止する。なお、スパッタとは、ワーク200の溶融物が飛び散ったものであり、ヒュームとは、ワーク200が溶融して発生する金属蒸気である。
アパーチャー36は、X方向に沿って、ミラー33と第2集光レンズ37との間に配置される。第2集光レンズ37は、X方向に沿って、アパーチャー36と光センサ38との間に配置される。なお、アパーチャー36と第2集光レンズ37と光センサ38との機能については後で述べる。また、後で述べるように、ミラー33とアパーチャー36と第2集光レンズ37とで構成される光学系39は、レーザ光LBの反射戻り光を光センサ38に入射させるように構成されている。なお、図1では、光ファイバ20の端面から出射し、レーザ光スキャナ40に入射するレーザ光の光軸とレーザ光スキャナ40から出射したレーザ光LBの光軸とが一致しているように描いているが、これは模式的な図示であり、レーザ光スキャナ40を構成する第1ガルバノミラー41と第2ガルバノミラー42(いずれも図2参照)との関係で、実際には両者は一致しない。このことについては、後で図6を用いて詳細に説明する。
図2に示すように、レーザ光スキャナ40は、第1ガルバノミラー41と第2ガルバノミラー42とを有する公知のガルバノスキャナである。第1ガルバノミラー41は、第1ミラー41aと第1回転軸41bと第1駆動部41cとを有し、第2ガルバノミラー42は、第2ミラー42aと第2回転軸42bと第2駆動部42cとを有している。第1集光レンズ34を透過したレーザ光LBは、第1ミラー41aで反射され、さらに第2ミラー42aで反射されて、ワーク200の表面に照射される。
例えば、第1駆動部41c及び第2駆動部42cは、ガルバノモータであり、第1回転軸41b及び第2回転軸42bは、モータの出力軸である。図示していないが、第1駆動部41cが、コントローラ50からの制御信号に応じて動作するドライバによって回転駆動することで、第1回転軸41bに取り付けられた第1ミラー41aが第1回転軸41bの軸線回りに回転する。同様に、第2駆動部42cが、コントローラ50からの制御信号に応じて動作するドライバによって回転駆動することで、第2回転軸42bに取り付けられた第2ミラー42aが第2回転軸42bの軸線回りに回転する。
第1ミラー41aが第1回転軸41bの軸線回りに所定の角度まで回転動作をすることで、レーザ光LBがX方向に走査される。また、第2ミラー42aが第2回転軸42bの軸線回りに所定の角度まで回転動作をすることで、レーザ光LBがY方向に走査される。つまり、レーザ光スキャナ40は、レーザ光LBをXY平面内で二次元的に走査してワーク200に向けて照射するように構成されている。
コントローラ50は、レーザ発振器10のレーザ発振を制御する。具体的には、レーザ発振器10に接続された図示しない電源に対してレーザ光LBの出力と所定の関係をなす出力電流やオンオフ時間等の制御信号を供給することにより、レーザ発振制御を行う。また、コントローラ50は、レーザ光LBの出力を制御する。
また、コントローラ50は、選択されたレーザ溶接プログラムの内容に応じて、レーザヘッド30の動作を制御する。具体的には、レーザヘッド30に設けられたレーザ光スキャナ40及び、コリメーションレンズ32の図示しない駆動部の駆動制御を行う。さらに、コントローラ50は、マニピュレータ60の動作を制御する。
コントローラ50は、情報処理部51として、LSIまたはマイクロコンピュータ等の集積回路を有しており、この集積回路上でソフトウェアであるレーザ溶接プログラムを実行することで、前述のコントローラ50の機能が実現される。また、コントローラ50は、記憶部52として、RAMやROMやSSD等のメモリデバイスを有している。レーザ溶接プログラムは、記憶部52に保存され、コントローラ50からの命令によってコントローラ50に呼び出される。なお、記憶部52は、コントローラ50に着脱可能なSDカード(登録商標)であってもよい。また、記憶部52は、コントローラ50とは別の場所に設けられてもよい。
また、記憶部52は、後で述べるレーザ光LBの照射位置の補正結果等を保存する。例えば、温度ドリフトに起因したレーザ光LBの照射位置のずれ量やその補正結果が記憶部52に保存される。具体的には、第1ガルバノミラー41と第2ガルバノミラー42でのレーザ光LBの吸収に起因するレーザ光LBの照射位置のずれ量やその補正結果が記憶部52に保存される。あるいは、これらを駆動する駆動回路の発熱に起因するレーザ光LBの照射位置のずれ量やその補正結果が記憶部52に保存される。
なお、レーザヘッド30の動作を制御するコントローラ50とレーザ光LBの出力を制御するコントローラ50とを別個に設けてもよい。
マニピュレータ60は、多関節ロボットであり、レーザヘッド30の筐体31に取り付けられている。また、マニピュレータ60は、コントローラ50と信号の授受が可能に接続され、前述のレーザ溶接プログラムに応じて所定の軌跡を描くようにレーザヘッド30を移動させる。その結果、レーザ光LBが、溶接線WLに沿って、また、溶接線WLの周りを二次元的に走査されながら、ワーク200の表面に照射される。
なお、マニピュレータ60の動作を制御する別のコントローラ(図示せず)を設けるようにしてもよい。ただし、その場合も、レーザ光LBの照射位置の構成を行うため、レーザヘッド30の動作を制御するコントローラ50とデータ通信可能に構成される必要がある。
ステージ70は、本体部71と補正部72とを有している。ステージ70の構成については、後で詳述する。
図1に示すレーザ溶接装置100は、種々の形状のワーク200に対してレーザ溶接を行うことができる。
[ステージ及びレーザヘッドの構成]
図3は、ステージの平面図を、図4は、補正部の拡大平面図を、図5は、図4のV-V線での断面模式図をそれぞれ示す。
図3に示すように、ステージ70は、本体部71と補正部72とを有している。本体部71にはワーク200が載置され、レーザ光LBの照射によりワーク200が溶接される。このため、図示しないが、本体部71は、ワーク200を支持する平坦面を有する部分とレーザ光LBが通過する部分とを含んでいる。
一方、補正部72は、本体部71の一角に配置されている。図4及び図5に示すように、補正部72は、レーザ光LBを反射する反射板72aと、反射板72aの表面に設けられた反射スポット72bとを有している。なお、反射スポット72bの直径dは、レーザ光LBの直径の1/10倍~等倍(1倍)程度になるように設定されている。なお、図4及び図5に示す反射スポット72bの形状は、Z方向から見て円形状で、断面視で板状であるが、特にこれに限定されない。例えば、反射スポット72bが、Z方向から見て四角形であってもよい。なお、反射スポット72bの表面と反射板72aの表面とが面一になるように、反射スポット72bが設けられてもよい。
反射スポット72bにおけるレーザ光LBの反射率は、反射板72aにおけるレーザ光LBの反射率よりも高くなるように設計されている。本開示の内容を限定するものではないが、補正部72は、一例として、以下の通りに構成することができる。例えば、補正部72として、表面に所定の形状の銅箔が設けられたプリント基板を使用することができる。その際、反射板72aは、銅箔が除去されたエポキシ樹脂の板材部分とし、反射スポット72bは、所定の直径を有するスポット形状の銅箔とすればよい。また、銅箔の部分には、金メッキを施せば、なおよい。このようにすると、銅箔の部分とエポキシ樹脂とで、レーザ光LBに対する反射率の差が十分に大きくなるので、補正部72の役割を容易に果たすことができる。また、反射スポット72bは、銅や金に特に限定されず、レーザ光LBに対して所定以上の反射率を有する材料であればよい。例えば、アルミニウムや銀であってもよい。また、反射スポット72b以外の補正部72が、レーザ光LBに対して反射スポット72bよりも反射率が低い材料であればよい。
後で述べるように、補正部72は、レーザ光スキャナ40において、前述した温度ドリフトが発生しているか否か、また、発生している場合は、温度ドリフトの補正量を測定するために利用される。
なお、ステージ70における補正部72の位置は、図3に示したものに特に限定されない。ただし、ワーク200のレーザ溶接時には、溶接線WLの近傍に、スパッタやヒュームが飛散したり、ワーク200がアルミニウムを含む場合には、スマットが付着したりする。これらが反射スポット72bに付着するのを防ぐため、ワーク200の溶接線WLが、補正部72から所定以上離れた位置に配置されるようにする必要がある。また、溶接工程では、補正部72は使用されないため、その表面を保護するように図示しないカバーを取り付けてもよい。
レーザ光LBが、図4に示す破線に沿って、言い換えると、X方向及びY方向のそれぞれに所定の間隔をあけて順次走査されながら、補正部72に照射される。レーザ光LBが反射スポット72bに入射された場合、ほとんど散乱等されること無く、もとの光路に沿って反射される。ただし、反射スポット72bに対し垂直に入射したレーザ光以外は、もとの光路をそのまま戻って反射されるわけではなく、もとの光路とわずかなずれが生じる。後述するが、このずれに対しても補正すれば、レーザ光LBの照射位置ずれに対する補正精度をさらに高めることができる。
図6は、レーザヘッドの概略構成図を示す。なお、説明の便宜上、図6において、筐体31の図示を省略している。また、レーザ光スキャナ40を簡略化して図示している。
図6に示すように、光ファイバ20から筐体31の内部に導光されたレーザ光LBは、コリメーションレンズ32で平行化される。平行化されたレーザ光LBは、ミラー33を透過する。ミラー33を透過したレーザ光LBは、レーザ光スキャナ40に入射する。なお、この場合、レーザ光スキャナ40におけるレーザ光LBの入射位置P1は、光ファイバ20から筐体31の内部に導光されたレーザ光LBの光軸a-a’上にある。
レーザ光スキャナ40を通過したレーザ光LBは、レーザ光スキャナ40における位置P2から出射される。レーザ光スキャナ40を動作させず、第1ガルバノミラー41と第2ガルバノミラー42がそれぞれ初期位置にある場合、図6において、位置P2は光軸c-c’上にあるとしている。ただし、レーザ光LBを走査する場合は、位置P2は光軸c-c’とともに別のずれた場所に位置する(図示せず)。なお、レーザ光スキャナ40によりレーザ光LBを走査した場合と走査しない場合のいずれにおいても、実際のレーザ光LBは、レーザ光スキャナ40の内部では第1ガルバノミラー41と第2ガルバノミラー42の反射を受ける。そのため、入射ビームの光軸a-a’は出射ビームの光軸c-c’とは一致しない。このことにより、図6において、レーザ光スキャナ40から出射されたレーザ光LBが所定の距離だけX方向へシフトしているように描いている。
レーザ光LBは、反射板72aに位置P3で入射し、レーザ光スキャナ40に向けて、つまり、概ねZ方向に沿って反射板72aから入射方向とは反対の方向に反射される。レーザ光LBの反射戻り光は、位置P4でレーザ光スキャナ40に入射し、位置P5からレーザ光スキャナ40の外部に出射され、さらにミラー33に入射される。レーザ光LBは、位置P6でミラー33に入射した後、X方向に反射され、アパーチャー36に入射する。アパーチャー36で絞りがかけられたレーザ光LBは、光量と直径とが調整される。なお、位置P6から光センサ38の中心位置P7に向かうレーザ光LBの光軸は、図6において、b-b’で示される。
第2集光レンズ37は、アパーチャー36を通過したレーザ光LBを光センサ38の受光面(図示せず)に集光させる。つまり、前述の光学系39は、保護ガラス35を透過して、筐体31の内部に進入したレーザ光LBの反射戻り光を光センサ38に入射させる。
光センサ38は、入射したレーザ光LBの光量に応じた電気信号を出力する。この出力信号は、コントローラ50に入力され、後で述べるレーザ光LBの照射位置の補正に用いられる。
[レーザ光の照射位置ずれの補正方法]
図7は、レーザ光の照射位置ずれの補正手順のフローチャートを示し、図8は、光センサの出力をレーザ光が走査されるXY平面にプロットした場合の模式図を示す。図8では、説明のために、XY平面上における反射スポット72bに対する入射ビームの角度が常に垂直の場合を想定している。
図3に示す補正部72において、XY平面上で反射スポット72bの中心位置をレーザ光スキャナ40のガルバノ原点と一致するようにし、原点Oとする。ここで、ガルバノ原点は、温度ドリフトが無い場合の、レーザヘッド30のXY平面上でのレーザ光LBの初期位置に対応している。言い換えると、ガルバノ原点は、マニピュレータ60の先端のXY平面上での初期位置に対応している。原点Oは、XY平面上の座標として記憶部52に保存されている。
温度ドリフトが無い場合、レーザ光LBが原点O及びその近傍に照査された場合のみに、光センサ38で出力信号が発生する。なお、この場合の「近傍」とは、原点OからXY平面上にレーザ光LBを集光した際の半径の1/10~1/2程度に離れた距離をいう。言うまでもなく、この距離を短くすることもできる。その際には、後述する補正の精度がより高くなる。
一方、温度ドリフトが発生している場合、その影響によって、レーザ光LBを走査する場合に、走査時の原点がガルバノ原点に該当する原点Oからずれてしまう場合がある。つまり、原点Oからレーザ光LBが所定以上に離れた位置に照射された場合に、光センサ38で出力信号が発生することがある。
このようなことが起こると、ワーク200に対して所望の照射軌跡でレーザ光LBを照射できなくなり、溶接不良が発生する原因となるおそれがある。
なお、「走査時の原点」とは、実際の溶接、または後述する補正時にレーザ光スキャナ40にてワーク200またはステージ70表面に照射した場合の、X軸方向の位置指令とY軸方向の位置指令とがともにゼロ(もしくは、レーザ光スキャナ40と対応する固定値。説明上、以下では、この値をゼロとする。)の場合の、XY平面上での実際のレーザ光LBの照射点にあたる。なお、X軸方向の位置指令とは、第1駆動部41cに対する回転位置の指令(以下、回転指令という)であり、Y軸方向の位置指令とは、第2駆動部42cに対する回転指令である。この場合、X軸方向とY軸方向の位置指令はともにゼロなので、温度ドリフトが無い場合、走査時の原点はガルバノ原点と一致する。
そこで、図7に示す手順で、レーザ光LBの照射位置、この場合は、走査時の原点位置のずれを補正することで、ワーク200に対して所望の照射軌跡でレーザ光LBを照射でき、溶接不良の発生を抑制できる。以下、さらに説明する。
マニピュレータ60を移動させて、レーザヘッド30のレーザ光スキャナ40をXY平面上で、補正部72の反射スポット72bの中心位置、つまり原点Oに移動させる(図7のステップS1)。
レーザ光スキャナ40を動作させて、レーザ光LBを図4に示す破線に沿って走査させながら、原点Oの周りに照射する(図7のステップS2)。ステップS2において、マニピュレータ60は移動させない。つまり、レーザヘッド30の位置自体は、原点Oを保ったまま、レーザ光LBを図4に示す破線に沿って走査させる。また、ステップS2におけるレーザ光LBの出力は、レーザ溶接時よりも大幅に低下させている。反射板72aや光センサ38の損傷を防止するためである。例えば、レーザ溶接時のレーザ光LBの出力が数kWである場合、ステップS2におけるレーザ光LBの出力は、反射板72aまたは反射スポット72bに損傷を与えず、かつ、光センサ38で十分感知できる程度の値(数mW程度)でよい。なお、通常、レーザ発振器10では、レーザ光LBの照射位置を視認するためにガイドレーザ(図示せず)を使用する場合があるが、前述のステップS2にてこのガイドレーザから出射されたレーザ光を走査するようにしてもよい。
ステップS2の実行中または実行後に、光センサ38の出力を確認し、出力がピークとなる第1ピーク位置O1を確認する(図7のステップS3)。第1ピーク位置O1は、XY平面上の座標で表される。また、第1ピーク位置O1の座標及び第1ピーク位置O1における光センサ38の出力は、記憶部52に保存される。
次に、第1ピーク位置O1が原点Oと一致しているか否かを、コントローラ50の情報処理部51が判断する(図7のステップS4)。なお、本願明細書における「一致」とは、厳密な意味での一致だけでなく、第1ピーク位置O1と原点OとのXY平面上での距離が、レーザ光LBを集光した際のビーム半径の1/10~1/2程度以下である場合も含む。言うまでもなく、この距離を短くすることもできるが、その際には、補正の精度がより高くなる。
なお、予め設定された初期位置に固定された状態の第1ガルバノミラー41と第2ガルバノミラー42とで反射されたレーザ光LBがステージ70の表面に照射される位置が、前述した「走査時の原点」である。例えば、レーザヘッド30を、XY平面上で補正部72の反射スポット72bの中心位置に移動させ、その状態で、それぞれ初期位置に固定された第1ガルバノミラー41と第2ガルバノミラー42とでレーザ光LBを反射する。この場合、温度ドリフトが無ければ、レーザ光LBの走査時の原点は、前述の原点Oに一致し、光センサ38からの出力がピークとなる。
ステップS4の判断結果が肯定的、つまり、第1ピーク位置O1が原点Oと一致している場合は、レーザ光LBの走査時の原点が原点Oに一致していると判断される。つまり、レーザ光スキャナ40に温度ドリフトが発生していないと判断できるため、一連の作業を終了する。
一方、ステップS4の判断結果が否定的、つまり、第1ピーク位置O1が原点Oと一致していない場合は、図8に示すように、XY平面上で、光センサ38の出力のピークが、原点Oから離れた位置に現れる。なお、図7に示す例では、第1ピーク位置O1は、原点Oに対して、X方向、Y方向ともにマイナス側にずれている。
この場合、コントローラ50は、原点Oの座標と第1ピーク位置O1の座標との差、つまり、原点Oと第1ピーク位置O1とのずれ量を取得し、当該ずれ量を記憶部52に保存する(図7のステップS5)。
コントローラ50の情報処理部51は、原点Oの座標とステップS5で取得したずれ量に基づいて、式(1)、(2)を用いて、走査時の原点位置のずれを補正する、(図7のステップS6)。
図7に示す例では、補正後の走査時の原点位置は、式(1)、(2)に示す関係を満たす。
Xc=X0-Xa ・・・(1)
Yc=Y0-Ya ・・・(2)
ここで、
X0:温度ドリフトが無い状態での走査時の原点のX座標
Y0:温度ドリフトが無い状態での走査時の原点のY座標
Xc:補正後の走査時の原点のX座標
Yc:補正後の走査時の原点のY座標
Xa:原点Oと第1ピーク位置O1とのX方向のずれ量
Ya:原点Oと第1ピーク位置O1とのY方向のずれ量
である。前述の通り、レーザ光スキャナ40のガルバノ原点を原点Oとしているので、式(1)と式(2)では、原点のX座標X0と原点のY座標Y0はともにゼロとしてよい。なお、図8に示す例では、ずれ量Xaとずれ量Yaはともにマイナスの値を取る。
実際の補正にあたっては、第1駆動部41c及び第2駆動部42cの回転指令を式(1)と式(2)の結果に従い修正する。つまり、当初、設定された走査時の原点(=(X0、Y0))に対応する回転指令に対し、ずれ量Xa,Yaに対応した回転量を加算または減算して、走査時の原点に対応する回転指令を修正する。
補正後の走査時の原点の座標(Xc、Yc)及びずれ量Xa,Yaは、記憶部52に保存される。また、ずれ量Xa,Yaにそれぞれ対応した第1駆動部41c及び第2駆動部42cの回転指令の修正量も、記憶部52に保存される。以降のレーザ溶接において、レーザ光LBを走査する場合は、走査時の原点の座標は、(Xc、Yc)に設定される。
図6に示したように、レーザビームLBは、反射スポット72bに対し垂直に入射した場合以外では、もとの光路をそのまま戻って反射されない。すなわち、レーザ光スキャナ40からレーザ光LBが出射される位置P2は、レーザ光LBが反射スポット72bに対し垂直に入射される場合以外では、反射光がレーザ光スキャナ40に入射される位置P4とは、厳密には一致しない。したがって、実際には、反射スポット72bに対してビームが垂直に入射すると仮定して、図8に示した、原点Oと第1ピーク位置O1とのX方向またはY方向のずれ量Xa,Yaに、この入射角度による誤差がそれぞれ加算される。この誤差を含めて補正を行うことで、補正の精度をより高くすることが可能である。以下、誤差発生のメカニズムと補正方法の概略を説明する。なお、以下に示す例では、位置P2,P4ともに、第2ミラー42aの表面での位置に相当する。
図9A,9Bは、それぞれ、レーザ光の照射角度ずれの補正における誤差発生のメカニズムを示す模式図である。図9Aは、レーザ光LBが反射スポット72bに対して垂直に入射した場合の模式図を示し、図9Bは、レーザ光が反射スポットに対して斜めに入射した場合の模式図を示す。なお、図9Bにおける角度αは、レーザ光が垂直に入射した場合を基準とした入射角度のずれ量を示しており、図9Bに示す例では、0°<α<90°であるが、反射スポット72bからの反射光が、図6に図示した反射ルートに沿って光センサ38に入射されるようにするためには、できるだけ0°に近いほうが望ましい。
図10は、レーザ光の垂直入射からの入射角度ずれ量とXY平面での位置ずれ量との関係を示す模式図である。入射角度のずれ量αが増加するとともに、ピーク位置のX軸、もしくはY軸のずれ量Xa1とYa1が増加する。図示していないが、入射角度のずれ量αが大きすぎると、反射光が光センサ38に入射できなくなってしまい、センシングができなくなってしまうおそれがある。したがって、できるだけ入射角度のずれ量αを0に近い値にしたほうがよいことは前述の通りである。
図9A,9Bでは、反射スポット72bに対する入射光は、実線の矢印で、反射光は、点線の矢印でそれぞれ示される。図9Aでは、入射光が反射スポット72bに対して垂直に入射しているので、反射光の光路も反射スポット72bに対して垂直となり、両者は、第2ミラー42aの表面での位置P2とP4が一致する。
一方、図9Bに示す例では、反射スポット72bの法線に対して、入射光の入射角度がα(0°<α<90°)となるため、反射光の光路も反射スポット72bの法線に対して、αの角度をなす。このため、図9Bに示すように、第2ミラー42aの表面に入射光が入射される位置P2と反射光が入射される位置P4が一致しなくなる。通常の光学系では、この角度αが非常に小さいので、第1集光レンズ34の焦点距離をffとすると、そのずれ量、すなわち、位置P2と位置P4と間の距離が近似的に、ff・αとなる。光学系が決定されると、このずれ量ff・αは、事前に計測することができ、コントローラ50に記憶しておくことが可能である。入射角度のずれ量αが小さくなると、このずれ量ff・αも小さくなることが言うまでもない。図10に示す例では、入射角度のずれ量αに対して、前述したずれ量Xa1,Ya1は、単調に増加している。
このことを考慮すると、式(1)、(2)に代えて、それぞれ以下に示す式(3)、(4)に基づいて、補正後の走査時の原点のX座標、Y座標がそれぞれ求められる。
Xc1=X0-Xa-Xa1 ・・・(3)
Yc1=Y0-Ya-Ya1 ・・・(4)
ここで、
Xc1:反射スポットに対する入射角度を考慮した、補正後の走査時の原点のX座標
Yc1:反射スポットに対する入射角度を考慮した、補正後の走査時の原点のY座標
Xa1:反射スポットに対する入射角度を考慮した、原点Oと第1ピーク位置O1とのX方向のずれ量
Ya1:反射スポットに対する入射角度を考慮した、原点Oと第1ピーク位置O1とのY方向のずれ量
である。
なお、ずれ量Xa1とYa1は、レーザ光スキャナ40の光学系と補正部72の設置位置に依存するもので、事前に温度ドリフトの無い条件にて計測しておき、コントローラ50に記憶させることができる。
[効果等]
以上説明したように、本実施形態に係るレーザ溶接装置100は、レーザ光LBを発生させるレーザ発振器10と、レーザ光LBを受け取ってワーク200に向けて照射するレーザヘッド30と、レーザヘッド30の動作及びレーザ光LBの出力Pを制御するコントローラ50と、ワーク200を載置するステージ70と、を少なくとも備えている。
レーザヘッド30は、レーザ光LBをX方向(第1方向)とX方向と交差するY方向(第2方向)のそれぞれに走査するレーザ光スキャナ40を有している。また、レーザヘッド30は、光センサ38を有している。レーザヘッド30は、さらにレーザ光LBの反射戻り光を光センサ38に入射させる光学系39を有している。光学系39は、ミラー33とアパーチャー36と第2集光レンズ37とで構成される。
コントローラ50は、レーザ光LBを溶接線WLに沿って進行させながら、レーザ光LBを二次元的に走査するようにレーザ光スキャナ40を駆動制御する。
ステージ70は、本体部71と補正部72とを有している。補正部72は、反射板72aと、反射板72aの表面に設けられた反射スポット72bとを有している。
コントローラ50は、レーザ光LBを二次元的に走査しながら、反射スポット72bの周りにレーザ光LBを照射するようにレーザ光スキャナ40を駆動制御して、光センサ38の出力がピークとなる第1ピーク位置O1を検出する。コントローラ50は、反射スポット72bの中心位置である原点Oと第1ピーク位置O1とに基づいて、レーザ光LBの照射位置ずれを補正するように構成されている。本開示では、「反射スポット72bの周り」とは、反射スポット72b自体と、反射スポット72bの周囲とを含む領域をいう。
本実施形態によれば、ステージ70に反射スポット72bを有する補正部72を設け、レーザヘッド30に、光センサ38とレーザ光LBの反射戻り光を光センサ38に入射させる光学系39とを設けるというきわめて簡便な構成で、レーザ光LBの照射位置ずれを補正することができる。また、光学系39、特にアパーチャー36を設けることにより、光センサ38への入射光量をコントロールでき、光センサ38の出力信号が飽和するのを抑制できる。このことにより、光センサ38の出力がピークとなる第1ピーク位置O1を精度良く検出できる。
また、レーザ光LBを二次元的に走査しながら、溶接線WLに沿って、ワーク200の所望の位置に正確に照射することができる。このことにより、溶接不良の発生を低減でき、溶接歩留まりを向上できる。
また、コントローラ50は、反射スポット72bの中心位置である原点Oと第1ピーク位置O1とのずれ量に基づいて、レーザ光LBの走査時の原点位置のずれを補正するように構成されている。
このようにすることで、特に、温度ドリフトに起因したレーザ光LBの照射位置ずれを簡便に補正することができる。
レーザ発振器10とレーザヘッド30とは光ファイバ20で接続されており、レーザ光LBは、光ファイバ20を通って、レーザ発振器10からレーザヘッド30に伝送される。
このように光ファイバ20を設けることで、レーザ発振器10から離れた位置に設置されたワーク200に対してレーザ溶接を行うことが可能となる。このことにより、レーザ溶接装置100の各部を配置する自由度が高められる。
レーザ光スキャナ40は、レーザ光LBをX方向に走査する第1ガルバノミラー41と、レーザ光LBをY方向に走査する第2ガルバノミラー42と、で構成されている。
レーザ光スキャナ40をこのように構成することで、レーザ光LBを簡便に二次元的に走査することができる。また、公知のガルバノスキャナをレーザ光スキャナ40として用いているため、レーザ溶接装置100のコストが上昇するのを抑制できる。
レーザヘッド30は、コリメーションレンズ32をさらに有し、コリメーションレンズ32は、X方向及びY方向のそれぞれに交差するZ方向に沿って、レーザ光LBの焦点位置を変化させるように構成されている。言い換えると、コリメーションレンズ32は、ワーク200の表面と交差するZ方向に沿って、レーザ光LBの焦点位置を変化させるように構成されている。つまり、コリメーションレンズ32は、図示しない駆動部との組み合わせにより、レーザ光LBの焦点位置調整機構としても機能している。すなわち、溶接中に任意の照射位置に合わせて焦点位置を変更することができ、溶接条件設定の自由度を高めることができる。
このようにすることで、レーザ光LBの焦点位置を簡便に変化させることができ、ワーク200の形状に応じて適切にレーザ光LBを照射させることができる。
レーザ溶接装置100は、レーザヘッド30が取り付けられたマニピュレータ60をさらに備え、コントローラ50は、マニピュレータ60の動作を制御する。マニピュレータ60は、ワーク200の表面に対して、所定の方向にレーザヘッド30を移動させる。
このようにマニピュレータ60を設けることで、レーザ光LBの溶接方向、または溶接点位置を変化させることができる。また、複雑な形状、例えば、立体的な形状のワーク200に対して、レーザ溶接を容易に行うことができる。
本実施形態に係るレーザ光の照射位置ずれの補正方法は、レーザヘッド30をステージ70に設けられた反射スポット72bの中心位置である原点Oに移動させる第1ステップ(図7のステップS1)とレーザ光スキャナ40を動作させて、レーザ光LBを二次元的に走査させながら、原点Oの周りに照射する第2ステップ(図7のステップS2)と、少なくとも備えている。
また、本実施形態の補正方法は、光センサ38の出力がピークとなる第1ピーク位置O1を確認する第3ステップ(図7のステップS3)と、第1ピーク位置O1が、原点Oと一致しているか否かを判断する第4ステップ(図7のステップS3)と、を備えている。
本実施形態の補正方法は、第4ステップの判断結果が肯定的であれば、つまり、第1ピーク位置O1が、原点Oと一致していれば、補正作業を終了するステップを備える。
本実施形態の補正方法は、第4ステップの判断結果が否定的であれば、つまり、第1ピーク位置O1が、原点Oと一致していなければ、第1ピーク位置O1と原点Oとのずれ量を求めるステップと、原点Oの座標と当該ずれ量とに基づいて、レーザ光LBの照射位置ずれを補正するステップとを備えている。
このようにすることで、特に、温度ドリフトに起因したレーザ光LBの照射位置ずれを簡便に補正することができる。また、レーザ光LBを二次元的に走査しながら、溶接線WLに沿って、ワーク200の所望の位置に正確に照射することができる。このことにより、溶接不良の発生を低減でき、溶接歩留まりを向上できる。
(実施形態2)
図11は、本実施形態に係るレーザ光の照射位置ずれの補正手順のフローチャートを示す。
実施形態1では、温度ドリフトに起因したレーザ光LBの照射位置ずれを補正するための装置構成及び補正手順について説明した。
一方、前述したように、レーザ光LBの照射位置ずれは、マニピュレータ60の調整不足、摩耗または経時劣化によっても起こりうる。マニピュレータ60の調整が不十分な場合、摩耗または経時劣化が発生した場合、マニピュレータ60の先端位置自体が、溶接プログラム等に予め設定されていた位置からずれていることがありうる。この場合、レーザヘッド30の位置もずれるため、ワーク200に対して所定の位置にレーザ光LBを照射することができない。
そこで、図11に示す手順でマニピュレータ60の調整状態を確認し、その結果に基づいてレーザ光LBの照射位置ずれを補正する。以下に詳細を説明する。
まず、マニピュレータ60を初期位置から移動させて、レーザヘッド30のレーザ光スキャナ40を前述の原点Oに移動させる(ステップS10)。レーザ光スキャナ40を動作させて、レーザ光LBを図4に示す破線に沿って走査させながら、原点Oの周りに照射する(ステップS11)。さらに、光センサ38の出力を確認し、出力がピークとなる第1ピーク位置O1を確認する(ステップS12)。続けて、原点Oと第1ピーク位置O1とのずれ量(第1ずれ量)を取得し、第1ずれ量を記憶部52に保存する(ステップS13)。なお、ステップS10~S13は、図7のステップS1~S3,S5と同様の処理である。
次に、マニピュレータ60を移動させて、レーザヘッド30のレーザ光スキャナ40を前述の原点Oの近傍の所定位置P(以下、単に位置Pという。図4参照)に移動させる(ステップS14)。位置Pは、ロボットのティーチングにおいてコントローラ50に事前に記憶させた位置である。図4に示す例では、位置Pは、破線で示すレーザ光LBの走査軌跡において、原点OからX方向及びY方向にそれぞれ1区画分ずれている。ただし、原点Oを基準とした位置Pは特にこれに限定されず、別の位置に設定されてもよい。位置Pと原点Oとの距離も、予めコントローラ50に記憶された値である。なお、位置Pと原点Oとは、ともに前述したXY平面のX軸上、もしくはY軸上に無いことが望ましい。マニピュレータ60のメンテナンスを必要とするレーザ光LBの照射位置ずれの補正は、X軸とY軸の両方に存在する可能性があるためである。ステップS14の具体的な内容は、レーザ光スキャナ40の移動先が別である以外は、ステップS10と同様の処理である。
さらに、レーザ光スキャナ40を動作させて、レーザ光LBを図4に示す破線に沿って走査させながら、位置Pの周りに照射する(ステップS15)。光センサ38の出力を確認し、出力がピークとなる第2ピーク位置O2を確認する(ステップS16)。続けて、位置Pと第2ピーク位置O2とのずれ量(第2ずれ量)を取得し、第2ずれ量を記憶部52に保存する(ステップS17)。なお、ステップS15~S17は、ステップS11~S13と同様の処理である。
次に、コントローラ50の情報処理部51は、原点Oを基準とした第1ピーク位置O1と位置Pを基準とした第2ピーク位置O2とのずれ量、言い換えると、第1ずれ量と第2ずれ量との差を算出する。さらに、原点Oを基準とした第1ピーク位置O1と位置Pを基準とした第2ピーク位置O2とのずれ量が許容範囲内か否かを判断する(ステップS18)。
つまり、ステップS18では、原点Oと位置Pを基準とした第2ピーク位置O2とのX方向のずれ量をXbとし、原点Oと位置Pを基準とした第2ピーク位置O2とのY方向のずれ量をYbとするとき、式(5)、(6)に満たす関係を満足するか否かを判断している。
|Xa-Xb|≦εx ・・・(5)
|Ya-Yb|≦εy ・・・(6)
ここで、εxは、X方向の差の許容上限、εyは、Y方向の差の許容上限である。εxやεyは、レーザ溶接時に許容される加工公差やマニピュレータ60の組立許容公差等に応じて、適宜設定される。
ステップS18の判断結果が肯定的であれば、マニピュレータ60の位置が設定位置からずれていないか、その差が許容範囲内であると判断できる。よって、ステップS19に進む。
ステップS19~S21は、図7のステップS4~S6と同様の処理であるため、詳細な説明を省略する。つまり、ステップS19の判断結果が肯定的であれば、補正作業を終了する。ステップS19の判断結果が否定的であれば、原点Oの座標とステップS13で取得したずれ量に基づいて、走査時の原点位置のずれを補正する(ステップS20)。
一方、ステップS18の判断結果が否定的であれば、マニピュレータ60の位置が設定位置からず許容範囲を超えてずれていると判断できる。このため、レーザ溶接装置100を停止して、マニピュレータ60をメンテナンスし、位置や姿勢等を再調整する。
その後、ステップS10に戻って、ステップS18の判断結果が肯定的になるまで一連の処理を繰り返し実行する。さらに、ステップS19以降を実行し、走査時の原点位置のずれを補正して、補正作業を終了する。
以上説明したように、本実施形態に係るレーザ溶接装置100において、第1の処理と第2の処理とがそれぞれ実行される。
第1の処理では、レーザヘッド30を反射スポット72bの中心位置、つまり、原点Oに移動させ、レーザ光LBを二次元的に走査しながら、反射スポット72bの周り(原点Oの周り)にレーザ光LBを照射する(図11のステップS10,S11)。
第2の処理では、レーザヘッド30を原点Oの近傍の位置Pに移動させ、レーザ光LBを二次元的に走査しながら、反射スポット72bの周り(位置Pの周り)にレーザ光LBを照射する(図11のステップS14,S15)。
第1の処理と第2の処理とが実行された場合、コントローラ50は、反射スポット72bの中心位置である原点Oと第1の処理で光センサ38の出力がピークとなる第1ピーク位置O1と第2の処理で光センサ38の出力がピークとなる第2ピーク位置O2とに基づいて、レーザ光LBの照射位置ずれを補正するように構成されている。
さらに言うと、第1ピーク位置O1と第2ピーク位置O2とのずれ量が所定の許容範囲内であれば、コントローラ50は、原点Oと第1ピーク位置O1とのずれ量に基づいて、レーザ光LBの走査時の原点位置のずれを補正するように構成されている。
また、本実施形態におけるレーザ光LBの照射位置ずれの補正方法は、レーザヘッド30を原点Oへ移動させる第1ステップ(図11のステップS10)を少なくとも備えている。
さらに、本実施形態の補正方法は、レーザ光スキャナ40を動作させて、レーザ光LBを二次元的に走査させながら、原点Oの周りに照射する第2ステップ(図11のステップS11)と、光センサ38の出力がピークとなる第1ピーク位置O1を確認する第3ステップ(図11のステップS12)と、第1ピーク位置O1と原点Oとのずれ量(第1ずれ量)を求める第4ステップ(図11のステップS15)と、を備えている。
さらに、本実施形態の補正方法は、第1ずれ量を求めた後に、レーザヘッド30を前述の位置Pに移動させる第5ステップ(図11のステップS14)と、レーザ光スキャナ40を動作させて、レーザ光LBを二次元的に走査させながら、位置Pの周りに照射する第6ステップ(図11のステップS15)と、を備えている。
本実施形態の補正方法は、第6ステップの後に、光センサ38の出力がピークとなる第2ピーク位置O2を確認する第7ステップ(図11のステップS16)と、第2ピーク位置O2と位置Pとのずれ量(第2ずれ量)を求める第8ステップ(図11のステップS17)と、を備えている。
さらに、本実施形態の補正方法は、第1ずれ量と第2ずれ量との差が許容範囲以内であるか否かを判断する第9ステップ(図11のステップS18)と、を備えている。
本実施形態の補正方法は、第9ステップの判断結果が肯定的であれば、つまり、第1ずれ量と第2ずれ量との差が前述の許容範囲内であれば、第1ピーク位置O1が、原点Oと一致しているか否かを判断する第10ステップ(図11のステップS19)をさらに備えている。
本実施形態の補正方法は、第10ステップの判断結果が肯定的であれば、つまり、第1ピーク位置O1が、原点Oと一致していれば、補正作業を終了するステップを備える。
本実施形態の補正方法は、第10ステップの判断結果が否定的であれば、つまり、第1ピーク位置O1が、原点Oと一致していなければ、原点Oの座標と第1ずれ量とに基づいて、レーザ光LBの照射位置ずれを補正する第11ステップを備える(図11のステップS20)。
本実施形態の補正方法は、第9ステップの判断結果が否定的であれば、つまり、第1ピーク位置O1が、原点Oと一致していなければ、マニピュレータ60を調整(図11のステップS21)した後、第1ステップに戻って、第9ステップの判断結果が肯定的になるまで、一連の処理を繰り返し実行する。
本実施形態によれば、実施形態1に示す構成及び方法が奏するのと同様の効果を奏することができる。つまり、レーザ光LBを二次元的に走査しながら、溶接線WLに沿って、ワーク200の所望の位置に正確に照射することができる。このことにより、溶接不良の発生を低減でき、溶接歩留まりを向上できる。
また、本実施形態によれば、レーザ光LBの照射位置ずれ、この場合は、走査時の原点位置のずれが、マニピュレータ60の調整不足によるものか温度ドリフトによるものかを分離して判断できる。また、それぞれの要因で照射位置ずれが起こっている場合に、マニピュレータ60のメンテナンスや実施形態1に示した補正手順を実行することで、照射位置ずれを解消できる。このことにより、ワーク200に対して、レーザ光LBを二次元的に走査しながら、所定の溶接線WLに沿って照射でき、溶接不良の発生を抑制できる。また、マニピュレータ60の定期点検やメンテナンスの頻度を不必要に高める必要がなくなり、装置のダウンタイムを低減できる。このため、溶接工程のコスト増加を抑制できる。
なお、図11に示すステップS19~S21において、位置Pと第2ピーク位置O2とが一致しているかを判断し、一致していなければ、位置Pの座標とステップS18で取得したずれ量に基づいて、走査時の原点位置のずれを補正してもよい。
つまり、本実施形態のレーザ溶接装置100は、原点Oと第1ピーク位置O1とのずれ量、または、位置Pと第2ピーク位置O2とのずれ量のいずれかに基づいて、レーザ光LBの走査時の原点位置のずれを補正するように構成されている。
また、本実施形態のレーザ光LBの照射位置ずれの補正方法は、第10ステップ(図11のステップS19)において、第2ピーク位置O2が、位置Pと一致しているか否かを判断し、第11ステップの判断結果が否定的であれば、つまり、第2ピーク位置O2が、位置Pと一致していなければ、位置Pの座標と第2ずれ量とに基づいて、レーザ光LBの照射位置ずれを補正(第11ステップ;図11のステップS20)してもよい。
本開示のレーザ溶接装置は、簡便な構成で、レーザ光の照射位置ずれ、特に、レーザ光の走査時の原点位置のずれを補正でき、有用である。
10 レーザ発振器
20 光ファイバ
30 レーザヘッド
31 筐体
32 コリメーションレンズ
33 ミラー
34 第1集光レンズ
35 保護ガラス
36 アパーチャー
37 第2集光レンズ
38 光センサ
39 光学系
40 レーザ光スキャナ
41 第1ガルバノミラー
41a 第1ミラー
41b 第1回転軸
41c 第1駆動部
42 第2ガルバノミラー
42a 第2ミラー
42b 第2回転軸
42c 第2駆動部
50 コントローラ
60 マニピュレータ
70 ステージ
71 本体部
72 補正部
72a 反射板
72b 反射スポット
100 レーザ溶接装置
200 ワーク

Claims (11)

  1. レーザ光を発生させるレーザ発振器と、
    前記レーザ光を受け取ってワークに向けて照射するレーザヘッドと、
    少なくとも前記レーザヘッドの動作を制御するコントローラと、
    前記ワークを載置するステージと、を少なくとも備え、
    前記レーザヘッドは、
    前記レーザ光を第1方向と前記第1方向と交差する第2方向のそれぞれに走査するレーザ光スキャナと、
    光センサと、
    前記レーザ光の反射戻り光を前記光センサに入射させる光学系と、を有し、
    前記コントローラは、前記レーザ光を溶接線に沿って進行させながら、前記レーザ光を二次元的に走査するように前記レーザ光スキャナを駆動制御し、
    前記ステージは、補正部を有し、
    前記補正部は、反射板と、前記反射板の表面に設けられた反射スポットと、を有し、
    前記コントローラは、前記レーザ光を二次元的に走査しながら、前記反射スポットの周りに前記レーザ光を照射するように前記レーザ光スキャナを駆動制御して、前記光センサの出力がピークとなる第1ピーク位置を検出し、
    前記コントローラは、前記反射スポットの中心位置と前記第1ピーク位置とに基づいて、前記レーザ光の照射位置ずれを補正するように構成されていることを特徴とするレーザ溶接装置。
  2. 請求項1に記載のレーザ溶接装置において、
    前記コントローラは、前記反射スポットの中心位置と前記第1ピーク位置とのずれ量に基づいて、前記レーザ光の走査時の原点位置のずれを補正するように構成されていることを特徴とするレーザ溶接装置。
  3. 請求項1または2に記載のレーザ溶接装置において、
    前記レーザ発振器と前記レーザヘッドとは光ファイバで接続されており、
    前記レーザ光は、前記光ファイバを通って、前記レーザ発振器から前記レーザヘッドに伝送されることを特徴とするレーザ溶接装置。
  4. 請求項1または2に記載のレーザ溶接装置において、
    前記レーザ光スキャナは、前記レーザ光を前記第1方向に走査する第1ガルバノミラーと、前記レーザ光を前記第1方向と交差する第2方向に走査する第2ガルバノミラーと、で構成されていることを特徴とするレーザ溶接装置。
  5. 請求項1または2に記載のレーザ溶接装置において、
    前記レーザヘッドは、焦点位置調整機構をさらに有し、
    前記焦点位置調整機構は、前記ワークの表面と交差する方向に沿って、前記レーザ光の焦点位置を変化させるように構成されていることを特徴とするレーザ溶接装置。
  6. 請求項1または2に記載のレーザ溶接装置において、
    前記レーザヘッドが取り付けられたマニピュレータをさらに備え、
    前記コントローラは、前記マニピュレータの動作を制御し、
    前記マニピュレータは、前記ワークの表面に対して、所定の方向に前記レーザヘッドを移動させることを特徴とするレーザ溶接装置。
  7. 請求項6に記載のレーザ溶接装置において、
    前記レーザヘッドを前記反射スポットの中心位置に移動させ、前記レーザ光を二次元的に走査しながら、前記反射スポットの周りに前記レーザ光を照射する第1の処理と、
    前記レーザヘッドを前記反射スポットの中心位置の近傍の所定の位置に移動させ、前記レーザ光を二次元的に走査しながら、前記反射スポットの周りに前記レーザ光を照射する第2の処理と、が実行された場合、
    前記コントローラは、前記反射スポットの中心位置と前記第1の処理で前記光センサの出力がピークとなる第1ピーク位置と前記第2の処理で前記光センサの出力がピークとなる第2ピーク位置とに基づいて、前記レーザ光の照射位置ずれを補正するように構成されていることを特徴とするレーザ溶接装置。
  8. 請求項7に記載のレーザ溶接装置において、
    前記第1ピーク位置と前記第2ピーク位置とのずれ量が所定の許容範囲内であれば、
    前記コントローラは、前記反射スポットの中心位置と前記第1ピーク位置とのずれ量、または前記所定の位置と前記第2ピーク位置とのずれ量のいずれかに基づいて、前記レーザ光の走査時の原点位置のずれを補正するように構成されていることを特徴とするレーザ溶接装置。
  9. 請求項1または2に記載のレーザ溶接装置を用いたレーザ光の照射位置ずれの補正方法であって、
    前記レーザヘッドを前記反射スポットの中心位置に移動させるステップと、
    前記レーザ光スキャナを動作させて、前記レーザ光を二次元的に走査させながら、前記反射スポットの中心位置の周りに照射するステップと、
    前記光センサの出力がピークとなる第1ピーク位置を確認するステップと、
    前記第1ピーク位置が、前記反射スポットの中心位置と一致しているか否かを判断するステップと、
    前記第1ピーク位置が、前記反射スポットの中心位置と一致していれば、補正作業を終了するステップと、
    前記第1ピーク位置が、前記反射スポットの中心位置と一致していなければ、前記第1ピーク位置と前記反射スポットの中心位置とのずれ量を求めるステップと、
    前記反射スポットの中心位置の座標と前記ずれ量とに基づいて、前記レーザ光の照射位置ずれを補正するステップと、を備えたことを特徴とするレーザ光の照射位置ずれの補正方法。
  10. 請求項6に記載のレーザ溶接装置を用いたレーザ光の照射位置ずれの補正方法であって、
    前記レーザヘッドを前記反射スポットの中心位置に移動させる第1ステップと、
    前記レーザ光スキャナを動作させて、前記レーザ光を二次元的に走査させながら、前記反射スポットの中心位置の周りに照射する第2ステップと、
    前記光センサの出力がピークとなる第1ピーク位置を確認する第3ステップと、
    前記第1ピーク位置と前記反射スポットの中心位置とのずれ量を求める第4ステップと、
    前記第1ピーク位置と前記反射スポットの中心位置とのずれ量を求めた後に、前記レーザヘッドを前記反射スポットの中心位置の近傍の所定の位置に移動させる第5ステップと、
    前記レーザ光スキャナを動作させて、前記レーザ光を二次元的に走査させながら、前記所定の位置の周りに照射する第6ステップと、前記第6ステップの後に、前記光センサの出力がピークとなる第2ピーク位置を確認する第7ステップと、
    前記第2ピーク位置と前記所定の位置とのずれ量を求める第8ステップと、
    前記第1ピーク位置と前記反射スポットの中心位置とのずれ量である第1ずれ量と前記第2ピーク位置と前記所定の位置とのずれ量である第2ずれ量との差が許容範囲以内であるか否かを判断する第9ステップと、
    前記第9ステップの判断結果が肯定的であれば、前記第1ピーク位置が、前記反射スポットの中心位置と一致しているか否かを判断する第10ステップと、
    前記第10ステップの判断結果が肯定的であれば、補正作業を終了するステップと、
    前記第10ステップの判断結果が否定的であれば、前記反射スポットの中心位置の座標と前記第1ずれ量とに基づいて、前記レーザ光の照射位置ずれを補正する第11ステップと、
    前記第9ステップの判断結果が否定的であれば、前記マニピュレータを調整した後、前記第1ステップに戻って、前記第9ステップの判断結果が肯定的になるまで、一連の処理を繰り返し実行することを特徴とするレーザ光の照射位置ずれの補正方法。
  11. 請求項10に記載のレーザ光の照射位置ずれの補正方法において、
    前記第10ステップでは、前記第2ピーク位置が、前記所定の位置と一致しているか否かを判断し、
    前記第11ステップでは、前記所定の位置の座標と前記第2ずれ量とに基づいて、前記レーザ光の照射位置ずれを補正することを特徴とするレーザ光の照射位置ずれの補正方法。
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