JP7352575B2 - メタクリル樹脂組成物、フィルムおよび積層体 - Google Patents
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Description
[1] メタクリル酸エステル単位を有し且つトリアドシンジオタクティシティ(rr)が56%以上である樹脂〔1〕、および
(メタ)アクリル酸エステル単位(M)と、ラクトン環単位、無水グルタル酸単位およびN-置換若しくは無置換グルタルイミド単位からなる群より選ばれる少なくともひとつの環構造を主鎖に有する単位(R)2~20質量%とを含有する樹脂〔2〕
を含み、且つ樹脂〔1〕/樹脂〔2〕の質量比が20/80~80/20である、樹脂組成物。
[3] 単位(R)が式(1)で表される単位である、[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
(式(1)中、R3は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基であり、R4は、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基または芳香環を含む炭素数6~15の有機基である。)
[4] 単位(M)がメタクリル酸メチル単位である、[1]~[3]のいずれかひとつに記載の樹脂組成物。
[5] 樹脂〔2〕は、ガラス転移温度が122℃以上130℃以下である、[1]~[4]のいずれかひとつに記載の樹脂組成物。
[7] [1]~[5]のいずれかひとつに記載の樹脂組成物からなる、加飾フィルム。
[8] [1]~[5]のいずれかひとつに記載の樹脂組成物からなる、ディスプレイ前面板用保護フィルム。
[9] [1]~[5]のいずれかひとつに記載の樹脂組成物からなる、偏光子保護フィルム。
[11] ポリカーボネート樹脂からなる層(b)を少なくとも1つさらに有する、[10]に記載の積層体。
[12] 少なくとも一方の最表層が層(a)である、[11]に記載の積層体。
[13] [10]~[12]のいずれかひとつに記載の積層体を有する、ディスプレイ部材。
本発明の成形体は、高い耐熱性と高い透明性の要求される用途、例えば、偏光子保護フィルム、位相差板、液晶保護板などのような光学フィルム、携帯型情報端末の表面材、携帯型情報端末の表示窓保護フィルム、導光フィルム、各種ディスプレイの前面板などに好適である。
本発明の積層板は、液晶ディスプレイの表面保護板、位相差制御板、位相差制御フィルムなどに好適である。
メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸フェニルなどのメタクリル酸アリールエステル;メタクリル酸シクロへキシル、メタクリル酸ノルボルニルなどのメタクリル酸シクロアルキルエステル;などを挙げることができる。これらのうち、メタクリル酸アルキルエステルが好ましく、メタクリル酸メチルが最も好ましい。
トリアドシンジオタクティシティ(rr)は、連続する3つの構造単位の連鎖(3連子、triad)が有する2つの連鎖(2連子、diad)が、ともにラセモ(rrと表記する)である割合である。なお、ポリマー分子中の構造単位の連鎖(2連子、diad)において立体配置が同じものをメソ(meso)、逆のものをラセモ(racemo)と称し、それぞれm、rと表記する。
トリアドシンジオタクティシティ(rr)(%)は、重水素化クロロホルム中、30℃で1H-NMRスペクトルを測定し、そのスペクトルからTMSを0ppmとした際の0.6~0.95ppmの領域の面積(X)と0.6~1.35ppmの領域の面積(Y)とを計測し、式:(X/Y)×100にて算出することができる。
(式(2)中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2は水素原子、炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基または芳香環を含む炭素数6~15の有機基である。)
これらのうち、R1がメチル基で、R2がメチル基であること、すなわち、単位(M)がメタクリル酸メチルに由来する単位であることが好ましい。
式(I)中、R5、R6およびR7はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1~20の有機基、好ましくは水素原子または炭素数1~10の有機基、より好ましくはR5およびR6がメチル基、R7が水素原子である。ここで、有機基は、炭素数1~20であれば、特に限定されず、例えば、直鎖若しくは分岐状のアルキル基、アリール基、-OCOCH3基、-CN基等を挙げることができる。有機基は酸素原子などのヘテロ原子を含んでいてもよい。
N-置換若しくは無置換2,6-ジオキソピペリジンジイル構造を有する単位としては、式(III)で表される単位を挙げることができる。
式(III)中、R3はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、メチル基が好ましい。R4は水素原子、炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基、または芳香環を含む炭素数6~15の有機基であり、好ましくは水素原子、メチル基、n-ブチル基、シクロヘキシル基またはベンジル基であり、より好ましくはメチル基である。
メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸フェニルなどのメタクリル酸アリールエステル;メタクリル酸シクロへキシル、メタクリル酸ノルボルニルなどのメタクリル酸シクロアルキルエステル;などを挙げることができる。これらのうち、メタクリル酸アルキルエステルが好ましく、メタクリル酸メチルが最も好ましい。前駆体樹脂は、メタクリル酸エステル単位のうち、メタクリル酸メチル単位の含有量が、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは98質量%以上、よりさらに好ましくは99質量%以上、最も好ましくは100質量%である。
本発明の樹脂組成物に含有し得る樹脂〔3〕の量は、特に制限されないが、組成物に対して、好ましくは50質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、よりさらに好ましくは5質量%以下である。
該熱劣化防止剤としては、2-tert-ブチル-6-(3’-tert-ブチル-5’-メチル-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート(住友化学社製;商品名スミライザーGM)、2,4-ジ-tert-アミル-6-(3’,5’-ジ-tert-アミル-2’-ヒドロキシ-α-メチルベンジル)フェニルアクリレート(住友化学社製;商品名スミライザーGS)などを挙げることができる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、トリアジン類、ベンゾエート類、サリシレート類、シアノアクリレート類、蓚酸アニリド類、マロン酸エステル類、ホルムアミジン類などを挙げることができる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ベンゾトリアゾール類、トリアジン類、または波長380~450nmにおけるモル吸光係数の最大値εmaxが1200dm3・mol-1cm-1以下である紫外線吸収剤が好ましい。
これら紫外線吸収剤の中、紫外線による樹脂劣化が抑えられるという観点からベンゾトリアゾール類が好ましく用いられる。
εmax=[Amax/(10×10-3)]×MUV
光拡散剤や艶消し剤としては、ガラス微粒子、ポリシロキサン系架橋微粒子、架橋ポリマー微粒子、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどを挙げることができる。
蛍光体としては、蛍光顔料、蛍光染料、蛍光白色染料、蛍光増白剤、蛍光漂白剤などを挙げることができる。
鏡面ロールまたは鏡面ベルトは金属製であることが好ましい。鏡面ロールとしては金属剛体ロール、金属弾性体ロールなどを用いることができ、金弾弾性体ロールと金属剛体ロールとを組み合わせて用いることが好ましい。また、鏡面ロールまたは鏡面ベルトの表面温度は共に130℃以下であることが好ましい。また、一対の鏡面ロール若しくは鏡面ベルトは、少なくとも一方の表面温度が60℃以上であることが好ましい。このような表面温度に設定すると、押出機から吐出される溶融樹脂を自然放冷よりも速い速度で冷却することができ、表面平滑性に優れ且つヘイズの低いフィルムを製造し易い。一対のロールまたはベルトの間の線圧は好ましくは10N/mm以上、より好ましくは30N/mm以上である。押出成形で得られる未延伸フィルムの厚さは、10~300μmであることが好ましい。フィルムのヘイズは、厚さ100μmにおいて、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.3%以下である。
ガスクロマトグラフ(島津製作所社製;商品名GC-14A)に、カラム(GL Sciences Inc.製;商品名InertCap 1(df=0.4μm、0.25mmI.D.×60m))を繋ぎ、インジェクション温度を180℃に、検出器温度を180℃に、カラム温度を60℃(5分間保持)から昇温速度10℃/分で200℃まで昇温して、10分間保持する条件にて測定を行い、この結果に基づいて重合転化率を算出した。
試験対象の樹脂材料4mgをテトラヒドロフラン5mlに溶解させて、さらに0.1μmのフィルターでろ過して試験対象溶液を調製した。
TSKgel SuperMultipore HZM-M(東ソー社製)の2本とSuperHZ4000(東ソー社製)を直列に繋いだカラムが取り付けられ、且つ検出部が示差屈折率検出器であるGPC装置(東ソー社製;商品名HLC-8320)に試験対象溶液20μlを注入して、クロマトグラムを測定した。溶離液としてテトラヒドロフランを流量:0.35ml/分で流し、カラム温度を40℃に設定した。
分子量400~5000000の範囲の標準ポリスチレン10種をゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し、リテンションタイムと分子量との関係を示す検量線を作成した。クロマトグラムが単一のピークを示す場合は、クロマトグラムの高分子量側の傾きがゼロからプラスに変化する点と、低分子量側のピークの傾きがマイナスからゼロに変化する点を結んだ線をベースラインとした。クロマトグラムが複数のピークを示す場合は、最も高分子量側のピークの傾きがゼロからプラスに変化する点と、最も低分子量側のピークの傾きがマイナスからゼロに変化する点を結んだ線をベースラインとした。
樹脂試料について1H-NMR測定を実施した。TMSを0ppmとした際の0.6~0.95ppmの領域の面積(X)、0.6~1.35ppmの領域の面積(Y)とを計測し、式:(X/Y)×100にて算出した値をトリアドシンジオタクティシティ(rr)(%)とした。
装置:核磁気共鳴装置(Bruker社製;ULTRA SHIELD 400 PLUS)
溶媒 :重クロロホルム
測定核種:1H
測定温度:室温
積算回数:64回
DSC曲線から求められる中間点ガラス転移温度を耐熱温度として定義した。DSC曲線は、測定対象樹脂を、JIS K7121に準拠して、示差走査熱量計(島津製作所製;商品名DSC-50)を用いて、230℃まで昇温し、次いで室温まで冷却し、その後、室温から230℃までを10℃/分で昇温させたときの、2回目の昇温時の示差走査熱量測定で得た。
1H-NMR(Bruker社製;商品名ULTRA SHIELD 400 PLUS)を用いて、樹脂の1H-NMR測定を行い、3.5~3.8ppm付近のメタクリル酸メチル単位中のO-CH3基に由来するピークの面積Aと、3.0~3.3ppm付近のN-メチルグルタルイミド単位中のN-CH3基に由来するピークの面積Bより、次式で求めた値をイミド化率とした。
(イミド化率)=〔B/(A+B)〕×100
230℃の熱プレスにて成形して得た厚さ3mmの試験片について、ISO178に準拠した方法で、曲げ弾性率を決定した。
230℃の熱プレスにて成形して得た0.2mm×80mm×40mmの試験片を、減圧下(1kPa)、80℃で、24時間乾燥させた。その後、温度23℃、相対湿度50%のデシケータに入れ、室温まで放冷した。デシケータから取り出し、すみやかに質量W0を測定した。
次いで前記試験片を23℃の蒸留水に浸漬し、試験片の質量の変化を測定した。試験片の質量に変化がなくなった時点における質量Wsを記録した。
飽和吸水率を次式にて算出した。
飽和吸水率(%)=[(Ws-W0)/W0]×100
単層フィルムのTD方向中央部でMD方向5mm毎に厚さを測定した。その測定値から、厚さ最小値Tmin[mm]と厚さ最大値Tmax[mm]とを記録し、次式にて厚さ変動率を算出した。
厚さ変動率(%)={(Tmax-Tmin)/Tmin}×100
厚さ変動率が5%未満である場合をA,厚さ変動率が5%以上20%以下である場合をB、厚さ変動率が20%を超える場合をCとした。
積層体から、TD方向長さ65mmおよびMD方向長さ110mmの長方形試験片を切り出した。試験片の短辺を摘み、温度75℃および相対湿度50%に設定した環境試験機の中に4時間吊るした。試験片を試験機から取り出し25℃まで放冷した。
弓状に反った試験片を山なりになるように定盤の上に置いた。隙間ゲージを用いて定盤と試験片との間の隙間の最大距離D0を測定した。
弓状に反った試験片の短辺を摘み、温度85℃および相対湿度85%に設定した環境試験機の中に72時間吊るした。試験片を温度25℃、相対湿度50%に設定した環境試験機に中に移し4時間吊るした。試験片を試験機から取り出し、弓状に反った試験片を山なりになるように定盤の上に置いた。隙間ゲージを用いて定盤と試験片との間の隙間の最大距離D1を測定した。
D0とD1との差の絶対値(反り変化量)が0.5mm未満のものをA、反り変化量が0.5以上1.0未満のものをB、反り変化量が1.0mm以上のものをCとした。
撹拌翼と三方コックが取り付けられた5Lのガラス製反応容器内を窒素で置換した。これに、23℃で、トルエン1600g、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン2.49g(10.8mmol)、濃度0.45Mのイソブチルビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)アルミニウムのトルエン溶液53.5g(30.9mmol)、および濃度1.3Mのsec-ブチルリチウムの溶液(溶媒:シクロヘキサン95%、n-ヘキサン5%)7.07g(11.8mmol)を仕込んだ。撹拌しながら、これに、15℃にて、精製されたメタクリル酸メチル550gを30分間かけて滴下した。滴下終了後、20℃で90分間撹拌した。この時点におけるメタクリル酸メチルの重合転化率は100%であった。得られた溶液にトルエン1500gを加えて希釈した。次いで、希釈液をメタノール100kgに注ぎ入れ、沈澱物を得た。得られた沈殿物を80℃、140Paにて24時間乾燥させて、重量平均分子量Mwが69000で、数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比Mw/Mnが1.05で、トリアドシンジオタクティシティ(rr)が74%で、中間点ガラス転移温度が131℃で、且つメタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有量が100質量%であるメタクリル樹脂〔1〕-1を得た。
攪拌機および採取管が取り付けられたオートクレーブ内を窒素で置換した。これに、精製されたメタクリル酸メチル96.7質量部、アクリル酸メチル3.3質量部、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル(水素引抜能:1%、1時間半減期温度:83℃)0.0052質量部、およびn-オクチルメルカプタン0.27質量部を入れ、撹拌して、原料液を得た。かかる原料液中に窒素を送り込み、原料液中の溶存酸素を除去した。
槽型反応器の原料液供給口を開け、槽型反応器の反応液排出口を閉めて、前記オートクレーブから配管経由で原料液を槽型反応器に輸送し、槽型反応器の容量の2/3まで原料液を入れた。槽型反応器の原料液供給口を閉めて、反応器内の液の温度を140℃に上げ、バッチ式の重合反応を開始させた。反応器内の液の温度を140℃を維持して、重合転化率が55質量%になるまで反応させた。次いで、槽型反応器の原料液供給口および反応液排出口を開いて、平均滞留時間が150分間となるように、前記オートクレーブから原料液を槽型反応器に供給し、同時に原料液の供給流量に相当する流量で槽型反応器から液を抜き出し、反応器内の液の温度を140℃に維持し、連続流通式の重合反応に切り替えた。切り替え後、定常状態における重合転化率は55質量%であった。
攪拌機および採取管が取り付けられたオートクレーブ内を窒素で置換した。これに、精製されたメタクリル酸メチル100質量部、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル(水素引抜能:1%、1時間半減期温度:83℃)0.0052質量部、およびn-オクチルメルカプタン0.28質量部を入れ、撹拌して、原料液を得た。かかる原料液中に窒素を送り込み、原料液中の溶存酸素を除去した。
槽型反応器の原料液供給口を開け、槽型反応器の反応液排出口を閉めて、前記オートクレーブから配管経由で原料液を槽型反応器に輸送し、槽型反応器の容量の2/3まで原料液を入れた。槽型反応器の原料液供給口を閉めて、反応器内の液の温度を140℃に上げ、バッチ式の重合反応を開始させた。反応器内の液の温度を140℃を維持して、重合転化率が55質量%になるまで反応させた。次いで、槽型反応器の原料液供給口および反応液排出口を開いて、平均滞留時間が150分間となるように、前記オートクレーブから原料液を槽型反応器に供給し、同時に原料液の供給流量に相当する流量で槽型反応器から液を抜き出し、反応器内の液の温度を140℃に維持し、連続流通式の重合反応に切り替えた。切り替え後、定常状態における重合転化率は55質量%であった。
70質量部のメタクリル樹脂〔1〕-1と30質量部のメタクリル樹脂A-1とを混ぜ合わせ、軸径20mmの二軸押出機で250℃にて溶融混練し、押出して、トリアドシンジオタクティシティ(rr)が67%で、中間点ガラス転移温度が127℃のメタクリル樹脂〔1〕-2を得た。
30質量部のメタクリル樹脂〔1〕-1と70質量部のメタクリル樹脂A-2とを混ぜ合わせ、軸径20mmの二軸押出機で250℃にて溶融混練し、押出して、トリアドシンジオタクティシティ(rr)が59%で、中間点ガラス転移温度が123℃のメタクリル樹脂〔1〕-3を得た。
50質量部のメタクリル樹脂〔1〕-1と50質量部のメタクリル樹脂A-2とを混ぜ合わせ、軸径20mmの二軸押出機で250℃にて溶融混練し、押出して、トリアドシンジオタクティシティ(rr)が63%で、中間点ガラス転移温度が125℃のメタクリル樹脂〔1〕-4を得た。
輸送部、溶融混練部、脱揮部および排出部からなり且つスクリュー回転数120rpmおよび温度250℃に設定された軸径20mmの二軸押出機の輸送部に(メタ)アクリル樹脂A-2を2kg/hrで供給し、ニーディングブロックの設置された溶融混練部においてモノメチルアミンを0.027kg/hrで二軸押出機の添加剤供給口から注入し、メタクリル樹脂〔1〕-1とモノメチルアミンとを反応させた。なお、反応ゾーンの末端のスクリューにリバースフライトを設置した。
20Torr(約2.7kPa)に設定された脱揮部において、副生成物および過剰のモノメチルアミンを、溶融混練部を通過した溶融樹脂から揮発させ、ベントを通して排出した。二軸押出機の排出部の末端に設けられたダイスからストランドとして押し出された溶融樹脂を、水槽で冷却した。その後、ペレタイザでカットしてペレット状の前駆体樹脂〔2〕-1を得た。
20Torr(約2.7kPa)に設定された脱揮部において、副生成物および過剰の炭酸ジメチルを、溶融混練部を通過した溶融樹脂から揮発させ、ベントを通して排出した。二軸押出機の排出部の末端に設けられたダイスからストランドとして押し出された溶融樹脂を、水槽で冷却し、その後、ペレタイザでカットしてペレット状の変性樹脂〔2〕-1を得た。変性樹脂〔2〕-1は、重量平均分子量Mwが74000で、数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比Mw/Mnが1.90で、イミド化率が2.0モル%で、中間点ガラス転移温度が123℃で、酸価が0.25mmol/gであった。
モノメチルアミン量を0.027kg/hrから0.056kg/hrに変更した以外は、製造例7と同じ方法で、前駆体樹脂〔2〕-2を得た。
前駆体樹脂〔2〕-1を前駆体樹脂〔2〕-2に変え、炭酸ジメチル0.5質量部およびトリエチルアミン0.13質量部からなる液を7g/hrで注入する代わりに炭酸ジメチル1.2質量部およびトリエチルアミン0.28質量部からなる液を15g/hrで注入した以外は製造例7と同じ方法で、変性樹脂〔2〕-2を得た。変性樹脂〔2〕-2は、重量平均分子量Mwが73000で、数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比Mw/Mnが1.90で、イミド化率が5.0モル%で、中間点ガラス転移温度が127℃で、酸価が0.25mmol/gであった。
30質量部のメタクリル樹脂〔1〕-2と70質量部の変性樹脂〔2〕-1とを混ぜ合わせ、軸径20mmの二軸押出機で250℃にて溶融混練し、押出して、ガラス転移温度が124℃のペレット状の樹脂組成物(1)を得た。耐熱温度、曲げ弾性率および飽和吸水率の測定結果を表1に示す。
シリンダ温度215~230℃、吐出量37kg/時に制御された、軸径65mmの単軸押出機〔II〕に樹脂組成物(1)のペレットを連続的に投入した。
ポリカーボネートと樹脂組成物(1)とのそれぞれを、押出機〔I〕および押出機〔II〕から、予め樹脂を充填させたフィルター孔サイズ20μmのプリーツ型円筒フィルター(富士フィルター工業株式会社製)を通過させ、ジャンクションブロックに導入した。次いで樹脂吐出口幅1600mm、リップ間隔2.0mmのマルチマニホールドダイ(ノードソン株式会社)から、温度245℃にて、ポリカーボネートと樹脂組成物[1]とをシート状に共押出した。このシートを、横4本ロールの、1番ロールおよび2番ロール間にてバンク成形し、3番ロールおよび4番ロールにて鏡面を転写しながら冷却し、厚さ80μmの樹脂組成物(1)からなる層と厚さ920μmのポリカーボネートからなる層とからなる総厚さ1000μmの積層体を得た。得られた積層体の反り変化の結果を表1に示す。
表1に記載した処方にした以外は実施例1と同じ方法で、樹脂組成物、単層フィルムおよび積層体を得た。結果を表1に示す。
表2に記載した処方にした以外は実施例1と同じ方法で、樹脂組成物、単層フィルムおよび積層体を得た。結果を表2に示す。
Claims (11)
- メタクリル酸エステル単位を有し且つトリアドシンジオタクティシティ(rr)が56%以上である樹脂〔1〕、および
(メタ)アクリル酸エステル単位(M)と、ラクトン環単位、無水グルタル酸単位およびN-置換若しくは無置換グルタルイミド単位からなる群より選ばれる少なくともひとつの環構造を主鎖に有する単位(R)2~20質量%とを含有する樹脂〔2〕
を含み、且つ
樹脂〔1〕/樹脂〔2〕の質量比が20/80~80/20であり、
単位(M)がメタクリル酸メチル単位であり、且つ
樹脂〔1〕は、メタクリル酸メチル単位の含有量が90重量%以上であり且つガラス転移温度が122℃以上である、
樹脂組成物。 - 樹脂〔2〕は、ガラス転移温度が122℃以上130℃以下である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- 請求項1~3のいずれかひとつに記載の樹脂組成物からなる、フィルム。
- 請求項1~3のいずれかひとつに記載の樹脂組成物からなる、加飾フィルム。
- 請求項1~3のいずれかひとつに記載の樹脂組成物からなる、ディスプレイ前面板用保護フィルム。
- 請求項1~3のいずれかひとつに記載の樹脂組成物からなる、偏光子保護フィルム。
- 請求項1~3のいずれかひとつに記載の樹脂組成物からなる層(a)を少なくとも1つ有する、積層体。
- ポリカーボネート樹脂からなる層(b)を少なくとも1つさらに有する、請求項8に記載の積層体。
- 少なくとも一方の最表層が層(a)である、請求項9に記載の積層体。
- 請求項8~10のいずれかひとつに記載の積層体を有する、ディスプレイ部材。
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