JP7352168B2 - 搬送ヘッドおよび搬送装置 - Google Patents
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Description
図8の従来の搬送ヘッドでも安定した剥離や装填は難しく、ウェーハがキャリアのホールからズレてしまうことがあった。
そして、このような事情は、装置の機構が両面研磨装置とほとんど同じである両面ラップ装置においても同じである。
前記ウェーハを吸着して保持する吸着パッドと、該吸着パッドに前記ウェーハを真空吸着する吸着ラインを備えており、
前記搬送ヘッドのウェーハ吸着面側において、前記搬送ヘッドの中心部に主バルーンが配置されており、外周部に1つ以上の補助バルーンが配置されており、
該主バルーンおよび補助バルーンは、エアーの供給により加圧されて前記吸着パッドの吸着面よりも突出するように膨張可能であり、前記エアーの吸引により減圧されて前記吸着パッドの吸着面よりも引っ込むように収縮可能なものであることを特徴とする搬送ヘッドを提供する。
該吸着パッドよりも中心側に前記主バルーンが配置されており、前記吸着パッドよりも外周側に前記補助バルーンが配置されており、
前記吸着パッドの二重のリング同士の間に前記吸着ラインが備えられており、該吸着ラインは前記パージラインの機能を兼ね備えているものとすることができる。
また、二重のリング形状の吸着パッドに対し、中心側、二重のリング同士の間、外周側に、主バルーン、パージライン、補助バルーンが配置されているため、より確実かつ安定してウェーハの剥離を行うことができる。
前記ウェーハを保持する搬送ヘッドと、該搬送ヘッドが取り付けられており回動可能なアームを有しており、
前記搬送ヘッドが、上記の搬送ヘッドであることを特徴とする搬送装置を提供する。
図1に本発明における搬送装置の一例を示す。なお、両面研磨装置も一緒に図示している。ここではウェーハ加工装置として両面研磨装置を例に挙げて説明するが、代わりに両面ラップ装置とすることもできる。
本発明の搬送装置1は、例えば半導体基板としてのシリコンウエーハなどのウェーハの両面を研磨する両面研磨装置2に対して、従来のような高価で大型な多軸ロボットを必要とせずに、本発明の搬送ヘッド3を用いて、加工中にウェーハを保持しておくキャリアの円形穴状のホール内に正確にウェーハを装填してセットすることができる安価で省スペースな装置である。
なお、キャリアCのホールHの内周縁は、キャリア母材そのものからなるものとすることもできるし、キャリア母材に対して樹脂等からなるインサートを配置したものとすることもできる。また、上下定盤UT、LTには、互いに対向する面に、ウェーハWを研磨するための研磨布PPが貼り付けられている。
このようにキャリアCを備える両面研磨装置2自体は、例えば従来と同様のものを用いることができる。
ここで図2にアーム4の一例を示す(平面図)。また、図3にアーム4の別の一例を示す(斜視図)。
これらの図2、図3に示すアーム4は搬送ヘッド3がその先端に取り付けられており、搬送ヘッド3を自在に回動可能である。回動機構自体は特に限定されないが、コスト面を考慮して簡易な構造のものとすることができる。後述する搬送ヘッド3の機能により吸着したウェーハを精度良く安定して剥離することができるので、高価で大掛かりな多軸ロボット式のものは不要である。
このアーム4および搬送ヘッド3は制御手段5によりその動きを制御可能である。特には、ウェーハカセット6から取り出したウェーハWをキャリアCのホールH内へ搬送できるよう、アーム4を介して搬送ヘッド3の位置調整等ができるものである。
図4、5に示すように搬送ヘッド3は、ウェーハを吸着する側(ウェーハ吸着面側)にウェーハWを吸着して保持する吸着パッド7を備えており、該吸着パッド7にウェーハWを真空吸着する吸着ライン8を備えている。なお、図5から分かるように吸着ライン8は線A-A上にないが、説明のため、図4では真空吸着の仕組みが分かりやすいように線A-A上にあるものとして記載している。
吸着パッド7の材質は特に限定されず、その吸着面9で接触するウェーハWの表面にキズをつけにくいものを選択することができ、例えば、ポリウレタンゴム、ニトリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴムなど、従来と同様のものを用いることができる。
吸着ライン8は、例えば、ウェーハ吸着面側から反対側へ搬送ヘッド3の本体を貫通するように設けられており、ウェーハ吸着面側の開口部は吸着パッド7で囲まれた領域に形成されている。したがって、ウェーハWの上方から搬送ヘッド3の吸着パッド7を接触させ、吸着ライン8を作動させてエアーを吸引すれば、ウェーハWを吸着パッド7に真空吸着して保持可能である。吸着ライン8の本数は限定されず、ウェーハWを真空吸着できるよう各種条件に応じて本数を決めることができる。
主バルーン10や補助バルーン11は、各々、不図示のエアーのラインを備えており、内部にエアーを供給したり、内部のエアーを吸引することができるようになっている。エアーの供給により内部が加圧されて膨張することができ、反対にエアーの吸引により内部が減圧されて収縮することもできる。
まず、収縮状態の例としては、図4に示すような搬送ヘッド3がウェーハWを吸着している場合が挙げられる。主バルーン10および補助バルーン11は減圧されて収縮している。収縮状態では、吸着パッド7の吸着面9よりも引っ込むように萎むことが可能である。吸着面9よりも引っ込んでいるため、吸着面9でのウェーハWの吸着を邪魔しない。
しかしながら本発明の搬送ヘッド3(および搬送装置1)のように、中心部の主バルーン10の他に、さらに外周部に補助バルーン11を備えていれば、この簡便な仕組みでウェーハの剥離やホールHへの装填を従来装置よりも高精度に制御し易く、安定して行うことができる。このため、ホールHへのウェーハの装填時にズレが生じにくくなる。
また多軸ロボットを有する従来の搬送装置の場合は、大型となり場所をとる上に高価であるため、全ての両面研磨装置に対して配設するのは難しい。しかしながら本発明であれば比較的低コストであり、かつ、小型で省スペースのものとすることができ、より多くの両面研磨装置や両面ラップ装置等のウェーハ加工装置に対して配設し易い。修理費用も多軸ロボット故障時に比べて抑えることができる。
別個独立制御可能なものであれば、ウェーハWの剥離をより高精度で制御し易い。
ただしこれに限定されず、パージライン12と吸着ライン8を別々に配設しておくことも可能である。
なお、これらの吸着パッド7、1つ以上の補助バルーン11、吸着ライン8、パージライン12は、主バルーン10(または搬送装置1の中心)を中心とする点対称の配置であると、ウェーハWの真空吸着や剥離を一層バランス良く行うことができる。
まず、制御手段5によりアーム4を回動させて、ウェーハカセット6から取り出されたウェーハWの上方に搬送ヘッド3を位置させる。このとき、搬送ヘッド3の主バルーン10および補助バルーン11の全てはエアーの吸引による減圧で吸着パッド7の吸着面9よりも引っ込むように収縮させておく。
次に、搬送ヘッド3の吸着パッド7の吸着面9をウェーハWの表面に接触させ、吸着ライン8を作動させてエアー吸引をする。これによりウェーハWが搬送ヘッド3のウェーハ吸着面側に真空吸着されて保持される。
ウェーハWを真空吸着して保持したまま、アーム4を回動させて両面研磨装置2のキャリアCのホールHの上方に搬送ヘッド3を移動させる。
そして、搬送ヘッド3において、主バルーン10にエアーを供給して加圧し、吸着パッド7の吸着面9よりも突出するように膨張させる。これにより、ウェーハWの中心部がホールHの中心に向けて僅かに押し出される状態になる。
主バルーン10を膨張させたまま、補助バルーン11にエアーを供給して加圧し、吸着パッド7の吸着面9よりも突出するように膨張させる。また、パージライン12(ここでは吸着ライン8と同ライン)から剥離用エアーを供給する。これにより、ウェーハWを吸着面9から完全に剥離させ、キャリアCのホールH内にズレなく装填することができる。
一方、ウェーハW装填後に主バルーン10や補助バルーン11を収縮させなかった場合は、ウェーハWを装填した時の状態(膨張状態)から、主バルーン10、補助バルーン11の順でさらに大きく膨張させるなどして、装填されたウェーハWを押圧してホールHの水抜きを行うことができる。
4…アーム、 5…制御手段、 6…ウェーハカセット、
7…吸着パッド、 8…吸着ライン、 9…吸着パッドの吸着面、
10…主バルーン、 11…補助バルーン、 12…パージライン、
C…キャリア、 H…キャリアのホール、 UT…上定盤、 LT…下定盤、
SG…サンギヤ、 IG…インターナルギヤ、 PP…研磨布、
W…ウェーハ。
Claims (4)
- ウェーハを搬送する搬送装置の搬送ヘッドであって、
前記ウェーハを吸着して保持する吸着パッドと、該吸着パッドに前記ウェーハを真空吸着する吸着ラインを備えており、
前記搬送ヘッドのウェーハ吸着面側において、前記搬送ヘッドの中心部に主バルーンが配置されており、外周部に1つ以上の補助バルーンが配置されており、
該主バルーンおよび補助バルーンは、エアーの供給により加圧されて前記吸着パッドの吸着面よりも突出するように膨張可能であり、前記エアーの吸引により減圧されて前記吸着パッドの吸着面よりも引っ込むように収縮可能なものであることを特徴とする搬送ヘッド。 - 前記主バルーンおよび前記補助バルーンの間に、前記吸着パッドに保持された前記ウェーハに対して剥離用エアーを供給するパージラインをさらに備えたものであることを特徴とする請求項1に記載の搬送ヘッド。
- 前記吸着パッドは二重のリング形状であり、
該吸着パッドよりも中心側に前記主バルーンが配置されており、前記吸着パッドよりも外周側に前記補助バルーンが配置されており、
前記吸着パッドの二重のリング同士の間に前記吸着ラインが備えられており、該吸着ラインは前記パージラインの機能を兼ね備えているものであることを特徴とする請求項2に記載の搬送ヘッド。 - ウェーハ加工装置の上下定盤間に配置されるキャリアのホールにウェーハを搬送する搬送装置であって、
前記ウェーハを保持する搬送ヘッドと、該搬送ヘッドが取り付けられており回動可能なアームを有しており、
前記搬送ヘッドが、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の搬送ヘッドであることを特徴とする搬送装置。
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JP2015179754A (ja) | 2014-03-19 | 2015-10-08 | 信越半導体株式会社 | ワーク保持装置 |
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