JP7351064B2 - 濃縮膜 - Google Patents
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Description
特許文献2には、1.0μmを超えないバブルポイント孔径を備えたフィルタ膜を微生物の捕捉に用いることが開示されている。
特許文献3には、疎水性樹脂からなる高分子微多孔膜の表面に親水性モノマーを放射線グラフト反応させる、親水化された高分子微多孔膜の製造方法が開示されている。
特許文献4には、高分子微多孔膜に、1個のビニル基を有する親水性モノマーと2個以上のビニル基を有する架橋剤とをグラフト重合法によって共重合させて得られる親水性微多孔膜が開示されている。
特許文献5には、ポリオレフィンの多孔性中空糸基体がグリセリン脂肪酸エステルで被覆された多孔性中空糸膜を菌体の濃縮分離用膜として使用することが開示されている。
特許文献6には、粘度平均分子量が100万を超えるポリエチレン樹脂からなり、融解ピーク温度が145℃以上である結晶成分を少なくとも1種含み、気孔率が20~95%であり、平均孔径が0.01~10μmである微多孔膜が開示されている。
特許文献7には、ポリエチレン樹脂からなり、膜厚が25μmを超え1mm以下、平均孔径が0.01~10μm、構造ファクターFが1.5×107秒-2・m-1・Pa-2以上である高透過性微多孔膜を含む医用分離フィルタが開示されている。
特許文献8には、界面活性剤で事前処理した膜フィルタに生物学的生成物を含む流体を通して、該流体中に存在する凝集物を除去する方法が開示されている。
特許文献9には、被検液中の口腔内微生物を濾過膜上に捕捉し回収する方法が開示されている。
特許文献10には、ポリオレフィンからなる多孔質構造マトリックスと、該マトリックスの細孔表面を被覆するエチレン・ビニルアルコール系共重合体被覆層とからなる親水性複合多孔質膜が開示されている。
本開示の実施形態は、生物学的粒子(biological particle)を簡易に迅速に効率よく濃縮する濃縮膜を提供することを目的とし、これを解決することを課題とする。
[2] 前記親水性複合多孔質膜は、前記平均孔径xが0.1μm~0.5μmである、[1]に記載の濃縮膜。
[3] 前記親水性複合多孔質膜は、パームポロメータで測定したバブルポイント細孔径yが0.8μm超3μm以下である、[1]又は[2]に記載の濃縮膜。
[4] 前記親水性複合多孔質膜は、水流量f(mL/(min・cm2・MPa))と前記バブルポイント細孔径y(μm)との比f/yが100~480である、[1]~[3]のいずれかに記載の濃縮膜。
[5] 前記親水性複合多孔質膜は、膜厚tが10μm~150μmである、[1]~[4]のいずれかに記載の濃縮膜。
[6] 前記親水性複合多孔質膜は、表面粗さRaが0.3μm~0.7μmである、[1]~[5]のいずれかに記載の濃縮膜。
[7] 前記親水性樹脂が、ポリマーの主鎖が炭素原子のみからなり且つ側鎖にヒドロキシ基、カルボキシ基及びスルホ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する親水性樹脂を含む、[1]~[6]のいずれかに記載の濃縮膜。
[8] 前記親水性樹脂が、ポリビニルアルコール、オレフィン・ビニルアルコール系樹脂、アクリル・ビニルアルコール系樹脂、メタクリル・ビニルアルコール系樹脂、ビニルピロリドン・ビニルアルコール系樹脂、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、パーフルオロスルホン酸系樹脂及びポリスチレンスルホン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性樹脂を含む、[1]~[6]のいずれかに記載の濃縮膜。
[9] 前記親水性樹脂がオレフィン・ビニルアルコール系樹脂を含む、[1]~[6]のいずれかに記載の濃縮膜。
[10] 前記多孔質基材がポリオレフィン微多孔膜である、[1]~[9]のいずれかに記載の濃縮膜。
[11] 前記生物学的粒子は、大きさが10nm~1000nmである、[1]~[10]のいずれかに記載の濃縮膜。
[12]前記生物学的粒子が、ウイルス、細菌又はエクソソームである、[1]~[11]のいずれかに記載の濃縮膜。
本開示は、生物学的粒子を濃縮するために用いる濃縮膜を提供する。本開示の濃縮膜は、生物学的粒子を含む可能性のある、水を含む液体組成物(以下、水性液体組成物という。)を処理対象とし、生物学的粒子の濃度が高められた水性液体組成物に濃縮する。
濃縮率=「濃縮処理後に親水性複合多孔質膜の上流、上流側の主面及び空孔内の少なくともいずれかの部位から回収される水性液体組成物の生物学的粒子濃度」÷「濃縮処理前の水性液体組成物の生物学的粒子濃度」×100
親水性複合多孔質膜のt/xが50未満であると、平均孔径xの大きさの割に膜厚tが薄すぎる故、又は、膜厚tの厚さの割に平均孔径xが大きすぎる故、生物学的粒子が親水性複合多孔質膜を通過しやすく、親水性複合多孔質膜の上流、上流側の主面及び空孔内の少なくともいずれかに残留する生物学的粒子の残留率(以下、単に「生物学的粒子の残留率」という。)が劣り、その結果、生物学的粒子の濃縮率が劣る。この観点から、t/xは、50以上であり、好ましくは80以上であり、より好ましくは100以上である。
親水性複合多孔質膜のt/xが630超であると、平均孔径xの大きさの割に膜厚tが厚すぎる故、又は、膜厚tの厚さの割に平均孔径xが小さすぎる故、水性液体組成物が親水性複合多孔質膜を通過しにくく、水性液体組成物が親水性複合多孔質膜を通過するのに時間がかかる(つまり、水性液体組成物の濃縮処理に時間がかかる。)。この観点から、t/xは、630以下であり、好ましくは600以下であり、より好ましくは500以下であり、更に好ましくは400以下である。
親水性複合多孔質膜は、片面又は両面において、下記の測定条件によって測定する水の接触角が、90度以下であることが好ましく、前記水の接触角が小さいほど好ましい。親水性複合多孔質膜は、片面又は両面において、下記の測定条件によって水の接触角を測定しようとしたとき、水滴が膜内部に浸透して測定できない状態となるほどの親水性であることがより好ましい。
ここで水の接触角は、次の測定方法によって測定される値である。多孔質膜を温度25℃且つ相対湿度60%の環境に24時間以上放置して調湿した後、同じ温度且つ湿度の環境下にて、多孔質膜の表面に注射器で1μLのイオン交換水の水滴を落とし、全自動接触角計(協和界面科学社、型番Drop Master DM500)を用いてθ/2法により30秒後の接触角を測定する。
本開示において親水性複合多孔質膜のバブルポイント圧は、親水性複合多孔質膜をエタノールに浸漬し、JIS K3832:1990のバブルポイント試験方法に従って、ただし、試験時の液温を24±2℃に変更し、印加圧力を昇圧速度2kPa/秒で昇圧しながらバブルポイント試験を行って求める値である。親水性複合多孔質膜の一方の主面のみが親水性樹脂で被覆されている場合は、親水性樹脂で被覆されている主面を測定装置の加圧部に向けて設置し、測定を行う。
親水性複合多孔質膜は、生物学的粒子の残留率を高める観点から、少なくとも濃縮処理の際に上流側となる主面において、表面粗さRaが0.7μm以下であることが好ましく、0.6μm以下であることがより好ましい。
ε={1-(Wa/da+Wb/db+Wc/dc+…+Wn/dn)/t}×100
本開示において多孔質基材とは、内部に空孔ないし空隙を有する基材を意味する。多孔質基材としては、微多孔膜;繊維状物からなる、不織布、紙等の多孔性シート;などが挙げられる。多孔質基材としては、本開示の濃縮膜の薄膜化及び強度の観点から、微多孔膜が好ましい。微多孔膜とは、内部に多数の微細孔を有し、これら微細孔が連結された構造となっており、一方の面から他方の面へと気体あるいは液体が通過可能となった膜を意味する。
多孔質基材の厚さは、多孔質基材の強度を高める観点、及び、生物学的粒子の残留率を高める観点から、10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましく、20μm以上が更に好ましい。多孔質基材の厚さは、水性液体組成物の処理時間を短くする観点から、150μm以下が好ましく、120μm以下がより好ましく、100μm以下が更に好ましい。多孔質基材の厚さの測定方法は、親水性複合多孔質膜の厚さtの測定方法と同じである。
多孔質基材は、片面又は両面において、表面粗さRaが0.7μm以下であることが好ましく、0.6μm以下であることがより好ましい。
多孔質基材の表面粗さRaに係る測定方法は、親水性複合多孔質膜の表面粗さRaに係る測定方法と同じである。
ε={1-(Wa/da+Wb/db+Wc/dc+…+Wn/dn)/t}×100
多孔質基材の一つの実施形態として、ポリオレフィンを含む微多孔膜(本開示においてポリオレフィン微多孔膜という。)が挙げられる。ポリオレフィン微多孔膜に含まれるポリオレフィンとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、ポリプロピレンとポリエチレンとの共重合体等が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンが好ましく、高密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンと超高分子量ポリエチレンの混合物等が好適である。ポリオレフィン微多孔膜の一つの実施形態として、含まれるポリオレフィンがポリエチレンのみであるポリエチレン微多孔膜が挙げられる。
ポリオレフィン微多孔膜は、例えば、下記の工程(I)~(IV)を含む製造方法で製造することができる。
工程(II):前記溶液を溶融混練し、得られた溶融混練物をダイより押し出し、冷却固化して第一のゲル状成形物を得る工程。
工程(III):前記第一のゲル状成形物を少なくとも一方向に延伸(一次延伸)し且つ溶剤の乾燥を行い第二のゲル状成形物を得る工程。
工程(IV):前記第二のゲル状成形物を少なくとも一方向に延伸(二次延伸)する工程。
親水性樹脂は、特に制限されるものではないが、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基等の親水性基を有する樹脂が挙げられる。
親水性樹脂としては、ポリマーの主鎖に炭素原子のみならず酸素原子が含まれる樹脂(例えば、ポリエチレングルコール、セルロース等)も挙げられるが、ポリマーの主鎖に酸素原子が含まれる親水性樹脂は多孔質基材から比較的脱落しやすい。多孔質基材から脱落しにくい観点から、ポリマーの主鎖が炭素原子のみからなる樹脂が好ましく、ポリマーの主鎖が炭素原子のみからなり且つ側鎖にヒドロキシ基、カルボキシ基及びスルホ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する樹脂がより好ましい。
親水性複合多孔質膜の製造方法は、特に制限されない。一般的な製造方法としては、親水性樹脂を含む塗工液を多孔質基材に付与し、塗工液を乾燥させて多孔質基材を親水性樹脂で被覆する方法;多孔質基材に親水性モノマーをグラフト重合させて、多孔質基材を親水性樹脂で被覆する方法;が挙げられる。
[実施例1]
-ポリエチレン微多孔膜の作製-
重量平均分子量460万の超高分子量ポリエチレン(以下「UHMWPE」という。)3.75質量部と、重量平均分子量56万且つ密度950kg/m3の高密度ポリエチレン(以下「HDPE」という。)21.25質量部とを混合したポリエチレン組成物を用意した。ポリマー濃度が25質量%となるようにポリエチレン組成物とデカリンとを混合しポリエチレン溶液を調製した。
親水性樹脂として、エチレン・ビニルアルコール二元共重合体(日本合成化学工業製、ソアノールDC3203R、エチレン単位32モル%)(以下、EVOHという。)を用意した。EVOHの濃度が0.2質量%となるように、1-プロパノールと水の混合溶媒(1-プロパノール:水=3:2[体積比])にEVOHを溶解させ、塗工液を得た。
-ポリエチレン微多孔膜の作製-
ポリエチレン溶液の組成又はポリエチレン微多孔膜の製造工程を表1に記載のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。実施例3~6においては、シートを塩化メチレン浴から搬出した後、40℃の温度雰囲気下で塩化メチレンを乾燥除去し、120℃に加熱したローラー上を搬送させながらアニール処理をした。
実施例1と同様にしてポリエチレン微多孔膜にEVOHを付与し、親水性複合多孔質膜を作製した。ただし、実施例5~6においては、塗工液のEVOH濃度を1質量%とした。
-ポリエチレン微多孔膜の作製-
ポリエチレン溶液の組成及びポリエチレン微多孔膜の製造工程を表1に記載のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。比較例1においては、シートを塩化メチレン浴から搬出した後、40℃の温度雰囲気下で塩化メチレンを乾燥除去し、120℃に加熱したローラー上を搬送させながらアニール処理をした。
ポリエチレン微多孔膜の片面に、プラズマ処理(Nordson MARCH社製AP-300:出力150W、処理圧力400mTorr、ガス流量160sccm、処理時間45秒)を施し、親水性複合多孔質膜を得た。
-ポリエチレン微多孔膜の作製-
ポリエチレン微多孔膜の製造工程を表1に記載のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
ポリエチレン微多孔膜の片面に、プラズマ処理(Nordson MARCH社製AP-300:出力150W、処理圧力400mTorr、ガス流量160sccm、処理時間45秒)を施し、親水性複合多孔質膜を得た。
-ポリエチレン微多孔膜の作製-
ポリエチレン微多孔膜の製造工程を表1に記載のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜を作製した。
実施例1と同様にしてポリエチレン微多孔膜にEVOHを付与し、親水性複合多孔質膜を作製した。
比較例4として、シリンジフィルターであるmdi社製のSYNN0601MNXX104を用意した。このシリンジフィルターが備える多孔質膜は、ナイロン製である。
比較例5として、シリンジフィルターであるMembrane Solutions社製のCA025022を用意した。このシリンジフィルターが備える多孔質膜は、酢酸セルロース製である。
実施例1~7及び比較例1~5の各親水性複合多孔質膜又は多孔質膜を試料にして下記の物性測定を行った。比較例1~2の各親水性複合多孔質膜については、プラズマ処理を施した主面の物性を測定した。比較例4~5のシリンジフィルターが備える各多孔質膜については、シリンジフィルターから多孔質膜を取り出し、シリンジフィルターの入口側の主面の物性を測定した。表2にその結果を示す。
親水性複合多孔質膜又は多孔質膜の膜厚は、接触式の膜厚計(ミツトヨ社製)にて20点測定し、これを平均することで求めた。接触端子は底面が直径0.5cmの円柱状の端子を用いた。測定圧は0.1Nとした。
親水性複合多孔質膜又は多孔質膜の平均孔径x(μm)は、PMI社のパームポロメータ(型式:CFP-1200-AEXL)を用い、浸液にPMI社製のガルウィック(表面張力15.9dyn/cm)を用いて、ASTM E1294-89に規定するハーフドライ法により求めた。測定温度は25℃であり、測定圧力は0~600kPaの範囲で変化させた。
親水性複合多孔質膜又は多孔質膜のバブルポイント細孔径y(μm)は、PMI社のパームポロメータ(型式:CFP-1200-AEXL)を用い、バブルポイント法(ASTM F316-86、JIS K3832:1990)により求めた。ただし、試験時の浸液をPMI社製のガルウィック(表面張力15.9dyn/cm)に変更して求めた。測定温度は25℃であり、測定圧力は0~600kPaの範囲で変化させた。
親水性複合多孔質膜又は多孔質膜をエタノールに浸漬し、JIS K3832:1990のバブルポイント試験方法に従って、ただし、試験時の液温を24±2℃に変更し、印加圧力を昇圧速度2kPa/秒で昇圧しながらバブルポイント試験を行って求めた。
親水性複合多孔質膜をMD方向10cm×TD方向10cmに切り出し、透液面積が17.34cm2であるステンレス製の円形透液セルにセットした。20kPaの差圧で水100mLを透過させて、水100mLが透過するのに要する時間(sec)を計測した。測定は室温24℃の温度雰囲気で行った。測定条件及び測定値を単位換算して水流量f(mL/(min・cm2・MPa))を求めた。
光波干渉式表面粗さ計(Zygo社、NewView5032)を用いて下記の条件での算術平均高さを測定し、表面粗さRaを求めた。
・対物レンズ:20倍ミラウ型(Mirau型)
・イメージズーム:1.0×
・FDA Res:Normal又はLow
・解析条件:Zygo社の標準アプリケーションであるStich.appを用いて非接触式で各サンプル3箇所のデータを取得した後、粗さ評価のためのオプションアプリケーションであるAdvance Texture.appを用いて表面粗さを解析した。
実施例1~7及び比較例1~5の各親水性複合多孔質膜又は多孔質膜を濃縮膜として用いて濃縮テストを行った。比較例1~2の各親水性複合多孔質膜を濃縮膜として用いる際は、プラズマ処理を施した主面を上流側にした。比較例4~5のシリンジフィルターが備える各多孔質膜を濃縮膜として用いる際は、シリンジフィルターから多孔質膜を取り出し、シリンジフィルターの入口側の主面を上流側にした。表2に濃縮テストの結果を示す。濃縮テストの詳細は次のとおりである。
プランジャーを押し始めた時点からプランジャーを押し切った時点までの時間(秒)を計測した。
プランジャーを押し切った後、フィルターデバイスを上にしシリンジを下にした状態で、プランジャーを数回往復させ、濃縮膜の上流に残留したウイルス懸濁液を回収した。回収したウイルス懸濁液を試料にして、Viral RNA Mini Kit(QIAGEN)を用いてトータルRNAを抽出した。ReverTra Ace(登録商標)(東洋紡)を用いて、抽出したトータルRNAを逆転写してcDNAを作製した。デング熱ウイルスRNAに特異的に結合するプライマー及びSYBR Green I(タカラバイオ)(SYBRは登録商標)を用いてqRT-PCRを行い、試料中のウイルスRNAを定量した。通液前のウイルス懸濁液のウイルスRNA濃度Caと、回収したウイルス懸濁液のウイルスRNA濃度Cbとから、濃縮率(%)=Cb÷Ca×100を算出した。
Claims (6)
- 重量平均分子量が9×105以上である超高分子量ポリエチレン及び重量平均分子量が2×105~8×105で密度が920kg/m3~960kg/m3である高密度ポリエチレンを質量比5:95~40:60で含有するポリエチレン微多孔膜と、前記ポリエチレン微多孔膜の少なくとも一方の主面及び空孔内表面を被覆する、エチレン単位の割合が25モル%~50モル%であるエチレン・ビニルアルコール二元共重合体と、を備えたシート状の親水性複合多孔質膜であって、
膜厚tが10μm~70μmであり、パームポロメータで測定した平均孔径xが0.1μm~0.5μmであり、前記膜厚t(μm)と前記平均孔径x(μm)との比t/xが100~500であるシート状の親水性複合多孔質膜、を含む、
大きさが10nm~1000nmである生物学的粒子を濃縮するために用いる濃縮膜。 - 前記ポリエチレン微多孔膜が、ポリエチレン全体の重量平均分子量が2×105~2×106であるポリエチレン微多孔膜である、請求項1に記載の濃縮膜。
- 前記親水性複合多孔質膜は、パームポロメータで測定したバブルポイント細孔径yが0.8μm超3μm以下である、請求項1又は請求項2に記載の濃縮膜。
- 前記親水性複合多孔質膜は、水流量f(mL/(min・cm2・MPa))とパームポロメータで測定したバブルポイント細孔径y(μm)との比f/yが100~480である、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の濃縮膜。
- 前記親水性複合多孔質膜は、表面粗さRaが0.3μm~0.7μmである、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の濃縮膜。
- 前記生物学的粒子が、ウイルス、細菌又はエクソソームである、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の濃縮膜。
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