JP7350548B2 - ポリフェニレンエーテル、硬化性組成物、ドライフィルム、硬化物、および電子部品 - Google Patents
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Description
前記側鎖不飽和炭素結合を有するポリフェニレンエーテルが、少なくとも下記条件1および下記条件2をいずれも満たすフェノール類(A)、または、少なくとも下記条件1を満たし下記条件2を満たさないフェノール類(B)と下記条件1を満たさず下記条件2を満たすフェノール類(C)の混合物を含む原料フェノール類からなることを特徴とする側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルである。
(条件1)
オルト位およびパラ位に水素原子を有する
(条件2)
パラ位に水素原子を有し、不飽和炭素結合を含む官能基を有する
前記側鎖不飽和炭素結合を有するポリフェニレンエーテルが、少なくとも下記条件1および下記条件2をいずれも満たすフェノール類(A)、または、少なくとも下記条件1を満たし下記条件2を満たさないフェノール類(B)と下記条件1を満たさず下記条件2を満たすフェノール類(C)の混合物を含む原料フェノール類からなり、コンフォメーションプロットで算出された傾きが0.6未満であることを特徴とする側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルである。
(条件1)
オルト位およびパラ位に水素原子を有する
(条件2)
パラ位に水素原子を有し、不飽和炭素結合を含む官能基を有する
本発明の側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルは、分岐構造を有し、かつ、側鎖不飽和炭素結合を有する所定のポリフェニレンエーテルの側鎖不飽和炭素結合の一部または全部をエポキシ化したものである。側鎖不飽和炭素結合は、典型的には、ポリフェニレンエーテルの構成単位である原料フェノール類が置換基として有する不飽和炭素結合に由来する。
(条件1)
オルト位およびパラ位に水素原子を有する
(条件2)
パラ位に水素原子を有し、不飽和炭素結合を含む官能基を有する
ポリフェニレンエーテルのクロロホルム溶液を、0.1、0.15、0.2、0.25mg/mLの間隔で調製後、0.5mL/minで送液しながら屈折率差と濃度のグラフを作成し、傾きから屈折率増分dn/dcを計算する。次に、下記装置運転条件にて、絶対分子量を測定する。RI検出器のクロマトグラムとMALS検出器のクロマトグラムを参考に、分子量と回転半径の対数グラフ(コンフォメーションプロット)から、最小二乗法による回帰直線を求め、その傾きを算出する。
装置名 :HLC8320GPC
移動相 :クロロホルム
カラム :TOSOH TSKguardcolumnHHR-H
+TSKgelGMHHR-H(2本)
+TSKgelG2500HHR
流速 :0.6mL/min.
検出器 :DAWN HELEOS(MALS検出器)
+Optilab rEX(RI検出器、波長254nm)
試料濃度 :0.5mg/mL
試料溶媒 :移動相と同じ。試料5mgを移動相10mLで溶解
注入量 :200μL
フィルター :0.45μm
STD試薬 :標準ポリスチレン Mw 37,900
STD濃度 :1.5mg/mL
STD溶媒 :移動相と同じ。試料15mgを移動相10mLで溶解
分析時間 :100min
本発明の側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルは、低誘電特性、耐溶剤性がより優れた硬化物が得られ、熱硬化温度を低下させることが可能なことから、様々な用途に適用することができる。
本発明の硬化性組成物は、上述した側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルを含む。また、以下に説明する成分を含んでもよい。
硬化物は、上述した硬化性組成物を硬化することで得られる。
本発明のドライフィルムまたはプリプレグは、上述した硬化性組成物を基材に塗布して得られるものである。
本発明においては、上述のプリプレグを用いて積層板を作製することができる。
このような硬化物は、優れた誘電特性や耐熱性を有するため、電子部品用等に使用可能である。
側鎖エポキシ化PPEおよび非側鎖エポキシ化PPEを以下の通りに調製した。PPE-1~PPE-4の合成に使用したフェノール類およびその配合比(モル比)、エポキシ化に関する情報を表1に示す。
(PPE-1に係る合成物の合成)
3Lの二つ口ナスフラスコに、ジ-μ-ヒドロキソ-ビス[(N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン)銅(II)]クロリド(Cu/TMEDA)5.3gと、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)5.7mLを加えて十分に溶解させ、10ml/minにて酸素を供給した。о-クレゾール10.0g、2-アリル-6-メチルフェノール13.7g、2,6-ジメチルフェノール90.3gをトルエン1.5Lに溶解させ、フラスコに滴下し、600rpmの回転速度で攪拌しながら40℃で6時間反応させた。反応終了後、メタノール20L:濃塩酸22mLの混合液で再沈殿させてろ過にて取り出し、80℃で24時間乾燥させ、PPE-1に係る合成物を得た。
滴下漏斗を備えた二つ口ナスフラスコに50gのPPE-1に係る合成物とテトラヒドロフラン400mLを加え、氷浴中で攪拌した。メタクロロ過安息香酸(mCPBA)31gをテトラヒドロフラン1.6Lに溶解させた溶液を30分かけて滴下し、室温で24時間攪拌した。反応溶液をメタノール中に再沈させて濾過により取り出し、80℃で24時間乾燥させてPPE-1を得た。
原料フェノール類の配合比を変更し、mCPBAを93g使用した以外は側鎖エポキシ化PPE-1の合成方法と同じ方法で側鎖エポキシ化PPE(PPE-2)を得た。
原料フェノール類の配合比を変更し、mCPBAを155g使用した以外は側鎖エポキシ化PPE-1の合成方法と同じ方法で側鎖エポキシ化PPE(PPE-3)を得た。
PPE-1に係る合成物(エポキシ化されていないポリフェニレンエーテル)をPPE-4とした。
各成分を以下の表に記載の質量配合割合で、固形分濃度が50質量%となるように、シクロヘキサノンを添加し、混合させワニスを作製した。
厚さ18μm銅箔のシャイン面に、各組成物を、硬化物の厚みが50μmになるようにアプリケーターで塗布した。次に、熱風式循環式乾燥炉で90℃30分乾燥させた。その後、熱風循環式乾燥炉で所定温度にて60分加熱し、硬化膜を得た。
具体的には、180℃の加熱で得た硬化膜が溶解しないものを「◎」、200℃の加熱で得た硬化膜が溶解しないものを「〇」、200℃の加熱で得た硬化膜が溶解したものを「×」と評価した。
誘電特性である比誘電率Dkおよび誘電正接Dfは、以下の方法に従って測定した。
厚さ18μm銅箔のシャイン面に、各組成物を、硬化物の厚みが50μmになるようにアプリケーターで塗布した。次に、熱風式循環式乾燥炉で90℃30分乾燥させた。その後、熱風循環式乾燥炉で180℃60分加熱した。組成物を硬化後、銅箔をエッチング除去して硬化膜を得た。
硬化膜を長さ80mm、幅45mm、厚み50μmに切断し、これを試験片としてSPDR(Split Post Dielectric Resonator)共振器法により測定した。測定器には、キーサイトテクノロジー合同会社製のベクトル型ネットワークアナライザE5071C、SPDR共振器、計算プログラムはQWED社製のものを用いた。条件は、周波数10GHz、測定温度25℃とした。
Claims (6)
- 側鎖不飽和炭素結合を有するポリフェニレンエーテルの側鎖不飽和炭素結合の一部または全部をエポキシ化して得られる側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルであって、
前記側鎖不飽和炭素結合を有するポリフェニレンエーテルが、少なくとも下記条件1および下記条件2をいずれも満たすフェノール類(A)、または、少なくとも下記条件1を満たし下記条件2を満たさないフェノール類(B)と下記条件1を満たさず下記条件2を満たすフェノール類(C)の混合物を含む原料フェノール類からなり、
前記側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルの数平均分子量が1,000~20,000であり、
前記側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルのエポキシ化率は1%以上であり、
前記側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルの原料フェノール類の合計に対する下記条件1を満たすフェノール類の割合が1~50mol%かつ下記条件2を満たすフェノール類の割合が1~99mol%であることを特徴とする側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテル。
(条件1)
オルト位およびパラ位に水素原子を有する
(条件2)
パラ位に水素原子を有し、不飽和炭素結合を含む炭化水素基を有する - 請求項1に記載の側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルと、エポキシ基反応性架橋型硬化剤と、を含む硬化性組成物。
- 請求項2に記載の硬化性組成物を基材に塗布して得られる、ドライフィルムまたはプリプレグ。
- 請求項2に記載の硬化性組成物を硬化して得られる、硬化物。
- 請求項4に記載の硬化物を含む、積層板。
- 請求項4に記載の硬化物を有する、電子部品。
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