JP7349896B2 - ゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物に関する。
近年、世界的に二酸化炭素排出規制が厳しくなる中、自動車の低燃費化への要求が高まっている。その解決策の一つとして、タイヤの転がり抵抗を小さくし、燃費性能を向上させることが提案されている。
低燃費タイヤに欠かせないフィラーとして、シリカが挙げられるが、シリカは同じくタイヤのフィラーとして使用されるカーボンブラックと比較し、凝集しやすく、ゴム中での分散性が悪い。
そのため、シランカップリング剤を使用する試みがなされているが、これだけでは充分なレベルの低燃費性を得ることは難しく、さらなる改良が求められている。そこで、テトラジン系化合物を使用することにより低燃費性を向上させることが提案されているが、その反面、製造時の加工性が低下するという課題がある。
何らかの機能性を付加する添加剤をゴム成分に添加する試みは多く行われているが、このような添加剤を加えると、その一方でゴムの加工性が低下するということが技術常識である。とりわけテトラジン化合物を使用する際には、かかる加工性の低下が顕著であり、ゴム組成物の低燃費性を向上させつつも、ゴムの加工性が悪化しない方法が切望されている。
上記のような事情に鑑み、本発明の目的とするところは、優れた低燃費を有しつつ、加工性にも優れたゴム組成物を提供することにある。
本発明者は上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、テトラジン化合物を含有するゴム組成物において、さらに所定の無機酸化物粒子を配合することで、優れた低燃費を有しつつ、加工性にも優れたゴム組成物を提供できることを見出した。本発明者は、かかる知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下のゴム組成物を提供する。
項1.
ジエン系ゴム成分、式(1)で表される化合物及び/又はその塩、チタン酸塩化合物粒子、並びに、シリカを含むゴム組成物であって、
前記ジエン系ゴム成分100質量部に対して、前記式(1)で表される化合物を0.05~5質量部、及び前記チタン酸化合物塩粒子を0.05~30質量部それぞれ含む、組成物。
Figure 0007349896000001
〔式中、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アルキルチオ基、アラルキル基、アリール基、アリールチオ基、複素環基、又はアミノ基を示す。これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。〕
項2.
前記ジエン系ゴム成分100質量部に対してシリカを15~110質量部含む、項1に記載の組成物。
項3.
前記チタン酸塩化合物粒子の平均粒子径が0.1~30μmである、項1又は2に記載の組成物。
項4.
項1~3の何れかに記載の組成物を使用したタイヤ。
本発明のゴム組成物は優れた低燃費を有しつつ、加工性にも優れる。
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム成分、下記式(1)で表される化合物及び/又はその塩、チタン酸塩化合物粒子、並びにシリカを含んで構成される。
Figure 0007349896000002
〔式中、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アルキルチオ基、アラルキル基、アリール基、アリールチオ基、複素環基、又はアミノ基を示す。これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。〕
1.ジエン系ゴム成分
ジエン系ゴム成分としては、特に制限はなく、公知のジエン系ゴムを広く採用することが可能である。
具体的には、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、又はクロロプレンゴム(CR)等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を含むゴム成分が好ましい。低い転がり抵抗と高いウェットグリップ性能とのバランスの観点から、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)を用いることがより好ましい。
また、ジエン系ゴムは、非ジエン系ゴムと併用してもよい。非ジエン系ゴムとしては、公知のものを広く使用することができる。
2.式(1)で表される化合物又はその塩(テトラジン化合物)
本発明のゴム組成物は、下記式(1)で表される化合物及び/又はその塩(以下、単に「テトラジン化合物」ともいう。)を含む。
Figure 0007349896000003
〔式中、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アルキルチオ基、アラルキル基、アリール基、アリールチオ基、複素環基、又はアミノ基を示す。これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。〕
本明細書において、「アルキル基」としては、特に限定はなく、例えば、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、1-エチルプロピル、n-ペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシル、3-メチルペンチル基等の炭素数1~6(特に炭素数1~4)の直鎖状又は分岐状アルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等の炭素数3~8(特に炭素数3~6)の環状アルキル基等が挙げられる。好ましいアルキル基としては、炭素数1~6の直鎖状又は分岐状アルキル基であり、より好ましくはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、又はn-ペンチル基であり、特に好ましくはメチル、又はエチル基である。
本明細書において、「アルキルチオ基」としては、特に限定はなく、例えば、直鎖状、分岐状又は環状のアルキルチオ基が挙げられ、具体的には、例えば、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、イソブチルチオ、s-ブチルチオ、t-ブチルチオ、1-エチルプロピルチオ、n-ペンチルチオ、ネオペンチルチオ、n-ヘキシルチオ、イソヘキシルチオ、3-メチルペンチルチオ基等の炭素数1~6(特に炭素数1~4)の直鎖状又は分岐状のアルキルチオ基;シクロプロピルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ、シクロヘプチルチオ、シクロオクチルチオ基等の炭素数3~8(特に炭素数3~6)の環状アルキルチオ基等が挙げられる。好ましいアルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、又はイソブチルチオ基であり、より好ましくはメチルチオ基又はエチルチオ基である。
本明細書において、「アラルキル基」としては、特に限定はなく、例えば、ベンジル、フェネチル、トリチル、1-ナフチルメチル、2-(1-ナフチル)エチル、2-(2-ナフチル)エチル基等が挙げられる。より好ましいアラルキル基としては、ベンジル基又はフェネチル基であり、より好ましくはベンジル基である。
本明細書において、「アリール基」としては、特に限定はなく、例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、ジヒドロインデニル、9H-フルオレニル基等が挙げられる。より好ましいアリール基としては、フェニル基又はナフチル基であり、より好ましくはフェニル基である。
本明細書において、「アリールチオ基」としては、特に限定はなく、例えば、フェニルチオ、ビフェニルチオ、ナフチルチオ基等が挙げられる。
本明細書において、「複素環基」としては、特に限定はなく、例えば、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-ピラジニル、2-ピリミジル、4-ピリミジル、5-ピリミジル、3-ピリダジル、4-ピリダジル、4-(1,2,3-トリアジル)、5-(1,2,3-トリアジル)、2-(1,3,5-トリアジル)、3-(1,2,4-トリアジル)、5-(1,2,4-トリアジル)、6-(1,2,4-トリアジル)、2-キノリル、3-キノリル、4-キノリル、5-キノリル、6-キノリル、7-キノリル、8-キノリル、1-イソキノリル、3-イソキノリル、4-イソキノリル、5-イソキノリル、6-イソキノリル、7-イソキノリル、8-イソキノリル、2-キノキサリル、3-キノキサリル、5-キノキサリル、6-キノキサリル、7-キノキサリル、8-キノキサリル、3-シンノリル、4-シンノリル、5-シンノリル、6-シンノリル、7-シンノリル、8-シンノリル、2-キナゾリル、4-キナゾリル、5-キナゾリル、6-キナゾリル、7-キナゾリル、8-キナゾリル、1-フタラジル、4-フタラジル、5-フタラジル、6-フタラジル、7-フタラジル、8-フタラジル、1-テトラヒドロキノリル、2-テトラヒドロキノリル、3-テトラヒドロキノリル、4-テトラヒドロキノリル、5-テトラヒドロキノリル、6-テトラヒドロキノリル、7-テトラヒドロキノリル、8-テトラヒドロキノリル、1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル、2-フリル、3-フリル、2-チエニル、3-チエニル、1-イミダゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、5-イミダゾリル、1-ピラゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、5-ピラゾリル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、3-イソオキサゾリル、4-イソオキサゾリル、5-イソオキサゾリル、3-イソチアゾリル、4-イソチアゾリル、5-イソチアゾリル、4-(1,2,3-チアジアゾリル)、5-(1,2,3-チアジアゾリル)、3-(1,2,5-チアジアゾール)、2-(1,3,4-チアジアゾール)、4-(1,2,3-オキサジアゾリル)、5-(1,2,3-オキサジアゾリル)、3-(1,2,4-オキサジアゾリル)、5-(1,2,4-オキサジアゾリル)、3-(1,2,5-オキサジアゾリル)、2-(1,3,4-オキサジアゾリル)、1-(1,2,3-トリアゾリル)、4-(1,2,3-トリアゾリル)、5-(1,2,3-トリアゾリル)、1-(1,2,4-トリアゾリル)、3-(1,2,4-トリアゾリル)、5-(1,2,4-トリアゾリル)、1-テトラゾリル、5-テトラゾリル、1-インドリル、2-インドリル、3-インドリル、4-インドリル、5-インドリル、6-インドリル、7-インドリル、1-イソインドリル、2-イソインドリル、3-イソインドリル、4-イソインドリル、5-イソインドリル、6-イソインドリル、7-イソインドリル、1-ベンゾイミダゾリル、2-ベンゾイミダゾリル、4-ベンゾイミダゾリル、5-ベンゾイミダゾリル、6-ベンゾイミダゾリル、7-ベンゾイミダゾリル、2-ベンゾフラニル、3-ベンゾフラニル、4-ベンゾフラニル、5-ベンゾフラニル、6-ベンゾフラニル、7-ベンゾフラニル、1-イソベンゾフラニル、3-イソベンゾフラニル、4-イソベンゾフラニル、5-イソベンゾフラニル、6-イソベンゾフラニル、7-イソベンゾフニル、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、4-ベンゾチエニル、5-ベンゾチエニル、6-ベンゾチエニル、7-ベンゾチエニル、2-ベンゾオキサゾリル、4-ベンゾオキサゾリル、5-ベンゾオキサゾリル、6-ベンゾオキサゾリル、7-ベンゾオキサゾリル、2-ベンゾチアゾリル、4-ベンゾチアゾリル、5-ベンゾチアゾリル、6-ベンゾチアゾリル、7-ベンゾチアゾリル、1-インダゾリル、3-インダゾリル、4-インダゾリル、5-インダゾリル、6-インダゾリル、7-インダゾリル、2-モルホリル、3-モルホリル、4-モルホリル、1-ピペラジル、2-ピペラジル、1-ピペリジル、2-ピペリジル、3-ピペリジル、4-ピペリジル、2-テトラヒドロピラニル、3-テトラヒドロピラニル、4-テトラヒドロピラニル、2-テトラヒドロチオピラニル、3-テトラヒドロチオピラニル、4-テトラヒドロチオピラニル、1-ピロリジル、2-ピロリジル、3-ピロリジル、2-テトラヒドロフラニル、3-テトラヒドロフラニル、2-テトラヒドロチエニル、3-テトラヒドロチエニル等が挙げられる。中でも、好ましい複素環基としては、ピリジル、フラニル、チエニル、ピリミジル又はピラジルであり、より好ましくはピリジルである。
本明細書において、「アミノ基」には、-NH2で表されるアミノ基だけでなく、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、n-プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n-ブチルアミノ、イソブチルアミノ、s-ブチルアミノ、t-ブチルアミノ、1-エチルプロピルアミノ、n-ペンチルアミノ、ネオペンチルアミノ、n-ヘキシルアミノ、イソヘキシルアミノ、3-メチルペンチルアミノ基等の炭素数1~6(特に炭素数1~4)の直鎖状又は分岐状のモノアルキルアミノ基;ジメチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジエチルアミノ基等の炭素数1~6(特に炭素数1~4)の直鎖状又は分岐状のアルキル基を2つ有するジアルキルアミノ基等の置換アミノ基も含まれる。
これらアルキル基、アルキルチオ基、アラルキル基、アリール基、アリールチオ基、複素環基及びアミノ基の各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。該「置換基」としては、特に限定はなく、例えば、ハロゲン原子、アミノ基、アミノアルキル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルボキシル基、カルボキシアルキル基、ホルミル基、ニトリル基、ニトロ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、水酸基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基等が挙げられる。該置換基は、好ましくは1~5個、より好ましくは1~3個有していてもよい。
本明細書において、「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子である。
本明細書において、「アミノアルキル基」としては、特に限定はなく、例えば、アミノメチル、2-アミノエチル、3-アミノプロピル基等のアミノアルキル基等が挙げられる。
本明細書において、「アルコキシカルボニル基」としては、特に限定はなく、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル基等が挙げられる。
本明細書において、「アシル基」としては、特に限定はなく、例えば、アセチル、プロピオニル、ピバロイル基等の炭素数1~4の直鎖状又は分岐鎖状アルキルカルボニル基が挙げられる。
本明細書において、「アシルオキシ基」としては、特に限定はなく、例えば、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、n-ブチリルオキシ基等が挙げられる。
本明細書において、「アミド基」としては、特に限定はなく、例えば、アセトアミド、ベンズアミド基等のカルボン酸アミド基;チオアセトアミド、チオベンズアミド基等のチオアミド基;N-メチルアセトアミド、N-ベンジルアセトアミド基等のN-置換アミド基;等が挙げられる。
本明細書において、「カルボキシアルキル基」としては、特に限定はなく、例えば、カルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシ-n-プロピル、カルボキシ-n-ブチル、カルボキシ-n-ブチル、カルボキシ-n-ヘキシル基等のカルボキシ-アルキル基(好ましくはカルボキシ基を有する炭素数1~6のアルキル基)が挙げられる。
本明細書において、「ヒドロキシアルキル基」としては、特に限定はなく、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシ-n-プロピル、ヒドロキシ-n-ブチル基等のヒドロキシ-アルキル基(好ましくはヒドロキシ基を有する炭素数1~6のアルキル基)が挙げられる。
本明細書において、「アルコキシ基」としては、特に限定はなく、例えば、直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、t-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ基の炭素数1~6(特に炭素数1~4)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基;シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、シクロオクチルオキシ基等の炭素数3~8(特に炭素数3~6)の環状アルコキシ基等が挙げられる。
本明細書において、「アリールオキシ基」としては、特に限定はなく、例えば、フェノキシ、ビフェニルオキシ、ナフトキシ基等が挙げられる。
一般式(1)で表されるテトラジン化合物の「塩」としては、特に限定はなく、あらゆる種類の塩が含まれる。このような塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;ジメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
これらテトラジン化合物の中でも、好ましい化合物は、R及びRが、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよい複素環基である化合物である。
より好ましいテトラジン化合物は、R及びRが、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよい複素環基である化合物である。
さらに好ましいテトラジン化合物は、R及びRが、同一又は異なって、置換基を有していてもよいベンジル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい2-ピリジル基、置換基を有していてもよい3-ピリジル基、置換基を有していてもよい4-ピリジル基、置換基を有していてもよい2-フラニル基、置換基を有していてもよいチエニル基、置換基を有していてもよい1-ピラゾリル基、置換基を有していてもよい2-ピリミジル基、又は置換基を有していてもよい2-ピラジル基である化合物であり、これらの中でも、置換基を有していてもよい2-ピリジル基、置換基を有していてもよい3-ピリジル基、又は置換基を有していてもよい2-フラニル基である化合物が特に好ましい。
具体的に、テトラジン化合物としては、例えば、
1,2,4,5-テトラジン、
3,6-ビス(2-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン、
3,6-ビス(3-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン、
3,6-ビス(4-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン、
3,6-ジフェニル-1,2,4,5-テトラジン、
3,6-ジベンジル-1,2,4,5-テトラジン、
3,6-ビス(2-フラニル)-1,2,4,5-テトラジン、
3-メチル-6-(3-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン、
3,6-ビス(3,5-ジメチル-1-ピラゾリル)-1,2,4,5-テトラジン、
3,6-ビス(2-チエニル)-1,2,4,5-テトラジン、
3-メチル-6-(2-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン、
3,6-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,2,4,5-テトラジン、
3,6-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-1,2,4,5-テトラジン、
3,6-ビス(2-ピリミジニル)-1,2,4,5-テトラジン、
3,6-ビス(2-ピラジル)-1,2,4,5-テトラジン等が挙げられる。
中でも、好ましいテトラジン化合物は、3,6-ビス(2-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン、3,6-ビス(3-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン、3,6-ビス(2-フラニル)-1,2,4,5-テトラジン、3-メチル-6-(3-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン、及び3-メチル-6-(2-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジンであり、さらに好ましいテトラジン化合物3-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジンである。
ゴム組成物中におけるテトラジン化合物の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、0.05~5質量部であり、より好ましくは0.1~3質量部である。ゴム成分100質量部に対するテトラジン化合物量が0.05質量部に満たない場合、ゴム組成物の十分な低発熱性を得ることができない。一方、ゴム成分100質量部に対するテトラジン化合物の含有量が5質量部を超えると、添加量に見合うだけの低燃費性能を得ることができない。
3.チタン酸塩化合物粒子
本発明のゴム組成物は、チタン酸塩化合物粒子を含む。当該チタン酸塩化合物粒子を構成するチタン酸化合物としては、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の群から選ばれる少なくとも1種の元素の塩であることが好ましい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムが挙げられ、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウムを例示することができる。アルカリ土類金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムが挙げられ、好ましくはマグネシウム、カルシウムを例示することができる。
上記チタン酸塩化合物の具体例としては、例えば、組成式ATi(2n+1)〔式中、Aはアルカリ金属から選ばれる1種又は2種以上、n=2~8〕、RTi(2-y)〔式中、Rはリチウムを除くアルカリ金属、Mはリチウム、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、銅、鉄、アルミニウム、ガリウム、及びマンガンから選ばれる1種又は2種以上、x=0.5~1.0、y=0.25~1.0〕、K0.5~0.8Li0.27Ti1.733.85~3.95、K0.2~0.8Mg0.4Ti1.63.7~3.95等で表されるチタン酸塩化合物を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの中でも結晶構造がトンネル構造のATi(2n+1)〔式中、Aはアルカリ金属から選ばれる1種又は2種以上、n=2~8〕で表されるチタン酸塩化合物が好ましく、具体的には、NaTi13、NaTi17、KTi13、KTi17等を挙げることができる。トンネル構造にすることで、チタン酸塩化合物からのアルカリの溶出をより一層抑制することができる。
チタン酸塩化合物粒子は、水分散pHが7~11であることが好ましい。チタン酸塩化合物粒子の水分散pHを、このような範囲内にすることにより、チタン酸塩化合物粒子に含まれる酸性不純物による耐摩耗性の低下をより一層抑制することができる。本発明において水分散pHとは、チタン酸塩化合物粒子を20℃の水に分散させて得られる1質量%スラリーのpHのことをいう。
本発明で用いるチタン酸塩化合物粒子は、分散性のより一層の向上、ゴム成分との密着性のより一層の向上等を目的として、チタン酸塩化合物粒子の表面に表面処理剤からなる処理層が形成されていることが好ましい。表面処理剤としては、チタネートカップリング剤、シランカップリング剤、アルミネートカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤等のカップリング剤が挙げられ、これらの中でもチタネートカップリング剤、シランカップリング剤、アルミネートカップリング剤が好ましい。これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
チタネートカップリング剤の例としては、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N-アミノエチル・アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフェイト)チタネート、テトラ(2-2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスフェイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等を挙げることができる。これらのうちイソプロピルトリ(N-アミノエチル・アミノエチル)チタネートが好ましい。
シランカップリング剤の例としては、スルフィド系、ポリスルフィド系、チオエステル系、チオール系、オレフィン系、エポキシ系、アミノ系、アルキル系等のシランカップリング剤が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でもスルフィド系のシランカップリング剤、アミノ系のシランカップリング剤が好ましい。
スルフィド系のシランカップリング剤としては、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-メチルジメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3-メチルジメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(3-モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-モノエトキシジメチルシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3-モノエトキシジメチルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-モノメトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-モノメトキシジメチルシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3-モノメトキシジメチルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-モノエトキシジメチルシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2-モノエトキシジメチルシリルエチル)トリスルフィド、ビス(2-モノエトキシジメチルシリルエチル)ジスルフィド等を挙げることができる。これらのうちビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドが好ましい。
チオエステル系のシランカップリング剤としては、例えば、3-ヘキサノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3-オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3-デカノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3-ラウロイルチオプロピルトリエトキシシラン、2-ヘキサノイルチオエチルトリエトキシシラン、2-オクタノイルチオエチルトリエトキシシラン、2-デカノイルチオエチルトリエトキシシラン、2-ラウロイルチオエチルトリエトキシシラン、3-ヘキサノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3-オクタノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3-デカノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3-ラウロイルチオプロピルトリメトキシシラン、2-ヘキサノイルチオエチルトリメトキシシラン、2-オクタノイルチオエチルトリメトキシシラン、2-デカノイルチオエチルトリメトキシシラン、2-ラウロイルチオエチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
チオール系のシランカップリング剤としては、例えば、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。
オレフィン系のシランカップリング剤としては、例えば、ジメトキシメチルビニルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルエトキシビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-(メトキシジメトキシジメチルシリル)プロピルアクリレート、3-(トリメトキシシリル)プロピルアクリレート、3-[ジメトキシ(メチル)シリル]プロピルメタクリレート、3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、3-[ジメトキシ(メチル)シリル]プロピルメタクリレート、3-(トリエトキシシリル)プロピルメタクリレート、3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルメタクリレート等を挙げることができる。
エポキシ系のシランカップリング剤としては、例えば、3-グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジエトキシ(3-グリシジルオキシプロピル)メチルシラン、トリエトキシ(3-グリシジルオキシプロピル)シラン、2-(3、4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
アミノ系のシランカップリング剤としては、例えば、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-エトキシシリル-N-(1,3-ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらのうち3-アミノプロピルトリエトキシシランが好ましい。
アルキル系のシランカップリング剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n-ヘキシルトリメトキシシラン、n-ヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、n-デシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
これらシランカップリング剤の中でも、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3-アミノプロピルトリエトキシシランを特に好ましく使用することができる。
アルミネートカップリング剤の例としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムジイソプロボキシモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等を挙げることができる。これらのうちアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートが好ましい。
ジルコネートカップリング剤の例としては、ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビスアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラキスエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシモノエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート等を挙げることができる。
チタン酸塩化合物粒子の表面に表面処理剤からなる処理層を形成する方法としては、公知の表面処理方法を使用することができる。例えば、加水分解を促進する溶媒(例えば、水、アルコール又はこれらの混合溶媒)に表面処理剤を溶解して溶液として、その溶液をチタン酸塩化合物粒子に噴霧する湿式法や、ゴム成分にチタン酸塩化合物粒子と表面処理剤とを配合するインテグラルブレンド法等を使用することができる。
表面処理剤を本発明のチタン酸塩化合物粒子の表面へ処理する際の該表面処理剤の量は、特に限定されないが、湿式法の場合は、チタン酸塩化合物粒子100質量部に対して表面処理剤が0.1~20質量部、好ましくは0.1~10質量部となるように表面処理剤の溶液を噴霧すればよい。また、インテグラルブレンド法の場合は、チタン酸塩化合物粒子100質量部に対して表面処理剤が好ましくは1~50質量部、より好ましくは10~40質量部になるように表面処理剤をゴム成分に配合すればよい。表面処理剤の量を上記範囲内にすることで、ゴム成分との密着性が向上し、チタン酸塩化合物粒子の分散性をより一層向上することができる。
チタン酸塩化合物粒子の平均粒子径は、30μm以下とすることが好ましく、3μm以下とすることがより好ましい。また、当該平均粒子径は、0.1μm以上とすることが好ましく、0.6μm以上とすることがより好ましい。チタン酸塩化合物粒子の平均粒子径をかかる数値範囲内とすることにより、より一層優れた分散性、ウェットグリップ性、及び耐摩耗性を得ることができる。
チタン酸塩化合物粒子の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法により測定することができ、レーザー回折・散乱法により測定される粒度分布における積算基準累積50%時の粒子径(体積基準累積50%粒子径)、すなわちD50(メジアン径)である。この体積基準累積50%粒子径(D50)は、体積基準で粒度分布を求め、全体積を100%とした累積曲線において、粒子サイズの小さいものから粒子数をカウントしていき、累積値が50%となる点の粒子径である。
チタン酸塩化合物粒子の形状としては非繊維状の形状であることが好ましい。非繊維状形状の具体例としては、球状、層状、板状、柱状、棒状、円柱状、ブロック状、多孔質状、複数の凸部を有する形状(アメーバ状、ブーメラン状、十字架状、金平糖状等)等を例示することができる。また、チタン酸塩化合物粒子の形状は、例えば走査型電子顕微鏡観察から解析することができる。
本発明において、繊維状粒子とは、粒子に外接する直方体のうち最小の体積をもつ直方体(外接直方体)の最も長い長径L、次に長い辺を短径B、最も短い辺を厚さT(B>Tとする)として、L/T及びL/Bがいずれも5以上の粒子のことをいう。また、非繊維状粒子とは繊維状粒子を除く粒子のことをいい、粒子に外接する直方体のうち最小の体積をもつ直方体(外接直方体)の最も長い長径L、次に長い辺を短径B、最も短い辺を厚さT(B>Tとする)として、L/Bが5未満の粒子のことをいう。
また、複数の凸部を有するとは、平面への投影形状が少なくとも通常の多角形、円、楕円等とは異なり2方向以上に凸部を有する形状を取り得るもの、いわゆる不定形状であることを意味する。具体的には、この凸部を有する形状とは、走査型電子顕微鏡による写真(投影図)に多角形、円、楕円等(基本図形)を当てはめ、それに対して突き出した部分に対応する部分をいう。
また、チタン酸塩化合物粒子のBET比表面積は、2~300m/gであることが好ましく、7~100m/gであることがより好ましい。かかる範囲内にBET比表面積を調整することにより、より一層優れた分散性、ウェットグリップ性及び耐摩耗性を得ることができる。チタン酸塩化合物粒子のBET比表面積は、JIS Z8830に準拠して測定することができる。BET法とは、試料粉体粒子の表面上に占有面積のわかった窒素ガスを吸着させ、その吸着量から試料粉体粒子の比表面積を求める方法であり、当該方法で求めた比表面積を「BET比表面積」という。
本発明のゴム組成物中におけるチタン酸化合物粒子の配合量は、前記ジエン系ゴム成分100質量部に対して、0.05~30質量部であり、好ましくは0.1~10質量部である。ジエン系ゴム成分100質量部に対してチタン酸化合物粒子の配合量が0.05質量部に満たない場合、ゴム組成物の加工性が悪くなってしまう。一方、ジエン系ゴム成分100質量部に対してチタン酸化合物粒子の配合量が30質量部を超えてしまうと、耐磨耗性の低下が懸念される。
チタン酸化合物粒子の製造方法としては、上述の組成、特性を得ることができれば特に制限されないが、例えば、チタン酸塩化合物の結晶粒が焼結及び/又は融着等により結合してなる多孔質チタン酸塩化合物粒子であって、細孔直径0.01~1.0μmの範囲の積算細孔容積が5%以上である多孔質チタン酸塩化合物粒子を、公知の方法で乾式粉砕処理又は湿式粉砕処理し、必要に応じて更に乾式分級処理又は湿式分級処理することにより、平均粒子径及び比表面積を調整して製造することができる。上記の多孔質チタン酸塩化合物粒子を粉砕することにより、非繊維状の微粒子を容易に製造できるためである。また、微細なチタン酸塩化合物の粒子が焼結及び/又は融着等により結合してなる多孔質チタン酸塩化合物粒子であることから、ゴム組成物の混練時のせん断力により、更に微細になり、ゴム組成物中に均一に分散するものと考えられる。
上記多孔質チタン酸塩化合物粒子の積算細孔容積は、好ましくは10%以上であり、より好ましくは15%以上である。上記積算細孔容積の好ましい上限値は40%であり、より好ましくは30%である。上記積算細孔容積が小さすぎると、微細粒子の製造が困難な場合がある。上記積算細孔容積が大きすぎると、多孔質チタン酸塩化合物粒子の結晶粒間の結合部分が弱くなり、多孔質構造が保てなくなる場合がある。上記積算細孔容積は、水銀圧入法により測定することができる。
また、多孔質チタン酸塩化合物粒子のBET比表面積は、1~13m/gの範囲内であることが好ましく、3~9m/gの範囲内であることがより好ましい。上記BET比表面積が小さすぎると、微細粒子の製造が困難な場合がある。上記BET比表面積が大きすぎると、焼成工程における化学反応が完結していない場合がある。
多孔質チタン酸塩化合物粒子の粒子形状は、球状、不定形状等の粉末状であることが好ましく、非繊維状であることが好ましい。特に、球状であることが好ましい。
多孔質チタン酸塩化合物粒子の粒子サイズは特に制限されないが、平均粒子径が5~500μmであることが好ましく、10~300μmであることがより好ましく、20~100μであることが更に好ましい。これらの各種粒子形状及び粒子サイズは、製造条件、特に原料組成、焼成条件、粉砕処理条件等により任意に制御することができる。
上記多孔質チタン酸塩化合物粒子の製造方法は、上述の特性を得ることができれば特に制限されないが、例えば、チタン源とアルカリ金属源とをメカニカルに粉砕をすることで得られる粉砕混合物を、乾式造粒し、焼成して製造する方法等を例示することができる。
メカニカルな粉砕としては、物理的な衝撃を与えながら粉砕する方法が挙げられる。具体的には、振動ミルによる粉砕が挙げられる。振動ミルによる粉砕処理を行うことにより、混合粉体の摩砕によるせん断応力により、原子配列の乱れと原子間距離の減少が同時に起こり、異種粒子の接点部分の原子移動が起こる結果、準安定相が得られると考えられる。これにより、反応活性の高い粉砕混合物が得られ、後述の焼成温度を低くでき、粉砕混合物を造粒しても未反応物を低減することができる。メカニカルな粉砕は、原料に効率良くせん断応力を与えるため、水や溶剤を用いない乾式処理が好ましい。
メカニカルな粉砕による処理時間は、特に制限されるものではないが、一般に0.1~2時間の範囲内であることが好ましい。
粉砕混合物の造粒は、水及び溶剤を用いない乾式造粒で行われる。乾式造粒は、公知の方法で行うことができ、例えば転動造粒、流動層造粒、攪拌造粒等を例示することができる。湿式造粒は、造粒物の乾燥工程において、造粒物内部での液状物の気化に伴い、結果として内部に大きな空洞を有する多孔質粒子が得られ、粉体強度が低下するため好ましくない。また、水及び溶媒を気化させるために加熱が必要となり、量産性も悪い。
造粒物を焼成する温度としては、目的とするチタン酸塩化合物の組成により適宜選択することができるが、650~1000℃の範囲であることが好ましく、800~950℃の範囲であることがさらに好ましい。焼成時間は、0.5~8時間であることが好ましく、2~6時間であることがさらに好ましい。
チタン源は、二酸化チタン又は焼成により二酸化チタンを生成する化合物である。焼成により二酸化チタンを生成する化合物としては、チタン元素を含有して焼成により二酸化チタンの生成を阻害しない原材料であれば特に限定されないが、例えば空気中で焼成することにより二酸化チタンに導かれる化合物等がある。かかる化合物としては、例えばオルトチタン酸又はその塩、メタチタン酸又はその塩、水酸化チタン、ペルオクソチタン酸又はその塩等が挙げられる。上記チタン源は、単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、二酸化チタンが好ましい。二酸化チタンの結晶系としては、ルチル型又はアナターゼ型が好ましい。
アルカリ金属源は、アルカリ金属の酸化物又は焼成によりアルカリ金属の酸化物を生成する化合物である。焼成によりアルカリ金属の酸化物を生成する化合物としては、アルカリ金属を含有して焼成によりアルカリ金属の酸化物の生成を阻害しない原材料であればよく、例えば、アルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物、酢酸塩等の有機酸塩、硫酸塩、硝酸塩等が挙げられる。上記アルカリ金属源は、単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、アルカリ金属の炭酸塩が好ましい。
チタン源とアルカリ金属源の混合比は、目的とするチタン酸塩化合物粒子の組成により適宜選択することができる。
4.シリカ
本発明のゴム組成物は、シリカを含む。
シリカとしては、市販のあらゆるものが使用できる。中でも、好ましいシリカとしては、湿式シリカ、乾式シリカ、又はコロイダルシリカであり、より好ましくは湿式シリカである。これらのシリカは、ゴム成分との親和性を向上させるために、表面が有機処理されていてもよい。
シリカのBET比表面積としては、特に制限はなく、例えば、40~350m/gの範囲が挙げられる。BET比表面積がこの範囲であるシリカは、ゴム補強性及びゴム成分中への分散性を両立できるという利点がある。該BET比表面積は、ISO 5794/1に準拠して測定される。
この観点から、好ましいシリカとしては、BET比表面積が50~250m/gの範囲にあるシリカであり、より好ましくは、BET比表面積が100~270m/gであるシリカであり、特に好ましくは、BET比表面積が110~270m/gの範囲にあるシリカである。
このようなシリカの市販品としては、Quechen Silicon Chemical Co., Ltd.製の商品名「HD165MP」(BET比表面積 =165m/g)、「HD115MP」(BET比表面積 =115m/g)、「HD200MP」(BET比表面積 =200m/g)、「HD250MP」(BET比表面積 =250m/g)、東ソー・シリカ株式会社製の商品名「ニップシールAQ」(BET比表面積=205m/g)、「ニップシールKQ」(BET比表面積 =240m/g)、デグッサ社製の商品名「ウルトラジルVN3」(BET比表面積 =175m/g)等が挙げられる。
シリカの配合量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、15~110質量部とすることが好ましく、30~90質量部とすることがより好ましい。かかる構成を採用することにより、本発明のゴム組成物から製造されるタイヤの充分なゴム強度を得ることができる。
5.その他の配合剤
本発明のゴム組成物には、上記各成分に加えて、カーボンブラック、シリカ以外の無機充填剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、スコーチ防止剤、オゾン防止剤、発泡剤、加硫遅延剤等のゴム業界で通常使用される配合剤を適宜配合することができる。
カーボンブラックとしては、特に制限はなく、例えば、市販品のカーボンブラック、Carbon-Silica Dual phase filler等を使用することが可能である。
具体的に、カーボンブラックとしては、例えば、高、中又は低ストラクチャーのSAF、ISAF、IISAF、N110、N134、N220、N234、N330、N339、N375、N550、HAF、FEF、GPF、SRFグレードのカーボンブラック等が挙げられる。中でも、好ましいカーボンブラックとしては、SAF、ISAF、IISAF、N134、N234、N330、N339、N375、HAF、又はFEFグレードのカーボンブラックである。
カーボンブラックのDBP吸収量としては、特に制限はなく、好ましくは60~200cm/100g、より好ましくは70~180cm/100g、特に好ましくは80~160cm/100gである。
また、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA、JIS K 6217-2:2001に準拠して測定する)は、好ましくは30~200m/g、より好ましくは40~180m/g、特に好ましくは50~160m/gである。
カーボンブラックを配合するゴム組成物において、テトラジン化合物を配合することにより、カーボンブラックの分散性が大幅に向上し、ゴム組成物の耐摩耗性が著しく改良できる。
カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、通常2~150質量部とすることが好ましく、3~120質量部とすることがより好ましく、6~100質量部とすることが更に好ましい。かかる構成を有することにより、耐摩耗性向上という効果を得ることができる。
無機充填剤としては、炭酸カルシウム(CaCO)、アルミナ(Al)、アルミナ水和物(Al・H2O)、水酸化アルミニウム[Al(OH)]、炭酸アルミニウム[Al(CO]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO・9HO)、チタン白(TiO)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al)、クレー(Al・2SiO)、カオリン(Al・2SiO・2HO)、パイロフィライト(Al・4SiO・HO)、ベントナイト(Al・4SiO・2HO)、ケイ酸アルミニウム(AlSiO、Al・3SiO・5HO等)、ケイ酸マグネシウム(MgSiO、MgSiO等)、ケイ酸カルシウム(Ca・SiO等)ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al・CaO・2SiO等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)・nHO]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO]、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩等を配合することができる。これら無機充填材は、いずれか1種又は2種以上を混合して使用することができる。
加硫剤としては、有機過酸化物又は硫黄系加硫剤を配合することができる。有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン、ジ-t-ブチルパーオキシ-ジイソプロピルベンゼン、t-ブチルパーオキシベンゼン、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、1,1-ジ-t-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシロキサン、n-ブチル-4,4-ジ-t-ブチルパーオキシバレレート等を配合することができる。これらの有機過酸化物の中では、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゼン、ジ-t-ブチルパーオキシ-ジイソプロピルベンゼンが好ましい。また、硫黄系加硫剤としては、例えば、硫黄、モルホリンジスルフィド等を配合することができる。これらの硫黄系加硫剤の中では、硫黄が好ましい。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド-アミン系またはアルデヒド-アンモニア系等を配合することができる。
スルフェンアミド系としては、例えば、CBS(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBBS(N-t-ブチル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド)、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系化合物等が挙げられる。
チアゾール系としては、例えば、MBT(2-メルカプトベンゾチアゾール)、MBTS(ジベンゾチアジルジスルフィド)、2-メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、亜鉛塩、銅塩、シクロヘキシルアミン塩、2-(2,4-ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2-(2,6-ジエチル-4-モルホリノチオ)ベンゾチアゾール等が挙げられる。
チウラム系としては、例えば、TMTD(テトラメチルチウラムジスルフィド)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。
チオウレア系としては、例えば、チアカルバミド、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジオルトトリルチオ尿素などのチオ尿素化合物等が挙げられる。
グアニジン系としては、例えば、ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、トリフェニルグアニジン、オルトトリルビグアニド、ジフェニルグアニジンフタレート等のグアニジン系化合物が挙げられる。
ジチオカルバミン酸系としては、例えば、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジアミルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛とピペリジンの錯塩、ヘキサデシルイソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、オクタデシルイソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジアミルジチオカルバミン酸カドミウム等のジチオカルバミン酸系化合物等が挙げられる。
アルデヒド-アミン系またはアルデヒド-アンモニア系としては、例えば、アセトアルデヒド-アニリン反応物、ブチルアルデヒド-アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒド-アンモニア反応物等が挙げられる。
加硫促進助剤としては、ステアリン酸、亜鉛華(酸化亜鉛)等を配合することができる。
老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物、カルバミン酸金属塩、ワックス等を配合することができる。
軟化剤としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;トール油、サブ、蜜ロウ、カルナバロウ、ラノリン等のワックス類;リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸;等を配合することができる。軟化剤を配合することで、練加工性をより一層向上することができる。
可塑剤としては、DMP(フタル酸ジメチル)、DEP(フタル酸ジエチル)、DBP(フタル酸ジブチル)、DHP(フタル酸ジヘプチル)、DOP(フタル酸ジオクチル)、DINP(フタル酸ジイソノニル)、DIDP(フタル酸ジイソデシル)、BBP(フタル酸ブチルベンジル)、DLP(フタル酸ジラウリル)、DCHP(フタル酸ジシクロヘキシル)、無水ヒドロフタル酸エステル、DOZ(アゼライン酸ジ-2-エチルヘキシル)、DBS(セバシン酸ジブチル)、DOS(セバシン酸ジオクチル)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、DBM(マレイン酸ジブチル)、DOM(マレイン酸-2-エチルヘキシル)、DBF(フマル酸ジブチル)等を配合することができる。
スコーチ防止剤としては、無水フタル酸、サリチル酸、安息香酸等の有機酸;N-ニトロソジフェニルアミン等のニトロソ化合物、N-シクロヘキシルチオフタルイミド;等を配合することができる。
本発明のゴム組成物は、以下に説明する方法等を用いて製造することができ、ロール等の開放式混練機や、バンバリーミキサー等の密閉式混練機等の混練機を用いて上記の配合剤を混練することによって得られ、成形加工後に例えば140~190℃で5~120分間加硫を行うことで、各種ゴム製品に適用することが可能である。
本発明のゴム組成物は、特に、タイヤ用途として、タイヤトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部等の各部材に用いることができ、これらの中でも、より一層優れたウェットグリップ性及び耐摩耗性を発揮できることから、タイヤトレッド用ゴムとして好適に使用される。
本発明のタイヤは、低発熱性を有し、タイヤの転がり抵抗が小さくなることから、自動車の低燃費化を図ることができる。また、加工性にも優れる。
そのほか、本発明のゴム組成物は、ホース、ベルト、(コンベアベルト)、防振ゴム、及び免震ゴム等の製造に使用することが可能である。当該ホース、ベルト(コンベアベルト)、防振ゴム及び免震ゴムは、常法により作製することが可能である。
(ゴム組成物の製造方法)
本発明のゴム組成物は、常法に基づき、製造することができる。例えば、ジエン系ゴム成分と化合物(1)を混合した後、シリカ及びカーボンブラックを投入して混合することが好ましい。より具体的には、ジエン系ゴム成分と、化合物(1)とを混合(混練)する工程(A)、及び、該工程(A)で得られる混合物、シリカ、及びカーボンブラックを含む原料成分を混合(混練)する工程(B)を含む製造方法を例示することができる。
工程(A)におけるゴム成分と上記化合物(1)とを混合する際の温度としては、60~190℃であることが好ましく、70~160℃であることがより好ましく、80~150℃であることがさらに好ましい。該混合温度を60℃以上とすることにより、均一な混合が可能となり、また、190℃以下とすることにより、ゴムの劣化を防ぐことが可能となる。
工程(A)における混合時間は、10秒間~20分間が望ましく、30秒間~10分間であることがより好ましく、60秒間~7分間であることがさらに好ましい。該混合時間を10秒以上とすることにより均一な混合が可能となり、20分間以下とすることにより、生産低の低下を防ぐことができる。
工程(B)において、工程(A)で得られた混合物とシリカ及びカーボンブラックとを混合する際の温度は、特に制限はなく、例えば、混合物の温度の上限が100~190℃であることが好ましく、130~175℃であることがより好ましく、140~170℃であることがさらに好ましい。
工程(B)における混合時間としては、特に制限はなく、例えば、10秒間から20分間であることが好ましく、30秒間から10分間であることがより好ましく、1分間から8分間であることがさらに好ましい。
化合物(1)の配合量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、合計0.05~6質量部であることが好ましく、0.25~2.5質量部であることがより好ましく、0.3~2質量部であることがさらに好ましく、0.4~1.6質量部であることが特に好ましい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
以下、実施例に基づき、本発明の実施形態をより具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
(実施例1~4、及び比較例1~10)
工程(I)に記載の各成分を、下記表1又は2に記載される割合(質量部)で混合し、バンバリーミキサーで混合物の最高温度が160℃になるように回転数を調整しながら5分間混練した。混合物の温度が80℃以下になるまで養生させた後、工程(II)に記載の各成分を表1に記載される割合(質量部)で投入し、混合物の最高温度が110℃以下になるよう調整しながら混練して、各ゴム組成物を製造した。
(1)低燃費性試験
各ゴム組成物を、150℃で25分間加硫して加硫ゴムを得た。得られた加硫ゴムについて、粘弾性測定装置(Metravib社製)を使用し、温度60℃、動歪5%、周波数15HzでTanδ値を測定した。
比較例1のTanδ値を100とし、下記式1に基づいて、実施例1~3、及び比較例2~5の低燃費性指数をそれぞれ算出した。結果を表1に示す。
同様に、比較例6のTanδ値を100とし、下記式2に基づいて、実施例4、及び比較例7~10の低燃費性指数をそれぞれ算出した。結果を表2に示す。なお、低燃費性指数の値が大きい程、低発熱性であり、ヒステリシスロスが小さいことを示す。
式1:低燃費性指数=(実施例1~3、及び比較例2~5の各ゴム組成物のTanδ値)/(比較例1のゴム組成物のTanδ値)×100
式2:低燃費性指数=(実施例4、及び比較例7~11のゴム組成物のTanδ値)/(比較例6のゴム組成物のTanδ値)×100
(2)加工性試験
各ゴム組成物について、JIS K 6300に準拠して、ムーニー粘度を測定した。
比較例1のムーニー粘度値を100とし、下記式3に基づいて、実施例1~3、及び比較例2~5の加工性指数をそれぞれ算出した。結果を表1に示す。
同様に、比較例6のムーニー粘度値を100とし、下記式4に基づいて、実施例4、及び比較例7~11の加工性指数をそれぞれ算出した。結果を表2に示す。なお、加工性指数の値が大きい程、ムーニー粘度が低く、加工性に優れていることを示す。
式3:加工性指数=(実施例1~3、及び比較例2~5の各ゴム組成物のムーニー粘度値)/(比較例1のゴム組成物ムーニー粘度値)×100
式4:加工性指数=(実施例4、及び比較例7~11の各ゴム組成物のムーニー粘度値)/(比較例6のゴム組成物ムーニー粘度値)×100
Figure 0007349896000004
※1:宇部興産株式会社製「BR150B」
※2:旭化成株式会社製「タフデン3835」
※3:東ソー・シリカ株式会社製「ニップシールAQ」
※4:Evonik Industries 社製「Si69」
※5:東海カーボン株式会社製「シースト7HM」
※6:川口化学工業株式会社製「Antage 6C」
※7:Schill+Seilacher 製「ストラクトールHT254」
※8:堺化学工業株式会社製「酸化亜鉛1種」
※9: Sichuan Tianyu Grease Chemical Co., Ltd.製
※10:Hansen & Rosenthal社製「Vivatec 700」
※11:昭和電工株式会社製「ハイジライト」
※12:日東粉化工業株式会社製「SS#80」
※13:3,6-ビス(2-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン、東京化成工業株式会社製
※14:大塚化学株式会社製「テラセスL-SS(平均粒子径2.77μm)」
※15:大内新興化学工業株式会社製「ノクセラーD」
※16:大内新興化学工業株式会社製「ノクセラーCZ-G」
※17:細井化学工業株式会社製「HK200-5」
Figure 0007349896000005
※18:Sinopec Qilu Petrochemical Co., Ltd.製「BR9000」
※19:東海カーボン株式会社製「シースト7HM」
※20:大内新興化学工業株式会社製「サンノック」
※21:新日本理化製「ステアリン酸50S」
※22:Hansen & Rosenthal社製「Vivatec 700」
※23:テイカ株式会社製「酸化チタンJR-403」
※24:東海カーボン株式会社製「シーストS0」

Claims (4)

  1. ジエン系ゴム成分、式(1)で表される化合物及び/又はその塩、 0.5~0.8 Li 0.27 Ti 1.73 3.85~3.95 で表されるチタン酸塩化合物粒子、並びに、シリカを含むゴム組成物であって、
    前記ジエン系ゴム成分100質量部に対して、前記式(1)で表される化合物を0.05~5質量部、及び前記チタン酸化合物塩粒子を0.05~30質量部それぞれ含む、組成物。
    Figure 0007349896000006
    〔式中、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アルキルチオ基、アラルキル基、アリール基、アリールチオ基、複素環基、又はアミノ基を示す。これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。〕
  2. 前記ジエン系ゴム成分100質量部に対してシリカを15~110質量部含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記チタン酸塩化合物粒子の平均粒子径が0.1~30μmである、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 請求項1~3の何れか1項に記載の組成物を使用したタイヤ。
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