JP7347690B2 - 食用油脂の製造方法 - Google Patents

食用油脂の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7347690B2
JP7347690B2 JP2022556670A JP2022556670A JP7347690B2 JP 7347690 B2 JP7347690 B2 JP 7347690B2 JP 2022556670 A JP2022556670 A JP 2022556670A JP 2022556670 A JP2022556670 A JP 2022556670A JP 7347690 B2 JP7347690 B2 JP 7347690B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oils
oil
fats
glycidol
fat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022556670A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2022270596A5 (ja
JPWO2022270596A1 (ja
Inventor
遂人 堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Oil Co Ltd
Original Assignee
Fuji Oil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Oil Co Ltd filed Critical Fuji Oil Co Ltd
Publication of JPWO2022270596A1 publication Critical patent/JPWO2022270596A1/ja
Publication of JPWO2022270596A5 publication Critical patent/JPWO2022270596A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7347690B2 publication Critical patent/JP7347690B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23DEDIBLE OILS OR FATS, e.g. MARGARINES, SHORTENINGS, COOKING OILS
    • A23D9/00Other edible oils or fats, e.g. shortenings, cooking oils
    • A23D9/02Other edible oils or fats, e.g. shortenings, cooking oils characterised by the production or working-up
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11BPRODUCING, e.g. BY PRESSING RAW MATERIALS OR BY EXTRACTION FROM WASTE MATERIALS, REFINING OR PRESERVING FATS, FATTY SUBSTANCES, e.g. LANOLIN, FATTY OILS OR WAXES; ESSENTIAL OILS; PERFUMES
    • C11B3/00Refining fats or fatty oils
    • C11B3/02Refining fats or fatty oils by chemical reaction
    • C11B3/04Refining fats or fatty oils by chemical reaction with acids

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)

Description

本発明は、食用油脂の製造方法に関するものである。
食品の製造工程中に混入または生成し、人の健康に悪影響を与える可能性が報告されているプロセスコンタミナントと呼ばれる物質がある。食用油脂の製造工程においてもプロセスコンタミナントが複数確認される場合が報告されており、その中でも、主に搾油段階で混入すると考えられている鉱物油由来の飽和炭化水素と、一般的に食用油脂の製造工程の一つである脱臭工程で生成するとされているグリシドール脂肪酸エステルが、健康被害が懸念される物質として注目されている。
食用油脂中の鉱物油由来の飽和炭化水素は主に、食用油脂の製造工程中に混入する工業用のギアオイル等が由来とされている。欧州連合(EU)は2017年、食品中及び食品接触材料・物品中の鉱物油由来飽和炭化水素のモニタリングをEU加盟国に勧告すると官報で公表した(非特許文献1)。
一方でグリシドール及びグリシドール脂肪酸エステルは、食用油脂の製造工程の一つである脱臭工程で生成するとされている。グリシドール脂肪酸エステルが体内に摂取されると、体内に存在するリパーゼの作用により加水分解されグリシドールが生じる懸念がある。グリシドールは国際がん研究機関(IARC)により「グループ2A」に分類されている。「グループ2A」とは、ヒトに対して恐らく発がん性が有る化合物が分類されるグループである(非特許文献2)。
以上のことから、鉱物油由来の飽和炭化水素、グリシドール及びグリシドール脂肪酸エステルを可能な限り含まない食用油脂の製造、流通が望まれる。グリシドール及びグリシドール脂肪酸エステルの含有量を低減する方法として、グリシドール及びグリシドール脂肪酸エステルは脱臭処理中に生成される傾向より、特許文献1には、グリセリド組成物を190~230℃の低温脱臭処理が開示されている。
特許文献2では短行程蒸留を用いた鉱物油由来飽和炭化水素の除去方法が提案されている。また特許文献3では、短行程蒸留を用いたグリシドール脂肪酸エステルの低減法が提案されている。
特開2011-147436号公報 特開2019-85458号公報 国際公開第2017/154638号
COMMISSION RECOMMENDATION (EU) 2017/84 of 16 January 2017 IARC、IARC Monogr,Eval,Carcinog,Risks Hum.,77,469-486,2000
特許文献2~3は、短行程蒸留を用いたものであり、食用油脂の商業生産を考慮した際にその処理量が少ないことが懸念された。
本発明の課題は、商業生産に資するプロセスコンタミナントが低減された食用油脂の製造方法を提供することである。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、脱色作業工程中に、酸による接触処理工程を行ない、原料油脂を230℃以上の温度で水蒸気蒸留する脱臭工程からなる製造工程に供することで、鉱物油由来の飽和炭化水素が除去され、かつグリシドール及びグリシドール脂肪酸エステルの生成が抑制されるという知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
(1) 油脂の脱色脱臭工程において、下記の原料油脂を使用し、脱色作業工程中に、酸を水溶液添加する工程を含み、脱臭温度が230℃以上である、食用油脂の製造方法、
原料油脂:
3-MCPD濃度が1.5mg/kg以下
(2) 原料油脂が、物理精製パーム油(RBDPO)を含む油脂である、(1)の食用油脂の製造方法、
(3) 脱臭温度が230℃以上270℃以下である、(1)の食用油脂の製造方法、
(4) 脱臭温度が230℃以上270℃以下である、(2)の食用油脂の製造方法、
(5) (1)の食用油脂の製造方法による、油脂の精製工程中の、グリシドール及びグリシドール脂肪酸エステル、並びに飽和炭化水素の抑制方法、
(6) (2)の食用油脂の製造方法による、油脂の精製工程中の、グリシドール及びグリシドール脂肪酸エステル、並びに飽和炭化水素の抑制方法、
(7) (3)の食用油脂の製造方法による、油脂の精製工程中の、グリシドール及びグリシドール脂肪酸エステル、並びに飽和炭化水素の抑制方法、
(8) (4)の食用油脂の製造方法による、油脂の精製工程中の、グリシドール及びグリシドール脂肪酸エステル、並びに飽和炭化水素の抑制方法、である。
本発明により、プロセスコンタミナントが低減された食用油脂を提供することができる。
好ましい態様として、鉱物油由来の飽和炭化水素および芳香族炭化水素、グリシドール及びグリシドール脂肪酸エステルの含有量が低減された食用油脂を提供することができる。
好ましい態様として、脱色脱臭工程後下記を満たす食用油脂が得られる。
脱色脱臭工程後の食用油脂:
グリシドール及びグリシドール脂肪酸エステルの抑制割合が、脱色作業工程中に、酸を水溶液添加する工程を含まない、同じ脱臭温度で精製した油脂に対して1以下、
鉱物油由来の飽和炭化水素の抑制割合が、原料油脂に対して0.9以下
グリシドール及びグリシドール脂肪酸エステルの抑制割合は、酸添加脱色を施さず、それ以外の全てが比較元と同じ条件で作製された油脂中の含有量に対する、本発明の脱色脱臭工程後の油脂中の含有量の割合を示す。また、鉱物油由来の飽和炭化水素の抑制割合は、原料油脂中の含有量に対する脱色脱臭工程後の油脂中の含有量の割合を示す。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本明細書において、鉱物油由来の飽和炭化水素を、MOSH、鉱物油由来の芳香族炭化水素を、MOAHと記載することもある。
本発明で使用することができる原料油脂は、3-MCPD濃度が1.5mg/kg以下である油脂を使用することができる。3-MCPDの濃度が1.5mg/kgを超える原料油脂を使用した場合、本発明の効果が得られない場合がある。
パーム油の製造工程は、アブラヤシの果肉を搾って得られる粗パーム油(CPO)から、脱ガム、脱酸、脱色、脱臭、脱ロウなどの精製工程を経て、物理精製パーム油(RBDPO)を得る、粗パーム油(CPO)からの精製工程と、
物理精製パーム油(RBDPO)を更に脱色、脱臭などの精製を行う、物理精製パーム油(RBDPO)からの精製工程から構成される。
本発明では、好ましい原料油脂として、物理精製パーム油(RBDPO)を含む油脂を使用する。物理精製パーム油(RBDPO)を含む油脂としては、物理精製パーム油、物理精製パーム油を原料として得られる分画油を使用することができる。物理精製パーム油を原料とした分画油の例として、パームオレイン、パームスーパーオレイン、パームステアリン、パーム中融点部等が例示できる。
本発明において、パーム系油脂として、パーム系油脂(以下(A)と表記する)を使用して加工した油脂(以下(B)と表記する)を使用することができる。加工方法としては、硬化、硬化油を原料とした分別、分別油を原料とした硬化、エステル交換等を例示することができる。
(B)の原料としては、(A)以外に、(B)の油脂類も使用することができ、(A)及び/又は(B)を必須成分として含有するが、それ以外に、他の食用油脂を含有しても良い。使用することができる油脂類を例示すると、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、落花生油、ひまわり油、こめ油、ベニバナ油、オリーブ油、ゴマ油、中鎖脂肪酸結合油脂(MCT)、ヤシ油、パーム核油等の植物油脂、および乳脂、牛脂、豚脂等の動物脂、ならびに、それらの硬化油、分別油、硬化分別油、分別硬化油、エステル交換等を施した加工油脂、さらにこれらの混合油脂等が例示できる。
本発明において、原料油脂としては、前記した物理精製パーム油(RBDPO)を含む油脂を必須成分として含有するが、パーム系油脂以外に、他の食用油脂を含有しても良い。使用することができる油脂類を例示すると、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、落花生油、ひまわり油、こめ油、ベニバナ油、オリーブ油、ゴマ油、中鎖脂肪酸結合油脂(MCT)、ヤシ油、パーム核油等の植物油脂、および乳脂、牛脂、豚脂等の動物脂、ならびに、それらの硬化油、分別油、硬化分別油、分別硬化油、エステル交換等を施した加工油脂、さらにこれらの混合油脂等が例示できる。
本発明において脱色脱臭工程とは、製造工程における一連の工程を全て含み、脱色缶や脱臭塔といった反応装置での製造工程に限定したものではない。脱色脱臭工程は、脱色作業工程と脱臭作業工程から構成される。
本発明において脱色作業工程とは、原料油脂を、脱色工程を行なう反応装置(脱色缶)へ移送する脱色準備工程、脱色缶への脱色白土等加工助剤等を投入し脱色缶を加温し減圧下で行なう脱色工程、脱色後必要であれば冷却し白土をろ別する脱色ろ過工程、以上の脱色準備工程、脱色工程、脱色ろ過工程の一連の工程から構成される。
本発明において脱臭作業工程とは、脱色ろ過後の脱色油を脱臭容器(脱臭塔)へ移送する脱臭準備工程、脱臭塔での脱臭工程、冷却、酸化防止剤の添加等を含む脱臭後処理工程、以上の脱臭準備工程、脱臭工程、脱臭後処理工程の一連の工程から構成される。
本発明は、油脂の脱色脱臭工程において、脱色作業工程中に、酸を水溶液添加する工程を含むことを特徴とする。好ましくは脱色作業工程中の脱色工程直前に、酸を水溶液添加する工程を含む。脱色作業工程中の脱色工程直前に、酸を水溶液添加する工程を含むとは、酸を水溶液添加する工程と脱色工程の間に他の工程を含まないことを意味する。他の工程とは、例えばアルカリ脱酸工程、水洗工程、脱水工程、エステル交換反応工程、脱臭工程等が挙げられる。
本発明は、前記態様に加えて、230℃以上で実施する、脱臭工程を含むことを特徴とする。
本発明に用いる酸としては、有機酸及び/又は無機酸が例示できる。有機酸としては、アスコルビン酸、エリソルビン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、没食子酸、リン酸、およびリンゴ酸、並びにこれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の有機酸またはその誘導体が例示できる。無機酸としては、リン酸類を使用することが好ましく、オルトリン酸や二リン酸(ピロリン酸)、メタリン酸などが例示できる。
本発明の好ましい態様として、酸としてクエン酸及び/又はリン酸の水溶液を使用する。添加するクエン酸及び/又はリン酸水溶液の濃度は1~85重量%、クエン酸及び/又はリン酸水溶液の添加量は0.01~10重量%で実施することが好ましい。上記の範囲であれば特に条件は指定されないが、クエン酸及び/又はリン酸水溶液の添加量についてのみ、その中でも0.01~5重量%がより好ましく、さらに好ましくは0.05~1重量%、さらにより好ましくは0.05~0.5重量%である。クエン酸及び/又はリン酸水溶液の添加量が0.01重量%より少ない場合、グリシドール及びグリシドール脂肪酸エステルの低減量が不十分な場合がある。一方、10重量%を超えると、設備への負荷が大きくなる場合がある。
脱臭工程は、好ましい態様として、脱臭温度が230~280℃、真空度100~800Pa、水蒸気使用量0.5~5重量%で行われることが望ましい。脱臭温度が230℃より低い場合、鉱物油由来の飽和炭化水素が十分低減しない場合や、脱臭後の食用油脂の風味と色調が悪化する場合があるため好ましくない。脱臭温度が280℃を超えると、グリシドール及びグリシドール脂肪酸エステルの含有量が増加する場合がある。真空度は、より好ましくは200~800Pa、さらに好ましくは200~700Paである。真空度が800Paを超える場合、脱臭後の鉱物油由来の飽和炭化水素、グリシドール及びグリシドール脂肪酸エステルの含有量が十分低減しない場合や、食用油脂の風味が悪化する場合があるため好ましくない。さらに、水蒸気使用量が0.5重量%以下の場合、同じく鉱物油由来飽和炭化水素、グリシドール及びグリシドール脂肪酸エステルの含有量が十分低減しない場合や、食用油脂の風味が悪化する場合があるため好ましくない。さらに、水蒸気使用量が5重量%を超える場合、設備への負荷が大きくなる場合があるため好ましくない。脱臭温度について、230℃以上270℃以下であることがより好ましい。脱臭時間については、30~120分であることが好ましく、特に60分~90分であることが好ましい。脱臭時間が30分より短い場合、鉱物油由来飽和炭化水素の含有量が十分低減しない場合や、脱臭後の食用油脂の風味が悪化する場合があるため好ましくない。脱臭時間が120分を超える場合、グリシドール及びグリシドール脂肪酸エステルの含有量が増加する場合があるため好ましくない。
本発明で使用する脱臭装置は、減圧水蒸気蒸留装置が挙げられ、バッチ式、半連続式、連続式等で行ってもよい。処理すべき油脂の量が少量の場合はバッチ式を用い、多量の場合は半連続式、連続式を用いることが好ましい。
半連続式装置としては、例えば数段のトレイを備えた脱臭塔からなるガードラー式脱臭装置等を用いることができる。本装置は、上部から油脂を供給し、トレイ上で油脂と水蒸気の接触を適当な時間行った後、油脂を下段のトレイへ下降させ、間欠的に次々と下降しながら移動することにより処理を行うものである。連続式装置としては、薄膜状の油脂と水蒸気を接触させることが可能な薄膜脱臭装置等を用いることができる。温度と水蒸気使用量が管理できる点で、半連続式装置を使用することが好ましい。
本発明において、鉱物油由来の飽和炭化水素、グリシドール及びグリシドール脂肪酸エステルの含量は次のような方法で測定している。
飽和炭化水素の測定方法
鉱物油由来の飽和炭化水素(MOSH)含有量および鉱物油由来の芳香族炭化水素(MOAH)の分析は、Institut Kirchhoff Berlin GmbH(IKB)に依頼した。なお、IKBでは以下の方法に従って測定した。
DIN EN 16995:2017
グリシドール及びグリシドール脂肪酸エステルの測定方法
油脂試料100mgにイソオクタン0.3mLを加え、油脂試料を溶解する。試験管に90U/mLリパーゼ含有臭化ナトリウム溶液3mL加えて、試験管を振盪機で30分間振盪する。試験管を80℃で10分間加熱後、試験管を室温になるまで放冷又は水冷する。試験管に2.0 μg/mL内標準混合溶液を50μLとヘキサン3mLを加えて蓋を閉める。試験管をボルテックスミキサーで撹拌、遠心分離機後、水層をパスツールピペットで新たな試験管に移す。水層を移した試験管に、ヘキサン3mLを加えて蓋を閉め、ボルテックスミキサーで撹拌し、遠心分離機後、有機層を除去する。試験管にフェニルボロン酸溶液20μLとヘキサン3mL加えて蓋を閉める。試験管を振盪機で10分間振盪する。有機層をパスツールピペットで新たな試験管に移す。新たな試験管中の有機層を窒素ガスで0.5~0.8mLに濃縮後、GC-MSにて分析を行う。
なお、GC-MSについては、分子イオンピークm/z 147、m/z 150、を用いて定量する。
以下、実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、例中の%は重量基準を意味する。
(実施例1)(比較例1)の原料油脂として、粗パーム油(CPO)をリン酸水溶液による脱ガム、脱色、脱臭された物理精製パーム油(RBDPO)を使用した。この原料油脂中の3-МCPD濃度は0.30mg/kgであった。
前記した方法で、分析を行い、MOSH含有量、MOAH含有量、グリシドール及びグリシドール脂肪酸エステルの含有量はグリシドール当量を得た。
(実施例1)
原料油脂に、50%クエン酸水溶液を対油脂重量0.1重量%添加した。活性白土を対油脂重量1.5重量%添加し、110℃、1330Paの条件で10分間脱色処理した。脱色終了後、活性白土をろ過除去した油脂を、265℃、266Pa、蒸気使用量3重量%の条件で90分間脱臭処理した。脱臭処理後、油脂に含まれるMOSH含有量、MOAH含有量、グリシドール当量の分析を実施した。
(比較例1)
原料油脂に、活性白土を対油脂重量1.5重量%添加し、110℃、1330Paの条件で10分間脱色処理した。脱色終了後、活性白土をろ過除去した油脂を、265℃、266Pa、蒸気使用量3重量%の条件で90分間脱臭処理した。脱臭処理後、油脂に含まれるMOSH含有量、MOAH含有量、グリシドール当量の分析を実施した。
分析値を表1に記載した。
Figure 0007347690000001
・MOSH およびMOAH抑制割合は、原料油脂中の含有量に対する抑制割合を示す。
・グリシドール抑制割合は、比較例1のグリシドール当量に対する抑制割合を示す。
実施例では、MOSH含有量、MOAH含有量、を原料油脂から低減することが出来た。さらに、比較例1よりもグリシドールを低減することができた。
(実施例2)(比較例2)の原料油脂として、粗パーム油(CPO)をリン酸水溶液による脱ガム、脱色、脱臭された物理精製パーム油(RBDPO)を使用した。この原料油脂中の3-МCPD濃度は0.70mg/kgであった。
前記した方法で、分析を行い、MOSH含有量、MOAH含有量、グリシドール及びグリシドール脂肪酸エステルの含有量はグリシドール当量を得た。
(実施例2)
原料油脂に、50%クエン酸水溶液を対油脂重量0.1重量%添加した。活性白土を対油脂重量1.5重量%添加し、110℃、1330Paの条件で10分間脱色処理した。脱色終了後、活性白土をろ過除去した油脂を、250℃、266Pa、蒸気使用量3重量%の条件で90分間脱臭処理した。脱臭処理後、油脂に含まれるMOSH含有量、MOAH含有量、グリシドール当量の分析を実施した。
(比較例2)
原料油脂に、活性白土を対油脂重量1.5重量%添加し、110℃、1330Paの条件で10分間脱色処理した。脱色終了後、活性白土をろ過除去した油脂を、250℃、266Pa、蒸気使用量3重量%の条件で90分間脱臭処理した。脱臭処理後、油脂に含まれるMOSH含有量、MOAH含有量、グリシドール当量の分析を実施した。
分析値を表2に記載した。
Figure 0007347690000002
・グリシドール抑制割合は、比較例2のグリシドール当量に対する抑制割合を示す。
本発明により、プロセスコンタミナントが低減された食用油脂を提供することが出来る。

Claims (4)

  1. 油脂の脱色脱臭工程において、下記を全て満たす原料油脂を使用し、脱色作業工程中に、酸を水溶液添加する工程を含み、脱臭温度が230℃以上である、食用油脂の製造方法。
    原料油脂:
    3-MCPD濃度が1.5mg/kg以下
    ・物理精製パーム油(RBDPO)を含む油脂
  2. 脱臭温度が230℃以上270℃以下である、請求項に記載の食用油脂の製造方法。
  3. 請求項に記載の食用油脂の製造方法による、油脂の精製工程中の、グリシドール及びグリシドール脂肪酸エステル、並びに飽和炭化水素の抑制方法。
  4. 請求項に記載の食用油脂の製造方法による、油脂の精製工程中の、グリシドール及びグリシドール脂肪酸エステル、並びに飽和炭化水素の抑制方法。
JP2022556670A 2021-06-24 2022-06-23 食用油脂の製造方法 Active JP7347690B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021105154 2021-06-24
JP2021105154 2021-06-24
JP2021109160 2021-06-30
JP2021109160 2021-06-30
PCT/JP2022/025163 WO2022270596A1 (ja) 2021-06-24 2022-06-23 食用油脂の製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JPWO2022270596A1 JPWO2022270596A1 (ja) 2022-12-29
JPWO2022270596A5 JPWO2022270596A5 (ja) 2023-07-13
JP7347690B2 true JP7347690B2 (ja) 2023-09-20

Family

ID=84544367

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022556670A Active JP7347690B2 (ja) 2021-06-24 2022-06-23 食用油脂の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7347690B2 (ja)
WO (1) WO2022270596A1 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018182396A1 (en) 2017-03-30 2018-10-04 Sime Darby Plantation Sdn. Bhd. Process for producing a refined vegetable oil
JP2020531628A (ja) 2017-08-23 2020-11-05 ブンゲ ロダース クロックラーン ビー.ヴィ. 不要な不純物の抑制によって野菜油を精製するためのプロセス
JP2021017452A (ja) 2019-07-17 2021-02-15 日清オイリオグループ株式会社 精製油脂の製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0269277B1 (en) * 1986-11-13 1991-07-24 The Cambrian Engineering Group Limited Process for degumming triglyceride oils
JP6919755B2 (ja) * 2019-12-25 2021-08-18 不二製油株式会社 グリシドール及びグリシドール脂肪酸エステル含有量を低減させた食用油脂及びその製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018182396A1 (en) 2017-03-30 2018-10-04 Sime Darby Plantation Sdn. Bhd. Process for producing a refined vegetable oil
JP2020531628A (ja) 2017-08-23 2020-11-05 ブンゲ ロダース クロックラーン ビー.ヴィ. 不要な不純物の抑制によって野菜油を精製するためのプロセス
JP2021017452A (ja) 2019-07-17 2021-02-15 日清オイリオグループ株式会社 精製油脂の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2022270596A1 (ja) 2022-12-29
JPWO2022270596A1 (ja) 2022-12-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2672605C1 (ru) Удаление нежелательных пропаноловых компонентов
CA2859924C (en) Method of treating a vegetable oil
JP4516897B2 (ja) 食用油脂の製造方法および食用油脂
WO2010126136A1 (ja) グリセリド油脂中のクロロプロパノール類及びその形成物質の生成を抑制する方法
JP5955119B2 (ja) 食用油脂の製造方法
CN108669240A (zh) 食品用精炼植物油中mcpd-化合物的减少
JP2010202774A (ja) 食用油の製造方法及び該方法により製造された食用油
WO2017154638A1 (ja) 精製パーム系油脂の製造方法、並びに、精製パーム系油脂中のグリシドール、3-クロロプロパン-1,2-ジオール、及びこれらの脂肪酸エステル、及び/又はジグリセリドの低減方法
CN106929148A (zh) 油脂精炼的方法
JP7294861B2 (ja) 油脂の製造方法
JP6639149B2 (ja) 精製油脂の製造方法
JP7347690B2 (ja) 食用油脂の製造方法
JP6919755B2 (ja) グリシドール及びグリシドール脂肪酸エステル含有量を低減させた食用油脂及びその製造方法
WO2019165072A1 (en) Oil processing
WO2021079989A1 (ja) 精製油脂の製造方法
CN111902523A (zh) 食用油精炼
CN114845556A (zh) 降低了缩水甘油及缩水甘油脂肪酸酯含量的食用油脂及其制造方法
WO2022210599A1 (ja) 育児用調製粉乳用油脂組成物の製造方法
US20230374407A1 (en) Modified physical oil refining with embedded alkaline treatment
JP7239908B2 (ja) 物理精製パーム油(rbdpо)の製造方法
WO2023122593A1 (en) Process for removing impurities from vegetable oil
WO2023122596A1 (en) Process for removing impurities from vegetable oil
WO2021262466A1 (en) Oil processing
WO2022065377A1 (ja) グリシドール類の含有量が低減された食用油脂の製造方法
AU2021442345A1 (en) Removal of unwanted mineral oil hydrocarbons

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230627

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230627

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20230627

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230821

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7347690

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150