JP7346941B2 - バイアスt回路、及び、電力重畳回路 - Google Patents

バイアスt回路、及び、電力重畳回路 Download PDF

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本発明は、バイアスT回路、及び、該バイアスT回路を用いた電力重畳回路に関する。
近年、例えば、車載カメラシステムのカメラモジュールからメイン基板(コントロールユニット)に映像信号を送る通信等において、ワイヤハーネスの重量を軽減するため、1本の同軸ケーブルで信号伝送と電力伝送(電源供給)とを実現するPoC(Power Over Coax.)の採用が進んでいる。PoCでは、1本の同軸ケーブルに、メイン基板側の電源ライン及びカメラモジュール側の電源ラインそれぞれが接続される。
そのため、PoCにおいては、インピーダンスの低い電源ラインに高周波信号(映像信号)が流れていかないように、分岐点においてインピーダンスを高くする必要があり、インダクタを有するバイアスT回路が直列接続される。すなわち、バイアスT回路は、電源ラインと同軸ケーブルとの間に介装されるインダクタを有し、電源成分(直流・低周波成分)を通し、信号成分(高周波成分)を遮断する。
ここで、特許文献1には、伝送線路上の一端にバイアス電圧またはバイアス電流を供給するバイアス回路であって、伝送線路上を伝送するベースバンド信号の高周波成分を阻止するとともに、直流近傍の周波数成分を通過させるインダクタと、インダクタを実装することによって発生する寄生容量とインダクタのインダクタンスとが共振を起こすことによって生じる伝送線路から見たインピーダンスの低下を防止するためのインピーダンス低下防止素子(抵抗素子)とを備えるバイアス回路が開示されている。
また、特許文献2の図2には、直流近傍の低周波から高周波まで、より広帯域でインピーダンスの低下を防止(すなわち、高インピーダンスを維持)するために、インダクタと抵抗との並列回路を複数段(4段)、直列に接続した4段階広帯域バイアスT回路が開示されている。
国際公開第2005/107063号 特表2017-511638号公報
特許文献2の4段階広帯域バイアスT回路によれば、より広帯域でインピーダンスの低下を防止することができる。しかしながら、インダクタと抵抗との並列回路を多段化することにより、部品点数が増大し、実装面積や実装コストが増大するという問題がある。特に、上述した車載カメラシステム等では、例えば車両のフロントウィンドウ上部に取り付けられるカメラモジュールの配線基板の小型化(すなわち実装面積の狭小化)が要求されており、バイアスT回路の部品点数の削減が求められている。
一方、部品点数を減らすために抵抗を取り去ると、すなわち、複数(特許文献2の例では4個)の異なるインダクタを直列に接続すると、反共振が発生し、その周波数でのインピーダンスが低下する。加えて、共振が発生すると、共振周波数におけるインピーダンスと反共振周波数におけるインピーダンスとの間に大きな差が生じ、信号ラインのインピーダンスの不安定化を招くおそれがある。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、バイアスT回路を構成する部品点数を削減しつつ、インダクタ等に起因する共振・反共振を抑え、共振・反共振によるインピーダンスの低下・変動を抑制することが可能なバイアスT回路を提供することを目的とする。
本発明に係るバイアスT回路は、電源ラインと信号ラインとの間に介装されるバイアスT回路であって、互いに直列に接続され、かつ、共通の磁性体コアを有し、磁気的に結合され、一端が電源ラインに接続され、他端が信号ラインに接続された一対のインダクタと、一対のインダクタと並列に接続された抵抗とを備え、上記一対のインダクタが、電流が流れたときに、磁性体コアに同じ方向に磁束が発生するように構成されていることを特徴とする。
本発明に係るバイアスT回路によれば、直列に接続された一対のインダクタが磁気的に結合されているため、反共振を抑制することができる。加えて、一対のインダクタと並列に抵抗が接続されているため、共振を抑えることができる。また、例えば、2段のバイアスT回路で比較した場合、従来の構成では、4つの部品、すなわち、2組の並列に接続されたインダクタと抵抗とが必要であるが、本発明に係るバイアスT回路では、2つの部品、すなわち、磁気結合した一対のインダクタと抵抗とで構成可能なため、部品点数を削減することができる。さらに、一対のインダクタが磁気結合しているため、磁気結合していないインダクタと比較して、同一のインダクタンスを得るために必要な巻回数(ターン数)を減らすことができ、インダクタの直流抵抗値を低減することも可能となる。
上記の結果、本発明によれば、バイアスT回路を構成する部品点数を削減しつつ、インダクタ等に起因する共振・反共振を抑え、共振・反共振によるインピーダンスの低下・変動を抑制することが可能となる。さらに、本発明によれば、インダクタの巻回数を減らすことができ、インダクタの直流抵抗値を低減することが可能となる。
実施形態に係るバイアスT回路、及び、該バイアスT回路を備えたPoC(Power Over Coax.)の構成を示す回路図である。 変形例に係るバイアスT回路、及び、該バイアスT回路を備えたPoCの構成を示す回路図である。 実施形態に係るバイアスT回路が接続された同軸ケーブルのS21の一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。なお、本実施形態では、バイアスT回路1をPoC(Power Over Coax.)3(特許請求の範囲に記載の電力重畳回路に相当)に適用した場合を例にして説明する。
まず、図1を用いて、実施形態に係るバイアスT回路1、及び、該バイアスT回路1を備えたPoC3の構成について説明する。図1は、バイアスT回路1、及び、該バイアスT回路1を備えたPoC3の構成を示す回路図である。
PoC3は、例えば、車載カメラシステムのカメラモジュール3Bからメイン基板(コントロールユニット)3Aに映像信号を送る通信において、1本の同軸ケーブル31(特許請求の範囲に記載の信号ラインに相当)で信号伝送と電力伝送(電源供給)とを実現する。PoC3では、1本の同軸ケーブル31に、メイン基板3A側の第1電源ライン301及びカメラモジュール3B側の第2電源ライン302それぞれが接続される。そのため、PoC3においては、インピーダンスの低い第1,第2電源ライン301,302に高周波信号(映像信号)が流れていかないように、分岐点においてインピーダンスを高くする必要があり、インダクタ123を有するバイアスT回路1が直列接続される。バイアスT回路1は、電源成分(直流・低周波成分)を通し、信号成分(高周波成分)を遮断する。以下、各構成要素について詳細に説明する。
PoC3は、主として、同軸ケーブル31と、同軸ケーブル31の一端に、第1キャパシタ331を介して接続された第1集積回路321と、同軸ケーブル31の他端に、第2キャパシタ332を介して接続された第2集積回路322と、同軸ケーブル31及び第1集積回路321に電力を供給する第1電源ライン301と、同軸ケーブル31から第2集積回路322に電力を供給する第2電源ライン302と、同軸ケーブル31の一端と第1キャパシタ331との接続部において、第1電源ライン301に直列に接続された一方のバイアスT回路1と、同軸ケーブル31の他端と第2キャパシタ332との接続部において、第2電源ライン302に直列に接続された他方のバイアスT回路1とを備えている。
同軸ケーブル31は、内部導体(芯線)と、該内部導体を覆う外部導体とを有し、第1集積回路321(メイン基板3A側)と第2集積回路322(カメラモジュール3B側)とを通信可能に接続する。同軸ケーブル31の一端には、直列に接続された第1キャパシタ331を介して、第1集積回路(デシリアライザ)321が接続されている。第1キャパシタ331は、高周波信号(信号成分)を通過させるとともに、第1電源ライン301のDC成分の第1集積回路321側への流入を遮断する。なお、第1集積回路(デシリアライザ)321は、入力されたシリアル信号をパラレル信号に変換する。
同軸ケーブル31の他端には、直列に接続された第2キャパシタ332を介して、第2集積回路(シリアライザ)322が接続されている。第2キャパシタ332は、高周波信号(信号成分)を通過させるとともに、第2電源ライン302のDC成分の第2集積回路322側への流入を遮断する。なお、第2集積回路(シリアライザ)322は、入力されたパラレル信号をシリアル信号に変換して出力する。
より具体的には、PoC3では、1本の同軸ケーブル31に、第1集積回路321側(メイン基板3A側)の第1電源ライン301、及び、第2集積回路322側(カメラモジュール3B側)の第2電源ライン302それぞれが接続される。同軸ケーブル31の一端と第1キャパシタ331との接続部には、一方のバイアスT回路1を介して第1電源ライン301が接続されている。第1電源ライン301は、DC電源(以下、単に「電源」という)30と接続されており、電源30から供給される電力を、第1集積回路321、及び、同軸ケーブル31に供給する。
同軸ケーブル31の他端と第2キャパシタ332との接続部には、他方のバイアスT回路1を介して第2電源ライン302が接続されている。第2電源ライン302は、同軸ケーブル31からの電力を、第2集積回路322に供給する。
一方のバイアスT回路1は、同軸ケーブル31の一端と、第1キャパシタ331との接続部において、同軸ケーブル31と第1電源ライン301との間に介装されている。すなわち、第1電源ライン301に直列に接続されている。他方のバイアスT回路1は、同軸ケーブル31の他端と、第2キャパシタ332との接続部において、同軸ケーブル31と第2電源ライン302との間に介装されている。すなわち、第2電源ライン302に直列に接続されている。
バイアスT回路1は、DC(直流)に対して低インピーダンスを示し、AC(高周波)に対して高インピーダンスを示す。そして、バイアスT回路1は、電源成分(直流・低周波成分)を通し、信号成分(高周波成分)を遮断することにより、同軸ケーブル31に電源成分を重畳する、又は、同軸ケーブル31から電源成分を分離する。なお、例えば車載カメラシステムでは、映像信号(最大伝送速度1.5Gbps)とコントロール信号(数百kbps)の両方に対して高インピーダンスである必要があり、バイアスT回路1には、数百kHzから1.5GHzまでの広帯域の特性が要求される。
ここで、第1電源ライン301に接続される一方のバイアスT回路1と、第2電源ライン302に接続される他方のバイアスT回路1とは、同じ構成であるので、ここでは、第1電源ライン301に接続される一方のバイアスT回路1を例にして説明することとし、重複した説明を省略する。
バイアスT回路1は、第1のフィルタ回路11と、第2のフィルタ回路12とを備え、第1のフィルタ回路11と、第2のフィルタ回路12とは、直列に接続されている。
第1のフィルタ回路11は、インダクタ111と、該インダクタ111と並列に接続された抵抗115(例えばチップ抵抗)とを有している。第2のフィルタ回路12は、一対(2個)のインダクタ123,123と、一対(2個)のインダクタ123,123と並列に接続された抵抗125とを有している。
一対のインダクタ123,123は、互いに直列に接続されている。また、一対のインダクタ123,123は、共通の磁性体コア122を有し、磁気的に結合されている。さらに、一対のインダクタ123,123は、一端が第1電源ライン301に接続され、他端が同軸ケーブル31に接続されている。一対のインダクタ123,123は、一対のインダクタ123,123に電流が流れたときに、磁性体コア122に(すなわちインダクタの内側において)同じ方向に磁束が発生するように構成されている。
ここで、本実施形態では、一対のインダクタ123,123として、共通の磁性体コア122に、一対の線材が同一方向に螺旋状に巻回されて形成されたコモンモードチョークコイル(CMCC)121を用いた。磁性体コア122は、例えば、Mn-Zn系フェライトやNi-Zn系フェライト等のフェライトで形成されている。
コモンモードチョークコイル121を用いる場合、部品外部又は部品内部で、一対の線材(インダクタ123,123)を構成する一方の線材の他端と他方の線材の一端とが接続される。そのため、上述したように、コモンモードチョークコイル121を構成する一対のインダクタ123,123に電流が流れたときに、磁性体コア122に同じ方向に磁束が発生する。なお、コモンモードチョークコイル121としては、巻線型のコモンモードチョークコイルでもよいし、積層型のコモンモードチョークコイルでもよい。そして、一方の線材の一端と他方の線材の他端に、抵抗125が接続される。すなわち、コモンモードチョークコイル121を構成する一対のインダクタ123,123に、抵抗125が並列に接続される。
(変形例)
ここで、図2を参照しつつ、変形例に係るバイアスT回路1Bについて説明する。図2は、変形例に係るバイアスT回路1B、及び、該バイアスT回路1Bを備えたPoC3の構成を示す回路図である。バイアスT回路1Bは、コモンモードチョークコイル121に代えて、ディファレンシャルモードインダクタ(DMI)121Bを有している点で、上述したバイアスT回路1と異なっている。
ディファレンシャルモードインダクタ121Bは、共通の磁性体コア122Bと、該共通の磁性体コア122Bに一対の線材が互いに反対方向に巻回されることにより形成された一対のインダクタ123B,123Bとを含んで構成されている。
ディファレンシャルモードインダクタ121Bを用いる場合、部品外部又は部品内部で、一対の線材(インダクタ123B,123B)を構成する一方の線材の他端と他方の線材の他端とが接続される。そのため、ディファレンシャルモードインダクタ121Bを構成する一対のインダクタ123B,123Bに電流が流れたときに、磁性体コア122Bに同じ方向に磁束が発生する。そして、一方の線材の一端と他方の線材の一端に、抵抗125Bが接続される。すなわち、ディファレンシャルモードインダクタ121Bを構成する一対のインダクタ123B,123Bに、抵抗125Bが並列に接続される。なお、その他の構成は、上述したバイアスT回路1と同一又は同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
上述したように構成されることにより、電力は、電源30から、第1電源ライン301、一方のバイアスT回路1(一対のインダクタ123,123)、同軸ケーブル31、他方のバイアスT回路1(一対のインダクタ123,123)、第2電源ライン302へと伝送される。一方、信号は、第2集積回路(シリアライザ)322から、第2キャパシタ332、同軸ケーブル31、第1キャパシタ331、第1集積回路(デシリアライザ)321へと伝送される。
ここで、図3を参照しつつ、バイアスT回路1を用いたPoC3の同軸ケーブル31のS21について説明する。図3は、バイアスT回路1を用いた同軸ケーブル31のS21の一例を示す図である。図3の横軸は周波数(MHz)であり、縦軸はS21(dB)である。なお、S21は、バイアスT回路1が接続された同軸ケーブル31の一端(port1)に信号を入力したときに他端(port2)に伝達される割合、すなわち順方向の伝達係数である。よって、このS21の値が大きいほど(0dBに近いほど)、挿入損失が小さく、すなわち、信号が減衰されない(伝達されやすい)と評価することができる。
本実施形態に係るバイアスT回路1として、並列接続された650nHのインダクタ111(LQW18CNR65J0Z)及び1500Ωの抵抗115と、並列接続されたコモンモードチョークコイル121(DLW21SZ491XQ2:100MHzで490Ωのインピーダンスを示す)及び1500Ωの抵抗125とが、直列に接続されたものを用いた。また、比較例として、従来のバイアスT回路、すなわち、並列接続された650nHのインダクタL1(LQW18CNR65J0Z)及び1500Ωの抵抗R1と、並列接続された2.2μHのインダクタL2(LQW32FT2R2M0H)及び1500Ωの抵抗R2と、並列接続された2.2μHのインダクタL3(LQW32FT2R2M0H)及び1500Ωの抵抗R3とが、直列に接続されたものを用いた。そして、それぞれのS21を求め、その結果から、本実施形態に係るバイアスT回路1を用いた同軸ケーブル31の信号の伝わり易さを評価した。
図3に示されるように、本実施形態に係るバイアスT回路1では、略6MHz以上の領域でS21が低下しておらず、すなわち、略0dBとなっており、信号が殆ど減衰せず、伝達されやすいことが確認された。また、本実施形態に係るバイアスT回路1と、比較例の(従来の)バイアスT回路とで、略同等のS21が得られた。よって、本実施形態に係るバイアスT回路1によれば、バイアスT回路を構成する部品点数を減らしたとしても、信号伝達に悪影響はなく、従来と同等以上の通信品質を得ることができることが確認された。
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係るバイアスT回路1によれば、直列に接続された一対のインダクタ123,123が磁気的に結合されているため、結合していない隣り合ったインダクタで生じ得る反共振を抑制することができる。加えて、一対のインダクタ123,123と並列に抵抗125が接続されているため、共振を抑えることができる。また、例えば、3段のバイアスT回路で比較した場合、従来の構成では、6つの部品、すなわち、3組の並列に接続されたインダクタと抵抗とが必要であるが、本実施形態では、4つの部品、すなわち、磁気結合した一対のインダクタ123,123(コモンモードチョークコイル121)と抵抗125、及び、インダクタ111と抵抗115とで構成可能なため、部品点数を削減することができる。さらに、一対のインダクタ123,123が磁気結合しているため、磁気結合していないインダクタと比較して、同一のインダクタンスを得るために必要な巻回数(ターン数)を減らすことができ、インダクタ123の直流抵抗値を低減することも可能となる。その結果、バイアスT回路1を構成する部品点数を削減しつつ、インダクタ123等に起因する共振・反共振を抑え、共振・反共振によるインピーダンスの低下・変動を抑制することが可能となる。さらに、本実施形態によれば、インダクタ123の巻回数を減らすことができ、インダクタ123の直流抵抗値を低減することが可能となる。
また、本実施形態によれば、互いに直列に接続され、かつ、共通の磁性体コア122を有し、磁気的に結合された一対のインダクタ123,123として、コモンモードチョークコイル121を好適に用いることができる。又は、互いに直列に接続され、かつ、共通の磁性体コア122Bを有し、磁気的に結合された一対のインダクタ123B,123Bとして、ディファレンシャルモードインダクタ121Bを好適に用いることができる。
また、特に、本実施形態によれば、基板の小型化や部品点数の削減、及び、広帯域で高インピーダンスを維持することが要求されるPoCに好適に適用することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明に係るバイアスT回路1(1B)を、PoC3(車載カメラシステム)に適用した場合を例にして説明したが、本発明に係るバイアスT回路1(1B)の適用先は、PoC3(車載カメラシステム)に限られることなく、PoC3(車載カメラシステム)以外の電子機器にも適用することができる。
上記実施形態では、一つの第1のフィルタ回路11と、一つの第2のフィルタ回路12(12B)とを用いてバイアスT回路1を構成したが、一つの第2のフィルタ回路12(12B)のみの構成(すなわち、第1のフィルタ回路11を有しない構成)としてもよい。また、直列に接続された一の第1のフィルタ回路11と複数の第2のフィルタ回路12(12B)とを備える構成、複数の第1のフィルタ回路11と一の第2のフィルタ回路12(12B)とを備える構成、又は、複数の第1のフィルタ回路11と複数の第2のフィルタ回路12(12B)とを備える構成としてもよい。
1、1B バイアスT回路
3 PoC(電力重畳回路)
30 電源
301 第1電源ライン
302 第2電源ライン
31 同軸ケーブル(信号ライン)
321 第1集積回路(デシリアライザ)
322 第2集積回路(シリアライザ)
331 第1キャパシタ
332 第2キャパシタ
11 第1のフィルタ回路
12,12B 第2のフィルタ回路
121 コモンモードチョークコイル
121B ディファレンシャルモードインダクタ
122,122B 磁性体コア
123,123B インダクタ(線材)
111 インダクタ
115,125 抵抗

Claims (5)

  1. 電源ラインと信号ラインとの間に介装されるバイアスT回路であって、
    互いに直列に接続され、かつ、共通の磁性体コアを有し、磁気的に結合され、一端が前記電源ラインに接続され、他端が前記信号ラインに接続された一対のインダクタと、
    前記一対のインダクタと並列に接続された抵抗と、を備え、
    前記一対のインダクタは、電流が流れたときに、前記磁性体コアに同じ方向に磁束が発生するように構成されており、
    前記一対のインダクタは、前記磁性体コアに、一対の線材が同一方向に巻回されて形成されたコモンモードチョークコイルであり、
    前記一対の線材を構成する一方の線材の他端と他方の線材の一端とが接続されており、
    前記一方の線材の一端と前記他方の線材の他端に、前記抵抗が接続されていることを特徴とするバイアスT回路。
  2. 電源ラインと信号ラインとの間に介装されるバイアスT回路であって、
    互いに直列に接続され、かつ、共通の磁性体コアを有し、磁気的に結合され、一端が前記電源ラインに接続され、他端が前記信号ラインに接続された一対のインダクタと、
    前記一対のインダクタと並列に接続された抵抗と、を備え、
    前記一対のインダクタは、電流が流れたときに、前記磁性体コアに同じ方向に磁束が発生するように構成されており、
    前記一対のインダクタは、前記磁性体コアに、一対の線材が互いに反対方向に巻回されて形成されたディファレンシャルモードインダクタであり、
    前記一対の線材を構成する一方の線材の他端と他方の線材の他端とが接続されており、
    前記一方の線材の一端と前記他方の線材の一端に、前記抵抗が接続されていることを特徴とするバイアスT回路。
  3. インダクタと、該インダクタと並列に接続された抵抗と、を有する第1のフィルタ回路と、
    前記一対のインダクタと、前記一対のインダクタと並列に接続された前記抵抗と、を有する第2のフィルタ回路と、を備え、
    前記第1のフィルタ回路と、前記第2のフィルタ回路とは、直列に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のバイアスT回路。
  4. 一又は複数の前記第1のフィルタ回路と、
    一又は複数の前記第2のフィルタ回路と、を備え、
    前記一又は複数の第1のフィルタ回路と、前記一又は複数の第2のフィルタ回路とは、直列に接続されていることを特徴とする請求項に記載のバイアスT回路。
  5. 信号ラインと、
    前記信号ラインの一端に、第1キャパシタを介して接続された第1集積回路と、
    前記信号ラインの他端に、第2キャパシタを介して接続された第2集積回路と、
    前記信号ライン及び前記第1集積回路に電力を供給する第1電源ラインと、
    前記信号ラインから前記第2集積回路に電力を供給する第2電源ラインと、
    一対の請求項1~のいずれか1項に記載のバイアスT回路と、を備え、
    一方のバイアスT回路は、前記信号ラインの一端と、前記第1キャパシタとの接続部において、前記信号ラインと前記第1電源ラインとの間に介装されており、
    他方のバイアスT回路は、前記信号ラインの他端と、前記第2キャパシタとの接続部において、前記信号ラインと前記第2電源ラインとの間に介装されていることを特徴とする電力重畳回路。
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