JP7346485B2 - 結晶性β-ラクタマーゼ阻害剤 - Google Patents
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Description
溶媒又は溶媒混合物に式(I)の非晶質化合物を溶解又は懸濁させることによって配合物を形成させるステップと、
式(I)の化合物をその配合物から結晶化させるステップと、
を含む方法を提供する。
- エタノール96%中の式(I)の非晶質の化合物の溶液を20℃で撹拌し、
- 固形物を濾取する。
- エタノール96%中の式(I)の非晶質の化合物の飽和溶液を20℃で撹拌し、
- 逆溶媒としてメチルtert-ブチルエーテルを添加し、
- その混合物を室温で一晩(overnight)撹拌し、
- 固形物を濾取する。
- エタノール96%中の式(I)の非晶質の化合物の飽和溶液を20℃で撹拌し、
- 核形成剤を播種し、
- 逆溶媒としてヘプタンを添加し、
- その混合物を室温で一晩撹拌し、
- 固形物を濾取する。
- エタノール96%中の式(I)の非晶質の化合物の飽和溶液を20℃で撹拌し、
- 核形成剤を播種し、
- 逆溶媒として2-プロパノールを添加し、
- その混合物を室温で一晩撹拌し、
- 固形物を濾取する。
- 35℃に加熱することによって、式(I)の非晶質の化合物をエタノール96%に溶解し、
- 逆溶媒としてメチルtert-ブチルエーテルを徐々に添加し(時間:約1時間)、
- その混合物を10℃に冷却し、
- 混合物を10℃で一晩撹拌し、
- 固形物を濾取する。
- エタノール96%中の式(I)の非晶質の化合物の飽和溶液を35℃で撹拌し、
- その溶液に核形成剤を播種し、
- 逆溶媒として、メチルtert-ブチルエーテルを20℃で徐々に添加し(時間:約20min)、
- その混合物を20℃まで一晩冷却し、
- 固形物を濾取する
- エタノール96%中の式(I)の非晶質の化合物の飽和溶液を40℃で撹拌し、
- その溶液に核形成剤を播種し、
- その混合物を約5時間かけて20℃に冷却し、
- 混合物を20℃で撹拌し、
- 固形物を濾取する
- アセトン中の式(I)の非晶質の化合物の飽和溶液を40℃で撹拌し、
- 固形物を濾取する。
- エタノール99.8%中の式(I)の非晶質の化合物の溶液を40℃で撹拌し、
- その溶液に核形成剤を36℃で播種し、
- 溶液を15℃で冷却し、
- その混合物を一晩撹拌する
非晶質(2S,3S,5R)-3-メチル-3-((3-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-3-イウム-1-イル)メチル)-7-オキソ-4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボキシレート4,4-ジオキシド(200mg)をエタノール96%(0.5mL)に溶解した。溶液を20℃で撹拌し、30分後、固体が形成した。混合物を20℃で4時間撹拌し、固体を濾過により単離し、真空オーブン中、室温で一晩乾燥した。得られた生成物(30mg)は、図1に示し、表1にまとめたXRPDパターンを特徴とする結晶形態Aであった。
非晶質(2S,3S,5R)-3-メチル-3-((3-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-3-イウム-1-イル)メチル)-7-オキソ-4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボキシレート4,4-ジオキシド(1g)をエタノール96%(3mL)に懸濁させた。得られた混合物を、シリンジフィルターで濾過した。飽和溶液を、逆溶媒としてのメチルtert-ブチルエーテル(0.5mL)で処理した。逆溶媒添加は固体の沈殿をもたらす。混合物を室温で一晩撹拌し、固体を濾過により単離し、真空オーブン中、室温で一晩乾燥した。回収した固体は、実施例1で示されたXRPDパターンと一致したXRPDを特徴とする結晶形態Aであった。
非晶質(2S,3S,5R)-3-メチル-3-((3-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-3-イウム-1-イル)メチル)-7-オキソ-4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボキシレート4,4-ジオキシド(1g)をエタノール96%(5mL)に懸濁させた。得られた混合物を、シリンジフィルターで濾過した。少量(a pinch of)の形態A物質をこの溶液に種晶(seed)として添加した。種晶は溶解せず、飽和溶液を、逆溶媒としてのヘプタン(0.5mL)で処理した。逆溶媒添加は固体の沈殿をもたらす。混合物を室温で一晩撹拌し、固体を濾過により単離し、真空オーブン中、室温で一晩乾燥した。回収した固体は、実施例1で示されたXRPDパターンと一致したXRPDを特徴とする結晶形態Aであった。
非晶質(2S,3S,5R)-3-メチル-3-((3-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-3-イウム-1-イル)メチル)-7-オキソ-4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボキシレート4,4-ジオキシド(1g)をエタノール96%(5mL)に懸濁させた。得られた混合物を、シリンジフィルターで濾過した。少量の形態A物質をこの溶液に種晶として添加した。種晶は溶解せず、飽和溶液を、逆溶媒としての2-プロパノール(0.5mL)で処理した。逆溶媒添加は固体の沈殿をもたらす。混合物を室温で一晩撹拌し、固体を濾過により単離し、真空オーブン中、室温で一晩乾燥した。回収した固体は、実施例1で示されたXRPDパターンと一致したXRPDを特徴とする結晶形態Aであった。
非晶質(2S,3S,5R)-3-メチル-3-((3-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-3-イウム-1-イル)メチル)-7-オキソ-4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボキシレート4,4-ジオキシド(4g)を、インペラー型スターラーを備えたmultimax容器に量り取った。固体をエタノール96%(32mL)に懸濁させた。混合物を35℃に加熱し、800RPMで撹拌した。35℃で、出発物質は溶解したようであるが、溶液はやや不透明な外観であった。逆溶媒としてのメチルtert-ブチルエーテル(8mL)を1時間かけてこの不透明溶液に添加した。逆溶媒の添加は固体の形成をもたらした。混合物を1時間かけて10℃に冷却した。傾斜冷却の間、その物質は粘着性になり、この物質の大部分は容器壁に付着した。混合物を一晩撹拌し、粘着性固体を容器壁から機械的に除去して、得られた固体を容器から取り出した。得られた混合物を真空下で濾過し;このケーキを、真空オーブン中、室温で60時間乾燥して2.75gの白色固体を得た。回収した固体は、実施例1で示されたXRPDパターンと一致したXRPDを特徴とする結晶形態Aであった。
非晶質(2S,3S,5R)-3-メチル-3-((3-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-3-イウム-1-イル)メチル)-7-オキソ-4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボキシレート4,4-ジオキシド(5g)を、インペラー型スターラーを備えたmultimax容器に量り取った。固体をエタノール96%(30mL)に懸濁させた。混合物を35℃に加熱し、800RPMで撹拌した。35℃で、出発物質は溶解したようであるが、溶液はやや不透明な外観であった。不透明溶液をシリンジフィルターで濾過して透明溶液を得た。少量の形態A物質をこの溶液に種晶として添加した;種晶は溶解せず、混合物を45分間かけて20℃に冷却した。この温度で、メチルtert-ブチルエーテル(10mL)を逆溶媒として20分間かけて加えた。逆溶媒の添加は粘着性固体の形成をもたらした。この物質の大部分は容器壁に付着した。混合物を一晩撹拌し、粘着性固体を容器壁から機械的に除去して、得られた固体を容器から取り出した。得られた混合物を真空下で濾過し;このケーキを、真空オーブン中、室温で60時間乾燥して3.61gの白色固体を得た。回収した固体は、実施例1で示されたXRPDパターンと一致したXRPDを特徴とする結晶形態Aであった。
非晶質(2S,3S,5R)-3-メチル-3-((3-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-3-イウム-1-イル)メチル)-7-オキソ-4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボキシレート4,4-ジオキシド(7g)を、インペラー型スターラーを備えたmultimax容器に量り取った。固体をエタノール96%(21mL)に懸濁させた。混合物を40℃に加熱し、400RPMで撹拌した。40℃で、出発物質は溶解したようであるが、溶液はやや不透明な外観であった。不透明溶液をシリンジフィルターで濾過して透明溶液を得た。少量の形態A物質をこの溶液に種晶として添加した;種晶は溶解せず、混合物を40℃で1時間撹拌した。次いで、混合物を5時間かけて10℃に冷却し、60時間撹拌した。得られた物質は容器壁に付着した。これを、粘着性固体を容器壁から機械的に除去して取り出した。得られた混合物を真空下で濾過し;このケーキを、真空オーブン中、室温で18時間乾燥して5.54gの白色固体を得た。回収した固体は、実施例1で示されたXRPDパターンと一致したXRPDを特徴とする結晶形態Aであった。
非晶質(2S,3S,5R)-3-メチル-3-((3-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-3-イウム-1-イル)メチル)-7-オキソ-4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボキシレート4,4-ジオキシド(200mg)をアセトン(0.5mL)に懸濁させ、スラリーを40℃で4時間撹拌した。固体を濾過により単離し、真空オーブン中、室温で一晩乾燥した。得られた生成物(150mg)は、図2に示し、表2にまとめたXRPDパターンを特徴とする結晶形態Bであった。
非晶質(2S,3S,5R)-3-メチル-3-((3-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-3-イウム-1-イル)メチル)-7-オキソ-4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボキシレート4,4-ジオキシド(5g)を、インペラー型スターラーを備えたmultimax容器に量り取った。固体をエタノールHPLCグレード99.8%(20mL)に懸濁させた。混合物を40℃に加熱し、500RPMで撹拌した。40℃で、出発物質は溶解したようであるが、溶液はやや不透明な外観であった。不透明溶液をシリンジフィルターで濾過して透明溶液を得た。溶液を、15分間かけて36℃に冷却し、形態B物質(30mg)をこの溶液に種晶として添加した;種晶は溶解せず、生成物の結晶化を促進させた。混合物を36℃で30分間撹拌し、次いで3.5時間かけて15℃に冷却した。スラリーを一晩熟成させ、次いで真空下で濾過し;このケーキを真空オーブン中、室温で18時間乾燥して3.7gの白色固体を得た。得られた生成物は、図3に示し、表3にまとめたXRPDパターンを特徴とする結晶形態Cであった。
WO2008/010048に記載されているようにして調製した、非晶質(2S,3S,5R)-3-メチル-3-((3-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-3-イウム-1-イル)メチル)-7-オキソ-4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボキシレート4,4-ジオキシドのXRPDスペクトルを図4に示す。このスペクトルで、結晶性の特徴は検出することはできない。
溶媒の溶解度値を、図12に示したHPLC応答係数に関して計算した。HPLC応答係数は、以下の方法でアセトニトリル/水9/1に溶解させた試料を用いて式(I)の非晶質の化合物について計算した:
カラム:ZORBAX Eclipse XDB-C18(150×4.6mm、5μm)
温度:25℃
移動相:A:0.05Mオルトリン酸ナトリウム/水、B:アセトニトリル
勾配:5%のBから95%のBへ10minで
検出器:UVλ=220nm
形態Aのラマンスペクトルを図16に示し、関連ピークバンドのリストを表5に示す。
形態Cのラマンスペクトルを図18に示し、関連ピークバンドのリストを表7に示す。
(2S,3S,5R)-3-メチル-3-((3-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-3-イウム-1-イル)メチル)-7-オキソ-4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボキシレート4,4-ジオキシド形態Cの調製
非晶質(2S,3S,5R)-3-メチル-3-((3-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-3-イウム-1-イル)メチル)-7-オキソ-4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボキシレート4,4-ジオキシド(5g)を、インペラー型スターラーを備えた50mLのmultimax容器に量り取った。固体を20mLのエタノールHPLCグレード99.8%に懸濁させた。混合物を40℃に加熱し、700RPMで撹拌した。40℃で、出発物質を溶解させた。溶液を15分間かけて36℃に冷却し、形態C物質(27mg)をこの溶液に種晶として添加した;種晶は溶解せず、生成物の結晶化を促進させた。混合物を3.5時間かけて15℃に冷却した。スラリーを一晩熟成させ、次いで真空下で濾過し;このケーキを、真空オーブン中、30℃で40時間乾燥して3.7gの白色固体を得た。この固体は形態CのXRPDパターンを示した。
非晶質(2S,3S,5R)-3-メチル-3-((3-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-3-イウム-1-イル)メチル)-7-オキソ-4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボキシレート4,4-ジオキシド(5g)を、インペラー型スターラーを備えた50mLのmultimax容器に量り取った。固体を20mLのエタノール96%に懸濁させた。混合物を40℃に加熱し、700RPMで撹拌した。40℃で、出発物質は溶解したようであるが、溶液はやや不透明な外観であった。不透明溶液をシリンジフィルターで濾過して透明溶液を得た。溶液を15分間かけて35℃に冷却し、形態C物質(28mg)をこの溶液に種晶として添加した。35℃で10分間後、溶解した。温度を15分間かけて30℃に低下させ、さらなる形態C物質(27mg)を種晶として添加した。種晶は、15分後に溶解した。溶液を35℃まで加熱し、少量の形態B物質を溶液に加えたが、数分後に溶解した。少量の形態A物質を種晶として添加した;今度は、種晶は溶解せず、生成物の結晶化を促進させた。混合物を3.5時間かけて15℃に冷却した。スラリーを一晩熟成させ、次いで真空下で濾過し;このケーキを、真空オーブン中、30℃で18時間乾燥して3.1gの白色固体を得た。この固体は、形態Aと一致するXRPDパターンを示した。
非晶質(2S,3S,5R)-3-メチル-3-((3-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-3-イウム-1-イル)メチル)-7-オキソ-4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボキシレート4,4-ジオキシド(8g)を、インペラー型スターラーを備えた50mLのmultimax容器に量り取った。固体を20mLのエタノールHPLCグレード99.8%に懸濁させた。混合物を40℃に加熱し、800RPMで撹拌した。40℃で、出発物質を溶解させた。溶液を10分間かけて36℃に冷却し、形態C物質(24mg)をこの溶液に種晶として添加した;種晶は溶解せず、生成物の結晶化を促進させた。36℃で15分間撹拌後、混合物を3.5時間かけて15℃に冷却した。スラリーを一晩熟成させ、次いで、窒素雰囲気(窒素フラックスに連結された漏斗をフィルターの上に被せた)で、真空下で濾過した。このケーキを、8mLのエタノールHPLCグレード99.8%で洗浄した。ケーキを、真空オーブン中、フィルター内で30℃で2時間乾燥し、この後、生成物を晶析装置(crystallizer)に移し、さらに16時間乾燥した。生成物を1H-NMRで分析して溶媒含量をチェックし、約1.3%w/wのエタノールの存在が示された。このケーキを、真空オーブン中、35℃でさらに6時間乾燥した。新たな試料を取り、1H-NMRで溶媒含量について分析した。残留エタノールは、第1の試料に匹敵した。生成物を、週末の間-20℃で貯蔵し、次いで、真空オーブンに、40℃で24時間入れて6gの生成物を得た。この固体は、形態Cと一致するXRPDパターンを示した。1H-NMRにより、ケーキ中に約1.3%w/wの残留エタノールの存在が確認された。
非晶質(2S,3S,5R)-3-メチル-3-((3-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-3-イウム-1-イル)メチル)-7-オキソ-4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボキシレート4,4-ジオキシド(36.45g)を、インペラー型スターラーを備えた250mLのmultimax容器に量り取った。固体を146mLのエタノールHPLCグレード99.8%に懸濁させた。混合物を20分間かけて40℃に加熱した。40℃で15分後、出発物質は完全に溶解し、溶液を10分間かけて36℃に冷却し、形態C物質(110mg)をこの溶液に種晶として添加した;種晶は溶解せず、生成物の結晶化を促進させた。36℃で10分間撹拌した後、混合物を3.5時間かけて15℃に冷却した。得られた混合物を一晩熟成させ、次いで真空下で濾過した。このケーキを、40mLのエタノールHPLCグレード99.8%で洗浄し、40mLのメチルtert-ブチルエーテルで3回洗浄して、ケーキから残留エタノールを除去した。このケーキを、窒素雰囲気(窒素フラックスに連結された漏斗をフィルターの上に被せた)で、真空下で脱水した(deliquored)。このケーキを、真空オーブン中で24時間乾燥して26.8gの最終生成物を白色固体として得た。
生成物のXRPD分析は、結晶性物質が形態Cと一致するパターンを有することを示した(図20)。
生成物についてのTGA分析(図21)は、120℃までで約2%の重量損失を示しており、これは多分、吸着水及び残留溶媒に起因している。
図22におけるOM分析は、形態C結晶を示している。偏光を用いて、複屈折(birifringent)粒子を見ることができる。
形態Cの溶解度を、専用のウォークアップ法を使用してHPLCにより計算した。実施例13で説明したスケールアップ手順によって得られた生成物を使用して実験を実施した。
粒径分析を、実施例13で説明したスケールアップ手順によって得られた生成物について、以下で説明する手順を用いて実施した。各懸濁液について3つの測定値を記録した。結果を図24及び表1に示す。
非晶質(2S,3S,5R)-3-メチル-3-((3-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-3-イウム-1-イル)メチル)-7-オキソ-4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボキシレート4,4-ジオキシド(30g)を、+20/25℃に予熱した200mLのN,N-ジメチルホルムアミドに懸濁させた。5分間撹拌した後、溶液が得られ、数分間撹拌した後結晶化が起こる。懸濁液を約2時間撹拌する。次いで、懸濁液を0/+5℃に冷却し、約2時間撹拌する。
得られた固体を濾過し、0/+5℃に予冷した50mLのN,N-ジメチルホルムアミドで洗浄する。次いで、湿潤生成物を300mLのジクロロメタンに懸濁させ、温度を+30/32℃に調節する。懸濁液を45分間撹拌し、次いで固体を濾過し、+30/32℃に予熱した100mLのジクロロメタンで洗浄する。一定重量(constant weight)に達するまで、生成物を真空下、+40℃で乾燥する。得られた生成物(19.3g)は、図25に示し、以下の表11にまとめたXRPDパターンを特徴とする結晶形態Dであった。
非晶質(2S,3S,5R)-3-メチル-3-((3-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-3-イウム-1-イル)メチル)-7-オキソ-4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボキシレート4,4-ジオキシド(5g)を、+20/25℃に予熱した30mLのN,N-ジメチルホルムアミドに懸濁させた。5分間撹拌した後、溶液が得られ、数分後結晶化が起こる。懸濁液を約2時間撹拌する。
得られた固体を濾過し、12.5mLのN,N-ジメチルホルムアミドで洗浄する。次いで湿潤生成物を100mLの酢酸エチルに懸濁させ、温度を+40/45℃に調節する。懸濁液を60分間撹拌し、次いで、固体を濾過し、+40/45℃に予熱した50mLの酢酸エチルで洗浄する。
最後に、一定重量に達するまで、生成物を真空下、+40℃で乾燥する。
得られた生成物(2.4g)は、図27に示し、以下の表13にまとめたXRPDパターンを特徴とする結晶形態Eであった。
非晶質(2S,3S,5R)-3-メチル-3-((3-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-3-イウム-1-イル)メチル)-7-オキソ-4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボキシレート4,4-ジオキシド(130g)を、+20/25℃に予熱した800mLのN,N-ジメチルホルムアミドに懸濁させた。100mLのN,N-ジメチルホルムアミドを加えて、フラスコの壁を洗浄した。5分間撹拌した後、溶液が得られ、数分間撹拌した後、結晶化が起こる。懸濁液を約3時間撹拌する。次いで、懸濁液を0/+5℃に冷却し、約3時間撹拌する。得られた固体を濾過し、0/+5℃に予冷した300mLのN,N-ジメチルホルムアミドで洗浄する。次いで、湿潤生成物を700mLの酢酸エチルに懸濁させ、温度を+40/45℃に調節する。懸濁液を30分間撹拌し、次いで、固体を濾過し、+40/45℃に予熱した150mLの酢酸エチルで洗浄する。酢酸エチル中で懸濁する手順を2回繰り返す。最後に、一定重量に達するまで、生成物を真空下、+40℃で乾燥する。
図51は形態FのFT-IRスペクトルを示し、関連ピークバンドのリストを表16に示す。
動力学的水分収着測定を、25℃、及び以下のようなRH%目標の相対湿度:
* 40%RHから90%RHへ
* 90%RHから0%RHへ
* 0%RHから90%RHへ
* 90%RHから0%RHへ
で実施した。得られた結果を図55に示す。ここで、赤線は、時間の関数としての質量変化のパーセンテージをトレースしており、青線は、時間の関数としての相対湿度の変化をトレースしている。
試料は、25℃及び60%RHで1日後、60℃及び75%RHで1日後、粘性の液体となる。
吸湿性を、以下の等式を使用して計算した:
重量変化%=[(W2-W1)/W1]*100
式中、
W1は、実験開始時の試料の重量であり;
W2は、第1の吸収サイクルにおける、25℃及び80%RHにおける試料の重量である。
分析方法
HPLC法
カラム:ZORBAX Eclipse XDB-C18(150×4.6mm、5μm);カラム温度25℃
移動相:A:オルトリン酸二水素ナトリウム二水和物0.05M;B:アセトニトリル
NMR分析用の試料を、適切な量の物質を約0.75mLのNMR溶媒(DMSO-d6)に完全に溶解させて調製した。1H NMRスペクトルは、Varian ATBプローブを備えたVarian INOVA 400MHz NMR分光計を使用して25℃で記録した。
標準的な取得パラメーターを使用して、可変数のスキャン(16~256)を適用した。NMR定量化を実施する際は常に、取得前遅延(pre-acquisition delay)を10secに設定した。適切な位相調整及び基準線補正を、スペクトルのプロセッシングにおいて施した。
XRPDスペクトルは、標準的なAptuit法を使用して、X’celerator検出器を備えた分析用X’pert Pro装置で、透過(transmission)モードで収集した。データは、HighScore Plusソフトウェアを使用して評価した。使用した装置パラメーターを以下に挙げる。
光学顕微鏡分析は、二重偏光板(double polarizer)及びデジタルカメラを備えたLeica DM顕微鏡で実施した。この方法のパラメーターを以下に挙げる。
TGA分析は、TA Q5000装置又はMettler Toledo Starシステム(形態F分析)で実施した。DSC分析はTA Q2000 MDSC又はDSC 200 F3 Maia(形態F分析)装置で実施した。DSC及びTGA法の詳細を以下に挙げる:
ラマン分析を、Leica顕微鏡及びデジタルカメラを備えたKeiser Optical Systems RXN1 MicroRamanで実施した。
FT-IR分析をThermo Nicolet Nexus 470 FT-IR又はThermo Nicolet 6700 FT-IR(形態F分析)で実施した。
レーザー光散乱法による粒径分布を、Malvern Mastersizer2000装置を使用して、湿式分散法を開発した後、実施した。この方法のパラメーターを以下に挙げる。
(i)100mgの物質を10mLバイアルに量り取り、それらを5mLの分散液に懸濁させ;
(ii)その物質がすべて湿潤したら、懸濁液をセルに入れ、バイアルを追加の5mLの分散液を用いて洗浄し;
(iii)この懸濁液を直ちに測定した。
EGA分析をTGA分析の間に発生したガスについて実施した。
装置詳細
温度範囲:20~40℃(標準)
最大試料質量:(低/高質量装置)1g/4g
質量変化:+/-150mg
安定性(24時間@25℃及び0%RH)<5μg
質量分解能:+/-0.1μg
湿度範囲:0~98%RH
RH精度:+/-1%RH
温度安定性:+/-0.1℃
典型的なガス流量:100/200sccm
試料チャンバー:40mm幅×50mm深さ×50mm高さ
リザーバー容積:100mLリザーバー能力
加熱システム:Peltier+カートリッジ
40%RHから90%RHへ
90%RHから0%RHへ
0%RHから90%RHへ
90%RHから0%RHへ
で実施した。
試料を試料ホルダー上に置き、以下の条件で貯蔵する:
25℃及び60%RHで7日間
60℃及び75%RHで3日間
XRPDでテスト後、試料を分析した。
試料の吸湿性を、学術論文「Efficient throughput method for hygroscopicity classification of an active and inactive pharmaceutical ingredients by water vapor sorption analysis」、V. Murikipudiら、Pharmaceutical Development and Technology、2013年、18巻(2号):348~358頁に報告されている方法を用いて決定した。
吸湿性は、以下の等式を使用して計算した:
重量変化%=[(W2-W1)/W1]*100;式中、
W1は実験開始時の試料の重量であり;
W2は、第1の吸収サイクルにおける、25℃及び80%RHでの試料の重量である。
非吸湿性:0.2%未満の質量増加;
やや吸湿性:質量増加が2%未満及び0.2%以上;
吸湿性:質量増加が15%未満及び2%以上;
非常に吸湿性:質量増加が15%以上;及び
潮解性:液体を形成するのに十分な水が吸収される。
式(I):
(請求項2)
8.82、12.07、14.43、14.92、16.26、18.25、19.06、19.78、20.82及び23.51±0.1°2θの2θ角を有するピークから選択される4つ以上のピークを含むXRPDスペクトルを特徴とする、請求項1に記載の結晶性化合物。
(請求項3)
図1に実質的に示されるXRPDスペクトルを有する、請求項1に記載の結晶性化合物。
(請求項4)
約163℃±2℃において吸熱事象を示す熱重量分析(TGA)曲線を特徴とする、請求項2又は3に記載の結晶性化合物。
(請求項5)
約163℃±2℃において吸熱事象を示す示差走査熱量測定(DSC)曲線を特徴とする、請求項2又は3に記載の結晶性化合物。
(請求項6)
9.37、10.34、12.59、13.17、15.00、15.63、18.51、19.10、20.79及び23.93±0.10°2θの2θ角を有するピークから選択される4つ以上のピークを含むXRPDスペクトルを特徴とする、請求項1に記載の結晶性化合物。
(請求項7)
図2に実質的に示されるXRPDスペクトルを有する、請求項1に記載の結晶性化合物。
(請求項8)
約155℃±2℃において吸熱事象を示す熱重量分析(TGA)曲線を特徴とする、請求項6又は7に記載の結晶性化合物。
(請求項9)
約180℃±2℃において吸熱事象を示す示差走査熱量測定(DSC)曲線を特徴とする、請求項6又は7に記載の結晶性化合物。
(請求項10)
9.33、10.73、14.85、15.29、15.77、16.16、18.60、20.12、21.00及び23.22±0.1°2θの2θ角を有するピークから選択される4つ以上のピークを含むXRPDスペクトルを特徴とする、請求項1に記載の結晶性化合物。
(請求項11)
図3又は図20に実質的に示されるXRPDスペクトルを有する、請求項1に記載の結晶性化合物。
(請求項12)
約149℃±2℃において吸熱事象を示す熱重量分析(TGA)曲線を特徴とする、請求項10又は11に記載の結晶性化合物。
(請求項13)
約185℃±2℃において吸熱事象を示す示差走査熱量測定(DSC)曲線を特徴とする、請求項10又は11に記載の結晶性化合物。
(請求項14)
6.7824、15.4567、16.3961、17.1082、20.0651、20.6373、23.2376、23.6811、26.1802及び32.4753±0.05°2θの2θ角を有するピークから選択される4つ以上のピークを含むXRPDスペクトルを特徴とする、請求項1に記載の結晶性化合物。
(請求項15)
図25に実質的に示されるXRPDスペクトルを有する、請求項1に記載の結晶性化合物。
(請求項16)
6.8269、15.0475、15.6848、16.4735、17.1773、18.4488、20.6999、23.3436、23.8843及び25.3818±0.05°2θの2θ角を有するピークから選択される4つ以上のピークを含むXRPDスペクトルを特徴とする、請求項1に記載の結晶性化合物。
(請求項17)
図27に実質的に示されるXRPDスペクトルを有する、請求項1に記載の結晶性化合物。
(請求項18)
12.7398、15.3615、15.9547、16.4290、18.1207、20.4870、22.8548、23.2204、27.0457、27.6934及び32.4785±0.05°2θの2θ角を有するピークから選択される4つ以上のピークを含むXRPDスペクトルを特徴とする、請求項1に記載の結晶性化合物。
(請求項19)
図29に実質的に示されるXRPDスペクトルを有する、請求項1に記載の結晶性化合物。
(請求項20)
約160℃において吸熱事象を示す熱重量分析(TGA)曲線を特徴とする、請求項18又は19に記載の結晶性化合物。
(請求項21)
約184℃において発熱ピークを示すDSCプロファイルを特徴とする、請求項18又は19に記載の結晶性化合物。
(請求項22)
式(I):
式(I)の非晶質の化合物を溶媒又は溶媒混合物に溶解又は懸濁させることによって配合物を形成させるステップと、
前記配合物から式(I)の化合物を結晶化させるステップと、
を含む方法。
(請求項23)
前記非晶質の式(I)の化合物を溶媒又は溶媒混合物に溶解させ、前記非晶質の式(I)の化合物が20℃において200mg/mL超の溶解度を有する、請求項22に記載の方法。
(請求項24)
溶媒又は溶媒混合物が、水、メタノール、エタノール、1-プロパノール、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド及びそれらの混合物から選択される、請求項23に記載の方法。
(請求項25)
前記配合物に逆溶媒を添加するステップであって、前記式(I)の非晶質の化合物が20℃において50mg/mL未満の溶解度を有するステップを含む、請求項23又は24に記載の方法。
(請求項26)
前記逆溶媒が、アセトン、酢酸エチル、メチル-tert-ブチルエーテル、ヘプタン、2-プロパノール、酢酸イソプロピル、ジイソプロピルエーテル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、アニソール、酢酸tert-ブチル及びそれらの混合物から選択される、請求項25に記載の方法。
(請求項27)
前記式(I)の非晶質の化合物を溶媒又は溶媒混合物に懸濁させる、請求項22に記載の方法。
(請求項28)
核形成剤を前記配合物に添加する、請求項22から27のいずれかに記載の方法。
(請求項29)
前記核形成剤が式(I)の化合物の結晶性種晶である、請求項28に記載の方法。
(請求項30)
前記配合物の形成に続いて、前記配合物の温度を低下させる、請求項22から29のいずれかに記載の方法。
(請求項31)
請求項22から30のいずれかに記載の方法で調製される、式(I):
(請求項32)
請求項1から21及び31のいずれかに記載の式(I)の結晶性化合物であって、当該化合物は、当該化合物の単一の結晶多形を90%超含む化合物。
(請求項33)
少なくとも95wt%の化学純度を有する、請求項1から21及び31のいずれかに記載の式(I)の結晶性化合物。
(請求項34)
請求項1から21及び31から33のいずれかに記載の式(I)の結晶性化合物を含む医薬組成物。
(請求項35)
抗生物質をさらに含む、請求項34に記載の医薬組成物。
(請求項36)
細菌感染症の治療において使用するための、請求項34又は35に記載の医薬組成物。
(請求項37)
細菌感染症を治療するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の請求項34又は35に記載の医薬組成物を投与するステップを含む、方法。
(請求項38)
細菌感染症を治療するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の請求項34に記載の医薬組成物を治療有効量の抗生物質と同時投与するステップを含む、方法。
Claims (9)
- 前記XRPDスペクトルは前記ピークのうち5つ以上のピークを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記結晶Fは、約160℃において吸熱事象を示す熱重量分析(TGA)曲線を有する、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記結晶Fは、約184℃において発熱ピークを示すDSCプロファイルを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記抗菌剤は、β-ラクタム系抗生物質である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記β-ラクタム系抗生物質は、アモキシシリン、アンピシリン、アパルシリン、アズロシリン、バカンピシリン、カルベナシリン(Carbenacillin)、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、レナンピシリン、メシリナム、メタシリン(Methacillin)、メズロシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリンG、ペニシリンV、ピペラシリン、テモシリン、チカルシリン、アズトレオナム、BAL30072、カルモナム、PTX2416、チゲモナム、セファクロール、セファドロキシル、セファレキシン、セファロチン(Cefalotin)、セファマンドール、セファピリン、セファゾリン、セフブペラゾン、セフジニル、セフェピム、セフェタメト、セフィキシム、セフメノキシム、セフメタゾール、セフルニノクス、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフォテタン、セフォチアム、セフチオフル、セフォベシン、セフォキシチン(Cefoxtin)、セフポドキシム、セフプロジル、セフキノム、セフラジン、セフミノクス、セフスロジン、セフタロリン、セフタジジム、セフテゾール、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトビプロール、セフトロザン、セフトリアキソン、セフロキシム、セフゾナム、セファレキシン、セファロチン、フロモキセフ、ラタモキセフ、ロラカルベフ、イミペネム、メロペネム、ドリペネム、エルタペネム、ビアペネム、パニペネム、ファロペネム又はその誘導体からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
- 前記式(I)で表される化合物の濃度は、1mg/ml~700mg/mlの範囲である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
- 前記式(I)で表される化合物の濃度は、100~500mg/mlの範囲である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
- 前記式(I)で表される化合物の濃度は、150~250mg/mlの範囲にある、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
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