JP7345159B2 - 錠剤分割装置 - Google Patents

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Description

本開示は、錠剤分割装置に関する。
従来の錠剤分割装置に関し、特開2011-97969号公報(特許文献1)には、錠剤カセットから排出された錠剤が錠剤案内部材によって軸回転体へ案内され、軸回転体が軸回転して錠剤を回転刃へ送り込み、回転刃によって錠剤が二等分される構成が開示されている。
特開2011-97969号公報
錠剤が切断部に移動する間に通過する通路内で錠剤の粉塵が発生することがあり、通路を定期的に清掃することが求められている。上記文献には、錠剤分割装置の清掃の観点からの開示はない。
本開示では、錠剤を案内する通路部を容易に清掃できる錠剤分割装置が提供される。
本開示に従うと、錠剤を収容する錠剤カセットを装着可能なカセットベースと、錠剤カセットから排出された錠剤を切断する切断部と、錠剤カセットから切断部に錠剤を案内する通路部とを備える、錠剤分割装置が提供される。通路部は、入口開口を有している。入口開口は、錠剤カセットに向いて開口しており、錠剤カセットから排出された錠剤の通路部への入口となる。カセットベースは、入口開口の上方に位置する使用位置と、入口開口の上方から退避した退避位置との間で、通路部に対して相対移動可能である。
上記の錠剤分割装置において、通路部は、円筒状の内面を有していてもよい。
上記の錠剤分割装置は、通路部および切断部を収容する筐体をさらに備えており、カセットベースは、筐体に対してスライド移動可能であってもよい。
上記の錠剤分割装置において、通路部は、筐体に対して着脱可能であってもよい。
上記の錠剤分割装置は、筐体に取り付けられ、切断部を覆う閉位置と切断部を外部に露出させる開位置との間で筐体に対して相対移動可能な、開閉部材をさらに備えてもよい。
本開示に従った錠剤分割装置によれば、錠剤を案内する通路部を容易に清掃することができる。
錠剤分割装置の外観を示す斜視図である。 図1に示す錠剤分割装置を異なる角度から見た斜視図である。 錠剤カセットが取り付けられた錠剤分割装置の斜視図である。 錠剤分割装置の内部構成を示す断面図である。 スライド部材の平面図である。 スライド部材の斜視図である。 図5に示されるVII-VII線に沿うスライド部材の断面図である。 スライドモーターの斜視図である。 カッターモーターおよび上刃の斜視図である。 カッターモーターおよび上刃の異なる角度からの斜視図である。 台部の斜視図である。 台部の側面図である。 下刃周辺の拡大図である。 操作パネルの拡大図である。 錠剤ケースの分解斜視図である。 錠剤分割装置の電気的構成を示すブロック図である。 錠剤分割装置の動作を示す第1の図である。 錠剤分割装置の動作を示す第2の図である。 錠剤分割装置の動作を示す第3の図である。 錠剤分割装置の動作を示す第4の図である。 錠剤分割装置の動作を示す第5の図である。 錠剤分割装置の動作を示す第6の図である。 錠剤分割装置の動作を示す第7の図である。 錠剤分割装置の動作を示す第8の図である。 錠剤分割装置の動作を示すタイミングチャートである。 通路部の清掃について示す斜視図である。 上刃の清掃について示す第1の斜視図である。 上刃の清掃について示す第2の斜視図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
図1は、錠剤分割装置1の外観を示す斜視図である。図2は、図1に示す錠剤分割装置1を異なる角度から見た斜視図である。図1,2に示されるように、実施形態に係る錠剤分割装置1は、装置の外筐をなす筐体2を備えている。筐体2の内部に、錠剤を2分割するための切断部が収容されている。図1,2に示す2つの矢印は、前方向Frと、後方向Rrとを示している。
筐体2の前面に、電源スイッチ11と、操作パネル20と、錠剤ケース31とが設けられている。錠剤分割装置1を使用するユーザ、たとえば薬剤師が、電源スイッチ11を操作することで、錠剤分割装置1を起動することができ、または錠剤分割装置1を停止することができる。操作パネル20は、ユーザの操作を受け付けるとともに、錠剤分割装置1の運転状態を表示する。筐体2の内部の切断部で分割された錠剤は、錠剤ケース31内に収容される。
筐体2の背面に、コネクタ12が設けられている。コネクタ12には、図示しない電源ケーブルが接続される。電源ケーブルは、電源とコネクタ12とを接続する。錠剤分割装置1は、電源ケーブルを介して、電源に接続される。
筐体2の右側面に、本体サイドカバー14が取り付けられている。本体サイドカバー14は、筐体2に対して相対移動可能に構成されている。本体サイドカバー14が相対移動することにより、筐体2の内部空間が外部に露出し、または筐体2の内部空間が外部から遮蔽される。筐体2の左側面に、清掃用カバー16が取り付けられている。清掃用カバー16は、筐体2に対して相対移動可能に構成されている。清掃用カバー16が相対移動することにより、筐体2の内部空間が外部に露出し、または筐体2の内部空間が外部から遮蔽される。
筐体2の上面に、カセットベース40が取り付けられている。カセットベース40は、カセットモーター41と、錠剤投入口46とを有している。カセットベース40は、錠剤を収容する錠剤カセット50を装着可能である。図3は、錠剤カセット50が取り付けられた錠剤分割装置1の斜視図である。図3に示されるように錠剤カセット50がカセットベース40に装着された状態で、カセットモーター41が駆動することにより、錠剤カセット50から錠剤が排出されて、錠剤投入口46を通って錠剤分割装置1の内部の通路部60に錠剤が送り込まれる。
図4は、錠剤分割装置1の内部構成を示す断面図である。図4に示されるように、錠剤分割装置1の筐体2の内部には、錠剤カセット50から排出された錠剤を切断する切断部70と、錠剤カセット50から切断部70に錠剤を案内する通路部60とが収容されている。切断部70は、スライド部材80と、スライドモーター91と、カッターモーター101と、上刃120と、図4には図示しない下刃140と、排出ソレノイド151とを主に備えている。
通路部60は、中空円筒状の概略形状を有しており、上下方向に延びている。通路部60の上端は、錠剤カセット50に向いて配置されている。通路部60の下端は、スライド部材80に向いて配置されている。錠剤カセット50から排出された錠剤は、重力の作用により通路部60内を落下して、スライド部材80の上面に落下する。
図5は、スライド部材80の平面図である。図6は、スライド部材80の斜視図である。図7は、図5に示されるVII-VII線に沿うスライド部材80の断面図である。スライド部材80には、上面から下面までスライド部材80を貫通する、貫通孔81および案内溝82が形成されている。貫通孔81は、略円筒状の内周面を有している。案内溝82は、貫通孔81の内周面の一部が窪む形状に形成されており、貫通孔81から前方向Frに延びている。
スライド部材80の上面には、錠剤カセット50から供給された錠剤を受ける受け部84が設けられている。受け部84は、衝撃吸収性および振動吸収性に優れた防振ゴムにより構成されている。通路部60からスライド部材80に落下する錠剤は、受け部84上に落下する。錠剤の運動エネルギーが受け部84によって吸収されるので、受け部84に落下した錠剤が跳ね返ることがほとんどない構成とされている。受け部84は、貫通孔81および案内溝82よりも前方向Frに配置されている。貫通孔81および案内溝82は、受け部84の後方向Rrに配置されている。
スライド部材80の上面には、上面の一部分が窪んだ有底の係合溝86が形成されている。係合溝86は、前後方向に直交して延びている。すなわち係合溝86は、装置の左右方向に延びている。
図8は、スライドモーター91の斜視図である。スライドモーター91は、スライド部材80を前後方向に移動させる駆動力を発生する。スライドモーター91には、回転軸94が連結されている。回転軸94は、スライドモーター91の発生する駆動力を出力する出力軸である。回転軸94には、円板部95が連結されている。円板部95の上面に回転軸94が連結されており、円板部95の下面には係合突部96が設けられている。係合突部96は、円板部95の下面から下方に突出している。
回転軸94と円板部95とは、同心に構成されている。一方係合突部96は、回転軸94および円板部95の回転中心からは外れた位置に配置されている。係合突部96は、回転軸94および円板部95の回転中心から偏心して配置されている。スライドモーター91が回転駆動して回転軸94および円板部95が同じ回転中心を中心として回転運動するとき、係合突部96は、円状の軌跡上を移動する。
図9は、カッターモーター101および上刃120の斜視図である。図10は、カッターモーター101および上刃120の異なる角度からの斜視図である。カッターモーター101は、上刃120を上下方向に移動させる駆動力を発生する。カッターモーター101には、駆動軸104が連結されている。駆動軸104は、カッターモーター101の発生する駆動力を出力する出力軸である。駆動軸104は、カッターモーター101の回転駆動力を受けて、回転運動する。
従動軸105は、図示しないクランクを介して、駆動軸104に連結されている。駆動軸104の回転運動が、クランクによって上下方向の往復運動に変換されて、従動軸105に伝達される。これにより従動軸105は、上下方向に往復運動する。従動軸105は、下端106を有しており、この下端106に上刃120が固定されている。上刃120は、従動軸105と一体的に上下方向に往復運動する。この上刃120の往復運動によって、図9,10には図示しない下刃140に上刃120が近接および離隔する。上刃120が下刃140に近接するように移動するときに、上刃120と下刃140との間に錠剤が挟まれて、錠剤が切断される。
図9,10に示されるように、従動軸105は、支持部110を上下方向に貫通して配置されている。支持部110は、従動軸105の周囲全体を取り囲んでいる。一対の案内部122が、上刃120の両側に配置されている。従動軸105が支持部110によって案内され、かつ案内部122に沿って上刃120が上下方向に移動することで、移動に伴って上刃120が正常な位置からずれ動くことが防止されている。これにより、錠剤を適正に切断できる構成とされている。
図4に示されるように、案内部122は、スライド部材80の上方に配置されている。図4に示される上刃120は、スライド部材80に形成された貫通孔81の上方に配置されている。上刃120は、図4に示される位置から下方へ移動して、貫通孔81の内部に入り込むように移動することが可能に構成されている。
支持部110には、通路受け穴112が形成されている。図4に示されるように、通路部60は通路受け穴112内に収容されており、通路部60は支持部110によって支持されている。
図11は、台部130の斜視図である。図12は、台部130の側面図である。図13は、下刃140周辺の拡大図である。上刃120とともに錠剤を切断する下刃140は、台部130に保持されている。台部130は、図2に示される排出ソレノイド151によって、前後方向に移動可能に構成されている。錠剤を切断するときに、下刃140は、スライド部材80の貫通孔81の下方に配置されている。台部130は、貫通孔81を下方から覆う位置と、上下方向に見て貫通孔81とは重ならない位置との間で、往復移動する。
台部130は、上面132を有している。台部130は、上面132の一部に、受け面133を有している。受け面133は、スライド部材80の受け部84と同様に、防振ゴムにより構成されている。受け面133は、上刃120および下刃140によって切断される錠剤の位置ずれを抑制するために、設けられている。下刃140は、受け面133の設けられている位置に配置されている。図11,12に示されるように、台部130にはスリットが形成されており、受け面133はこのスリットの両側に設けられている。下刃140は、このスリットの内部に配置されている。
図13に示されるように、下刃140は、刃先141を有している。刃先141は、台部130の上面132と同一平面上に配置されている。下刃140の先端の刃先141と、下刃140を保持する台部130の上面とが、面一になっている。これにより、錠剤を下から安定に支持した上で分割できる構成とされており、切断するときに錠剤200が斜めになることが抑制されている。
下刃140を収容するスリットの内部は、封止部146によって封止されている。封止部146は、たとえばシリコンシーラントであってもよい。下刃140と、下刃140を保持する台部130との間の隙間が封止部146によって埋められており、下刃140と台部130との間に隙間が生じない構成とされている。これにより、下刃140と台部130との間の隙間への錠剤の破片または粉の侵入が防止されている。下刃140は、その刃先141のみが、封止部146によって覆われずに露出している。
図14は、操作パネル20の拡大図である。図1を参照して説明した通り、操作パネル20は、筐体2の前面に取り付けられている。操作パネル20は、表示部21を有している。表示部21は、切断した錠剤の個数、エラーコード、その他の動作表示などの、錠剤分割装置1の状態を表示する。
操作パネル20は、モード選択部22を有している。モード選択部22は、オートモードとセレクトモードとの選択のために使用される。オートモードとは、カセットベース40に装着された錠剤カセット50内の錠剤が無くなるまで、またはスタートボタン27が押されるまで、錠剤の切断を続ける、錠剤分割装置1の自動運転モードである。セレクトモードとは、テンキー25で入力した個数の錠剤を切断する、錠剤分割装置1の自動運転モードである。オートモードの状態で、ユーザがモード選択部22を押下することにより、セレクトモードに切り替えられる。セレクトモードの状態で、ユーザがモード選択部22を押下することにより、オートモードに切り替えられる。
操作パネル20は、モードランプ23A,23B,23Cを有している。オートモードが選択されているとき、モードランプ23Aが点灯する。セレクトモードが選択されているとき、モードランプ23Bが点灯する。モードランプ23Cは、マニュアルモードのときに点灯する。マニュアルモードとは、錠剤カセット50からの錠剤の排出が停止している状態で、手動でカセットベース40の錠剤投入口46に錠剤が投入されたことを検知した場合に、その投入された錠剤を切断する、錠剤分割装置1の手動運転モードである。マニュアルモードをモード選択部22で選択することはできない。
錠剤を自動で切断する自動モードとして、切断される錠剤の個数を指定するセレクトモードと、錠剤カセット50内の錠剤の全数を切断するオートモードとの2種類を選択できるので、錠剤分割装置1の利便性が向上されている。一方、マニュアルモードでは、錠剤に対応した錠剤カセット50がなくても、その錠剤を分割することが可能である。
操作パネル20は、エラーランプ24を有している。錠剤分割装置1の動作中にエラーが発生した場合に、表示部21にエラーコードを表示するとともに、エラーランプ24を点灯する。
操作パネル20は、テンキー25を有している。ユーザは、テンキー25を操作して、セレクトモードにおける切断する錠剤の個数を入力する。入力された個数は、表示部21に表示される。
操作パネル20は、クリアキー26を有している。クリアキー26を押下することで、テンキー25によって入力された数字が一括でリセットされる。クリアキー26の押下によって、表示部21に表示される数字がゼロにされる。錠剤分割装置1の動作中の一時停止中に、クリアキー26を押下すれば、その動作が解除される。また、エラー発生中にクリアキー26を押下することで、エラーの解除が行なわれるが、錠剤分割装置1の動作は再開されない。
操作パネル20は、スタートボタン27を有している。スタートボタン27は、錠剤分割装置1による錠剤を切断する処理を開始または一時停止するときに、使用される。
図15は、錠剤ケース31の分解斜視図である。錠剤ケース31は、図15に示されるように、筐体2から取り外し可能である。これにより、錠剤ケース31内に収容されている切断された錠剤を、錠剤分割装置1から容易に取り出すことが可能である。錠剤ケース31は、その内部に錠剤補助ケース33が配置された、二重構造を有している。切断された錠剤は、錠剤補助ケース33内に収容される。錠剤補助ケース33は、錠剤ケース31から取り外し可能である。錠剤ケース31を筐体2から取り外し、さらに錠剤補助ケース33を錠剤ケース31から取り外すことで、分割された錠剤を処方箋に応じて分配することを容易にできる。
錠剤補助ケース33の底面34は、網構造を有している。この網構造がクッションの役割を果たし、分割された錠剤が錠剤補助ケース33内に落下するときの衝撃が和らげられ、錠剤の意図しない欠けまたは割れの発生を抑制できる。錠剤補助ケース33を錠剤ケース31から取り外すときに、網構造の目よりも細かい錠剤の破片または粉は、錠剤ケース31内に残される。これにより、分割された錠剤と、錠剤の破片または粉とを、確実に分離することができる。
図16は、錠剤分割装置1の電気的構成を示すブロック図である。図16に示されるように、錠剤分割装置1は、錠剤分割装置1の動作を制御する制御部180を備えている。制御部180は、電源スイッチ11(図1)から、錠剤分割装置1の電源のオンまたはオフを検出した信号を受ける。制御部180は、操作パネル20(図14)に含まれるモード選択部22、テンキー25、クリアキー26およびスタートボタン27から、各ボタンまたはキーの操作を検出した信号を受ける。
錠剤落下センサー42は、カセットベース40の錠剤投入口46に設けられており、錠剤投入口46を通過する錠剤を検出する。制御部180は、錠剤落下センサー42から、錠剤投入口46を錠剤が通過したことを検出した信号を受ける。
スライドセンサー92は、前後方向に移動可能なスライド部材80の現在位置を検出する。制御部180は、スライドセンサー92から、スライド部材80の位置を検出した信号を受ける。
カッターセンサー102は、上下方向に移動可能な上刃120の現在位置を検出する。制御部180は、カッターセンサー102から、上刃120の位置を検出した信号を受ける。
制御部180は、モード選択部22、テンキー25およびクリアキー26の入力に基づいて、切断される錠剤の個数などの、錠剤分割装置1の状態を表示する制御信号を、表示部21に出力する。制御部180は、モード選択部22および錠剤落下センサー42の入力に基づいて、錠剤分割装置1の現在の運転モードを示す適切ないずれかのモードランプ23A,23B,23Cを点灯させる制御信号を、モードランプ23A,23B,23Cに出力する。制御部180は、錠剤分割装置1の動作中にエラーが発生した場合に、エラーランプ24を点灯させる制御信号を、エラーランプ24に出力する。
制御部180は、カセットモーター41に、錠剤カセット50から錠剤を排出させる制御信号を出力する。制御部180は、スライドモーター91に、スライド部材80を前後方向に移動させる制御信号を出力する。制御部180は、カッターモーター101に、上刃120を上下方向に移動させる制御信号を出力する。制御部180は、排出ソレノイド151に、台部130を前後方向に移動させる制御信号を出力する。
以上の構成を備えている錠剤分割装置1の動作について、以下に説明する。図17は、錠剤分割装置1の動作を示す第1の図である。図17および以下の図18~24においては、錠剤分割装置1の構成のうち、通路部60、スライド部材80、上刃120、台部130および下刃140のみが、模式的に図示されている。
図17に示されるように、カッターモーター101の駆動により、錠剤カセット50から錠剤200が排出される。排出された錠剤200は、通路部60内を落下する。錠剤200は、通路部60の下端の出口開口66を通過して、スライド部材80の受け部84上に落下する。受け部84は、錠剤カセット50から供給された錠剤200を受ける。このとき上刃120は、スライド部材80の貫通孔81の上方に配置されており、貫通孔81の外に配置されている。台部130は、下刃140が貫通孔81の下方に位置するように、配置されている。
図18は、錠剤分割装置1の動作を示す第2の図である。図17に示される配置から、スライドモーター91の駆動により、スライド部材80が前方(図18においては図中の左方向)へ移動する。より具体的には、係合突部96(図8)は、スライド部材80の係合溝86(図5~7)に係合している。スライドモーター91の回転駆動に伴って係合突部96は円形状の軌跡上を移動し、係合突部96は係合溝86内を移動する。円形状の軌跡に沿った係合突部96の前後方向の移動が、係合突部96と係合溝86との係合を介してスライド部材80に伝達される。係合突部96の円運動が、係合突部96と係合溝86との係合によって直線往復運動に変換されている。これによりスライド部材80は、前後方向に往復移動する。
通路部60は、円筒状の内面を有している。スライド部材80が前方に移動することで、受け部84に搭載されている錠剤200が、通路部60の内面に接触する。スライド部材80がさらに前方に移動すると、錠剤200は、円筒状の通路部60の内面に沿って、装置の左右方向(図18においては紙面垂直方向)における通路部60内の中央部分に導かれる。
スライド部材80がさらに移動すると、通路部60によって移動を妨げられている錠剤200は、スライド部材80の上面に対して摺動し、受け部84からも外れて移動する。貫通孔81が通路部60の出口開口66に向き合う位置までスライド部材80が移動すると、錠剤200は、貫通孔81内に落下し、図18に示す状態となる。錠剤200は、台部130の上面に載っている。
図19は、錠剤分割装置1の動作を示す第3の図である。スライド部材80は、前方にさらに移動する。貫通孔81は、略円筒状の内周面を有している。台部130に対してスライド部材80が移動することで、錠剤200は、円筒状の貫通孔81の内面に沿って、装置の左右方向(図19においては紙面垂直方向)における貫通孔81内の中央部分に導かれる。錠剤200がスライド部材80の上面から台部130の上面へと落下するときに錠剤200の位置ずれが発生したとしても、スライド部材80のさらなる移動によって、錠剤200の位置が再び整えられる構成とされている。
図20は、錠剤分割装置1の動作を示す第4の図である。図19に示す配置から、スライド部材80は、後方(図20においては図中の右方向)へ移動する。図19に示すスライド部材80の前方への移動で位置を整えられた錠剤200は、スライド部材80が後方へ移動するとき、案内溝82に引っ掛かるようにして、左右方向における貫通孔81内の中央部分に位置決めされる。貫通孔81の内周面と案内溝82とは、錠剤200を案内する案内面を構成している。スライド部材80が後方へ移動するときに、案内面によって、錠剤200の中心と上刃120および下刃140による分割面とが一致するように、錠剤200が案内される。
スライド部材80の移動によって、切断に適した位置に錠剤200を位置決めできる構成とされている。錠剤200の位置決めのための追加的な構成は必要なく、簡単な構成で錠剤200を位置決めすることができる。貫通孔81が上刃120の下方かつ下刃140の上方に配置される図20に示す位置までスライド部材80が移動すると、スライド部材80は移動を停止する。
図17~20に示される動作の間、カッターモーター101および排出ソレノイド151は、停止したままである。そのため、上刃120は移動せずに同じ位置に配置されており、台部130および下刃140もまた移動せずに同じ位置に配置されている。
図21は、錠剤分割装置1の動作を示す第5の図である。図20に示す、上刃120と下刃140との間に錠剤200が位置決めされた状態から、カッターモーター101が駆動することにより、上刃120が下方へ移動して、上刃120が貫通孔81の中へ入り込む。上刃120と下刃140とで錠剤200を挟み、錠剤200を切断する。このようにして、上刃120と下刃140とによって、錠剤200が二分割される。
図22は、錠剤分割装置1の動作を示す第6の図である。カッターモーター101がさらに駆動して、上刃120は貫通孔81の上方の元の位置へ移動する。このとき貫通孔81内には、錠剤200が二分割された半錠210が2つ存在していることになる。
図23は、錠剤分割装置1の動作を示す第7の図である。図22に示す状態から、排出ソレノイド151が駆動することにより、台部130および下刃140が前方へ移動する。半錠210は、貫通孔81内で移動を妨げられており、台部130の上面に対して相対移動する。台部130が貫通孔81を下方から覆わなくなる図23に示す位置まで移動すると、半錠210は貫通孔81から落下する。貫通孔81から落下して下方に払い出された半錠210は、錠剤ケース31内、より詳細には錠剤補助ケース33内に、収容される。
錠剤200を分割した後、スライド部材80を停止させた状態で、下刃140を含む台部130が移動して分割された錠剤200(半錠210)が下方に払い出される構成である。半錠210を払い出すために移動させる部材が下刃140を含む台部130のみであるので、装置の小型化が実現されている。
このとき、図23に示されるように、錠剤カセット50から次の錠剤200が排出され、図17と同様に、スライド部材80の受け部84上に向けて通路部60内を落下する。分割した錠剤200(半錠210)を排出させるときに、錠剤カセット50から次の錠剤200を供給することにより、単位時間当たりの錠剤200を分割する処理の回数を多くできる構成とされている。
図24は、錠剤分割装置1の動作を示す第8の図である。図23に示す状態から、排出ソレノイド151による台部130の移動が解除される。これにより台部130は、たとえばばね力の作用によって、下刃140が貫通孔81の下方に配置される元の位置へと戻る。次の錠剤200は、受け部84上に落下しており、既に受け部84上に供給されている。次の錠剤200は、図17~24に示される一連の動作を同様に経ることで、二分割され、錠剤ケース31に排出される。
図25は、錠剤分割装置1の動作を示すタイミングチャートである。錠剤落下センサー42は、錠剤200が錠剤カセット50から落下して錠剤投入口46を通過するときに、その落下する錠剤200を検出してオンになる。スライドセンサー92は、貫通孔81の上方に上刃120があり貫通孔81の下方に下刃140がある図17に示す位置にスライド部材80が配置されている間はオンであり、スライド部材80が前方へ移動している間にオフになる。カッターセンサー102は、上刃120が図17~20に示すようにスライド部材80の上方に配置されている間はオンであり、上刃120が下方へ移動している間にオフになる。
図25に示されるように、まず、カセットモーター41がオンになる。カセットモーター41が駆動を開始し、錠剤カセット50から錠剤200が排出される。錠剤200が排出されると、その錠剤200は、錠剤投入口46を通過する。錠剤投入口46を通過する錠剤200を、錠剤落下センサー42が検出する。錠剤落下センサー42がオフからオンになると、カセットモーター41がオフになる。錠剤落下センサー42がオンから再びオフになると、スライドモーター91がオンになる。スライドモーター91が駆動を開始し、スライド部材80が前後方向の移動を開始する。スライド部材80の移動が、スライドセンサー92によって検出される。
スライド部材80が前後方向に一往復して元の位置に戻り、スライドセンサー92がオンになると、スライドモーター91がオフになるとともに、カッターモーター101がオンになる。カッターモーター101が駆動を開始し、上刃120が上下方向の移動を開始する。上刃120の移動が、カッターセンサー102によって検出される。
上刃120が錠剤200の切断を終えて元の位置に戻り、カッターセンサー102がオンになると、排出ソレノイド151がオンになる。排出ソレノイド151が駆動を開始し、分割された錠剤200(半錠210)が排出される。加えて、カッターセンサー102のオンをトリガーとして、カセットモーター41がオンになる。カセットモーター41が駆動を開始し、次の錠剤200が錠剤カセット50から排出される。なお、排出ソレノイド151は、一定時間、オンの状態を維持し、その後、オフになる。
図25に示されるように、排出ソレノイド151の駆動中に、スライド部材80が前方への移動を開始することになる。排出ソレノイド151の駆動によって台部130が移動している間にも、図23に示されるように通路部60の下方には台部130が存在しており、スライド部材80の上面から落下した錠剤200が切断されないまま台部130から落下することはないため、差し支えはない。
自動モードでの錠剤200の切断において、最初の錠剤200の切断動作が終了すると、表示部21に、切断回数が表示される。切断された錠剤200の個数に合わせて、表示部21に表示される数値が1つずつ増加する。オートモードが選択されている場合、一定時間待っても錠剤カセット50から錠剤200が排出されないことを錠剤落下センサー42が検出することで、動作を終了する。
マニュアルモードでの錠剤200の切断においては、作業者が手で錠剤200を通路部に落とし、錠剤落下センサー42が錠剤200の落下を検知すると、切断動作を開始する。このとき表示部21には、「----」を表示する。切断動作が終了すると、音を鳴らして、または光で、通知する。このとき、表示部21の表示を、「----」から、切断回数に切り換える。たとえば、切断回数が1回のときは、「0001」を表示する。
次に、錠剤分割装置1の清掃について説明する。図26は、通路部60の清掃について示す斜視図である。
図26に示されるように、通路部60は、錠剤カセット50から排出された錠剤200の通路部60への入口となる、入口開口62を有している。錠剤カセット50がカセットベース40に装着された図3に示す状態において、入口開口62は錠剤カセット50に向いて開口しており、カセットベース40は入口開口62を上方から覆っている。カセットベース40は、入口開口62の上方に位置する使用位置にある。使用位置にあるカセットベース40に錠剤カセット50を取り付けることで、図14を参照して説明したオートモードまたはセレクトモードで錠剤分割装置1を使用することができ、自動モードで錠剤200を二分割することができる。
図26に示されるように、カセットベース40は、筐体2に対して前方にスライド移動可能である。筐体2に収容されている通路部60に対してカセットベース40が相対移動することにより、カセットベース40は、通路部60の入口開口62の上方から退避した退避位置へと移動する。カセットベース40が退避位置にある状態で、通路部60の入口開口62は、外部に開放されている。カセットベース40は、使用位置と退避位置との間で往復移動可能である。
カセットベース40が退避位置へ移動して、入口開口62の上方の位置からカセットベース40が退くことにより、入口開口62へのアクセスが容易になる。これにより、入口開口62から通路部60内へ清掃具を差し込んで、通路部60内を容易に清掃することができる。
通路部60の内面が角部を有する構成であれば、当該角部に付着した錠剤200の破片または粉を清掃するのが困難になる。図26に示されるように、通路部60が円筒状の内面を有していることにより、通路部60内をより容易に清掃することができる。
カセットベース40は、通路部60の入口開口62の上方から退避した位置へ移動可能であれば、どのような態様で移動してもよいが、図26に示されるようにカセットベース40を筐体2に対してスライド移動可能とすることにより、カセットベース40の移動が容易になるので、入口開口62をより容易に外部に開放することができる。
図26に示されるように、通路部60を筐体2から取り外し可能とし、筐体2に対して着脱可能な通路部60とすることで、通路部60内の清掃がさらに容易になる。筐体2から取り外した通路部60内を、清掃具を用いて清掃してもよく、または洗浄することも可能になる。
図27は、上刃120の清掃について示す第1の斜視図である。図27に示されるように、本体サイドカバー14は、筐体2に対して相対移動可能である。本体サイドカバー14は、図1に示される切断部70を覆う閉位置と、図27に示される切断部70を外部に露出させる開位置との間で、移動可能である。
図28は、上刃120の清掃について示す第2の斜視図である。図28に示されるように、清掃用カバー16は、筐体2に対して相対移動可能である。清掃用カバー16は、図2に示される切断部70を覆う閉位置と、図28に示される切断部70を外部に露出させる開位置との間で、移動可能である。
本体サイドカバー14と清掃用カバー16とは、切断部70を外部に露出させる開位置に移動可能な、開閉部材としての機能を有している。図27,28に示される、切断部70が外部に露出した状態で、上刃120の両方の面にアクセスが可能となっている。開放された本体サイドカバー14の設けられている筐体2の右側面から、清掃具300を用いて、上刃120の右側の面を清掃することができる。開放された清掃用カバー16の設けられている筐体2の左側面から、清掃具300を用いて、上刃120の左側の面を清掃することができる。したがって、上刃120を容易に清掃することができる。
以上のように本発明の実施形態について説明を行なったが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 錠剤分割装置、2 筐体、11 電源スイッチ、12 コネクタ、14 本体サイドカバー、16 清掃用カバー、20 操作パネル、21 表示部、22 モード選択部、23A,23B,23C モードランプ、24 エラーランプ、25 テンキー、26 クリアキー、27 スタートボタン、31 錠剤ケース、33 錠剤補助ケース、34 底面、40 カセットベース、41 カセットモーター、42 錠剤落下センサー、46 錠剤投入口、50 錠剤カセット、60 通路部、62 入口開口、66 出口開口、70 切断部、80 スライド部材、81 貫通孔、82 案内溝、84 受け部、86 係合溝、91 スライドモーター、92 スライドセンサー、94 回転軸、95 円板部、96 係合突部、101 カッターモーター、102 カッターセンサー、104 駆動軸、105 従動軸、106 下端、110 支持部、112 通路受け穴、120 上刃、122 案内部、130 台部、132 上面、133 受け面、140 下刃、141 刃先、146 封止部、151 排出ソレノイド、180 制御部、200 錠剤、210 半錠、300 清掃具。

Claims (4)

  1. 錠剤を収容する錠剤カセットを装着可能なカセットベースと、
    前記錠剤カセットから排出された前記錠剤を切断する切断部と、
    前記錠剤カセットから前記切断部に前記錠剤を案内する通路部とを備え、
    前記通路部は、
    円筒状の内面を有
    前記錠剤カセットに向いて開口し、前記錠剤カセットから排出された前記錠剤の前記通路部への入口となる、入口開口を有し、
    前記カセットベースは、前記入口開口の上方に位置する使用位置と、前記入口開口の上方から退避した退避位置との間で、前記通路部に対して相対移動可能である、錠剤分割装置。
  2. 前記通路部および前記切断部を収容する筐体をさらに備え、
    前記カセットベースは、前記筐体に対してスライド移動可能である、請求項に記載の錠剤分割装置。
  3. 前記通路部および前記切断部を収容する筐体をさらに備え、
    前記通路部は、前記筐体に対して着脱可能である、請求項に記載の錠剤分割装置。
  4. 前記切断部を収容する筐体をさらに備え、
    前記筐体に取り付けられ、前記切断部を覆う閉位置と前記切断部を外部に露出させる開位置との間で前記筐体に対して相対移動可能な、開閉部材をさらに備える、請求項に記載の錠剤分割装置。
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