JP7344709B2 - 変性共役ジエン系重合体組成物、ゴム組成物及びゴム組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
また、タイヤを軽量化するため、タイヤのトレッド部の厚みを減らす必要があり、さらに耐摩耗性の高い材料も求められている。
一方で、タイヤトレッド用に用いられる材料は、安全性の観点から、ウェットスキッド抵抗性に優れること、及び実用上十分な破壊特性を有していることが要求されている。
例えば、シリカを含む材料を用いると、低ヒステリシスロス性及びウェットスキッド抵抗性のバランス向上を図ることができる。
また、運動性の高いゴム状重合体の分子末端部に、シリカとの親和性又は反応性を有する官能基を導入することによって、ゴム材料中におけるシリカの分散性を改良して、さらには、シリカ粒子との結合によりゴム状重合体分子末端部の運動性を低減して、ヒステリシスロスを低減化する試みがなされている。
また、特許文献3には、重合体活性末端と多官能性シラン化合物をカップリング反応させて得られるジエン系ゴムが提案されている。
こうした課題を解決するために、ポリブタジエンの分子構造として、分子量分布が狭い、分子鎖の分岐度が小さい、シス1,4結合含量が多い、ことを満足する分子設計の実現が、重合触媒の開発等を通して精力的に研究されている。
例えば、特許文献4には、コバルト化合物、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物、有機アルミニウム化合物、及び水から得られる触媒を用いて、立体規則性に優れて高活性なポリブタジエンの製造方法が開示されている。
そのため、シリカを含む共役ジエン系ゴム材料は、シリカとゴム間の結合を付与し、分散性を改良するために、別途シランカップリング剤等を含有させる必要がある。
一方、ゴムの分子末端にシリカとの反応性の高い官能基を導入した共役ジエン系ゴム材料は、混練工程中にシリカ粒子との反応が進行するが、反応の進行が遅い場合にはトルク上昇に時間がかかるため混練りが不十分になったり、又は、混練り後にシートにする際の肌荒れやシート切れが生じやすくなったりするといった、加工性が悪化する傾向があるという問題を有している。
さらに、このような共役ジエン系ゴム材料を加硫物としたとき、特にシリカ等の無機充填剤を含む加硫物としたときに、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランス、耐摩耗性、及び破壊特性に関しては改良の余地がある、という問題を有している。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(A)重量平均分子量が20×104以上300×104以下であり、
分子量分布Mw/Mnが1.6以上4.0以下である、変性共役ジエン系重合体であって
、
共役ジエン系重合体の総量に対する変性率が50質量%以上であり、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)曲線におけるピークトップ、又は
前記ピークトップが複数存在する場合には分子量が最小であるピークトップの分子量の1
/2である分子量の成分の変性率が、前記共役ジエン系重合体の総量に対する変性率の1
/2以上であり、
窒素とケイ素とを、それぞれ3質量ppm以上含有する、変性共役ジエン系重合体100質量部と、
(B)ミクロ構造分析におけるシス1,4結合含量が80.0モル%以上である、ポリ
ブタジエン10~80質量部と、
を、含有する変性共役ジエン系重合体組成物。
〔2〕
前記(A)変性共役ジエン系重合体が、
3D-GPCによる収縮因子(g')が0.86以上1.0以下である、
前記〔1〕に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
〔3〕
前記(A)変性共役ジエン系重合体が、
3D-GPCによる収縮因子(g')が0.30以上0.86未満である、
前記〔1〕に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
〔4〕
前記(A)変性共役ジエン系重合体が、
3D-GPCによる収縮因子(g')が0.30以上0.70以下である、
前記〔1〕に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
〔5〕
前記(B)ポリブタジエンが、
ミクロ構造分析におけるシス1,4結合含量が90.0モル%以上である、
前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
〔6〕
前記(A)変性共役ジエン系重合体が、窒素とケイ素とを、それぞれ3質量ppm以上
含有し、
ケイ素に対する窒素のモル比が1.1以上10未満である、
前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
〔7〕
前記(A)変性共役ジエン系重合体が、窒素とケイ素とを、それぞれ3質量ppm以上
含有し、
ケイ素に対する窒素のモル比が0.1以上0.9未満である、
前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
〔8〕
前記(A)変性共役ジエン系重合体のガラス転移温度が-20℃以上0℃以下である、
前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
〔9〕
前記(A)変性共役ジエン系重合体のガラス転移温度が-50℃以上-20℃未満であ
る、前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
〔10〕
前記(A)変性共役ジエン系重合体のガラス転移温度が-70℃以上-50℃未満であ
る、前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
〔11〕
前記(A)変性共役ジエン系重合体の重合開始剤残基が窒素を含まない、前記〔1〕乃
至〔10〕のいずれか一に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
〔12〕
前記〔1〕乃至〔11〕のいずれか一に記載の変性共役ジエン系重合体組成物を10質
量%以上含有する重合体組成物。
〔13〕
前記〔1〕乃至〔11〕のいずれか一に記載の変性共役ジエン系重合体組成物を10質
量%以上含むゴム状重合体100質量部と、
充填剤5~150質量部と、
を、含むゴム組成物。
〔14〕
前記〔13〕に記載のゴム組成物の製造方法であって、
(A)変性共役ジエン系重合体100質量部と、
(B)ポリブタジエン10~80質量部と、
前記充填剤としての(C)シリカを含有するフィラー5~150質量部と、
を、混練りするゴム組成物の製造方法。
〔15〕
前記(A)変性共役ジエン系重合体と、
前記(C)シリカを含有するフィラーと、を、混練した後、得られた混練物と、前記(
B)ポリブタジエンとを混練する、前記〔14〕に記載のゴム組成物の製造方法。
なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物は、
(A)重量平均分子量が20×104以上300×104以下であり、分子量分布Mw/Mnが1.6以上4.0以下である、変性共役ジエン系重合体であって、共役ジエン系重合体の総量に対する変性率が50質量%以上であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)曲線におけるピークトップ、又は前記ピークトップが複数存在する場合には分子量が最小であるピークトップの分子量の1/2である分子量の成分の変性率が、前記共役ジエン系重合体の総量に対する変性率の1/2以上である、変性共役ジエン系重合体100質量部と、
(B)ミクロ構造分析におけるシス1,4結合含量が80.0モル%以上である、ポリブタジエン10~80質量部と、
を、含有する。
前記(A)変性共役ジエン系重合体は、
重量平均分子量が20×104以上300×104以下であり、
分子量分布Mw/Mnが1.6以上4.0以下であり、
(A)共役ジエン系重合体の総量に対する変性率が50質量%以上であり、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)曲線におけるピークトップ、又はピークが複数存在する場合には分子量が最小であるピークトップの分子量の1/2である分子量の成分の変性率が、前記共役ジエン系重合体の総量に対する変性率の1/2以上である。
(A)変性共役ジエン系重合体は、共役ジエン系重合体の総量に対する変性率が50質量%以上であり、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上である。
変性率が50質量%以上であることにより、加硫物としたときに、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスにより優れる。
変性率は、充填剤に親和性又は結合反応性を有する特定官能基を重合体分子中に有する重合体成分の、共役ジエン系重合体の総量に対する含有率を質量%で表したものである。
より具体的には、変性率は、測定試料及び低分子量内部標準ポリスチレンを含む試料溶液を、ポリスチレン系ゲルカラムで測定したクロマトグラムとシリカ系カラムで測定したクロマトグラムとの差分を算出し、シリカカラムへの吸着量を測定することにより算出することができる。変性率は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
(A)変性共役ジエン系重合体の変性率は、変性剤の添加量を調整することにより、上記数値範囲に制御することができる。
本発明者は、GPCによる分子量曲線における、それぞれの分子量領域での変性率を測定することにより、重合体によっては分子量領域毎に変性率が異なっていることを見出した。
また、GPC曲線のピークトップの分子量の1/2である分子量の成分(以下、低分子量成分と記載する場合がある)の変性率が、変性共役ジエン系重合体全体の変性率の1/2以上である変性共役ジエン系重合体は、変性率が不均一であって、とりわけ低分子量領域の成分の変性率が、変性共役ジエン系重合体全体の変性率の1/2よりも低い変性共役ジエン系重合体に比べ、特定の性能において優れていることを見出した。
これにより、加工性に優れた、特に充填剤と混練りする際にミキサーのトルクがよくかかり、従来よりも短時間で充填剤の分散性が良好なゴム組成物が得られる(A)変性共役ジエン系重合体を得ることができる。
また、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物を加硫組成物としたときに、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスと、破壊特性及び耐摩耗性とに優れ、特にタイヤ用として低ヒステリシスロス性に優れるゴム組成物を得ることができる。
すなわち、まず、変性共役ジエン系重合体の共役ジエン系重合体の総量に対する変性率に着目すると、重合体のムーニー粘度、ミクロ構造、使用された変性剤、混練り条件等が、同一であった場合には、共役ジエン系重合体の総量に対する変性率が高い(変性率50%以上)重合体は、変性率が低い重合体と比較して、充填剤と混練りする際にトルクの上がる速度は速いが、一方において、トルクが到達する最大値も高いため、全体としての変性率が変わっても、トルクの最大値に到達するまでにかかる時間はほぼ同じである。つまり、重合体全体としての変性率は、トルクの最大値と、トルクの上昇速度の双方に影響する結果、全体としての変性率が増減しても、トルクの最大値に到達するまでの時間の長短にはあまり影響しないと考えられる。
一方において、前記低分子量成分の変性率、すなわち前記ピークトップ分子量の1/2である分子量成分の変性率に着目した場合、前記低分子量成分の変性率が、共役ジエン系重合体の総量に対する変性率に対して低いほど、重合体を充填剤と混練りする際にトルクの上昇速度は遅くなり、低分子量成分の変性率が、共役ジエン系重合体の総量に対する変性率に対して高いほどトルクの上昇速度は速くなる。
すなわち、本発明者が検討したところによると、「共役ジエン系重合体の総量に対する変性率」に対する「低分子量成分の変性率」の高さの、トルク上昇速度への影響は、「共役ジエン系重合体の総量に対する変性率」によらず一定である。
他方、トルクの最大値は変性共役ジエン系重合体全体の変性率に依存して決まるため、低分子量成分の変性率によっては変わらず、すなわち低分子量成分の変性率に依存せず、低分子量成分の変性率が高いほど、トルクの最大値に到達するまでの時間が短くなる。このため、共役ジエン系重合体の総量に対する変性率によらず、共役ジエン系重合体の総量に対する変性率に対する低分子量成分の変性率の高さによって、トルクの最大値に到達するまでの時間を制御することができる。
具体的には、低分子量成分の変性率を共役ジエン系重合体の総量に対する変性率の1/2以上の高さにすることにより、加工性、特に充填剤と混練りする際にミキサーのトルクがよくかかり、従来よりも短時間で充填剤の分散性が良好になる。その結果として、混練時に重合体に生じる熱劣化を最小限に抑えることができ、また、熱劣化し難いことで、配合する熱安定剤を削減できるという効果が得られる。
タイヤ用のゴム組成物を製造する場合に、低ヒステリシスロス性の向上を図るためには、より分岐度の高い、及び/又は高分子量の変性共役ジエン系重合体を用いることが有効であるが、一方において、充填剤等との混練が難しくなるといった加工上の問題が生じるおそれがある。かかる問題に対し、変性共役ジエン系重合体の加工性を高める技術を採用することで、より分岐度の高い、及び/又は高分子量の(A)変性共役ジエン系重合体を用いても、混練工程等での問題の発生を防止し、結果として、タイヤにより適した組成物を調整しやすくなる。
かかる観点から、(A)変性共役ジエン系重合体においては、GPC曲線におけるピークトップの分子量の1/2である分子量の成分の変性率が、共役ジエン系重合体の総量に対する変性率の1/2以上であるものとする。
(A)変性共役ジエン系重合体は、成長反応の停止又は連鎖移動が極めて少ない重合方法で得ることができ、そのため重合反応器に導入するモノマー及び溶媒の超高純度化、低温重合及び99質量%未満のモノマー転化率で達成することができる。
より具体的には、分子量成分毎の変性率は、測定用試料及び低分子量内部標準ポリスチレンを含む試料溶液を、ポリスチレン系ゲルカラムで測定したクロマトグラムとシリカ系カラムで測定したクロマトグラムとの分子量成分毎の差分から、シリカカラムへの吸着量を測定することにより得られる。また、変性率は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
GPC曲線におけるピークトップの分子量の1/2である分子量の成分の変性率が、共役ジエン系重合体の総量に対する変性率の1/2以上であるものとするためには、上述したように、反応器に導入するモノマー及び溶媒の純度を高めて、重合中に失活する末端の量を低減することが有効である。
(A)変性共役ジエン系重合体は、重量平均分子量が20×104以上300×104以下であり、好ましくは30×104以上270×104以下であり、より好ましくは40×104以上250×104以下であり、さらにより好ましくは50×104より大きく250×104以下である。
重量平均分子量が50×104より大きくなると、使用する重合開始剤の添加量が少ないため、成長反応の停止又は連鎖移動が、GPC曲線におけるピークトップの分子量の1/2である分子量の成分(低分子量成分)の変性率に与える影響が大きくなる。このため、重合反応器に導入するモノマー及び溶媒の超高純度化、低温重合、及び99質量%未満のモノマー転化率を達成しないと、所望の変性率である変性共役ジエン系重合体を得ることは困難となる。
(A)変性共役ジエン系重合体は、50×104より大きいことが好ましい。これにより、上記操作を行うことにより、低分子量成分の変性率を所望の値に制御することができる。
重量平均分子量が20×104以上300×104以下であることで、加硫物としたときの低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランス及び耐摩耗性に優れる。重量平均分子量が大きいほど耐摩耗性向上効果は大きく、50×104より大きい場合に特に顕著である。
また、重量平均分子量が300×104以下であることで、加硫物とする際の充填剤の分散性に優れ、優れた破壊特性が得られる。
(A)変性共役ジエン系重合体の重量平均分子量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
(A)変性共役ジエン系重合体の重量平均分子量は、例えば、重合開始剤の添加量を調整することにより、上記数値範囲に制御することができる。
(A)変性共役ジエン系重合体は、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比で表される分子量分布Mw/Mnが1.6以上4.0以下である。この範囲の分子量分布である(A)変性共役ジエン系重合体は、同程度の分子量及び変性率の重合体と比較して加硫物とする際の加工性により優れる傾向にある。好ましくは1.8以上3.0以下であり、より好ましくは1.9以上2.5以下である。
このような分子量分布の(A)変性共役ジエン系重合体は、好ましくは連続重合で得ることができる。
分子量分布は、GPCによる分子量曲線が一山(モノモーダル)の形状、又は複数ピークの場合は台形もしくは連峰型の形状であることが好ましい。連峰型としては、ピークとピークの間の最下部の高さが両側のピーク高さの50%以上である形を意味する。このような分子量分布を有する(A)変性共役ジエン系重合体は、加硫物とする際の加工性により優れる傾向にある。
前記特定の高分子量成分の含有量は、より好ましくは1.0質量%以上18質量%以下、さらに好ましくは2.0質量%以上15質量%以下である。
前記特定の高分子量成分の含有量がこのような範囲にある(A)変性共役ジエン系重合体を得るためには、例えば、後述する有機モノリチウム化合物の重合開始剤としての使用量を調整すればよく、後述する重合工程において、連続式、回分式のいずれの重合様式においても、滞留時間分布を有する方法、すなわち、成長反応の時間分布を広げる方法を選択することが好ましい。
連続式における具体的な方法としては、攪拌機付槽型反応器を用い攪拌機で激しく混合する形式のバックミックス反応器とする方法、好ましくは完全混合型反応器として用いる方法、管型反応器においては一部をリサーキュレーションする方法、重合開始剤のフィード場所を単量体入口又はその付近の他に重合器途中に入り口を設ける方法、及び、槽型と管型の反応器を組み合わせて用いる方法が挙げられる。
これらの方法によれば、滞留時間分布を大きくして、滞留時間の長い重合体成分を高分子量成分とすることができる方法である。
また、回分式における具体的な方法としては、例えば、重合開始剤のフィード方法を、重合開始時から重合途中の間で連続的若しくは断続的に、重合開始時、及び/又は重合途中で連続的若しくは断続的にフィードする方法が挙げられる。
この方法は、最初に重合開始剤をフィードした重合開始時点から重合した重合体が高分子量成分となり、後で重合を開始した重合体との間で分子量の差が生じるものとする方法である。より具体的には、単量体に対し、目標分子量に相当する重合開始剤の量を、例えば転化率0質量%~95質量%までの間、連続的にフィードすれば、拡大した分子量分布を有する重合体とすることができる傾向にある。
上述した方法を用いることで、反応工程前の共役ジエン系重合体のリビング末端の活性比率が高くなる傾向にあり、カップリング後のカップリング率、すなわち、変性率が高い変性共役ジエン系重合体が得られる傾向にある。これらの方法の中で、さらに好ましくは、攪拌機付槽型反応器を用い、攪拌機で激しく混合する形式のバックミックス反応器とする方法である。
なお、本明細書において「分子量」とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって得られる、標準ポリスチレン換算分子量である。
数平均分子量、重量平均分子量、分子量分布の含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の変性共役ジエン系組成物に用いる(A)変性共役ジエン系重合体としては、3D-GPCを用いて測定される収縮因子(g’)が0.86以上1.0以下である変性共役ジエン系重合体が、好ましい形態として挙げられる。
(A)変性共役ジエン系重合体の収縮因子(g’)が前記範囲であることにより、高温における強度が優れる傾向にある。
収縮因子(g’)は、(A)変性共役ジエン系共重合体の分岐構造の指標となり、収縮因子(g’)が0.86以上1.0以下である変性共役ジエン系重合体は、変性ジエン系重合体の1分子における分岐の数が3分岐以下の変性共役ジエン系重合体である。かかる場合、収縮因子(g’)は、0.88以上0.99以下がより好ましく、0.90以上0.98以下がさらに好ましい。
当該(A)変性共役ジエン系共重合体を得るためには、例えば、リビング活性末端との反応点を3つ以下有する変性剤を、重合開始剤の総モル数に対して、3分の1以上のモル数で添加して、3分岐以下の(A)変性共役ジエン系共重合体を得る方法が有効である。
このような(A)変性共役ジエン系重合体は、充填剤を加えた組成物の粘度が大幅に低くなり、加工性が極めて優れる。
収縮因子(g’)は、(A)変性共役ジエン系共重合体の分岐構造の指標となり、収縮因子(g’)が0.30以上0.86未満である(A)変性共役ジエン系重合体は、変性ジエン系重合体の1分子における分岐の数が4分岐以上の変性共役ジエン系重合体である。
当該(A)変性共役ジエン系共重合体を得るためには、例えば、リビング活性末端との反応点を4つ以上有する変性剤を、重合開始剤の総モル数に対して、4分の1以下のモル数で添加して、4分岐以上の(A)変性共役ジエン系共重合体を得る方法が有効である。
このような(A)変性共役ジエン系重合体は、充填剤を加えた組成物の粘度がより低くなり、加工性がさらに優れたものとなる。
収縮因子(g’)は、該(A)変性共役ジエン系共重合体の分岐構造の指標となり、収縮因子(g’)が0.30以上0.70以下である(A)変性共役ジエン系重合体としては、変性ジエン系重合体の1分子における分岐の数が5分岐以上の(A)変性共役ジエン系重合体である。
該(A)変性共役ジエン系共重合体を得るためには、例えば、リビング活性末端との反応点を5つ以上有する変性剤を、重合開始剤の総モル数に対して、5分の1以下のモル数で添加して、5分岐以上の変性共役ジエン系共重合体を得る方法が有効である。
絶対分子量が等しい変性共役ジエン系重合体を比較する場合には、(A)変性共役ジエン系重合体の分岐が多いほど収縮因子(g’)が小さくなるため、この場合の収縮因子(g’)は、分岐度の指標として用いることができる。
収縮因子(g’)は、3D-GPC測定を用いて測定される。固有粘度と分子量との関係式([η]=KMα([η]:固有粘度、M:分子量)における定数(K、α)を、logK=-3.883、α=0.771として、分子量Mの範囲を1000~20000000まで入力し、標準固有粘度[η]0と分子量Mとの関係を作成する。
この標準固有粘度[η]0に対して、3D-GPC測定で得られたサンプルの各分子量Mでの固有粘度[η]を標準固有粘度[η]0に対する固有粘度[η]の関係として[η]/[η]0を各分子量Mで算出し、その平均値を収縮因子(g’)とする。
より具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
(A)変性共役ジエン系重合体は、分岐構造を有していてもよい。
分岐点は、1か所であっても、1つの重合体中に複数あってもよい。
(A)変性共役ジエン系重合体は、好ましくは重合開始剤残基及び/又は変性剤残基に充填剤に親和性又は反応性の官能基を有する変性共役ジエン系重合体である。
すなわち、(A)変性共役ジエン系重合体は、官能基を有する重合開始剤残基及び/又は変性剤残基、及び共役ジエン系重合体鎖から成るものであることが好ましい。
重合開始残基を有する末端は、窒素を含有していないことが好ましい。窒素を含有していると、加硫物とした際の最終的な加工性が同じでも、充填剤との反応が速く、多段練りする際の初期の段階においての、シート加工性が悪くなる傾向にある。一方、末端に窒素を含有していない場合、充填剤と適度な速度で反応するため、多段練りする際の初期の段階においてもシート加工性も良好である。
(A)変性共役ジエン系重合体における変性剤残基は、共役ジエン系重合体鎖に結合されている、(A)変性共役ジエン系重合体の構成単位であり、例えば、後述する共役ジエン系重合体と変性剤とを反応させることによって生じる、変性剤由来の構造単位である。
変性剤残基は、充填剤に親和性又は結合反応性を有する特定官能基を有する。
(A)変性共役ジエン系重合体が、重合開始末端に官能基が結合している変性共役ジエン系重合体である場合、当該(A)変性共役ジエン系重合体は、官能基を有する重合開始剤を用いて重合反応を行うことにより得ることができる。
(A)変性共役ジエン系重合体が、分岐構造を有していない場合、(A)変性共役ジエン系重合体は、直鎖構造であり、「末端」とは、直鎖の両端を意味し、一方は、変性剤残基に結合しており、もう一方は、重合開始剤残基に結合している。
(A)変性共役ジエン系重合体が、分岐構造を有しており、少なくとも分岐点の1つが変性剤残基である場合、(A)変性共役ジエン系重合体における「末端」とは、分岐点、例えば「変性剤残基」に結合していない共役ジエン系重合体鎖の末端のことであり、まず、重合開始剤を用いて単量体を重合させ、次に、重合終了末端に変性剤を結合させ、分岐点を形成する場合、変性共役ジエン系重合体は、変性剤残基に結合していない重合体鎖の末端は、重合開始剤残基を有している。(A)変性共役ジエン系重合体が、分岐構造を有しており、変性剤残基による分岐点を有しない場合、(A)変性共役ジエン系重合体における「末端」とは、分岐点に結合していない共役ジエン系重合体鎖の末端のことであり、変性剤残基、あるいは重合開始剤残基を有している。
前記充填剤に親和性又は結合反応性を有する特定官能基としては、好ましくは、窒素原子、珪素原子を含む官能基が挙げられる。
窒素原子のモル数のケイ素原子のモル数に対する比、すなわちN/Siのモル比は、0.1~10.0であることが好ましく、より好ましくは0.2~7.0である。
この範囲では、特にシリカ系充填剤との親和性が良好であり、シリカ系充填剤を用いたゴム組成物のヒステリシスロスが小さく、低燃費タイヤ用のゴム組成物として良好な性能を発揮する。
特に、後述するように、混練時にシリカを短時間で分散できる観点からは、N/Siモル比は1.1以上10未満であることが好ましく、加硫物としたときの耐摩耗性の観点からはN/Siモル比が0.1以上0.9未満であることが好ましい。
珪素原子を含む官能基としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メトキシシリル基、エトキシシリル基、プロポキシシリル基等が挙げられる。
また、窒素原子を含む官能基としては、以下に限定されるものではないが、例えば、二級アミノ基、三級アミノ基等が挙げられる。
変性剤残基が珪素原子を有する場合、珪素原子の少なくとも1個が、炭素数1~20のアルコキシシリル基又はシラノール基を構成することが好ましい。これらによって、配合物にした場合の充填剤の分散性が改良されて低ヒステリシスロス性が向上する傾向にある。
(A)変性共役ジエン系重合体は、複数の共役ジエン系重合体鎖の末端が、1個の珪素原子と結合していてもよい。また、共役ジエン系重合体鎖の末端とアルコキシ基又は水酸基とが、一つの珪素原子に結合し、その結果として、その1つの珪素原子がアルコキシシリル基又はシラノール基を構成していてもよい。
(A)変性共役ジエン系重合体の変性前の共役ジエン系重合体は、少なくとも共役ジエン化合物を重合して得られ、必要に応じて共役ジエン化合物とビニル置換芳香族化合物との両方を共重合して得られる。
共役ジエン化合物としては、重合可能な単量体であれば特に限定されないが、1分子当り4~12の炭素原子を含む共役ジエン化合物が好ましく、より好ましくは4~8の炭素原子を含む共役ジエン化合物である。このような共役ジエン化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、3-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、1,3-ヘプタジエンが挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、1,3-ブタジエン、イソプレンが好ましい。これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ビニル置換芳香族化合物としては、共役ジエン化合物と共重合可能な単量体であれば特に限定されないが、モノビニル芳香族化合物が好ましい。モノビニル芳香族化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、スチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレンが挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、スチレンが好ましい。これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(A)変性共役ジエン系重合体が、ブタジエン-スチレンランダム共重合体(SBR)である場合、結合スチレン量は5質量%~50質量%が好ましく、ビニル含有量は10質量%~75質量%が好ましい。この範囲であれば、タイヤ用の他、あらゆる用途に適合しうるSBRが工業的に得られる。
特に、結合スチレン量が25質量%~45質量%であり、ビニル含有量が18質量%~30質量%である場合、ヒステリシスロスが小さく、耐摩耗性に優れたゴム組成物が得られる。
また、結合スチレン量が18質量%~28質量であり、ビニル含有量が45質量%~65質量%である場合、天然ゴムと配合したゴム組成物において、ヒステリシスロスが小さく、強度が優れる省燃費タイヤ用ゴム組成物が得られる。
なお、結合スチレン量は、全単量体成分中のスチレンの質量%であり、ビニル含有量は、ブタジエン成分中のビニル結合成分の質量%である。
(A)変性共役ジエン系重合体のガラス転移温度、すなわちTgは、変性共役ジエン系重合体の分子鎖が回転運動を開始する温度であり、低ヒステリシスロス性とウェットグリップ性とに大きく影響する。
Tgが低い場合には低ヒステリシスロス性が良好になり、Tgが高い場合にはウェットグリップ性が向上する。
この変性共役ジエン系重合体はウインター用タイヤに極めて有用である。
また、耐摩耗性を改良するために各種タイヤトレッドの配合に用いられる。
変性共役ジエン系重合体のTgは、ISO 22768:2006に準拠して測定することができる。
(A)変性共役ジエン系重合体のTgは、結合スチレン量やビニル含有量を調整することにより、上述した各々の数値範囲に制御することができる。
(A)変性共役ジエン系重合体が、ブタジエン-スチレンランダム共重合体(SBR)である場合、スチレン単位が単独で存在する割合が多いことが好ましく、長い連鎖は少ないものが好ましい。
具体的には、変性共役ジエン系重合体がブタジエン-スチレン共重合体の場合、田中らの方法(Polymer,22,1721(1981))として知られているオゾン分解による方法で、前記共重合体を分解し、GPCによりスチレン連鎖分布を分析した場合、全結合スチレン量に対し、単離スチレン量が40質量%以上であり、スチレンの連鎖が8個以上の連鎖スチレン構造が5質量%以下であることが好ましい。この場合、得られる加硫ゴムが特にヒステリシスロスが小さい優れた性能の省燃費タイヤ用のゴム組成物が得られる。
(A)変性共役ジエン系重合体は、当該変性共役ジエン系重合体を、又は、変性前の共役ジエン系重合体を、不活性溶剤中でさらに水素化する処理を施したものであってもよい。これにより二重結合の全部又は一部を飽和炭化水素に変換することができる。かかる場合、耐熱性、耐候性が向上し、高温で加工する場合の製品の劣化を防止することができ、ゴムとしての運動性能が向上する傾向にある。また、その結果、自動車用途等種々の用途で一層優れた性能を発揮する。
共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の水素化率は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。加硫物として用いる場合には、共役ジエン部の二重結合が部分的に残存していることが好ましい。かかる観点から、共役ジエン系重合体中の共役ジエン部の水添率は3.0モル%以上70モル%以下であることが好ましく、5.0モル%以上65モル%以下であることがより好ましく、10モル%以上60モル%以下であることがさらに好ましい。特に、ビニル基を選択的に水素化することで、耐熱性及び運動性能が向上する傾向にある。水素化率は、核磁気共鳴装置(NMR)により求めることができる。
(A)変性共役ジエン系重合体は、伸展油を加えた油展重合体とすることができる。(A)変性共役ジエン系重合体は、非油展であっても、油展であってもよい。
また、ゴム加硫物とする際の加工性と加硫物としたときの耐摩耗性との観点から、(A)変性共役ジエン系重合体は、100℃で測定されるムーニー粘度が、20以上100以下であることが好ましく、30以上80以下であることがより好ましい。ムーニー粘度は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
(A)変性共役ジエン系共重合体は、窒素及びケイ素の含有量が、低ヒステリシスロス性向上の観点から、それぞれ3質量ppm以上であることが好ましく、7質量ppm以上であることがより好ましく、10質量ppm以上であることがさらに好ましい。
(A)変性共役ジエン系共重合体は、フィラーとの混練時に窒素により物理吸着し、ケイ素により化学結合すると考えられる。
ケイ素に対する窒素のモル比が0.1以上0.9未満であれば好ましい理由については現時点では明確ではないが、シリカに対するケイ素による化学結合の方が窒素による物理吸着のよりも強固であるため、ケイ素に対する窒素のモル比が等モル未満とすることで、変性共役ジエン系重合体とシリカが化学結合により結びついている割合が多くなり、変性共役ジエン系重合体とシリカの結びつきが強くなると推定される。この場合は、ケイ素の含有量は7ppm以上が好ましい。
例えば、所望のケイ素に対する窒素のモル比を有する変性剤を選択することにより窒素と珪素の含有量を制御でき、ケイ素に対する窒素のモル比を高めることにより、(A)変性共役ジエン系共重合体のケイ素に対する窒素のモル比を高めることが可能である。
(A)変性共役ジエン系重合体は、好ましくは、下記一般式(I)で表される。
m及びxは、1~3の整数を表し、x≦mであり、pは、1又は2を表し、yは1~3の整数を表し、y≦(p+1)であり、zは、1又は2の整数を表す。
複数存在する場合のD1、R1~R11、m、p、x、y、及びzは、各々独立している。
iは、0~6の整数を表し、jは0~6の整数を表し、kは0~6の整数を表し、(i+j+k)は1~10の整数であり、((x×i)+(y×j)+(z×k))は、1~30の整数である。
Aは、炭素数1~20の炭化水素基、又は、酸素原子、窒素原子、珪素原子、硫黄原子、リン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を有し、かつ、活性水素を有しない有機基を表す。ただし、(i+j+k)が1の場合は、Aは無いものとしてよい。これによって、変性された共役ジエン系重合体は、加硫物としたときに、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランス及び耐摩耗性により優れる傾向にある。
(A)変性共役ジエン系重合体の製造方法は、好ましくは、有機モノリチウム化合物を重合開始剤として用い、少なくとも共役ジエン化合物を重合し、共役ジエン系重合体を得る重合工程と、該共役ジエン系重合体と、該共役ジエン系重合体の活性末端と反応する結合基を有し、さらに充填剤に親和性又は結合反応性を有する特定官能基を有する変性剤とを反応させる変性反応工程と、を有する。
(A)変性ジエン系重合体の製造方法において、好ましくは、重合工程は、有機モノリチウム化合物を重合開始剤とし、少なくとも共役ジエン化合物を重合し、共役ジエン系重合体を得る。
重合工程は、リビングアニオン重合反応による成長反応による重合が好ましく、これにより、活性末端を有する共役ジエン系重合体を得ることができ、高変性率の変性ジエン系重合体を得ることができる傾向にある。
かかる(A)変性共役ジエン系重合体を得るためには、成長反応の停止又は連鎖移動が極めて少ない重合方法により共役ジエン系重合体を得ることが有効である。
そのため重合反応器に導入するモノマー及び溶媒の超高純度化は従来以上の水準が必要である。
従って、用いる単量体成分中、不純物総計は30ppm以下であることが好ましく、アレン類、アセチレン類、1級及び2級アミン等の不純物の含有量濃度(質量)は、アレン類が20ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましく、アセチレン類は20ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましく、1級及び2級アミンは合計窒素含有量として4ppm以下であることが好ましく、2ppm以下であることがより好ましい。
アレン類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、プロパジエン、1,2-ブタジエンが挙げられる。アセチレン類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチルアセチレン、ビニルアセチレンが挙げられる。1級及び2級アミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、メチルアミン、ジメチルアミンが挙げられる。
モノマーであるブタジエンの精製においては、重合禁止剤を除去することはもちろん、アニオン重合に悪影響を与えるおそれがあるジメチルアミン、N-メチル-γ-アミノ酪酸等を除去することが重要である。これらを除去する方法としては、例えば、重合禁止剤を含有する1,3-ブタジエンを、酸素濃度が2mg/L未満である低酸素水を洗浄水として用いて水洗し、その後、1,3-ブタジエン中の重合禁止剤を除去する方法が挙げられる。
モノマーであるスチレンの精製においては、アニオン重合に悪影響を与えるおそれがある、フェニルアセチレン類等を除去することが重要である。フェニルアセチレン類を除去する方法として、例えば、パラジウム担持アルミナ触媒を用いた水添反応を実施する方法が挙げられる。
重合溶媒であるノルマルヘキサンの精製においては、アニオン重合に悪影響を与えるおそれがある水分を除去することが重要である。これを除去する方法としては、例えば、γ-アルミナ、合成ゼオライト等を用いる方法が挙げられる。これらの中でも合成ゼオライトを用いる方法が好ましく、合成ゼオライトとしては細孔径が大きいものが好ましく、細孔径が0.35nm以上ものがより好ましく、0.42nm以上のものがさらに好ましい。
好ましい不純物濃度にするために必要な超高純度化処理は、処理前の状態によって異なるので、モノマー及び溶媒の超高純度化処理後、重合反応に先立って、モノマー及び溶媒の不純物濃度を測定するのが好ましい。
所望の不純物濃度のモノマー及び/又は溶媒が得られなかった場合、いずれかの処理が不十分であったと考えられる。1級及び2級アミンの量を減らしたい場合は、ブタジエンの精製が不十分であるため、例えば、再度、酸素濃度が2mg/L未満である低酸素水を洗浄水として用いて水洗することが好ましい。アセチレン類を減らしたい場合は、スチレンの精製が不十分であるため、例えば、再度、パラジウム担持アルミナ触媒を用いた水添反応を実施することが好ましい。この際、パラジウム担持アルミナ触媒の量を増加させる、もしくは、パラジウム担持アルミナ触媒との接触時間を長くする、等の処理を行うとより好ましい。
重合温度はリビングアニオン重合が進行する温度であることが好ましく、生産性の観点から、0℃以上であることが好ましく、80℃以下であることが好ましい。より好ましくは、50℃以上75℃以下である。
また、単量体全体の転化率は99質量%未満で変性剤と反応させることが好ましい。より好ましくは転化率が98質量%未満である。
ランダム共重合体としては、以下ものに限定されないが、例えば、ブタジエン-イソプレンランダム共重合体等の2種以上の共役ジエン化合物からなるランダム共重合体、ブタジエン-スチレンランダム共重合体、イソプレン-スチレンランダム共重合体、ブタジエン-イソプレン-スチレンランダム共重合体の共役ジエンとビニル置換芳香族化合物からなるランダム共重合体が挙げられる。
共重合体鎖中の各単量体の組成分布としては、特に限定されず、例えば、統計的ランダムな組成に近い完全ランダム共重合体、組成がテーパー状に分布しているテーパー(勾配)ランダム共重合体が挙げられる。共役ジエンの結合様式、すなわち1,4-結合や1,2-結合等の組成は、均一であってもよいし、分布があってもよい。
ブロック共重合体としては、以下のものに限定されないが、例えば、ブロックが2個からなる2型ブロック共重合体(ジブロック)、3個からなる3型ブロック共重合体(トリブロック)、4個からなる4型ブロック共重合体(テトラブロック)が挙げられる。1つのブロックを構成する重合体としては、1つの種類の単量体からなる重合体であっても、2種以上の単量体からなる共重合体であってもよい。例えば、1,3-ブタジエンからなる重合体ブロックを「B」で表し、1,3-ブタジエンとイソプレンの共重合体を「B/I」で表し、1,3-ブタジエンとスチレンの共重合体を「B/S」で表し、スチレンからなる重合体ブロックを「S」で表すと、B-B/I2型ブロック共重合体、B-B/S2型ブロック共重合体、S-B2型ブロック共重合体、B-B/S-S3型ブロック共重合体、S-B-S3型ブロック共重合体、S-B-S-B4型ブロック共重合体等で表される。
上記式において、各ブロックの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。また、1つの重合体ブロックが2種類の単量体A及びBからなる共重合体である場合、ブロック中のA及びBは均一に分布していても、又はテーパー状に分布していてもよい。
重合開始剤としては、少なくとも有機モノリチウム化合物を用いることが好ましい。
有機モノリチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、低分子化合物、可溶化したオリゴマーの有機モノリチウム化合物が挙げられる。また、有機モノリチウム化合物としては、その有機基とそのリチウムの結合様式において、例えば、炭素-リチウム結合を有する化合物、窒素-リチウム結合を有する化合物、錫-リチウム結合を有する化合物が挙げられる。
有機モノリチウム化合物の重合開始剤としての使用量は、目標とする共役ジエン系重合体又は変性共役ジエン系重合体の分子量によって決めることが好ましい。重合開始剤の使用量に対する、共役ジエン化合物等の単量体の使用量が重合度に関係し、すなわち、数平均分子量及び/又は重量平均分子量に関係する傾向にある。したがって、分子量を増大させるためには、重合開始剤を減らす方向に調整するとよく、分子量を低下させるためには、重合開始剤量を増やす方向に調整するとよい。
置換アミノ基とは、活性水素を有しない、又は、活性水素を保護した構造の、アミノ基である。活性水素を有しないアミノ基を有するアルキルリチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、3-ジメチルアミノプロピルリチウム、3-ジエチルアミノプロピルリチウム、4-(メチルプロピルアミノ)ブチルリチウム、4-ヘキサメチレンイミノブチルリチウムが挙げられる。活性水素を保護した構造のアミノ基を有するアルキルリチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、3-ビストリメチルシリルアミノプロピルリチウム、4-トリメチルシリルメチルアミノブチルリチウムが挙げられる。
ジアルキルアミノリチウムとしては、以下のものに限定されないが、例えば、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジ-n-ヘキシルアミド、リチウムジへプチルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウム-ジ-2-エチルへキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミド、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムモルホリド、1-リチオアザシクロオクタン、6-リチオ-1,3,3-トリメチル-6-アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1-リチオ-1,2,3,6-テトラヒドロピリジンが挙げられる。
これらの置換アミノ基を有する有機モノリチウム化合物は、重合可能な単量体、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、スチレン等の単量体を少量反応させて、可溶化したオリゴマーの有機モノリチウム化合物として用いることもできる。
これらの有機モノリチウム化合物は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、有機モノリチウム化合物は、他の有機金属化合物と併用してもよい。その有機金属化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルカリ土類金属化合物、他のアルカリ金属化合物、その他有機金属化合物が挙げられる。アルカリ土類金属化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、有機マグネシウム化合物、有機カルシウム化合物、有機ストロンチウム化合物が挙げられる。また、アルカリ土類金属のアルコキサイド、スルフォネート、カーボネート、アミドの化合物も挙げられる。有機マグネシウム化合物としては、例えば、ジブチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウムが挙げられる。その他有機金属化合物としては、例えば、有機アルミニウム化合物が挙げられる。
連続式においては、1個又は2個以上の連結された反応器を用いることができる。連続式の反応器は、例えば、撹拌機付きの槽型、管型のものが用いられる。連続式においては、好ましくは、連続的に単量体、不活性溶媒、及び重合開始剤が反応器にフィードされ、該反応器内で重合体を含む重合体溶液が得られ、連続的に重合体溶液が排出される。
回分式の反応器は、例えば、攪拌機付の槽型のものが用いられる。回分式においては、好ましくは、単量体、不活性溶媒、及び重合開始剤がフィードされ、必要により単量体が重合中に連続的又は断続的に追加され、該反応器内で重合体を含む重合体溶液が得られ、重合終了後に重合体溶液が排出される。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造工程において、高い割合で活性末端を有する共役ジエン系重合体を得るには、重合体を連続的に排出し、短時間で次の反応に供することが可能な、連続式が好ましい。
不活性溶媒としては、例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。
具体的な炭化水素系溶媒としては、以下に限定されないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及びそれらの混合物からなる炭化水素が挙げられる。
極性化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシベンゼン、2,2-ビス(2-オキソラニル)プロパン等のエーテル類;テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジン等の第3級アミン化合物;カリウム-tert-アミラート、カリウム-tert-ブチラート、ナトリウム-tert-ブチラート、ナトリウムアミラート等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物等が挙げられる。
これらの極性化合物は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをランダム化する方法としては、例えば、特開昭59-140211号公報に記載されているような、スチレンの全量と1,3-ブタジエンの一部とで共重合反応を開始させ、共重合反応の途中に残りの1,3-ブタジエンを断続的に添加する方法を用いてもよい。
ムーニー粘度が前記範囲であると、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物は加工性及び耐摩耗性が優れる傾向にある。
また、共役ジエン系重合体又は変性共役ジエン系重合体中の結合芳香族ビニル量は、特に限定されないが、0質量%以上60質量%以下であることが好ましく、20質量%以上45質量%以下であることがより好ましい。
結合共役ジエン量及び結合芳香族ビニル量が前記範囲であると、加硫物としたときに、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスと、破壊特性及び耐摩耗性と、がより優れる傾向にある。
ここで、結合芳香族ビニル量は、フェニル基の紫外吸光によって測定でき、ここから結合共役ジエン量も求めることができる。具体的には、後述する実施例に記載の方法に準じて測定することができる。
ビニル結合量が前記範囲であると、加硫物としたときに、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性のバランスと、耐摩耗性及び破壊強度がより優れる傾向にある。
ガラス転移温度については、ISO 22768:2006に従い、所定の温度範囲で昇温しながらDSC曲線を記録し、DSC微分曲線のピークトップ(Inflection point)をガラス転移温度とする。具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
変性反応工程においては、上述のような方法で得た共役ジエン系重合体と、当該共役ジエン系重合体の活性末端と反応する結合基を有し、さらに充填剤に親和性又は結合反応性を有する所定の官能基を有する変性剤とを反応させる。
この場合、結合基としての効果も併せ持つ所定の官能基を有する変性剤であってもよい。また、重合工程の後、ただちに変性反応工程を実施することが好ましい。その場合、変性率が高い変性共役ジエン系重合体が得られる傾向にある。
好ましくは、変性剤として、窒素、ケイ素、スズ、リン、酸素、硫黄、ハロゲンのうち、少なくとも1種の元素を含む単官能又は多官能の化合物が用いられる。また、オニウム生成剤を含む末端変性剤を加えて反応させることにより、前記変性共役ジエン系重合体にオニウム構造を導入することができる。また、これらの元素を含む官能基を分子中に複数含有する変性剤、又はこれらの元素を複数含む官能基を含有する変性剤を用いることもできる。
変性剤としては、好ましくは、水酸基、カルボキシル基、1級及び2級アミノ基等の、活性水素は少ないか、無いものが好ましい。活性水素は、共役ジエン系重合体の活性末端を失活させる傾向にある。
窒素含有化合物としては、以下に限定するものではないが、例えば、イソシアナート化合物、イソチオシアナート化合物、イソシアヌル酸誘導体、窒素基含有カルボニル化合物、窒素基含有ビニル化合物、窒素基含有エポキシ化合物等が挙げられる。
ケイ素含有化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ハロゲン化ケイ素化合物、エポキシ化ケイ素化合物、ビニル化ケイ素化合物、アルコキシケイ素化合物、窒素含有基を含むアルコキシケイ素化合物等が挙げられる。
スズ含有化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ハロゲン化スズ化合物、有機スズカルボキシレート化合物等が挙げられる。
リン含有化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、亜リン酸エステル化合物、ホスフィノ化合物等が挙げられる。
酸素含有化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エポキシ化合物、エーテル化合物、エステル化合物等が挙げられる。
硫黄含有化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メルカプト基誘導体、チオカルボニル化合物、イソチオシアナート等が挙げられる。
ハロゲン含有化合物としては、以下に限定されるものではないが、上記のハロゲン化ケイ素化合物、ハロゲン化スズ化合物等が挙げられる。
オニウム生成剤としては、1級又は2級のアミンを形成しうる保護化アミン化合物(アンモニウムを生成する)、ヒドロホスフィンを形成しうる保護化ホスフィン化合物(ホスフォニウムを生成する)、水酸基、チオールを形成しうる化合物(オキソニウム、スルホニウムを生成する)等が挙げられ、オニウム生成剤と上記変性共役ジエン系重合体を結合するための官能基をそれぞれ分子中に有する末端変性剤を用いることが好ましい。
前記変性共役ジエン系重合体を結合するための官能基としては、カルボニル基(ケトン、エステル等)、ビニル基等の不飽和基、エポキシ基、ハロゲン化ケイ素基、アルコキシケイ素基等が挙げられる。
2価以上の炭化水素基は、飽和又は不飽和の直鎖状、分岐状、環状であってもよい炭化水素基であり、アルキレン基、アルケニレン基、フェニレン基等を含む。好ましくは、炭素数が1~20である。具体例には、例えば、メチレン、エチレン、ブチレン、シクロヘキシレン、1,3-ビス(メチレン)-シクロヘキサン、1,3-ビス(エチレン)-シクロヘキサン、o-、m-、p-フェニレン、m-、p-キシレン、ビス(フェニレン)-メタン等が挙げられる。
前記式(1)中、R1、R4は、炭素数1~10の炭化水素基であり、R1、R4は互いに異なっていてもよい。R2、R5は、水素又は炭素数1~10の炭化水素基であり、R2、R5は互いに異なっていてもよい。
R3は炭素数1~10の炭化水素基、又は下記式(2)の構造である。
R1、R2、R3は、互いに結合して環状構造であってもよい。
また、R3が炭化水素基の場合、Rと互いに結合して環状構造であってもよく、その場合は、R3に結合しているNとRとが直接結合している形態であってもよい。
前記式(1)中、nは1以上の整数であって、mは0又は1以上の整数である。
アミノ基又はエーテル基に結合したエポキシ基含有炭化水素基としては、例えば、グリシジルアミノ基、ジグリシジルアミノ基又はグリシジドキシ基が挙げられる。さらに好ましい分子構造は、グリシジルアミノ基又はジグリシジルアミノ基、及びグリシジドキシ基をそれぞれ有するエポキシ基含有化合物であり、下記一般式(3)で表わされる。
R6が炭化水素基の場合、Rと互いに結合して環状構造であってもよく、その場合は、R6に結合しているNとRとが直接結合している形態であってもよい。
式(3)中、nは1以上の整数であって、mは0又は1以上の整数である。
変性剤である窒素基含有エポキシ化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、N,N-ジグリシジル-4-グリシドキシアニリン、1-N,N-ジグリシジルアミノメチル-4-グリシドキシ-シクロヘキサン、4-(4-グリシドキシフェニル)-(N,N-ジグリシジル)アニリン、4-(4-グリシドキシフェノキシ)-(N,N-ジグリシジル)アニリン、4-(4-グリシドキシベンジル)-(N,N-ジグリシジル)アニリン、4-(N,N’-ジグリシジル-2-ピペラジニル)-グリシドキシベンゼン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、4,4-メチレン-ビス(N,N-ジグリシジルアニリン)、1,4-ビス(N,N-ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-p-フェニレンジアミン、4,4’-ビス(ジグリシジルアミノ)ベンゾフェノン、4-(4-グリシジルピペラジニル)-(N,N-ジグリシジル)アニリン、2-〔2-(N,N-ジグリシジルアミノ)エチル〕-1-グリシジルピロリジン、N,N-ジグリシジルアニリン、4,4’-ジグリシジル-ジベンジルメチルアミン、N,N-ジグリシジルアニリン、N,N-ジグリシジルオルソトルイジン、N,N-ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
これらのうち特に好ましいものとして、N,N-ジグリシジル-4-グリシドキシアニリン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンが挙げられる。
変性剤が有するアルコキシシリル基は、例えば、共役ジエン系重合体が有する活性末端と反応して、アルコキシリチウムが解離し、共役ジエン系重合体鎖の末端と変性剤残基の珪素との結合を形成する傾向にある。変性剤1分子が有するSiORの総数から、反応により減じたSiOR数を差し引いた値が、変性剤残基が有するアルコキシシリル基の数となる。また、変性剤が有するアザシラサイクル基は、>N-Li結合及び共役ジエン系重合体末端と変性剤残基の珪素との結合を形成する。なお、>N-Li結合は、仕上げ時の水等により容易に>NH及びLiOHとなる傾向にある。また、変性剤において、未反応で残存したアルコキシシリル基は仕上げ時の水等により容易にシラノール(Si-OH基)となり得る傾向にある。
変性反応工程における反応時間は、好ましくは10秒以上、より好ましくは30秒以上である。
変性反応工程における混合は、機械的な攪拌、スタティックミキサーによる攪拌等のいずれでもよい。
重合工程が連続式である場合は、変性反応工程も連続式であることが好ましい。
反応工程における反応器は、例えば、撹拌機付きの槽型、管型のものが用いられる。変性剤は、不活性溶媒により希釈して反応器に連続的に供給してもよい。重合工程が回分式の場合は、重合反応器に変性剤を投入する方法でも、別の反応器に移送して反応工程を行ってもよい。
mは、1~3の整数を表し、pは、1又は2を表す。
複数存在する場合のR12~R22、m、及びpは、各々独立している。
iは、0~6の整数を表し、jは0~6の整数を表し、kは0~6の整数を表し、(i+j+k)は1~10の整数を表す。
Aは、単結合、炭素数1~20の炭化水素基、又は、酸素原子、窒素原子、珪素原子、硫黄原子、リン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を有し、活性水素を有しない有機基を表す。
Aが表す炭化水素基としては、飽和、不飽和、脂肪族、及び芳香族の炭化水素基を含む。活性水素を有しない有機基は、共役ジエン系重合体が有する活性末端を不活性化させる有機基である。その有機基としては、水酸基(-OH)、第2級アミノ基(>NH)、第1級アミノ基(-NH2)、スルフヒドリル基(-SH)の活性水素を有する官能基がない、有機基である。なお、(i+j+k)が1の場合は、Aは無いものとしてよい。
これにより、本実施形態のより優れた性能を有する変性共役ジエン系重合体を得ることができる傾向にある。
このような変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]アミン、トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3-トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)-[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]-1,3-プロパンジアミン、テトラキス[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]-1,3-プロパンジアミン、テトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-プロパンジアミン、テトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)-メチル-1,3-プロパンジアミン、ビス[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]-(3-トリスメトキシシリルプロピル)-メチル-1,3-プロパンジアミンが挙げられる。
このような変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、テトラキス[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]-1,3-プロパンジアミン、テトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-プロパンジアミン、テトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、N1-(3-(ビス(3-(トリメトキシシリル)プロピル)アミノ)プロピル)-N1-メチル-N3-(3-(メチル(3-(トリメトキシシリル)プロピル)アミノ)プロピル)-N3-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)-1,3-プロパンジアミンが挙げられる。
具体的な共役ジエン系重合体のモル数、すなわち重合開始剤のモル数は、変性剤のモル数に対して、好ましくは1.0倍モル以上、より好ましくは2.0倍モル以上であることが好ましい。この場合、式(VI)において、変性剤の官能基数((m-1)×i+p×j+k)は、1~10の整数であることが好ましく、2~10の整数であることがより好ましい。
(A)変性共役ジエン系重合体は、共役ジエン部を水素化したものであってもよい。共役ジエン部を水素化する方法は、特に限定されず、公知の方法が利用できる。
好適な水素化の方法としては、触媒の存在下、重合体溶液に気体状水素を吹き込む方法で水素化する方法が挙げられる。
触媒としては、例えば、貴金属を多孔質無機物質に担持させた触媒等の不均一系触媒;ニッケル、コバルト等の塩を可溶化し有機アルミニウム等と反応させた触媒、チタノセン等のメタロセンを用いた触媒等の均一系触媒が挙げられる。これら中でも、マイルドな水素化条件を選択できる観点から、チタノセン触媒が好ましい。また、芳香族基の水素化は、貴金属の担持触媒を用いることによって行うことができる。
水素化触媒の具体例としては、以下のものに限定されないが、例えば、(1)Ni,Pt,Pd,Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(2)Ni,Co,Fe,Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩等の遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、(3)Ti,Ru,Rh,Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等が挙げられる。さらに、水素化触媒として、例えば、特公昭42-8704号公報、特公昭43-6636号公報、特公昭63-4841号公報、特公平1-37970号公報、特公平1-53851号公報、特公平2-9041号公報、特開平8-109219号公報に記載された公知の水素化触媒も挙げられる。好ましい水素化触媒としては、チタノセン化合物と還元性有機金属化合物との反応混合物が挙げられる。
(A)変性共役ジエン系重合体の製造工程においては、変性反応工程の後、変性共役ジエン系重合体溶液に、必要に応じて、失活剤、中和剤等を添加してもよい。
失活剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール等が挙げられる。中和剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、バーサチック酸(炭素数9~11個で、10個を中心とする、分岐の多いカルボン酸混合物)等のカルボン酸;無機酸の水溶液、炭酸ガスが挙げられる。
(A)変性共役ジエン系重合体は、重合後のゲル生成を防止する観点、及び加工時の安定性を向上させる観点から、ゴム用安定剤を添加することが好ましい。ゴム用安定剤としては、以下のものに限定されず、公知のものを用いることができるが、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシトルエン(BHT)、n-オクタデシル-3-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェノール)プロピネート、2-メチル-4,6-ビス[(オクチルチオ)メチル]フェノール等の酸化防止剤が好ましい。
(A)変性共役ジエン系重合体の加工性をより改善するために、必要に応じて、伸展油を(A)変性共役ジエン系共重合体に添加することができる。伸展油を変性共役ジエン系重合体に添加する方法としては、以下のものに限定されないが、伸展油を該重合体溶液に加え、混合して、油展共重合体溶液としたものを脱溶媒する方法が好ましい。伸展油としては、例えば、アロマ油、ナフテン油、パラフィン油等が挙げられる。これらの中でも、環境安全上の観点、並びにオイルブリード防止及びウェットグリップ特性の観点から、IP346法による多環芳香族(PCA)成分が3質量%以下であるアロマ代替油が好ましい。アロマ代替油としては、Kautschuk Gummi Kunststoffe 52(12)799(1999)に示されるTDAE(Treated Distillate Aromatic Extracts)、MES(Mild Extraction Solvate)等の他、RAE(Residual Aromatic Extracts)が挙げられる。伸展油の添加量は、特に限定されないが、(A)変性共役ジエン系重合体100質量部に対し、10質量部以上60質量部以下が好ましく、20質量部以上37.5質量部以下がより好ましい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物は、(B)ポリブタジエンを含有する。
(B)ポリブタジエンは、ミクロ構造分析におけるシス1,4結合含量が80.0モル%以上である。
ミクロ構造におけるシス1,4結合含量は、80.0モル%以上であり、90.0モル%以上であることが好ましく、95.0モル%以上であることがより好ましい。シス1,4結合量が上記範囲であることにより、高い耐摩耗性が得られる傾向にある。
(B)ポリブタジエンのシス1,4結合含量は、イットリウム、ニッケル、コバルト、ネオジウム、チタン等の遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物を組み合わせて重合することにより上記数値範囲に制御することができる。
(B)ポリブタジエンの100℃で測定されるムーニー粘度(ML(1+4))は、20以上120以下であることが好ましく、30以上100以下であることがより好ましく、40以上80以下であることがさらにより好ましい。ムーニー粘度が120以下であることにより良好な加工性が得られる傾向にあり、20以上であることにより高い破壊特性が得られる傾向にある。
(A)変性共役ジエン系重合体は、低分子量成分の変性率が比較的高いことで、充填剤等と混練りをする際にミキサーのトルクがよくかかり、短時間で充填剤の分散性の良好なゴム組成物を得られる傾向にあるため、(A)変性共役ジエン系重合体と(B)ポリブタジエンとを組み合わせることによって、トルクがよくかかり良く練られる傾向にあり、加工性が改良し、かつ高いシス1,4結合を有するポリブタジエンの特徴である優れた耐摩耗性も得られる。
(a-1)成分であるコバルト化合物としては、コバルトの塩や錯体が好ましく用いられる。特に好ましいものとしては、塩化コバルト、臭化コバルト、硝酸コバルト、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、酢酸コバルト、マロン酸コバルト等のコバルト塩、コバルトのビスアセチルアセトネートやトリスアセチルアセトネート、アセト酢酸エチルエステルコバルト、コバルトのピリジン錯体やピコリン錯体等の有機塩基錯体、コバルトのエチルアルコール錯体等が挙げられる。
コバルト化合物は、一種のみを単独で用いてもよく、二種以上組合せて用いてもよい。
(b)成分の非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物を構成する非配位性アニオンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラ(フェニル)ボレート、テトラ(フルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラキス(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(トルイル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、(トリフェニル,ペンタフルオロフェニル)ボレート、[トリス(ペンタフルオロフェニル),フェニル]ボレート、トリデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレートなどが挙げられる。
一方、カチオンとしては、カルベニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプタトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオン等が挙げられる。
カルベニウムカチオンとしては、例えば、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリ置換フェニルカルベニウムカチオン等の三置換カルベニウムカチオンが挙げられる。
トリ置換フェニルカルベニウムカチオンとしては、例えば、トリ(メチルフェニル)カルベニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルベニウムカチオンが挙げられる。
アンモニウムカチオンとしては、例えば、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n-ブチル)アンモニウムカチオン等のトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチルアニリニウムカチオン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオン、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムカチオン等のN,N-ジアルキルアニリニウムカチオン、ジ(i-プロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオン等のジアルキルアンモニウムカチオンが挙げられる。
ホスホニウムカチオンとしては、例えば、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンが挙げられる。
(b)イオン性化合物は、一種のみを単独で用いてもよく、二種以上組合せて用いてもよい。
(c)成分の周期律表第I~III族元素の有機金属化合物としては、有機リチウム、有機マグネシウム、有機アルミニウム等が用いられる。中でも、有機金属化合物としては、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムクロライド、ジアルキルアルミニウムブロマイド、アルキルアルミニウムセスキクロライド、アルキルアルミニウムセスキブロマイド等の有機アルミニウムが好ましい。有機アルミニウムの具体的な化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウムが挙げられる。
さらに、有機アルミニウムには、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムクロライド、セスキエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどの有機アルミニウムハロゲン化合物、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、セスキエチルアルミニウムハイドライド等の水素化有機アルミニウム化合物も含まれる。有機金属化合物は、単独で用いてもよく、二種以上組合せて用いてもよい。
各成分の配合割合は、各種条件により適宜設定すればよいが、(a-1)成分と(b)成分とのモル比は、(a-1):(b)=1:0.1~10が好ましく、1:0.2~5がより好ましい。
(a)成分と(c)成分とのモル比は、(a):(c)=1:0.1~1000が好ましく、1:1~500がより好ましい。
(c)成分と(d)成分とのモル比は、(c):(d)=1:0.01~2が好ましく、1:0.01~1.5がより好ましく、1:0.1~1.5がさらに好ましい。
各成分の添加順序は、特に制限はないが、例えば次の順序で行うことが好ましい。
すなわち、重合すべき1,3-ブタジエンの存在下に、(d)成分を添加し、(c)成分を添加した後、(a-1)成分と(b)成分を任意の順序で添加することが好ましい。
(a-1)成分と(b)成分は同時に添加してもよく、間隔をあけて添加してもよいが、(a-1)成分を添加後に(b)成分を添加することがより好ましい。
(d)成分を添加し(c)成分を添加することで助触媒が形成され、その後に(a-1)成分と前記助触媒が接触することで、最初に有効で均質な活性種が形成されるためである。
なお、(a-1)成分と(b)成分とを同時に又は3分間未満の間隔をあけて添加することが好ましく、2分間以下の間隔をあけて添加することがより好ましく、1分間以下の間隔をあけて添加することがさらに好ましい。
3分間以上の間隔をあけてしまうと、不均質な活性種が形成し、超高分子量成分が生成してしまい、所望のMz/Mwを持つポリブタジエンが得られにくくなる。逆に、(a-1)成分と(b)成分とを同時に又は3分間未満の間隔をあけて添加すれば、破壊強力、耐摩耗性及び低ロス性のバランスが改良できるポリブタジエンが得られやすくなる。
1,3-ブタジエンの存在下に(c)成分と(d)成分を混合した後に熟成することが好ましい。熟成温度は、-50~80℃が好ましく、-10~50℃がより好ましい。熟成時間は、0.01~24時間が好ましく、好ましくは0.05~5時間がより好ましく、0.1~3時間がさらに好ましい。
また、各成分は、無機化合物又は有機高分子化合物に担持された状態で用いることができる。
(B)ポリブタジエンの重合時には、溶媒を用いることができる。
溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、n-ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の飽和脂肪族炭化水素溶媒、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素溶媒、1-ブテン、シス-2-ブテン、トランス-2-ブテン等のC4留分などのオレフィン系炭化水素溶媒、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の石油系炭化水素溶媒、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。
また、1,3-ブタジエンそのものを重合溶媒としてもよい。中でも、ベンゼン、シクロヘキサン、シス-2-ブテンとトランス-2-ブテンとの混合物などが好適に用いられる。
(B)ポリブタジエンの重合時には、分子量調節剤を用いることができる。
分子量調節剤としては、シクロオクタジエン、アレンなどの非共役ジエン類、エチレン、プロピレン、ブテン-1等のα-オレフィン類を使用することができる。特に好ましくはシクロオクタジエンであり、その使用量は、1,3-ブタジエン1モル当たり30ミリモル以下が好ましく、5ミリモル以下がより好ましい。この範囲を超える量の分子量調節剤を用いると、ML粘度のずれの問題が生ずる場合がある。
(B)ポリブタジエンの重合温度は-30~100℃の範囲が好ましく、30~80℃の範囲が特に好ましい。重合時間は10分~12時間の範囲が好ましい。また、重合圧は、常圧又は10気圧(ゲージ圧)程度までの加圧下に行われる。
(a-2)ネオジウム化合物としては、ネオジウムのカルボン酸塩、アルコキサイド、β-ジケトン錯体、リン酸塩または亜リン酸塩が挙げられ、この中でも、カルボン酸塩またはリン酸塩が好ましく、特にカルボン酸塩が好ましい。
ネオジウムのカルボン酸塩としては、一般式(R4CO2)3Mで表され(Mは周期律表第3B族の金属である)、R4は炭素数1~20の炭化水素置換基を示し、好ましくは飽和または不飽和のアルキル基であり、かつ直鎖状、分岐状または環状であり、カルボキシル基は1級、2級または3級の炭素原子に結合している。
具体的には、オクタン酸、2-エチル-ヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸、及びバーサチック酸(シェル化学の商品名であって、カルボキシル基が3級炭素原子に結合しているカルボン酸である)等の塩が挙げられ、2-エチル-ヘキサン酸及びバーサチック酸の塩が好ましい。
(a-3)イットリウム化合物としては、例えば、三塩化イットリウム、三臭化イットリウム、三ヨウ化イットリウム、硝酸イットリウム、硫酸イットリウム、トリフルオロメタンスルホン酸イットリウム、酢酸イットリウム、トリフルオロ酢酸イットリウム、マロン酸イットリウム、オクチル酸(エチルヘキサン酸)イットリウム、ナフテン酸イットリウム、バーサチック酸イットリウム、ネオデカン酸イットリウム等のイットリウム塩や、イットリウムトリメトキシド、イットリウムトリエトキシド、イットリウムトリイソプロポキシド、イットリウムトリブトキシド、イットリウムトリフェノキシドなどのアルコキシド、トリスアセチルアセトナトイットリウム、トリス(ヘキサンジオナト)イットリウム、トリス(ヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(ジメチルヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(テトラメチルヘプタンジオナト)イットリウム、トリスアセトアセタトイットリウム、シクロペンタジエニルイットリウムジクロライド、ジシクロペンタジエニルイットリウムクロライド、トリシクロペンタジエニルイットリウム等の有機イットリウム化合物、イットリウム塩ピリジン錯体、イットリウム塩ピコリン錯体等の有機塩基錯体、イットリウム塩水和物、イットリウム塩アルコール錯体等を挙げることができる。
特に下記の一般式(5)で表されるイットリウム錯体が好ましい。
上記一般式で表されるイットリウム化合物の例として、トリス(アセチルアセトナト)イットリウム、トリス(ヘキサンジオナト)イットリウム、トリス(ヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(ジメチルヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(トリメチルヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(テトラメチルヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(ペンタメチルヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(ヘキサメチルヘプタンジオナト)イットリウム、トリスアセトアセタトイットリウムなどを挙げることができる。
式(6)中、R1~R6は、水素又は炭素数1~12の炭化水素基であることが好ましい。
変性剤としては、シリル化アミノ基を含んだカルボン酸エステル、チオカルボン酸エステル、エポキシ基含有アルコキシシラン化合物、イソシアネート基含有アルコキシシラン化合物、カルボキシル基含有アルコキシシラン化合物、イミン基含有ヒドロカルビルオキシシアン化合物等が挙げられる。
変性剤の添加量は、特に限定されないが、重合末端1molに対して、0.5mol以上18mol以下であることが、得られる変性ポリブタジエンの変性率増加の観点から好ましいが、所望の変性率に応じて、変性剤の添加量を適宜調整することもできる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物は、(A)成分である変性共役ジエン系重合体100質量部と、(B)成分であるポリブタジエン10~80質量部含むものであり、(B)成分は15~60質量部含むことが好ましく、20~40質量部含むことがより好ましい。
(B)成分であるポリブタジエン10~80質量部含むことにより、耐摩耗性が良好になる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物においては、(A)変性共役ジエン系重合体及び(B)ポリブタジエン以外の、その他の重合体を含んでもよい。
当該その他の重合体としては、ゴム状重合体(以下、単に「ゴム状重合体」という。)、又は樹脂状重合体が挙げられる。
ゴム状重合体としては、以下のものに限定されないが、例えば、共役ジエン系重合体又はその水素添加物、共役ジエン系化合物とビニル芳香族化合物とのランダム共重合体又はその水素添加物、共役ジエン系化合物とビニル芳香族化合物とのブロック共重合体又はその水素添加物、非ジエン系重合体、天然ゴムが挙げられる。具体的なゴム状重合体としては、以下のものに限定されないが、例えば、ブタジエンゴム又はその水素添加物、イソプレンゴム又はその水素添加物、スチレン-ブタジエンゴム又はその水素添加物、スチレン-ブタジエンブロック共重合体又はその水素添加物、スチレン-イソプレンブロック共重合体又はその水素添加物等のスチレン系エラストマー、アクリロニトリル-ブタジエンゴム又はその水素添加物が挙げられる。
前記非ジエン系重合体としては、以下のものに限定されないが、例えば、エチレン-プロピレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム、エチレン-ブテン-ジエンゴム、エチレン-ブテンゴム、エチレン-ヘキセンゴム、エチレン-オクテンゴム等のオレフィン系エラストマー、ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、α、β-不飽和ニトリル-アクリル酸エステル-共役ジエン共重合ゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴムが挙げられる。
前記天然ゴムとしては、以下のものに限定されないが、例えば、スモークドシートであるRSS3~5号、SMR、エポキシ化天然ゴムが挙げられる。
前記その他の重合体は、水酸基、アミノ基等の極性を有する官能基を付与した変性ゴムであってもよい。タイヤ用に用いる場合、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、天然ゴム、ブチルゴムが好ましく用いられる。
その他の重合体がゴム状重合体である場合、その重量平均分子量は、性能と加工特性のバランスの観点から、2,000以上2,000,000以下であることが好ましく、5,000以上1,500,000以下であることがより好ましい。また、低分子量のゴム状重合体、いわゆる液状ゴムを用いることもできる。これらのゴム状重合体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の重合体組成物は、上述した本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物と、その他の成分を含有する。
この場合、加工性の観点から、変性共役ジエン系重合体組成物の含有量は、10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましい。
本実施形態のゴム組成物は、上述した本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物を10質量%以上含むゴム状重合体100質量部と、充填剤5~150質量部とを含有する。
その他のゴム状重合体に対する変性共役ジエン系重合体組成物の含有比率(質量比)は、(変性共役ジエン系重合体組成物/その他のゴム状重合体)として、10/90以上100/0以下が好ましく、20/80以上90/10以下がより好ましく、50/50以上80/20以下がさらに好ましい。
したがって、ゴム状重合体成分は、該ゴム状重合体成分の総量(100質量%)に対して、変性共役ジエン系重合体組成物を、好ましくは10質量%以上100質量%以下含み、より好ましくは20質量%以上90質量%以下含み、さらに好ましくは50質量%以上80質量%以下含む。
(変性共役ジエン系重合体組成物/ゴム状重合体)の含有比率が上記範囲であると、加硫物としたときに、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスが優れ、耐摩耗性及び破壊強度も満足する。
加硫物としては、例えば、タイヤ、ホース、靴底、防振ゴム、自動車部品、免振ゴムが挙げられ、また、耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹脂等の樹脂強化用ゴムも挙げられる。
特に、変性共役ジエン系重合体組成物は、タイヤ用のトレッドゴムの組成物に好適に用いられる。加硫物は、例えば、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物を、必要に応じて、シリカ系無機充填剤、カーボンブラック等の無機充填剤、本実施形態の変性共役ジエン系重合体以外のゴム状重合体、シランカップリング剤、ゴム用軟化剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤等と混練して、変性共役ジエン系重合体組成物とした後、加熱して加硫することにより得ることができる。
また、当該充填剤は、シリカ系無機充填剤を含むことが好ましい。
ゴム組成物は、シリカ系無機充填剤を分散させることで、加硫物とする際の加工性により優れる傾向にあり、加硫物としたときに、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスと、破壊強度及び耐摩耗性と、により優れる傾向にある。
本実施形態のゴム組成物が、タイヤ、防振ゴム等の自動車部品、靴等の加硫ゴム用途に用いられる場合にも、シリカ系無機充填剤を含むことが好ましい。
ゴム組成物中の充填剤の含有量は、変性共役ジエン系重合体組成物を含むゴム成分100質量部に対して、5.0質量部以上150質量部以下であり、10質量部以上120質量部以下であることが好ましく、20質量部以上100質量部以下であることがより好ましい。
充填剤の含有量は、充填剤の添加効果が発現する観点から、5.0質量部以上であり、充填剤を十分に分散させ、ゴム組成物の加工性及び機械強度を実用的に十分なものとする観点から、150質量部以下である。
具体的なシリカ系無機充填剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、シリカ、クレイ、タルク、マイカ、珪藻土、ウォラストナイト、モンモリロナイト、ゼオライト、ガラス繊維等の無機繊維状物質が挙げられる。また、表面を疎水化したシリカ系無機充填剤、シリカ系無機充填剤とシリカ系以外の無機充填剤との混合物も挙げられる。これらの中でも、強度及び耐摩耗性等の観点から、シリカ及びガラス繊維が好ましく、シリカがより好ましい。シリカとしては、例えば、乾式シリカ、湿式シリカ、合成ケイ酸塩シリカが挙げられる。これらのシリカの中でも、破壊特性の改良効果及びウェットスキッド抵抗性のバランスに優れる観点から、湿式シリカが好ましい。
本実施形態において、特に比較的比表面積の大きい(例えば、200m2/g以上の)シリカ系無機充填剤を用いる場合に、(A)変性共役ジエン系重合体は、シリカの分散性を改善し、特に耐摩耗性の向上に効果があり、良好な破壊特性と低ヒステリシスロス性とを高度にバランスさせることができる傾向にある。
シリカ系無機充填剤の含有量は、無機充填剤の添加効果が発現する観点から、5.0質量部以上であり、無機充填剤を十分に分散させ、組成物の加工性及び機械強度を実用的に十分なものとする観点から、150質量部以下である。
カーボンブラックの含有量は、変性共役ジエン系重合体組成物を含むゴム状重合体成分100質量部に対して、0.5質量部以上100質量部以下が好ましく、3.0質量部以上100質量部以下がより好ましく、5.0質量部以上50質量部以下がさらに好ましい。カーボンブラックの含有量は、ドライグリップ性能、導電性等のタイヤ等の用途に求められる性能を発現する観点から、0.5質量部以上とすることが好ましく、分散性の観点から、100質量部以下とすることが好ましい。
金属酸化物としては、以下のものに限定されないが、例えば、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛が挙げられる。金属水酸化物としては、以下のものに限定されないが、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウムが挙げられる。
シランカップリング剤は、ゴム成分と無機充填剤との相互作用を緊密にする機能を有しており、ゴム成分及びシリカ系無機充填剤のそれぞれに対する親和性又は結合性の基を有しており、硫黄結合部分とアルコキシシリル基又はシラノール基部分とを一分子中に有する化合物が好ましい。このような化合物としては、例えば、ビス-[3-(トリエトキシシリル)-プロピル]-テトラスルフィド、ビス-[3-(トリエトキシシリル)-プロピル]-ジスルフィド、ビス-[2-(トリエトキシシリル)-エチル]-テトラスルフィドが挙げられる。
シランカップリング剤の含有量は、上述した無機充填剤100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下が好ましく、0.5質量部以上20質量部以下がより好ましく、1.0質量部以上15質量部以下がさらに好ましい。シランカップリング剤の含有量が上記範囲であると、シランカップリング剤による上記添加効果を一層顕著なものにできる傾向にある。
ゴム用軟化剤としては、鉱物油、又は、液状若しくは低分子量の合成軟化剤が好適である。ゴムの軟化、増容、及び加工性の向上を図るために使用されているプロセスオイル又はエクステンダーオイルと呼ばれる鉱物油系ゴム用軟化剤は、芳香族環、ナフテン環、及びパラフィン鎖の混合物であり、パラフィン鎖の炭素数が全炭素中50質量%以上を占めるものがパラフィン系と呼ばれ、ナフテン環炭素数が全炭素中30質量%以上45質量%以下を占めるものがナフテン系、芳香族炭素数が全炭素中30質量%を超えて占めるものが芳香族系と呼ばれている。
(A)変性共役ジエン系重合体が共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体である場合、用いるゴム用軟化剤としては、適度な芳香族含量を有するものが共重合体との馴染みがよい傾向にあるため好ましい。
ゴム用軟化剤の含有量は、(A)変性共役ジエン系重合体を含有するゴム状重合体成分100質量部に対して、0質量部以上100質量部以下が好ましく、10質量部以上90質量部以下がより好ましく、30質量部以上90質量部以下がさらに好ましい。ゴム用軟化剤の含有量がゴム成分100質量部に対して100質量部以下であることで、ブリードアウトを抑制し、ゴム組成物表面のベタツキを抑制する傾向にある。
これらのうち、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機による溶融混練法が生産性、良混練性の観点から好ましい。また、ゴム成分とその他の充填剤、シランカップリング剤、及び添加剤とを一度に混練する方法、複数の回数に分けて混合する方法のいずれも適用可能である。
加硫促進剤としては、従来公知の材料を用いることができ、以下のものに限定されないが、例えば、スルフェンアミド系、グアニジン系、チウラム系、アルデヒド-アミン系、アルデヒド-アンモニア系、チアゾール系、チオ尿素系、ジチオカルバメート系の加硫促進剤が挙げられる。また、加硫助剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、亜鉛華、ステアリン酸が挙げられる。加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.01質量部以上20質量部以下が好ましく、0.1質量部以上15質量部以下がより好ましい。
その他の軟化剤としては、公知の軟化剤を用いることができる。その他の充填剤としては、具体的には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸バリウムが挙げられる。上記の耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、着色剤、潤滑剤としては、それぞれ公知の材料を用いることができる。
本実施形態のゴム組成物の製造方法は、(A)変性共役ジエン系重合体100質量部と、(B)ポリブタジエン10~80質量部と、充填剤としての(C)シリカを含有するフィラー5~150質量部とを、混練する工程を有する。
(C)フィラーは、シリカを必須成分として含有するものであり、この必須成分としてのシリカと共に、任意成分が含有されていてもよい。
(C)フィラーを構成するシリカとしては、一般的に充填剤として用いられているシリを用いることができるが、ゴム組成物から得られるゴム弾性体の転がり抵抗および反発弾性の観点から、一次粒子径が50nm以下である合成ケイ酸が好ましい。
(C)フィラーを構成するシリカの含有割合は、(A)変性共役ジエン系重合体と(B)ポリブタジエンとを含有するゴム状重合体成分100質量部に対して、10~120質量部であることが好ましく、より好ましくは20~100質量部である。
(C)フィラーの含有割合が過小である場合および過大である場合には、いずれの場合においても、ゴム組成物から得られるゴム弾性体において、硬度と転がり抵抗とのバランスが悪化するおそれがある。
このようなゴム組成物は、例えばプラストミルを用い、必須成分である、(A)変性共役ジエン系重合体、B)ポリブタジエン、および充填剤と共に、必要に応じて任意成分を混合して混練することによって製造することができる。
従って、本実施形態のゴム組成物によれば、転がり抵抗が小さく、優れた反発弾性を有するゴム弾性体を得ることができる。
具体的には、先ず、(A)変性共役ジエン系重合体、(C)シリカを含有するフィラー、及び必要に応じて任意成分を混練し、混練物を得た後、その混練物にポリブタジエン(B)を添加して更に混練する。
(A)変性共役ジエン系重合体と、(C)フィラーとを混練した後、得られた混練物と、(B)ポリブタジエンとを混練することにより、ゴム組成物中のシリカの分散性をより一層良好なものとすることができるため、得られるゴム弾性体が、より一層、転がり抵抗が小さく、優れた反発弾性を有するものとなる。
変性共役ジエン系重合体組成物とその他のゴム状重合体、シリカ系無機充填剤、カーボンブラックやその他の充填剤、シランカップリング剤、ゴム用軟化剤等の添加剤を混合する方法については、以下のものに限定されないが、例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解混合後、溶剤を加熱除去する方法が挙げられる。これらのうち、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機による溶融混練法が生産性、良混練性の観点から好ましい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物を含有するゴム組成物は、タイヤ用のゴム組成物として好適に用いられる。
本実施形態のタイヤ用のゴム組成物は、以下のものに限定されないが、例えば、省燃費タイヤ、オールシーズンタイヤ、高性能タイヤ、スタッドレスタイヤ等の各種タイヤ:トレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部等のタイヤ各部位への利用が可能である。特に、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物を含有するタイヤ用のゴム組成物は、加硫物としたときに低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランス及び耐摩耗性に優れているので、省燃費タイヤ、高性能タイヤのトレッド用として、より好適に用いられる。
各種の物性は下記に示す方法により測定した。
変性共役ジエン系重合体の重合に用いる1,3-ブタジエンを、下記工程により精製した。
(水洗工程)
循環水量1m3/hr、更新(メイクアップ)水量0.1m3/hrの条件で運転した。
1,3-ブタジエンと洗浄水とを、スタティックミキサー((株)ノリタケ カンパニーリミテッド社製のスタティックミキサーN60シリーズ)を使用して混合し、その後、デカンターに移送し、当該デカンターで1,3-ブタジエン相と水相とを分離した。
なお、液温度30℃、デカンター圧力1.0MPaGの条件で運転した。
デカンターでの1,3-ブタジエン相の滞留時間は30分間であった。
前記デカンターで分離した水相を、脱1,3-ブタジエン槽へ導入し、スチームと混合して89℃に加熱し、同時に、全圧を0.01MPaGとして、1,3-ブタジエンを水相から分離した。
続いて、脱酸素剤として、ダイクリーンF-504(栗田工業製)の10%水溶液を使用し、循環流速:1m3/hrで、前記(水洗工程)後の1,3-ブタジエンと前記脱酸素剤の水溶液とをスタティックミキサーを使用して混合し、液液抽出を行った。その後、デカンターに移動し、当該デカンターで、1,3-ブタジエン相と水相とを分離した。
デカンターでの1,3-ブタジエン相の滞留時間は30分間であった。なお、液温度30℃、デカンター圧力1.0MPaGの条件で運転した。
さらに続いて、10%苛性ソーダ水溶液を、循環流速:1m3/hrで、ポールリング入り充填塔を使用して、前記(脱酸素剤による酸素除去工程)後の1,3-ブタジエンと混合し、液液抽出を行い、さらに他のデカンターに移送し、当該他のデカンターで、1,3-ブタジエン相と水相とを分離した。
当該他のデカンターでの1,3-ブタジエン相の滞留時間は60分間であった。なお、重合禁止剤除去工程においては、液温度30℃、デカンター圧力1.0MPaGの条件で運転した。
前記他のデカンターで分離した1,3-ブタジエン相に、混合ヘキサンを加えて、1,3-ブタジエン濃度:50質量%として、脱水塔へ供給した。
脱水塔においてトップ(塔頂)から、留出した1,3-ブタジエンと水の共沸混合物を冷却、凝縮させた後、デカンターに移送し、当該デカンターで1,3-ブタジエン相と水相とを分離した。
水相は除去し、1,3-ブタジエン相は、脱水塔の塔入り口に戻し、連続的に脱水塔工程を行った。
脱水塔のボトム(塔底)から脱水された1,3-ブタジエンとへキサンとの混合液を取り出した。
前記1,3-ブタジエンとヘキサンとの混合液を、活性アルミナ入り500Lのデシカントドライヤー((株)日立製作所製 竪型円筒槽)を通過させ、1,3-ブタジエン中の微量の残余不純物を吸着除去し、精製した1,3-ブタジエンを得た。
変性共役ジエン系重合体の重合に用いるスチレンを、下記工程により精製した。
3mmφ×3mmの円柱型に成形したγ-アルミナを、濃度0.6%の塩化パラジウム水溶液に含浸させ、100℃で1昼夜乾燥させた。
次いで、その乾燥物を水素気流下で400℃の温度で16時間還元処理して組成がPd(0.3%)/γ-Al2O3の水素添加触媒を得た。
得られた水素添加触媒2000gを管型反応器に充填し、この触媒の温度を80℃に保ちながら、粗スチレンを8時間循環させることにより、精製したスチレンを得た。
変性共役ジエン系重合体の重合に用いるノルマルヘキサンを、下記工程により精製した。
モレキュラーシーブ13-X(ユニオン昭和)2000gを管型反応器に充填し、粗ノルマルヘキサンを室温で24時間循環させることにより、精製したノルマルヘキサンを得た。
原料中の不純物として、アレン類、アセチレン類、アミン類の定量分析を行った。
アレン類及びアセチレン類は、ガスクロマトグラフィー法により定性・定量した。
なお、カラムはRt-Alumina BOND/MAPD(島津製作所)を用いた。
また、アミン類は、ホウ酸を用いて抽出し、滴定法により定量し、不純物の総計(ppm)を算出した。
変性共役ジエン系重合体を試料として、試料100mgを、クロロホルムで100mLにメスアップし、溶解して測定サンプルとした。
スチレンのフェニル基による紫外線吸収波長(254nm付近)の吸収量により、試料である変性共役ジエン系重合体100質量%に対しての結合スチレン量(質量%)を測定した(島津製作所社製の分光光度計「UV-2450」)。
変性共役ジエン系重合体を試料として、試料50mgを、10mLの二硫化炭素に溶解して測定サンプルとした。
溶液セルを用いて、赤外線スペクトルを600~1000cm-1の範囲で測定して、所定の波数における吸光度によりハンプトンの方法(R.R.Hampton,Analytical Chemistry 21,923(1949)に記載の方法)の計算式に従い、ブタジエン部分のミクロ構造、すなわち、1,2-ビニル結合量(mol%)を求めた(日本分光社製のフーリエ変換赤外分光光度計「FT-IR230」)。
変性共役ジエン系重合体を試料として、ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを3本連結したGPC測定装置(東ソー社製の商品名「HLC-8320GPC」)を使用して、RI検出器(東ソー社製の商品名「HLC8020」)を用いてクロマトグラムを測定し、標準ポリスチレンを使用して得られる検量線に基づいて、重量平均分子量(Mw1)、数平均分子量(Mn1)、分子量分布(Mw1/Mn1)、変性共役ジエン系重合体のピークトップ分子量(Mp1)、及び分子量200万以上500万以下の変性共役ジエン系重合体の割合を求めた。
溶離液はTHF(テトラヒドロフラン)を使用した。
カラムは、東ソー社製の商品名「TSKgel SuperMultiporeHZ-H」を3本接続し、その前段にガードカラムとして東ソー社製の商品名「TSKguardcolumn SuperMP(HZ)-H」を接続して使用した。
測定用の試料10mgを20mLのTHFに溶解して測定溶液とし、測定溶液10μLをGPC測定装置に注入して、オーブン温度40℃、THF流量0.35mL/分の条件で測定した。
前記ピークトップ分子量(Mp1)は、以下のようにして求めた。
測定して得られるGPC曲線において、最も高分子量の成分として検出されるピークを選択した。その選択したピークについて、そのピークの極大値に相当する分子量を算出し、ピークトップ分子量とした。
また、上記の分子量200万以上500万以下の割合は、重合体の総質量に対する分子量200万以上500万以下の質量の割合として求めた。
変性共役ジエン系重合体を試料として、ムーニー粘度計(上島製作所社製の商品名「VR1132」)を用い、JIS K6300に準拠し、L形ローターを用いてムーニー粘度を測定した。
測定温度は、100℃とした。
まず、試料を1分間試験温度で予熱した後、ローターを2rpmで回転させ、4分後のトルクを測定してムーニー粘度(ML(1+4))とした。
変性共役ジエン系重合体を試料として、ISO 22768:2006に準拠して、マックサイエンス社製の示差走査熱量計「DSC3200S」を用い、ヘリウム50mL/分の流通下、-100℃から20℃/分で昇温しながらDSC曲線を記録し、DSC微分曲線のピークトップ(Inflection point)をガラス転移温度とした。
なお、Tgはオイル添加前の試料を測定した値である。
変性共役ジエン系重合体を測定用試料として、シリカ系ゲルを充填剤としたGPCカラムに、変性した塩基性重合体成分が吸着する特性を応用することにより、クロマトグラムを測定した。
前記測定用試料及び低分子量内部標準ポリスチレンを含む測定用試料溶液を、ポリスチレン系カラムで測定したクロマトグラムと、シリカ系カラムで測定したクロマトグラムと、の差分よりシリカ系カラムへの吸着量を測定し、変性率を求めた。
具体的には、以下に示すとおりである。
測定用試料溶液の調製:
前記測定用試料10mg及び標準ポリスチレン5mgを20mLのTHF(テトラヒドロフラン)に溶解させて、測定用試料溶液とした。
ポリスチレン系カラムを用いたGPC測定条件:
東ソー社製の商品名「HLC-8320GPC」を使用して、THFを溶離液として用い、測定用試料溶液10μLを装置に注入し、カラムオーブン温度40℃、THF流量0.35mL/分の条件で、RI検出器を用いてクロマトグラムを得た。カラムは、東ソー社製の商品名「TSKgel SuperMultiporeHZ-H」を3本接続し、その前段にガードカラムとして東ソー社製の商品名「TSKguardcolumn SuperMP(HZ)-H」を接続して使用した。
シリカ系カラムを用いたGPC測定条件:
東ソー社製の商品名「HLC-8320GPC」を使用して、THFを溶離液として用い、測定用試料溶液50μLを装置に注入し、カラムオーブン温度40℃、THF流量0.5mL/分の条件で、RI検出器を用いてクロマトグラムを得た。カラムは、商品名「Zorbax PSM-1000S」、「PSM-300S」、「PSM-60S」を接続して使用し、その前段にガードカラムとして商品名「DIOL 4.6×12.5mm 5micron」を接続して使用した。
変性率の計算方法:
ポリスチレン系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料のピーク面積をP1、標準ポリスチレンのピーク面積をP2、シリカ系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料のピーク面積をP3、標準ポリスチレンのピーク面積をP4として、下記式より変性率(質量%)を求めた。
変性率(質量%)=[1-(P2×P3)/(P1×P4)]×100
(上記式において、P1+P2=P3+P4=100とする。)
前記(物性3)の測定に従い、標準ポリスチレンを使用して得られる検量線に基づいて、重量平均分子量(Mw2)と数平均分子量(Mn2)と分子量分布(Mw2/Mn2)と、変性共役ジエン系重合体のピークトップ分子量(Mp2)を測定した。
但し、前記ピークトップ分子量(Mp2)は、ピークトップが複数存在する場合には分子量が最小であるピークトップの分子量であるものとし、このピークトップ分子量(Mp2)を2で除すことにより得られた分子量(低分子量成分の分子量)におけるチャートの高さをL1とした。
シリカカラムを用いて(物性6)の測定に従って測定されたチャートの、ピークトップ分子量(Mp2)を2で除すことにより得られた分子量(低分子量成分の分子量)における高さをL2とした。
低分子量成分の変性率は、(1-L2/L1)×100により算出した。
低分子量成分の変性度を、前記(物性7)低分子量成分の変性率(FL)を、前記(物性6)共役ジエン系重合体の総量に対する変性率(FT)で除すことにより算出した。
低分子量成分の変性度=(FL/FT)×100
変性共役ジエン系重合体を試料として、ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを3本連結した粘度検出器付きのGPC-光散乱測定装置を使用して、クロマトグラムを測定し、溶液粘度及び光散乱法に基づいて分子量を求めた。
溶離液はテトラヒドロフランとトリエチルアミンとの混合溶液(THF in TEA:トリエチルアミン5mLをテトラヒドロフラン1Lに混合させ調整した。)を使用した。
カラムは、ガードカラム:東ソー社製の商品名「TSKguardcolumn HHR-H」と、カラム:東ソー社製の商品名「TSKgel G6000HHR」、「TSKgel G5000HHR」、「TSKgel G4000HHR」とを接続して使用した。
オーブン温度40℃、THF流量1.0mL/分の条件で粘度検出器付きのGPC-光散乱測定装置(マルバーン社製の商品名「Viscotek TDAmax」)を用いた。
測定用の試料10mgを20mLのTHFに溶解して測定用試料溶液とし、測定用試料溶液200μLをGPC測定装置に注入して測定を行うことで、分子量と固有粘度を求めた。
得られた測定用試料溶液の固有粘度と分子量を用いて、収縮因子(g’)を算出した。
固有粘度と分子量の関係式([η]=KMα([η]:固有粘度、M:分子量))における定数(K、α)を、logK=-3.883、α=0.771として、分子量Mの範囲を1000~20000000まで入力して作成した標準固有粘度[η]0と分子量Mとの関係に対して、各分子量Mでの固有粘度[η]を標準固有粘度[η]0に対する固有粘度[η]の関係として[η]/[η]0を各分子量Mで算出し、その平均値を収縮因子(g’)とした。
なお、収縮因子(g’)はMが100万以上200万以下において平均した値である。
ICP質量分析装置(アジレント・テクノロジー社製Agilent7700s)を用いて、変性共役ジエン系重合体中の、ケイ素含有量の測定を行った。
微量全窒素分析装置(三菱化学アナリテック製TN-2100H)を用いて、変性共役ジエン系重合体中の、窒素含有量の測定を行った。
内容積が10Lで、内部の高さ(L)と直径(D)との比(L/D)が4.0であり、底部に入口、頂部に出口を有し、攪拌機及び温度制御用のジャケットを有する槽型圧力容器を重合反応器とした。
予め水分除去した、1,3-ブタジエンを19.4g/分、スチレンを10.6g/分、n-ヘキサンを150.0g/分の条件で混合した。この混合物に含まれるアレン類は9ppmであり、アセチレン類は12ppmであり、アミン類は1ppmであった。不純物総計は22ppmであった。
この混合溶液を反応基の入口に供給する配管の途中に設けたスタティックミキサーにおいて、残存不純物不活性処理用のn-ブチルリチウムを0.104mmol/分で添加、混合した後、反応基の底部に連続的に供給した。更に、極性物質として2,2-ビス(2-オキソラニル)プロパンを0.0216g/分の速度で、重合開始剤としてn-ブチルリチウムを0.252mmol/分の速度で、攪拌機で激しく混合する重合反応器の底部へ供給し、連続的に重合反応を継続させた。反応器頂部出口における重合溶液の温度が75℃となるように温度を制御した。
重合が十分に安定したところで、反応器の出口より流出した重合体溶液に、変性剤としてビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]アミン(表中、「A」と略す。)を0.043mmol/分の速度で連続的に添加し、変性剤を添加された重合体溶液はスタティックミキサーを通ることで混合され変性反応した。
変性反応した重合体溶液に、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2gとなるように0.055g/分(n-ヘキサン溶液)で連続的に添加し、カップリング反応を終了した。酸化防止剤と同時に、重合体100gに対してオイル(JX日鉱日石エネルギー社製 JOMOプロセスNC140)が37.5gとなるように連続的に添加し、スタティックミキサーで混合した。スチームストリッピングにより溶媒を除去して、変性共役ジエン系重合体(試料A-1)を得た。試料A-1の物性を表1に示す。
変性剤をトリス(3-トリメトキシシリルプロピル)アミン(表中、「B」と略す。)に替えた。その他の条件は(製造例1)と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料A-2)を得た。試料A-2の物性を表1に示す。
変性剤をN,N,N’-トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N’-[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]-1,3-プロパンジアミン(表中、「C」と略す。)に替え、重合開始剤であるn-ブチルリチウムの添加量を0.317mmol/分にし、極性物質添加量を0.027g/分にし、変性剤添加量を0.041mmol/分にした。その他の条件は、(製造例1)と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料A-3)を得た。試料A-3の物性を表1に示す。
変性剤をN,N,N’,N’-テトラキス[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]-1,3-プロパンジアミン(表中、「D」と略す。)に替え、変性剤の添加量を0.033mmol/分とした。その他の条件は、(製造例1)と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料A-4)を得た。試料A-4の物性を表1に示す。
重合開始剤であるn-ブチルリチウムの添加量を0.15mmol/分とし、極性物質添加量を0.0131g/分にし、変性剤をN-(3-トリメトキシシリルプロピル)-2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン(表中、「E」と略す。)に替え、変性剤の添加量を0.037mmol/分とした。その他の条件は、(製造例1)と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料A-5)を得た。試料A-5の物性を表1に示す。
重合開始剤であるn-ブチルリチウムの添加量を0.08mmol/分とし、極性物質添加量を0.0076g/分にし、変性剤をN-3-トリメトキシシリルプロピルトリアゾール(表中、「F」と略す。)に替え、変性剤の添加量を0.041mmol/分とした。その他の条件は、(製造例1)と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料A-6)を得た。試料A-6の物性を表1に示す。
ブタジエン及びスチレンの添加量をそれぞれ23g/分及び5g/分、極性物質添加量を0.0155g/分とした。その他の条件は、(製造例1)と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料A-7)を得た。試料A-7の物性を表1に示す。
ブタジエン及びスチレンの添加量をそれぞれ16g/分及び12g/分、極性物質添加量を0.024g/分とした。その他の条件は、(製造例4)と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料A-8)を得た。試料A-8の物性を表1に示す。
変性剤としてN,N-ジメチル-フェニルジメトキシシリルプロピルアミン(表中、「G」と略す。)を、0.03mmol/分の速度で連続的に添加した。その他の条件は、(製造例6)と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料A-9)を得た。試料A-9の物性を表1に示す。
変性剤の添加量を0.028mmol/分とした。その他の条件は、(製造例1)と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料A-10)を得た。試料A-10の物性を表1に示す。
試料A-4と試料A-9とを、質量比で(試料A-4):(試料A-9)=2:1で混練りすることにより、試料(A-11)を得た。試料A-11の物性を表2に示す。
内容積が10Lで、内部の高さ(L)と直径(D)との比(L/D)が4.0であり、底部に入口、頂部に出口を有し、攪拌機及び温度制御用のジャケットを有する槽型圧力容器を2基連結し重合反応器とした。
予め水分除去した、1,3-ブタジエンを22.3g/分、スチレンを12.5g/分、n-ヘキサンを214.0g/分の条件で混合した。この混合物に含まれるアレン類は8ppmであり、アセチレン類は13ppmであり、アミン類は1ppmであった。不純物総計は21ppmであった。
この混合溶液を反応基の入口に供給する配管の途中に設けたスタティックミキサーにおいて、残存不純物不活性処理用のn-ブチルリチウムを0.130mmol/分で添加、混合した後、反応基の底部に連続的に供給した。
更に、極性物質として2,2-ビス(2-オキソラニル)プロパンを0.0347g/分の速度で、重合開始剤として予め調製したピペリジノリチウム(表中、「LA-1」と略す。)とn-ブチルリチウム(モル比ピペリジノリチウム:n-ブチルリチウム=0.72:0.28、ピペリジンとn-ブチルリチウムをモル比ピペリジン:n-ブチルリチウム=0.72:1.00で調整することで得られる)の混合溶液を0.336mmol(リチウムモル比)/分の速度で、攪拌機で激しく混合する1基目重合反応器の底部へ供給し、連続的に重合反応を継続させた。
1基目反応器頂部出口における重合溶液の温度が65℃となるように温度を制御した。1基目反応器頂部と2基目反応器の底部を連結させることより、1基目反応器頂部から2基目反応器底部へ重合体溶液を連続的に供給した。2基目反応器頂部出口における重合体の温度が70℃となるように温度を制御した。
次に、2基目反応器の出口より流出した重合体溶液に、変性剤としてビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]アミン(表中、「A」と略す。)を0.0560mmol/分の速度で連続的に添加し、変性剤が添加された重合体溶液は、スタティックミキサーを通ることで混合され変性した。
変性反応した重合体溶液に、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2gとなるように0.055g/分(n-ヘキサン溶液)で連続的に添加し、カップリング反応を終了した。酸化防止剤と同時に、重合体100gに対してオイル(JX日鉱日石エネルギー社製 JOMOプロセスNC140)が37.5gとなるように連続的に添加し、スタティックミキサーで混合した。スチームストリッピングにより溶媒を除去して、変性共役ジエン系重合体(試料A-12)を得た。試料A-12の物性を表2に示す。
1,3-ブタジエンの精製において、水洗工程でのデカンターでの1,3-ブタジエン相の滞留時間を10分間に調整した。また、重合禁止剤除去工程でのデカンターでの1,3-ブタジエン相の滞留時間は20分間に調整した。また、スチレンの精製において、Pd(0.3%)/γ-Al2O3の水素添加触媒を得た。得られた触媒2000gを管型反応器に充填し、この触媒の温度を80℃に保ちながら、4時間循環精製したスチレンを使用した。ノルマルヘキサンの精製においては、実施例と同様の精製を実施した。
1,3-ブタジエン、スチレン、n-ヘキサンの混合物に含まれるアレン類は25ppmであり、アセチレン類は20ppmであり、アミン類は9ppmであった。不純物総計は54ppmであった。これを用いた以外は、前記(製造例1)と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料A-13)を得た。試料A-13の物性を表2に示す。
変性剤の添加量を0.020mmol/分とした。その他の条件は、前記(製造例1)と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料A-14)を得た。試料A-14の物性を表2に示す。
変性剤としてN,N-ジメチル-フェニルジメトキシシリルプロピルアミン(表中、「G」と略す。)を、0.03mmol/分の速度で連続的に添加した。その他の条件は、(製造比較例1)と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料A-15)を得た。試料A-15の物性を表2に示す。
内容積10リットルの攪拌機及びジャケットを付けた温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、製造例1と同様に精製した1,3-ブタジエン518g、スチレン282g、ノルマルヘキサン5600g、極性物質0.53gを反応器に入れ、反応器の内温を55℃に保持した後、重合開始剤としてn-ブチルリチウム8.75mmolを反応器に供給した。
反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度が83℃に達した。
反応器の温度が低下し始めた後、1分経過した時、重合反応終了とした。
重合反応終了後に反応器内の温度が83℃の時に、溶液相中に3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルトリエトキシシラン(表中、「H」と略す。)を4.375mmolを添加し、5分間撹拌して変性反応を実施し、変性反応した重合体溶液に、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2g添加し、変性共役ジエン系重合体(試料A-16)を得た。オイルは添加しなかった。
試料A-16の物性を表2に示す。
なお、表1の物性3は、最も分子量が低いピークについての分析値である。また、g’は、分子量が100万以上200万以下の範囲の成分が少なすぎたため、算出することができなかった。
製造比較例1により得られたポリマーと、製造比較例4により得られたポリマーとを、質量比で、(製造比較例1):(製造比較例4)=2:1で混合することにより、試料(A-17)を得た。試料A-17の物性を表2に示す。
製造比較例2により得られたポリマーと、製造比較例4により得られたポリマーとを、質量比で、(製造比較例2):(製造比較例4)=2:1で混合することにより、試料(A-18)を得た。試料A-18の物性を表2に示す。
窒素ガスで置換した内容積10リットル(L)の撹拌機つきステンレス製反応槽中に、重合溶液5.0L(ブタジエン(BD):34.2質量%、シクロヘキサン(CH):31.2質量%、残りは2-ブテン類)を投入した。
さらに、水(H2O)7.5mmol、1mol/Lのジエチルアルミニウムクロライドシクロヘキサン溶液10.4mL、1mol/Lのトリエチルアルミニウムシクロヘキサン溶液2.6mL、(全アルミニウム/水=1.73(混合モル比))、1mmol/Lのコバルトオクトエートシクロヘキサン溶液104.7mL、及びシクロオクタジエン(COD)31.3mmolを加え、70℃で20分間撹拌することで、1,4-シス重合を行った。
その後、2,6-ビス(t-ブチル)-4-メチルフェノール(BHT)5%を含むエタノールを加えて重合を停止し、未反応のブタジエン及び2-ブテン類を蒸発除去することで、ポリブタジエン(試料B-1)を得た。得られたポリブタジエン(試料B-1)の物性を表3に示す。
ポリブタジエンを試料として、試料50mgを、10mLの二硫化炭素に溶解して測定サンプルとした。
溶液セルを用いて、赤外線スペクトルを600~1000cm-1の範囲で測定して、所定の波数における吸光度によりハンプトンの方法(R.R.Hampton,Analytical Chemistry 21,923(1949)に記載の方法)の計算式に従い、ブタジエン部分のミクロ構造、すなわち、1,4-シス結合含量(mol%)、1,4-トランス結合含量(mol%)及び1,2-ビニル結合含量(mol%)を求めた(日本分光社製のフーリエ変換赤外分光光度計「FT-IR230」)。
ポリブタジエンを試料として、ムーニー粘度計(上島製作所社製の商品名「VR1132」)を用い、JIS K6300に準拠し、L形ローターを用いてムーニー粘度を測定した。
測定温度は、100℃とした。
まず、試料を1分間試験温度で予熱した後、ローターを2rpmで回転させ、4分後のトルクを測定してムーニー粘度(ML(1+4))とした。
容量500mLのフラスコを窒素で置換した後、室温にて1mol/Lのジイソブチルアルミニウムハイドライドシクロヘキサン溶液9mL、1mol/Lの1,3-ブタジエンシクロヘキサン溶液1mL及び1mmol/Lのネオジウム・バーサテイト(シェル化学(株)のバーサチックアシッドのネオジウム塩)シクロヘキサン溶液100mLをこの順に添加し、撹拌下、室温で15分間熟成した。
その後、0.1mmol/Lのメチルアルミノオキサントルエン溶液10mLを添加し、15分間熟成し、次いで0.1mol/Lのジエチルアルミニウムクロライドシクロヘキサン溶液3mLを添加し、40分熟成し、触媒溶液を調製した。
窒素ガスで置換した内容積10リットル(L)の撹拌機つきステンレス製反応槽中に、重合溶液5.0L(ブタジエン(BD):34.2質量%、シクロヘキサン(CH):65.8質量%)を投入した。上記触媒溶液を、ネオジウム錯体100μmol相当量を添加し、50℃で1時間重合した。重合後、2,6-ビス(t-ブチル)-4-メチルフェノール(BHT)5%を含むエタノールを加えて重合を停止し、未反応のブタジエン及び2-ブテン類を蒸発除去することで、ポリブタジエンB-2を得た。得られたポリブタジエンB-2の物性を表3に示す。
窒素ガスで置換した内容積10リットル(L)の撹拌機及びジャケット付きステンレス製反応槽中に、重合溶液5.0L(ブタジエン(BD):35質量%、トルエン:65質量%)を投入した。
溶液の温度を30℃とした後、トリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(1mol/L)25mLを添加した。次に、イットリウム(III)トリス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオエート)のトルエン溶液(0.05mol/L)1.25mLを添加して40℃まで加温した。2分間攪拌したのち、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(0.012mol/L)10mLを添加し、80℃で15分間重合した。
重合後、2,6-ビス(t-ブチル)-4-メチルフェノール(BHT)5%を含むエタノールを加えて重合を停止し、未反応のブタジエン及び2-ブテン類を蒸発除去することで、ポリブタジエンB-3を得た。得られたポリブタジエンB-3の物性を表3に示す。
窒素ガスで置換した内容積10リットルの撹拌機及びジャケット付きステンレス製反応槽中に、不純物を除去したブタジエン400g、シクロヘキサン2800gを反応器へ入れ、反応器内温を50℃に保持した後、重合開始剤としてn-ブチルリチウム5.1mmolを反応器に供給した。重合後、2,6-ビス(t-ブチル)-4-メチルフェノール(BHT)5%を含むエタノールを加えて重合を停止し、未反応のブタジエン及び2-ブテン類を蒸発除去することで、ポリブタジエンB-6を得た。得られたポリブタジエンB-6の物性を表3に示す。
表1及び表2中に示す(試料A-1~A-18)を(A)変性共役ジエン系重合体とし、表3中に示す(試料B-1~B-6)を(B)ポリブタジエンとして、以下に示す配合と表4~表6に従い、それぞれの原料ゴムを含有するゴム組成物を得た。
(A)成分 変性共役ジエン系重合体(試料A-1~A-18)
(B)成分 ポリブタジエン(B-1):試料B-1
ポリブタジエン(B-2):試料B-2
ポリブタジエン(B-3):試料B-3
ポリブタジエン(B-4):「BR150」宇部興産
ポリブタジエン(B-5):「CB24」アランセオ
ポリブタジエン(B-6):試料B-6
(B)ポリブタジエン(B-1~B-6)
シリカ1(エボニック デグサ社製の商品名「Ultrasil 7000GR」窒素吸着比表面積170m2/g):50.0質量部
シリカ2(ローディア社製の商品名「Zeosil Premium 200MP」窒素吸着比表面積220m2/g):25.0質量部
カーボンブラック(東海カーボン社製の商品名「シーストKH(N339)」):5.0質量部
シランカップリング剤(エボニック デグサ社製の商品名「Si75」、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド):6.0質量部
S-RAEオイル(JX日鉱日石エネルギー社製の商品名「プロセスNC140」):37.5質量部
亜鉛華:2.5質量部
ステアリン酸:1.0質量部
老化防止剤(N-(1,3-ジメチルブチル)-N‘-フェニル-p-フェニレンジアミン):2.0質量部
硫黄:2.2質量部
加硫促進剤1(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフィンアミド):1.7質量部
加硫促進剤2(ジフェニルグアニジン):2.0質量部
合計:234.9質量部
配合結果を表4~表6に示す。
温度制御装置を備える密閉混練機(内容量0.3L)を使用し、第一段の混練として、充填率65%、ローター回転数30~50rpmの条件で、原料ゴム(試料A-1~A-18)、充填剤(シリカ1、シリカ2、カーボンブラック)、シランカップリング剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸を混練した。
このとき、密閉混合機の温度を制御し、排出温度は155~160℃で各ゴム組成物(配合物)を得た。
第一段の混練り時、密閉混練機の混練開始後、トルクが上昇開始してから一定値になるまでにかかる時間を測定した。
各々の測定値は、比較例1の結果を100として指数化した。
指数が小さい方が、上昇時間が短く、成型性が良好であることを示す。
上述のようにして、第一段の混練を経て得られたゴム組成物(配合物)を用いて、70℃に設定したオープンロールにて、シート状の組成物を加工した。
得られたシート状組成物のシートの状態を目視にて、以下の基準により、5段階評価を行った。
点数が高い方が、シート加工性が良好であることを示す。
5:ロール作業時におけるまとまりが良く、シート肌が滑らかで、シートエッジもギザギザしていない。
4:ロール作業時におけるまとまりは良いが、シート肌がやや荒れていて、シートエッジもややギザギザしている。
3:ロール作業時におけるまとまりがやや悪く、シート肌がやや荒れていて、シートエッジもややギザギザしている。
2:ロール作業時におけるまとまりがやや悪く、シート肌が荒れていて、シートエッジもギザギザしている。
1:ロール作業時におけるまとまりが悪く、シート肌が荒れていて、シートエッジもギザギザしている。
上記で得た配合物を室温まで冷却後、老化防止剤を加え、シリカの分散を向上させるため再度混練した。この場合も、混合機の温度制御により、配合物の排出温度を155~160℃に調整した。
冷却後、第三段の混練りとして、70℃に設定したオープンロールにて、硫黄、加硫促進剤1、2を加えて混練した。
その後、成型し、160℃で20分間、加硫プレスにて加硫した。加硫前のゴム組成物、及び加硫後のゴム組成物を評価した。具体的には、下記の方法により評価した。
評価結果を表7~表9に示す。
第二段の混練後、架橋前の共役ジエン系重合体又は変性共役ジエン系重合体を試料として、ムーニー粘度計(上島製作所社製の商品名「VR1132」)を用い、JIS K6300に準拠し、L形ローターを用いてムーニー粘度を測定した。
測定温度は、100℃とした。
まず、試料を1分間試験温度で予熱した後、ローターを2rpmで回転させ、4分後のトルクを測定してムーニー粘度(ML(1+4))とした。
各々の測定値は、比較例1の結果を100として指数化した。指数が小さい方が、加工性が良好であることを示す。
加硫後のゴム組成物について、レオメトリックス・サイエンティフィック社製の粘弾性試験機「ARES」を使用し、ねじりモードで粘弾性パラメータを測定した。各々の測定値は、比較例1のゴム組成物に対する結果を100として指数化した。0℃において周波数10Hz、ひずみ1%で測定したtanδをウェットグリップ性の指標とした。値が大きいほどウェットグリップ性が良好であることを示す。また、50℃において周波数10Hz、ひずみ3%で測定したtanδを低ヒステリシスロス性の指標とした。指数が大きいほど低ヒステリシスロス性が良好であることを示す。
加硫後のゴム組成物について、JIS K6251の引張試験法に準拠し、引張破断強度、引張破断伸び、及び100%伸長時の応力(M100)を測定し、比較例1の結果を100として指数化した。
加硫後のゴム組成物について、アクロン摩耗試験機(安田精機製作所社製)を使用し、JIS K6264-2に準拠して、荷重44.4N、1000回転の摩耗量を測定し、比較例1の結果を100として指数化した。指数が大きいほど耐摩耗性が良好であることを示す。
また、加硫物としたときに、ウェットグリップ性と低ヒステリシスロス性のバランスに優れ、耐摩耗性にも優れることが確認された。そして、加硫物としたときに実用十分な破壊強度を有していることも確認された。
Claims (15)
- (A)重量平均分子量が20×104以上300×104以下であり、
分子量分布Mw/Mnが1.6以上4.0以下である、変性共役ジエン系重合体であって
、
共役ジエン系重合体の総量に対する変性率が50質量%以上であり、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)曲線におけるピークトップ、又は
前記ピークトップが複数存在する場合には分子量が最小であるピークトップの分子量の1
/2である分子量の成分の変性率が、前記共役ジエン系重合体の総量に対する変性率の1
/2以上であり、
窒素とケイ素とを、それぞれ3質量ppm以上含有する、変性共役ジエン系重合体100質量部と、
(B)ミクロ構造分析におけるシス1,4結合含量が80.0モル%以上である、ポリ
ブタジエン10~80質量部と、
を、含有する変性共役ジエン系重合体組成物。 - 前記(A)変性共役ジエン系重合体が、
3D-GPCによる収縮因子(g')が0.86以上1.0以下である、
請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。 - 前記(A)変性共役ジエン系重合体が、
3D-GPCによる収縮因子(g')が0.30以上0.86未満である、
請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。 - 前記(A)変性共役ジエン系重合体が、
3D-GPCによる収縮因子(g')が0.30以上0.70以下である、
請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。 - 前記(B)ポリブタジエンが、
ミクロ構造分析におけるシス1,4結合含量が90.0モル%以上である、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。 - 前記(A)変性共役ジエン系重合体が、窒素とケイ素とを、それぞれ3質量ppm以上
含有し、
ケイ素に対する窒素のモル比が1.1以上10未満である、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。 - 前記(A)変性共役ジエン系重合体が、窒素とケイ素とを、それぞれ3質量ppm以上
含有し、
ケイ素に対する窒素のモル比が0.1以上0.9未満である、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。 - 前記(A)変性共役ジエン系重合体のガラス転移温度が-20℃以上0℃以下である、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。 - 前記(A)変性共役ジエン系重合体のガラス転移温度が-50℃以上-20℃未満であ
る、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。 - 前記(A)変性共役ジエン系重合体のガラス転移温度が-70℃以上-50℃未満であ
る、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。 - 前記(A)変性共役ジエン系重合体の重合開始剤残基が窒素を含まない、請求項1乃至
10のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。 - 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体組成物を10質量%
以上含有する重合体組成物。 - 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体組成物を10質量%
以上含むゴム状重合体100質量部と、
充填剤5~150質量部と、
を、含むゴム組成物。 - 請求項13に記載のゴム組成物の製造方法であって、
(A)変性共役ジエン系重合体100質量部と、
(B)ポリブタジエン10~80質量部と、
前記充填剤としての(C)シリカを含有するフィラー5~150質量部と、
を、混練りするゴム組成物の製造方法。 - 前記(A)変性共役ジエン系重合体と、
前記(C)シリカを含有するフィラーと、を、混練した後、得られた混練物と、前記(
B)ポリブタジエンとを混練する、請求項14に記載のゴム組成物の製造方法。
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