JP7342891B2 - 鋼材の圧延時間算出方法、連続式加熱炉の自動燃焼制御方法および鋼材の製造方法 - Google Patents

鋼材の圧延時間算出方法、連続式加熱炉の自動燃焼制御方法および鋼材の製造方法 Download PDF

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本発明は、鋼材の圧延時間算出方法、連続式加熱炉の自動燃焼制御方法および鋼材の製造方法に関する。
圧延能力よりも加熱能力が上回る連続式加熱炉において鋼材を加熱する場合、鋼材の在炉時間を予測し、適切に加熱することにより、目標温度通りに焼き上げ、かつ加熱炉の燃料コストを抑えることができる。鋼材の予測在炉時間は、鋼材ごとの予測圧延時間の和によって計算されるため、在炉時間を予測するためには、圧延時間の予測精度が重要となる。
従来は、圧延時間を予測するために、品種別に圧延パスごとの鋼材が圧延機にメタルインしてからメタルオフするまでの時間(モデル計算によって算出。以下、「ミル内時間」という)と、鋼材が圧延機からメタルオフしてからメタルインするまでの時間(テーブル値を使用。以下、「ミル外時間」という)と、を足し合わせて計算していた。
しかし、テーブル値を用いる方法では、多品種化、圧延技術の向上による能率向上に対応して予測圧延時間テーブルを更新するのに限界があった。この問題を解決するため、例えば特許文献1では、鋼材の圧延時間を過去の実績圧延時間から各種パラメータとの相関を求めて一定の式により算出する自動燃焼制御方法が提案されている。
特開2006-274402号公報
特許文献1で提案されている方法では、従来のテーブル値を用いる方法に比べて圧延時間の予測精度が改善している。しかし、温度調整方法が限定されていたり、考慮されていない操業パラメータがあったりと、改善の余地があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、連続式加熱炉の自動燃焼制御に影響を及ぼす圧延時間および在炉時間の予測精度を向上させることができる鋼材の圧延時間算出方法、連続式加熱炉の自動燃焼制御方法および鋼材の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る鋼材の圧延時間算出方法は、圧延機で圧延される鋼材の圧延時間算出方法であって、前記鋼材の圧延方法、仕上温度の目標値および上下限値、温度調整区分、または鋼種のいずれかを含む操業パラメータを入力変数とし、前記鋼材の圧延時間を出力変数として、過去の前記操業パラメータおよびそれに対する過去の前記圧延時間から生成された予測モデルに対して、圧延対象の鋼材の前記操業パラメータを入力することによって、圧延対象の鋼材について前記圧延時間を予測する。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る連続式加熱炉の自動燃焼制御方法は、圧延機で圧延される複数の鋼材を連続加熱する連続式加熱炉の自動燃焼制御方法であって、前記鋼材の圧延方法、仕上温度の目標値および上下限値、温度調整区分、または鋼種のいずれかを含む操業パラメータを入力変数とし、前記鋼材の加熱時間に関するパラメータを出力変数として、過去の前記操業パラメータおよびそれに対する過去の前記加熱時間に関するパラメータから生成された予測モデルに対して、加熱対象の鋼材よりも圧延機側の鋼材の前記操業パラメータを入力することによって、加熱対象の鋼材の前記加熱時間に関するパラメータを予測する。
また、本発明に係る連続式加熱炉の自動燃焼制御方法は、上記発明において、前記加熱時間に関するパラメータが、加熱対象の鋼材よりも圧延機側の鋼材ごとの圧延時間であり、前記予測モデルによって予測した加熱対象の鋼材よりも圧延機側の鋼材ごとの圧延時間から、加熱対象の鋼材の在炉時間を算出する。
また、本発明に係る連続式加熱炉の自動燃焼制御方法は、上記発明において、前記加熱時間に関するパラメータが、加熱対象の鋼材の在炉時間である。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る鋼材の製造方法は、上記の連続式加熱炉の自動燃焼制御方法によって燃焼制御しながら、連続式加熱炉において鋼材を連続加熱する。
本発明に係る鋼材の圧延時間算出方法、連続式加熱炉の自動燃焼制御方法および鋼材の製造方法によれば、従来は考慮されていなかった操業パラメータを説明変数として用いて、過去の実績から作成された予測モデルを用いることにより、連続式加熱炉の自動燃焼制御に影響を及ぼす圧延時間および在炉時間の予測精度を向上させることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る連続式加熱炉および圧延機を含む圧延ラインの概略的な構成を示す図である。 図2は、本発明の実施形態に係る鋼材の圧延時間算出方法、連続式加熱炉の自動燃焼制御方法を実現するための情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 図3は、本発明の実施形態に係る鋼材の圧延時間算出方法、連続式加熱炉の自動燃焼制御方法において、予測モデルに入力する入力変数の一例を示すグラフである。 図4は、本発明の実施例であり、従来技術および本発明の圧延時間の予測精度を示すグラフである。 図5は、本発明の実施例であり、AR材における従来技術および本発明の圧延時間の予測精度を示すグラフである。 図6は、本発明の実施例であり、CR材における従来技術および本発明の圧延時間の予測精度を示すグラフである。 図7は、本発明の実施例であり、S-CR材における従来技術および本発明の圧延時間の予測精度を示すグラフである。
本発明の実施形態に係る鋼材の圧延時間算出方法、連続式加熱炉の自動燃焼制御方法および鋼材の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
〔圧延ライン〕
本発明の実施形態に係る連続式加熱炉および圧延機を含む圧延ラインの構成について、図1を参照しながら説明する。圧延ライン1は、複数の連続式加熱炉11と、搬送装置12と、エキストラクタ13と、冷却装置14と、圧延機15と、複数のデスケーリング装置16と、強冷却装置17と、シャワー冷却装置18と、加速冷却装置19と、を備えている。
連続式加熱炉11は、圧延機15で圧延される複数の鋼材(被圧延材)Sを連続的に加熱するためのものである。鋼材Sとしては、例えば厚板が挙げられる。連続式加熱炉11の入口側に装入された複数の鋼材Sは、炉内を移動しながら圧延に必要な温度まで加熱される。そして、加熱後の鋼材Sは、エキストラクタ13によって、連続式加熱炉11の出口側から順番に抽出される。
搬送装置12は、エキストラクタ13によって抽出された鋼材Sを、所定の搬送方向に搬送する。冷却装置14は、圧延機15で圧延して温度調整を行う寸法に到達した鋼材Sを、搬送装置12から持ち上げた状態で所定の温度まで空冷により冷却する。
圧延機15は、鋼材Sを圧延するためのものである。この圧延機15は、鋼材Sを圧延する上下一対のワークロール151と、ワークロール151を補強する上下一対のバックアップロール152と、を備えている。また、圧延機15の前面側(搬送方向の下流側)および後面側(搬送方向の上流側)には、それぞれデスケーリング装置16が設けられている。
デスケーリング装置16は、鋼材Sの表面に高圧水を噴射することにより、鋼材Sの表面に形成されているスケールを除去するためのものである。このデスケーリング装置16は、鋼材Sが圧延機15によって往復圧延される際に、当該鋼材Sに対して複数回のデスケーリング(高圧水の噴射)を行う。また、デスケーリング装置16は、図示しない水供給源に接続されたヘッダに取り付けられた、噴射ノズル161を備えている。
強冷却装置17およびシャワー冷却装置18は、圧延中の鋼材Sを所定の温度まで冷却し、鋼材Sの温度を調整する。強冷却装置17は、圧延機15の下流側に設置されており、高圧水によって鋼材Sを強冷却することで温度調整の待ち時間を短縮する。一方、シャワー冷却装置18は、強冷却装置17の下流側に設置されており、シャワーノズルからの冷却水の噴射により鋼材Sを緩冷却する。また、加速冷却装置19は、圧延仕上り後の鋼材Sを、指定された冷却停止温度まで加速冷却する。
〔情報処理装置〕
本発明の実施形態に係る鋼材Sの圧延時間算出方法(以下、単に「圧延時間算出方法」という)および連続式加熱炉11の自動燃焼制御方法(以下、単に「自動燃焼制御方法」という)を実現するための情報処理装置のハードウェア構成の一例について、図2を参照しながら説明する。
情報処理装置101は、パーソナルコンピュータやワークステーション等の汎用の装置によって構成されており、RAM111、ROM112およびCPU113を備えている。RAM111は、CPU113が実行する処理に関する処理プログラムや処理データを一時的に記憶し、CPU113のワーキングエリアとして機能する。
ROM112は、本発明の実施形態に係る板厚算出方法を実行する制御プログラム112aと、情報処理装置101全体の動作を制御する処理プログラムや処理データを記憶している。
CPU113は、ROM112内に記憶されている制御プログラム112aおよび処理プログラムに従って情報処理装置101全体の動作を制御する。また、CPU113は、制御プログラム112aをRAM111の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部等を制御することにより、所定の目的に合致した機能を実現する。
CPU113は、制御プログラム112aの実行を通じて、後記する圧延時間や在炉時間の予測モデルを構築する手段、当該予測モデルを用いて圧延対象の鋼材Sの圧延時間を予測する手段、圧延時間をもとに在炉時間を算出する手段等、として機能する。
入力装置102は、キーボード、マウスポインタ、テンキー等の装置によって構成され、情報処理装置101に対して各種情報を入力する際に操作される。出力装置103は、表示装置や印刷装置等によって構成され、情報処理装置101の各種処理情報を出力する。
〔自動燃焼制御方法〕
本発明の実施形態に係る自動燃焼制御方法について、図3を参照しながら説明する。実施形態に係る自動燃焼制御方法は、操業パラメータごとの実績の圧延時間に基づいて構築された予測モデルを用いて、鋼材Sごとの圧延時間を予測する。そして、予測した圧延時間から鋼材Sの在炉時間を算出し、算出した鋼材Sの在炉時間をもとに、連続式加熱炉11の燃焼制御を行う。自動燃焼制御方法では、以下の表1に示すような説明変数を学習データとして用いて、鋼材Sごとの圧延時間の予測モデルを構築する。
Figure 0007342891000001
表1において、「説明変数」とは、予測モデルの学習の際に入力する入力変数のことを、「区分」とは説明変数の属性のことを、それぞれ示している。また、表1において、「強冷却装置可否サイン」とは強冷却装置17における強冷却を行うか否かのフラグを、「加速冷却装置冷却区分」とは加速冷却装置19における冷却モードのことを、「冷却開始温度目標」とは温度調整を開始する目標温度のことを、「実績鋼種符号」とは鋼材Sの鋼種を成分系ごとにカテゴライズしたものを、それぞれ示している。
表1に示すように、実施形態に係る自動燃焼制御方法では、説明変数として用いる操業パラメータとして、従来の予測方法では考慮されていなかった、圧延方法、仕上温度(目標、上限、下限)、温度調整区分、鋼種(実績鋼種符号)を用いる。
図3は、表1の説明変数の具体的な一例を示しており、縦軸が説明変数の項目、横軸が各説明変数の効果、すなわち予測モデルの精度に対する影響度を示している。同図に示した説明変数のうち、「アズロール抗張力区分」とは、圧延仕上り、冷却後の鋼材Sの抗張力(引っ張り強さ)を10kgfごとにカテゴライズしたものを示している。なお、予測モデルの精度に対する影響度は、実験的に求めたものである。同図に示すように、今回新たに考慮した操業パラメータ(圧延方法、仕上温度、温度調整区分、鋼種)は、いずれも圧延時間の予測の制御に有意な影響を与えていることが分かる。
以下、実施形態に係る自動燃焼制御方法の具体的な処理手順について説明する。自動燃焼制御方法では、モデル構築ステップと、予測ステップと、在炉時間算出ステップと、加熱炉制御ステップと、を行う。なお、上記のステップのうち、モデル構築ステップおよび予測ステップを含む方法が、実施形態に係る圧延時間算出方法に相当する。
また、上記のステップのうち、モデル構築ステップは、予め一度のみ実施すればよい。すなわち、モデル構築ステップによって一旦予測モデルを生成した後は、自動燃焼制御方法として予測ステップのみを実施すればよい。また、自動燃焼制御方法の各ステップは、前記した情報処理装置101のCPU113が主体となって実行される。
モデル構築ステップでは、鋼材Sの圧延方法、仕上温度の目標値および上下限値、温度調整区分、または鋼種のいずれかを含む操業パラメータを入力変数とし、鋼材Sの圧延時間を出力変数として、過去の操業パラメータおよびそれに対する過去の圧延時間から、予測モデルを構築する。上記の入力変数として用いる操業パラメータは、いずれも圧延時間に影響を与える操業パラメータである。以下、各操業パラメータについて、具体的に説明する。
(圧延方法)
圧延方法とは、具体的には圧延時における調整フェーズ、幅出フェーズおよび仕上フェーズのパス数のことを示している。鋼材Sが同じスラブ寸法または同じ圧延寸法であったとしても、圧延時に調整フェーズ、幅出フェーズおよび仕上フェーズがそれぞれ何パス必要であるかによって、パス数やミル(圧延機)内時間が異なり、圧延時間も異なってくるため、圧延方法を入力変数として用いる。
(仕上温度の目標値、上限値、下限値)
鋼材Sの品種によっては、求められる材質へと調整するために、圧延仕上り後の冷却開始温度が定められており、これを守ることができる仕上温度が設定されている。この仕上温度を厳守するために、温度調整時間が伸縮することがある。また、鋼材Sの規格によっては、圧延仕上り後に二次スケールが発生しやすいために、パス数を増加させて仕上温度を低下させる場合がある。このように圧延の仕上温度は、圧延時間に影響することが予想されるため、仕上温度を入力変数として用いる。
(温度調整区分)
温度調整区分とは、具体的には温度調整にどの手法を用いたかに関する情報である。例えば厚板の製造では、デスケーリング装置16によるデスケーリング、強冷却装置17による強冷却、シャワー冷却装置18によるシャワー冷却、加速冷却装置19による加速冷却、冷却装置14による空冷等の、様々な手段によって温度調整を行う。そして、温度調整にどの手法を用いたかによって圧延時間も異なってくるため、温度調整区分を入力変数として用いる。
(鋼種)
鋼材Sは、当該鋼材Sに含まれる添加元素の種類およびその量によって、変態点が異なり、変形抵抗も異なる。そして、変形抵抗が異なると、圧延時の圧下量と荷重との関係が変化し、圧延時間に影響するため、鋼種を入力変数として用いる。
ここで、モデル構築ステップでは、例えば回帰森、回帰木、ランダムフォレスト、DBM(Deep Boltzmann Machine)、ニューラルネットワーク(特にディープラーニング)、勾配ブースティング、勾配ブースティング回帰木(Extreme Gradient Boosted Trees Regressor with early stopping)、勾配ブースティング回帰木のAVG Blender、Elastic Net回帰等の機械学習の手法により、予測モデルを構築する。
続いて、予測ステップでは、モデル構築ステップで構築した予測モデルに対して、加熱対象の鋼材Sよりも圧延機15側(図1の搬送方向の下流側)の鋼材Sの操業パラメータを入力することによって、鋼材Sについて圧延時間を予測する。
続いて、在炉時間算出ステップでは、予測ステップで予測した鋼材S、すなわち加熱対象の鋼材Sよりも圧延機15側(図1の搬送方向の下流側)の鋼材Sごとの圧延時間から、加熱対象の鋼材Sの在炉時間を算出する。在炉時間算出ステップでは、予測ステップで予測した鋼材Sごとの圧延時間を足し合わせることにより、加熱対象の鋼材Sの在炉時間を算出する。
続いて、加熱炉制御ステップでは、在炉時間算出ステップで算出した鋼材Sの在炉時間をもとに、連続式加熱炉11の燃焼制御を行う。
なお、上記の自動燃焼制御方法では、圧延対象の鋼材Sごとの圧延時間を予測モデルによって予測し、予測した圧延時間から加熱対象の鋼材Sの在炉時間を算出し、算出した鋼材Sの在炉時間をもとに、連続式加熱炉11の燃焼制御を行っていたが、予測モデルによって加熱対象の鋼材Sの在炉時間を直接予測してもよい。
この場合、モデル構築ステップでは、鋼材Sの圧延方法、仕上温度の目標値および上下限値、温度調整区分、または鋼種のいずれかを含む操業パラメータを入力変数とし、鋼材Sの在炉時間を出力変数として、過去の操業パラメータおよびそれに対する過去の在炉時間から、予測モデルを構築する。そして、予測ステップでは、モデル構築ステップで構築した予測モデルに対して、圧延対象の鋼材Sの操業パラメータを入力することによって、加熱対象の鋼材Sについて在炉時間を予測する。なお、本実施形態では、前記した鋼材Sごとの圧延時間および鋼材Sの在炉時間のことを、「加熱時間に関するパラメータ」と定義する。
〔鋼材の製造方法〕
実施形態に係る鋼材Sの製造方法では、前記した自動燃焼制御方法によって燃焼制御しながら、連続式加熱炉11において鋼材Sを連続加熱し、鋼材Sを製造する。
〔実施例〕
本発明に係る圧延時間算出方法の実施例について、図4~図7を参照しながら説明する。図4は、従来技術および本発明の、鋼材の圧延時間の予測精度を示している。なお、「従来技術」とは、鋼材ごとの圧延時間の予測にテーブル値を用いたものを示している(図5~図7も同様)。また、同図において、「Ave」は圧延時間の予測誤差の平均値を、「σ」は圧延時間の予測誤差の標準偏差を、「N」はデータ総数を、それぞれ示している(図5~図7も同様)。
図4の(b)に示すように、本発明を用いることにより、従来技術(同図の(a)参照)と比較して圧延時間の予測精度が向上し、予測誤差の平均値Aveが「-19.3秒」から「1.0秒」へと向上し、標準偏差σが「53.8秒」から「40.4秒」へと向上した。
図5は、従来技術および本発明の、AR材の圧延時間の予測精度を示している。なお、「AR材」とは、圧延したままの鋼材のことを示している。図5の(b)に示すように、従来技術(同図の(a)参照)と比較して圧延時間の予測精度が向上し、予測誤差の平均値Aveが「-22.9秒」から「0.23秒」へと向上し、標準偏差σが「17.3秒」から「15.5秒」へと向上した。
図6は、従来技術および本発明の、CR材の圧延時間の予測精度を示している。なお、「CR材」とは、デスケーリング装置によるデスケーリングと、シャワー冷却装置によるシャワー冷却とを行い、温度調整をした鋼材のことを示している。図6の(b)に示すように、従来技術(同図の(a)参照)と比較して圧延時間の予測精度が向上し、予測誤差の平均値Aveが「-13.4秒」から「4.2秒」へと向上し、標準偏差σが「56.7秒」から「28.7秒」へと向上した。
図7は、従来技術および本発明の、S-CR材の圧延時間の予測精度を示している。なお、「S-CR材」とは、加速冷却装置による加速冷却を行って温度調整をした鋼材のことを示している。図7の(b)に示すように、従来技術(同図の(a)参照)と比較して圧延時間の予測精度が向上し、予測誤差の平均値Aveが「-36.8秒」から「-12.9秒」へと向上し、標準偏差σが「26.3秒」から「21.1秒」へと向上した。以上の実施例によって示されるように、本発明を用いることにより、鋼材ごとの圧延時間の予測精度を向上できることが分かる。
以上説明した実施形態に係る鋼材Sの圧延時間算出方法、連続式加熱炉11の自動燃焼制御方法および鋼材Sの製造方法では、鋼材Sごとの圧延時間(または在炉時間)を予測し、加熱対象の鋼材Sより搬送方向の下流側の鋼材Sの圧延時間を足し合わせて算出した(または予測した)在炉時間を用いて、連続式加熱炉11の自動燃焼制御を行う。
このように、鋼材Sの圧延時間算出方法、連続式加熱炉11の自動燃焼制御方法および鋼材Sの製造方法では、従来は考慮されていなかった操業パラメータ(圧延方法、仕上温度の目標値および上下限値、温度調整区分、鋼種)を説明変数として用いて、過去の実績から作成した予測モデルを用いることにより、連続式加熱炉11の自動燃焼制御に影響を及ぼす圧延時間および在炉時間の予測精度を向上させることができる。
以上、本発明に係る鋼材の圧延時間算出方法、連続式加熱炉の自動燃焼制御方法および鋼材の製造方法について、発明を実施するための形態および実施例により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。
1 圧延ライン
11 連続式加熱炉
12 搬送装置
13 エキストラクタ
14 冷却装置
15 圧延機
151 ワークロール
152 バックアップロール
16 デスケーリング装置
161 噴射ノズル
17 強冷却装置
18 シャワー冷却装置
19 加速冷却装置
101 情報処理装置
102 入力装置
103 出力装置
111 RAM
112 ROM
112a 制御プログラム
113 CPU
S 鋼材

Claims (5)

  1. 圧延機で圧延される鋼材の圧延時間算出方法であって、
    前記鋼材の圧延方法、温度調整区分、または鋼種のいずれかを含む操業パラメータを入力変数とし、前記鋼材の圧延時間を出力変数として、過去の前記操業パラメータおよびそれに対する過去の前記圧延時間から生成され、かつ機械学習によって生成された予測モデルに対して、圧延対象の鋼材の前記操業パラメータを入力することによって、圧延対象の鋼材について前記圧延時間を予測する、
    鋼材の圧延時間算出方法。
  2. 圧延機で圧延される複数の鋼材を連続加熱する連続式加熱炉の自動燃焼制御方法であって、
    前記鋼材の圧延方法、温度調整区分、または鋼種のいずれかを含む操業パラメータを入力変数とし、前記鋼材の加熱時間に関するパラメータを出力変数として、過去の前記操業パラメータおよびそれに対する過去の前記加熱時間に関するパラメータから生成され、かつ機械学習によって生成された予測モデルに対して、加熱対象の鋼材よりも圧延機側の鋼材の前記操業パラメータを入力することによって、加熱対象の鋼材の前記加熱時間に関するパラメータを予測する、
    連続式加熱炉の自動燃焼制御方法。
  3. 前記加熱時間に関するパラメータは、加熱対象の鋼材よりも圧延機側の鋼材ごとの圧延時間であり、
    前記予測モデルによって予測した加熱対象の鋼材よりも圧延機側の鋼材ごとの圧延時間から、加熱対象の鋼材の在炉時間を算出する、
    請求項2に記載の連続式加熱炉の自動燃焼制御方法。
  4. 前記加熱時間に関するパラメータは、加熱対象の鋼材の在炉時間である、請求項2に記載の連続式加熱炉の自動燃焼制御方法。
  5. 請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の連続式加熱炉の自動燃焼制御方法によって燃焼制御しながら、連続式加熱炉において鋼材を連続加熱する、鋼材の製造方法。
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